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2012年度薬剤師国家試験対策補講(悪性腫瘍)の資料

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2012年度薬剤師国家試験対策補講(悪性腫瘍)の資料
訂正
1枚目
問187 1 過刺発現 → 過剰発現
3 用しいられる → 用いられる
問264−265 カルボブラチン、カルポプラチン → カルボプラチン
3枚目
問205 癌牲 → 癌性
7枚目 問296−297、8枚目 問208 エトボシド → エトポシド
間316 → 問316
問194 3 ゲフィチニプ → ゲフィチニブ
8枚目
問208 1 プレオマイシン → ブレオマイシン
9枚目
問265 4 シタラピン → シタラビン
10枚目
間210 → 問210
国試過去問
問56 肝細胞癌の腫瘍マーカーとして、最も適切なのは
どれか。すべて選べ。
1 AFP (α-fetoprotein)
2 CA 19-9 (Carbohydrate antigen 19-9)
消化器癌(膵臓癌、胆道癌、胃癌、大腸癌など)
3 PSA (prostate specific antigen)
前立腺がん
4 CYFRA21-1(cytokeratin 19 fragment)
非小細胞肺癌、鼻咽腔癌
5 SCC (squamous cell carcinoma related antigen)
子宮頚管部や肺の扁平上皮がん
問187 乳癌の治療に関する記述のうち、誤っているもの
はどれか。すべて選べ。
1 トラスツズマブは、HER2 (human epidermal growth
factor receptor type 2) が過剰発現している転移性乳
癌に用いられる。
2 ゴセレリン酢酸塩は、骨塩の低下を引き起こす。
3 アナストロゾールは、 閉経前乳癌の治療に用いられる。
4 タモキシフェンクエン酸塩は、子宮体癌のリスクを増大
させる。
5 パミドロン酸ニナトリウム水和物は、骨転移をきたした
場合に用いられる。
問264 (実務) 処方2のデキサメタゾン錠の投与目的とし
て、正しいのはどれか。すべて選べ。
1 化学療法に伴う骨抑制の軽減
2 化学療法に伴う消化器症状 (悪心・嘔吐) の軽減
3 化学療法に伴う感染症の予防
4 抗炎症作用による化学療法の効果の増強
5 化学療法に伴う血栓形成の予防
問265 (薬理) この患者に使用が予定されている薬物に
関する記述のうち、正しいものはどれか。すべて選
べ。
1 パクリタキセルは、微小管の安定化を引き起こし、有糸
分裂を阻害する。
2 カルボブラチンは、癌細胞のDNAを架橋し、増殖を抑
制する。
3 グラニセトロンは、ドパミンD2受容体を遮断し、消化管
運動を調整する。
4 デキサメタゾンは、タンパク同化作用と鉱質コルチコイ
ド作用が共に強力である。
問182 腫瘍マーカーと悪性腫瘍との関係について、正し
いものはどれか。すべて選べ。
腫瘍マーカー
悪性腫瘍
1 AFP (α fetoprotein)
肝細胞癌
2 CA (carbohydrate antigen) 19-9
膵癌、胆道癌
3 CEA (carcinoembryonic antigen)
大腸癌
4 CYFRA 21-1 (cytokeratin 19 fragment)
前立腺癌
非小細胞肺癌、鼻咽腔癌
5 PIVKA-II (protein induced by vitamin K
absence or antagonist-II)
肺癌
肝臓がん
問195 癌化学療法において、制吐に用いられる医薬品
をすべて選べ。
1 スルピリド
2 クロルプロマジン塩酸塩
3 グラニセトロン塩酸塩
4 メトクロプラミド(D2+5-HT3受容体拮抗薬)
5 デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム
問203 慢性骨髄性白血病 (CML) の病態とその治療に
関する記述のうち、正しいものはどれか。すべて選べ。
1 未分化な骨髄球系の細胞のみが増殖する。
2 急性転化を起こした後では、化学療法が著効を示す。
3 第22番染色体と第9番染色体の相互転座によるフィラ
デルフィア染色体が出現する。
4 インターフェロンα (IFNα) は、腫瘍細胞の増殖を抑制
する作用を有するので、治療に用いられる。
5 骨髄移植適用の条件として、ドナーとのヒト組織適合
性は、血球抗原 (HLA) の一致が望ましい。
問204 肺癌とその治療に関する記述のうち、正しいもの
はどれか。すべて選べ。
1 我が国では、肺癌による死亡数は、成人男性における
悪性腫瘍死の第1位である。
2 非小細胞肺癌の非進行症例の治療において、化学療
法は外科手術よりも優先される。
3 小細胞肺癌治療には、シスプラチンとエトポシドの併用
