Comments
Description
Transcript
シルバーハウジング・プロジェクト
千歳市道営住宅やまとの杜 シルバーハウジング・プロジェクト 計画の位置付け ●シルバーハウジング・プロジェクトの位置づけ 北海道では、 「北国にふさわしい豊かな住まいづくり」の促進を目的として平成 8 年度に「住宅マスタ ープラン」を策定、その後、平成 13 年度に見直しを行っている。 この住宅マスタープランにおいて、高齢社会に対応した住宅の供給としてシルバーハウジング等によ る公的賃貸住宅の供給促進を位置づけている。 また、本格的な高齢社会において高齢者等が安心して生活を営むことができるような住環境づくりを 進めるため、各々の地域にふさわしい道営住宅によるシルバーハウジングの建設を推進することとし、 平成 9 年 3 月に「北海道公営住宅シルバーハウジング推進方針」を策定したところである。 千歳市におけるシルバーハウジングの整備は、この推進方針に基づき整備されるもので、 「千歳市高 齢者いきいきプラン 2003」などの関連計画と整合を図りながら実施されるため、住宅等の整備を行う道 と福祉サービス等を提供する千歳市を始めとする関係部局の間で、道営シルバーハウジングの整備に向 けた具体的検討を行う「千歳市道営シルバーハウジング地域協議会」を開催し、平成 17 年度以降の整備 に向けて細部の検討を行ったものである。 北海道シルバーハウジング構想 (平成元年3 月策定) 江別市大麻サンゴールドヴィラ構想 (平成2 年1 月策定) シルバーハウジングに関する研究 (平成4∼6 年度) 北海道公営住宅シルバーハウジング推進方針 (平成9 年3 月策定) 北海道住宅マスタープラン (平成8 年度策定・平成13 年度見直し) [千歳市関連計画] 千歳市道営シルバーハウジング地域協議会 (平成16 年11 月) 千歳市総合計画 (平成13 年度∼平成22 年度) シルバーハウジング・プロジェクト事業計画 (平成16 年度) 千歳市道営シルバーハウジング建設 (平成 17 年度∼) -1- 千歳市住宅マスタープラン (平成15 年度) 千歳市高齢者いきいきプラン2003 大和地区いきいき保健福祉プラン 事業の基本方針等 ● 事業の基本理念と目標 千歳市道営シルバーハウジング・プロジェクトは、千歳市におけるシルバーハウジング・プロジェク ト推進のモデルとなる道営住宅団地の整備をめざす。 そして千歳市が平成 16 年 3 月に策定した千歳市住宅マスタープランの「豊かな自然環境と調和し、誰 もが健康でいきいきと輝き暮らせる住まいづくり」を、同じくその基本理念とする。 また、基本理念の実現をめざし、次の 3 つを基本目標とする。 ① 環境と共生した魅力ある住環境の創出 ② お互いを支える・地域社会を支えるコミュニティの形成 ③ ユニバーサルデザインの視点に立った住環境の整備 ■ 千歳市道営シルバーハウジング・プロジェクト ■ 【 基本理念 】 豊かな自然環境と調和し、誰もが健康でいきいきと輝き暮らせる住まいづくり 基本目標 環境と共生した 魅力ある 住環境の創出 基本目標 お互いを支える 地域社会を支える コミュニティ 基本目標 ユニバーサル デザイン の視点に立った 住環境の整備 ● 事業概要 整備主体及び公営住宅の種類 北海道、公営住宅 団地名及び所在地 やまとの杜団地 千歳市大和 4 丁目 3-24,-25,-26 敷地面積 18,000.09 ㎡ 敷地概要 用途地域:第 2 種中高層住居専用地域 建ぺい率:60% 容積率:200% 事業の種類 新築 高齢者生活相談所 耐火構造 平屋 新築 155.78 ㎡(集会所併設) -2- 事業の基本方針等 ● 整備概要 戸数 建設 年度 H17 -H18 H18 -19 H18 -19 H19 -20 構造 階数 シルバーハウジング 障害者向け 附帯施設 一般 合計 2DK 2LDK 2LDK 2DK 2LDK 3LDK 20 中耐 5F 5 5 - - 10 中耐 5F 5 5 - - 30 中耐 5F 5 5 2 - 5 18 中耐 5F 5 - - 10 - 20 35 20 15 2 10 45 58 150 合計 合計 35 40 40 高齢者生活相談所 