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クライメイトゲート事件の最新事情 2009/12/ 1 1:42 [ No.2871 / 4820

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クライメイトゲート事件の最新事情 2009/12/ 1 1:42 [ No.2871 / 4820
クライメイトゲート事件の最新事情
2009/12/ 1 1:42 [ No.2871 / 4820 ]
クライメイトゲート事件の発覚から 1 週間とちょっと。2ch では人為起源の地球温暖化(AGW)懐疑
派が引っ張って盛んな議論が行われています。日本語で読める情報も少しずつ増えています。
http://newsweekjapan.jp/stories/world/2009/11/post-756.php
http://eco.nikkei.co.jp/column/kanwaqdai/article.aspx?id=MMECzh000025112009
http://eco.nikkei.co.jp/column/emori_seita/article.aspx?id=MMECza000024112009
http://wiredvision.jp/news/200911/2009113022.html
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=123324&servcode=100§code=120
外国にはクライメイトゲート情報をごった煮にしたサイトがあります。いちいち読んでられません
が。
http://www.climatedepot.com/a/3943/Read-All-About-it-Climate-Depot-Exclusive--ContinuouslyUpdated-ClimateGate-News-Round-Up
大学からハッキングされたメールはここに保存。めちゃくちゃ大部です。
http://www.eastangliaemails.com/index.php
以前からホッケースティックに批判的だった人のブログ
http://www.climateaudit.org/
AGW 懐疑派の牙城
http://wattsupwiththat.com/
AGW 支持派の牙城
http://www.realclimate.org/
アルゴア元大統領は「CO2 の寄与は 40%」と宗旨替え?
http://www.guardian.co.uk/world/2009/nov/02/al-gore-our-choice-environment-climate
などなど。海外情報は山ほどあります。これらを総合的に判断することが肝要だと思いますが、正
直手に余ります。なにが本当か、もう少し時間が立たないと分からないかもしれません。とはいえ、
7 日にはコペンハーゲンでの温暖化会議が始まってしまいます。
ところで、IPCC を支持する日本の学者たちは「懐疑論バスターズ」と呼ばれています。おそらく
映画「ゴースト・バスターズ(busters=撃退者)」にちなんだ名前。万一、IPCC の信頼が失墜する
ようなことがあれば、彼らは最新の映画のタイトルである「イングロリアス・バスターズ(bastards
= 野郎ども、まがいもの)」と呼ばれることになるでしょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その2)
2009/12/ 5 3:05 [ No.2875 / 4820 ]
IPCC がクライメイトゲート事件を検証へ。
http://www.guardian.co.uk/environment/2009/dec/04/un-panel-uae-hacked-climate-email
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1233121/UN-panel-probes-climate-change-emailrow.html?ITO=1490
米下院でも問題に。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2671098/4994431
ヤリ玉に上がった英イーストアングリア大学のフィル・ジョーンズ CRU 所長は当面休職になるわ、
CRU の生データはなくなるわ、もうさんざんです。
そのほかにも、オーストラリアで排出量取引導入法案が否決されたり、産油国が温室効果ガスの影
響に疑義を呈したり。2020 年までに温室効果ガスを 95 年比 25%削減する鳩山イニシアチブどこ
ろではありません。
7 日からコペンハーゲンで始まる COP15 は大荒れになる様相を示しています。温室効果ガスによ
る地球温暖化支持派が十分な温暖化の証拠を出せなければ、科学の姿を借りたもののそうではなか
ったニセ科学の汚名を着ることになるでしょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その3)
2009/12/ 7 0:50 [ No.2877 / 4820 ]
ヤフーでもグーグルでも「climategate」で検索すると、収拾がつかないほど大量のニュースや関連
ブログ、ツイッターが出てきます。自分のところの論文が攻撃の的になった「ネイチャー」は捏造
者たちをかばい立てしていますが、こうした擁護論はきわめて少数。きょう開幕の COP15 でも相
当な議論になるでしょう。
国内でも全国紙が渋々と 2 週間遅れで‘ニュース’を流し始めました。
盗み出された「温暖化」メール 論争に火 陰謀説も
http://www.asahi.com/eco/TKY200912050306.html
盗まれた「温暖化」メール騒動 冷ます声明発表
http://www.asahi.com/digital/internet/TKY200912050443.html
温暖化、データ改ざん? 研究者のメール見つかる
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20091205AT2M0404505122009.html
地球温暖化:英の科学者に「根拠」データ操作疑惑
http://mainichi.jp/select/science/news/20091207k0000m040075000c.html
英で気温変動データ改ざん疑惑温暖化懐疑派が巻き返し?
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/091206/erp0912062151007-n1.htm
本件と直接関係ないのですが、いいことを言っているのがこちら。
[スーパーコンピューターの是非]
http://naniwa-marine.seesaa.net/article/133783876.html
地球温暖化をはじめとする地球規模でのシミュレーション
ですが、ここで示された結果は、あくまでも「予測」であっ
て、「真実」ではないのです。
つまり、予測の話をあたかも真実のように語るシミュレー
ションは、最近、話題になっている「ニセ科学」と紙一重に
あるかもしれません。
本当の所は、シミュレーションは科学なのか、という本質
が議論の対象になっていないのが、残念なところでもある
のです。
そして kikulog の[「地球温暖化懐疑論批判」] 。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1256740025
IPCC を根拠なく崇拝する菊池氏とその取り巻きは、息をひそめています。30 日に「二酸化炭素温
暖化懐疑論が息を吹き返している様です」という投稿があったのですが、いまにいたるまで無反応。
菊池氏の大好きな陰謀論の出番なのですが、「と学会」会長が IPCC べったりの本を出していたり
するので、動きようがないのか。単に無関心なのか。
クライメイトゲート事件の最新事情(その4)
2009/12/ 7 23:20 [ No.2880 / 4820 ]
>国内でも全国紙が渋々と 2 週間遅れで‘ニュース’を流し始めました。
フジ、TBS、日テレ系も追随していましたが、頑強に黙殺しているのが、温暖化プロパガンダをえ
んえんと続けている NHK とテレ朝です。COP15 開幕を報じる NHK ニュースや報道ステーション
でも、クライメイトゲート事件についてまったく触れずに偏った情報を流しています。
ほかにも温暖化キャンペーンをやっているサイトでは、事件がなかったかのようです。
★チームマイナス 6%
http://www.team-6.jp/
★ECI ネット
http://www.eic.or.jp/
★環境 goo
http://eco.goo.ne.jp/
★日刊 温暖化新聞
http://daily-ondanka.com/
世界中に飛び交っている疑惑情報を封殺し、見たくはない「不都合な真実」から目をそらすと、遠
からずその活動は破たんします。
ところで、kikulog の kikulog の「地球温暖化懐疑論批判」で紹介されたサイト。なぜかヤフー検索
にひっかかりませんが、よくまとまっています。
http://www.chem-station.com/blog/2009/12/-climategate.html
IPCC を信奉する菊池氏や取り巻きたちは、この投稿にどう対処するでしょうかね。
クライメイトゲート事件の最新事情(その5)
2009/12/13 21:28 [ No.2897 / 4820 ]
>IPCC を信奉する菊池氏や取り巻きたちは、この投稿にどう対処するでしょうかね。
kikulog ではその後、取り巻きたちが大挙して話題にし始めましたが、フィル・ジョーンズ CRU 所
長の当面休職の情報を追えないほど事実関係のチェックがずさん。温暖化の警鐘を鳴らすことで飯
を食っている張本人の本を無批判に持ち上げ、懐疑派をあっさり切り捨てるというお粗末な二分法
に落ち込んでいます。しょせんは分別のない狭量な連中ばかりが出入りしているということ。
菊池氏は確かシミュレーションの専門家のはずです。シミュレーションでできることとできないこ
と、そしてそのグレーゾーンについて分かりやすく解説することが、地球温暖化のような複雑な事
象の理解に不可欠なのですが、氏がそのようなことをしたことは一度もありません。
また、「我々が思いつく程度のことは、専門の研究者は考えています」とお決まりのセリフが出て
きますが、誰がどこで何を言っているのか、これまた氏が解説したことは一度もありません。発言
の根拠が検証できない状態が、ずっと続いていることに留意する必要があります。
日本のメディアが振るわない中、「climategate」でネットを検索すると、外国ではこの半月で
5000 件以上の報道がなされています。その中でも、よくまとまっているごく最近の記事が AP の
「Climategate: Science Not Faked, But Not Pretty(科学は捏造されてはいないが、適切でもな
い)」。
http://abcnews.go.com/Technology/wireStory?id=9319400
http://www.usnews.com/articles/news/energy/2009/12/12/climategate-science-not-faked-but-notpretty.html?PageNr=2
5 人のリポーターで 100 万語に及ぶ 1073 通のメールを全部チェックしたうえで配信したという付
加価値の高い記事であるため、多くのメディアで引用されています。人為的な地球温暖化の根拠は
ぐらつかないものの、マイケル・マン氏らによるデータ処理やデータの隠匿はほめられた行為では
ないという内容です。
日本のメディアで不思議なのは、温室効果ガスの 25%削減を世界に宣言した鳩山政権を攻撃する
格好の‘スキャンダル’であるのに、週刊誌(現代、ポスト、プレーボーイ、文春、新潮など)が、
これまでまったく報じていなかったことです。きょうの新聞広告によると、あす発売のアエラがそ
の一番手になりそう。
マイケル・マンといえば、奇しくも同姓同名の映画監督による「パブリック・エネミーズ」が週末
に公開され、先ほど観てきました。主演のジョニー・デップだけが見どころという期待外れの作品
でしたが、地球温暖化について、パブリック・エネミー(社会の敵)とは懐疑派なのか、懐疑派バ
スターズなのか、ちょっと考えてしまいました。
クライメイトゲート事件の最新事情(その6)
2009/12/15 3:37 [ No.2899 / 4820 ]
>きょうの新聞広告によると、あす発売のアエラがその一番手になりそう。
「地球温暖化はトリック」という見出しがついたアエラの記事。書き出しは「世界の注目を集めて
始まった COP15。ところが会議は、『地球温暖化は事実か』という、議論の前提に関わる大スキ
ャンダルに揺れていた」仰々しいものです。その割に中身はこれまであちこちに出ていた記事の寄
せ集めで、とくに目新しいことは書いていませんでした。
最後のほうでこんな記述があります。
温暖化について、肯定派 vs 懐疑派の論争は日本でも活発だ
が、いわば国際的なロビー活動の様相を呈している欧米の
懐疑派に比べると、日本の懐疑派はむしろ「紳士的」。最近
では、両社の主張を仲良くまとめた書籍や雑誌の特集もあ
るほどだ。
肯定派の立場でそうした論争に積極的に参加している国立
環境研究所の江守正多室長は「世の中にとって本当に正し
いのか間違っているのか。政治経済に大きな問題だからこ
そ、これまで以上の透明性が必要。いろいろな疑問にどう答
えていくかが大切」と話す。
不適切なデータ処理や生データの非開示の疑いをかけられたのは、あくまでも温暖化肯定派。彼ら
がまず、透明性をアピールする必要がありますね。江守氏の主張に対する反発も随所で聞かれます。
「紳士的」の仮面をかなぐり捨てた真剣勝負を見てみたいものです。
この一両日に外国メディアの記事で目に付いたのは以下の 2 つ。英デイリーメールとロシアのプラ
ウダ(ちゃんとした英語版!)です。
「SPECIAL INVESTIGATION: Climate change emails row deepens as Russians admit they DID
come from their Siberian server」
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1235395/SPECIAL-INVESTIGATION-Climate-changeemails-row-deepens--Russians-admit-DID-send-them.html
「Climategate - The Great Scientific Fraud」
http://newsfromrussia.com/world/europe/14-12-2009/111117-climagatefraud-0
こういうのを読むと、温暖化肯定派がニセ科学の片棒担ぎをしているという印象が強くなります。
クライメイトゲート事件の最新事情(その7)
2009/12/16 0:42 [ No.2901 / 4820 ]
定評あるネットメディアであるクリスチャン・サイエンス・モニターが過去の気温の代替指標であ
る年輪問題を取り上げました。
「Climategate, global warming, and the tree rings divergence problem」
http://www.csmonitor.com/Environment/Bright-Green/2009/1215/Climategate-global-warming-andthe-tree-rings-divergence-problem
最近は年輪が気温を反映しない傾向があることを示し、データの捏造疑惑についてコップの中の嵐
以上のものではない」と騒ぎを鎮静化する内容のようです。とはいえ、コペンハーゲンでは COP
の中の嵐がまだまだ吹き荒れています。
ダジャレは物事を人々の記憶に受け付けるのに役立ちます。例えば、クライメイトゲート事件は、
「Man-made global warming」(人類がもたらした地球温暖化)ではなく、ホッケースティック曲
線の作者にちなんで「Mann-made global warming」(マンがもたらした地球温暖化)と揶揄する
メディアもあります。
一方で、kikulog あたりには、先入観に支配されて柔軟に物事を考えられない可哀そうな人たちが
群がっています。「プロジェクトを止める一番確実な方法は、CO2 が温暖化の原因にならないこ
とを証明する事です。ムリだとは思いますが」などと、タブーである悪魔の証明を平気で持ち出す
とんでもない輩がいます。現段階では CO2 による温暖化(なかでも Man- made global warming)
は仮説のひとつにすぎません。一度信じ込むと、周囲のことは一切目に入らなくなるのでしょう。
困ったことです。
国内のブログを見渡すと、穏健な書きぶりで参考になるのが下記サイトです。第 5 回まで連載が進
んでいます。
[クライメイトゲート事件 第 1 回
地球温暖化説に重大スキャンダル発生!]
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-146d.html
クライメイトゲート事件の最新事情(その8)
2009/12/17 1:51 [ No.2904 / 4820 ]
クライメイトゲート事件について、国内ではまともに論じるサイトはほとんどありません。
No.1894 で紹介した英国のサイト「bad science」には、12 日になって関連エントリが立てられ、
180 以上のコメントが寄せられています。
http://www.badscience.net/2009/12/copenhagen-climate-change-blah-blah/
内容ははっきりいってよく分かりません。IPCC 派と懐疑派が丁々発止でやりあっているんでしょ
うか?
あと、国内では内容不明ですが、15 日の北海道新聞に事件を大きく取り上げた記事が掲載されて
いるようです。
地球温暖化懐疑論批判をうっかり取り上げてしまった kikulog ですが、そのエントリは突っ込みど
ころが満載です。なかでも、菊池氏のこれは壮絶です。
僕自身は科学を定義しようとは思いません。
進化論だろうが宇宙論だろうが考古学だろうが心理学だろ
うが、多くの人(当事者以外を含め)が「科学である」と思っ
てやってきたのなら、それは科学なんですよ。僕は、そう
いうものを科学に含められないような「科学の定義」がある
なら、その定義自体が無意味なのではないかなあ。少なく
とも僕にはそうです
ニセ科学について、「科学を装いながら科学でないもの」と定義しておきながら、おおもとの科学
とは何ぞや、という定義をするつもりがない、あるいは無意味だと言っているのですから、ニセ科
学批判活動自体は完全に空中分解を起こしてしまいます。
上記には「当事者以外を含め」という注意書きが紛れ込んでいますが、結局は当事者以外が科学を
どう定義するかという問題に戻ってくるので、定義の問題から逃げることはできません。氏はきち
んとモノを考えてキーボードを叩いているんでしょうか? 甚だ疑問です。
ライメイトゲート事件の最新事情(その9)
2009/12/20 0:43 [ No.2915 / 4820 ]
コペンハーゲンで開かれていた COP15 が何も決まらないまま閉幕。世界各国から何万人もが集ま
り、CO2 を大量に排出しただけで終わったようです。外国のメディアはクライメイトゲート事件
を繰り返し報じ、会議への影響は少なからずあったようです。そして会議後もデータ捏造の検証は
続きます。
ロシアからは、CRU が都合のいいデータをつまみぐいして、気温上昇を見せかけたというリポー
トがありました。
http://www.investors.com/NewsAndAnalysis/Article.aspx?id=515652
http://www.businessandmedia.org/articles/2009/20091218105156.aspx
米国の世論調査では「温暖化は自然変動が要因」という見方が過去最大に。
http://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/current_events/environment_energy/ener
gy_update
ほかにもいろんな切り口があります。
こんなときに、米国の温暖化否定を概観しているピント外れのブログがあります。ブログ主はニセ
科学批判者の一員。進化論に詳しいのですが、温暖化否定を宗教に直結させてしまっています。
http://transact.seesaa.net/article/135656648.html
そういう側面があるかもしれませんが、自然変動要因のメニューはたくさんあります。それを検討
せずに、自分の得意分野である宗教だけで説明しようとすると無理が出てきます。
その後、事件の影響を軽視しています。
http://transact.seesaa.net/article/135755760.html
ごくわずかな情報、しかも自分のお気に入りの情報に立脚した見解は脆弱です。こういう安直な二
分論はニセ科学批判全般に見られる傾向だということを付け加えておきます。
温暖化懐疑派のサイトに注目したニューズウイーク日本語版の記事。
http://newsweekjapan.jp/stories/us/2009/12/post-845.php
同サイトが情報をこまめにアップしているのは好感が持てます。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 10)
2009/12/21 2:12 [ No.2918 / 4820 ]
COP15 が終わって新しい情報は減っています。有力メディアではフォーブスの記事が目立ちます。
http://www.forbes.com/2009/12/19/climategate-copenhagen-science-opinions-contributors-s-robertlichter.html
クライメイトゲート事件発覚後に行われた米 ABC による世論調査では、科学者が環境について言
うことを「非常に」信頼するという回答は 29%しかなかったということです。
また、科学者の 97%は温暖化の進行を認めているが、人為的な要因を挙げたのは 52%でかろうじ
て過半数。30%は自然変動を挙げ、残りはよくわからないと答えているそうです。
続いてクリスチャン・サイエンス・モニター。
http://www.csmonitor.com/USA/Politics/2009/1219/Obama-faces-new-global-warming-skeptic-JoeSixpack
米国で政治問題化している温暖化対策について、オバマ政権の課題を指摘しています。来年の中間
選挙を控えて、共和党は得点を稼ぎたいところ。民主党の巻き返しが注目されています。
米保守系シンクタンクのやアメリカン・エンタープライズ研究所は「スキャンダルが強調する純粋
科学神話」。
http://www.aei.org/article/101437
こちらも政治と科学の関係について深く洞察しています。
こうした解説や論評は外国メディアにはたくさんあるのですが、国内メディアにはほとんど見られ
ません。やはり、温暖化対策のキャンペーンを押しつけがましくやり続けている影響でしょう。テ
レビ朝日が完全無視を決め込んだような「臭いものにはふた」の姿勢は情けないです。
>こんなときに、米国の温暖化否定を概観しているピント外れのブログがあります。
http://transact.seesaa.net/article/136110230.html
今度は人為的な CO2 排出によらない気候変動を取り上げています。基本方針がよく分からないブ
ログですね。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 11)
2009/12/22 0:51 [ No.2919 / 4820 ]
英テレグラフがまだまだ頑張っています。
IPCC のパチャウリ議長(インド)が「炭素ビジネス」でひと財産築いたのではないかという告発
記事。
http://www.telegraph.co.uk/news/6847227/Questions-over-business-deals-of-UN-climate-changeguru-Dr-Rajendra-Pachauri.html
それに続いて「ウソをついたのはどっちだ」という記事。
http://blogs.telegraph.co.uk/news/jamesdelingpole/100020424/climategate-its-all-lies-lies-pachauriagain/
ウィキペディアの「クライメイトゲート事件」の名称がいつのまにか「Climatic Research Unit メ
ールハッキング事件」に変わっていました。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Climatic_Research_Unit%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E3
%83%8F%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E4%BA%8B%E4%BB%B6
データねつ造など温暖化研究者の落ち度より、ハッキングないし内部告発の行為そのものに目を向
けさせることを目的にした名称変更だと思われます。
「マイナスイオン」と同じように、ノートでの擁護者と懐疑派とのせめぎ合っています。まっとう
な科学なのかニセ科学なのか、この辺の議論の構図は似ています。
クライメイトゲートの専門サイト。
http://www.climategate.com/
http://climategate.tv/
おそらく石油資本から資金が出ていると思いますが、早手回しの宣伝活動には驚かされます。
日本のブログで散見されるのは、「たとえ人為的な温暖化でなくても省エネには努めよう」という
意見です。省エネは当然としても、「本当はそうではないかもしれない温暖化」を理由にいろいろ
な対策を迫るのは、子どものお行儀をよくするために、「ありがとうと言うときれいな氷の結晶が
できる」というのと、それほど変わらないニセ科学だったりします。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 12)
2009/12/24 1:03 [ No.2921 / 4820 ]
クライメイトゲート事件に関連した記事を翻訳したブログがあるので、一部を紹介します。
■[温暖化][政治]地球温暖化・合意の捏造
http://d.hatena.ne.jp/masayang/20091222/1261538006
全文はリンク先で確かめてください。内容の重要性もさることながら、こういう記事が有力メディ
アのオピニオン欄に掲載され、だれでも見れるのはすごいことです。日本ではサイエンスポータル
あたりで論戦をやってくれるといいのですが、現状では人為的温暖化説にすり寄っているので無理
っぽいです。
******************************************************
・例のメール流出事件(Climategate)の真の重大さに気づいている人は少ない。
・仮説に合うようにデータを改竄したり、英国情報公開法に基づく問い合わせに違反して、気候変
動に関する政府間パネル(IPCC)宛のメールを破棄した、といった事実には注目が集まっている。
(ちなみにどちらも真実である)
・だが、本当に怖いのは政策に合わないような科学者達を黙らせるやり口。最近だと、EPA(環境
保護庁)が二酸化炭素を公害と認定したような政策のこと。
・論文誌 Climate Research に、ペンシルベニア州大の Michael Mann および大気研究大学連合の
Tom Wigley らの研究に反する二つの論文が掲載された。
・ひとつは 2003 年のハーバード大学スミソニアン宇宙物理学センターWillie Soon および Sallie
Baliunas らによるもので、過去 1000 年の古気候を調査したもの。20 世紀の気候はそれ以前より温
暖化しているとは言えない、という結論。
・実際、中世温暖期(MWP)は 20 世紀よりも温暖だったというのが当時の一般的な学説だった。
IPCC が 90 年代に出していた出版物にもそのように記述されていた。
・が、1999 年にペンシルベニア州大の Michael Mann が有名な「ホッケースティック」論文を地球
物理学会誌(GRL)に提出。多変量解析の「魔法」と、疑わしいデータ重み付けを使うことで、中世
温暖期とそれに続く小氷河期(16 世紀から 19 世紀半ば)をなかったことにし、20 世紀だけ異常に気
温が上がったようにみせかけてしまった。
・Michael Mann 氏と Tom Wigley 氏は、私が 2002 年 Climate Research に寄稿した論文もお気に
召さなかったようだ。
・私は、人間が引き起こす温暖化は地上の表層面にとどまるものであり、二酸化炭素が大気全体の
温度を上昇させるようなことはない、と主張した。
・Michael Mann 氏とその仲間たちは、Climate Resarch の業務を妨害しようとした。Climate-Gate
事件で暴露されたメールに、同氏による指示が残っている。
・Phil JOnes や Michael Mann らが寄稿や査読をボイコットするという圧力をかけ始めてから、
Climate Research 編集委員会の半数が辞任した。
・Tom Wigley, Michael Mann, そして Phil Jones らに歯向かう研究者達は、研究成果を発表するこ
とが実に難しくなってしまった。
・これは私も経験したし、地球温暖化が穏やかになるという仮説を唱えていたアラバマ大の Roy
Spencer も体験したことだ。
・こういった圧力に嫌気がさして研究をやめてしまった人もいる。
・このような「反体制派狩り」は地球物理学会誌(GRL)内部でも生じていた。
・温暖化に批判的だったエール大学の James Saiers 氏が追放され、その前後のやりとりのメール
も Climate-Gate で暴露されている。
・Climate-Gate 事件の後、問題の CRU および Michael Mann, Phil Jones そして Tom Wigley の立
場は弱まった。
・米国環境保護庁(EPA)は IPCC の報告書に依存しているが、その IPCC が拠り所としていた論文
査読体制が信用できないとなったら、EPA の今後の政策決定にも大きな影響がでてくる。
******************************************************
こういう記事を翻訳する手間をいとわず、地道にやってくれる方は貴重な存在です。IPCC 擁護派
の言を鵜呑みにしているニセ科学批判者なんかは何にもしませんから。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 13)
2009/12/29 1:45 [ No.2923 / 4820 ]
年末になってクライメイトゲート事件も鎮静化したように見えますが、事件の真相をえぐるこって
りとした記事が相次いでアップされました。
ひとつは筋金入りの人為的温暖化否定派である田中宇氏。
http://tanakanews.com/091227warming.htm
外国メディアの報道を丹念にチェックし、問題点を逐一指摘するスタイル。陰謀論に凝りすぎるの
が玉にキズではあります。しかし、以下の 2 点は深刻です。
ロシアの経済研究所は最近、英 CRU が温暖化を「立証」した
際、ロシアの観測地点のうち、20 世紀末に温暖化傾向を示
していなかった地点の気温データをすべて排除し、ロシア全
体の 25%の観測地点の気温データだけを使って、ロシアの
気温が上昇しているかのような歪曲的な結果を CRU が出し
ていたことを指摘した。ロシアの全データを使って分析する
と、20 世紀半ば以来のロシアの気温は上下し続けるだけで、
上昇傾向を示さない。
オーストラリアの研究者も、CRU が豪州の温暖化を「証明」
するために、都市化によって平均気温が上昇する豪州の都
市近郊などの観測地点(豪全体の 40%)だけを選んで使い、
それ以外の気温データを「不適切」として排除し、温暖化傾
向を捏造したと指摘している。CRU の詐欺手法が、世界的
にしだいに明らかになっている。
もうひとつは「もったいない学会」への寄稿として読める赤祖父先生の記事です。
http://oilpeak.exblog.jp/12550548/#12550548_1
一方、本格的な総本山からの漏れはコペンハーゲン会議
が始まってから起きたようである。IPCC が使ったデータの
情報が流れ出したのである。各国は気象データを IPCC に
提供してきた生データを持っている。さっそく、ロシア、オー
ストラリアなどが彼らの生のデータと IPCC の使ったデータ
を比較したところ、彼らの観測所で温暖化が起きていない
ものは使われていないことがわかった。これではいよいよ
IPCC は自身に都合のよいデータを選んでいたことが発覚
してしまった。
「もったいない学会」は国立環境研究所の所長を務めた石井吉徳氏が率いる NPO 法人。一層の省
エネの必要性は説きますが、人為的温暖化説とは距離を置いています。
No.2915 で IPCC によるロシアのデータの恣意的な採用を書きましたが、オーストラリアでも同じ
ようなことをしていたようです。まったくとんでもない話ですが、国内メディアでなぜ大騒ぎにな
らないのか、いぶかしく思います。陰謀論が大好きな kikulog では、いまだにごく初歩的な気候変
動程度しかコメントがありません。
さらにワシントンタイムズは社説で、AP 通信の記事(No.2897 参照)の正当性に疑義を差しはさ
んでいます。
http://washingtontimes.com/news/2009/dec/28/biased-reporting-on-climategate/
年末年始も海外では事件の炎が消える気配が見えません。
片や、懐疑派批判者のブログ「温暖化の気持ち」
http://onkimo.blog95.fc2.com/blog-entry-83.html
能天気に赤祖父先生ら国内の懐疑派を揶揄していますが、海外の動きに注意を払わず、近視眼的な
批判を加えてみても、まあ無意味ですね。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 14)
2010/ 1/12 1:19 [ No.2935 / 4820 ]
クライメイトゲート事件に関心を寄せて、原文を翻訳してくれたブログ主には感謝。事件の根はや
っぱり深いようですね。人為的な温室効果ガス排出による地球温暖化(AGW)って、本当に科学
なんでしょうか? それともニセ科学?