療法が適応となる。
4 ゲフィチニブの重篤な副作用として、急性肺障害や間
質性肺炎がある。
5 イリノテカン塩酸塩水和物は、癌細胞の増殖にかかわ
るチロシンキナーゼを阻害する作用を持つ。
問207 白血病に関する記述のうち、正しいものはどれか。
すべて選べ。
1 白血病は血球産生組織の系統的かつ無制限の増殖
を引き起こす疾患で、造血組織の悪性腫瘍とみなされ
る。
2 急性白血病は、造血幹細胞が幼弱な段階で細胞増殖
を引き起こす疾患である。
3 急性白血病では、化学療法により臨床的完全寛解と
なっても、患者体内には腫瘍細胞が存在しており、更な
る治療を必要とする。
問182 乳癌とその治療に関する記述のうち、正しいもの
はどれか。すべて選べ。
1 リツキシマブは、HER2 (human epidermal growth
factor receptor type2) が過剰発現している転移性乳
癌に用いられる。
トラスツズマブ リツキシマブは悪性リンパ腫
2 リュープロレリン酢酸塩は、閉経後乳癌に適応がある。
3 アナストロゾールは、アロマターゼ阻害作用により、閉
経後乳癌の治療に用いられる。
4 タモキシフェンクエン酸塩は、子宮体癌のリスクを増大
させる。
5 パミドロン酸二ナトリウム水和物は、骨転移をきたした
場合に用いられる。
ビスホスホネート系:悪性腫瘍による高カルシウム血症
乳癌の溶骨性骨転移
問205 慢性骨髄性白血病とその治療に関する記述のう
ち、正しいものはどれか。すべて選べ。
1 多能性造血幹細胞の異常が原因であり、この系統の
細胞の腫瘍性増殖である。
2 長期間無症状で過ごし、健康診断で発見されることが
多い。
3 フィラデルフィア染色体は、9番染色体と22番染色体の
相互転座による。
4 インターフェロンアルファが有効である。
5 急性白血病に転化することはまれである。
問192 乳癌とその治療に関する記述のうち、正しいもの
はどれか。すべて選べ。
1 日本人女性における乳癌の罹患率は、年々減少して
いる。
2 発生部位により乳管癌と小葉癌に大別され、後者が
90%以上を占める。
3 早期乳癌 (臨床病期 I) 手術後の10年生存率は90%
以上である。
4 遠隔転移を伴わない乳癌では、手術療法が第一選択
となる。
5 トラスツズマブは、HER2 (human epidermal growth
factor receptor type 2) が過剰発現している転移性乳
癌に対して用いられる。
問194 肺癌とその治療に関する記述のうち、正しいもの
はどれか。すべて選べ。
1 我が国では、肺癌による死亡率は男性では増加傾向
にあるが、女性では減少傾向にある。
2 小細胞癌は、早期より遠隔臓器に転移している症例が
多い。
3 非小細胞癌は、放射線感受性が高いので、放射線療
法が治療の主体となる。
4 小細胞癌の一般的な化学療法として、シスプラチンと
エトポシドの併用療法がある。
5 イリノテカン塩酸塩の重大な副作用に、骨髄抑制と高
度な下痢がある。
問199 血液・造血器腫瘍とその治療に関する記述のうち、
正しいものはどれか。すべて選べ。
1 慢性骨髄性白血病では、フィラデルフィア染色体上に
BCR/ABLキメラ遺伝子が形成される。
2 成人T細胞白血病は、東日本に好発している。
3 慢性リンパ性白血病では、B細胞慢性リンパ性白血病
が大半である。
4 多発性骨髄腫では、病的骨折を起こしやすい。
5 ホジキン病の治療には、放射線療法は用いられない。
問207 子宮癌とその治療に関する記述のうち、正しいも
のはどれか。すべて選べ。
1 日本では、子宮体癌の発症が増加している。
2 子宮頸癌では腺癌が多く、子宮体癌では扁平上皮癌
が多い。
3 子宮頸癌の発症には、ヒトパピローマウイルスが関与
する場合が多い。
4 子宮頸癌の治療の主体は、手術療法と放射線療法で
ある。
5 子宮体癌治療の第一選択は、化学療法である。
問193 前立腺癌とその治療薬に関する記述のうち、正し
いものはどれか。すべて選べ。
1 日本人の罹患率は欧米人よりも高い。
2 骨転移を起こしやすい。
3 アロマターゼ阻害薬の塩酸ファドロゾール水和物が用
いられる。
抗アンドロゲン薬
クロルマジノン、フルタミド、ビカルタミドなど
4 病期が進行した症例では、血清酸性ホスファターゼ値
が上昇することが多い。
5 内分泌療法として酢酸リュープロレリンが用いられる。
問196 呼吸器系の悪性腫瘍とその治療薬に関する記述
のうち、正しいものはどれか。すべて選べ。
1 日本では、気管、気管支及び肺に発生する癌による死
亡数は、成人男性腫瘍死の第一位となっている。
2 非小細胞肺癌の非進行症例の治療において、化学療
法は外科手術よりも優先される。
3 ゲフィチニブの重篤な副作用として、急性肺障害や間
質性肺炎がある。
4 小細胞肺癌治療には、シスプラチンとエトポシドの併用
療法が適応となる。
