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1988年 → 1998年 → 2008年 → 2013年
「日本の家族25年変化」調査レポート
3.11後に生まれた
日本の家族の新潮流
Copyright © 2013 Hakuhodo Institute of Life and Living, Hakuhodo Inc.
本レポートの概要
博報堂生活総合研究所は、日本の家族の現状とその行く末を見極めることを目的に、
1988年より、1998年、2008年と家族に関するアンケートを同一質問内容で実施。
日本の家族の意識変化について研究を重ねてまいりました。
今回は、2011年に起きた東日本大震災の家族に対する影響を念頭に置きながら、
2008年から2013年までの5年間で日本の家族にどのような変化が起こったのかを調査、分析。
3.11後に生まれた日本の家族の新しい動きを9つのFindingsとして明らかにしました。
家族調査 2013
調 査 地 域 首都40km圏(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県)
調 査 手 法 訪問留置自記入法
家族調査2008
サンプル数 600世帯
調 査 時 期 2008年6月12日∼ 7月7日
調 査 対 象 妻の年齢が20歳∼ 59歳まで、夫婦が同居しているサラリーマン世帯
※対象条件は、夫がサラリーマンであること。子供有無は問わない。
家族調査1998
※調査対象世帯のうちの子供のいる率は93.3%。
サンプル数 1,200世帯
調 査 時 期 1998年1月8日∼ 2月2日
サンプル数 1,000世帯(妻1,000サンプル、夫1,000サンプル)
※妻が自身について回答する妻票、妻が自分の世帯について回答する世帯票、夫が自身に
ついて回答する夫票、3種類すべての質問票への回答をもって1世帯分の調査とみなす。
調 査 時 期 2013年5月23日∼ 6月17日
企画・分析
博報堂生活総合研究所
実施・集計
株式会社 東京サーベイ・リサーチ
家族調査1988
サンプル数 1,185世帯
調 査 時 期 1988年8月3日∼ 8月22日
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Copyright © 2013 Hakuhodo Institute of Life and Living, Hakuhodo Inc.
9 つの Findings
1.お金は子供のために蓄える
2.妻は子供との時間を大切に思っている
親子の関係
3.親子関係にはけじめをつける
4.夫婦関係がフラット化し、相対的に妻の立場が強まっている
5.妻の異性関係への興味が低下
夫婦の関係
6.夫の家事協力が進んでいる
7.家族のイメージが親、兄弟・姉妹に拡がっている
親族との関係
8.親の育児支援が定着している
9.東日本大震災後、子供のことを案じる妻が増えている
その他
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Copyright © 2013 Hakuhodo Institute of Life and Living, Hakuhodo Inc.
1.お金は子供のために蓄える
親子の関係
家族の中心は、以前から「夫婦中心」よりも「子供中心」が高かったのですが、2013年はさらにその数値が伸びました。そして、お金の使い道も子供寄りに変化しています。
「親の生活費よりも子供の教育費にお金をかけるほうが良い」という意見は1998年以降上昇傾向にあります。
それに呼応して、貯蓄の目的も、
「病気や事故に備えて」、
「住宅購入費用」は1998年以降減少し、代わって、
「子供の入学資金」が大きく上昇しました。
「子供の入学資金」は2008年に貯蓄目的のトップになり、2013年にはさらに伸びて、2位の「老後のため」に大きな差をつけています。
親の生活費より子供の教育に
お金をかけるほうが良い
家族関係の中心
[夫妻票・合計値]
(%)
100
子供中心
80
74.5
貯蓄の目的
[夫妻票・合計値]
(%)
100
80
[世帯票・目的を持って貯金をしている人のみに質問]
(%)
100
80
69.3
病気や事故に
備えての資金として
子供の
入学資金として
66.5
61.8
60
62.4
60
58.1
60
57.7
56.4
54.7
49.3
53.4
41.8
40
44.5
40
29.6
40
29.4
28.3
48.3
31.4
23.6
18.7
20
44.7
自分たちの
老後のための資金として
26.8
20
夫婦中心
0
1988
1998
2008
2013 (年)
0
1988
1998
2008
2013 (年)
0
46.4
40.8
29.1
22.6
自分たちの
住宅購入費用として
20
1988
48.8
1998
2008
16.5
2013 (年)
PAGE 03
Copyright © 2013 Hakuhodo Institute of Life and Living, Hakuhodo Inc.