集会所 児童遊園 合計 113 ● 計画地の選定 ①特別養護老人ホーム(やまとの里) ②健康づくりセンター(建設予定) ③養護老人ホーム(建設予定) ④ケアハウス(建設予定) -3- 建築計画 ● ユニバーサルデザインの視点に立った公営住宅の整備 道は、公営住宅の整備にあたっては、子どもからお年寄りまでできるだけ多くの人を対象に身体状況 や家族構成等の変化などに対応できるよう、在宅介護にも配慮した暮らしやすい部屋の広さや移動の容 易性といった基本性能を有する良好な居住環境づくりの実現を図るため、次の 3 つを基本方針として定 めている。 ○ 安全で安心して暮らせる住宅 ○ 自立した生活がおくれる住宅 ○ いきいきとすこやかに暮らせる住宅 また、今後、供給する住宅は、建物及び外構をユニバーサルデザインの視点に立った共通的な仕様と することを基本とし、あわせて入居者が自らが、身体状況等に応じ軽微な改善が図られるよう配慮する ため、建築計画においては、当方針に定められた次の視点に配慮した設計を行う。 ○ 安全−災害や事故など危険につながらないこと ○ 安心−防犯や緊急時の対応など安心できること ○ 自由−生活する上での自由度が高いこと ○ 簡単−わかりやすく使い勝手がよいこと ○ 連続−行動の連続性が確保されていること ○ 交流−入居者間や地域とコミュニケーションがしやすいこと ○ 快適−四季を通じて快適に暮らせること ● 配置計画 □住棟配置 ・各棟を共用廊下で、つなぎ一体の建築物として整備する。 ・全ての住戸が 3 時間以上の日照を得られこととし、南向き、西向きの逆コの字型住棟配置と する。 □駐車場配置 ・駐車スペースの大規模化を避け、住棟との動線に配慮した 2 箇所分散型の配置とする。 ・駐車スペースには、一時的な堆雪スペースを確保する。 □高齢者生活相談所・集会所 ・入居者の利用や、LSA のサービスが、共用廊下を利用しながら行えるように、住棟に接続し て 1 棟とする。 ・高齢者生活相談所の位置は、東側住宅地とのつながりや、日当たりの良い位置に配置する。 □児童遊園・コミュニティ広場 ・児童遊園は、住棟に囲まれたオープンスペース内の日当たりが良く児童の遊びがバルコニー や共用廊下から見守られる位置に配置する。 ・入居者の集まりや地域の人々との交流の場として多目的に活用でき、児童遊園と一体的な利 用に配慮したコミュニティ広場を配置する。 -4- 建築計画 ● 住棟計画 □シルバーハウジングの配置 ・LSA のサービスのしやすさ、歩行距離の短さ、入居者同士の支えあいによる良好なコミュニ ティの形成に配慮し、各階の EV ホールの近くに配置する。 ・シルバーハウジングをコアとするユニットを形成し、ユニットを分散した配置とする。 □障害者向け住宅の配置 ・障害者向け住宅は、駐車スペースとの動線に配慮し、住棟入り口の近くで、避難が容易な 1 階部分に配置する。 □エレベーター・階段の位置 ・EV は、各住戸までの歩行距離が 50∼60m以内となる位置、階段は、避難距離が 50m以内か つ避難時に行き止まりとならない分かりやすい位置とする。 □コモンスペースの配置 ・4∼8 戸単位のコミュニケーションの場として、また、長い共用廊下の一時休憩の場として、 更に、暗く寒くなりがちな北側廊下に南からの光と熱を取り込むため、分節した住棟の間に コモンスペースを配置する。 ・路地的な生活空間となるコモンスペースとして整備する。 □構造計画 ・壁式構造のフラットスラブとし、住戸内にいっさいの梁型を設けずユニバーサルな室内空間 とする。 □断熱計画 ・住戸専用部分を外断熱とし、コンクリートの蓄熱性能を利用して温度差の少ない安定した室 内温熱環境を実現する。 ・住棟全体を外断熱とし、住戸の熱ロスを利用する。 ・バルコニーは、断熱を優先し、床板を切り離す。 □バルコニー計画 ・避難救助活動に有効なバルコニーとする。 ・夏季の日射遮蔽として有効なバルコニーとする。 -5- 建築計画 □配置図 -6- 建築計画 ● 住戸計画 □シルバーハウジング ・一般住戸の基本仕様に加え、緊急通報システムを整備する。 -7- 建築計画 □一般 ・北海道営住宅設計指針に示されたユニバーサルデザインの視点に立ったモデルプランを採用 する。 -8- 建築計画 □障害者向け ・一般住戸モデルプランの UT 内部の WC と UB の壁を取り除き、車いす常用者の UB 使用を可能 にする等、車いすを常用することで自立した生活が可能な住戸として整備する。 -9- 建築計画 □高齢者生活相談所 - 10 - 福祉サービス供給計画 ● 福祉サービスの供給に係る方針 千歳市道営シルバーハウジングでは、高齢者等への適切な福祉サービスの提供を図るため、LSA を配 置するとともに、保健・医療、福祉サービスとの連携を図りながら、高齢者等が自立し、安全かつ快適 な生活が続けられるよう、次のサービスの供給を行う。 □ LSA の配置 シルバーハウジング住宅の入居者の自立し た生活を支援するため、入居者の安否確認や 生活相談を行う LSA の配置を行う。 また、高齢者等に対して適切な福祉サービ スを提供するため、必要なバックアップ体制 の整備を行う。 □ 緊急通報システム等 シルバーハウジング住宅の入居者の緊急時 に迅速な対応を行うため、緊急通報装置など の設置を行う。 □ 高齢者生活相談所の整備 シルバーハウジング住宅の入居者に対する 福祉サービスなどの供給拠点として、LSA 執 務室、生活相談室及び、集会室と団らん室(一 体的整備)の整備を行う。 □ その他のサービス 保健福祉総合センターなどとの連携につい て配慮する。 シルバーハウジング入居者の心身機能の変 化などに対応して、必要となる保健・医療、 福祉サービスの提供を行う。 ● ライフサポートアドバイザー(LSA) LSA とは、シルバーハウジングの入居者に対して必要に応じ、生活指導・相談、安否の確認、緊急時 の対応などを行うものであり、地域支援事業交付金(厚生労働省所管)による地域自立生活支援事業と して実施される。 □ ライフサポートアドバイザーの派遣 LSA の派遣事業は、千歳市が行う。なお、千歳市は、社会福祉法人 千歳福祉会に対して LSA 業 務の委託を行う。 □ サービスの内容 LSA の行うサービスは、次のとおりとする。 ③ 緊急時の対応 ① 生活指導・相談 緊急通報システム等の作動時に必要な対応 緊急通報システムに設置されている相談ボ を行う。 タンの窓口となり、必要な対応を行うととも ④ 関係機関との連絡 に、シルバーハウジング入居者の日常生活に シルバーハウジング住宅の入居者の心身の おける相談や悩みごとに対し、助言などを行 状態に応じ、在宅介護支援センター、保健所 う。高齢者がいつでも相談できる場づくり、 などと、保健・福祉・介護保険サービスの利 雰囲気作りに配慮する。 用について連絡・調整を行う。 ② 安否の確認 必要に応じて、シルバーハウジング住宅の入居 直接訪問などにより、シルバーハウジング 者の親族への連絡等を行う。 住宅の入居者の安否の確認を定期的に、また は必要に応じて行う。 - 11 - 福祉サービス供給計画 ⑥ その他日常生活上必要な援助 ⑤ 交流事業の企画 シルバーハウジング住宅の入居者に対して、 集会室を活用して、シルバーハウジング住 団らん室の活用指導などを通し、高齢者同士 宅の入居者と一般住戸の入居者等が交流でき のコミュニティ形成の促進を図る。 る各種イベント等の企画を行う。 □ LSA の費用負担 入居者は、別途定める費用負担基準により LSA 派遣に要する費用を負担するものとする。 千歳市は、入居者の負担額を月単位で決定するものとする。 シルバーハウジング入居者は、厚生労働省の基準により次の費用を負担する。 表−LSA のサービス費用負担基準(厚生労働省基準による) 利用者世帯の階層区分 入居者負担額 (1ヶ月当たり) A 生活保護法による被保護世帯 0円 B 生計中心者の前年所得税非課税世帯 0円 C 生計中心者の前年所得税年額 9,600 円以下の世帯 1,500 円 D 生計中心者の前年所得税年額 9,601 円以上、32,400 円以下の世帯 2,600 円 E 生計中心者の前年所得税年額 34,001 円以上、42,000 円以下の世帯 3,800 円 F 生計中心者の前年所得税年額 42,001 円以上の世帯 4,900 円 □ LSA の勤務形態 LSA は福祉施設連携型とし、団地内の高齢者生活相談所に通勤して、サービスの提供を行う。 