5 塩酸イリノテカンは、癌細胞の増殖にかかわるチロシ
ンキナーゼを阻害する作用を持つ。
問205 癌性疼痛に用いられる医薬品に関する記述のう
ち、正しいものはどれか。すべて選べ。
1 WHO方式の疼痛治療では、疼痛の程度が軽い段階
から塩酸モルヒネを積極的に用いる。
2 鎮痛薬に加えて、塩酸アミトリプチリンなどの鎮痛補助
薬を用いることがある。
3 塩酸モルヒネの消失半減期は24時間と長いので、1日
1回の投与で効果的である。
4 オピオイド鎮痛薬の副作用に悪心・嘔吐があり、その
予防には塩酸グラニセトロンが用いられる。
5 フェンタニルの貼付剤により、3日間程度持続する鎮痛
効果が得られる。
問208 上記の記述に基づいて判断する場合、正しいも
のはどれか。すべて選べ。
1 悪性腫瘍により発熱が出現することはまれなので、こ
の発熱は悪性腫瘍とは関係がない。
2 下肢に出現した出血斑は、血小板減少による可能性
がある。
3 頸部リンパ節の触知、肝脾腫の所見は、異常とはいえ
ない。
4 瞼結膜に認められた貧血は、血色素量8.2 g/dLを反映
している。
5 逸脱酵素の上昇から、何らかの細胞の破壊が起きて
いる可能性がある。
問209 ・・・・・この疾患に関する病態と治療に関する記述
のうち、正しいものはどれか。すべて選べ。
1 大多数の骨髄細胞にフィラデルフィア染色体が認めら
れる。
2 播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併している可能
性があるため、DICに対する治療も並行して行う必要が
ある。
3 トレチノインの内服による分化誘導療法を行う。
4 急性白血病であるから、直ちに抗腫瘍薬の多剤併用
による化学療法を施行する。
5 メシル酸イマチニブの内服により、完全寛解に導入す
ることができる。
問210 この患者に用いられる可能性の高い治療薬につ
いて、正しいものはどれか。すべて選べ。
1 ヘパリンナトリウム
2 メシル酸ガベキサート
3 ワルファリンカリウム
4 ウロキナーゼ
5 乾燥濃縮人アンチトロンビンIII
問196 慢性骨髄性白血病とその治療薬に関する記述の
うち、正しいものはどれか。すべて選べ。
1 造血幹細胞移植は治療に用いられない。
2 多くの患者でフィラデルフィア染色体が検出される。
3 ゲフィチニブが治療に有効である。
イマチニブ
4 インターフェロンアルファ製剤の投与により、フィラデル
フィア染色体 陽性の白血病細胞が減少または消失する
ことがある。
5 ヒドロキシカルバミド(ヒドロキシ尿素)は、白血病細胞
数コントロール の目的で用られることがある。
問192 乳癌とその治療に関する記述のうち、正しいもの
はどれか。すべて選べ。
1 腫瘤の触知をきっかけとして発見されることが多い。
2 癌細胞が上皮増殖因子(EGF)受容体陽性である場合
には、クエン酸タモキシフェンの効果が期待できる。
3 黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH-RH)アゴニストで
ある酢酸ゴセレリンには、副作用として頭重感、めまい、
ほてり感、抑うつなどがある。
4 CAF療法とは、シクロホスファミド、アザチオプリン、5フルオロウラシルの組合せによる化学療法である。
アドリアマイシン(ドキソルビシン)
問195 肺癌とその治療薬に関する記述のうち、正しいも
のはどれか。すべて選べ。
1 塩酸イリノテカンの作用発現には、代謝活性化を必要
としない。
2 小細胞癌と非小細胞癌では、抗癌薬に対する感受性
が異なる。
3 シスプラチンは、小細胞癌の治療に用いられる。
4 癌化学療法時の副作用として生じる嘔吐には、セロト
ニン5-HT3受容体遮断薬が用いられる。
5 喫煙は、扁平上皮癌と小細胞癌の危険因子である。
問196 食道癌及び胃癌に関する記述のうち、正しいもの
はどれか。すべて選べ。
1 食道癌の危険因子には、タバコやアルコールなどがあ
る。
2 わが国では、食道癌は病理組織学的に腺癌が多く、ま
た男性よりも女性に好発する。
3 早期胃癌の肉眼的分類にボールマン(Borrmann)分
類がある。
4 早期胃癌とは、癌の浸潤が粘膜、粘膜下層にとどまる
ものをいう。
5 早期胃癌には、内視鏡的治療を含めた外科的治療が
行われる。
問206 子宮癌に関する記述のうち、正しいものはどれか。
すべて選べ。
1 子宮癌は発生部位によって、子宮頸癌と子宮体癌(子
宮内膜癌)とに分類されるが、子宮体癌がそのほとんど
を占める。
2 子宮頸癌の多くは、病理組織学的に扁平上皮癌であ
る。
3 エストロゲンは、子宮体癌のリスク因子である。
4 子宮体癌のホルモン療法には、酢酸メドロキシプロゲ
ステロンを用いることがある。
5 子宮頸癌は、子宮体癌より放射線感受性が低い。
問201 慢性骨髄性白血病(CML)の病態と治療に関する
