...

原子力科学研究所 防災訓練実施結果の原子力規制委員会への報告

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

原子力科学研究所 防災訓練実施結果の原子力規制委員会への報告
平成28年3月25日
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
原子力科学研究所
原子力科学研究所 防災訓練実施結果の原子力規制委員会への報告について
原子力科学研究所は、原子力災害対策特別措置法※(以下「原災法」という。
)に基づ
き当研究所で実施した防災訓練について、その実施結果をとりまとめ、本日、原子力規制
委員会に報告いたしました。
また、原災法に基づきその要旨を添付のとおり公表します。
当機構といたしましては、今後とも、原子力科学研究所の原子力防災対策に万全を期
してまいります。
※:平成11年9月30日に発生したJCOウラン加工施設での臨界事故を契機として、同年12月、原
子力防災対策を強化するために原災法が制定された。平成24年6月、東日本大震災の教訓を踏ま
え、防災訓練の結果報告を義務付ける等の改正が行われた。
添付資料:「原子力科学研究所 防災訓練実施結果報告書」の要旨
以 上
添付資料
「原子力科学研究所 防災訓練実施結果報告書」の要旨
原子力災害対策特別措置法第13条の2第1項の規定に基づき、原子力科学研究所の
防災訓練実施結果を原子力規制委員会に報告いたしましたので、同項の規定に基づき、そ
の要旨を以下のとおり公表します。
1.報告内容
原子力科学研究所 防災訓練実施結果(対象:平成27年度実施分)
2.報告年月日
平成28年3月25日
3.防災訓練実施結果の主な内容
原子力事業者防災業務計画に基づく訓練
防災訓練実施年月日 平成28年1月29日
防 災 訓 練 の 項 目 総合訓練
東海村で震度5弱の地震が発生する。
原子炉運転中のNSRRにおいて、原子炉停止機能の喪失及
び原子炉冷却機能の喪失事故が発生し、原災法第10条及び第
15条事象に至る。また、解体分別保管棟(保管室)において、
保管廃棄作業中(フォークリフトでドラム缶4本を載せたパレ
ットを3段目に定置)に地震の影響で荷が揺れてドラム缶が落
下する。
防 災 訓 練 の 内 容
今回は以下の内容を重点項目として訓練を実施した。
(1) 原子力防災要員の招集、現地対策本部の開設等の初動対応
訓練
(2) TV会議による事故現場指揮所及び機構対策本部との情報
共有訓練
(3) 関係機関等への通報連絡訓練
(4) 事象発生現場における事象対応訓練
(5) 模擬プレス対応訓練
(1) 原子力防災要員の招集、現地対策本部の開設等の初動対応
訓練
事象発生の非常用電話受信後、直ちに構内一斉放送により
防災訓練の結果の概要
現地対策本部員及び防護活動関係者に所定の場所への参集を
指示することができた。
現地対策本部員及び防護活動関係者は、速やかに所定の場
所へ参集し、非常用電話受信後5分以内に現地対策本部を開
設し、初動対応を開始することができた。
(2) TV会議による事故現場指揮所及び機構対策本部との情報
共有訓練
現地対策本部開設後、直ちにTV会議システムを起動し、
関係箇所(事故現場指揮所、機構対策本部、放射線管理部セ
ンター等)と接続した。TV会議は有効に機能し、関係箇所
との情報共有が図れた。
TV会議は、情報の錯綜を防止するために原災法事象が発
生したNSRRの情報収集を優先することとし、解体分別保
管棟の事故情報は、主に、電話・FAXにより収集・整理す
ることにより混乱なく適切に対応できた。
(3) 関係機関等への通報連絡訓練
異常事態連絡様式中に原災法第10条事象発生時刻の誤
記、応急措置の概要報告中に通報者名、発信日時等報告項目
の記載漏れが認められた。正確な情報発信ができるよう、防
止策を検討する。
NSRRにおける原子炉停止機能の喪失事象については、
原災法第10条の通報事象確認から17分後に特定事象発生
通報(第1報)FAXを送信した。また、原災法第15条の
原子力緊急事態に該当することを確認後、異常事態連絡(第
1報)FAX送信は19分後であった。原災法の通報は、事
象確認後15分以内に発信することを目標としており、送信
までの時間を短縮する必要がある。
(4) 事象発生現場における事象対応訓練
①NSRR
事故現場責任者、原子炉主任技術者等の的確な指示の下、
事象状況・プラント状況の確認が行われ、事象収束方法の検
討、立案を的確に行うことができた。
緊急作業について、現地対策本部との協議、判断、報告等
が適切に行われた。
制御棒挿入不全については、炉室内地震計で発報した緊急
停止信号(スクラム信号)を解除した後、制御室において制
御棒の引抜挿入操作を行うことにより、原子炉停止機能が回
復する訓練を行った。また、炉心冠水維持機能については、
原子炉プール直下にあるサブパイル室の水密扉を閉止した
後、給水設備及び消火栓設備を使用したプール水供給準備ま
での訓練を行った。これらを実働で行うことにより事象収束
活動のための要領・手順が適切であることの確認ができた。
防護隊、放射線管理部センターと連携し、事象発生現場周
辺の警備、放射線モニタリングを確実に行うことができた。
②解体分別保管棟
事象発生現場においては、直ちに汚染拡大防止、立ち入り
制限措置を実施した。
現場の復旧作業として、飛散した廃棄物を回収し、新しい
ドラム缶に収納するとともに、落下したドラム缶の養生、施
設内の汚染検査を行って異常がないことを確認し、ドラム缶
を安定な状態に戻すまでの訓練を行った。これらを実働で行
うことにより事象収束活動のための要領・手順が適切である
ことの確認ができた。
現地対策本部への報告は、重要な事項についてはTV会議
で、その他の作業状況については、電話・FAXで報告する
ことにより適切に対応することができた。
(5) 模擬プレス対応訓練
事象確認後、速やかにプレス発表を行うことを決定し、茨
城県政記者クラブを想定した模擬プレス発表時刻の調整を行
うことができた。プレス文の作成は、プレス発表1時間前を
作成終了時刻に設定して対応し、目標通り作成することがで
きた。
発表内容、発表方法について、理解が容易な説明を行うた
めの改善を要する点が確認された。
(1) 異常事態連絡様式中に原災法第10条事象発生時刻の誤
記、応急措置の概要報告中に通報者名、発信日時等報告項目
の記載漏れが認められた。事象発生時刻等の重要事項の確認、
応急措置の概要報告等、添付する全ての報告様式について、
記載内容、記載漏れ等をチェックし、正確な情報発信ができ
るよう、時系列確認者、法令関係記載事項確認者等を明確に
して対応する。
(2) 原災法第15条の原子力緊急事態に該当することを確認
今後の原子力災害
後、異常事態連絡(第1報)FAX送信まで19分を要し、
対策に向けた改善点
15分以内に発信するという目標が達成できなかった。今後
は、添付する資料を見直し、重要事項を優先して発信するこ
とで送信までの時間を短縮する。
(3) プレス対応については、事象を容易に理解してもらえるよ
うに、図面等を用いて分かり易い説明を行うことが重要であ
るため、今後、要素訓練を実施し、プレス対応能力のさらな
る向上を図る。また、プレス対応資料のチェックシートを用
いて、施設概要資料、事象概要資料、施設平面図等のプレス
発表時に必要となる資料に遺漏が生じないようにする。
以 上
Fly UP