★フランスから見た「クライメートゲート」事件
http://ameblo.jp/cm23671881/entry-10427463003.html
★気候に関する論争【1】「温暖化は確実性ではない」
http://ameblo.jp/cm23671881/entry-10430599640.html
★ロシアの気温データの改ざんについて
http://blogs.yahoo.co.jp/kyomutekisonzairon/62861758.html
年末年始、事件に関する海外の報道はさすがに少なくなってきましたが、まだ尾を引いています。
米国で学会や大学がきちんと扱っているのはさすがです。以下は英文。
★CIA の元諜報員がペンシルベニア州立大学の内部告発者を募っています。
http://blogs.telegraph.co.uk/news/jamesdelingpole/100021135/climategate-michael-manns-veryunhappy-new-year/
http://www.collegian.psu.edu/archive/2010/01/11/agent_looking_for_climategate.aspx
★米化学会の Chemical & Engineering News が超長文の記事「Global Warming And Climate
Change」
http://pubs.acs.org/cen/coverstory/87/8751cover.html
★米 MIT、クライメイトゲート事件討論会を開催
http://tech.mit.edu/V129/N60/climate.html
★IPCC パチャウリ議長、本国インドでも蓄財がヤリ玉に
http://indiatoday.intoday.in/site/Story/78466/India/
国内では大寒波襲来にもかかわらず、メディアでは温暖化対策の必要性ばかりが叫ばれています。
「不都合な真実」は耳に入らず、思考停止に陥った人が大勢いるようで。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 15)
2010/ 1/19 23:35 [ No.2953 / 4820 ]
★きょうの朝日新聞(ネットと夕刊)で「ヒマラヤの氷河 25 年後消失は根拠なし?」
http://www.asahi.com/science/update/0119/TKY201001190203.html
IPCC 報告書にも記載された‘科学的根拠’がでっち上げだったということ。返す刀でパチャウリ
IPCC 議長の蓄財疑惑にも触れています。ネット版には「クライメートゲート」の表記があります。
元記事はこちら。転載まで 2 日かかっています。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article6991177.ece
関連記事多数。とくに英国での関心が高いようです。
http://www.dailymail.co.uk/debate/article-1244067/Climate-change-based-cold-facts.html
http://www.guardian.co.uk/environment/2010/jan/19/un-climate-scientists-himalayan-glaciers
http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/8467480.stm
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601091&sid=a.Y7tFNVis00
★12 日の読売新聞には、おそらく全国紙の社説で初めて「クライメートゲート」の表記が出まし
た。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100111-OYT1T01061.htm
しかし、「温暖化の科学的論争の行方はどうであれ、各国が温室効果ガスの排出削減に努めていく
べきであることに変わりはない」はいただけません。これではまるでニセ科学容認論ですから。科
学的根拠は非常に重要です。
★気の早いことに、クライメイトゲート事件の単行本が出ました。
https://www.createspace.com/3423467
186 ページで 16.99 ドルは割高でしょう。
★地球は今後 30 年寒いまま、というドイツの研究結果。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1242202/Could-30-years-global-COOLING.html
翻訳はこちら。
http://karapaia.livedoor.biz/archives/51588425.html
「DailyMail の飛ばし記事」と揶揄するのは例のサイト。中身はともかく翻訳してくれるのは助か
ります。
http://transact.seesaa.net/article/138561957.html
研究者は「私の研究は 20 世紀の気温上昇の最大限半分が海洋の自然変動の影響だと示唆するもの
だが、これは IPCC の 2007 年のレポートと矛盾しないものである。地球温暖化が 100%温室効果
ガス排出によるものだと言っている気候専門家などいない」と話しているそうで、温室効果ガスの
影響はずいぶんと少なめです。
★さて、フライング気味に「地球温暖化懐疑派批判」をエントリに取り上げた kikulog はどうなっ
ているでしょうか。
16 日からは物性物理の専門家と思しき方が真摯な問いかけをしているのですが、固定観念にとら
われた常連たちは、きちんと向き合うことができません。情報収集・分析の意欲も能力もない連中
が、ニセ科学批判に群がっている状況が如実に現れています。
全般を読み返してとくにひどいのが、この掲示板でもお目汚し投稿を繰り返しているお調子者の以
下のコメント(12 月 9 日)。
この温暖化捏造陰謀論騒ぎは、ただの空騒ぎ(バカ騒ぎ)で
終わるでしょう。
私は、この騒ぎの当初は「温暖化懐疑論者が盗まれたメー
ルの内容を勘違いして騒いでいるだけ」と思っていましたが、
温暖化懐疑論者はメールの内容を自分の都合の良いよう
に利用して、温暖化防止会議を引っくり返そうと狙ってい
る様ですね。
過去に「ホッケースティック論争」で温暖化データーの信憑
性は議論し尽くされているのに、メールの内容の一部を取
り出して「データーを改ざん」している様な印象操作をしても
騒ぎが収まった後で、逆に温暖化懐疑論者が陰謀を働いた、
と評価されるだけなのにねー。
もう笑っちゃいますが、現状認識が甘い人間が IPCC や東大の権威にすり寄ると、全体像を見�
クライメイトゲート事件の最新事情(その 16)
2010/ 1/20 3:16 [ No.2955 / 4820 ]
その 15 で末尾がちょん切れた分です。「投稿前に確認」では全部入っているのに、毎度困ります
ねぇ。
★さて、フライング気味に「地球温暖化懐疑派批判」をエントリに取り上げた kikulog はどうなっ
ているでしょうか。
16 日からは物性物理の専門家と思しき方が真摯な問いかけをしているのですが、固定観念にとら
われた常連たちは、きちんと向き合うことができません。最新の気候変動に関する情報収集・分析
をする意欲も能力もない連中が、根拠のない優越感に浸ってニセ科学批判気分に陥っている貧しい
状況が如実に現れています。いつものことですが。
全般を読み返してとくにひどいのが、この掲示板でもお目汚し投稿を繰り返しているお調子者の以
下のコメント(12 月 9 日)。
この温暖化捏造陰謀論騒ぎは、ただの空騒ぎ(バカ騒ぎ)で
終わるでしょう。
私は、この騒ぎの当初は「温暖化懐疑論者が盗まれたメー
ルの内容を勘違いして騒いでいるだけ」と思っていましたが、
温暖化懐疑論者はメールの内容を自分の都合の良いよう
に利用して、温暖化防止会議を引っくり返そうと狙ってい
る様ですね。
過去に「ホッケースティック論争」で温暖化データーの信憑
性は議論し尽くされているのに、メールの内容の一部を取
り出して「データーを改ざん」している様な印象操作をしても
騒ぎが収まった後で、逆に温暖化懐疑論者が陰謀を働いた、
と評価されるだけなのにねー。
もう笑っちゃいますが、現状認識が甘い人間が IPCC や東大の権威にすり寄ると、全体像を見誤っ
たお粗末極まりないコメントになっていまいます。たぶん反省することはないでしょう。「地球温
暖化騒動とフロンガス騒動」の区別もつけられないようで、もうどうにもなりません。
前にも書きましたが、シミュレーションの専門家のはずである菊池氏が、クライメイトゲートにつ
いて、プロらしい解説をまったくしないのは不誠実です。まともな大学教授なら、議論を望ましい
方向に導くよう腐心するでしょうに。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 17)
2010/ 1/20 23:55 [ No.2957 / 4820 ]
日本国内ではさっぱりですが、外国では盛んに報道されています。
★ヒマラヤ氷河融解問題
クライメイトゲートに代わる「グレイシャー(氷河)ゲート」と命名されました。
http://www.nationalpost.com/opinion/story.html?id=2461494
IPCC は氷河融解説を再検証するとのこと。
http://www.reuters.com/article/idUSLDE60H1RF
クライメイトゲートに冷淡だったフィナンシャルタイムズも無視できず。
http://blogs.ft.com/energy-source/2010/01/19/himalayan-glaciers-another-climategate-not-quite/
IPCC が引用したいい加減な報告書を作成した WWF インドの釈明。
http://www.wwfindia.org/?3920/WWF-Indias-Response-to-Media-Stories-on-Glacier-Reports
WWF インドは去年 11 月には小氷河が解けやすいという報告をしたばかり。
http://www.wwfindia.org/news_facts/?3660/Glaciers-report
BBC は去年 12 月、一早く問題を取り上げていたようです(翻訳された部分だけ読めば OK)。
http://groups.google.com/group/rael-sciencejapan/browse_thread/thread/9e94d0d01f767f7a/396ff81c0fd67f0e?show_docid=396ff81c0fd67f0e
★ホッケースティック疑惑
マイケル・マン教授が約 50 万ドルの economic stimulus funds(雇用創出助成金?)を不正受給し
ているという糾弾記事。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704541004575010931344004278.html?mod=WSJ
_Opinion_AboveLEFTTop
http://www.investors.com/NewsAndAnalysis/Article.aspx?id=518486
http://biggovernment.com/2010/01/14/hide-the-job-decline-stimulus-funds-to-climategate-professor/
ファンドはオバマ大統領の景気刺激策の切り札らしいですが、不発に終わりかけているようです。
http://abcnews.go.com/Business/wireStory?id=9527995
本来の目的である雇用創出やベンチャー支援の役に立っていない実例のひとつとして非難の対象に
なっています。
★そして kikulog「地球温暖化懐疑論批判」
情けないことに、常連たちは問題のありかが分かっていないようです。資料の引用がないのが何よ
りの証拠。柘植氏のように的外れの脳内観測をぐだぐだ書いても、何の参考にもなりません。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 18)
2010/ 1/22 0:16 [ No.2964 / 4820 ]
ヒマラヤ氷河融解問題が大きく進展。IPCC が早期全面降伏しました。
http://www.ipcc.ch/pdf/presentations/himalaya-statement-20january2010.pdf
ヒマラヤ氷河の解氷速度の誤り認める、国連パネルが陳謝…AFP
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2685225/5209336
IPCC は 20 日、地球温暖化に関する 2007 年の報告書におけ
るヒマラヤ氷河の解氷速度について、科学的根拠がなく誤
りであったとする声明を発表した。
科学のように見せかけて科学ではない恐るべきニセ科学だったということです。とんでもない話。
これを受けて国内メディアもようやく重い腰を上げました。
気候変動:「35 年ごろ氷河消失」は誤り IPCC 認める…毎日新聞
http://mainichi.jp/select/world/news/20100121k0000e040064000c.html
ヒマラヤの氷河消失、報告書は誤りと陳謝…読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20100121-OYT1T00347.htm
“ヒマラヤ氷河消失”は誤り…NHK
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015127861000.html
NHK が温暖化の影響を否定する報道をするのは初めてだと思います。
でも、まだこの程度の報道。テレビ朝日系の報道ステーションなんかは完全無視でしたね。
クライメイトゲートから離れてきましたが、IPCC は①人為的な温室効果ガスの排出により地球温
暖化が加速している②温暖化の影響でさまざまな被害が出る、と警告しています。クライメイト
ゲートとグレイシャーゲートが突破口となって、IPCC の警告全般がニセ科学に疑いがかかる事態
まで発展するのか、このテーマはまだ追及する価値がありそうです。
さて、例によって kikulog。引き続き生温かく見ていますが、ことここに至っても IPCC のミスか
ら目をそむけ、懐疑的な投稿者を叩く倒錯した雰囲気が充満しています。IPCC 擁護派と心中する
つもりなんでしょうか? 健全な議論とは無縁な流れになっています。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 19)
2010/ 1/26 2:01 [ No.2972 / 4820 ]
関連する地球環境がらみの醜聞が絶えません。
★反進化論が‘主食’のブログ
http://transact.seesaa.net/article/138812546.html
これまで IPCC の地球温暖化の主張に沿って懐疑派叩きをしてきましたが、グレーシャーゲートは
意表を突いたようです。たくさんの記事を集めてくれて大変助かります。ただし、いつもの軽快な
翻訳がなされず、「Hmm...」と唸るだけ。
文中、下記の部分はとくに痛烈です。
The IPCC's chairman, Rajendra Pachauri, has hit back, denouncing the Indian government report
as "voodoo science" lacking peer review.
(拙訳)IPCC のラジェンドラ・パチャウリ議長は、インド政府の報告書をピアレビューを欠いた
「疑似科学」だと非難し、彼(ラメシュ環境相)に反撃した。
政府報告書では「ヒマラヤ氷河が後退している科学的な証拠はどこにもない」と結論しており、ラ
メシュ氏は IPCC を「人騒がせ」となじっています。しかし、実際は IPCC 報告書のほうがピアレ
ビューを経ていない WWF の文献を引用し、インド人である議長が遺憾の意を表す事態に発展しま
した。インド国内で環境担当大臣とノーベル賞受賞団体のトップが対立してるって、日本では考え
られない構図です。
★国内のヒマラヤ氷河研究の第一人者も不信感。
http://hello.ap.teacup.com/snowman/
2007 年に IPCC 報告書が出たときから「WWF が引用元なのは粗雑」と思っていたとのこと。そう
なら、さっさと抗議してほしかったと思います。関連する日経のネット記事。
http://eco.nikkei.co.jp/column/kanwaqdai/article.aspx?id=MMECzh000021012010
★そしてアマゾンゲート?
http://blogs.telegraph.co.uk/news/jamesdelingpole/100023598/after-climategate-pachaurigate-andglaciergate-amazongate/
アマゾンの熱帯雨林の減少とその影響に関する記述が、またも WWF からの引用だったことが判明。
パチャウリ議長は、グレーシャーゲートが 1000 ページの中のたった 1 つのミスであるかのように
釈明していましたが、「ゴキブリが 1 匹見つかったら 30 匹はいると思え」の方が近いような気が
します。
★NOAA と NASA もデータねつ造に関与?
http://www.americanthinker.com/2010/01/climategate_cru_was_but_the_ti.html
地球の平均気温をはじき出すのに、気温が低下した観測所のデータを故意に除外した疑いがかかっ
ています。どこでどうやって記録された気温データを統計に使うのか、そこのところがはっきりし
ていないかもしれません。それで温暖化を叫ばれても…という気にさせられます。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 20)
2010/ 1/27 3:26 [ No.2974 / 4820 ]
★英国議会がクライメイトゲート事件で調査開始
http://www.parliament.uk/parliamentary_committees/science_technology/s_t_cru_inquiry.cfm
①What are the implications of the disclosures for the integrity of scientific research?
②Are the terms of reference and scope of the Independent Review announced on 3 December
2009 by UEA adequate (see below)?
③How independent are the other two international data sets?
以上、3 点について、3 月から調べることにしています。
関連記事。
http://network.nationalpost.com/np/blogs/fpcomment/archive/2010/01/25/lawrence-solomon-ukparliament-announces-6th-climategate-inquiry.aspx
http://www.theregister.co.uk/2010/01/26/parliament_cru/
★kikulog(笑)について
ヒマラヤの氷河や議長の蓄財財疑惑など IPCC をめぐる世界のとらえ方がどう変わってきたかにま
るで関心がなく、排他的な物言いを繰り返す投稿者たち。もはや腐臭がただよっています。自分た
ちでは学説を一切解説・説明できず、闖入者と認めた書き込みを貶める手法は、不毛なニセ科学批
判がもたらしたものであり、現実社会の解釈には全然役に立ちません。
吹きだまりのようなサイトに集う輩に、科学リテラシーがないのには呆れ果てます。無駄話・たと
え話しかできない柘植氏は論外としても、「JAMSTEC の草野さん」が雲の専門家で、現名大教授
であることを知らなかったり、環境リスク学を開いた中西先生を「環境問題に関してはあまり信頼
すべきでない」などと暴言を吐いたりしています。
いつものことですが、低レベルの投稿をたしなめる者もいません。こうしたトンデモサイトが国民
の税金で成り立っている大阪大学のサーバー上にあることに、阪大関係者は危機感を持つべきです
ね。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 21)
2010/ 1/31 18:12 [ No.2981 / 4820 ]
ID 間違えて格好悪いので、こちらに移します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
クライメイトゲート事件の震源地である英イーストアングリア大学に、情報公開法違反の嫌疑がか
けられました。
http://www.upi.com/Top_News/International/2010/01/28/Agency-Climategate-scientists-hiddata/UPI-16001264695241/
http://www.ft.com/cms/s/0/11ae3c78-0c76-11df-a941-00144feabdc0.html
http://www.telegraph.co.uk/earth/environment/climatechange/7088055/University-scientists-inclimategate-row-hid-data.html
しかし、いわゆる時効のおかげで訴追は免れています。
まとめ読みには FOX ニュース。
http://www.foxnews.com/scitech/2010/01/28/save-rainforest-climate-change-scandal-choppedfacts/?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%253A+foxnews%252Fs
citech+%2528Text+-+SciTech%2529
温暖化によるアマゾンの原生林消失危機の科学的根拠が怪しく、最近の世論調査で温暖化の肯定者
が減っていることをリポートしています。
今ごろ懐疑論叩きに奔走している記事もあれば
http://www.scientificamerican.com/article.cfm?id=negating-climategate
懐疑論に耳を貸せという記事もあります。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article7003622.ece
事件について国内メディアは沈黙していますが、「地球温暖化懐疑論批判」の著者のひとりである
増田耕一氏がブログで、IPCC の不始末について懺悔録ともとれる書き込みをしています。
http://d.hatena.ne.jp/masudako/
おととしは元気よく懐疑論を一蹴していたのに、時代は移りつつあるようです。
上記ブログは kikulog で紹介されていました。少数の良心的な投稿者が、少しでもまともな議論を
展開しようと努力されているのには頭が下がります。多面的な情報を得て、あそこの連中が改心し
て…まず無理でしょうね。
IPCC の権威が地に落ちれば、同時に「地球温暖化懐疑論批判」の威光もなくなってしまうことに、
どれほどの人間が気づいているのやら。マイナスイオンの議論でもそうでしたが、ニセ科学叩きを
しているつもりの連中が、実はニセ科学的な言説に固執しているという皮肉な面がうかがえます。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 22)
2010/ 1/31 18:28 [ No.2982 / 4820 ]
直接クライメイトゲートではありませんが、IPCC の作業に疑問を投げかける記事が出ました。
地球温暖化対策:気温上昇鈍化「原因は水蒸気の減少」--米・スイス研究チーム
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20100129ddm002040081000c.html
赤祖父先生のコメントもついています。
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20100129ddm002040093000c.html
◇赤祖父俊一・米アラスカ大名誉教授の話
温暖化の原因はCO2だけではない。自然変動もある。温
暖化のどこまでが人間の寄与かを示すことは、対策を考え
る上で重要だ。観測が難しいとはいえ、水蒸気を十分考慮
してこなかったIPCCの姿勢に疑問を感じる。
いろんな議論があることはいいことです。ニセ科学的な主張の検証につながりますから。
そんななか、kikulog の「地球温暖化懐疑論批判」で噴飯者の発言がありました。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1256740025#CID1264850856
実際は法律で、フロンガスは大気に放出させず回収・破壊
する事になっている。だから、ヒートポンプの普及で温暖化
ガスは減る。
http://www.rrc-net.jp/001_topics/index_08.html
どうも、中西準子氏はそこまでは知らないようですね。
しかし、フロンガス回収・破壊の件は、エアコンやヒートポン
プ使用機器を扱う専門業者位しか知らない事だから、中西
準子氏が知らなくても仕方ないでしょうね。
資料として提示された過去の日記。ここの雑感 469 がフロン問題に触れています。
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak466_470.html
原文には「前々回触れたように、使用時の漏れの問題も極めて大きい」とあります。前々回とは 2
週間前の雑感 467。同じページの下のほうにあり、中西先生は「代替フロン漏れ、想定の2倍」と
いう新聞記事をもとに考察されています。
想定の 2 倍になったのは、使用時にバルブなどがら漏れ出すフロンが予想以上に多かったため。回
収や破壊を厳正に行うのとは別次元の問題が出てきたので、事態はより深刻だということを指摘し
ています。至極もっともな洞察です。
しかし、この掲示板でも過去に数々の恥をさらしているお調子者は、またも資料をよく読まずに中
西先生の見識を貶めるトンデモをやらかしています。kikulog のコミュニティーがいくらダメでも、
こういう輩を甘やかしてはいけないでしょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 23)
2010/ 2/ 8 2:09 [ No.2985 / 4820 ]
この 1 週間、外国メディアからは引き続き、関連したたくさんの記事が出ていました。中国での気
温データがえり好みされていたこと、アフリカ干ばつの根拠が薄弱だったこと、などなど。IPCC
への信頼はどんどん薄れていっています。インドでは IPCC とは別の気候変動調査組織が立ち上が
ったようです。
最新のニュースは電子メール流出元である英イーストアングリア大のフィル・ジョーンズ所長。英
サンデー・タイムズのインタビューで「一時は自殺を考えたことがある」と告白しています。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article7017922.ece
BBC、ガーディアン、テレグラフなどもこの件を報じています。英メディアは事件を真剣にとらえ
ています。
さて、BBC は気候変動について世論調査を実施。
http://news.bbc.co.uk/nol/shared/bsp/hi/pdfs/05_02_10climatechange.pdf
「気候変動は人為的要因で起きる」は去年 11 月に 41%が支持していましたが、2 月(3~4 日に調
査実施)は 26%に急落。「気候変動は起きても人為的要因とは証明されていない」は 32%から
38%に増え、「気候変動は起きていない」が 15%から 25%に増えています。クライメイトゲート
事件、それに続くグレイシャーゲートなどなどが大きく影響していることは間違いありません。日
本で NHK が同じような世論調査するでしょうかね(笑)。
さて、kikulog ですが、まっとうな論客が増え、懐疑論を痛罵していた連中は青息吐息です。ただ
し、相変わらずファクトファインディングが不十分なので、群盲象を撫ぜるという状態から脱して
いません。ブログ主の菊池氏は、情けないことにツイッター三昧。サイトの管理責任を放棄してい
ます。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 24)
2010/ 2/10 2:47 [ No.2995 / 4820 ]
朝日新聞 9 日朝刊国際面に「そんなに低地はない」オランダが訂正要求~IPCC の報告書めぐり、
という記事が出ていました(ネットには見当たらず)。元ネタは米(韓?)UPI のこれか。
http://www.upi.com/Top_News/Analysis/2010/02/08/Walkers-World-Climate-facts-and-doubts/UPI25301265638470/
IPCC 報告書はオランダの国土の 55%が海抜下にあると記したが、実際は 26%。河川の氾濫で影
響を受ける面積の 29%を単純に加算してしまった、と同国環境省は推定しているとのことです。
あまりにお粗末なミス。
英 BBC が最近とみに懐疑論寄りの姿勢です。うわさされているのが、英気象庁との仲たがい。
http://entertainment.timesonline.co.uk/tol/arts_and_entertainment/tv_and_radio/article6991064.ece
BBC は 4 月から、ニュージーランドの気象会社「メトラ」から天気予報を買い付けることを検討
しているそうです。地球温暖化説べったりの気象庁の予報が外れっぱなしだから、という理由。ク
ライメイトゲートが離縁のきっかけになるかも。
英ガーディアンが気の利いた試み。クライメイトゲートの専門コーナーを設けました。
http://www.guardian.co.uk/environment/hacked-climate-science-emails
オリジナル記事 12 本と、事件発覚から現時点までの記事アーカイブで構成されているようです。
ものすごい力の入れ方。
米ウォールストリートジャーナルは、「インドが IPCC を骨抜きにする」とおどろおどろしい記事。
http://online.wsj.com/article/SB40001424052748703427704575051130546785628.html
パチャウリ議長の弱みに付け込んで、今後の国際交渉を有利に進めるハラという見立てです。
で、kikulog「地球温暖化懐疑論批判」の定点観測ですが、こうした国際情勢の推移とは無関係に脱
線に次ぐ脱線。常連が悪ふざけをして、真面目な議論をするのを阻害しているようです。繰り返し
ますが、国民の税金でまかなわれている国立大学のサーバー上にふさわしいコンテンツとは言えま
せん。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 25)
2010/ 2/17 1:04 [ No.3002 / 4820 ]
No.2998 でも取り上げましたが、英 BBC によるイーストアングリア大フィル・ジョーンズ氏への
インタビューが波紋を広げています。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8511701.stm
要するに「(人為的温暖化の証拠とした)データはきちんと整理されていなかった」ということ。
英デーリーメールの記事には、もっと分かりやすい見出しが付いています。「1995 年以降、地球
は温暖化していない」。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1250872/Climategate-U-turn-Astonishment-scientist-centreglobal-warming-email-row-admits-data-organised.html?ITO=1490
このほか、ジョーンズ氏がらみの記事があちこちに。当初クライメイトゲートを矮小的にとらえた
ネイチャーも、もはや氏を擁護することができません。
http://www.telegraph.co.uk/earth/environment/7232733/Climategate-scientist-says-datadisorganised.html
http://www.americanthinker.com/2010/02/climategates_phil_jones_confes.html
http://www.nature.com/news/2010/100215/full/news.2010.71.html
ネイチャーのキャンベル編集長は、クライメイトゲート事件の調査委員に選ばれましたが、すぐに
辞めるはめになりました。
http://www.ft.com/cms/s/0/d6c1501a-183b-11df-9256-00144feab49a.html
そりゃ、当事者ですから。
「懐疑派バスターズ」の一員である増田氏は、バスターズと呼ばれることを嫌がるようになりまし
た。
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100215/1266220974
去年のいまごろは意気揚々だったはずです。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/ondan/on090223_01.htm
http://www.yomiuri.co.jp/eco/ondan/on090302_01.htm
http://www.yomiuri.co.jp/eco/ondan/on090309_01.htm
気がつけば、事件発覚以前から、バスターズの江守氏も慎重な言い回しをするようになっていまし
た。
http://eco.nikkei.co.jp/column/emori_seita/article.aspx?id=MMECza000028082009
おまけは米ユタ州が「温暖化陰謀論決議」を可決したこと。
http://transact.seesaa.net/article/141275329.html
法的拘束力はありませんが、それなりのインパクトはあるでしょう。
このように、IPCC による人為的地球温暖化論は相当やばい状況になっています。温暖化懐疑論批
判も瀬戸際に立っているのでしょう。にもかかわらず、kikulog における論戦は極端に低調です。
懐疑論批判に突っ込む側が上記のような具体的な最新情報を提示しないので、議論の主導権を握れ
ずにいます。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 26)
2010/ 2/18 0:14 [ No.3007 / 4820 ]
東大・渡辺正氏がずばり「Climategate 事件 -地球温暖化説の捏造疑惑」を寄稿。
http://www.kagakudojin.co.jp/kagaku/tachiyomi/c6503/c6503-34watanabe/index.html
掲載されているのが化学界で著名な『化学』(化学同人)ですから、それなり以上の価値がありま
す。温暖化懐疑派として知られる渡辺氏は、東大内の別組織が作成した「地球温暖化懐疑論批判」
の攻撃対象にもなっており、東大内の内ゲバ(死語)とも言えます。
氏の寄稿では、槌田氏の裁判のことにも触れています。kikulog はその裁判で名誉棄損の証拠を献
上しているのですから、つまらない揚げ足取りばかりしていないで、もっと真剣に議論した方がい
いでしょうね。
日経新聞夕刊に「コノコフィリップスなど3社、米温暖化対策団体を脱退」。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100217ATGM1701317022010.html
本格的な終わりの始まりかもしれません。
ウォールストリートジャーナル日本語版にも「温暖化の信ぴょう性に疑問の声」。
http://jp.wsj.com/US/Politics/node_33647
関連情報が日本語で読めるのはうれしいですね。というより、日本語情報がもっとあるのが当たり
前。NHK を筆頭に、メディアが報道管制を敷いているとしか思えません。いまや 2ch でも海外情
報が読めるのに、何のため?
クライメイトゲート事件の最新事情(その 27)
2010/ 2/18 2:18 [ No.3009 / 4820 ]
>関連情報が日本語で読めるのはうれしいですね。というより、日本語情報がもっとあるのが当た
り前。NHK を筆頭に、メディアが報道管制を敷いているとしか思えません。いまや 2ch でも海外
情報が読めるのに、何のため?
と書いたら、読売新聞が一連の流れをやっとまとまったニュース記事にしていました。
「国連の温暖化報告書、誤記や金銭問題浮上」
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20100217-OYT1T01289.htm?from=main4
内容はと言えば、ヒマラヤ氷河、クライメイトゲート、オランダの低地と、ここで取り上げている
ものばかり。プリウス疑惑は書き損ねていましたが、独シュピーゲルが 3 週間前に報じていました。
http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,674087,00.html
結果として、新たな事実を報じていないのはがっかりです。これまで見ない振りをしていたので、
まずはそろりと発進なんでしょうか。でも、こういうのがきっかけになって事態が大きく動くかも
しれませんね。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 28)
2010/ 2/19 2:40 [ No.3010 / 4820 ]
気候変動枠組み条約事務局長の Yvo de Boer 氏が突然退任表明。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703315004575072952846950296.html
秋までの任期を待たず、7 月で辞めるそうです。同事務局がサポートする COP15 が昨年末に大失
敗で終わり、その責任を取らされたのか、嫌気がさしたのか。どちらにせよ、クライメイトゲート
事件が影響したのは確実です。IPCC 議長のパチャウリ氏の辞任を迫る圧力も一層強まるでしょう
ね。
米ニューヨークタイムズはクライメイトゲートを無視しすぎじゃないの?というブログ記事。
http://blog.foreignpolicy.com/posts/2010/02/15/is_the_new_york_times_ignoring_climategate
日本のマスメディアもほぼ同様です。
一方、ブログメディアは活発で、きのう注目されたのはこれ↓。
http://nagatsuki07.iza.ne.jp/blog/entry/1462953/
米 NOAA によるデータ捏造、クライメイトゲート事件の真相などがリファレンス付きで描かれて
います。mixi にはタッチしていませんが、相当ディープな情報が飛び交っているようです。
フィル・ジョーンズ氏本人がここ 15 年の気温上昇を否定している中、kikulog では「これを見れば、
気温が上昇傾向にあるのが分かるでしょ」と虚勢を張っている者がいます。周囲のモノが見えなく
なる確証バイアスの典型例。最新の情報にアクセスしておかないと、恥をかくことになります。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 29)
2010/ 2/23 0:42 [ No.3018 / 4820 ]
きょうは東京地裁で「地球温暖化懐疑論批判」名誉毀損訴訟の第 1 回口頭弁論があります。
http://env01.cool.ne.jp/index02.htm
おとといの東京新聞で大きく取り上げられました(記事を全文引用したブログ)。
http://earthian.seesaa.net/article/141858363.html
同書の刊行後にクライメイトゲート事件が起き、原告側が勢いを得たのは確実。弁護士を立てずに
1 人で戦う槌田氏はどのような戦術で臨むのか?