記述のうち、正しいものはどれか。すべて選べ。
1 ほとんどの例で第22染色体と第9染色体に相互転座
が認められ、フィラデルフィア染色体が出現する。
2 慢性期は、未分化な骨髄球系の細胞のみが増殖する。
3 急性転化を起こした後では、化学療法が著効である。
4 骨髄移植適用の条件としては、慢性期状態患者でド
ナーとのHLA(human leukocyte antigen)が一致する
ことが望ましい。
5 慢性期には、腫瘍細胞の増殖抑制作用および腫瘍細
胞に対する細胞傷害性を高める作用のあるインターフェ
ロンアルファによる治療が行われる。
問186 乳がんとその治療法に関する記述のうち、正しい
ものはどれか。すべて選べ。
1 クエン酸タモキシフェンを用いる場合には、がん細胞が
エストロゲン受容体陽性であると、効果が期待できる。
2 アロマターゼ阻害薬である塩酸ファドロゾール水和物
は、副作用として副腎機能不全を生じることがある。
3 日本人女性の乳がん有病率は、現在減少傾向にある。
4 CMF療法とは、シスプラチン、メトトレキサート、ホスホ
マイシンナトリウムの組合せである。
5 乳房温存手術では、術後の局所放射線療法は行わな
い。
問194 白血病に関する記述のうち、正しいものはどれか。
すべて選べ。
1 急性リンパ性白血病は、化学療法よりもビタミンA誘導
体などによる分化誘導療法の方が有効である。
2 急性前骨髄球性白血病では、化学療法によって播種
性血管内凝固症候群(DIC)を生じることがある。
3 急性白血病の治療により完全寛解が得られても、その
後も治療を継続しないと再発をきたす。
4 白血病の治療の原則は、体内から白血病細胞を根絶
することである。
5 慢性骨髄性白血病は、急性白血病に急性転化するこ
とはなく、極めて予後の良い白血病である。
問195 消化器系がんに関する記述のうち、正しいものは
どれか。すべて選べ。
1 食道がんは扁平上皮がんが多く、胃がんでは腺がん
が多い。
2 食道の進行がんは、肉眼的形態分類により、ボルマン
1~4型に区別される。
3 食道がんや胃がんの初期治療は、薬物療法に限られ
ている。
4 血中α-フェトプロテイン(AFP)値とPIVKA-II値は、肝が
んの腫瘍マーカーとして利用される。
5 喫煙や熱い飲食物などの刺激は、食道がんの危険因
子である。
問208 がん性疼痛に対する薬物療法に関する記述のう
ち、正しいものはどれか。すべて選べ。
1 モルヒネの頓用は、痛みの再発に応じたもっとも合理
的な投与法である。
2 ジクロフェナクナトリウムを用いても痛みが消失しない
ときには、より効果が強い鎮痛薬に切りかえる。
3 ペンダゾシンと塩酸モルヒネの併用は、それぞれの単
独使用より効果的である。
4 作用の強い麻薬性鎮痛薬の適用は、痛みの強さに
よって決めるべきであり、予測生存期間の長短によって
決めるべきではない。
問194 乳がんに関する次の記述のうち、正しいものはど
れか。すべて選べ。
1 進行性または再発性乳がんに対する治療効果の指標
として、腫瘍マーカーであるCA15-3(Carbohydrate
Antigen15-3)が使用される。
2 クエン酸タモキシフェンの抗がん作用は、乳がん細胞
のエストロゲン受容体に競合的に結合することによる。
3 乳がんの進行は、閉経とともに休止する。
4 酢酸メドロキシプロゲステロンは、合成黄体ホルモンで
あり、乳がんに対する治療効果はない。
問209 悪性腫瘍の薬物療法に関する次の記述のうち、
正しいものはどれか。すべて選べ。
1 一般的に抗悪性腫瘍薬は増殖速度が速い腫瘍ほど効
果的に作用する。
2 骨髄抑制と消化器症状は多くの抗悪性腫瘍薬に共通
してみられる副作用である。
3 作用点の異なる抗悪性腫瘍薬の併用療法が一般的で
ある。
4 抗菌薬と異なり抗悪性腫瘍薬には耐性が生じない。
模試過去問
問164 抗悪性腫瘍薬に関する記述のうち、誤っているも
のを2つ選べ。
1 イホスファミドは、DNAポリメラーゼを阻害することで
DNAの生合成を抑制し抗腫瘍作用を発揮する。
2 ビンクリスチンは、微小管形成を阻害することで有糸
分裂を抑制し抗腫瘍作用を現す。
3 イリノテカンは、トポインメラーゼⅠ阻害薬で、S期の細
胞に特異的な毒性を示す。
4 リツキシマブは、Tリンパ球表面に存在する分化抗原
CD20に結合して抗腫瘍作用を示すモノクローナル抗体
製剤である。正しくはBリンパ球
5 シスプラチンは、癌細胞内のDNA 鎖と架橋を形成し、
癌細胞の増殖を抑制する。
問184 慢性骨髄性白血病に関する記述のうち、正しいも
のを2つ選べ。
1 血小板数減少を認める。
2 発症には遺伝子異常が関与する。
22番染色体上のBCRと9番染色体上のABLが複合し
てBCR-ABLを形成する
3 急性転化することはない。
未治療では3~4年で急性転化する。
4 メテノロンエナント酸エステルが第一選択薬である。