2.妻は子供との時間を大切に思っている
親子の関係
妻の充実させたい時間に変化がありました。
2008年まで上昇を続けていた「自分のプライベートな時間」が2013年にはじめて減少し、逆に、
「子供と一緒の時間」が伸びました。
「子供と一緒の時間」はこの5年間で、+9ポイントと一番伸び、夫を上回りました。妻が、
「個」の時間を抑えても、子供との時間を大切にする傾向が生まれています。
また、
「子供を早く親の手から離すほうが良い」と考える妻が減っていたり、子供に期待する人物像として、
「社会の変化や時代の流れに上手にのれる人」が増えるなど、
この5年間で、子供の将来に対する妻の心配が強まっています。
子供はできるだけ早く
親の手から離すほうが良い
いま充実させたい時間
[夫妻票]
(%)
100
80
[夫妻票]
(%)
100
80
自分のプライベートな時間
60.8
60
58.4
57.3
54.5
60
社会の変化や時代の流れに上手にのれる人
64.8
64.8
[夫妻票・子供のいる人のみに質問]
(%)
100
80
夫
68.5
妻
子供に期待する人物像
58.8
64.8
62.1
60
52.4
54.4
夫
54.1
妻
50.4
夫
49.8
46.2
46.9
49.5
45.4
40
40
43.5
40
48.7
45.1
妻
子供と一緒の時間
夫
20
15.9
20.9
11.7
12.7
0
25.2
21.0
1988
11.5
1998
20
20
16.5
妻
2008
2013 (年)
0
1988
1998
2008
2013 (年)
0
1988
1998
2008
2013 (年)
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3.親子関係にはけじめをつける
親子の関係
1と2までの結果を見ると、子供に甘く、何でも子供優先といった親を想像するかもしれませんが、どうもそうではないようです。
子供との関係は、
「友達みたいな親子関係であるほうが良い」が夫婦とも減少しています。
また、
「親子はけじめをつけた上下のある関係が良い」も、妻が一時期減少していましたが、1998年以降上昇に転じています。
したがって、子供に集中的にお金や時間を配分するとはいっても、子供に擦り寄るという意味ではなく、自分たちのことより、子供になんとか幸せになってほしい、
そのためにも、親子のけじめはきちんとするという、子供の将来に対する真剣なスタンスが感じられます。
子供とは友達みたいな
親子関係であるほうが良い
親子はけじめをつけた
上下のある関係が良い
[夫妻票]
(%)
100
80
[夫妻票]
(%)
100
80
夫
妻
69.1
68.6
65.7
61.5
58.6
60
60
妻
47.2
48.8
40
20
20
1988
1998
2008
71.5
68.9
57.3
46.9
40
0
69.7
68.8
65.0
50.5
夫
68.4
2013 (年)
0
1988
1998
2008
2013 (年)
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Copyright © 2013 Hakuhodo Institute of Life and Living, Hakuhodo Inc.