中国でも人為的温暖化説を疑問視。
http://www.china-news.co.jp/society/2010/02/soc10022101.htm
日本語で読めるのはうれしいです。
IPCC 第 3 部会リードオーサーが、温室効果ガス 25%削減は困難と反論しています。
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/70/index.shtml
安井先生も 2020 年に、自然エネルギーを 11%以上増加させるのは困難だと。
http://www.yasuienv.net/RenewablePoten.htm
人為的温暖化説は疑う声は日増しに高まっているし、温室効果ガス削減は容易ではない、といった
状況にもかかわらず、現実を見ようとしない kikulog の議論は相変わらず迷走中。産総研・柘植氏
は以下のような暴論を吐いています。
地球温暖化懐疑論というのは、結局のところ「反政府論」な
んですよ。「各国の政府が国連を通じてまとめさせたものだ
から間違っている」と言いたいだけの話ね。
いまごろこんなお門違いの認識を「上から目線」で語るとは、脳内妄想もはなはだしいです。次の
方が「kikulog での技術開発者さんの書き込みの多くに敬服し、尊敬してきましたが、その方の言
葉とは思えません」と呆れていますが、柘植氏の書き込みは昔話、たとえ話、ピンボケ話ばかり。
どれをとってもファクトを踏まえていないことにもっと早くから気づくべきでした。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 30)
2010/ 2/27 0:42 [ No.3035 / 4820 ]
事件発覚から 3 カ月。事態はいっこうに鎮静化しません。IPCC 報告書の真偽をめぐって、追及の
火の手がさらに上がりました。
IPCC 報告書検証へ第三者委設置
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20100226ATGM2603R26022010.html
ロイター通信によると、国連の気候変動に関する政府間パ
ネル(IPCC)の報告書に誤りがあった問題で、報告書の内
容を検証するため、科学者による第三者委員会が設置され
ることになった。インドネシア・バリ島での会議に出席した国
連環境計画の報道官が 26 日、明らかにした。
IPCC から独立した科学者のグループが委員を選び、来週発
表する。8 月ごろまでに検証内容をまとめ、10 月に韓国で開
かれる IPCC の会合に報告するという。
「ヒマラヤの氷河が 35 年までに消失する」などとした IPCC の
第 4 次統合報告書(2007 年発表)を巡っては、記述の誤りが
が発覚している。
海外メディアも一斉に報じており、UNEP と WMO が調査に関与するようです。
http://www.abc.net.au/news/stories/2010/02/26/2831790.htm
http://www.guardian.co.uk/environment/2010/feb/26/ipcc-independent-scientific-review
http://www.telegraph.co.uk/earth/environment/climatechange/7316758/IPCC-chief-RajendraPachauri-to-face-independent-inquiry.html
科学的知見を評価する機関が評価の対象になるとは笑い話にもなりません。が、それが現実です。
同じ会合に国連の潘基文事務総長は「交渉を頓挫させようとする懐疑派の試みを拒絶するよう求め
る」メッセージを寄せていました。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010022500105
事務総長の真意は図りかねます。
読売新聞は 25 日の社説でクライメイトゲート事件を大きく取り上げました。「地球温暖化 不信
を広げる研究者の姿勢」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100224-OYT1T01342.htm
前回(No.3009)から 1 歩前進。事件を報道しないマスメディアの姿勢も不信を広げているんです
が、他紙はまだ冬眠中。
懐疑派バスターズが蟷螂の斧?
http://blog.livedoor.jp/climatescientists/archives/1120733.html
もう防戦一方です。
「地球温暖化懐疑論批判」の旗色がどんどん悪化しているのに、kikulog の常連たちは現実から目
をそむけ続けています。‘良心派’が見切りをつけて立ち去るなか、そろそろ 1000 レスの大台を迎え
ようとしています。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 31)
2010/ 3/ 3 1:46 [ No.3048 / 4820 ]
産経新聞がきのうの朝刊1面で「地球温暖化論への懐疑」と題する大きなコラムを掲載しています。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100302/amr1003020254000-n1.htm
外国の状況を過不足なく伝え、「これまでよりもタブーの少ない新たな議論のドアが開かれた感じ
である。となると、日本への余波もつい予期させられるようだ」と結んでいます。
5 日に予定されていた地球温暖化対策基本法案の閣議決定がずれ込む見通しも。
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100302/env1003021108002-n1.htm
直接的なあるいは間接的な余波かもしれません。
英国ではクライメイトゲート事件についてフィル・ジョーンズ氏が議会で追及され、「データ隠し
は常態化していた」と白旗を揚げました。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8543289.stm
http://www.telegraph.co.uk/earth/environment/climatechange/7347658/Climategate-professoradmits-to-withholding-information.html
検索の最中に、拓殖大政経学部の関良基助教(農学博士)のブログ「代替策」がヒットしました。
http://blog.goo.ne.jp/reforestation
冒頭で「批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示することを心がけながら、未来社会
のあるべき姿を探りたい」とは殊勝な心がけですが、なぜか温暖化懐疑論への敵意をむき出しにし
ています。
なぜ政治的リベラル派が温暖化懐疑論にかぶれるのか?
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/9e133919cf0a9ba636da5b4ee6686810
丸山茂徳氏の地球寒冷化論への反論
http://blog.goo.ne.jp/reforestation/e/ff209de4e8d9fa24d6d07e43c939a53e
エントリ自体は古いのですが、新しいコメントが寄せられており、関氏とその取り巻きのかたくな
な態度は笑えます。kikulog と同じ轍を踏み、クライメイトゲート事件以降の世界的な動向を無視
し続けています。代替策の提示どころではありません。kikulog と同じ轍を踏み、自分たちが気に
いらない投稿者を無碍に叩いています。実に奇妙な符合です。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 32)
2010/ 3/ 8 2:33 [ No.3056 / 4820 ]
5 日付朝日新聞の科学面に「科学への信頼回復問う 米科学振興協会(AAAS)」という見出しで、
先月「科学と社会の橋渡し」をテーマに開かれた AAAS 総会の模様が紹介されています。記者から
「1 年前、私たちはとても楽観的だった。オバマ米大統領は、科学を『元に戻す』と宣言し、科学
者を政権要職に指名した。だが今、米国の地球温暖化対策法案審議は行き詰まり、クライメートゲ
ート事件や、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の問題も。どうなっているのか」という厳
しい質問が飛んだそうです。
7 日付読売新聞には「「温暖化」米で懐疑論 IPCC 失策続き 反対派攻勢」という記事が国際面
に躍っています。懐疑派の代表格である共和党のインホフ上院議員が、クライメイトゲート事件に
ついての報告書を環境・公共事業委員会に提出し、関係した欧米の 17 人の気象学者の実名を挙げ、
「科学者による非倫理的かつ違法な可能性がある行為」を指弾したことを取り上げています。
同じく 7 日付の日経新聞の科学面には、ヒマラヤ氷河が 2035 年にも消失するという IPCC の報告
が誤りだったことを取り上げた解説記事が出ています。「もとになった世界自然保護基金(WWF)
のリポートには科学的な裏付けがないことが判明、IPCC の報告書への信頼性に疑問符がついた」
と書かれています。
以上、3 つの記事は残念ながら、今のところネットでは見ることができないようです。確認したい
方は、各紙を直接当たってください。で、温暖化をめぐって国際事情も国内メディアも変わりつつ
あるのに、現政権は意に介さず、あさっての方向を向いています。
温暖化防止、テレビで呼び掛け=首相、声で出演
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010030501002
政府は 8 日から 1 週間、温室効果ガス削減のため実施してい
る「チャレンジ 25 キャンペーン」への参加を呼び掛ける放送
を、テレビ CM の枠を使って流す。
放送は 2 種類。いずれも 15 秒間で、氷山が崩落する様子など
が写った映像に、「今温暖化を止めなければ地球の環境は
壊れてしまう。CO2(二酸化炭素)、25%カット、ともにチャレ
ンジしましょう」とナレーションが入る。声役は鳩山由紀夫首
相と俳優の加山雄三さんがそれぞれ務めた。
氷山の崩落は氷河や棚氷の先端で日常茶飯事のように起きていることであり、地球温暖化の科学的
根拠にはなりません。アル・ゴア氏の「不都合な真実」ではさんざん使われた映像ですが、もはや
禁じ手。氷山崩落を示して温暖化の危機をアピールするのはニセ科学的な主張と言えます。この国
の上層部と広告関係者は、どうやらニセ科学に嵌っているようです。
時流が分からず、不毛な懐疑派叩きを相変わらずやらかしているサイト
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100305/1267791907
今度はホッケースティック論争について「おバカな文章を書いていく」予定だそうです。お手並み
拝見というか、相当に倒錯した心構えには呆れます。
kikulog に懐疑論バスターズの増田氏が本格参戦しています。いま氏に求められているのは気候シ
ステムの解説ではなく、なぜ彼らが東大の科学研究費を使って「地球温暖化懐疑論批判」をするこ
とになったのか、その背景説明と、クライメイトゲート事件以降の収拾策について語ることです。
誰かがそのように誘導できれば、より建設的な議論が期待できるんですけどね。このところ、良識
派ががんばってきたので、引き続き生温かく見守っていきましょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 33)
>7 日付読売新聞には「「温暖化」米で懐疑論
面に躍っています。
2010/ 3/ 9 1:48 [ No.3058 / 4820 ]
IPCC 失策続き
反対派攻勢」という記事が国際
きのうの朝にアップされました。
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20100307-OYT1T00271.htm
すでに多くのブログで取り上げられています。さすが販売部数世界一の大新聞だけはあって影響は
大きいですね。
もう先週号になりましたが、ニューズウイーク日本版が表紙で「温暖化論争のでたらめ」という刺
激的な見出しをつけ、欧米の状況を報じています。内容はこのブログ「地球人のつぶやき(新)」
が一番詳しい。
http://earthian.seesaa.net/article/142788861.html
この表紙には「ご都合主義とあら探しが地球の危機を加速させる」と温暖化懸念派と懐疑派の双方
に問題があるように書いていますが、末尾で次のように述べています。
先頃、ジョーンズは公開していない書類が行方不明になって
いることについて、「許されることではない」と英科学誌ネイ
チャーに語った。
これは世界で最も著名な科学者の 1 人が反省の姿勢を示した
歓迎すべき瞬間だ。うまくすれば、気候変動との戦いを好転
させるきっかけになるかもしれない。
これまで傲慢だったフィル・ジョーンズ氏が真実を語ったことを評価しています(その 25 参照)。
つまり、テニスボールは懸念派のコートにあり、どう打ち返すかは彼ら彼女らの判断にかかってい
るということです。懐疑派バスターズの増田氏の自己サイトや kikulog における発言を見ていると、
言い訳に汲々としており、次の 1 歩を踏み出す気配がありません。誠実に対応しているだけまだマ
シですが。
上記のブログではクライメイトゲート事件発覚以来、温暖化問題を懐疑的な立場から熱心に取り上
げています。例えばこの槌田裁判。
http://earthian.seesaa.net/article/141858363.html
いろいろブログウォッチしていると、「人為的温暖化がなくても CO2 削減に努め、化石燃料の節
約になればいい」と考えている人は少なくありません。以前にも書きましたが、それは「水にあり
がとうと言えばきれいな結晶ができる。だから言葉遣いは丁寧に」という態度と大同小異です。
米ニューヨークタイムズといえば、なかなかクライメイトゲートを取り上げない、いわゆるメーン
ストリームのマスメディア。同社から懸念派を擁護する本が出版されたようで、それを皮肉る論調
が現れています。
http://www.foxnews.com/opinion/2010/03/05/myron-ebell-climate-change-new-york-times-hansen/
クライメイトゲート事件の最新事情(その 34)
2010/ 3/12 0:57 [ No.3061 / 4820 ]
きのう NHK が超珍しく、IPCC 問題を報道しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/k10013121481000.html
世界の科学者で作る IPCC=国連気候変動に関する政府間
パネルが、さきに科学的な根拠が不十分な内容を発表した
問題で、国連のパン・ギムン事務総長は、再発防止策の検
討を別の科学者の組織に依頼しました。
この問題は、IPCC が 3 年前に発表した報告書の中で、「ヒマ
ラヤの氷河は 2035 年か、その前までに解けてなくなる可能
性が高い」と指摘したものの、あとになって十分な科学的
なデータに基づかない記述だったことがわかったものです。
これについて、国連のパン・ギムン事務総長は 10 日、ニュ
ーヨークの国連本部で IPCC のパチャウリ議長と会談したあ
と記者団に対し、再発防止策の検討を別の科学者の国際
的な組織に依頼したことを明らかにしたうえで、「先の報告
書では、わずかな誤りがあったが、気候変動の脅威が現実
であることに変わりはない」と述べて、温暖化対策の重要性
を強調しました。また、パチャウリ議長は「再発防止策の検
討は、IPCC による報告書の作成の過程をよくすることにつ
ながるだろう」と述べました。IPCC では、2014 年に発表する
次の報告書の作成作業をこの秋から本格化させることにし
ており、再発防止策は 8 月までに取りまとめられる予定です。
AFP 記事「温暖化報告書の誤りをめぐり、IPCC の調査を依頼国連」。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2708245/5475626
その IPCC のプレスリリース。
http://www.ipcc.ch/pdf/press/pr-1003210-UN.pdf
バスターズ・増田氏の反応。
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100311
9 日の産経新聞「気候変動パネル 信頼回復が急務」
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100309/env1003092049002-n1.htm
ともかくも結論が出る夏までは、IPCC の知見をベースにした議論はやりにくくなるでしょうね。
8 日の ECO マネジメント。東大・山口光恒氏の「相次ぐ政治家・メディアの誤認
けた IPCC の課題」
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/71/index.shtml
信頼回復に向
No.1999 でも取り上げたように、山口氏は IPCC の報告書作成に関与しています。「政治家の発言
やマスコミの論調を見ていると、目指すべき目標や対策の程度を、あたかも IPCC(科学)が示唆
しているかのごとき誤解が多々ある」と苦情を述べる一方で、「パチャウリ議長が個人的意見かど
うかを明らかにしないままで、世界はどのようにすべきだとの「勧告」をしている」とも批判して
います。
同じサイトの日本経団連・澤昭裕氏「地球温暖化対策基本法案に望む 政策の決定過程をオープン
に」
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/sawa/12/index.shtml
経団連だけあって、性急な政策決定に対して慎重な姿勢を打ち出しています。
そうした中、きのう政府が科学的な根拠に乏しい温室効果ガス 25%削減にこだわった地球温暖化
対策基本法案の内容を決めました。
http://www.asahi.com/politics/update/0311/TKY201003110507.html
「影響、十分開示を」 温暖化法案で経団連会長が負担増に苦言
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100312/env1003120001000-n1.htm
クライメイトゲート事件の最新事情(その 35)
2010/ 3/15 0:35 [ No.3063 / 4820 ]
金曜日に閣議決定した地球温暖化対策基本法案を受けての大手紙各社の社説です。
読売
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100312-OYT1T01288.htm?from=any
朝日
http://www.asahi.com/paper/editorial20100313.html?ref=any#Edit2
毎日
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20100313ddm005070007000c.html
日経
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20100312ASDK1200912032010.html
産経
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100313/env1003130330000-n1.htm
論調はそれぞれですが、どこも 25%削減の根拠を問おうとしないのは奇異です。とくに読売はこ
のところ懐疑論を展開していたのに、首尾一貫していません。
きのうの朝日社説は「捕鯨問題は海洋資源の活用と保護を目標に、科学的な論拠に基づいて論じら
れなければならない。文化や価値観が対立点になれば議論は迷走する」と主張しています。
http://www.asahi.com/paper/editorial20100314.html#Edit2
地球温暖化は科学的な根拠があいまいなのに、「25%削減」を不動の前提のように語るから議論が
迷走しています。クライメイトゲート事件はその真相をさぐる絶好の機会です。
しかし、国連は不明朗な姿勢。早くも第三者委員会は出来レースと指摘されています。
http://blogs.telegraph.co.uk/news/geraldwarner/100029630/climategate-the-ipccs-whitewashreview-is-the-agw-camps-biggest-mistake-yet/
英国で気候変動の危機を訴える大げさな CM を禁止。日本は政府が率先してやっているのとは大違
い。
http://www.timesonline.co.uk/tol/news/environment/article7061162.ece
さらに英物理学会はクライメイトゲート事件で温暖化懸念派をただす覚書。
http://www.publications.parliament.uk/pa/cm200910/cmselect/cmsctech/memo/climatedata/uc3902.
htm
米国での世論調査結果。懸念派が減っています。
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100312/amr1003120846003-n1.htm
「地球温暖化懐疑論批判」で槌田氏と共闘する近藤氏の同志にあたる方が主宰する掲示板。そこで
近藤氏が kikulog 批判をしていました。
http://otd12.jbbs.livedoor.jp/323440/bbs_plain?base=1657&range=1
■ここでの議論が意外なところで引用されていて、笑ってし
まいました。阪大の菊池さんという方の運営する『kikulog』
という疑似科学を議論するブログということのようですが、私
にはむしろこのブログが疑似科学のようにも思えますが・・・
(笑)。
ま、その通りなんですが。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 36)
2010/ 3/24 2:34 [ No.3066 / 4820 ]
少し間があきましたが、関連する話題は尽きません。
★15 日
外務副大臣の福山氏が、文芸春秋とルポライターの横田氏を名誉棄損で提訴していたことが明らか
に。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100315/trl1003152332018-n1.htm
http://mainichi.jp/select/today/news/20100316k0000m040031000c.html?link_id=RTH04
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20100315-OYT1T01088.htm
http://www.asahi.com/national/update/0315/TKY201003150331.html
環境省の官僚が、性急な地球温暖化対策を進める福山副大臣の取り巻きについて危機感を持ってい
る、と書いたのが気に入らなかったようです。でもそんなことが名誉棄損に該当するのか疑問です。
横田氏のブログ
http://www.the-journal.jp/contents/yokota/2010/02/post_9.html#more
http://blog.livedoor.jp/yumikoyokota/archives/52452054.html
コメント欄を読むと、官僚べったりの姿勢への批判も目立ちます。このルポは 1 月 10 日発売の文
芸春秋 2 月号に掲載されたものですが、クライメイトゲート事件にはまったく言及していません。
現政権に不満を持つ官僚の代弁というレベルにとどまっているのが残念です。
ちなみに、今出ている科学雑誌「ニュートン」は CO2 を特集していますが、これまたクライメイ
トゲート事件には一言も触れず、CO2 の増加が温暖化を招くという単純なスタンスです。偏った
情報を提供しているメディアには注意する必要があります。
★16 日
熱帯雨林と北極グマの危機説の根拠が崩壊(英文)
http://blogs.telegraph.co.uk/news/geraldwarner/100030204/climategate-two-more-bricks-fall-out-ofthe-ipcc-wall-of-deceit-rainforests-and-polar-bears/
★18 日
気象学会を訴えていた槌田氏が敗訴&上告へ。
http://song-deborah.com/case1/
ハンガリー政府が排出枠を2度売りか?(英文)
http://www.guardian.co.uk/environment/2010/mar/17/carbon-traders-recycled-credits
★19 日
環境基本法案に疑問続々 CO2 25%削減は妥当なのか
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100319/env1003192247008-n1.htm
2ch で投稿が集中しています。
環境省が IPCC 報告書作成支援調査委託業務の一般競争入札を公示
http://www.env.go.jp/kanbo/chotatsu/nyusatsu2/100319a.html
何をするのか興味津津。
★23 日
環境省、温室効果ガス削減を国内だけで達成するには最大 100 兆円の追加投資額が必要になるとの
試算。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100323/mca1003231238010-n1.htm
温暖化の科学的根拠があいまいなのに、なぜ巨額の出費が必要なのか…。
そして kikulog。最新の情報には関心を持たず、用語に関する重箱の隅突きとか。柘植氏の無意味
なたとえ話とか、投稿者の情弱は深刻ですね。「地球温暖化懐疑論批判」がどういう経緯で作成さ
れたのか、せっかく著者の 1 人がいるのに相変わらず誰も聞こうとしません。
同書を読めば分かることですが、個別の議論で文責を明らかにしているのは東北大・明日香氏だけ
です。共同執筆なのだから、分担を示して批判に責任を持つのが当然なのに、それをしていません。
信用できない文書です。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 37)
2010/ 3/27 3:09 [ No.3073 / 4820 ]
最新ではないのですが、人為的な地球温暖化説の信奉者について。彼ら彼女らの中には、クライメ
イトゲート事件がなかったかのようにふるまう困った人たちがいます。自分たちが行っているのは
正義で、懐疑論は悪という単純な二分論にとらわれているようです。
★アル・ゴア元副大統領の「不都合な真実」の翻訳で知られる枝廣氏。もちろんベタな温暖化説の
信奉者です。去年 12 月の段階で、事件には着目しましたが、
「クライメートゲート事件?」
http://daily-ondanka.com/edahiro/2009/20091201_2.html
その後のリアル「不都合な真実」は見て見ぬふりです。
温暖化懐疑論者との闘い~「地球温暖化懐疑論批判」
http://daily-ondanka.com/edahiro/2010/20100312_1.html
日本にも温暖化懐疑論がありますね。そういう人や意見に
出会って、苦労したこと、ありませんか?(私はときどきあ
ります)そんなときに、「いろいろな懐疑論に、きちんと対応
し、批判し、説明してくれる科学者がいてくれたらなあ!」
と思いますよね。
と述べて、問題の多い「地球温暖化懐疑論批判」を拠り所として持ち出しています。さらに、
「事実」と「意見」を区別すること。
これが(何であっても)懐疑論に対する時の基本だなぁ、と
思います。
と言いながら、IPCC が国際社会の信用を失って第三者機関によるチェックを受けるはめになった
ことは一言も触れていません。事実を見なくては意見も偏るという典型例です。
★こちらは先に挙げたピント外れの懐疑派叩きのブログ。
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100323
ここ数年、温暖化について、CO2 削減について語るのが、
格好悪い時代になってきていると思います。なんの工夫も
なくこれらのことについて語ると、すでに正論として手垢
が付いてしまっているだけに、語る人は"うざったいと思わ
れて嫌われがちな正論の皆さん"のひとりになってしまう。
まあ、個人的には、地球温暖化、そして CO2 削減が「正論」
の位置を確保したこと自体がすばらしいと思っています。
それは、これまで努力してきた人たちが築き上げた成果だ
と認識しています。
一方で、これからは、正論を語る「格好悪さ」を自覚して語
る必要があるのだろうなと、onkimo は考えています。
いえ、善男善女に語りかける場合にはそんな必要はないわ
けです。そして、マスメディアは基本的には善男善女が対
象のメディア。新聞やテレビなどを通して意見を述べる場
合には、格好悪さを強く意識する必要はないでしょう。
ただ、私のように、ブログの中で発言したりする際には、
そんなことを思うわけです。ブログ記事を読むのは、善男
善女ではない人の割合が高いですからね。
あ、私は善男善女ですが。
いまだ仮説の域を出ない人為的温暖化を「正論」とあがめ、それを信奉する自分を善男善女とみな
すのですから、これは科学ではなく宗教の領域の話です。このブログでもクライメイトゲート事件
はほとんど無視。必死になって自己弁護に励んでいます。
★そして kikulog における産総研・柘植氏のトンデモ発言。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1256740025#CID1269389163
本件に関しては「誤査読」すら無かったように見ています
が、査読制度の中で執筆者と査読者の考え方がどうにも合
わない結果として掲載されないという事は起こりえます。
ただ、それと、「査読制度の悪用」とは分けて考える必要
があると思っています。
本件とは、クライメイトゲート事件をはじめとする IPCC 関連の不祥事のこと。もちろん、誤査読
から査読制度の悪用までおかしなことがたくさん起こり、外国メディアではさんざん報道されてい
ます。柘植氏はいつものように事実確認をせずにいい加減な書き飛ばしをしているのですが、それ
を追及する投稿者はいません。kikulog ではそういうことが日常起こっています。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 38)
2010/ 4/ 2 0:49 [ No.3082 / 4820 ]
事件発覚から 4 カ月が過ぎましたが、クライメイトゲート関連の話題はまだまだあります。面倒な
んで順不同。
英国議会の調査で、イーストアングリア大におけるデータの捏造などの嫌疑はほとんど晴れたと報
告。
http://www.cbsnews.com/stories/2010/03/30/tech/main6347584.shtml?tag=stack
その原本。
http://wattsupwiththat.files.wordpress.com/2010/03/hc-387-i-uea-final-embargoed-v2.pdf
ただし、調査委員たちは人為的温暖化の支持者ばかりという指摘。
http://www.telegraph.co.uk/comment/7530961/Can-we-trust-the-Climategate-inquiry.html
ナショナルジオグラフィックが「地球温暖化で人間が攻撃的になる?」という研究を紹介。
http://skepticskan.blog11.fc2.com/blog-entry-510.html
猛暑でイライラすることはあっても、熱帯地方の人々はおおむねのんびりしていますから、この研
究は根本からおかしいと思います。
「ファクタ」が IPCC のパチャウリ議長の銭ゲバぶりを告発。
http://facta.co.jp/article/201004045.html
本文はこちらで読めちゃいます。
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2010/03/25/4970408
「アマゾンゲート」で研究者が不服申し立て。
http://www.guardian.co.uk/environment/2010/mar/24/sunday-times-ipcc-amazon-rainforest
大英博物館が温暖化の展示を撤去だとか。
http://mutohakara.blog87.fc2.com/blog-entry-144.html
クライメイトゲートより悪質な NASA データとか。
http://www.foxnews.com/scitech/2010/03/30/nasa-data-worse-than-climategate-data/
ウェッジ 4 月号で「拠りどころを失った温暖化対策法案」を特集。横浜国大・伊藤氏が「IPCC 崩
壊 それでも 25%削減掲げ続けるのか」、赤祖父先生が「CO2 起因論はなぜ正説らしくなったの
か」と解説しています。増田氏がさっそく反論を試みています。
http://blog.livedoor.jp/climatescientists/archives/1141999.html
さらにエコノミスト臨時増刊「CO2 削減経済ショック」では、論争「温暖化 CO2 犯人説は本当か」
と、よりインパクトがありそうな表紙見出し。中身は以下の通り。
1.論争① 「温暖化 CO2 犯人説」を唱える IPCC への信頼がゆらいでいる…伊藤氏
2.論争② 「温暖化 CO2 犯人説」を疑う人たちへの反論…国立環境研・江守氏
3.論調 地球温暖化問題 海外では、どう語られているか…小田切尚登
4.知の最前線 未知が多い気候変動と経済モデルへの新たな挑戦…室田泰弘
おおざっぱにいえば、伊藤氏は着色エアロゾルなどがもたらす北極域の気温上昇やヒマラヤ氷河の
融解への影響をあげて CO2 説を疑問視しているのに対して、江守氏はシミュレーション結果をも
とに自然要因だけでは 20 世紀後半の気温上昇は説明できないという応酬です。
エアロゾルの地球環境への影響はなかなか興味深く、「エアロゾル気候影響評価の現状と今後の展
開」によると、
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jar/24/4/237/_pdf/-char/ja/
エアロゾルの気候への影響評価の不確実性は大きく、研究の余地がたくさんあるということです。
研究が不十分なのに、なぜシミュレーションで確からしいことが言えるのでしょうか。まさに科学
的根拠がありそうにアピールして実態はお寒いというニセ科学っぽい雰囲気があります。
で、例によってダメな議論の典型例である kikulog。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1256740025#CID1270118812
>e10go ? December 9, 2009 @16:01:23
補遺
また 2000 字オーバーしてた…
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
で、例によってダメな議論の典型例である kikulog。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1256740025#CID1270118812
>e10go ? December 9, 2009 @16:01:23
>この温暖化捏造陰謀論騒ぎは、ただの空騒ぎ(バカ騒ぎ)
で終わるでしょう。
やっぱり、空騒ぎ(バカ騒ぎ)で終わるでしょうね。
IPCC への信頼が決定的に失われつつあるという実態を見ずに、先入観に基づく暴論にしがみつい
て自己を正当化しようとする態度は、いつものことですが嗤えます。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 39)
2010/ 4/ 8 23:52 [ No.3092 / 4820 ]
No.3061 で取り上げた山口光恒氏の辛口評論「科学と IPCC」の続編。
[中編]「2 つの事件の背景を検証 第 5 次に向け早急な信頼回復を」
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/72/index.shtml
[後編]「高まる政治利用のリスク 過去の失敗から学ぶべきこと」
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/73/index.shtml
IPCC の方向性がおかしくなっていったことを冷静に描いています。民主党とか環境省とか、事業
仕分けを免れそうな国立環境研究所とかは、こういう見解には耳を傾けないんでしょうね。
米ウォール・ストリート・ジャーナル「日本の低炭素政策はまるでハラキリ」
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304561304575153193859046862.html?mod=WSJ
_latestheadlines
全文は読めないので、翻訳してくれたブログが参考になります。
http://blog.livedoor.jp/takami_neko_shu0515/archives/65256514.html
ニューヨークタイムズ「気象予報者たちの間で広がる温暖化への疑問」
http://www.nytimes.com/2010/03/30/science/earth/30warming.html?bl
翻訳してくれた人がいます。
http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/25e24597061a4d7aa2459f28fc8b0299
http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/30ff138850280b2533cef13435a2c3ab
発売中の週刊ダイヤモンドに、アラスカ大・赤祖父先生がいつものトーンの寄稿「IPCC の報告書
にデータ操作あり 政治で歪められた地球温暖化説」。さらに、今日発売の週刊新潮に『「地球温
暖化」を眉つばにした「世界的権威」のデータ捏造!? ――根拠が消えた「CO2 原因説」と巨万の
「CO2 ビジネス」』が掲載されています。告発しているのは赤祖父先生、東大・渡辺氏、横浜国
立大・伊藤氏といつものメンツ。4 ページにわたる記事に新たな視点はありませんが、週刊誌が
IPCC 疑惑を取り上げたのはたぶんこれが初めて。
バスターズで孤軍奮闘の増田氏が珍論。『地球環境問題を「地球温暖化問題」のわくにはめるべき
ではない』
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100403
地球温暖化問題は地球環境問題のパーツなので、問題意識が逆さま。自論を守るために問題の枠組
みを捻じ曲げようという涙ぐましい努力です。ちなみに、上記で取り上げているウォレス氏といえ
ば、北極振動の提唱者。北極振動は温室効果ガスとは関係ない 20 世紀後半の温暖化の有力な要因
と考えられています。
氏の論説「気候変化を越えて:環境問題についての対話の枠組みを考えなおす」
http://macroscope.world.coocan.jp/ja/trans/wallace/reframe_env_issues_ja.html
氏は昨年末の COP15 の失敗について「もし、エネルギー政策の正当性が、減りつつある世界の石
油資源を節約し、石油価格を安定させ、エネルギーに関する独立を促進するという枠組みで示され
たならば、もっとよい交渉ができたかもしれない」と、人為的地球温暖化論のニセ科学性を示唆し
ています。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 40)
2010/ 4/11 0:42 [ No.3098 / 4820 ]
日本物理学会 4 月号の「話題」コーナーに、「温暖化懐疑論・否定論」をめぐる槌田氏と産総研・阿
部氏の主張が掲載されています。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jps/jps/butsuri2/butsuri2010.html#65-4
「温暖化懐疑論・否定論」を論争は 2007 年に起きましたが、その後凍結されていました。両者の主
張と今回掲載に至った事情は、「環境問題を考える」で以下のように pdf 化されて読むことができ
ます(学会の許諾は得ているの?)。
阿部氏の「地球温暖化の科学-遅れて来た懐疑論の虚妄と罪」
http://env01.cool.ne.jp/global_warming/report/buturigakkai/abe201004.pdf
槌田氏の「原因は気温高,CO2 濃度増は結果」
http://env01.cool.ne.jp/global_warming/report/buturigakkai/tutida201004.pdf
槌田氏の主張の細かいところはよくわかりませんが、大筋はこれまでにあちこちで見たものです。
しかし、阿部氏の主張はタイトルが示すように刺激的。露骨な文章で槌田氏を個人攻撃しています。
こんな品格を欠いた文章が学会誌に掲載されるとは驚きです。しかもその内容には、素人がみても
首をかしげたくなる部分が散見されます。例えば以下の 3 点。
(1)化石燃料に依存した現代文明の繁栄が地球の炭素循
環を変化させ、気候システムにまで影響を与えつつあること
が確実になってきた。
この 10 年間程度の地球の気温は、横ばいか低めに推移しています。CO2 をはじめとする温室効果
ガスの人為的な排出はどんどん増えているのに、それを反映していません。だから、「影響を与え
つつあることが確実になってきた」とは言えません。
(2)20 世紀後半以降の温暖化は説明することができず、
CO2 やエアロゾルなどの人為的影響を入れたシミュレーシ
ョンによってはじめてよく再現できる。
この 10 年間程度の地球の気温は、CO2 増加のシミュレーションでうまく再現できていません。と
くに北極周辺。No.3082 で紹介したように、エアロゾル研究の専門家が気候への影響で不確実性を
述べているのですから、シミュレーションはいまだ開発途上というべきでしょう。
(3)過去数百万年に限れば、10 万年程度の周期で氷期が起
こり、10 度くらい平均気温が上下しているが、その間でも CO2
濃度は 200-300ppm の範観に収まっているのである。
この記述はなかなか面白く、過去の気温が大きく上下しても CO2 濃度とはあまり変わっていない
と説明しています。つまり、気温の上下と CO2 濃度の変化は無関係と言いたいのでしょうか?