蛋白同化ステロイド:再生不良性貧血
5 チロシンキナーゼ阻害薬であるイマチニブメシル酸塩
が治療に用いられる。
ダサチニブ
問232 緩和医療に関する記述のうち、正しいものを1つ
選べ。
1 末期癌患者のみを対象とする。
2 在宅では行われない。
3 チーム医療が特に重要である。
4 鎮痛薬の第一選択は、モルヒネである。
5 抗不安薬は使用しない。
問236 家族性大腸腺腺腫症において高頻度にみられる
変異遣伝子として、 最もふさわしいも のはどれか。
1 RB
網膜芽細胞腫,肺小細胞がん,骨肉腫など
2 myc
3 APC
APC:癌抑制遺伝子の変異→ras:癌遺伝子の活性化
→p53:癌抑制遺伝子の変異
4 erbB
乳がんや卵巣がんなど
問237 処方に関する記述のうち、正しいものを2つ選べ。
1 テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤が7
日以内に投与されていないか薬剤使用歴を調べた。
テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤はフ
ルオロウラシルとの併用により重篤な血液障害を起こ
す。7日以上の休薬が必要。
2 オキサリプラチンは塩化物含有溶液により分解するた
め、希釈液にブドウ糖注射液が処方されている。
3 処方 (2) と処方 (3) は同一容器に混合調製した方が
よいため処方医に疑義照会する。
4 この化学療法は隔日に行うことを患者に伝えた。
問294 この患者に関する記述のうち、 誤っているものを
2つ選べ。
1 鉄欠乏性貧血である可能性がある。
Hb低値(12-16g/dL)、子宮癌、消化器癌は出血を伴う
ことが多い。
2 腎機能は正常である。
3 肝機能障害がある可能性がある。
AST(~40IU/L)、ALT(~40IU/L)で正常
4 SCC は腺癌で特異的に上昇する。
SCCは扁平上皮癌で上昇
5 CA 125、CA 72-4、UGFは、女性性器腫瘍に関連する
腫瘍マーカーである。
子宮内膜症、子宮筋腫、子宮体がん、卵巣癌などで上
昇
問295 この患者に対する処方について、 誤っているもの
を2つ選べ。
【処方】
ネダプラチン 80mg/m2 (i.v) (第1 日)
イホスファミド (IFP) 1.5g/day (i.v)
ペプロマイシン硫酸塩(PEP) 5mg/day (持続皮下注) (第1~5日)
1 ネダプラチンの催吐予防には、ドンペリドンが有効であ
る。白金化合物の催吐はCTZの5-HT3受容体刺激
2 イホスファミドの出血性膀胱炎の予防には、メスナが有
効である。
3 ネダプラチンは隔週投与とする。
4 ネダプラチン投与後は水分負荷を避ける。腎保護
5 ペプロマイシン硫酸塩は、ブレオマイシン誘導体であ
り 、ブレオマイシンと比較して投与期間を短縮できる。
問296 肺小細胞癌に関する記述のうち、正しいものを2
つ選べ。
1 喫煙と強い関連がある。
2 早期に転移しやすい。
3 肺の末梢部に好発し、胸膜を巻き込みながら増殖する
ため、胸痛を生じやすい。
気管支の中枢部に好発する。気管支を刺激するので
咳が出る。
4 非小細胞肺癌と比較して化学療法、放射線療法の感
受性が低い。感受性高い
5 外科手術が第一選択である。
ステージI、IIは手術+化学療法
ステージIII以降は放射線療法
問297 薬剤調製と投与に関する記述のうち、 正しいもの
を2つ選べ。
1 薬剤調製はすべてクリーンベンチ内で行う。
2 シスプラチン注射液はバイアル内を陰圧に保って薬液
を採取する。
3 シスプラチンは塩化物イオン存在下では不安定である
ため 5%ブドウ糖溶液に溶解する。
4 シスプラチンの副作用として低音域の難聴がある。
5 化学療法による悪心・嘔吐に不安をもり患者では、予測
性悪心・嘔吐を起こしやすい。
問316 この患者に対する薬剤師の対応について、誤って
いるものを1つ選べ。
1 オピオイド鎮痛薬に対して患者が抱いているイメージを
聞きだし、誤解があれば解消する。
2 オピオイド鎮痛薬を使用して痛みを抑える意義を患者
に説明する。
3 オピオイド鎮痛薬を使用している患者の具体例をあげ、
説得する。
4 医師と連携をとりながら患者への説得を進める。
問62 前立腺癌の腫瘍マーカーはどれか。
1 ALP
肝・胆道疾患、骨疾患で上昇
2 PIVKA-II
肝細胞癌
3 AFP
原発性肝細胞癌
4 CA15-3
乳癌
5 PSA
問194 呼吸器系の悪性腫瘍とその治療薬に関する記述
のうち、誤っているものを2つ選べ。
1 我が国では、肺癌による死亡率は男性では増加傾向
にあるが、女性では減少傾向にある。
2 小細胞癌は、抗悪性腫瘍薬や放射線に対する感受性
が高いので、化学療法が治療の主体となる。
3 ゲフィチニブの重篤な副作用として、急性肺障害や間
質性肺炎がある。
4 小細胞性肺癌治療には、シスプラチンとエトポシドの併