LSA の勤務時間は、委託先である社会福祉法人 千歳福祉会の就業時間(月∼金の 8 時 30 分∼17 時 30 分を原則)に基づく。 ● 緊急通報システム 入居者の緊急事態に迅速に対応するため、千歳市道営シルバーハウジングにおける緊急通報シス テムについては、現在千歳市で整備されている『緊急通報』のシステムを基本として構築する。緊 急通報システムは、シルバーハウジング住戸(35 戸)全てを対象に設置する。 □ シルバーハウジングにおけるシステム 「協力員」の対応は、LSA 勤務時間以外の ① 緊急対応機能の概要 時間帯(夜間及び、土日、祝日)において行 緊急通報に係る直接の通報先は、LSA 執務 う。LSA 勤務時間外は、緊急通報の状況は消 室となり、LSA 外出時などは千歳市消防本部 防本部に通報される。 へ通報される機能の導入を図る。 ② 相談機能 LSA は、事故発生時において、必要に応じ 相談通報に係る相談先については、LSA 勤 て消防本部への連絡並びに消防隊員到着前の 務時間内は LSA 執務室とし、一時的外出時や 応急対応を行うほか、親族や関係機関への連 時間外は特別養護老人ホーム(やまとの里) 絡、住戸の施錠など、事故後の連絡調整を行 とする。 う。 また、 「千歳市緊急通報システム」 と同様に、 シルバーハウジング住宅においても 「協力員」 2 名を位置づける。 (なお、LSA は対象としな い。 ) - 12 - 福祉サービス供給計画 □ 緊急通報システムの概要 □ LSA 時間内の動作フロー 相談系統 緊急系統 □ LSA 時間街の動作フロー 相談系統 緊急系統 - 13 - 福祉サービス供給計画 ● 高齢者生活相談所 高齢者に対する福祉サービスなどの供給拠点として、LSA 執務室、生活相談室及び集会所と団らん 室(一体的整備)により構成する。 また、シルバーハウジング住戸の入居者と一般住戸に入居する一般世帯の交流を促す拠点として整 備する。 □ 活用方法 生活相談室は、シルバーハウジング入居者 の生活相談、健康相談の場として活用し、集 会室は、シルバーハウジング住宅の入居者と 一般住戸の入居者などの交流の場として活用 を図る。利用にあたっては、日常の生活相談 の他、医師や保健師などによる健康相談や、 文化・趣味活動など、様々な工夫を図ってい く。 □ 整備方針 ① LSA の執務空間 LSA の業務に必要なスペースとして、適切 な規模の執務室、生活相談室の整備を行う。 団地内の各住棟から利用しやすい位置に整備 する。 ② 集会室・団らん室 シルバーハウジング住宅の入居者と一般住 戸の入居者のコミュニティ形成の場として、 入居者の誰もが利用しやすい位置に適切な規 模で整備を行う。 LSA 執務室・相談室 高齢者生活相談・団らん室 ○ 生活相談・指導 ○ 余暇・趣味活動 ○ LSA 事務 ○ 団らん 団地集会所 ○ 団地全体の集会 ○ 一般+シルバーハウジングのふれあい ○ 地域活動 活用事例 ・定例会(新・忘年会、誕生会など) ・健康相談 ・趣味活動(手芸、園芸、ダンス教室、ちぎり絵など) ・年中行事(クリスマス、ひな祭り、敬老の日) ※北方建築総合研究所の調査による道内シルバーハウジングにおける高齢者生活相談所を活用した事例 ● その他のサービス 北 海 千 道 石 狩 支 庁 連携 建設指導課 【運営協議会】 その他の保健・医療、 福祉サービス提供 社会福祉法人 千歳福祉会 特別養護老人ホーム やまとの里 LSA 派遣 サービス提供 シルバーハウジング入居者 - 14 - 市 消防 本部 緊急通報 血圧測定などの 健康診断介護予 防事業など 歳 住 宅 課 高齢者支援課 LSA 業務委託 LSA費用負担 家賃等使用料 入退去管理・修繕 日常生活上の健康維持や疾病 等により必要となる保健・福祉 サービスの提供については、高 齢者等ができるだけ在宅生活が 続けられるよう、千歳市の保 健・医療、福祉に関する計画な どに基づき、既存の医療機関や 保健医療ネットワークとの連携 を図りながら進める。 北海道建設部住宅課 〒060-8588 札幌市中央区北 3 条西 6 丁目 TEL.011-231-4111