阿部氏は、クライメイトゲート事件を皮切りに次々と暴露された IPCC 報告書の問題点にまったく
触れていません。IPCC が無謬であってこれに物申すとはとんでもない、という言説は時代錯誤で
す。
これら「通俗的懐疑論者」の中でも特に「科学者」の肩書きを
使い「科学」の装いを凝らした主張を展開している者たちは、
一般の人々の科学者への信頼と敬意を悪用しているだけ
に、むしろ罪は重いと言わねばならない。
科学の装いを凝らして、ヒマラヤ氷河がすぐにも消失するような虚構の主張をしたのは IPCC 報告
書です。これはすなわち、ニセ科学的なやり口といえます。非常に罪が重いことをしたのは、阿部
氏のお仲間の「温暖化脅威論者」。今や世界的に注目されているのは、「懐疑論の虚妄」ではなく
「脅威論の虚妄」です。
さて、kikulog の「地球温暖化懐疑論批判」(2)
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042
「地球温暖化懐疑論批判」のパート 1 では、槌田氏の論文が日本気象学会から掲載拒否の目に遭っ
たことについて、掲載拒否は当然というコメントが相次ぎました。日本物理学会の対応と阿部氏の
言説をどう評価するか見ものです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 41)
2010/ 4/12 2:07 [ No.3100 / 4820 ]
安井先生が市民のための環境学ガイドで「IPCC の権威失墜(?)と日本辺境論」という新しい記
事をアップしています。
http://www.yasuienv.net/GWHenkyoRon.htm
どうでもいいことですが、去年 11 月の記事も NEW と表示されているのはどうかと思います。
http://www.yasuienv.net/index.html
閑話休題。安井先生は No.2190 などで示したように、人為的温暖化論者です。クライメイトゲー
ト事件の影響を最小限に食い止めたがっていることは、明らかです。しかし、新しい記事には首を
かしげる主張がいくつかあります。
CO2 の排出量が現時点のように急激に増大していることは
認めるのか。そして、CO2 が温室効果をもった気体であるこ
とは認めるのか。もしも両方とも Yes であるのなら、今後、地
球の平均温度は上昇すると仮定することは、極めて正当な
仮定だとは言えるが、そう思わないのか。
CO2 の増加と温度上昇はそれほど自明なことではないので、この詰問には説得力がありません。
他の対策として、ススと SOx 対策が必要であると述べている。
これ自身は正しい。ススも SOx も健康被害が明らかに存在す
る。しかも、ススによって、日照が阻害され、作物への影響
が出ることもある。
ススの悪影響は日照障害ではなく、極地や高山で雪氷の融解を加速する作用が懸念されています。
北極圏を再現できていないことは、まだモデルが完全では
ないことを示している。しかし、もっと重要なことがある。地
球全体の平均気温が再現できているということを事実とし
て認めるかどうか、である。
地球全体の 20 世紀の気温がシミュレーションで再現できているのは、観測結果と合致するように
パラメーターがチューニングされているからであって、当然のことです。そうやって辻褄を合わせ
たはずなのに、極地ではシミュレーションがはずれているし、21 世紀初頭の気温も再現できてい
るとは言い難いです。
地球のどの部分がどのように温度が上昇するか。それは、
もっと地球の気候メカニズムに対する理解が進む必要があ
ることは事実である。赤祖父氏は、地球全体を見ないで、
自らの専門分野である北極だけを見て、そこが合致しない
からということで、全体的な傾向を無視している。これは非
論理的な態度である。
宇宙への熱の放射で、北極は非常に大きな役割をしているので、そこのシミュレーションがはずれ
るようでは、全体的な傾向の説明もあやしいものです。
安井先生は、赤祖父先生と伊藤氏の主張を辺境論とみなしていますが、残念ながら、先生の主張こ
そが気候科学の実態に合わない偏狭論に陥っているようにみえます。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 42)
2010/ 4/14 23:53 [ No.3108 / 4820 ]
今晩 7 時半からの NHK クローズアップ現代。JAXA の温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」を紹
介していました。画面ではずっと「温暖化監視衛星」のテロップ。「いぶき」は CO2 とメタンの
濃度を測定するのが目的です。
http://www.jaxa.jp/pr/brochure/pdf/04/sat02.pdf
温度測定は関係ないのに、なぜ「温暖化監視」? クライメイトゲート事件に向き合わず、惰性の
ごとく温暖化温暖化と視聴者に強迫観念を植え付ける NHK の偏向に改めてがっかりしました。
ちなみに、「いぶき」のデータは国立環境研究所に登録すれば誰でも取得できます。十分時間をか
ければ、温室効果ガス濃度と温暖化との関係を素人でも確かめられるかもしれません。
全国農業改良普及支援協会の農業温暖化ネット
https://www.ondanka-net.jp/index.php
温暖化の弊害とその対策だけを取り上げる稀有なサイト。もちろん、クライメイトゲート事件とか
IPCC の不始末とかは金輪際触れていません。何もなかったことにして、温暖化狂想曲に猛進して
います。ニセ科学批判にかかわる松永氏はコラムを書いていますが、音無しの構え。こういうバラ
ンスの悪さは困ります。
さて、kikulog。「地球温暖化懐疑論批判(2)」は、常連がリテラシー不足をさらけ出しています。
No.3098 で取り上げた日本物理学会での槌田 vs 阿部論争について、「おそらく以下の議論の繰り
返しなので、議論をみても仕方がないと思います」「気象学会の論文誌から採用不可とされた件に
ついては、既に元記事コメント欄で議論されています」などと、いつものことながら資料を見ずに
根拠のない決め付けをしています。
「阿部さんの方は表現がかなり辛辣になっている感じがします」と懐疑論叩きの異常性を指摘する
コメントがようやく出てきました。これについて今後、どんな反応があるかが見ものです。
なんにせよ、槌田氏の裁判で「地球温暖化懐疑論批判」の悪しき影響の証拠に kikulog が挙げられ
ているという自覚が、投稿者たちには感じられません。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 43)
2010/ 4/15 1:43 [ No.3109 / 4820 ]
2 カ月前の No.3007 で、東大・渡辺正氏が化学界で著名な雑誌『化学』(化学同人)3 月号に
「Climategate 事件 -地球温暖化説の捏造疑惑」を寄稿したことを取り上げました。その電子ブ
ックがこれ。
http://www.kagakudojin.co.jp/kagaku/tachiyomi/c6503/c6503-34watanabe/index.html
そして、17 日発売の同誌 5 月号に、渡辺氏は「続・Climategate 事件── 崩れゆく IPCC の温暖化
神話」を寄稿。なんと、もう電子ブックが読めます。
http://www.kagakudojin.co.jp/kagaku/web-kagaku02/c6505/c6505-66watanabe/index.html
内容はというと、米国での気温データの操作など、ここでこれまでに記した資料を整理してまとめ
たもの、と大差ありません。あるいは中部大・武田氏の日記「ウソが続くIPCC」がひな形にな
ります。
http://takedanet.com/2010/02/post_3aee.html
ちなみに、武田氏は 11 日に渡辺氏の寄稿予告をしていました。
http://takedanet.com/2010/04/post_44e8.html
『化学』がクライメイトゲート事件を正面切って掘り下げ、また「地球温暖化懐疑論批判」の攻撃
対象になっている渡辺氏の言説を 2 回も掲載するということは、1雑誌の傾向にとどまらず、化学
界のある種の意志を感じます。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 44)
2010/ 4/16 0:19 [ No.3115 / 4820 ]
日本学術会議が 30 日、公開シンポジウム「IPCC 問題の検証と今後の科学の課題」を開催します。
http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf/94-s-3-1.pdf
*****************************************************************
開催趣旨:IPCC(気候変動に関する政府間パネル)をめぐる問題(Climate-gate, IPCC-gates)に
ついて、科学的観点から事実関係を明らかにし、その情報と認識を共有すること、そして、今後こ
のような問題が生じないための IPCC の科学的作業の在り方、社会と政策への情報提供の倫理性、
科学者の行動規範などについて討議する。
開会の辞 13:00~13:05
岩澤 康裕 (日本学術会議第三部 部長)
挨拶 13:05~13:15
金澤 一郎 (日本学術会議会長)
「IPCC の意義と課題」 13:15~13:40
中島 映至 (東京大学 大気海洋研究所 教授)
「氷河問題と IPCC 今日の課題」 13:40~14:05
西岡 秀三 (国立環境研究所 特別客員研究員)
「科学問題としての温暖化をめぐる視点」 14:05~14:30
草野 完也 (名古屋大学 太陽地球環境研究所 教授)
「IPCC と科学論的視点」 14:30~14:55
米本 昌平 (東京大学先端科学研究センター 特任教授)
休憩 14:55~15:10
パネルディスカッション 15:10~16:55
「IPCC 問題が問いかけるもの:科学的作業、情報・倫理、科学者の行動規範」
(司会:日本学術会議第三部 部長 電気通信大学 教授 岩澤 康裕)
パネリスト(順不同)
中島 映至 (東京大学 大気海洋研究所 教授、第三部会員)
江守 正多 (国立環境研究所 温暖化リスク評価研究室長)
草野 完也 (名古屋大学 太陽地球環境研究所 教授)
安成 哲三 (名古屋大学 地球水循環研究センター 教授、
第三部会員)
伊藤 公紀 (横浜国立大学 大学院工学研究院 教授)
米本 昌平 (東京大学先端科学研究センター 特任教授)
横山 広美 (東京大学 大学院理学系研究科 准教授)
閉会の辞 16:55~17:00
大垣 眞一郎 (日本学術会議副会長)
*****************************************************************
平板な予定調和で終わるのか、大どんでんが待っているのか。平日の昼間ですが GW 中でもあり、
アカデミズムがクライメイトゲート事件にどう向き合うかを見極めるために、多くの聴衆が集まり
そうです。
温暖化懐疑論バスターズの増田氏は、東大・渡辺氏の『化学』の時評に対して、さっそく反論を試
みています。
『いわゆる Climategate (クライメートゲート)と IPCC への批判、渡辺正氏の「時評」続編につい
て』
http://blog.livedoor.jp/climatescientists/archives/1153115.html
昨年 11 月以来の英米の温暖化に関する言論が異常なので
す。温暖化懐疑論のキャッチフレーズを作るのがうまい人が
いて、多くのウェブサイトやマスメディアや国会議員までが乗
せられてしまいました。宣伝戦となると勝てる科学者はなか
なかいません。
自分たちが国の研究費を使って懐疑論批判の宣伝用冊子をつくったことを棚に上げて、「英米の温
暖化に関する言論が異常」とは見上げた態度です。
日本物理学会誌上で槌田氏に罵声を浴びせた阿部氏。本職は産総研ナノテクノロジー研究部門副研
究部門長です。
http://staff.aist.go.jp/s.abe/index_j.html
ナノテクという畑違いの専門家が、なぜ感情的な温暖化懐疑論叩きに走るのか、さっぱり理解でき
ません。ニセ科学批判で、ただ大学の教授や准教授であるというだけで、マイナスイオンなど専門
外の事柄に口を出しては的外れな決め付けをする不健全さに通じるところがあります。
30 日のシンポジウムは、クライメイトゲート事件の本質とか深層とかにどこまで迫れるでしょう
か。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 45)
2010/ 4/24 23:36 [ No.3136 / 4820 ]
★昨年末の COP15 あたりではクライメイトゲート事件を無視し、今頃になって自分が見い出した
重要問題であるかのように語り出すお気楽な“論客”が続々と現れています。風見鶏のような物言い
をするこういう手合いは要注意です。
町田徹:鳩山首相は日本だけを滅ぼす亡国の温暖化法成立をなぜ急ぐのか
http://diamond.jp/articles/-/7978
伊藤洋一:クライメートゲート事件が示唆するもの
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/itou/69/index.shtml
澤昭裕:クライメイトゲートから何を学ぶか 独シュピーゲル誌の調査報道を読む
http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/sawa/13/index.shtml
★早くから事件に着目しながら、いまだに IPCC を擁護したがる人もいます。
クライメートゲート事件:IPCC は間違っているか?
http://blog.scienceweb.jp/?eid=93478
タイトルの付け方 Part 3
http://blog.goo.ne.jp/globalsciencejournalist/e/0ff279c5a9b4d728a600d01fe8c1c168
★おまけ
温暖化を語るのが格好悪い
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100410
格好がいいとか悪いとか、その程度の動機で温暖化問題を語るとは奇特です。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 46)
2010/ 4/29 15:49 [ No.3160 / 4820 ]
GW に入りました。クライメイトゲート事件の発覚から 5 カ月がたちましたが、まだまだ取り上げ
るネタに困りません。
「EXCLUSIVE: Citizen’s Group Plans Extensive Audit of U.N. Climate Report」
http://www.foxnews.com/scitech/2010/04/28/climate-change-ipcc-noconsensus/?test=latestnews
温暖化懐疑派が IPCC 報告書を改めて監査し、その内容を誰でも見られるオンラインデータベース
を構築しようとしている話。EXCLUSIVE(特ダネ)というほどの内容ではありません。
「Energy Update」
http://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/current_events/environment_energy/ener
gy_update
先週公表されたラスムッセンの世論調査。人為的温暖化説に賛同する米国人は 33%。自然の温暖
化説が 48%。2 年前とほぼさかさまの傾向です。
野口健氏の公式ブログから「ツラギ氷河湖へ」
http://blog.livedoor.jp/fuji8776/archives/51465988.html
断片的な情報だけでなく、こってりとした読み物もどうぞ。
★手のひら返しの澤氏ですが、シュピーゲル誌の長文記事の全文翻訳は助かります。クライメイト
ゲート事件のほぼ全貌を記録しています。
「地球温暖化研究を襲った超大型暴風雨」
http://www.21ppi.org/pdf/sawa/100427.pdf
★クライメイトゲート事件の渦中にあるジョーンズ教授が BBC のインタビューに答えた全文の翻
訳。
「ジョーンズ教授は何と言ったか?」
http://ondankaetc.blog28.fc2.com/blog-entry-3.html
その 1 からその 5 まであります。
★横国大・伊藤氏のウェッジの記事が全文読めるようになっています。
「拠りどころを失った温暖化対策法案」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/843?page=1
★よく洞察されているブログです。
「温暖化否定説の台頭と反省―環境問題解決への現実的な道筋とは」
http://seikei344.blog34.fc2.com/blog-entry-282.html
★珍しく国会でのやり取り。
「本日のつぶやき@衆議院環境委員会」
http://entre.exblog.jp/10504715
クライメイトゲート事件の最新事情(その 47)
2010/ 5/ 1 1:50 [ No.3161 / 4820 ]
★No.3136 で紹介した「遅れてきた論客」である伊藤氏が反省の意も込めて、人為的温暖化論の問
題を考察しています。
“制度化”された気候変動問題
それでも人類がすべきことを考えよ
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/itou/70/index.shtml
シュピーゲル誌の超長文記事(A4 で 21 ページ)の翻訳を手がけた前回の澤氏といい、従来から警
鐘を鳴らしてきた懐疑派とは別の立場の人間がクライメイトゲート事件に向き合うようになったの
は、ひとつの進歩と言えるでしょうね。
★クライメイトゲート事件以前から、性急な温暖化対策を批判してきた山口氏の主張はさすがに的
確です。
良いとこ取りの環境大臣試案[後編]
25%削減は本当に可能か
冷静な議論を経た政策決定を
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/76/index.shtml
リンクをたどると中編、前編も読めます。
★メルボルン大学などの研究。
海氷の減少が北極域温暖化の主な原因、研究
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2722396/5685707
単にアルベドだけの話ではないと思えます。IPCC 説との関連も不明。
★海面上昇予測の現状
http://ptrboundary.at.webry.info/201004/article_2.html
いまどき、「IPCC シナリオ」を引き合いに出す研究者がいたのか、と新鮮な気持ちになれます。
★きのう、日本学術会議の公開シンポジウム「IPCC 問題の検証と今後の科学の課題」が開催され
ました。出席した知人によると、会場は大入り満員で、その中には阪大・菊池氏によく似た人がい
たそうです。「地球温暖化論はニセ科学ではないのか!」と声を荒げた聴衆もいたそうです。内容
のあらましは聞いていますが、今後他のブログなどの報告をもとに書くことにしましょう。
★その kikulog ですが、「地球温暖化懐疑論批判」(2) でシュピーゲルの超長文記事が紹介され、か
なり雰囲気が変わってきました。ファクトに基づく考察が重要であり、これまでの同エントリでの
議論が空疎であったことが、ようやく明らかになってきました。
そんななか、国際情勢を知らないのに「国際情勢そのものを憂える者」と超然として振る舞ってい
るのが産総研・柘植氏。ファクトに基づかない思い込みを「上から目線」でひけらかすのは見苦し
いです。そろそろ、はっきりと「お引き取り願いたい」と言ってのける投稿者が出てきそうです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 48)
2010/ 5/ 4 13:15 [ No.3171 / 4820 ]
学術会議での議論を受け、きょう読売新聞が2度目の社説。
地球温暖化 科学的な根拠の検証が急務だ(5 月 4 日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100503-OYT1T00811.htm
地球温暖化の科学的な信頼性が揺らぐ中、日本の科学者
を代表する日本学術会議が初めて、この問題を公開の場
で論議する会合を開いた。
だが、会合では、専門家がそれぞれ自説を述べるだけで
学術会議の見解は示されなかった。このまま終わらせては
ならない。
取り上げられたのは、「気候変動に関する政府間パネル」
(IPCC)が過去 4 回にわたってまとめてきた温暖化問題に
関する科学報告書だ。次々に、根拠の怪しい記述が見つ
かっている。
(中略)
国際的に多くの疑問が指摘されている以上、科学者集団と
して日本学術会議は、問題点を洗い直す検証作業が急務
だろう。
IPCC は 3~4 年後に新たな報告書をまとめる予定だ。学術
会議は、報告書の信頼性を向上させるためにも、検証結果
を積極的に提言していくべきだ。
(後略)
1 月の読売社説を再掲。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100111-OYT1T01061.htm
4 ヵ月前は、「温暖化の科学的論争の行方はどうであれ、各国が温室効果ガスの排出削減に努めて
いくべきであることに変わりはない」と科学的論争にはなぜか無関心でした。ようやくあるべき主
張のレベルに達したと言えます。
産経新聞は正論の武田論文の要約を紹介。IPCC を遂に「エセ科学」扱いしているようです。
【異論暴論】正論6月号 温暖化物語は「政治」が始まり
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100504/plc1005040800005-n1.htm
エセ科学に踊らされる 日本は「沈没」寸前
3 月 12 日、CO2 排出 25%削減を目標として盛り込んだ温暖化
対策基本法案が閣議決定された。中部大学の武田邦彦教
授はこれを「ばかげた政策のために 2020 年には国民の年収
は半減する」と警告する。
武田教授は(1)北極の氷は溶けていない(2)上空の気温はこ
こ 30 年間変化していない(3)IPCC(気候変動に関する政府間
パネル)がデータを偽装している-という 3 つの「真実」を示し
たうえで、「そもそも地球は温暖化していない」と結論づける。
たとえ温暖化したとしても、深刻な被害が出るのは米国や中
国などの大陸国で、四方を海に囲まれた日本はほとんど影
響を受けることがないという。
そもそも地球温暖化という物語は「科学」ではなく「政治」から
始まった。IPCC は特定の政治勢力と結託、「不都合な真実」
は伏せ、データの偽装もはばからずに警告を発し続けてき
た。こうしたエセ科学に振り回され、国益を顧みることなく友
愛精神だけで突っ走る鳩山政権は、日本の将来をもむしば
んでいるのである。(桑原聡)
人為的地球温暖化説はひょっとしたら、科学を装いながら実はそうではないニセ科学ではないの
か?という疑問をずっと持っていましたが、それがようやく表面化してきました。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 49)
2010/ 5/ 4 13:33 [ No.3172 / 4820 ]
★フリージャーナリストの岩上安身氏のツイッター。
http://twilog.org/iwakamiyasumi/date-100430/asc
先ほど、記者見習いの須藤君が、帰って来て今日の学術会
議の報告。それが、実にショッキング。まず、クライメート事
件について。ICPP(気候変動に関する政府間パネル)から、
漏洩した情報が、事実である、ということ。
今の今まで事件に不案内だった周回遅れのジャーナリスト氏が「さあ大変」と大騒ぎするのもげん
なりしますが、このツイートが引き金になって、ネット社会で情報が広がっています。それはよし
としましょう。
阪大・菊池氏が上のツイッターにちょこちょことフォローしています。氏はつぶやきにかまけてい
ますが、いつになったら kikulog の「地球温暖化懐疑論批判」のメンテをするのでしょうか?
★懐疑論バスターズ・JAMSTEC 増田氏のブログ。
IPCC に関する日本学術会議主催のシンポジウム(出席後の覚え書き)
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100502
知人によると、この覚書は非常に的確だということです。IPCC に間違いが生じるのは避けられな
いのならば、その IPCC 報告書をタテに国費で「地球温暖化懐疑論批判」という冊子をつくったの
はおかしいではないか、という指摘があってもおかしくなかったのですが、結局は不発。あと、会
場にいた槌田氏は自分の論文は配布しましたが、シンポの間はおとなしくしていたそうです。
★その他のブログ
日本学術会議が主催して
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100504/1272941007
自らの無定見な懐疑論叩きに、どう落とし前をつけるつもりか。
地球温暖化対策の政治的撤退
http://shokasen.blog122.fc2.com/blog-entry-20.html
米豪で排出権取引法案がとん挫しました。
自然と科学と欺瞞と政治
http://blog.livedoor.jp/cancheer/archives/393896.html
英エコノミスト誌記事の翻訳です。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 50)
2010/ 5/ 6 3:26 [ No.3175 / 4820 ]
★人為的な温暖化論に 3 万の科学者が反論
http://rockway.blog.shinobi.jp/Entry/375/
ネイチャー誌は、X 線、DNA の二重螺旋構造、量子の波動性、
パルサー、最近ではヒトゲノムなどを紹介してきた学術研究
ジャーナルであるが、この 6 月に大気中の二酸化炭素(CO2)
は地球温暖化に対して 5~10%ほどしか影響していない、と
いう論文を掲載する予定だ。
元記事
http://canadafreepress.com/index.php/article/22624
来月のネイチャー掲載内容がこんな形で漏れてくるとは考えにくいので、この記事を真に受けるこ
とはできませんが、「虐げられてきた」懐疑派がここぞとばかりに攻めに出ることは大いにありえ
ます。
★IPCC 報告書のレビュー
IAC のメンバーが決まりました。8 月末までにどんな結論を下すのか。その前に人選が妥当かどう
か議論になりそうです。日本からは真鍋淑郎氏。早くからコンピューターシミュレーションにより
地球温暖化説を唱えてきました。
InterAcademy Council Names IPCC Review Committee
http://reviewipcc.interacademycouncil.net/IACNamesIPCCReviewCommittee.html
Academies form IPCC review panel
http://views.washingtonpost.com/climate-change/postcarbon/2010/05/academies_form_ipcc_review_panel.html
IAC (InterAcademy Council)による IPCC のレビュー (人選)
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100505/1273042929
★冴えない脅威論者のブログ
IPCC の権威に傷つくと何か個人的に不都合があるか分かりませんが、IPCC べったりの人たちが
ぞろぞろ。これからますます肩身が狭い思いをすることになりそうです。
3 年前に IPCC を疑うとはけしからん、と息巻いていた物理の保守本流を歩んできた元研究者のブ
ログのエントリ『田中宇の「温暖化のエセ科学」論は?』
http://aquarian.cocolog-nifty.com/masaqua/2007/03/post_176a.html
最近はコメントが途絶えています。
最近の懐疑論の有様について
http://ondankaetc.blog28.fc2.com/blog-entry-9.html
最近、読売新聞が飛ばして
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100505/1273041480
読売新聞社説
http://ameblo.jp/mushimushi9/
同病相憐れむといった感がします。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 51)
2010/ 5/ 7 0:38 [ No.3176 / 4820 ]
★学術会議シンポを報告したブログ。運営方法を批判しており、読み応えがあります。2 以降にも
期待。確かに、基調講演がない雑然としたシンポだったようです。
シンポ「IPCC 問題の検証と今後の科学の課題」1
http://pub.ne.jp/1trinity7/?entry_id=2904443
★前回も取り上げた狂信者のブログ。欧米などの動きは目に入らない「これは駄目だろ」パターン
の典型です。
イタイ!懐疑論者(笑)に見られる「これは駄目だろ」パターン
http://ondankaetc.blog28.fc2.com/blog-entry-10.html
★このシリーズも回を重ねてイチローの背番号まで達しました。少し過去を振り返ってみます。
地球温暖化問題がなぜマイナスイオン掲示板にあるのでしょうか。ルーツは 2008 年 5 月の「疑似
科学入門」(No.1090)にあります。総合研究大学院大・池内了氏は本書でスピリチュアルなど精
神世界にかかわる疑似科学を第 1 種、マイナスイオンなど物質にかかわる疑似科学を第 2 種、地球
温暖化など複雑系にかかわる疑似科学を第 3 種と位置づけました。
温暖化が疑似科学とは斬新な視点であり、興味をもった私が関連書籍を読んで書いたのが、同年 7
月の「地球温暖化はホント?ウソ?」(No.1404)です。その後も IPCC が「very likely」とする人
為的な CO2 による温暖化説の科学的な知見は現れず、疑いは深まるばかりでした。
いわれなくマイナスイオンを敵視する不健全なニセ科学批判者は、なぜか権威をカサにきた人為的
温暖化説に理解を示す傾向があります。同年 11 月に菊池氏はこう語っています。
「CO2 主因説は仮に間違いだったとしても嘘ではない」とい
うのは、これが特定の個人の主張ではなくて、IPCC4 のよう
な多数の科学者が関与して書かれたレポートの主張だから
です。個人としては、嘘をついた人もいるかもしれないん
だけど、科学者集団が議論の結果として出したものなので、
間違いの可能性はあっても意図的な嘘の可能性は考えなく
ていい。(No.1999)
この姿勢が高じて 09 年 10 月に kikulog にできたのが、IPCC 報告書をよりどころとする「地球温
暖化懐疑論批判」のエントリ。折悪しく 11 月に意図的な隠ぺい工作がなされたクライメイトゲー
ト事件が発覚し、今年 1 月にヒマラヤ氷河の融解時期を意図的に早めたことが露見してからも、
IPCC 擁護論がえんえんと続きました。不健全なニセ科学批判は人為的温暖化説と親和性が高いよ
うです。
2009 年末の No.2928 で「来年もマイナスイオン関連、マイナスイオンを含むニセ科学の疑いがか
けられているテーマ全般、さらにニセ科学批判全般の 3 つを引き続き精力的にウォッチしていきま
す」と書きました。今後もクライメイトゲート事件はウォッチする価値があると考えます。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 52)
2010/ 5/ 9 2:25 [ No.3181 / 4820 ]
★「化学業界の話題」という、まさに化学業界ニュースのまとめサイトでは、クライメイトゲート
事件を早い段階からフォローしていました。
IPCC データの捏造疑惑(2009.12.2)
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/2009-12-1.htm#ipcc
Climategate 事件のその後(2009.12.7)
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/2009-12-1.htm#climategate
IPCC データの信憑性(2010.1.21)
http://kaznak.web.infoseek.co.jp/blog/2010-1-2.htm#ipcc
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)問題の検証(2010.5.8)New!
