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高次脳機能障害教室

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高次脳機能障害教室
高次脳機能障害教室
集団リハビリテーション
の実際
福井県高次脳機能障害支援センター
平成 23 年 2 月 10 日
高次脳機能障害教室 今後の予定
■ 日
時:毎月第 2 木曜日
*教 室 13:30~14:30
*交流会 14:30~15:30(変更になることがあります)
■ 場 所:福井総合クリニック 4 階会議室(B のエレベーター利用)
■ 参加費:無料
■ 申込み:下記申込み先にご連絡ください
開催日
内容(予定)
9月9日
注意障害のリハビリテーションの実際
10 月 14 日
半側空間無視について
11 月 11 日
記憶障害のリハビリテーションの実際
平成 22 年
平成 23 年
12 月 9 日
遂行機能障害のリハビリテーションの実際
1 月 13 日
社会的行動障害の対処法
2 月 10 日
集団リハビリテーションの実際
3 月 10 日
小児の高次脳機能障害について
【問合せ・申込み】
福井県高次脳機能障害支援センター支援コーディネーター 木田裕子
〒910-0067
福井県福井市新田塚 1-42-1
電話
0776-21-1300(内線 5934)
Mail
[email protected]
福井総合クリニック内
FAX 0776-25-8264
集団リハビリテーションの実際
福井県高次脳機能障害支援センター
福井総合クリニック リハビリテーション科
大嶋 康介
高次脳機能障害とリハビリテーション
•
•
•
•
注意障害
記憶障害
個別での認知リハビリテーション
遂行機能障害
社会的行動障害(行動と感情の障害)
–
–
–
–
意欲の低下・抑うつ
脱抑制・感情コントロールの低下
脱抑制・感情コントロ ルの低下
固執性
対人技能拙劣
認知リハビリテーションだけでは、改善が難しい場合もある
2
1
高次脳機能障害とリハビリテーション
神経心理ピラミッド
• 前頭葉機能を
前頭葉機能を9
9つに分け、
7つの階層で表した図
自己認識
• 9つの機能は、ピラミッドの
下から上へと影響しあう
遂行機能
• リハビリは、ピラミッドを積
リハビリは ピラミッドを積
み上げるようにするとよい
情報処理力
記憶
注意力・集中力
抑制・発動性
覚醒・神経疲労
3
ニューヨーク大学医療センター・ラスク研究所の図を一部改変
高次脳機能障害とリハビリテーション
予測的気づき
実際の困難さを予測して、
代償手段を使う
体験的気づき
困難な事が出現した時に
それを認識する
知的気づき
特定の困難があることを
認識している
自己認識の階層(クロッソン,1995)を一部改変
4
2
高次脳機能障害とリハビリテーション
• 個別で行う認知リハビリテーションだけでは、
十分な効果が発揮されない場合がある
• 社会的行動障害や病識の低下は、社会参加
を制限する原因となる
集団リハビリテーションが有効とされている
5
集団リハビリテーションの効果
•
•
•
•
•
参加者同士の交流の場
他参加者との共感を得やすい
ものごとに対する意欲を促す
他者を意識した行動を促す
自分を振り返るきっかけ作り
『他人のフリ見て、我がフリ直せ
他人のフリ見て、我がフリ直せ』』
6
3
集団リハビリテーションの実際
¾注意・記憶の改善を目標としたグループ
¾再就労 就学を目標としたグル プ
¾再就労・就学を目標としたグループ
注意・記憶の改善を目的としたグループ
• 日時:毎週月曜日 13:00~14:00
• 対象:生活の質を向上するために、注意・記憶の改
善が特に必要とされる方
• 内容:5つのプログラムで構成
‹「1分間スピーチ」
‹「ウォーミングアップ」
「ウ
グ
プ
‹「病態の意識づけ」
‹「注意訓練(数字抹消・無意味図形描き取り)」
‹「短文記憶訓練」
8
4
プログラム紹介
‹『1分間スピーチ』
• 自己紹介とテーマに沿った内容で、
自己紹介とテーマに沿った内容で、1
1分間スピーチを行う
• 砂時計を見ながら、時間内に話をまとめる
• 指名された人は司会者の質問に答えたり、感想を述べる
☆ 人前で話をする場面の練習
☆ 求められたことを上手にまとめて話す練習
☆ 他者の話に集中する練習
9
プログラム紹介
‹『ウォーミングアップ』
• 注意力や記憶力を必要とする簡単なゲームを行う
• 伝言ゲームや、どぼんゲーム、数かぞえゲームなど
☆ 訓練へのスムーズな移行のための導入
☆ 集団での活動を楽しむ
10
5
プログラム紹介
‹『病態の意識づけ』
• 毎回、注意と記憶の成り立ちについての説明を聞く
☆ 集団リハビリテーションの目的を理解する
