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2学期以降の学級経営を充実させるために ~2学期のスムーズなスタート
平成 25年度学級づくりリーダー養成研修会Ⅲ 平成 25年7月 2学期以降の学級経営を充実させるために ~2学期のスムーズなスタートのために~ 高知県心の教育センター Ⅰ 構成的グループ・エンカウンター(SGE) 1 構成的 グループ エンカウンター とは (1) 正式な名称 ・構成的グループ・エンカウンター (○ S tructured G roup ○ E ncounter=SGE) ○ ※ベーシック(非構成)のグループ・エンカウンターもあります。 (2) 「エンカウンター」の意味 ・出会い・・・本音と本音のふれあい(交流) ※児童・生徒に自己開示(本音)を求める前に、教師の自己開示が大事! (3) 「構成的」の意味・・・「枠を与える」 ・枠の種類・・・グループのサイズ(例:隣どうしで・4人組でなど)、課題(エクササイズ) 時間、条件(ルール)など (4) ねらい ・ 「自己理解」 「他者理解」 「自己受容」 「自己主張」「信頼体験」 「感受性の促進」 (5) 構成的グループ・エンカウンターを選ぶ理由 ・比較的短時間で仲良くなれる ・体験のレベルを調節できる(心的ダメージを軽減することができる) ・課題(エクササイズ)を学び練習をすれば、誰にでもできるようになる 2 構成的グループ・エンカウンターの実際 1 (1) インストラクション(ねらい・ルールの説明とモデリング:例示) ルールとは、 ① 守秘義務(ここでのことは、外へは漏らさない) ② メンバーを非難、批判しない ③ 発言を強要しない(先生は仕切りたがるので要注意!) ④ エクササイズを強要しない(上に同じ) (2) エクササイズの構成の基本 ① 1人から2人へ、そして4人、6人へ(授業も一緒ですが、ペアからグループへ) ② 身体接触の少ないものから、身体接触が必要な物へ(指の接触→手をつなぐ) ③ 表面的なものから、内面的なものへ ④ 無理なく自己開示できるように構成していく (3) シェアリング(振り返り・分かち合い) :認知の修正や拡大 ・エクササイズに取り組んでみて、 「感じたことや気づいたこと」を共有すること (4) シェアリング設定のポイント ① グループの人数を工夫する(ペア、小グループなど) ② シェアリングのポイントを板書しておく (例: 「楽しかった人は、なぜ楽しかったのかを話してください」など) ③ スケール(4、5段階の評価)+自由記述のワークシートを使う (5) 抵抗(エクササイズに参加できない子ども)への配慮 ① 参加できないことを意思表示できたことをほめる ② 先生の助手役に抜擢する(時計係、配布係など) ③ 表情などを観察しながら、参加できそうな(したそうな)雰囲気なら参加を促す ④ シェアリングの時にも参加を促す 助手役をしていて気づいたこと(自分のことも含む)を話してもらう シェアリングに参加することによって、メンバーの気づきを聞くだけでも意味がある レッツ エクササイズ 【質問ジャンケン】 ・時間は 2 分間 ・ジャンケンで勝ったら一つ質問 ・負けた人は、質問に簡潔に答える ・パス OK(答えにくい質問) ・あいさつ(よろしくお願いします。 ありがとう)を必ず 2 Ⅱ 心の冒険教育(プロジェクトアドベンチャー PA) 1 心の冒険教育の目的 「体験から学ぶ」 ・ 「楽しさ」を大切にしながら、 「協力するとはどんなことか」 「仲良くするとはどんなことか」 ということを自ら体験することで理解し、信頼関係を築いていく ・グループでの活動(アクティビティ)を通して、協力し合える人間関係を作る 2 「心と体の安全」のために ~三つの約束~ ① フル・バリュー・コントラクト 「自分も含めてお互いを最大限に尊重しあう」というみんなで作る約束のこと ※ ビーイングに表すことができる ※ 「心の安全」がとても大切 ② チャレンジ・バイ・チョイス 「チャレンジは自分の意志で選択する。人からは無理強いされない」という、選択の自由を 保障する考え方 パニックゾーン アドベンチャー ストレッチゾーン C-ゾーン 安全であるが、学びの機 パニックゾーン C-zone コンフォートゾーン 会は限られる環境 ※人によって違う ③ S-ゾーン 馴染みのない環境で 新しいものに触れる 学びの環境 ※チャレンジし続けると C ゾーンは広がっていく ゴール設定 他との競争ではなく、自分たちのゴールは自分たちで決める 3 ふりかえりを大切に ・単に「レクレーション」 「ゲーム」になってしまっては、ねらいが生かされない ・活動からの気づきや学びを整理し、次の活動や日常生活へつなぐパイプ的な役割 振り返りキーワード例 ★グループをよく観察して、適切な言葉がけを 「どんな時にうまくいった(いかなかった)?」 「どんなふうにうまくいった?」 「どんな問題が出てきた?」 「それをどうやって解決した?」 「次にもう1回やるとき、どんなことをすれば有効だと思う?」 3 Ⅲ 今日の活動紹介 【構成的グループ・エンカウンターを中心として】 1 質問ジャンケン 二人組でジャンケンをして、質問項目に沿って質問し合うことで自己理解、他者理解をはかる SST と SGE 両方のねらいで行うことができる 2 出会いのビンゴ 新しい仲間と楽しくビンゴをする中で、親近感を高め、支持的で温かい集団(学級)の雰囲気を つくる(ビンゴのテーマ:好きな食べ物、夏休みに体験したこと、知っている歴史上の人物など) 3 シェアリング 【心の冒険教育を中心として】 4 元気度チェック 簡単なポーズで体調チェック。例えば、お腹のあたりを「0」、頭を「100」として、今の自分 の体や心のエネルギー度を両手で表すなど 5 ラインアップ(バースデーライン) 円になり、誕生日、名前の文字数、睡眠時間、好きな数などの条件で並び替わる。 「言葉あり」 「言 葉なし」などチャレンジレベルを変えて 6 インパルス 輪になり、拍手をウェーブのように順々に送っていく。 拍手1回ずつ→拍手2回ずつ→拍手2回&足ふみ 1 回→拍手2回&足ふみ1回など 7 ビート 向かい合って立ち、胸の前で 1 回叩いてから相手と手を合わす。胸の前で叩く回数を2回・3回・ 4回・5回と増やしていき、それから、4回・3回・2回・1回と回数をへらしていく ・2人で声を出しながら ・ノンバーバル ・目をとじて ・ノンバーバル+目をとじて ・4人で→8人・・・と人数を増やしていくなど 8 ビーイング 手のひらをトレースして、掌の中に自分が大事にしたい(大事にしている)ことを書き、お互い が大事にしていることを知りあったうえで、手首のところにサインをする 9 ふりかえり フルバリューカード(絵葉書でも OK)で今の気持ちについて話し合う 4 【参考文献:SGE・SST 関連】 「構成的グループエンカウンター事典」國分康孝・國分久子:総編集 図書文化 「エンカウンターで学級が変わる」小学校編、中学校編、高等学校編 :國分康孝編著 図書文化 「いま子どもたちに育てたい学級ソーシャルスキル CSS」小学校低学年/中学年/高学年/中学校/図書文化 【参考文献:PA 関連】 「グループのちからを生かす」 「みんなのPA系ゲーム 243」 プロジェクトアドベンチャージャパン:著 みくに出版 プロジェクトアドベンチャージャパン:監修 「プロジェクトアドベンチャーの実践 諸澄敏之:編著 杏林書院 対立がちからに」W・J・クレイドラー:著PAJ:訳みくに出版 5