用療法が適応となる。
5 イリノテカン塩酸塩は、癌細胞の増殖にかかわるチロ
シンキナーゼを阻害する作用を持つ。
トポイソメラーゼⅠ
問165 抗悪性腫瘍薬について、正しい記述はどれか。
1 ダカルバジンは、体内でリン酸化され、dCTPと拮抗す
ることにより、DNAポリメラーゼを阻害する。アルキル化
2 パクリタキセルは、微小管の脱重合を阻害することに
より、有糸分裂を阻害する。
3 レボホリナート・フルオロウラシルは、フルオロウラシル
(5-FU) と 5-FUの代謝を阻害するレボホリナートを配合
することにより、5-FUの抗腫瘍作用を増強したものであ
る。FdUMPとチミジル酸合成酵素の解離抑制
4 トラスツズマブは上皮成長因子受容体 (EGFR) に対
するモノクローナル抗体であり、EGFR陽性の切除不能
な進行・再発の結腸・直腸がんに用いられる。乳癌
5 ラパチニブは Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害薬であり、
イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病に用いられる。
記述はニロチニブ
ラパチニブはHER2過剰発現乳癌
問192 がん性疼痛に対する疼痛緩和療法について、正
しい記述はどれか。2つ選べ。
1 WHO方式の疼痛治療は、がん患者の生存期間を延
長させることを目的としている。
2 WHO方式3段階がん疼痛除痛ラダーの第1段階では、
アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬 (NSAID)
が用いられる。
3 オピオイド製剤は、副作用や習慣性及び退薬症候に
注意する必要があるため、投与の上限が設定されてい
る。
4 フェンタニルクエン酸塩、ペチジン塩酸塩、モルヒネ塩
酸塩の各製剤は、オピオイドローテーションに用いられ
る。オキシコドン
5 モルヒネ塩酸塩でコントロールできないがん性疼痛に
対して、ガバペンチンやクロナゼパムが用いられる。
問193 血液-造血器腫瘍とその治療について、正しい
記述はどれか。2つ選べ。
1 急性前骨髄球性白血病では、PML/RARαキメラ遺伝
子が形成される。
2 急性リンパ性白血病の寛解維持療法には、トレチノイ
ンが用いられる。急性前骨髄球性白血病の寛解導入
3 慢性骨髄性白血病の急性転化後は、化学療法が著効
を示す。
4 悪性リンパ腫はホジキン病と非ホジキン病に大別され、
わが国ではホジキン病が多い。
5 多発性骨髄腫は、形質細胞が腫瘍性増殖を来した疾
患で、X線検査では骨融解像を認める。
問208 処方薬とその副作用に関する記述のうち、正しい
ものはどれか。2つ選べ。
1 ブレオマイシン塩酸塩は副作用として間質性肺炎を起
こすことがあるため、患者に発熱や咳などの症状が発
現した場合には、医師に連絡する。
2 エトポシドは、添付文書の警告欄に下痢に起因した死
亡例が認められていると記載されているため、患者の
脱水や電解質異常に注意する。イリノテカン
3 シスプラチンによる腎障害の予防として、尿量を確保
するため、患者には十分に水分を摂取するように指導
する。
4 視力障害が現れることがあるので、患者には視力に異
常を感じたらすぐに申し出るように伝える。視力障害なし
5 嘔吐の予防対策として、ドンペリドンやハロペリドール
が用いられる。 記述はモルヒネによる悪心嘔吐の予防
問209 シスプラチンに含まれる金属はどれか。
1 鉄
2 銅
3 金
4 白金
5 アルミニウム
問218 細胞のがん化の一因に関する記述の【 】の中に入れるべき字句の正しい組合
せはどれか。
正常な【 ア 】の産物は、GTPアーゼ活性を有する低分子量Gタンパク質であり、不活
性なGDP結合型と活性化したGTP結合型がある。細胞膜受容体からのシグナルにより、
不活性型のGDP結合型は活性型のGTP結合型に変換され、Rafの活性化を介して
【 イ 】を活性化し、細胞増殖を制御している。なお、活性型のGTP結合型は自身のもつ
GTPアーゼ活性により不活性型のGDP 結合型にもどる。
しかし、変異した【 ア 】遺伝子は【 ウ 】であり、その産物は自身のもつGTPアーゼ活
性が低下しているため、活性型の GTP結合型が増加する結果、【 イ 】カスケードを活性
化し続け、細胞増殖を促進し、がん化の一因となると考えられている。
問265 抗悪性腫瘍薬の作用機序及び適応に関する記
述のうち、正しいものはどれか。2つ選べ。
1 ブレオマイシンは、腫瘍細胞のDNA 鎖を非酵素的に切断し、食
道がんの治療に用いられる。
2 ゲムシタビンは、トポイソメラーゼⅡを阻害し、膵臓がんの治療
に用いられる。リボヌクレオチド還元酵素阻害記述はドキソルビ
シン
3 フルオロウラシルは、生体内で6-チオイノシン酸に変換され、チミ
ジル酸合成酵素を阻害し、胃がんや肝がんなどの治療に用いら
