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国際文化学科 博物館実習

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国際文化学科 博物館実習
国際文化学科 博物館実習
学芸員課程の「博物館実習Ⅱ」において,下記の学生が博物館実習を行った。
・高橋 栄 目黒区美術館 4月27日~12月20日のうち,13日間
・肥田 慧 市川市立市川考古博物館 6月19日~29日
・荒谷あずさ 千葉市美術館 7月23日~28日
・木本 祥子 千葉県立美術館 7月26日~8月1日
・佐々木大輝 山武市歴史民俗資料館 8月7日~12日
博物館実習報告
荒谷 あずさ
7月23日~28日の6日間に千葉市美術館にて博物館実習を行なった。初日,午前中は自己紹介・オ
リエンテーションを行い,午後から千葉市美術館の組織形態と施設について軽く説明を受け,その後
美術館の仕事について学んだ。
初日は貸借について学び,国内での貸借は他の学生も大学で学んだこともあってか,海外作品を取
り寄せるまでの手続きについて重点的に教えていただいた。作品を取り寄せるのに建物全体の構造・
配置・作品に掛かる加重について徹底的に調査し,それらをその作品の保有している団体だけでなく
保険をかけている会社にも報告をしなければならないという大掛かりなものであった。国内の作品で
もこのくらいのことは通常するそうだが,海外作品では移動時間が余計かかるため,慎重に事を進め
ていくことの重大さを学んだ。
その話を聞いた後はアウトリーチ活動を見学してきた。アウトリーチとは,現在,千葉市美術館が
もっとも力を入れている活動で,アート作品はどうしても社会的に見て内向的に写ってしまうため,
では,普段アート作品に触れないような人たちに触れ合ってもらえるような「外」に向けたアートと
はなにかを考える活動だ。活動の手始めとして,1階情報コーナーを大学等の学校に向けた一般教養
スペースへ変えるために現在活動中のアーティスト住中浩史氏と美大生が共同で作業を行い,創作活
動を行なっていた。まだ途中であったが,中を見学させてもらうと部屋はアスレチックスペースのよ
うな状態になっており,
大人も童心に帰れるような新しいことを発想させるような場所になっていた。
2日目から4日目までは作品保存に関わる実習を2時間続きで行い,残り1時間は展示をつくるま
でに行う仕事や現存作家との仕事について学んだ。作品保存については千葉市美術館で収集する主な
作品についてと,収蔵庫の仕組みについて教えていただいた。
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実際に入る収蔵庫は想像以上にひんやりとしていて,本やDVDで学んだ設備より厳重なものに見
えた。部屋は前室から3部屋に分かれ,それぞれの用途に合わせABCと部屋分けされていた。Aの収
蔵庫には近代までの作品が収められ,Cの部屋は現代アートの作品を収蔵していた。全室板張りだっ
たのだが,万が一火事が発生した際,ここでの消火は水を使わず,ハロンガスを使用して鎮火するた
め,燃えていない作品が水浸しになることはないそうだ。光源に使われている白熱灯はすべて紫外線
をカットするようになっているので絵の具や紙の劣化はある程度防げる仕様になっていることも教え
ていただいた。
保存する梱包ではCの現代アートの収蔵庫が一番印象に残っている。平面の作品は絵画ラックとい
う金網にS字の鎖でがっちり固定し,さらに上からさらしで止めて多少の揺れでも微動だにしないよ
うにしてあった。東北の震災の際,美術館で一番被害にあったのはこの現代アートの収蔵庫だったら
しく,絵画ラックの固定が外れかけ,立体のものは軒並み倒れ,収蔵庫の中を元の状態に戻すのが大
変だったと学芸員の方は話してくれた。笑って話してくれたが,作品が壊れていないかも確認しなけ
ればならないだろうから,仮に業者や専門家に手伝ってもらったとしても気の遠くなる作業だったろ
うと想像するだけで複雑な気持ちになった。
立体の梱包も見せていただいたが,こちらは木の枠に入れられた状態で積み上げられ,ルーヴル美
術館のドキュメンタリー映画のようだった。映画の中で,箱ごとフォークリフトで運ぶシーンがあっ
たので,運搬に使うのか聞いてみたら,日本の美術館は狭いので,すべて人間の手だけで運ぶと回答
された。ここまで丁寧に扱っている所を見ると,海外の美術館の方が手荒に扱っているところが多い
のではないかと錯覚してしまうくらい,千葉市美術館の管理は徹底していてとても勉強になった。
実習や,前半の座学は1年生の頃から授業で受けていたことの復習のようなものだったので,再確
認できた所や,新しい発見に繋がり,聞いていても少し肩の力を抜く余裕もできたが,広報について
の話を聞いた時は美術館の現状やリアルな経験談が聞けたので身が引き締まる思いだった。2年前ま
で千葉市美術館では広報担当の係を作ることが出来ず,企画展担当の者が広報までやらなければいけ