http://knak.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/ipcc-fcc3.html
★外国の動き
IPCC 説への反駁の抄訳「R.Spencer」。
http://c-miura0505.blog.so-net.ne.jp/2010-05-08
米国の科学者、R.Spencer は最近の論文で、地表温度と大
気層上層からの放射量観測値を用いて、気候モデルのフィ
ードバック機構を説明している。そこでの結論は、フィードバ
ックシステムは負というものであり、IPCC が言うところの『正
のフィードバックではない』と論じている。
欧米では真相解明をめぐる攻防が激化
http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1987697,00.html?xid=rss-topstories
http://canadafreepress.com/index.php/article/22882
豪州では気候変動人為論に懐疑的な国民が大多数
http://www.25today.com/news/2010/05/post_4481.php
★その他国内では…
疑惑、冷静に対処を=科学環境部・江口一
http://mainichi.jp/life/ecology/ecoeco/news/20100507ddm005070233000c.html
期待はずれだった。「クライメート(気候)ゲート事件」と呼ば
れる疑惑で、日本の科学者を代表する日本学術会議が4
月末に初めて取り上げた公開討論会のことだ。専門家は自
説を述べることに終始し、改善策について建設的な議論は
乏しかった。
以前から懐疑論に理解を示していたブログ
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-564.html
4 月 22 日、槌田氏が日本学術会議に対して、学術討論会・「人為的 CO2 温暖化説」対「温暖化自
然原因説」を開催することを申し入れました。
http://www.tokyodaigaku.info/scj
クライメイトゲート事件の最新事情(その 53)
2010/ 5/15 0:59 [ No.3186 / 4820 ]
きのう、与党が衆院委員会で地球温暖化対策基本法を強行採決
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100514/env1005142031003-n1.htm
2020 年までに温室効果ガス排出量を 1990 年比で 25%削減する目標を明記していますが、そうし
なければいけない科学的根拠はどこにもありません。
★学術会議の IPCC シンポ
クライメイトゲート事件では、阪大・菊池氏が初めていい仕事をしました。学術会議シンポジウム
で会議の模様を全部録音していたとはびっくり。kikulog ないしツイッターで公開しています。さ
っそくダウンロードして全部で 4 時間分を聞き終えました。知人から聞いていた内容と同じです
(当たり前だ)。録音が公開されたエントリ↓。ただこうした録音とその公開は本当に許されてい
るのでしょうか。
4/30 学術会議「IPCC 問題の検証と今後の科学の課題」
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1273674969
IPCC 報告書の執筆者までが内容の誤りと組織のあり方がおかしかったことを認め、もうカオス状
態であることが分かります。これまで懐疑派のことを口をきわめてののしっていた投稿者はさすが
に姿を現していません。このトピにも出入りしていましたね。
いまのところ、東大の広報担当である横山氏が攻撃の対象になっています(まず誰かを攻撃するの
が kikulog の流儀)が、彼女を悪者にすると、その次は東大の「地球温暖化懐疑論批判」を批判せ
ざるを得なくなり、kikulog にも直接類が及ぶことになります。
★読売新聞の社説に続く、全国紙の記事
(毎日)IPCC:国連報告書、ミス多発 信頼回復が急務 背景に温暖化研究の南北格差も
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20100510ddm016040007000c.html
(日経)温暖化問題で科学の信認を取り戻せ
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE2E5E0E7E2E6E0E2E3E1E2E7E0E
2E3E28297EAE2E2E3;n_cid=DSANY001
(サンケイビズ)温暖化対策 有識者が「公開論議」提唱 25%削減の影響検証要求
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100507/mca1005070504006-n1.htm
★温暖化に懐疑的なブログ
地球温暖化の真実を探して
http://blogs.yahoo.co.jp/nishiokablog
ブログ「ぼちぼちと2」から気候の話タグで検索
http://blog.livedoor.jp/ohta_geo/archives/cat_50040873.html
読売新聞は本当に開眼したようだ (その 2)
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-565.html
★懐疑論への反論など
温暖化の懐疑論者にゃ負けないぞー
http://blog.goo.ne.jp/banbiblog/e/abc3bfb40b5f5015a9d90c5fb7454b12
江守氏らが気勢を上げたようです。そのイベントのお知らせ↓。
絶望から希望を見つけるトークライブ 2010
http://www.enjoytokyo.jp/OD004Detail.html?EVENT_ID=333997
気候変動懐疑論への科学者たちからの反論
http://d.hatena.ne.jp/o-kojo2/20100507/p1
クライメイトゲート事件の最新事情(その 54)
2010/ 5/17 1:04 [ No.3189 / 4820 ]
★菊池氏がクライメイトゲート事件で初めていい仕事をしたこのエントリ。しかし…、
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1273674969
あまりに杜撰だった IPCC、そして気温データの不正操作は
アメリカの研究業界でも大問題となっており、議会やメディ
アでも不正に関与した多数の研究者が実名で非難されるよ
うになっています。
ただ、かくいさんの仰るように、日本の研究者の多くは CRU
や NCDC のデータ不正に騙されていたわけで、データの検証
や議論の正常化も(当事者が学会や政権を牛耳っている)
アメリカよりは容易に行えるでしょう。
そして今回、学術会議の場で地球温暖化が『科学的に実証
された問題』どころかその基礎が大きく揺らいでいることが
確認された意義は、決して小さくないと考えます。
という当然の受け止め方をした投稿者に対する菊池氏の態度はやっぱりダメでした。
きくち May 15, 2010 @20:03:53
どこをどう聞くと、そういう理解になるのかわかりません。
今回の学術会議でのシンポジウムだけに話を絞るなら、そ
のような結論が出るはずはありません。
よく聞きなおしてください。
何度聞き直しても、IPCC の査読プロセスに問題があり、各方面からのプレッシャーが強まるなか、
誤りがいつ起きてもおかしくないし、今後も正しいリポートが作れるか自信がない、組織改革が必
要――という悲鳴にも似た現状が語られています。西岡氏なんかは「レビューエディターの職務を
十分に果たすことができなかった。申し訳ない」と平謝りです。
会場にいながら、関係者のそうした危機意識を感じ取れなかったとは、研究者あるいは社会人とし
ての常識を疑います。自分から、このシンポはこうだった、と総括することもしません。「見たく
ないものはないことにする」不健全なニセ科学批判者の親玉だけのことはあります。
★週末は産経新聞の独壇場。こってりとしたリポートが出ました。
【杉浦美香の環境白書】温暖化解決の根拠のはずが…揺らぐIPCCレポートの信用性
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100516/env1005161701002-n1.htm
しかし、たった 2 日前には、クライメイトゲート事件に全然触れない奇妙な温暖化討論が掲載され
ています。社内でも論調は分かれているようですね。
【金曜討論】温暖化対策
西岡秀三氏、野村浩二氏
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100514/env1005140801000-n1.htm
温暖化対策についてのネット・アンケート
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/100513/sty1005132038005-n1.htm
(1)25%削減という中期目標は妥当と思うか
YES→7%、NO→93%
(2)厳しい目標を掲げることが経済成長につながると思うか
YES→8%、NO→92%
政府の地球温暖化対策基本法の行く末には暗澹たるものがあります。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 55)
2010/ 5/19 1:56 [ No.3193 / 4820 ]
産経抄
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100517/plc1005170237001-n1.htm
鳩山政権の危うさを示す材料のひとつとして、温暖化対策を描いています。
毎日新聞社説:「温暖化疑惑事件 科学者はもっと発信を」
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20100517ddm004070013000c.html
この半年、全国紙で最も情報が少なかったのが毎日です。科学者はそれなりに情報発信していたの
に、無視を決め込んでいましたから。
何があっても温暖化懐疑論叩きをあきらめない奇特なブロガー。
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100518
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100517
事実の解明には関心がなく、狂信的な態度をひたすら続けているのは哀れです。
視点・論点【蔓延するニセ科学】
http://ameblo.jp/kakeroma1/entry-10536571904.html
阪大・菊池氏が NHK でマイナスイオンについて誤った概念を広めたいわくつきの番組を文章にし
ています。結論“「ニセ科学」に限らず、良いのか悪いのかといった二分法的思考で、結論だけを
求める風潮が、社会に蔓延しつつあるように思います。そうではなく、私たちは、『合理的な思考
のプロセス』、それを大事にするべきなのです”とはその通りなんですが、kikulog では合理的な思
考のプロセス抜きで、初めにありきの結論を押しつける習慣が蔓延しています。
なかでも、学術会議の IPCC シンポの材料が提供されたというのに、温暖化問題をめぐる新たな議
論が全然盛り上がりません。投稿者たちはいつになったら目覚めるのか、ずっと蒙昧の闇の中でさ
まようのか、まあだいたい後者でしょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 56)
2010/ 5/20 1:49 [ No.3197 / 4820 ]
地球温暖化懐疑論バスターズの JAMSTEC・増田氏が、温暖化に関する所見を 2 か所で述べていま
す。これがともに期待外れ。
【時評】地球温暖化の考え方
http://www.kagakudojin.co.jp/kagaku/web-kagaku02/c6506/c6506-masuda/index.html
「成長の限界」問題の一環としての地球温暖化
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100519/1274252277
まず前者の【時評】には新しい内容が含まれていません。時評のくせして時事問題、つまりクライ
メイトゲート事件などに触れようとしない奇妙な投稿です。同じコラムで事件を詳しく解説した東
大・渡辺氏への対抗言論でなければ意味がありません。なぜこんな中途半端な投稿をしたのか意図
不明です。
自分のブログのエントリである後者はさらに変てこです。資源問題と温暖化問題はもともと無関係。
例えば「CO2 の増加が温暖化を招くという言説がたとえ違っていても、化石燃料の節約につなが
ればいいでしょ」という主張はニセ科学の典型です。成長の限界論は温暖化とは別に語るべきであ
り、そこに無理やり温暖化論をからめようとすると、あちこちに齟齬をきたします。
増田氏は懐疑論バスターズのなかでは、積極的な論陣を張っている方ですが、それでもより本質的
な説明、例えばなぜ IPCC べったりの「地球温暖化懐疑論批判」の執筆陣に加わることになったの
か、同冊子が書店で売る有価物ではなく国の研究費を消費する形で作られたのか、といった説明を
避けています。その辺が明らかにならない限りは、何をどう釈明しても無駄です。
ばんやりとした増田氏の文章とは正反対。切れ味鋭い山口氏の新しい寄稿です。
タスクフォース有志によるアピール[前編]
中期目標策定これまでの経緯 議論からかい離した環境大臣試案
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/77/index.shtml
先に衆院委員会で強行採決された温暖化対策基本法案の不自然な点を突いています。後編にも期待。
こちらもいつもながらシャープな見方。
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-568.html
日本学術会議シンポについて、フリージャーナリストの岩上氏が小沢環境大臣に質問した会見録。
http://www.env.go.jp/annai/kaiken/h22/i_0511.html
クライメイトゲート事件の最新事情(その 57)
2010/ 5/22 1:22 [ No.3201 / 4820 ]
「温暖化対策法案が衆院で可決 25%削減 参院審議の難航も」
http://www.47news.jp/CN/201005/CN2010051801001294.html
「主要国の意欲的な目標設定などの前提条件」がついているものの、科学的根拠がはっきりしない
温室効果ガス削減があと一歩で法律になってしまうとは、大変な事態です。
「ギリシャ危機と環境対策」
http://d.hatena.ne.jp/oguogu/20100521/1274430844
ギリシャの放漫財政がユーロ圏を脅かし、欧州各国が温暖化対策どころではなくなっているのは確
かです。再生可能エネルギー普及で手厚い政府補助をしているスペインが新たな火種になりかねな
い、とはドキリとさせる指摘です。
こんな客観的な見方も面白いです。
http://realwave.blog70.fc2.com/blog-entry-255.html
http://blogs.yahoo.co.jp/otenki_bosai/59687283.html
さて、kikulog における増田氏の「北アメリカには温暖化懐疑論をふりまく宣伝屋がいます」とは
すごい発言です。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1274405552
日本には温暖化脅威論をふりまく宣伝屋が跋扈しているんですが、そちらはお咎めなしですか。な
にしろ本人が懐疑論バスターズですから、一方的な決め付けをすればするほど、自分の立場が悪く
なることに気づいていないようです。
kikulog にはクライメイトゲート事件の真相を見誤った投稿者がたくさんいます。「この温暖化捏
造陰謀論騒ぎは、ただの空騒ぎ(バカ騒ぎ)で終わるでしょう」といった軽はずみな発言が横行しま
したが、IPCC などの組織のゆがみが明るみになった後、自戒の念とか反省の弁とかが語られるこ
とはありません。やっぱり異常なサイトです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 58)
2010/ 6/ 4 0:54 [ No.3226 / 4820 ]
鳩山政権がとん挫し、衆院で強行採決した地球温暖化対策基本法案は廃案となる見通し。
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201006030002.html
参院の環境委員会は委員長が自民党なので、与党は強行採決に持ち込めません。鳩山首相が去年 9
月に提唱した「鳩山イニシアチブ」も同じ運命をたどりそうです。
★与党の強引な温暖化対策に批判的な、おなじみ山口氏のコラム。
タスクフォースでの議論の内容と不明瞭な環境省検討会設置の理由
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/78/index.shtml
残念ながら政府は、25%削減は科学(IPCC)の要請と繰り
返すばかりで(実はそうではない点につき筆者は参考人と
して証拠を添えて力説したが)、それよりさかのぼった議論
は聞いたことがない。強いて言えば、「工業化以後の気温上
昇を 2℃以内に抑えるのが温暖化対策の究極目標である」
との EU の主張を丸飲みしている感があるのは、はなはだ残
念である。
★ブラックカーボン(すす)は雪氷を解かす要因のひとつですが、IPCC はその寄与を大きくは見
積もってきませんでした。クライメイトゲート事件の教訓として、適切な評価があってしかるべき
です。
北極圏のすす:主因はロシアの森林火災 東大教授ら「温暖化防止で対策を」
http://mainichi.jp/life/ecology/archive/news/2010/05/20100528dde041040021000c.html
北極圏の温暖化に影響を与えると考えられている「ブラック
カーボン(すす)」の6割が、ロシアの森林火災で発生してい
ることを、東京大の近藤豊教授(大気環境科学)らが突き止
めた。
ブラックカーボンで専門家会合――7 月にも論文、提言も
http://kankyomedia.jp/news/20100527_11636.html
人の健康だけでなく、地球温暖化にも大きな影響を与えて
いると指摘されている「ブラックカーボン」(燃焼によって生じ
るすす)の影響を議論するため、世界の 20 人以上の科学者
が集まる「ブラックカーボンの気候影響評価の専門家会合」
が 26~28 日、米国ボルダーで開かれる。7 月をめどに、成果
を論文に取りまとめ、各国の政策決定者向けの提言も盛り
込まれる予定だ。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
の次期報告書にも反映されると見られ、今後の動向が注目
される。
ブラックカーボンと地球温暖化
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jepsjmo/jgl/JGL-Vol3-4.pdf
★環境とエネルギーは分けて考えるべきだという主張を目にする機会が増えています。例えば、
http://blog.livedoor.jp/tacaceshigh/archives/1808579.html
温暖化ガス主犯説は断定できないし疑問→しかし、価格が
不安定な原油にわが国の経済が依存し続けるのは危険→
だから低炭素社会の実現は急務
温暖化ガス主犯説に疑念を表しながらも、低炭素化は重要
としました。
こういう見方はまことにごもっとも。2 年前の No.1404 で書いたように、「不確かかもしれない科
学的見解を持ち出して、省エネないし低炭素社会の構築という課題の実現を目指す根拠にするのは、
それこそニセ科学にほかなりません」というのが私の問題意識の根底にあります。
★ところが、ケミストを自称するこのブログ主のリテラシー不足は絶望的です。
http://blog.goo.ne.jp/chemist_at_univ/e/d25b7b870c9986bf9c89c7b3322f2d16
今年になって、クライメイトゲート事件をきっかけに温暖化懐
疑マニアになったらしい SSFS 君が、また色々と書いている
ようです。
自分が見たくないものは目に入れず、それでいて軽率な決め付けをするという不健全なニセ科学の
典型例です。中西先生のブログ以外の文献を調べた形跡もなく、自分の不勉強は棚に上げて、人を
「君」づけする呆れた上から目線。このブログ主が本当に大学教員なのか非常に疑わしいのですが、
おごりたかぶってどこまで壊れた書き込みをするのか、生温かくウォッチすることにしましょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 59)
2010/ 6/ 9 21:42 [ No.3236 / 4820 ]
★「海面上昇でもツバル沈まず」英科学誌に論文
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20100609dde007040011000c.html
ツバル水没は地球温暖化とは無関係という説は以前からありました。地盤沈下や海流の変化による
浸食、人口増加などで浸水面積が増えたのを、温暖化による海面上昇の証拠に強引に仕立てたとい
う疑惑です。
★中部大・武田氏が吠えています。
日本の IPCC 関係者の総退陣、費用弁済と懺悔を求む!
http://takedanet.com/2010/06/ipcc_3e4a.html
2010 年 6 月 15 日発刊予定の渡辺正先生の「地球温暖化スキ
ャンダル」の「訳者あとがき」に、次のような趣旨のことが明確
に記載されている。
★その本『地球温暖化スキャンダル 2009 年秋クライメートゲート事件の激震』(スティーブ
ン・モシャー・トマス・フラー著、渡辺正訳)
http://www.nippyo.co.jp/book/5327.html
▽内容紹介
地球温暖化を裏付けるデータは捏造されていた!2009 年末
に流出したメールによって明らかとなった事件の全貌を、余
すところなく描く。
は、すでに大手書店の店頭には並んでいるので入手しました。中身はおいおい紹介するとして、武
田氏が掲げたポイントを紹介しましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
302~303 ページ 訳者あとがきから
IPCC 報告書の素材は、例外も認められてはいるものの、「審査つき論文」が原則です。2007 年の
第 4 次報告書は、計 3000 頁ほどの 3 分冊で、130 か国以上からリクルートされた執筆責任者 450
名以上、執筆者 800 名以上、査読専門家 2500 名以上が「1 行もおろそかにせず」吟味した――と
いう触れ込みでした。
ところが 2010 年の 3~4 月に 12 か国の市民 40 名が 5 週間かけて報告書の引用文献 1 万 8500 点
ほどを調べてみたら、なんと約 5600 点(30%以上)までが「あやしい文献」(環境圧力団体のレ
ポートや、新聞・雑誌記事、修士論文など)と判明。3 分冊で計 44 個ある章のうち、引用文献中
で「審査つき論文」の占める割合が 60%に満たない(定期試験なら「不可」の)章が、21 個
(48%)もあったそうです。
いわゆる懐疑論に対し、「IPCC はこう言っている。報告書にこう書いてある」――が反論の常套
句でしたが、いまや IPCC の信用も地に堕ちたといえましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
★その市民監査の詳細はこちらに。
http://www.noconsensus.org/ipcc-audit/press-release.php
F(不可)が 21。D が 4 つ、C が 6 つで、B は 5 つ、A は 8 つしかなかったと報告しています。
★主宰者のラフランボアーズ氏はさらなる監査を実施するそうです。
http://www.foxnews.com/scitech/2010/04/28/climate-change-ipcc-noconsensus/?test=latestnews
実は No.3160 で「温暖化懐疑派が IPCC 報告書を改めて監査し、その内容を誰でも見られるオンラ
インデータベースを構築しようとしている話。EXCLUSIVE(特ダネ)というほどの内容ではあり
ません」と書きましたが、その前段に当たる監査結果を見逃していました。お恥ずかしい限りです。
★この市民監査にとりあえず向き合う温暖化脅威派のブログ。
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100608/1276010507
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100609/1276073314
地球温暖化について、懐疑派は批判に耐える丁寧な主張を心がけるのに対して、脅威派は「俺様の
言うことを聞け」的な物言いをすることがよくあります。だからこそ、ニセ科学の疑いがかかるわ
けです。
★最後は例によって kikulog ウォッチングですが、「地球温暖化懐疑論批判」は完全放置のまま、
気に入らない投稿者を集団で排除するいつもの不寛容ぶりを爆発させています。柘植氏のカビが生
えた哲学論?なんて一番縁遠いのですが、そういうのは排除されない不合理な国立大学サイトです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 60)
2010/ 6/12 1:15 [ No.3244 / 4820 ]
クライメイトゲート事件を契機に、国際的な潮流はやはり変わってきたようです。
★【2010 年ビルダーバーグ会議・緊急報告】“主役”不在の今年のビルダーバーグ会議。崩壊しつつ
ある“グローバル・ガバナンス”の行方 (1)
http://www.snsi.jp/tops/kouhou/1393
<地球寒冷化を話し合った今年のビルダーバーグ>
そこで、このウェブサイトで紹介されている内容を紹介する
ことにしたい。それによれば、今年の議題となったのは以
下のテーマだという。
「金融制度改革、安全保障、サイバーテクノロジー、エネル
ギー問題、パキスタン問題、アフガニスタン問題、世界食糧
問題、地球寒冷化問題、ソーシャル・ネットワーキング、医
療サイエンス、EU とアメリカの関係」(10 年、スペイン会合)
ここで地球寒冷化問題が含まれているのは何かの冗談で
はないかと思う。これまでビルダーバーグでは地球温暖化
問題が主要な議題として話し合われてきたからだ。ちなみ
に去年 09 年のアジェンダは以下のようになっていた。
「金融危機、政府と市場の関係、国際機関の役割、イラク、
パキスタンとアフガニスタン、アメリカと世界、サイバーテロ、
新帝国主義、保護主義、ポスト京都議定書の課題」(09 年、
ギリシャ会合)
ということだそうです。ビルダーバーグって、どれほど重要な会議か知りませんが、変われば変わ
るものです。
★ペンシルベニア大学法学部のジョンストン教授によるクライメイトゲート事件の検証レポートの
存在を伝えるブログ
http://ilovetoritani.seesaa.net/article/152793076.html
報告書は A4 で 80 ページ以上あって読み切れるものではありませんが、「IPCC をはじめ CO2 地
球温暖化説のほぼ全ての主張が非科学的かいい加減に行われていた」という内容のようです。
★<温暖化対策>基本法案廃案へ 環境相など落胆の声
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100611-00000067-mai-pol
★あと、自称ケミストのブログ。
http://blog.goo.ne.jp/chemist_at_univ/e/04c4de4ccf77fd3f6cf441e0d005c231
SSFS 君がほめているサイトは、信用性が低いサイトである。
具体的な根拠をひとつもあげずに、俺様感覚で「信用性が低いサイト」を決めつけるのは、不健全
なニセ科学批判者ですら、なかなかやらないことです。ブログ主のリテラシーはそれ以下ってこと
ですね。
『「クライメートゲート事件」は現段階ではただのゴシップの域を出ず、関心を寄せる段階にない、
ということです』とも書いていますが、学術会議が看過できないとシンポジウムを開いたというの
に、恐るべき無関心・不見識です。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 61)
2010/ 6/19 1:52 [ No.3264 / 4820 ]
★松野氏に国際気象機関賞=日本人で初-国連
http://www.jiji.com/jc/zc?key=%be%be%cc%ee%c2%c0%cf%ba&k=201006/2010061801011
【ジュネーブ時事】国連の世界気象機関(WMO=本部ジュネー
ブ)は 18 日、前身の国際気象機関(IMO)にちなんで気象学など
で顕著な貢献を果たした科学者を表彰する IMO 賞を海洋研究
開発機構の松野太郎氏(75)=長野市出身、東大、北大名誉
教授=に贈ると発表した。WMO が組織の最高賞として毎年表
彰する同賞を日本人が受賞するのは初めて。
WMO は、大気力学の分野や地球温暖化予測の研究推進など
で指導的な役割を果たした松野氏を、「気候変動の研究の進
展に大きく貢献してきた」と高く評価した。同氏は、日本国内
での研究に加え、国連の「気候変動に関する政府間パネル
(IPCC)」をはじめとした国際的な活動にも携わってきた。
(2010/06/18-20:29)
その松野氏らが去年の 2 月、仲間の科学者たち緊急提言しています。
「気候の安定化に向けて直ちに行動を!- 科学者からの国民への緊急メッセージ -」
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/message.pdf
「加速する温暖化と顕在化する影響」「人為的な影響は明らか」「このままの排出の継続は危機的
状況を生む」と、今となっては疑問視されていることを堂々と説いています。撤回するつもりはな
いんでしょうか。
★IPCC の科学者ですら、今や慎重な対応を求めています。
http://fullcomment.nationalpost.com/2010/06/13/the-ipcc-consensus-on-climate-change-wasphoney-says-ipcc-insider/
「国連の IPCC は、数千人の科学者が人為的な地球温暖化説
を支持している、と報道機関や一般公衆を誤解させている」と
著名な気候科学者で IPCC のインサイダーである Mike Hulme
は言う。
IPCC の誇張は下記資料の 10~11 ページにまとめてあるとのこと。
http://www.probeinternational.org/Hulme-Mahony-PiPG%5B1%5D.pdf
★孤軍奮闘・山口氏のコラム「25%削減は科学の要請か[前編]」
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/79/index.shtml
25%削減が政治家の誤解ないし曲解であることを強調しています。
★今月末には気象庁で、人為的な地球温暖化説を否定する講演会があります。
http://www.yoho.jp/katsudou/shain_soukai_2010/
「地球温暖化が示す不都合な真実」とはふるった演題です。20 世紀後半の温暖化の有力な要因と
考えられている北極振動を根拠にしています(No.3092 参照)。
★マイナスイオンを曲解しているブログ
http://transact.seesaa.net/article/153189013.html
Kumicit が温暖化否定論を支持しないのは、たまたま気象の
近接分野(赤祖父先生と同じ)で学位を取り、自らが気候変
動について土地鑑のないことをよく知っているからだ。
赤祖父先生は IPCC のシミュレーションが、土地鑑のある北極において当てはまらないことを不審
に思って懐疑論を展開しています。IPCC の言うがまま、というのでは人為的温暖化説を支持して
いるのと同じこと。
★さて、恒例の kikulog ウォッチングですが、議論を「地球温暖化懐疑論批判」の本筋に戻そうと、
渡辺氏翻訳の「地球温暖化スキャンダル」の存在を示す投稿者がいるのですが、柘植氏らはそれを
一顧だにせず、温暖化とは無縁な観念論をえんえんと続けています。かつて懐疑論を叩いた自分た
ちの不見識があらわになるのを嫌って、必死な抵抗を試みているようです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 62)
2010/ 6/19 2:08 [ No.3265 / 4820 ]
渡辺正訳「地球温暖化スキャンダル」から。傲慢な温暖化脅威派の気候科学者たちが目いっぱいの
無理をして、墓穴を次々に掘り続けたことが活写されています。断片的な情報で想像する以上に事
態は深刻だったようです。
▼236 ページ
クライメートゲート事件では、腹の探り合いが引き金だった。2005 年までジョーンズは、オース
トラリアのヒューズに快くデータを渡す人だった。2002 年にはマッキンタイアにも、データを渡
す約束をしている。だがマッキンタイアとマッキトリックの MM03 論文がジョーンズを変えた。
彼の心変わりは、まずまちがいなく、データ請求には下心があるのだと言い続けたマンの影響を受
けている。だからジョーンズは 2005 年の 2 月 21 日、「アラ探し目的の人間にデータを渡すつも
りはない」とヒューズを突き離した。だがデータの共有は、まさしく「ミスを見つける」ためにす
る。データを共有するからこそ、研究者のミスや偏見や思いこみを、別の研究者がチェックできる
のだ。そもそもデータ公開を拒む研究者は狂っている。
▼278 ページ
事件そのものは一過性のスキャンダルだった。一時はメディアの見出しになっても、これを書いて
いた 2009 年 12 月、日付どころか時計の針がめぐる速さで、見出しは次々に更新された。コペン
ハーゲンの COP15 では、代表団が途方もない数の専用ジェット機やリムジンを使い、それとから
めて事件が報道されたため、会議の成り行きには少しだけ影響しただろう。
だが、流出メールが暴いた事実、数十年に及んで気候研究者が世界を狂わせてきた事実は、とうて
い筆舌に尽くしがたい。
最悪だったのが、自然界の真実を追求する科学への信頼を落としたことだ。科学者も、ときには白
衣を脱いで政治活動家の帽子をかぶる。そこに曇りがなければ何も言わない。だが気候科学者たち
は、既定路線の政治的立場を守ろうとして裏工作屋になり、研究の中身をいじくった。なんとも悲
しい事実だった。国際社会は今後たぶん何年も、そのせいで高いツケを払うことになる。
▼288~289 ページ
若い科学分野はあれこれあるが、いちばん若いのが気候科学だということは覚えておいたほうがい
い。気候科学者が、自分の理論は正しい、観測結果は正確だと叫ぶときにも、そのことをまず思い
起こそう。気候科学ほど正確で将来を見通せる分野はほかにない--という彼らの自画自賛は、だ
いぶ割り引いて聞くべきだ。
新しい分野にはミスがつきもの。ミスは伝統の分野でもときどき起きる。大陸移動説(ウェゲナー)
の無視も、ルイセンコ学説の流行も、常温核融合も、ピルトダウン人も、古いところではケルビン
卿が地球の年齢を見積もりそこねたのも、けっこうひどいミスだった。ただし、ミスのほとんどは、
新分野だからこそ「自然に」起きた。むろん例外はある。ピルトダウン人は悪ふざけだった。大陸
移動説の無視は、伝統の説を死守したい大御所どもの愚行だった。
仮説を立て、データを集める気候科学者は、新しい分野ですからミスが多少あってもご容赦を--
と言うべきだったのに言わなかった。言っていれば、多少のミスは許された。だが強烈な政治的圧
力のもとで彼らは、自分たちの説に揺るぎはないのだと真顔で言った。100 兆円のかかった話しに
ミスがあるかもしれないとは、口が裂けても言えなかった。彼らは、目的外れの研究費にも、科学
をいいかげんに引用して意味不明のことを口走る政治家にも、研究内容をぞんざいに報じるメディ
アにも、ノーと言える大人ではなかった。甘やかされた子どものふるまいをしたことには、きちん
と責任をとらなければならない。彼らを甘やかした政治家の責任も重い。
★国環研の江守氏は「懐疑派がデータをしつこく求め続けたことにも非がある」とよく言いますが、
求めに対して繰り返しはぐらかしてきた脅威派の科学者に一義的な非があり、そこがクライメイト
ゲート事件の原点のようです。次回は具体的な問題点を紹介しましょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 63)
2010/ 6/20 23:40 [ No.3267 / 4820 ]
引き続き「地球温暖化スキャンダル」から。イーストアングリア大学のジョーンズ教授は 1990 年、
地球の気温上昇に及ぼす都市化の影響は 1 世紀でわずか 0.05℃とする論文を「ネイチャー」に出し
ました。それを疑った研究者にはデータ隠しで応じました。
▼51~52 ページ
ジョーンズらが使った観測点は、ロシア西部だと計 38 か所あり、うち 9 か所が人口ほぼ 1 万の町、
29 か所は田舎だった。それは 2 つの面でおかしい。まず、人口 1 万はかなり小さい町だから、コ
ンクリートのジャングルとはいえない。つまり彼らは、ホントの田舎と、田舎に毛が生えたような
町村を比べた。第 2 に、だとしても 1930~87 年の期間、電卓を叩くと都市化汚染は 0.12℃(1 世
紀で 0.2℃)になり、IPCC 関係者の言う「1 世紀で 0.05℃」よりずいぶん大きい(ロシアの気温デ
ータの信頼性はいまなお論争の的。また、ジョーンズは、自分の結果に合わない論文を発表させま
いとしてきた。後述)。同論文は、オーストラリアの 49 観測点と、中国の 84 観測点も扱ったが、
両方とも小細工されていた。とりわけ中国のほうは、共同研究者だったワンという名の中国人研究
者が、不正行為のかどで調査対象になっている。
クライメートゲート事件の流出ファイルには、メールのほかに文書もある。文書のひとつが本件に
からみ、ジョーンズの共同研究者ワン(ニューヨーク州立大所属。指導教官はザン教授)を研究上
の不正容疑で調査した報告書だった。こう書いてある。
84 か所の観測点は、計 60 か所のデータセットから選んだ 35
か所と、計 205 か所のデータセットから選んだ 49 か所を合わ
せたもの。前者(35 か所)の観測点は、移設履歴などをザン
教授が記録に残しているが(付録参照)、後者(49 か所、大
半が田舎)の履歴は、現存観測点との突き合わせも含め、
ザン教授の記憶に頼るだけ。観測点の履歴をまとめた原本
(かつて IAP に所収)も、ザン教授のノートも、同教授が研究
場所を動いた過去 19 年間のうちに紛失している。
(略)
オーストラリアの研究者ヒューズは、自国東部のデータに興味をもった。ジョーンズがオーストラ
リアの気温推移を論文にした 1986 年からそうだった。なじみ深 い自国の気候に関心があるし、科
学のスキルもある彼は、どうやってジョーンズが結論を出したのか調べ始める。これもクライメー
トゲート事件を織りなす糸の 1 本だった。IPCC の主張を疑う人には、自国の話に焦点を絞る「地
上軍」が多い。相手は象牙の塔に閉じこもって学者魂を継承する人たちだから、論争にもなかなか
の活気が生まれた。
ヒューズが 1990 年のジョーンズ論文に関心を寄せ、名高い交信メールへの道が敷かれる。彼はた
びたびジョーンズにメールを送り、結論の元データを請求した。クライメートゲート事件のファイ
ルが含むヒューズとジョーンズの交信は、中身よりトーンの変化がおもしろい。
▼55~56 ページ
2000 年時点でジョーンズは、ヒューズの質問に快く答え、自分の結果を再チェックし、しかるべ
きフォローアップもした。メールの文章もていねいで、感情のもつれはなかったもよう。
だが 2005 年 2 月 21 日までのどこかでジョーンズの態度は一変する。(略)悪名高い次のメール
をヒューズに送る。
WMO から返信がない件――たとえ WMO が同意しようとも、
君にデータは渡さない。われわれは 25 年もこの研究に投資
してきた。アラ探し目的の人間にデータを渡すつもりはな
い。
ヒューズは、地球の平均気温推移グラフの元データを請求した。WMO とメンバー団体は気候デー
タの公開に合意し、IPCC は WMO が設立したから、ジョーンズにデータを請求するのは自然だと
思った。だが WMO から返事はなく、WMO が同意してもデータは渡さないとジョーンズは言う。
彼が WMO の規定を無視した理由はひとつ――ヒューズの動機を「アラ探し」とみたからだった
(アラ=「誤り」があると承知していた?)