れる。5-フルオロデオキシウリジル酸
4 シタラビンは、生体内でリン酸化され、DNAポリメラーゼを阻害
するプリン代謝拮抗薬であり、膵臓がんや直腸がんなどの治療
に他の抗悪性腫瘍薬と併用して用いられる。ピリミジン
5 ミトキサントロンは、DNA鎖と架橋形成することにより核酸合成
を阻害し、急性白血病の治療に用いられる。
問300 大腸がんとその治療について、正しい記述はどれ
か。2つ選べ。
1 がん細胞の浸潤が粘膜下層までにとどまる早期がん
と、固有筋層以下にまで達する進行がんに分類される。
2 好発部位は、上行結腸および横行結腸である。
S字結腸と直腸
3 癌胎児性抗原 (CEA) やCA19-9は、早期大腸がんに
特異性が高い。膵臓癌や乳癌でも上昇
4 血行性転移では、肝転移が最多である。
5 大腸がん化学療法のレジメンには、FOLFOX療法や
FOLFIRI療法の他、これにリツキシマブを加えたものが
ある。ベバシズマブやセツキシマブ
問301 以下の記述のうち、正しいものはどれか。
1 患者に不安を与えるおそれがあるため、処方薬に医療
用麻薬が含まれていることを患者に伝えてはいけない。
2 レスキュードーズの使用は、麻薬に対する精神的依存
の原因となるため、可能な限り痛みを我慢した上で使用
するよう指導する。
3 処方4)、 5) については、便秘が改善すれば患者の判
断で中止してよい旨を伝える。
4 疼痛が改善されているかどうかを評価する際には、
NRS (numerical rating scale) や VRS (verbal rating
scale) などを用い る。
5 疼痛緩和療法開始後、この患者が悪心・嘔吐を訴えた
時には、セロトニン 5-HT3受容体遮断薬の追加投与を
医師に提案する。 D2受容体遮断薬、メトクロプラミドな
ど
問22 癌遺伝子はどれか。
1 APC遺伝子
癌抑制遺伝子
2 src遺伝子
ras、raf、myc、erbB、fos、junなど
3 RB遺伝子
癌抑制遺伝子
4 p53遺伝子
癌抑制遺伝子
5 WAF1遺伝子
癌抑制遺伝子
問69 肺癌の治療に用いられる分子標的薬はどれか。
1 ゲムツズマブオゾガマイシン
急性骨髄性 白血病
2 リツキシマブ
B細胞性非ホジキンリンパ腫
3 イマチニブメシル酸塩
慢性骨髄性白血病
4 ゲフィチニブ
5 トラスツズマブ
転移性乳がん
問165 抗悪性腫瘍薬に関する記述について、正しいもの
はどれか。
1 シクロホスファミドは、DNAポリメラーゼを阻害して
DNA合成を阻害する。アルキル化
2 ドキソルビシンは、腫瘍細胞におけるトポイソメラーゼII
を阻害し、抗腫瘍作用を示す。
3 トラスツズマブは、ヒト上皮増殖因子受容体2型
(HER2) に特異的に結合し、膀胱癌の治療に用いられ
る。乳がん
4 アナストロゾールは、アンドロゲンからエストロゲンの
合成を阻害するため、閉経前乳癌の治療に用いられる。
閉経後
5 メ卜トレキサートは、腫瘍細胞でのイノシン酸の合成を
阻害し、プリン塩基の合成阻害を介して抗腫瘍作用を
示す。 記述はメルカプトプリン
問184 膵臓癌に関する記述について、正しいものを2つ
選べ。
1 切除可能例の3年生存率は約 80%と予後良好の悪性
腫瘍である。20%で予後不良
2 危険因子として、喫煙があげられる。
糖尿病、慢性膵炎、喫煙など
3 自覚症状において黄疸がみられた場合、膵尾部癌を
疑う。
膵頭部に腫瘍ができると腫瘍が総胆管を閉塞して黄
疸を生じることが多い。尾部では黄疸を伴わない。
4 腫瘍マーカーとして、CA19-9 が用いられる。
5 血清アミラーゼは、 膵臓癌で特異的に上昇する。
急性膵炎でも上昇
問210 処方3) のオキサリプラチンに関する記述につい
て、正しいものはどれか。
1
2
3
4
5
ラクタム構造を含む。
構造中に含まれる * 印の絶対配置は、R配置である。
水に溶けやすい。
分子内対称面をもつ。
希釈液に用いられている 5%ブドウ糖注射液を生理食
塩液に変更することができる。
問211 この処方に関する記述について、 正しいものを2
つ選べ。
1 処方2)、4)、5) の併用により、フルオロウラシルの抗腫
瘍効果が増強する。
2 処方3) は、胃癌に対する術後補助化学療法として用
いられている。 結腸・直腸がん
3 処方1) のグラニセトロン塩酸塩は、抗悪性腫瘍薬投与
に伴うショックの予防として用いられている。悪心・嘔吐
4 オキサリプラチン調製時には、バイアル内を陰圧に
保って薬液を採取する。
5 処方1) は、1mLを15 滴で注入する点滴セットを用いた
場合、点滴速度は1分あたり15滴になる。
合計105mL 105mLを15分で点滴→1分間に7mL
1mLが15滴なので1分間では105滴
問264
処方薬に関する記述について、正しいものを2つ
選べ。
1 テガフールは、体内で代謝されてフルオロウラシルとな