4.夫婦関係がフラット化し、相対的に妻の立場が強まっている
夫婦の関係
夫婦関係はフラットになり、家庭内における妻の存在感が相対的に高まっています。
25年前はまだ一般的だった「亭主関白」は減少し、今では「友達夫婦」が主流になりました。
発言権に関してみると、
「夫の発言権は強い方が良い」が弱まり、
「妻の発言権は強い方が良い」と考える傾向が夫婦ともに強まっています。
子供の名前を決める妻が増えているという結果も、妻の立場が強まっていることを象徴的に表しているといえるでしょう。
現実の夫婦像
夫婦の発言権
[夫妻票・合計値]
(%)
100
子供の名前の最終決定者
[夫妻票・合計値]
(%)
100
[世帯票]
(%)
100
夫の発言権は強い方が良い
80
80
80
74.0
71.8
63.4
63.8
60
友達夫婦
45.5
43.0
40
58.9
60
38.6
40
32.7
28.8
20.7
60
夫が最終決定者
42.0
40
33.3
妻が最終決定者
26.3
亭主関白
21.3
54.3
38.9
29.3
28.0
20
55.3
48.3
38.8
カカア天下
54.3
22.4
20
20
妻の発言権は強い方が良い
30.5
26.3
17.3
7.7
0
1988
1998
2008
2013 (年)
0
1988
1998
2008
2013 (年)
0
1988
1998
2008
2013 (年)
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5.妻の異性関係への興味が低下
夫婦の関係
妻の異性関係への興味が低下しています。妻の「異性の友人が欲しい」が減少、
「妻の不倫は絶対許されることではない」は上昇傾向にあります。
異性との遊びに時間やお金を割くのならば、家庭や子供に目を向けたいという気持ちがうかがえます。
異性の友人が欲しいと思う
妻の不倫は絶対許されることではない
[夫妻票]
(%)
100
[夫妻票]
(%)
100
夫
83.6
80
87.3
83.3
80
77.3
73.6
60
夫
28.3
0
30.0
31.0
28.8
24.4
24.4
妻
1988
66.9
40
33.3
33.2
20
妻
60
40
85.7
82.3
1998
2008
2013 (年)
20
0
1988
1998
2008
2013 (年)
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Copyright © 2013 Hakuhodo Institute of Life and Living, Hakuhodo Inc.
6.夫の家事協力が進んでいる
夫婦の関係
「夫も家事を分担するほうが良い」と考える夫は一貫して増え、夫婦間の意識差は今回最も縮まりました。
さらに、実際の行動でも、以前から比較的多く見られる、家の戸締まりやゴミ出しに加えて、食事の後片づけ、食事のしたく、洗濯など、
いわゆる「家事」の領域においても、夫の参加が増えています。
背景には、共働き世帯の増加が考えられます。総務省「労働力調査」によると夫婦共働き世帯は、
1998年の956万世帯から2012年には1,054万世帯へと増加しています。
夫の家事への参加(よくある)
夫も家事を分担するほうが良い
よくある、たまにある、時々ある、ないのうち、
「よくある」と答えた人の率
[夫妻票]
(%)
100
妻
87.7
[世帯票]
(%)
100
86.6
81.5
80
80
夫
77.0
73.2
60
60
60.4
57.3
43.2
40
38.3
40
家の戸締まり
38.0
30.9
29.3
26.0
22.1
20
ゴミ出し
20
10.6
0
1988
1998
2008
2013 (年)
0
3.7
3.3
2.3
食事のしたく 7.3
1988
食事の後片づけ
17.1
14.2
20.0
2.6
1998
5.9
9.3
9.8
4.3
9.5
洗濯
2008
2013 (年)
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7.家族のイメージが親、兄弟・姉妹に拡がっている
親族との関係
家族といって思い浮かべる人が、配偶者、子供だけでなく、親、兄弟・姉妹に拡がっています。
特に妻において、
「自分の親」
「自分の兄弟・姉妹」が上昇、夫も「配偶者の親」が上昇しており、家族のイメージが、同居家族以外の外側に拡がっていることがわかります。
ただし、親との同居を希望しているわけではないので(8を参照)、家族形態としては、あくまで「核家族」を維持しつつ、
「拡家族」とでもいうべき、絆で結ばれた家族意識が生まれているのだと思われます。