科学の研究成果は、科学者が互いの結果を検証して必要なら修正し、確実にするからこそ信頼され
る。データやデータ加工法を共有しながらの自己修正が欠かせない。個人の思惑が入り込む余地は
ない。ミスの発見や修正に、政治・動機・宗教・性別・年齢・人種は関係ない。ジョーンズは、そ
ういう科学の基礎を無視した。データを隠せば疑われるのは必定なのに、相手の動機を疑う作戦に
出たのだ。
★ジョーンズ教授らは恣意的なデータ抽出により、温室効果ガスが気温上昇の原因と見せたかった
のでしょう。これはまともな科学でしょうか? それともニセ科学?
クライメイトゲート事件の最新事情(その 64)
2010/ 6/20 23:56 [ No.3268 / 4820 ]
引き続き「地球温暖化スキャンダル」から。カナダの鉱山技師、マッキンタイア氏はブログ
(ClimateAudit、CA=気候監査)を通じてホッケースティック曲線のインチキを暴いた立役者です。
http://www.21ppi.org/pdf/sawa/100427.pdf
IPCC の査読者でもあるマッキンタイア氏は、隠蔽工作を弄するジョーンズ教授ら<チーム>に対
して、情報公開法(FOIA)を武器にデータの公開を迫ります。
▼170~172 ページ
別の前線では、マッキンタイアが IPCC 関係の問題を追及中。古気候の再構成分野で論文を出した
彼は、第 4 次報告書(AR4)第 6 章の査読も頼まれていた。かつて彼にデータ開示を拒んだ CRU
のブリッファは、第 6 章のうち、異論も多いセクションの執筆責任者。その人物が「気温の低下を
隠す」など、心配ごとをどう片づけたのか――それを暴きたいマッキンタイアは IPCC に、約束だ
った「査読コメント公開」をいつやるのかと迫る。IPCC は、コメントはハーバード大の公共政策
文書館で入手可能と答え、開館時刻を知らせてきた。読みたければ、カナダからはるばるボストン
に出向き、ハーバード大を訪ねろというわけだ。IPCC はまだインターネットを知らなかったの
か? IPCC 誕生時なら相応だった(とも思いにくいけれど)やりかたが、時の流れにとり残され
ていたのか?
(略)
クライメートゲート事件のあと、多くの<チーム>支持者は、マッキンタイアと CA の読者から来
る FOIA 請求が煩わしくて気が散ったと不平を鳴らす。だがそれは、おかどちがいだろう。IPCC
は査読の公開・透明性を宣言していた。FOIA 請求に応じた事例のほぼ全部で、担当部署が情報請
求に応じると決めたとき、情報の所在は特定されて入手できた。わずか数日でそうなった例も多い。
マッキンタイアの請求は単純そのもの。だが IPCC は壁をつくった。そこで彼は 2007 年の 5 月末、
統括執筆責任者ソロモンの勤務先 NOAA に FOIA 請求する。それを聞き及んだジョーンズが 6 月
19 日、NOAA のカールにメールを出し、FOIA 請求への感想と、自分が UEA(イーストアングリ
ア大)に FOIA 無視を納得させた話を教えた。
1
UEA 当局と話した。ブログ CA に少しでもからむ連中が今後
FOIA 請求してきたら、ことごとく無視するよう説得できたと
思う。
2 メルボルンのデビッド・ジョーンズから来信。彼らは、CA に
からむ人間は無視すると言う。なにせ、オーストラリアの観
測点をけなすスレッドが CA 上にあるし。
3 CA は、AR4 草稿の段階あれこれで査読者と交わした通信
を手に入れようと、IPCC(ソロモン、マニング)に喧嘩を売
っている。連中のターゲットは古気候学の第 6 章だ。
▼199~200 ページ
FOIA 請求の議論が休眠に入った 2009 年の 9 月、つまり王立協会の『フィロソフィカル・トラン
ザクション』誌がブリッファにデータを開示させると約束してから 10 か月もあと、ブリッファ論
文に載ったヤマール半島の年輪データが CA にアップされる。マッキンタイアはじつに 10 年近く
もその開示を拒まれてきた。とうとうデータが手に入り、10 月から 11 月初めにかけ、データの分
析結果を CA 上の連載記事にした。
ブリッファは年輪データから新たな「ホッケースティック」を得たのだが、そのブレード(20 世
紀後半の気温急上昇)を形づくっていたのは、わずか 10 個(しかも実質的には 1 個)の試料だと
判明。つまり、世界で 100 兆円規模のカネを動かす話の基礎を、シベリアに生えていた 1 本の木
(!)でつくるという、きわめつきの暴挙・暴論だった。むろん気候科学関係のブログは当時その
話でもちきりになり、多くの新聞がマッキンタイアの解剖結果を報じたほか、フィンランドのテレ
ビが特別番組を制作・放映し、古気候学のあやしさを市民に伝えてもいる(訳注 日本のメディア
報道はゼロ)。
★彼らの理解者である JAMSTEC 増田氏のコメント。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1276918398
「原本は自家出版らしく印刷も不鮮明です」とこきおろしていますが、国のカネを使ってつくられ
た立派な装丁の「地球温暖化懐疑論批判」が偉いわけではありません。「気候の科学全体あるいは
IPCC 全体を論じたものではない」とも指摘していますが、ホッケースティックのくだりは気候科
学全体に及ぼす影響が極めて大きいのに、ろくな説明もしないで矮小化しようとする態度はいただ
けません。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 65)
2010/ 6/23 1:37 [ No.3273 / 4820 ]
経団連・21 世紀政策研究所の澤昭裕氏が 17 日のコラムで、人為的地球温暖化論の歪みを引き続き
取り上げています。
欧州は脱炭素をエネルギー安保で議論
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/sawa/14/index.shtml
今、欧州で話題になっている論文がある。「ハートウェル・ペ
ーパー」と言われるもので、国際交渉が行き詰まっている現
在、新たな温暖化政策の方向性について論じている。
(略)
今回のハートウェル・ペーパーは、こうした論旨をより進め、1)
万人に対するエネルギーアクセスの保障、2)地球システムの
基本的な機能を損なわない形での開発発展の保障、3)(原因
が何であれ)社会におけるあらゆる気候変動に由来するリス
クと危険に耐えうる適切な備えがなされる保障──という 3 つ
の包括的目標の達成を目指すこととし、そのために以下の様
な政策提案をしている。
1)CO2 以外の「気候変動要因」(黒色炭素、対流圏オゾン、メ
タン)の対策
2)経済のエネルギー原単位の低減
3)エネルギーの脱炭素化の推進
(略)
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第 4 次報告書の発表
後に研究が進んできており、1)については CO2 対策だけが温
暖化対策ではなく、むしろそれ以外の温暖化要因について対
策を講じる方が重要と論じており、興味深い。例えば、黒色炭
素は、近年の北極の氷の融解について、他のどの要因よりも
説明力があり、最近観測されている北極の温暖化の 50%程
度まで貢献していると考えられている(“Nature”460, 2 July,
2009)とのことである。また、最近の国際交渉でも問題になっ
ているように、土地利用による温暖化効果についての対策も
重要な視点になってくるだろう。
なかなか面白そうなハートウェル・ペーパー。
http://eprints.lse.ac.uk/27939/
日本語訳はどこかにないでしょうかね。
澤氏は同じ 17 日、「エコ亡国論」(新潮社)を上梓しました。
http://www.shinchosha.co.jp/book/610372/
帯に「CO2 25%削減が、日本を滅ぼす」と武田氏のような脅し文句(笑)がついています。
7ヶ月前、クライメイトゲート事件の存在を初めて日本に紹介した池田信夫氏がさっそく書評をし
ています。
http://news.livedoor.com/article/detail/4836566/
私も読んでみましたが、第 1 章の「スキャンダル続出で揺らぐ IPCC の信頼性」と第 2 章から後の
温暖化交渉をめぐる各国の思惑とがうまくつながっていません。澤氏は「遅れてきた論客」なので、
軌道修正を十分しないまま本にまとめてしまった感があります。人為的温暖化説が怪しくなれば、
力を入れて書いた排出権取引や国際協力の枠組みに関する提言なんかは吹っ飛びますから。
恒例の kikulog ウォッチング。本来なら、人為的温暖化説と懐疑論を見分けるような科学的な検討
しなければいけないはずなのに、相変わらず滑稽かつ不毛な雑談ばかり。菊池氏がスレッド管理を
怠っていることに、良識ある投稿者は呆れているようです。個人ブログなら全然構わないのですが、
国民の税金で作られた国立大学サーバー上のコンテンツであれば、許されることではありません。
大学側はこんなダメブログはお取りつぶしにするのが世のためでしょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 66)
2010/ 6/29 21:34 [ No.3283 / 4820 ]
先進国首脳がカナダに集まった G8 サミットが、いつのまにか始まっていつのまにか終了。たった
2 年前に開かれた洞爺湖 G8 サミットでは、地球温暖化対策が主要テーマになって連日にぎやかに
報道されたのに比べて、今回のサミットでは温暖化対策が議論されたのかが分からないほどの静け
さでした。
人為的な温室効果ガスの排出が地球温暖化をもたらすかどうか科学的な追究は続きますが、政治的
な関心は完全に薄れたことを意味しています。昨年末の COP15 の歴史的な大失敗がその直接の引
き金であり、クライメイトゲート事件の影響も見逃せません。
★PNAS が温暖化懐疑派を貶める論文を掲載。「Expert credibility in climate change(気候変動に
おける専門家の信頼性)」
http://www.pnas.org/content/early/2010/06/04/1003187107.full.pdf
1372 人の気候研究者のデータセットと著書・引用データを調
べたところ、(i)気候分野で盛んに著述している 97~98%の気
候研究者は IPCC が述べた ACC(人為的気候変動)の見解を
支持している(ii)ACC に懐疑的な研究者の相対的な気候に関
する専門知識と科学的な著名度は、ACC を信じる研究者に比
べてかなり低い――ことが分かった。
多数決で決めることでもあるまいに、と冷ややかな見方。
http://wattsupwiththat.com/2010/06/27/sepp-on-the-pnas-blacklist-paper/
http://www.sciencedaily.com/releases/2010/06/100625185428.htm
★ACC 支持派の牙城、リアルクライメイトは意気揚々。
http://www.realclimate.org/index.php/archives/2010/06/leakegate-a-retraction/
英サンデータイムズが「アマゾンゲート」の記事を撤回したため。ニューズウィークのブログでも
取り上げています。
http://www.newsweek.com/blogs/the-gaggle/2010/06/25/newspapers-retract-climategate-claimsbut-damage-still-done.html
★米国でかつて、環境アセスメントならぬ環境ハラスメントがあったという怖い話(本文はただで
は読めません)。
http://blogs.yahoo.co.jp/nishiokablog/15344853.html
★恒例の kikulog ウォッチング。「地球温暖化懐疑論批判」(2) のエントリは、新人が議論を本筋に
引き戻そうとしているのに、常連が無関係な投稿でレス流しをする非道を行っています。こういう
非道を一般的にアラシと呼び、ネットの世界でしてはいけない行為。マイナスイオンをはじめとす
るニセ科学批判で、無責任なことを書き続けた連中らしい所業です。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 67)
2010/ 7/ 1 23:52 [ No.3291 / 4820 ]
気象庁主催の気象講演会『温暖化する地球 ~最新の研究成果と私たちにできること~ 』に行って
きました。
http://www.jma.go.jp/jma/press/1006/02a/kouenkai0701.html
1 番手の気象研・鬼頭氏はシミュレーションの専門家で、IPCC 報告書の代表執筆者。最新の知見
と称して、3 年前に出た報告書の内容を淡々と紹介。定員 500 人の会場を埋めた聴衆の眠気を誘い
ました。もちろん、報告書に誤りがあったことも、IPCC が外部機関の検証を受けていることも、
全然触れませんでした。
2 番手は NHK19 時のニュースで、土日のお天気キャスターを務める山本氏。きびきびした話しぶ
りでしたが、「異常気象の原因は温暖化、温暖化の原因は CO2 の増加、21 世紀末には気温が 6℃
上がる」と IPCC の言い分を鵜呑みにした講演内容で、専門家のはしくれ(気象予報士)とは思え
ませんでした。
3 番手の産総研・西尾氏は、CO2 の回収・貯留(CCS)の専門家。温暖化緩和策の一環を担っては
いるものの、「温暖化という言葉は好きじゃない。CO2 の削減目標が政治の場で使われるのは…」
と、意外なことに懐疑的な姿勢をのぞかせていました。
西尾氏はともかく、「原理的温暖化論」を披露した 2 人の言葉は聴衆の心に素直に届いたか、「信
者は大変だねぇ」と思われたか。少なくとも、会場からの質問コーナーを設けなかった主催者は、
メッセージを一方的に伝えたかったようです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 68)
2010/ 7/ 3 3:15 [ No.3297 / 4820 ]
★ウィキペディアは多くの場合は役に立つ事典ですが、マイナスイオンの項目が偏向・冗長・不正
確という致命的な欠点を背負っているように、鵜呑みにしてはいけない代物です。
クライメイトゲート事件では、最初につくられた「クライメイトゲート」の項目の名称がその後、
「気候研究ユニット・メール流出事件」にすり替えられています。しばらくチェックしていない間
に、地球温暖化脅威派に都合のいいページになっているのに驚きました。
そもそもは、温暖化脅威派の研究者によるデータ捏造・不適切な情報開示・学会誌への不当な介入
といった不始末から目をそらせ、おそらくメールを流出させた内部告発者の非をあげつらうために、
脅威派が必死になって情報操作をした結果と言われています。編集者のひとりは JAMSTEC の増田
氏。懐疑論バスターズの一員ですから、中立的な視点は望めません。
流出したメールの多くは、鉱山技師マッキンタイアの追及をかわすためにやり取りされました
(No.3267 と 3268 を参照)。ところが、「気候研究ユニット・メール流出事件」の最新版ではマ
ッキンタイアに一言も触れていません。これだけをもってしても、ウィキペディアの記述が不十分
であることが分かります。
「気候研究ユニット・メール流出事件」の編集には脅威派と懐疑派が競い合い、現在は編集保護さ
れ、早くから項目ごとの削除依頼も出ています。また、よく分からないのですが、著作権侵害も審
議されているようです。全般的に、「臭いものにはフタ」的な脅威派の横車が通っているようです
が、さあ、今後どうなるかです。
また、クライメイトゲート事件の引き金になった「ホッケースティック曲線」の項目も、マッキン
タイアからの具体的なクレーム部分が本文にはなく、あっさりとした表現で淡々と書かれています。
こちらも増田氏やその仲間の編集者が、クライメイトゲート事件の記述を削るなど、懸命に情報操
作をした形跡が残っています。
★1 日の温暖化講演会の出席者のブログ
ttp://blog.livedoor.jp/yukapyi6119/archives/1448811.html
二酸化炭素を減らすことはいいことだとは思いますが、個
人的には IPCC のシナリオに疑問を感じる部分があるので、
もう少し他の要因についても知りたいなぁと思います
先日、筑波大の先生の講演を聞いてきた先輩から、『温暖
化は北極振動で説明ができるらしい』という話しを聞いた
ので、そちらの内容も気になります
正解というのは多数決で決まるものではありません
少数派の考えも理解し、本当の真実を見破れる知識と眼を
養いたいです
きゃぴきゃぴとした文章ではありますが、バランスが取れた素晴らしいコメントですね。
★そして、新しい資料の知らせ。
ttp://d.hatena.ne.jp/Limnology/20100702/p1
地学雑誌 119 巻 3 号が届いたので、帰りの電車でパラパラ
めくっていました。グローバル気候変動の特集号だったの
ですが、特集記事の最後を飾っていたタイトルが「クライメ
ートゲート事件」。
特集記事でこれを扱っているのは、そろそろこの事件の評
価も落ち着いてきたという認識なのでしょう。
東工大・丸山氏の息がかかった雑誌のようです。いずれチェックしましょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 69)
2010/ 7/ 4 23:00 [ No.3299 / 4820 ]
★日本学術会議地球惑星科学委員会有志一同が声明文。
http://www.jpgu.org/whatsnew/100623ipcc.html
・IPCC 第 4 次報告書の「一部内容に関する疑義」について、慎重な編集作業を経たにもかかわら
ず、「一部のデータの扱いに疑念を抱かれる事態を招いたことや、第 4 次報告書の一部の記載内容
に不備が見出されたことは、報告書の基となっている科学研究全体に対する社会的信用をも傷つけ
兼ねないもので、誠に遺憾であります」と問題があったことを認めています。
・「IPCC 報告書の作成に直接的・間接的に関わる全ての科学者はこれを機に自ら襟を正し、数年
後に公表される第 5 次報告書においてはこうした事態を決して招かぬようにしなければなりません」
と決意表明をしています。
・報告書の作成にかかわるプロセスについては「特に、(1)報告書で参照する学術論文の内容をよ
り厳しく精査する手法の検討、(2)論議や不確実性の多い評価項目に関する不適切な報告を防ぐた
めの確認プロセスの検討、が必要と考えます」と見直しがうたわれています。
・「今回の問題を糧として、地球環境研究に携わる全ての研究者が、持続可能な社会の実現に向け
た対応策や政策立案に役立つより質の高い科学的知見を今後とも発信し続ける責務を負っているこ
とを再確認するものです」と結んでおり、クライメイトゲートに端を発した一連の事件が学術界に
大きな教訓を残したことが見て取れます。
★クライメイトゲートの張本人、マイケル・マン氏へのペンシルベニア州立大学の内部調査が終結。
マンはいちおう無罪放免されたようです。これまで途中経過をあまり報じてこなかったニューヨー
ク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルまでがいっせいに取り上げており、同時にマン
の不適切な情報管理や大学調査の甘さも指摘しています。
Climate Scientist Cleared of Altering Data
http://www.nytimes.com/2010/07/02/science/earth/02climate.html
Second University Review Clears Climate Scientist
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704293604575342922512971004.html?mod=googl
enews_wsj
'Hockey Stick' Climate Scientist Found Innocent of All Charges
http://www.foxnews.com/scitech/2010/07/02/hockey-stick-climate-scientist-innocentmann/?test=latestnews
An End to Climategate? Penn State Clears Michael Mann
http://www.cbsnews.com/8301-503544_162-20009501-503544.html
'Climategate' scientist cleared by US university
http://www.abc.net.au/news/stories/2010/07/02/2943806.htm?section=world
クライメイトゲートの名付け親である英テレグラフのデリングポール氏は、内部情報も含めた多く
のリポートを書いています。
http://blogs.telegraph.co.uk/news/author/jamesdelingpole/
★温室効果ガス 25%削減の科学的根拠がない件に関する山口氏のコラムの後編。
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/80/index.shtml
★温暖化懐疑派叩きのブログ
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100703
昨年末に発覚した climategate 事件からも半年以上が経過
したわけですね。
で、最近、聞きます?climategate。
あまり聞かない気がします。学術会議のシンポジウムが終わ
ってから一段落したのかな。
渡辺氏の翻訳本「温暖化スキャンダル」が上梓され、上記の日本学術会議や米大学の件があり、
CO2 削減の根拠が薄れていると話題は尽きません。自分のアンテナに引っかからなければ事件が
一段落した、と考えるのは安易です。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 70)
2010/ 7/ 8 22:02 [ No.3311 / 4820 ]
★クライメイトゲート事件に関する英国の独立調査委員会が 7 日(現地時間)、報告書を公表。欧
米の主要メディアはいっせいに報じました。その数なんと 100 本以上。
http://www.nytimes.com/2010/07/08/science/earth/08climate.html?src=mv
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703636404575352623519599344.html
http://www.ft.com/cms/s/0/34e36c0a-8a01-11df-bd30-00144feab49a.html
http://www.csmonitor.com/Environment/2010/0707/Climate-scientists-exonerated-in-climategatebut-public-trust-damaged
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science_and_environment/10538198.stm
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/07/07/AR2010070705001.html
http://www.newsweekinteractive.net/2010/07/07/third-enquiry-clears-climategate-scientists-ofserious-wrongdoing.html?from=rss
http://www.guardian.co.uk/environment/2010/jul/08/muir-russell-climategate-climate-science
http://blogs.telegraph.co.uk/news/geraldwarner/100046524/climategate-reinstating-phil-jones-isgood-news-the-cru-brand-remains-toxic/
前グラスゴー大学長のミューア・ラッセル卿が率いる委員会報告書は、イースト・アングリア大
(UEA)のフィル・ジョーンズ氏らによるデータ改ざんはなかったと認めたものの、公開すべきデー
タを隠匿した非をとがめました。ジョーンズらは「試合には勝ったが、勝負に負けた」ことになり
ます(W 杯ガーナ戦において、決定的なシュートをハンドで止めたウルグアイのようなもの?)。
ともかく、事件に関する一連の調査はこれで終結する見通しです。
報告書のフルテキスト。160 ページもあります。
http://www.scribd.com/doc/34003747/Muir-Russell-Final
★興味深いことに、UEA に在籍する気候研究者の Hulme 氏が報告書公表の数日前に、「事件のた
めにゲームの流れは変わった」と語っています。
'Climategate' was 'a game-changer' in science reporting, say climatologists
http://www.guardian.co.uk/environment/2010/jul/04/climatechange-hacked-emails-muir-russell
「研究者は率直で隠し立てせず、不確実性についても明快に話し、生データは公開アーカイブとし
て管理するようになった」。つまり、事件発覚以前はそうではなかったわけです。クライメイトゲ
ート事件は研究者が襟を正すきっかけにはなった、と言えましょう。
★上記の記事の筆者であるフレッド・ピアース氏の近刊「The Climate Files」
http://www.guardianbooks.co.uk/webapp/wcs/stores/servlet/qs_product_tbp?storeId=10401&catalo
gId=25501&langId=100&productId=185349
また、「地球温暖化スキャンダル」のような日本語版が出ないでしょうか。
★4月に出た英報告書の日本語訳。
http://ourworld.unu.edu/jp/scientists-cleared-of-malpractice-in-hacked-e-mails/
今回の報告書も、こういうのが出るといいですね。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 71)
2010/ 7/ 8 22:26 [ No.3313 / 4820 ]
★科学雑誌のネイチャーとサイエンティフィックアメリカンによる国際世論調査
http://readerpanel.nature.com/wix5/p418322019.aspx
科学や科学者への信頼度を尋ねています。日本語でも回答できます。
なかでも注目したのは「人類の活動が地球の気候を変えつつあると思いますか?」と「過去 1 年で,
気候に関するあなたの見方は変わりましたか?」という問い。後者で「人類の活動が気候に影響し
ているという見方を,より疑わしく思うようになった」をクリックすると、さらに以下の設問が出
てきます。
気候変動に対する人間活動の効果に関するあなたの見方に
影響を与えたのは,以下の要素のうちどれですか?