り、さらに 5-フルオロ-2‘-デオキシウリジ-5’-リン酸に変
換され、プリン塩基合成を阻害する。ピリミジン塩基
2 ギメラシルは、ジヒドロ葉酸レダクターゼを阻害する。
5-FUの代謝酵素であるジヒドロヒピリミジンデヒドロゲナーゼ
(CPD)を阻害
3 ギメラシルは、フルオロウラシルの肝臓での代謝を阻
害し、血中濃度を上昇させる。
4 オテラシルは、オロテートホスホリボシルトランスフェ
ラーゼを阻害する。
5 オテラシルは、フルオロウラシルの腎臓での毒性代謝
物生成を阻害し、腎毒性を軽減する。消化器での活性
化を抑制して消化器症状を抑制
問312 ゲフィチニブ錠の緊急安全性情報として注意喚起
された副作用はどれか。
1 低血糖
2 急性腎不全
3 急性肺障害、間質性肺炎
4 劇症肝炎
5 血栓性血小板減少性紫斑病
問68 乳癌の最も多い好発部位はどこか。
1 内側上部
2 外側上部
3 内側下部
4 外側下部
5 乳頭部
問69 癌性疼痛に用いるWHO三段階除痛ラダーにおい
て、 第一段階で用いられるのはどれか。
1 コデインリン酸塩水和物
2 ジクロフェナクナトリウム
3 モルヒネ硫酸塩水和物
4 オキシコドン塩酸塩水和物
5 フェンタニルクエン酸塩
問119 腫瘍細胞と腫瘍に対する免疫反応に関する記述
について、正しいものを2つ選べ。
1 腫瘍関連抗原は、腫瘍細胞にのみ存在する。
2 ナチュラルキラー (NK) 細胞は、主要組織適合遺伝子複合体
(MHC) の遺伝子産物 (MHC 分子) に結合した腫瘍関連抗原を
認識して、腫瘍細胞を破壊する。腫瘍細胞の表面に存在する糖
タンパク質などを認識
3 クラスⅠMHC分子を細胞表面に発現していない腫瘍細胞は、細
胞傷害性T細胞による抗原認識を回避することができる。
4 活性化されたマクロファージは、腫瘍壊死因子座 (TNF-α) を産
生することで、腫瘍細胞をアポトーシスに導く。
5 腫瘍細胞は、インターロイキン-10 (IL-10) やトランスフォーミング
増殖因子β(TGF-β)などを分泌し、細胞傷害性T細胞やヘルパー
T細胞を活性化する。 抑制する
問165 抗悪性腫瘍薬に関する記述について、正しいもの
はどれか。
1 イホスファミドは、 癌細胞のチミン塩基をアルキル化するこ
とで細胞増殖を抑制す。グアニン
2 フルタミドは、エストロゲン受容体でエストロゲンと拮抗する
ことにより、乳癌細胞の増殖を抑制する。アンドロゲン受容
体、前立腺がん
3 ベバシズマブは、血管内皮増殖因子 (VEGF) に対するヒト
化モノクローナル抗体製剤であり、 腫瘍細胞の血管新生を
抑制する。
4 メトトレキサートの毒性を軽減させる目的で、正常細胞への
テトラヒドロ葉酸を補充するメスナが用いられる。ホリナート
カルシウム
5 リツキシマブは、ヒトTリンパ球の細胞表面に存在するCD20
抗原に特異的に結合し、抗腫瘍作用を示す。Bリンパ球
問183 胃癌に関する記述について、正しいものを2つ選
べ。
1 発生には、H.pyloriの感染や腸上皮化生が関与する。
2 内視鏡検査による組織学的検査が行われる。
3 幽門部に発生した症例では、嚥下困難があらわれや
すい。噴門部:嚥下困難、幽門部:悪心・嘔吐
4 進行胃癌の肉眼的形態分類として、FAB分類がいられ
る。急性白血病 胃癌はボールマン分類
5 腫瘍マーカーとしてAFPやPIVKA-IIが用いられる。
AFPやPIVKA-IIは肝細胞癌のマーカー
胃癌ではCEA、CA19-9
問240 イリノテカン塩酸塩水和物の代謝に関する記述に
ついて、正しいものを2つ選べ。
1 プロドラッグであるイリノテカン塩酸塩水和物は、シ卜
クロムP450による代謝的活性化を受けて作用を発現す
る。カルボキシエステラーゼ
2 イリノテカン塩酸塩水和物の活性代謝物 (SN-38) は、
主にフェノール性水酸基がグルクロン酸抱合を受ける。
3 グルクロン酸抱合活性は、一般に成人よりも高齢者の
方が高い。加齢でグルクロン酸抱合能は変化しない
4 SN-38 のグルクロン酸抱合体は、腸管内でスルファ
ターゼにより加水分解を受ける。β-グルクロニダーゼ
5 SN-38 のグルクロン酸抱合体は、加水分解されると腸
管から再吸収されやすくなる。
問316
モルヒネを臨床的に適正使用した際の記述につ
いて、正しいものを2つ選べ。
1 精神的依存は形成するが、手指のふるえ等の身体的
依存は起きない。
2 呼吸抑制が起きるのは、過量投与が原因と考えられる。
3 便秘になることが多いが、1~2週間で耐性ができ消失
することがある。
4 患者の痛みを除去するためであれば、投与量に上限
はない。
5 オピオイドローテーションを導入することで、鎮痛効果
の耐性を抑制することができるが、副作用が増強される
恐れがある。
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