家族といって思い浮かべる人
(%)
100
[夫妻票・合計値]
配偶者
95.8
89.0
子供
98.1
97.8
92.3
93.5
98.2
94.5
80
57.3
60
61.2
51.8
自分の親
45.0
40
34.4
28.6
夫
43.8
配偶者の親 36.8
40.3
42.6
38.3
31.7
自分の兄弟・姉妹
20
妻
0
1988
1998
2008
2013
1988 年
1998 年
2008年
2013年
配偶者
95.1
98.0
98.0
98.7
子 供
88.8
92.8
92.5
94.3
自分の親
46.3
53.3
56.7
57.6
配偶者の親
30.6
36.3
39.5
43.3
自分の兄弟・姉妹
27.1
32.8
37.2
38.2
配偶者
96.4
98.3
97.7
97.6
子 供
89.1
91.8
94.5
94.7
自分の親
43.6
50.3
57.8
64.8
配偶者の親
38.2
37.3
41.2
44.2
自分の兄弟・姉妹
30.0
30.7
39.3
47.0
(年)
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8.親の育児支援が定着している
親族との関係
家族のイメージは親まで拡がっていますが、同居を希望しているわけではなく、
「別居して生活するが近くに住みたい」という「近居」希望が上昇しています。
近居のメリットとして、親の援助を受けやすいことが挙げられますが、実際、自分の親に子供の世話をしてもらっている妻は4割以上に達しています。
子供への時間等の集中は、親(子供にとって祖父母)も巻き込むカタチで、
「拡家族」化が進んでいるのかもしれません。
親との同居意向
<配偶者の親>
[夫妻票・合計値]
(%)
60
日常における妻の親の援助
(子供の世話をする)
<自分の親>
[夫妻票・合計値]
(%)
60
別居して生活するが近くに住みたい
[世帯票・妻の親のいる人のみに質問]
(%)
60
ある(よくある+時々ある)
52.7
45.5
別居して生活するが近くに住みたい
40
45.7
43.3
40
40.6
45.9
46.8
36.9
37.3
37.4
40
32.0
31.3
離れたところに別居したい
20
21.6
23.4
9.4
5.7
3.8
0
1988
25.1
20
隣り合わせに住みたい
6.9
25.0
現在すでに同居している
8.2
10.6
8.5
7.5
6.1
7.0
7.6
同居したい 6.9
6.5
3.0
3.5
3.3
1998
2008
2013 (年)
隣り合わせに住みたい
20
離れたところに別居したい
12.1
10.6 9.5
12.0
10.4
11.1
9.4 7.9 同居したい 6.8
8.2
現在すでに同居している
0
1988
1998
2008
7.0
5.9
2013 (年)
0
1988
1998
2008
2013 (年)
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9.東日本大震災後、子供のことを案じる妻が増えている
その 他
東日本大震災によって自分の家族に対する考え方や行動が
「変わったと感じることがある」
人は、全体で31%。夫よりも妻のほうが、変わったと感じる人が多く41%でした。
妻が変わったと感じることは、子供に関する内容も多く、子供の近くにいたい、子供と一緒に過ごしたい、子供を守りたいなど、子供を気遣う声や、自分で切り抜ける方法、
対応力など生きる力を身につけさせたいとの声も上がっていました。
子供の将来を気にかける妻が増えていることに、東日本大震災も影響を及ぼしているのかもしれません。
東日本大震災の家族への影響∼自分の「家族に対する考え方や行動」
変わったと感じることがある
変わったと感じることはない
不明
31.2
68.8
0.1
全体
夫
21.6
妻
78.3
20
0
59.2
40.8
0
0.1
40
60
80
100 (%)
妻が「家族に対する考え方や行動」が変わったと感じる内容(自由回答)→子供に関する内容をピックアップ
●子供の近くにいたい/近くの学校・幼稚園を選ぶ
●子供を守りたい
・子供が学校に行っている時は遠出をしなくなった(30歳・専業主婦)
・お迎えにすぐ行けるよう子供の保育園の近くで働くこと(36歳・有職主婦)
・子供の学校選びをなるべく歩いて帰ってこられる所にする(37歳・有職主婦)
・子供と離れるのが怖い。もし幼稚園に行っている間に地震があったらと思うとなかなか遠くに行く気
になれない(38歳・専業主婦)
・遠くの良い学校よりも近くの学校に行かせたい(39歳・専業主婦)