なかった。そのため,展示ごとに広報担当が変わり,美術館全体の広報を担当するものが不在の状態
だったそうで,指定管理で企業として動けるようになるまで情報が錯綜しがちになっていたことを聞
いた。今は全体統括の広報係もでき,来館者向けの新着情報や学芸員同士の連絡もスムーズに事が運
んでいるそうで,学芸員などの研究職と,一般の来館者,企業との間に立つ橋渡し的存在の重要性が
よくわかった授業だった。
今回,6日間お世話になり,様々な経験,知識を吸収させていただいた千葉市美術館には言葉に表
せないくらい感謝をしている。普段はガラス越しでないと見られない作品を直接見て,自身の手で開
封し,そこでの注意や気を付けなければならないことをさらに意識することが出来た。私たちは,ま
だこの道に進んで5年も経っておらず,教授たちからの最低限の知識だけを知った状態で驕っていた
のだと思う。さらに作品を知るためにやらなければならないこと,知っておくべきことの指標が出来
た今回の実習は,私にとって大きな収穫であったと思う。
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博物館実習レポート
木本 祥子
実習場所 千葉県立美術館
実習期間 7月26日~29日,7月31日,8月1日
1日目 (7月26日・晴天)
1.開講式
2.講話
・美術館内の設備,施設の管理運営の説明を指導担当学芸員の方から受けた。
3.ワークショップ事前準備
・ワークショップの補助活動を行う際の注意事項の説明を受けた。
・28日に行うワークショップの試作品作り。
4.普及課・学芸課の業務内容の説明
・収蔵庫で常設作品の展示・保存する際の管理・注意事項の説明を受けた。
・普及課の広報活動内容の説明。広報活動に繋がるイベント・連携事業の説明。
感想・反省
今まで具体的にはほとんど知らなかった美術館の業務の内容を1日かけて詳しく知ることができて
良かった。これから6日間の実習,気を引き締めていきたいと思った。
2日目 (7月27日・曇天)
1.バーチャルミュージアム体験
・実習生を2班に分け,それぞれの班で1つのテーマを設定した展覧会の模擬製作を行った。
作品は美術館の所蔵する複製画45枚を用い,また各作品にはコストを割り当てた。展示には
1/50サイズの展示室の模型を使用した。
・班内で企画展の提案から展示までの流れを検討した。
2.調査書の作成
・収蔵庫を見学後,収められた絵画1点を選んで調査書を作成した。
・担当学芸員の方による評価を受けた。
感想・反省
バーチャルミュージアム体験は,人と共同して行ったことがなかったため大変だったが良い経験に
なった。調書も,参考になる意見を多く聞けて良かったと思う。
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3日目 (7月28日・晴天)
1.ワークショップ
・ワークショップの会場の設営。
・ワークショップの補助活動。
2.展覧会シュミレーションの相談
・最終日に行う模擬展覧会の作品を決め,実習生でテーマの相談を行った。
感想・反省
ワークショップでは,子供と接する機会が普段は少ないため会話が難しかった。遅れてくる人も居
たため,進行のムラが多く対処が上手くできなかった。
4日目 (7月29日・晴天)
1.展覧会会場の監視
・展示作品の説明を学芸員の方から受けた。
・お客様への展示作品の説明,監視されている学芸員や警備の方の作業のお手伝いを行った。
2.収蔵庫の清掃
・絵画・書の専用収蔵庫内の埃取り,掃除機をかけた。
感想・反省
会場の監視を行うことは初めてだったためとても緊張した。掃除は授業でやりかたは分かっていた
ためきちんとできて良かった。
5日目 (7月31日・晴天)
1.作品の梱包
・美術館の作品梱包の方法の説明を受けた。
・梱包した作品の置かれた収蔵庫を見学。
・実際に梱包を実習生だけで行った。
2.展覧会シュミレーションの原稿の作成
・模擬ギャラリートークのための資料を資料庫で収集,原稿を作成した。
感想・反省
絵画の梱包を初めて行ったため,
とても緊張した。梱包は学芸員の重要なスキルの1つのため,しっ
かり覚えようと思った。
6日目 (8月1日・晴天/雨)
1.展覧会シュミレーションの会場設営
・複製画を展示室に運び入れ,壁にかけた。
2.模擬ギャラリートーク
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・実習生が発表し,指導学芸員の方から批評をいただいた。
3.作品の扱い方
・焼き物,掛け軸の作品の扱いの説明を受けた。
・実践。
感想・反省
ギャラリートークを本格的に行ったのが初めてだったため,至らない点を多く感じた。今回いただ
いた批評を励みに,これからは注意していきたい。6日間ご指導いただき,ありがとうございました。
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