☆ 病識を高める
11
病態の意識づけ
出典:中島恵子著「やってみよう!記憶のリハビリ」
12
6
プログラム紹介
‹『注意訓練(数字抹消)』
• 1~9までの数字で、数字抹消課題を行う
• 課題は、4
課題は、4枚1組で制限時間は
組で制限時間は4
4分間
• 1枚ごとにターゲットの数字が変わり、数字も増える
☆
☆
☆
☆
同時に2つのことに注意を向ける練習
同時に2
必要な情報に注意を向ける練習
時間がきたら、注意を切り替える練習
日常生活に注意を向けるための練習
13
プログラム紹介
‹『注意訓練(無意味図形描き取り)』
• 線で描かれた無意味に重なった
線で描かれた無意味に重なった2
2つの図形を見て覚える
• 覚えた図形を
覚えた図形を10
10秒程度で白紙に描く
秒程度で白紙に描く
• 5枚1組、
組、1
1枚ごとの暗記時間は
枚ごとの暗記時間は10
10秒
秒
☆
☆
☆
☆
必要な情報に注意を向ける練習
ひとつのことに注意を向ける続ける練習
時間がきたら、注意を切り替える練習
全体を把握する練習
14
7
プログラム紹介
‹『短文記憶訓練』
• あらかじめ用意された短い文章を
あらかじめ用意された短い文章を1
1回だけ聞き、メモを取る
• 書き取った内容は参加メンバーに報告してもらう
• 最後に答え合わせをし、足りない部分を確認する
☆
☆
☆
☆
他人の話に注意を向ける練習
メモを取る練習
メモの内容を思い出す練習
メモをとる意識をつける
15
実際に体験してみよう!
『注意訓練』
・・・資料1
『短文記憶訓練』・・・資料2
8
再就労・就学を目標としたグループ
• 日時:毎週水曜日 13:30
13:30~16:30
16:30
• 対象:就労や就学が目標で、その為に他者を意識し
た行動や自己の気づきが必要な方
• 内容:4つのプログラムとサブ要素で構成
‹「2分間スピーチ」
‹「高次脳機能障害を学ぼう」
‹
高次脳機能障害を学ぼう」
‹「作業活動」
‹「自分を知ろう」
z役割分担による集団リハビリテーションの運営
(司会、ファイル管理、筆記用具管理、白板管理)
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z振り返りシートの記入
プログラム紹介
‹『2分間スピーチ』
• 自己紹介とテーマに沿った内容で、
自己紹介とテーマに沿った内容で、2
2分間スピーチを行う
• 砂時計を見ながら、時間内に話をまとめる
• 他者の発表をメモを取りながら聞き、質問や感想を述べる
☆
☆
☆
☆
人前で話をする場面の練習
求められたことを上手にまとめて話す練習
他者の話に集中する練習
メモを取る練習
18
9
プログラム紹介
‹『高次脳機能障害を学ぼう』
• 注意や記憶など、高次脳機能についての知識を得る
• 参加者同士で相談し、毎回のテーマを決める
• 話の内容は、専用のノートにメモする
☆ “高次脳機能障害”という言葉に慣れる
☆ 注意や記憶といった、言葉の意味を知る
☆ メモを取る練習
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プログラム紹介
‹『作業活動』
• 参加者全員で、ゲームや作品作りを行う
• 毎回の活動内容は、参加者同士で相談し決める
☆
☆
☆
☆
他者の言動に注意を向ける練習
自分の役割をこなす練習
他者と協調して活動する練習
コミュニケーションの練習
20
10
プログラム紹介
‹『自分を知ろう』
• 神経心理循環図に沿って、自分の得意・不得意を考える
• 1週間の具体的目標を決め、振り返りを行う
• 毎回1
毎回1人が主役になり、その人の困っていることやしてみ
たいことについて話し合う
☆
☆
☆
☆
自己を振り返る練習
目標に向かって具体的な行動を取る練習
自分の経験を他参加者と共有する場
他者の話を聞き、自分の意見を述べる練習
21
神経心理循環図
22
出典:橋本圭司著「生活を支える高次脳機能リハビリテーション」
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実際に体験してみよう!
『2分間スピーチ』
『自分を知ろう』 ・・・資料3
これまでの実績
注意・記憶の改善を目標としたグループ
平成22年11月
集団リ ビリテ シ ン開始
平成22年11月~
集団リハビリテーション開始
再就労・就学を目標としたグループ
平成22年5月~ 集団リハビリテーション開始
参加人数
10名
参加者の主な帰結
復職(正規)
再就職(トライアル・パート)
就労継続支援事業所A型
集団リハビリテーション継続
・・・1名
・・・3名
・・・1名
・・・5名
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