・英イーストアングリア大学の気候変動研究ユニットから
多数の電子メールと文書が漏洩した「クライメートゲート
事件」。
・国連の最近の気候変動報告書に誤りが見つかったこと。
・気候変動を疑問視する記事やブログ,講演など。
・冬が寒かったこと。
メールと国連の 2 つを選ぼうとしても 1 つしか許してくれませんでした。
実はサイエンティフィックアメリカンは温暖化脅威論の狂信的に擁護しています。クライメイトゲ
ート事件の影響をものすごく過小評価した記事や脅威論に立ち向かうインホフ米上院議員をこきお
ろすコラムを掲載していました。クライメイトゲート事件や IPCC 報告書の誤りをアンケート項目
に入れたことは、軌道修正に向けての動きだと思われます。
こうしてクライメイトゲート事件は終息の方向で進んでいますが、ケリがついていないのが IPCC
べったりのニセ科学批判者たち(笑)。連中が集う kikulog は温暖化懐疑派をけなし、クライメイ
トゲート事件の本質を見誤り、果ては温暖化そっちのけで無関係な雑談に流れるなど、さんざんな
醜態をさらしたまま。世の中でいま何か起きているかに関心を持たないリテラシー不足が1番みっ
ともないですね。
★オランダ環境評価庁が IPCC 第 4 次報告書について「本質的な誤りはなかった」と評価。
http://www.pbl.nl/en/publications/2010/Assessing-an-IPCC-assessment.-An-analysis-of-statementson-projected-regional-impacts-in-the-2007-report.html
温暖化でオランダの国土が水没する割合を間違えたり、例のヒマラヤ氷河が解ける時期がウソであ
っても、気にならないようです。この同国の大ざっぱさがW杯決勝で吉と出るか凶と出るか。
日本の環境省の仮訳
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=15951&hou_id=12690
★中国に中世温暖期があったとするリポート。
China’s 2,000 Year Temperature History
http://www.worldclimatereport.com/index.php/2010/06/30/china%E2%80%99s-2000-yeartemperature-history/
★産経新聞のコラム
【一筆多論】樫山幸夫 温暖化、米世論も懐疑的
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100705/amr1007050834003-n1.htm
★お目出度いブループラネット賞
http://www.af-info.or.jp/blueplanet/introduction.html
よりによってこの時期に、米英の温暖化研究者に 5000 万円を贈呈。なんとかに追い銭?
★温室効果ガス、排出枠の海外購入中止…国内拡充
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20100708-OYT1T00682.htm
排出権ビジネスって、まだやるんだ…。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 72)
2010/ 7/10 1:09 [ No.3323 / 4820 ]
込み入った事柄は、異なる立場からの情報を咀嚼しながら判断することが重要。少ない情報で短兵
急な結論を出すのは愚の骨頂です。もちろん、マイナスイオンのようなニセ科学の疑いがかけられ
ているテーマについても同じです。
★英ラッセル報告書について、もろ手を挙げて歓迎するのは、もちろん温暖化脅威派です。
脅威派の研究者の牙城であるリアルクライメイト。ただし情報公開の要請はお気に召さない様子。
http://www.realclimate.org/index.php/archives/2010/07/the-muir-russell-report/
ゴアの本を翻訳し、江守氏と行動をともにすることが多い枝廣氏は都合のよいところしか見ようと
しません。
http://daily-ondanka.com/faq/archives/id002724.html?rf=rss
★懐疑派は報告書の内容にも懐疑的です。
ワッツはあの手この手でラッセル報告書を攻撃。
http://wattsupwiththat.com/2010/07/07/an-foi-ruling-more-significant-than-the-russell-review/
http://wattsupwiththat.com/2010/07/08/a-climategate-poll-that-might-go-terribly-wrong/
マッキンタイヤは、ジョーンズらによる恣意的な気温再構成に不満たらたら。
http://climateaudit.org/2010/07/08/the-disputed-reconstruction/
デリングポールは脅威派の言うがままに温暖化対策をすると年間 500 億ポンド(6.5 兆円)の国民
負担になると警告。
http://blogs.telegraph.co.uk/news/jamesdelingpole/100046507/never-mind-the-climategatewhitewash-what-about-our-new-50-billion-annual-climate-bill/
英文の記事でよく出てくるのが「whitewash」なる見慣れない単語。学校ではまず教わりません。
原義は「水漆喰」ですが、そこから転じて欠点や過失を隠す、ごまかす、うわべを飾るというマイ
ナスイメージがあるようです。
★日本語で読める長い記事は、ニューズウイーク日本版をどうぞ。
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_80469
★きわめつけは米国在住者による長大な報告。現地の情報をうまくまとめています。
http://d.hatena.ne.jp/nytola/20100708/1278644370
2 月末(ミクシーでは 12 月)のこれ↓と合わせると、事件のほぼ全貌が分かるでしょう。
http://d.hatena.ne.jp/nytola/20100228/1267418194
まだまだ火種は尽きません。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 73)
2010/ 7/14 0:33 [ No.3406 / 4820 ]
★京大の伊勢田氏はもう少しまともな人物かと思っていましたが、仲間のニセ科学批判者同様、危
ない橋を渡りつつあるようです。
http://twitter.com/tiseda
気温調査に気温上昇が多めに出るようなバイアスがかかっ
ているという Watts の告発は、調べてみたらバイアスのかか
ってるはずのステーションの方が温度が低かったという結
果が出てるはず。ブログ書いている人は当然知っててその
情報を伏せてるんだと思うが一見さんの読者には分からな
い。 1:27 PM Jul 12th web から
ワッツらが調べたステーションの 89%は、不適切な場所に設置されていました。
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2009/12/post-1.html
測定値の信憑性が疑われているときに、温度の高低を問題にするのは的外れだし、「~はず」「~
はず」「情報を伏せてるんだと思うが」と推定の域を出ていません。こんなロジックじゃ説得力ゼ
ロです。科学哲学者ってこの程度ですか?
温暖化懐疑派の最近の会議を紹介したブログ。懐疑派が
議論するのはいいんだが、ブログという形で素人が不用意
にアクセスできるのはどうかと思う。文脈の分業が必要。
http://d.hatena.ne.jp/nytola/20100708 1:24 PM Jul 12th
web から
温暖化論は難解なのに、140 字しか書けないツイッターで軽々しく言い切るのは無謀です。「素人
が不用意にアクセス」と、大学教員の思い上がりも嫌味です。ブログだろうが、素人だろうが、新
しくてたくさんの適切な情報を集め、それをもとに論理的に議論することが重要だと思います。
kikulog なんてバイアスがかかった国立大学ブログに素人が不用意にアクセスし、的外れな雑談を
するのは確かに問題ですが。
★応用物理 7 月号の巻頭言「地球環境問題と科学者の使命」
http://www.jsap.or.jp/ap/2010/ob7907/p790591.html
著者は東京大学名誉教授で日本化学連合会長の御園生誠氏。
不確実性が高い中で可能な限りの科学的な予測をもとに妥
当な対策を講じ(過剰な対策も危険),効果をモニターしなが
ら対策を柔軟に修正することが大事です.このような作業に
科学者が大いに力を貸すべきです.ところが,科学者の中
でさえ,利益誘導や付和雷同の風潮,体制にすり寄る傾向
がみられます.今こそ,科学者は,胸に手をあて「科学の基
本倫理」(科学・技術のあり方)を真摯〔しんし〕に考え行動す
べきです.そうしないと,世界も国も道を誤ることになります.
御園生氏は、科学者が過激な温室効果ガス削減策の推進に手を貸すことを強く牽制しています。著
名な物理学の学会誌で、科学界の重鎮(前製品評価技術基盤機構理事長で安井先生の前任者、学術
会議のニセ科学シンポのパネリストでした=No.797 参照)がこうした寄稿をしたこと、また編集
委員会が寄稿依頼したことは注目すべきでしょう。
★環境省が独立調査委の報告をさっさと翻訳しています。保身につながる仕事は素早い。
英国イーストアングリア大学により設置された独立レビュー組織による「クライメートゲート事件」
レビュー結果の公表について(お知らせ)
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12697
★スタンフォード大による 1000 人調査
http://news.stanford.edu/pr/2010/pr-global-warming-poll-061010.html
1 か月前の時点で、米国人の 4 分の 3 は、人為的地球温暖化説を支持しているとのことです。
★懐疑派の拠点である ICCC 会議の概要
http://www.heartland.org/events/2010Chicago/
★調査はまだ終わらない?
http://opinion.financialpost.com/2010/07/10/lawrence-solomon-reopen-climategate-hearings-saysuk-parliamentarian/
クライメイトゲート事件の最新事情(その 74)
2010/ 7/15 1:50 [ No.3419 / 4820 ]
JAMSTEC の増田氏ウォッチングです。kikulog で地球温暖化問題について広く解説していますが、
氏が温暖化懐疑論バスターズの一員であることを忘れてはいけません。氏の解説は決して中立的で
はなく、主流派の立場を損ねないようにお化粧したものです。そこを見ていきましょう。
★きのうの kikulog の投稿
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1279063432
IPCC 報告は「政策的提案を含んでいない」「21 世紀末の気温
上昇を 2℃以下にすべきだとか,2050 年に二酸化炭素排出を
半減すべきだとは書いてない」というのはそのとおりです。現
実に IPCC に参加した人が政策提案的発言をすることはあり、
それが IPCC が言ったかのように伝わることもありますが、伝
わる過程での情報変質であることは明らかなので、発言者個
人の意見として受け止めていただきたいです。
下っ端ではなく、パチャウリ議長がそのような発言をしたのであり、それが独り歩きするのを許し
たのは IPCC 全体の問題です。日本でも「首相の意向は党の意向と違う」との発言が世論の反発を
招いたのはつい最近のこと。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1279063432
NCDC は、Watts たちの指摘を受けたこともひとつのきっかけと
して、観測所付近のローカルな影響の疑われる地点を除いて
USA 国内の集計をやりなおしています。結果として、温度の変
化傾向はほとんど変わらなかったそうです。
「ごめんですめば警察はいらない」的なすり替えの論理ですね。「結果が変わらなかった」ではな
く、お粗末なデータを採用した科学者の姿勢が非難されたのですから。
★No.3268 で取り上げた kikulog の投稿の元になっている読書ノート「クライメートゲート事件 /
Climategate (Mosher & Fuller)」
http://macroscope.world.coocan.jp/ja/reading/mosher_fuller.html
JONES や MANN は確かに IPCC 報告書の著者になったが、
IPCC 全体を指導しているわけではない。仮に「チーム」の行
動に科学者倫理的問題があったとしても、気候にかかわる
科学者全体、あるいは IPCC 全体がまずい状態にあるとは言
いがたい。本書はそういう一般化をしようとしているようだが、
成功していないと思う。
IPCC の教義ともいえる「温室効果ガスの人為的な排出による気温上昇」説にとって、ジョーンズ
やマンの論文は重要な意味を持ちます。「IPCC 全体を指導しているわけではない」「IPCC 全体
がまずい状態にあるとは言いがたい」という表現で、彼らの問題行動の影響が少ないように見せか
けていますが、訳書の「地球温暖化スキャンダル」を普通に読んでいけばそうではないことがわか
ります。
暴露されたメールの、とくに学術雑誌の査読に関する議論な
どから、JONES や MANN が「懐疑派」を敵視していたらしいこ
とが感じられる。どうやら、MCINTYRE たちは個人的正義感お
よび好奇心で行動していて、化石燃料産業傘下の宣伝屋で
はなかったらしいのだが、宣伝屋がさかんに MCINTYRE たち
の材料を使うので、JONES たちから見ると両者の区別がつ
かず、ひとつの悪意ある集団に見えたようなのだ。
増田氏はひとことも触れていませんが、マッキンタイアは IPCC の査読者です。外野の素人がちょ
っかいを出しているのではありません。査読者が職責を果たそうとしたのに、そこを捻じ曲げて伝
えるのは困った情報操作です。そうまでしないと自分たちバスターズの立場が危うくなるとでも思
っているのでしょうか。
★電子メール削除で日本振興銀行元経営者らを逮捕
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100714k0000e040001000c.html
サーバーに保管されていた約 280 件の「都合の悪い」メールを意図的に削除するなどして、銀行検
査を妨害したとの容疑。英イーストアングリア大で行われたのと同じ性質の行為です。英国でも情
報公開法に違反していましたが、No.2981 で取り上げたように、いわゆる時効で関係者は訴追を免
れています。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 75)
2010/ 7/16 21:35 [ No.3432 / 4820 ]
増田氏が約 2 か月ぶりにブログ更新。
いわゆる Climategate [クライメートゲート]、わたしなりの問題整理
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100716/1279258003
マンやジョーンズら<チーム>が、IPCC 報告書に自説を捻じ込もうとしたことには依然ノータッ
チ。氏が隠したい<チーム>の所業を詳述している『地球温暖化スキャンダル』の 3~6 章冒頭の
要約を紹介しましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
3章 研究所長の心変わり
▽要約 2007 年刊行の重厚な IPCC 第 4 次報告書(AR4)は、最終稿の締切が 2005 年の末だった。
報告書に引用する学術論文は、掲載ずみか、審査がすんで掲載予定になったものだけ。第 3 次報告
書の目玉になって一世を風靡したマンの「ホッケースティック」は、カナダのマッキンタイアが
「折って」しまった。そこで<チーム>は、代打にぴったりの論文を、締切までにパスさせなけれ
ばいけない。とにかく「近年の気温上昇は前代未聞」だと政治家にわからせる ――それが IPCC の使
命だった。いまより高温の中世温暖期は願い下げで、近年の気温急上昇を語る地上気温グラフは必
須アイテム。地上気温のグラフこそが、近年の異常な昇温をきれいに見せている。気温の元データ
をどう加工したのかも、都市化(ヒートアイランド化)が気温にどれだけ効くのかも、いまさら問
題にしてはいけない。
ホッケースティックの代用品、そっくりの古気候グラフを見つけようと必死だった<チーム>と仲
間は、メディアやマッキンタイアの高まる批判をかわしつつ、ぴったりの結果を審査ずみ論文にで
きた。当時の流出メールが、守勢を強め、批判者を「詐欺師」と呼び、こちらとあちらに世界を二
分し、敵に襲いかかりたい彼らの意思と、外圧の高まりをよくうかがわせる。<チーム>の 2 名が、
マッキンタイアのマン批判をかわせる論文を書く。そこで、IPCC 報告書の締切に合わせ、論文を
審査ずみにするのが使命となる。幸い、内部には仲間がいた。古気候を扱う第 6 章の責任執筆者ブ
リッファが、<チーム>の主力メンバーだった。
本章では、データ公開にからむジョーンズの心境変化をじっくりと追う。2002 年時点の友好的な
心は、マッキンタイアが 2003 年に論文を出し、それをマンが手ひどく批判するなかで消え失せた。
マッキンタイアの論文と、それに向けた反論がネットを活気づけていった 2004 年、<チーム>は
反撃にかかる。ブログサイト RC(RealClimate)の開設だ。2004 年の末ごろ、マッキンタイアとマ
ッキトリックは、新論文を有力な学術誌 GRL(Geophysical Research Letters)に採択させた。そこ
でマンは、マッカーシー主義者かと見えた同誌編集長の排斥キャンペーンにかかる。ジョーンズと
ウィグリーとマンは、情報公開法を心配しだす。もう最初の公開請求が来る前にジョーンズは、マ
ッキンタイアが情報公開法のことに気づいたらデータを消すと脅した。マッキンタイアの論文は
2005 年の 2 月に掲載される。マンはデータの秘匿を心に決めた。ジョーンズはマンを見習い、以
前は気安く公開していたデータをひた隠しにする。
4 章 疑惑の論文
▽要約 学者社会の内紛めいた話が、気候科学の緊迫した路線闘争に変わりつつあった。IPCC の
AR4、作業部会(WG)1 分冊の締切が迫る。マッキンタイアのマン批判論文が最新知見になってしま
うと、IPCC の筋書きがすっかり狂う。だが締切の前、マッキンタイアを打ち砕くワールとアマン
の論文が審査を通れば、第 6 章の執筆責任者 14 名のひとり、<チーム>の主力メンバーでもある
ブリッファには、マッキンタイア論文を引用文献から落とす道も開ける。
1 次草稿を書くブリッファは、第 6 章全体の総括執筆責任者、アリゾナ大のオーバーペックから圧
力を受け続けた。ワールとアマンの論文(WA 論文)は、科学の作法に外れる記者会見で宣伝したも
のの、審査はいぜん難航中。オーバーペックからは作業の締切を守れと指示が来る。WA 論文の暫
定版コピーと、マンのコメントは手元にあっても、審査をパスしないかぎり第 6 章には引用できな
い。
まずいことに懐疑派のマッキンタイアが、WG1 分冊の査読者(39 か国 624 名)に名を連ね、第 6
章の担当だった。彼は自身のブログで、WA 論文の審査パスに向けた<チーム>の悪戦苦闘をリア
ルタイムで報じる。アマンとワールの論文 2 篇は、最終的に 1 篇だけパスするものの、掲載は
IPCC の締切を大幅に過ぎたあと。また結局のところ、期待どおりの戦果を生むものでもなかった。
肝心な第 6 章は、関係者がこまかい事情をつかむ暇もないまま印刷・発行されてしまう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 76)
2010/ 7/16 21:36 [ No.3433 / 4820 ]
5 章 データを見せろ
▽要約 マンらの「ホッケースティック」(MBH98・99 論文)をマッキンタイアとマッキトリック
(MM03 論文)が手ひどく批判した。国の政策にもからむ話だったから米国の連邦議会は大問題とみ
て、下院が科学アカデミーに調査を依頼。名高い統計学者ウェグマン率いる調査委員会は、MM03
論文の主張をほぼ全面的に支持したほか、近親相姦ふうの<チーム>が共著論文を書き、それを仲
間うちで審査し合い、論文の採否を決める編集委員長となり、研究費の獲得でも手を組む相愛図を
浮き彫りにした。
本章では、序章に述べた話のひとつ、英国の情報公開法(FOIA)をめぐる<チーム>の裏工作を眺め
よう。一度かぎりの話ではなかったし、一度だけ度を越した話でもない。FOIA 施行(2005 年度)
の当初から、<チーム>と情報公開担当官が口裏を合わせてきた戦略だった。
英国にも FOIA があるとマッキンタイアが知るのでは?――ジョーンズの不安は的中する。マッキ
ンタイアのブログ CA(ClimateAudit)では、ジョーンズが 1990 年に出した『ネイチャー』論文をめ
ぐる都市化(ヒートアイランド化)の問題や、2005 年にヒューズ(オーストラリア)のデータ請
求を拒んだ件が話題になった。まず CA の常連エッシェンバックが CRU(イーストアングリア
大・気候研究所)に FOIA 請求をし、マッキンタイアも続いた。請求したのは単純な情報なのに、
CRU は誤解・当惑のフリを装い、あれこれ言い訳を並べてデータ開示を拒む。だが<チーム>内
のおびただしい交信メールが裏工作を明るみに出した。最後は CRU も折れ、1990 年のジョーンズ
論文に使われたデータの一部を公開する。
6章
ダビデの軍勢
▽要約 IPCC 第 4 次報告書(AR4)の査読者マッキンタイアは、虎の子の論文を死守したい<チー
ム>の気迫に負けた(4 章)。それで<チーム>の意気も上がる。マンの「ホッケースティック」
には傷が少々あった。だが新論文を引用できて、近年の気温上昇は前代未聞だという中核教義を、
聖典ともいえる報告書が保証したのだ。
けれどマッキンタイアはくじけない。新しい道具 FOIA を使い、法廷会計めいたデータ探索を始め
る。皮肉なことに、査読手続きで<チーム>が使ったトリックはマッキンタイアに天啓を恵み、裏
工作の証拠(相談メール)を請求する気にさせた。裏工作の発覚を恐れたジョーンズは、交信メー
ルを消せと仲間に指令。いつもの隠蔽工作だ。またマッキンタイアは、ブログ CA の常連ばかりか、
名高いアンソニー・ワッツのブログ WUWT(Watts Up With That?)の常連からも大きな助けをも
らう。
彼らは米国の気温観測点をしらみつぶしに調べていた。1990 年のジョーンズ論文に書いてある都
市化の影響を疑ったマッキンタイアは、観測点ひとつひとつに目を注ぐ。それを知ったワッツは、
米国の観測点を調べ始めた。都市化にからむデータとコードを追う話の焦点が、1990 年のジョー
ンズ論文から、NASA の GISS(ゴダード宇宙研究所)が発表する地上気温のデータ(GISTEMP)
と計算コードに移った。データやコードの一部は、紆余曲折のすえに公開される。
マッキンタイアの FOIA 請求のうち、AR4 の第 6 章を査読した人たちのコメント請求が画期的だっ
た。ブログの読者は、第 6 章の執筆者が交わした通信記録も FOIA 請求する。ウェブスターという
研究者がデータを手に入れたと知ったマッキンタイアは、ジョーンズに全世界の気温データを請求。
その行動と、FOIA 請求を逃れたい CRU の画策が、クライメートゲート事件の前奏曲になる。
(後略)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このように、『地球温暖化スキャンダル』にはクライメイトゲート事件の直前までの状況が描かれ
ています。増田氏は「McIntyre を中心とする人たちの 2009 年夏以後の CRU に対する情報請求の
件数は異常で、大学が拒否という結論を出したのも無理もないと思う」と書いていますが、それ以
前に<チーム>が自分たちの不利になる情報公開を渋っていたことがその原因だったとは述べてい
ません。これは立派な情報操作です。
上記の要約が実情と違うのなら、氏はきちんと説明すべきでしょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 77)
2010/ 7/22 1:06 [ No.3458 / 4820 ]
★巨星落つ
地球温暖化脅威派の著名な論客だったシュナイダー氏が死去。
http://www.47news.jp/CN/201007/CN2010072001000178.html
スティーブン・シュナイダー氏(米気候学者)19 日、心臓発
作のためストックホルムからロンドンに向かう機中で死去、
65 歳。教授を務めるスタンフォード大が発表した。
07 年にゴア元米副大統領とともにノーベル平和賞を受賞し
た国際組織「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)で、
報告書執筆を担当するなど中心的な役割を果たした。
地球温暖化研究の権威として、ニクソン政権以降の米歴代
政権に助言を与えてきた。「地球温暖化で何が起こるか」な
どの邦訳書がある。
<チーム>とは違って良心的だった氏の急逝を悼み、敵対していたマッキンタイアもワッツもさっ
そく弔辞を送っています。
http://climateaudit.org/2010/07/20/stephen-schneider/#more-11490
http://wattsupwiththat.com/2010/07/18/quote-of-the-week-stephen-schneider-jumps-the-skark/
クライメイトゲート事件で流出したメールには、まったく逆のケースで脅威派が「ざまあみろ」的
な捨て台詞を残しています。
★画期的な温暖化理論か?
だからCO2は関係ないって言ってるのに
http://mutohakara.blog87.fc2.com/blog-entry-258.html
元になる記事などはこのあたりに。
http://kirkmyers.wordpress.com/2010/07/17/miskolczi-destroys-greenhouse-theory/
http://www.examiner.com/x-7715-Portland-Civil-Rights-Examiner~y2010m1d12-HungarianPhysicist-Dr-Ferenc-Miskolczi-proves-CO2-emissions-irrelevant-in-Earths-Climate
★小宮山元東大学長が環境相特別顧問に就任。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100716/plc1007161946023-n1.htm
小宮山氏といえば、温暖化をめぐる国際感覚がない人と考えられています。
http://eco.nikkei.co.jp/interview/article.aspx?id=MMECi1000006042009&page=1
地球温暖化に関する懐疑論は、海外ではほとんど問題にな
っていないんです。ダボス会議などの国際会議の場でも、も
はや温暖化の事実を前提に「どう対応していこうか」という
話し合いしかされていませんよ。
環境省は「毒を食らわば皿まで」の決意?
★懐疑派叩きのブログ
環境問題についてよりよい情報提供を目指しているそうですが、
http://blogs.yahoo.co.jp/eng_cam_fld_tgs
脅威派のブログ主に投稿者も賛同し、懐疑派を揶揄している部分が目立ちます。肝心のクライメイ
トゲート疑惑については、完全な脅威派視点。都合のいい情報だけを流しています。
いつものブログ。ブログ主は貴重な米国情報をもたらした nytola さんの揚げ足取りをしましたが、
こてんぱんに逆襲されました
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100720/1279628697
懐疑論を見るとまず曲解にかかり、素直に向き合えないとは哀れです。
★kikulog に新人あらわる
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1279717555
実名の科学翻訳者を名乗っていますが、海外事情に疎く、クライメイトゲート事件の経過を追い切
れてはいないようです。おまけに kikulog がどんなところか、よく分かっていない様子。大学内の
サイトということで、根拠のない安心感に浸っているのかもしれません。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 78)
2010/ 7/24 2:02 [ No.3477 / 4820 ]
米国から的確なクライメイトゲート事件関連情報を送ってきている nytola さんの日記に投稿し、お
返事をいただきました。
http://d.hatena.ne.jp/nytola/comment?date=20100708&section=1278644370
★SSFS 2010/07/21 12:51
はじめまして。nytola さんのリポートを大変興味深く読まさせていただきました。ニセ科学方面で
調査している SSFS と申します。この 5 年ほどはマイナスイオンについてあらゆる観点から調べて
おり、結果をヤフー掲示板に書き止めています。現段階ではマイナスイオンをニセ科学扱いしてい
る大学人らはまともな知見も持ち合わせておらず、ただ先入観によってマイナスイオンを否定して
いるという認識を持っています。
面白いことに、そのニセ科学批判者たちは温暖化懐疑論にはまったく耳を貸そうとしません。ニセ
科学とは「科学を装いつつも科学ではないもの」というもの。人為的温暖化論はかなり危ない橋を
渡りつつあるのに、ニセ科学批判者たちはそこを検証しようとせず、IPCC にすり寄ったものの見
方を示しています。非常に面白い現象だと思います。
私自身は 2 年ほど前から、同掲示板に人為的温暖化論がニセ科学である可能性を書いています。ク
ライメイトゲートについては 11 月 25 日の「地球温暖化説にデータ捏造疑惑」が皮切り。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&board=1835549&tid=a1va5dea5a4a5ja59a5a4a5aaa5s
a1w4fbbkbcbc&sid=1835549&action=m&mid=2857
約 7 カ月間追い続け、きょうの「クライメイトゲート事件の最新事情(その 77)」に至っています。
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835549&tid=a1va5dea5a4a5ja59a5
a4a5aaa5sa1w4fbbkbcbc&sid=1835549&mid=3458
米国では、人為的温暖化論がまともな科学なのか、それともニセ科学なのか、どれくらいの議論が
あるでしょうか。ご教示いただければ幸いです。
★nytola 2010/07/22 00:44
SSFS さん、
私もマイナスイオンはプラシーボかエセ科学のような気がしていましたが、確かによく調べたわけ
ではないです。いつか時間があるときにでも勉強してみます。
Yahoo の掲示板を見させて頂きましたが、温暖化にまつわる疑惑について随分とアンテナを張り巡
らしていますね。マスコミが報じないのなら、日本でも誰かが Blog で随時、最新の情報を発信す
る必要があると思います。
> 米国では、人為的温暖化論がまともな科学なのか、それとも
> ニセ科学なのか、どれくらいの議論があるでしょうか。
マスメディアは温暖化擁護派と否定派に分かれていますが、どちらも温暖化を巡る疑惑は伝えてい
ます。Climategate や IPCC-Gate で地球温暖化がまやかしだったことが報じられ、オバマ政権と民
主党は地球温暖化の脅威を必死に宣伝していますが大多数の市民は呆れており、もはや中間選挙の
テーマにすらなっていないです。
学界では、脅威派が懐疑論を政治力を使って握り潰そうとしていますが、研究者の多くは冷ややか
に見ています。地球が温暖化していないこと。脅威派が何と言おうと、その事実は否定できません
から。
★温暖化法案の審議入り断念=世界の取り組みに影響も-米上院
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010072300684
【ワシントン時事】米上院のリード民主党院内総務は 22 日、温
室効果ガスの削減目標などを盛り込んだ包括的な温暖化対
策・エネルギー法案の審議入りを断念する方針を表明した。
共和党議員の支持を全く得られておらず、成立の見込みが
立たないため。米国のみならず、世界の温暖化問題への取
り組みに影響が出る可能性もありそうだ。
包括法案はケリー上院外交委員長(民主)が 5 月に発表。2020
年までに温室効果ガスを 05 年比で 17%削減することや、排出
量取引の導入などが柱だ。オバマ大統領は内政の最重要課
題の一つとして後押ししてきた。
nytola さんがまさに指摘する通り、米国では脅威派の威光ががずたずたになっているようですね。
日本の政界はどう反応するんでしょうか。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 79)
2010/ 7/30 1:01 [ No.3583 / 4820 ]
★電気新聞が東大・渡辺正教授にインタビュー
vol.1「ゆらぐ地球温暖化科学」
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/special/20100720_01.html
vol.2「CO2 は悪者ではない?」
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/special/20100726_01.html
次回は 8 月 2 日に更新の予定。
★反原発の闘士、槌田氏が人為的温暖化説に立ち向かって活躍しているのを、同じ立場の広瀬氏が
見逃すはずがありません。新著を出しました。
広瀬隆著『二酸化炭素温暖化説の崩壊』(集英社新書)
http://shinsho.shueisha.co.jp/kikan/0552-a/index.html
しかし、大変できの悪い本です。ここ 10 年程の地球の気温上昇の停滞を自分一人が発見したかの
ように騒ぎ立て、クライメイトゲートをメディアがほとんど報じていないと決めつけるなど、傍若
無人にもほどがあります。また、上述の渡辺氏の「化学」への投稿を「図書館で読まれたい」と書
いており、おそらくネットリテラシーが欠如していると思われます。下記のブログ主の感想は私の
ものと多くが重なります。
http://blogs.dion.ne.jp/tacthit/archives/9581467.html
冥王星の例えは最悪であり、広瀬氏が老醜をさらけ出しているといっても過言ではありません。
★毎日新聞はいまだに温暖化脅威派の言い分を鵜呑みにした記事を掲載しています。
IPCC:国連報告書、捏造疑惑・記述ミス 地球温暖化「結論揺るがず」--調査委
http://mainichi.jp/select/science/news/20100726ddm016040004000c.html
メキシコ:農業、温暖化の影響深刻 今後 70 年で労働力の 1 割米移住?