・子供を守るという気持ちがさらに強くなった(29歳・専業主婦)
・
「私1人で子供2人を守らなくてはならない」という自覚が芽生えた(33歳・専業主婦)
・家族を守るのは自分だという気持ち。子供に対する気持ちが強くなった(35歳・有職主婦)
・もっと子供を大事にしなくてはと思った(38歳・有職主婦)
・主人が仕事でいないことが多いので自分が子供たちを守らねばという思いが強まった
(43歳・有職主婦)
●なるべく子供と一緒に過ごす
・子供たちに対してただ勉強ができればいいという考えから、勉強よりも人との協調性だとか、ピンチ
からの抜けだし方など生きる力を学ばせなくてはいけないと強く思った(39歳・有職主婦)
・子が家から離れた場所で震災などにあった時に対応できるように、自分でできることは自分でするこ
と!考えて行動すること!を念頭に手助けしないようになった(42歳・有職主婦)
・それまで以上に子供に生きる技術を教えておかないと、と考えるようになった(44歳・専業主婦)
・国家がどうとかではない。いざとなったら動物の勘で動くしかないと子供に感じてほしい(47歳・有職主婦)
・子供に対してはどんなことよりも強く生きられる力をつけさせたいと思った(52歳・専業主婦)
・なるべく子供と一緒に過ごそうと思うようになった(31歳・有職主婦)
・子供だけという状況をなるべく作らないようにしようと気をつけるようになった(34歳・専業主婦)
・同じ時間を過ごせる時は子供たちとの関わりを意識して行うようになった(38歳・有職主婦)
・公園遊びや外出の範囲を拡げてあげなくてはと思いながらも同行してしまう(43歳・専業主婦)
・子供と離れる時間が気になる(42歳・その他)
●子供に生きる力を身につけさせたい
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子供信託家族
3.11後、子供に集中する家族資源
● 親子は、
「時間、お金、意識」の重心をより「子供」に置く関係へ
● 夫婦は、フラット化し、お互いの役割がクロスオーバーした関係へ
● 親族とは、
「親」
「兄弟・姉妹」まで家族とみなし助けを得る「拡家族」関係へ
1988年の調査開始から、2008年の前回の調査まで日本の家族は「個性化」の大きな流れの中にいました。夫婦はそれぞれの個性を大事にし、友達のように振る舞い、なるべ
く自分の自由な時間を確保する。そんな傾向が最高潮に達した2008年。個性化しつつも家族としての温かみを確保するために、あえて家族らしい行動をするという「保温家
族」という現象が生まれました。
しかし、2011年の東日本大震災を経た2013年の調査で見えてきたのは、これまでの流れとは異なる家族の姿でした。未曾有の災害、リーマンショック後の長引く不況を経
た日本の家族は、不安な日常の中で家族・子供の大切さを再認識したのでしょう。不透明な未来へ子供を送り出すために、
「時間、お金、意識」という家族リソース配分の重心
を子供に向けようとしていたのです。そして、より多くのリソースを生み出すため、夫婦共働きを進め、夫の家事参加を活発化させるなど、夫婦の役割をクロスオーバー化。
さらに、従来の核家族を超えて「親、兄弟・姉妹」も家族とみなし、助けを得ることでリソースを最大化させようという姿も見えてきました。
このような未来に備えた子供へのリソースの集中行動、さらには家族役割の再編は、今までにない変化と言っていいでしょう。先行き不透明な時代に子供を送り出す親が、
できるだけ明るい未来をと、持てる力の限りを子供に託す、子供を軸とした新しい家族像が生まれています。
不安な日常で家族を再評価
夫婦の役割の
クロスオーバー化
・ 夫婦対等へ
・ 夫の家事参加高まる
・ 進む夫婦共働き化
子供を軸とした
リソース集中
時間、お金、意識が妻を
中心に子供に向かっている
核家族から拡家族
・ 家族の範囲は
「親、兄弟・姉妹」まで拡大
・ 夫婦の親の育児参加高まる
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Copyright © 2013 Hakuhodo Institute of Life and Living, Hakuhodo Inc.
本件に関するお問合せ
株式会社 博報堂 博報堂生活総合研究所
http://seikatsusoken.jp/
TEL.03 - 6441- 6450(山本/吉川)
株式会社 博報堂 広報室
http://www.hakuhodo.co.jp/
TEL.03 - 6441- 6161(西本/西尾)
2013年9月30日発行
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