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子どもの睡眠の実態
子どもの睡眠の実態 • 小学校3、4年生で平均就寝時刻21時50分、平 均起床時刻6時40分(8時間50分睡眠) • 小学校5、6年生では平均就寝時刻22時、平均 起床時刻6時50分(8時間50分睡眠) • 中学生では23時10〜25分に寝て 6時39〜47分に起きる(平均7時間15〜35分) • 米国では小学校1〜5年生は9.5時間睡眠 である。 こどもの睡眠時間の変化 • 23年前に比べ、小学生で10〜15分 中学生で30分短縮 高校生では12年前に比べ20分の短縮 こどもの睡眠不足感 平日では小学生の20%、中学生の40%、 高校生の50%に認められる 夜更かしの理由 なんとなく 54% 勉強 34% パソコン、テレビゲーム 24% 週2回以上居眠りをする者 小学生 20% 中学生 40% 高校生 50% 夜型生活で睡眠不足 朝食の 欠如 ストレスの増加 日中眠くてぼんやり 運動不足 平日のメディア接触時間 4時間以上 6時間以上 小学生4~6年生 49.3% 26.0% 中学生 54.4% 24.2% 高校生 46.7% 20.3% (資料:2004年NPO法人 子どもとメディア 調査) 東京の小学校5年生から中学校3年生277名を 対象とした調査(2004年) 朝食を食べない日がある児童生徒(平成17年度) 毎日食べる 週に2,3回 食べない 夜更かしすると・・・ 1、睡眠不足 ステロイドホルモンの夕方の分泌の減りが悪くなり肥満を招く 2、心身の成長を妨げる 成長ホルモンの分泌が悪くなる。脳が休息できない 3、慢性的な時差ぼけ状態を招く 生体時間は25時間、地球時間は24時間 放っておくと生体時計はどんどん後ろにずれて、生活リズム (睡眠、覚醒、体温、ホルモンの分泌)がバラバラに動き出す 体内時計のリセットに最も有効なのが朝の光 夜更かしすると・・・ 4、イライラ、感情コントロールが困難となる セロトニンの分泌が減少し、イライラ感が出てきたり 攻撃性が増強する 5、食習慣の不健全化 朝食抜きになりやすく、肥満になりやすくなる 6、メラトニンの分泌が減少する メラトニンは眠気を起こし、酵素の毒性から体を守る。 また、老化防止や抗ガン作用がある • 成長ホルモン 子どもの骨を伸ばす、筋肉を発育させる • ステロイドホルモン ストレスに直面すると多量に分泌される • セロトニン 脳の発育を促す、情緒を安定させる • メラトニン 抗酸化作用、性腺抑制作用(性的成熟を抑え る)、生体時計を整える 睡眠とホルモン分泌 大人の平均睡眠時間においても 7:57(1970年)→7:23(2000年) と、 夜型化傾向が顕著である. 睡眠不足になると。。。 • インスリン分泌抑制作用 (糖尿病発症リスクが高まる) • 高血圧 • 肥満 (レプチン減少、グレリン増加) 保護者の方にお願いしたいこと 早寝早起き朝ごはん • 日本小児科医会のスローガンです。 • 日本の子どもたちは世界で一番夜更かしで一番睡眠時間が短い。 • 夜更かし、朝寝坊、朝ごはん抜き、運動不足、メディア漬け、の生活でセロトニン神経の 発達の異常が起こり、心の理論の異常(発想が自分の立場から離れられない、人の心が わからない、子どものオレ様化)、内的脱同調(慢性時差ぼけあるいは昼夜逆転のこと)、 うつ病、ひきこもり、慢性疲労症候群などの原因になることが心配されています。 • 夜に明るい光を浴び続けると、生体時計が遅れ、眠る時間が遅くなっていきます。早朝の 明るい光を浴びると、生体時間が早まり、早起きになります。夜8時をすぎたら部屋を暗く して寝る準備をし、起きる前から朝の日光を浴びれるようにするといい。 • 夜遅いお父さんは、朝に子どもとスキンシップ。あるいは休みの日にまとめて。 • 夜9時をすぎてから子どもをコンビニやレンタルビデオ店、居酒屋などにつれまわさない で下さい。(日本の親の26%が夜9時以降、子どもを連れ回している) • 子どもを夜更かしにしたのは、便利だから、楽しいから、商売になるからという理由で、現 代の都会的な生活を作り上げた、大人たちです。 メディア漬けに気をつけて • テレビゲームは子どもが夢中になって、中毒状態になるように、子どもの神経心 理の特性を考えて作られている。 • 乳児期から幼児期にかけて、ビデオを一日10時間くらいずっと見てすごした子 どもが、言葉を獲得できず自閉症と同じ症状を示す例が相次いでいます。ビデ オを中止しても言葉を獲得できなかった子どももいるそうです。 • テレビ、ビデオ、ケータイ、ゲームによって乳児期からの親と子のかかわり方が 変化してきており、当然の結果として、人間同士のコミュニケーションのあり方、 人間の心のあり方が変わってきている。 • 小学生になっても、ゲームと同じように人は一度死んでも何回でも生き返る、と 思っている子どもがいる。 • 脳の前頭前野の障害をおこし、カッとなりやすい子どもをつくる 19 食育 • 造語ですが、明治のインテリの人が、知育、徳育、体育の前にまず 食育が重要といったのが始まり。 • 加工食品ばかり食べて味覚が育たない子どもが増えている。 • いろいろ言われていますが、 幼児では、 1、食事を上手に食べること、2、いろいろなたべものを食べられる こと、3、不適切な食べ方の習慣を身に着けないこと、 学童では、 4、料理の材料について知り、5、料理を大人と一緒に作ることがで き、6、栄養の知識を活用できるようにすること が目標 • その土地特有の食文化を大切にし、できるだけ地元の食材を食べ るのは、それだけでよい食育になるでしょう。 (ひょうぼしに納豆汁、秘伝豆、芋煮。青菜漬けをつくれたらすご い!山形の食文化は世界に誇れるものだそうです。) 20 昼のセロトニン、夜のメラトニンを 高める8か条 1、毎朝、しっかり朝日を浴びる 2、ご飯をしっかりよくかんで食べる。特に朝はきちんと食べる 3、昼間はたっぷり運動を 4、夜更かしになるなら、お昼寝は早めに切り上げる 5、寝るまでの入眠儀式を大切にする (寝巻きに着替える、翌朝の衣類の準備) 6、テレビ、ビデオは時間をきめて 7、暗い部屋でしっかりおやすみ 8、まずは早起きをして悪循環(夜更かし→朝寝坊→慢性の 時 差ぼけ→眠れない)を断ち切る • 参考文献 「夜ふかし」の脳科学 中公新書ラクレ 神山潤 子どもの睡眠 芽ばえ社 神山潤 テレビ画面の幻想と弊害―むかつく・キレル・不登校の彼方に あるもの 悠飛社ホット・ノンフィクション―Best Doctor Series 田澤雄作