http://mainichi.jp/select/science/news/20100727ddm002030077000c.html
★2013 年に出るはずの IPCC 第 5 次報告書(AR5)の執筆者決まる
http://www.ipcc.ch/pdf/press-releases/ipcc-wg1-ar5-authors.pdf
日本人は以下の通り。
Chapter 3: Observations: Oceans
Lead Author Shigeru AOKI
Review Editor Yukihiro NOJIRI
Chapter 5: Information from Paleoclimate Archives
Lead Author Ayako ABE-OUCHI
Chapter 7: Clouds and Aerosols
Lead Author Yutaka KONDO
Chapter 8: Anthropogenic and Natural Radiative Forcing
Lead Author Teruyuki NAKAJIMA
Chapter 9: Evaluation of Climate Models
Lead Author Seita EMORI
Chapter 10: Detection and Attribution of Climate Change: from Global to Regional
Review Editor Tetsuzo YASUNARI
Chapter 11: Near-term Climate Change: Projections and Predictability
Lead Author Masahide KIMOTO
Chapter 14: Climate Phenomena and their Relevance for Future Regional Climate Change
Lead Author Akio KITOH
160 人中わずか 9 人で、Chapter を仕切る Coordinating Lead Author はいません。オーストラリア
人は 13 人で、Coordinating Lead Author がそのうち 4 人。日本の存在感はこの程度ということの
ようです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 80)
2010/ 8/ 5 0:08 [ No.3610 / 4820 ]
★独プランク研究所が新しい地球温暖化モデル
21 世紀末までに、CO2 排出ゼロを求めています
http://www.mpg.de/english/illustrationsDocumentation/documentation/pressReleases/2010/pressRel
ease20100802/
以前はよくあったけれど、最近はとんと見かけない炭素収支だけに着目したシミュレーションのよ
うです。この手のものは絶滅したと思っていたのですが、ドイツでは生き残っていたんですね(遠
い目)。他の温暖化(寒冷化)要因や代替エネルギー源に言及しなければ、シミュレーションは絵
空事でしかありません。
★温暖化したとはいえ…
地球温暖化は否定できない、米政府報告
http://earthbottle.blog123.fc2.com/blog-entry-1377.html
No denying climate change
http://www.timesargus.com/article/20100803/OPINION01/708039959
人為的な温室効果ガス排出が原因とは言っていないのがミソ。
★温暖化懐疑論バスターズの増田氏のブログ
世界の地上気温データ整備の動き
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100801/1280683870
英国気象庁がこうしたことに着手したのは、研究者がデータの秘匿をもくろんだクライメイトゲー
ト事件できっかけなんですが、増田氏はそんなことはおくびにも出しません。
★英報告書のある見方
クライメートゲート事件を闇に葬ろうとする人々 (その 1)
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-587.html
クライメートゲート事件を闇に葬ろうとする人々 (その 2)
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-entry-588.html
以前にも紹介したように、出来レースの疑いが拭えていません。
★東大・渡辺氏の電気新聞インタビュー最終回
地球温暖化問題のウラ側
http://www.shimbun.denki.or.jp/news/special/20100802_01.html
中部大・武田氏の主張も取り入れています。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 81)
2010/ 8/ 7 22:14 [ No.3626 / 4820 ]
★先週のニューズウイーク日本版(8 月 4 日号)の表紙は「世界に広がるエコ疲れ」。
http://www.newsweekjapan.jp/magazine/30573.php
ヘッドラインは「グリーン政治に立ち枯れの時
温暖化対策は無駄だらけの金食い虫―効果もプロ
セスも不透明なエコ政策が失速している」という記事。「わずか 3 年前、地球温暖化という話題は
政治の世界を席巻していた」と始まり、「だが今や世界のほぼすべての国で、温暖化対策は政治問
題としての威光を失っている。過去 2 年間に北半球では記録的な寒さの冬が続き、世界的な経済危
機も勃発。有権者はもはや温暖化対策を最優先課題の1つと見なさなくなった」と低迷ぶりを描き
ます。
衝撃的だったのは、温暖化対策の強化を公約に掲げて政権を奪取したオーストラリアのラッド前首
相の失脚。「世界最大の石炭輸出国であるだけでなく、人口 1 人当たりのエネルギー消費量も世界
トップクラス。温暖化対策を進めれば、人々の生活は計り知れない変化を強いられる」点が致命的
だったようです。日本のお手本のように言われてきたドイツの太陽光発電への補助金制度を「おそ
らく世界一無駄な温暖化対策だろう」と切り捨てています。
そこに追い打ちをかけたのがクライメイトゲート事件。「調査の結果ほとんどの疑惑は事実無根と
されたが、IPCC の信用は傷ついた。IPCC が唯一現実的な温暖化対策として推進してきた CO2 削
減も、一段と痛手を受けた。グリーン戦略が説得力を失うに従って、気候変動は多くの重要課題の
1 つにすぎないとの認識が広がってきた。これは気候変動対策が、欧州の最重要課題から脱落する
可能性を示している」と指摘しています。
何が何でも温暖化を食い止めるのではなく、コストと便益を天秤にかける見方も始まっており、
「温暖化への適応努力は CO2 削減と同じくらい有効で、しかもずっと安価な選択肢かもしれない」
とより現実的な模索が進んでいることをうかがわせています。
筆者のベルリン支局シュテファン・タイル氏は、ワールド版の 7 月 14 日号で「気候科学の不確か
な真実」も書いています。
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/08/post-1520.php
★読売新聞が 5 日の社説「地球温暖化対策 米国の後退で遠のく国際合意」
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100804-OYT1T01270.htm
政府は、先の国会で廃案となった地球温暖化対策基本法案
を次の臨時国会に再提出する方針だ。そこには、「90 年比
25%削減」も盛り込まれている。
この目標には産業界などに強い反発がある。この際、政府
に必要なのは、法案提出を急がず、じっくり議論する姿勢
だ。国際交渉の動向を見極めつつ、25%削減について再検
討すべきであろう。
変わりつつある国際情勢を踏まえ、温室効果ガスの性急な削減をけん制しています。
★朝日新聞は 5 日のオピニオン面で、私の視点「温暖化データ誇張疑惑」(ネット未掲載)。
21 世紀政策研究所の澤明裕氏が「政治化せずに科学的根拠を」、東大の中島映至氏が「改善必要
でも結論覆らない」と主張。読売より古い議論をやっている感があります。中島氏はクライメイト
ゲートにおけるデータの秘匿行為について解説していません。これは温暖化脅威派にほぼ共通する
恣意的な行為です。
★水説:CO2 と政治的誠実=潮田道夫
http://mainichi.jp/select/opinion/ushioda/news/20100804ddm003070072000c.html
一部気候学者がデータ偽造に走った「クライメートゲート」事
件が痛かった。これで温暖化地獄の信用性に疑問符がつい
たのは確かだ。
であれば、削減目標がゆらぐのは仕方ないことです。
★国立環境研の地球環境研究センターニュース 7 月号で座談会「IPCC 疑惑をめぐって」
http://www.cger.nies.go.jp/publications/news/vol21/vol21-4.pdf
言わずもがな。IPCC に深くかかわっているインサイダーらしい受け止め方です。
★ポスト京都、年内合意厳しく=南北の主張平行線―国連作業部会
http://www.asahi.com/international/jiji/JJT201008060066.html
クライメイトゲート事件の最新事情(その 82)
2010/ 8/13 3:23 [ No.3655 / 4820 ]
★米国在住の nytola さんがツイッター(こちらのお名前は Haru Santa Fe)で、人為的地球温暖化
への疑惑について、北米の新しくて有益な情報を次々と伝えてくれています。
http://twitter.com/harusantafe
・昨年パブリッシュされた『地球温暖化で海面が急上昇する』という Nature Geoscience の論文が
取り下げられた。
http://www.nature.com/ngeo/journal/v3/n3/full/ngeo780.html
・カナダの McKitrick 教授による Climategate 事件の詳細レポート。事実を列挙し、CRU など気候
変動の科学者によるデータ隠蔽・改竄・捏造を糾弾。
http://rossmckitrick.weebly.com/uploads/4/8/0/8/4808045/inquiries_response.pdf
・人工衛星(NOAA-16, 2000~)による気温観測が実際より 5.6~8.3℃も高く記録されていたこと
を NOAA のスポークスマン(C.Pistis)が認める。『近年の異常に高い世界気温の算出には、その
データが使われていた』
http://www.climatechangefraud.com/climate-reports/7491-official-satellite-failure-means-decade-ofglobal-warming-data-doubtful
・NOAA は問題の衛星(NOAA-16)のデータを全てホームページ上から削除した模様。10 年に及
ぶ地球の気温データ。こちらの HP では『衛星センサーにエラーがあったから無視してくれ』と注
意書き。
http://www.coastwatch.msu.edu/
・温暖化の中心的な問題点をまとめた Pangubarn のレポート『合意の上になされた間違い
(Mistakes made by the concensus)』。
http://climaterealists.com/attachments/ftp/Mistakes%20made%20by%20the%20Consensus.pdf
・たった一つの観測ステーションで『ネパールは年間 0.09℃急激に温暖化している』と IPCC は断
定。
※こちらは WUWT に詳しいです。
More Gunsmoke, This Time In Nepal
http://wattsupwiththat.com/2010/08/11/more-gunsmoke-this-time-in-nepal/
★山口光恒氏のコラム
英国の中長期目標の内容と評価
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/81/index.shtml
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/82/index.shtml
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/yamaguchi/83/index.shtml
★地球温暖化スキャンダルのレビュー。
クライメートゲート事件を具体的に明かす貴重な和書 (その 1)
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-date-20100810.html
クライメートゲート事件を具体的に明かす貴重な和書 (その 2)
http://ishizumi01.blog28.fc2.com/blog-date-20100811.html
★こうして、クライメイトゲート事件やらそれにからむデータの捏造、改竄、秘匿、CO2 削減の
根拠のなさなどの論拠が次々と上がっているというのに、kikulog の「地球温暖化懐疑論批判」の
エントリときたら、そういう最新事情に背を向け、時代遅れでピント外れの投稿が続いています。
ブログ主の絶望的な情弱に起因するのでしょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 83)
2010/ 8/21 0:24 [ No.3668 / 4820 ]
★民間人の活躍
地球温暖化懐疑派の先頭を行くアンソニー・ワッツ氏が自信をもって送り出した、ホッケースティ
ック曲線を否定する統計学の論文
BREAKING: New paper makes a hockey sticky wicket of Mann et al 98/99/08
http://wattsupwiththat.com/2010/08/14/breaking-new-paper-makes-a-hockey-sticky-wicket-of-mannet-al-99/
温度計がなかったころの気温の代替データの確かさは低く、それをもとにしたシミュレーションの
延長上で将来の地球温暖化を言い当てるのは無理、という内容のようです。IPCC の解釈に真っ向
から衝突する内容なので、ワッツ氏が得意になってブログの先頭に置き続けており、コメント数は
1000 の大台に近付こうとしています。
脅威論者の牙城である realclimate では論評もありません。
http://www.realclimate.org/
一方、国内では産経新聞の『国に代わって土地まで確保「気象観測の黄門さま」』
http://sankei.jp.msn.com/science/science/100819/scn1008190257001-n1.htm
一個人が 500 万円もの私費を投じて用地を提供するだなんて、とても信じられません。しかし、す
でに毎日新聞に掲載されていました。
http://megalodon.jp/2010-0220-013220/mainichi.jp/select/weathernews/news/20100214k0000m040094000c.html
気温の元データの質を確保することは非常に大事です。前出のワッツは都市部の観測データがおか
しいことを実地調査して告発しました。派手さは違うものの、両者には共通点があります。『地球
温暖化スキャンダル』によると、プロの気象関係者は質を確保する活動を自力でやらず、支援しな
いどころか、妨害までしています。研究に都合のいいデータを求める態度は、クライメイトゲート
事件の遠因ともいえます。
★朝日新聞社説
温暖化対策―受け身脱し自前の戦略を
http://www.asahi.com/paper/editorial20100818.html#Edit1
この新聞はいまだに温暖化対策をしなければいけない理由=科学的根拠についてきちんと検証して
いません(No.3626 参照)。しかも「米国、欧州連合、中国などは自前の方針や政策を決め、国際
交渉で反映させようとする」とありますが、欧米ともに腰砕け。中国は自国の不利になることはや
らないので、日本が前向きな対策をすれば必ず国民に不利益が降りかかるという構造になるのを隠
しています。
★澤氏のコラム
京都議定書の延長論が再燃? 正念場迎える日本の外交
http://eco.nikkeibp.co.jp/em/column/sawa/17/index.shtml
日本は「すべての主要排出国が参加する公平かつ効果的な
法的拘束力のある枠組み構築に向け全力を尽くす」というこ
とを主要要素にした政治的スピーチを、どこかの時点と場所
で行わなければならない。
とありますが、それが実現すると考える楽観論者ではないでしょう。
★毎日新聞記事
CO2:植物の吸収量減少 温暖化影響か 米大学分析
http://mainichi.jp/select/science/news/20100820k0000m040124000c.html
過去 10 年間に植物が吸収する CO2 換算量が、日本の年間排出量の 1.6 倍も減ったという報告。ど
こまで人為的要因がからんでいるか書いていません。「減少傾向が事実なら、対策の大幅な前倒し
が必要になる可能性がある」ではなく、手の施しようはないのが本当のところでしょう。
★崩落する棚氷
グリーンランドの「氷の島」分離、地球温暖化の警鐘
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2748885/6084521
島に雪が降れば棚氷はやがて海に押し出されます。南極でもたまにある現象。それが温暖化と直結
するとはいえません。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 84)
2010/ 8/21 0:39 [ No.3669 / 4820 ]
★菊池氏のトンデモつぶやき
http://twitter.com/kikumaco
@y_mizuno 信心という意味がわかんないけど、Revkin は IPCC
の結論を再確認しただけです。温暖化傾向には疑いの余地
がないと書かれているが、人為起源まで疑いの余地がないと
は書いてない、と。 harusantafe さんは英語を読み違えてい
る 9:39 AM Aug 12th Seesmic から
米国在住の気候研究者の harusantafe さん(nylota さん)が英語を読み違えているという暴論は、
どういう発想から来るでしょう。
このことを nytola さんに指摘しましたが、ご本人は泰然としています。
http://d.hatena.ne.jp/nytola/comment?date=20100708§ion=1278644370
アメリカのメディアでは温暖化は Climategate 及び IPCC-Gate
で科学として破綻し、温暖化対策法案の成立阻止によって政
治的にも終わってしまったという認識です。
先月、Forbes は社説で『地球温暖化ムーブメントの死』として
取り上げていますし、脅威派の NY Times でさえ社説で『万策
尽きた』と敗北を認め、懐疑派に寝返った McCain 上院議員ら
を卑怯者と呼んでいます。
(略)
NY Times の Revkin 氏の発言はこの流れの中で出てきたもの
で、脅威派の嘆きでしょう。日本の脅威派の方々は問題の
矮小化を図っているようですが、CO2 温暖化説が科学として
崩壊していることは彼ら自身が一番良く分かっているのでは
ないでしょうか。
菊池氏らニセ科学批判者たちは、温暖化懐疑派をトンデモ扱いしたがります。クライメイトゲート
事件発覚後もその姿勢は変わりません。多角的な情報収集を怠っているからそうなるのですが、菊
池氏の尻馬に乗る kikulog の取り巻き連中も含め、彼ら彼女らの問題意識こそがトンデモだという
ことがそろそろ明らかになってくるでしょう。
★ヒートポンプの性能が怪しい
ヒートポンプの性能表示に関する公開質問状
http://www.kikonet.org/iken/kokunai/archive/pr20100819-1.pdf
国民はそれほどエアコンを使用していないのに、家電業界は過度に使ったことにして、それを前提
にヒートポンプの省エネ効果をうたったことを問題視しています。温暖化対策の中で、またひとつ
ニセ科学候補が浮上したことになります。
中西先生の日記で「ヒートポンプ」を検索
http://www.google.com/search?hl=ja&hq=inurl%3Ahomepage3.nifty.com%2Fjunkonakanishi%2F&ie=Shift_JIS&oe=Shift_JIS&q=%83q%81%5B%83g%83%7C%83%93%83v&btnG=
Search%21
No.2982 にも書きましたが、先生は早くからヒートポンプのあやうさに気付いていました。
しかし、kikulog ではその先生の慧眼を貶めるコメントもありました。再掲します。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1256740025#CID1264850856
実際は法律で、フロンガスは大気に放出させず回収・破壊
する事になっている。だから、ヒートポンプの普及で温暖化
ガスは減る。
http://www.rrc-net.jp/001_topics/index_08.html
どうも、中西準子氏はそこまでは知らないようですね。
しかし、フロンガス回収・破壊の件は、エアコンやヒートポン
プ使用機器を扱う専門業者位しか知らない事だから、中西
準子氏が知らなくても仕方ないでしょうね。
★懐疑派叩きを得意とするブログ
かなりのショックを受けました。
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100816
懐疑派の横国大・伊藤氏があやしげな組織のトップを引き受けていると泡食った書き込みをしてい
ます。しかし、そもそも菊池氏と天羽氏がうさんくさい「と学会」会員であり、その「と学会」の
ノリで相手を見下し、取り巻き連中がそのマネをして揶揄・罵倒を常用することは、ニセ科学批判
の“原罪”のようなものです。コメントを残している懐疑論バスターズの増田氏も、その辺の事情は
把握しておくべきでしょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 85)
2010/ 8/29 0:41 [ No.3676 / 4820 ]
★harusantafe さんがツイッターで快調に飛ばしています。
http://twitter.com/harusantafe
米国では人為的温暖化派の旗色が悪くなる一方。つまり、脅威論がニセ科学ではないかという疑い
がどんどん濃くなってきているということです。
・脅威派は人為的地球温暖化(AGW)による災害をことさら強調するが、『AGW による経済損失
の証拠は見つからず、普通の自然災害の方が遥かに深刻』というアメリカ気象学会誌の論文。
http://journals.ametsoc.org/doi/abs/10.1175/2010BAMS3092.1
・Financial Post の記事。カナダ環境省に対する情報公開請求の結果、カナダの気温観測が滅茶苦
茶だったことが判明。エラーだらけ、多くの情報の欠落、もはや国際基準を満たしていない。
http://www.financialpost.com/news/Cuts+jeopardizing+quality+Canada+weather+service+report/34
29657/story.html#ixzz0xSiB3vLH
・ワシントンタイムズの記事『しぼんだアルゴアの温暖化』。今やたった 34%の市民しか CO2 温
暖化を信じていない。社会の底辺の市民に莫大な負担を強要するハーバードを落第した男(ゴア)
を、我々は信用てしまったのだ。
http://www.washingtontimes.com/news/2010/aug/24/al-gores-global-warming-crusade-shrinks/
・NSF(アメリカ国立科学財団)が昨日プレスリリースを出してました。
http://www.nsf.gov/news/news_summ.jsp?cntn_id=117580&org=NSF&from=news
(補足)大気圏上層の気温変化に影響を及ぼしているのは AGW の CO2 ではなく、太陽放射だっ
たという研究発表。
・オーストラリアの気温データを調査したら、都市化の強い影響、66%も高く補正された気温変化、
2000 年以降の謎のステーション選別による急激な温暖化。地球温暖化が事実なら、何故データ捏
造しないといけないのか?』
http://kenskingdom.wordpress.com/2010/07/27/the-australian-temperature-record-part-8-the-bigpicture/
・CO2 温暖化説の根幹はポジティヴフィードバック、僅かな CO2 温室効果が雪だるま式に増える
とされる。ところが衛星で観測されたフィードバックはネガティヴで、CO2 による温暖化はほと
んどないという JGR の論文。
http://www.agu.org/pubs/crossref/2010/2009JD013371.shtml
・IPCC はとんでもないペテン師集団だったというシンクタンクのレポート、その名も『私たちは
だまされていた』。“科学的な合意”が捏造された経緯など分かりやすく説明されている。
Reccomendations(提言)は必読かと。
http://scienceandpublicpolicy.org/images/stories/papers/originals/mclean_we_have_been_conned.p
df
★平板な新聞社説
日本のメディアは上記のような内容をまったく報道しません。社説もこの程度。
・日経
http://www.nikkei.com/news/editorial/article/g=96958A96889DE3E1E0E1EAE3E3E2E0E0E2EAE0E
2E3E28297EAE2E2E3?n_cid=DSANY001
・毎日
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/archive/news/20100823ddm004070003000c.html
温暖化の科学にノータッチは困ります。AGW への国際的な共通理解がない現状では、対策を声高
に叫んだところで、誰も真剣に取り組みません。
★今度はフロン疑惑?
新興・途上国での温室効果ガス削減を支援するクリーン開発メカニズム(CDM)が、中国のとん
だ詐欺にひっかかったというニュース。
http://wattsupwiththat.com/2010/08/24/the-biggest-environmental-sc
クライメイトゲート事件の最新事情(その 86)
2010/ 8/31 0:22 [ No.3695 / 4820 ]
★「IPCC は根本的な改革を」
クライメイトゲート事件に端を発し、IPCC の組織のあり方を審議してきた IAC が 30 日(現地時
間)報告書を発表。事件発覚から 9 カ月で新局面を迎えました。
http://reviewipcc.interacademycouncil.net/ReportNewsRelease.html
The process used by the Intergovernmental Panel on Climate Change to produce its periodic
assessment reports has been successful overall, but IPCC needs to fundamentally reform its
management structure and strengthen its procedures to handle ever larger and increasingly
complex climate assessments as well as the more intense public scrutiny coming from a world
grappling with how best to respond to climate change, says a new report from the InterAcademy
Council (IAC), an Amsterdam-based organization of the world’s science academies.
(拙訳)「IPCC が定期的な評価報告書を作成する手続きは全般的な成功を収めたものの、その運
営組織を根本的に改革し、年々複雑さが増す気候評価とともに気候変動に呼応する取り組みについ
て世界から寄せられる厳しい公共の精査を処理する手続きを強化する必要がある」
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703369704575461452636059886.html
http://www.businessweek.com/news/2010-08-30/un-climate-panel-should-change-managementstudy-says.html
http://abcnews.go.com/Technology/wireStory?id=11513944
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jmAK-V1jhAVVdOL2jvD_HjDtO2mw
「public scrutiny」に配慮しており、予想したより厳しめのトーンに見えますが、日本のメディア
はどれだけ詳しい解説をしてくれるでしょうか?
★お役立ち、harusantafe さんのツイッターから。
英 Telegraph 誌、(京都プロトコルで立ち上げられた)クリーン開発メカニズムによる最悪の詐欺。
国連や EU でさえ史上最悪の環境詐欺に気付いたようだ、と Booker 記者。莫大な金が絡むから皆、
温暖化対策を支持したわけで。
http://www.telegraph.co.uk/comment/columnists/christopherbooker/7969102/The-CleanDevelopment-Mechanism-delivers-the-greatest-green-scam-of-all.html
McKitrick 教授のファイナンシャルポスト誌への寄稿。IPCC 著者による、IPCC への痛烈な批判。
『あまりに利害の絡んだ人間が報告書をまとめている』
http://opinion.financialpost.com/2010/08/27/fix-the-ipcc-process/
気候変動の 97%は CO2 が原因、と断定した IPCC。『ちゃんと調べたら太陽活動だよ』と主張す
る Jean-Louis Le Mouel らの最近の論文。太陽磁場が地球の天候や気候を左右しているとのこと。
http://www.nipccreport.org/articles/2010/aug/19aug2010a7.html
★観測データの重要性
「伝熱」7 月号の 58~67 ページに、近藤氏の「日本における温暖化と気温の正確な観測」が掲載
されています。
http://www.htsj.or.jp/dennetsu/denpdf/2010_07.pdf
クライメイトゲート事件の最新事情(その 87)
2010/ 8/31 23:55 [ No.3700 / 4820 ]
★日本ならびに日本語メディア
思ったよりもたくさんの記事がでています。温室効果ガス排出による人為的地球温暖化説はニセ科
学ではなかったかという議論はますます高まるでしょう。去年のいまごろは東大が IPCC にはむか
う者は逆賊であるかのように「地球温暖化懐疑論批判」の発行に向けて詰めの作業をしていたはず
ですが、わずか 1 年後に立場が逆転するとは夢にも思わなかったでしょうね。
気候変動パネル、検証態勢など問題…外部評価(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20100831-OYT1T00331.htm
IPCC、根本的な改革を 報告書誤記で学術団体検証(共同通信)
http://www.47news.jp/CN/201008/CN2010083101000072.html
IPCC、「抜本的改革が必要」 国際検証委が勧告(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/world/europe/100831/erp1008310838001-n1.htm
「抜本改革が必要」、予測誤った IPCC に国際検証委が勧告(AFP)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2752164/6127650
IPCCの運営に改革必要=IACが提言(ウォール・ストリート・ジャーナル)
http://jp.wsj.com/World/node_96396
IPCCの運営面改善へ提言(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/knews/20100831/k10013671531000.html
「抜本改革が必要」=気候変動パネル-外部機関が勧告(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010083100050
気候変動パネル「根本的な改革を」 科学者団体提言(日経新聞)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE1E3E2E29D8DE1E3E2EAE0
E2E3E29C9CE2E2E2E2;at=ALL
気候変動パネルは抜本改革を 報告書ミスで学術団体提言(CNN)
http://www.cnn.co.jp/world/30000037.html
朝日新聞はネットの記事こそありませんが、唯一きょうの朝刊に記事が掲載されています。相変わ
らず以前のような「温暖化は大変」的な記事を掲載し続けている毎日新聞には記事が見当たりませ
ん。
★環境省
インターアカデミーカウンシル(IAC)による IPCC レビュー報告書要旨(原文及び環境省仮訳)
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=16165&hou_id=12879
できれば冒頭の部分ではなく、結論を翻訳してほしかったです。
こちらが IAC 報告書全文。
http://reviewipcc.interacademycouncil.net/report.html
クライメイトゲート事件の最新事情(その 88)
2010/ 9/ 1 0:16 [ No.3702 / 4820 ]
★harusantafe さんが伝える IAC 報告の波紋
・国連 IPCC を検証していた IAC 報告書の速報。気候変動のトップ研究者らのデータ不正が市民の
信頼を損なったと NY Times、身内による検証ながら IAC は IPCC の閉鎖性を問題視し IPCC 高官
の首の挿げ替えを提案。
http://www.nytimes.com/2010/08/31/world/31nations.html?_r=1
・こちらは FOX ニュースより。『IPCC 報告書はほとんど証拠がないのに非常な自信を持って(温
暖化を)断定した』と IAC 委員会。IPCC 高官の更迭を提案。
http://www.foxnews.com/scitech/2010/08/30/independent-audit-slams-un-climate-panel/
・そして Channel4。“あまりに多くの恥ずべき間違いを犯した IPCC は抜本的な組織改革が必要だ”
と IAC 委員。ところがパチャウリは「議長を辞めない」と空気を読まない発言。
http://www.channel4.com/news/articles/science_technology/climate+change+panel+should+be+refo
rmed+says+review/3757177
・IAC の IPCC 検証レポートを報じるカナダのナショナルポスト誌。『IPCC は科学的証拠のある
場合に限って予測を出すべきで、政策提言から手を引け。パチャウリ議長の任期 12 年は長すぎ
だ。』
http://www.nationalpost.com/climate+panel+urged+reform+stick+science/3459936/story.html?utm_
source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+NP_Top_Stories+%28National
+Post+-+Top+Storiesba57074b809c4a698c344fa868e36146%29
・AP 通信も『IPCC はトップの首を挿げ替えよ』と報じる。「多くの間違いが IPCC の信用を失墜
させた」「気候変動の科学はまだ信頼を失っていない」など関係者の証言を引用。
http://news.yahoo.com/s/ap/20100830/ap_on_sc/us_sci_warming_report
・NASA の衛星を使った気温観測をリードしている Spencer 博士のコメント。「CO2 規制という
政治的目的のために設立された IPCC は再建のしようがない。廃止すべき。」正論ではある。
http://www.drroyspencer.com/2010/08/dump-the-ipcc-process-it-cannot-be-fixed/
・英 Telegraph 誌。IAC レポート:IPCC はロビー活動を止めちゃんと科学を説明せよ、IPCC 高官
は温暖化対策で得ている利益を公開せよ、と勧告。
http://www.telegraph.co.uk/earth/environment/climatechange/7972034/IPCC-told-to-stop-lobbyingand-restrict-role-to-explaining-climate-science.html
★ニセ科学批判コミュニティー
とりあえず反応した懐疑論バスターズの増田氏
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100831/1283212012
何の反応もなく、あさってのほうを向いた kikulog
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042
kikulog は自分たちが好き勝手に攻勢に立てるホメオパシーなどでは怒涛のような書き込みで賑わ
いますが、より科学的な議論ができるが脅威派の肩を持ったために守勢に立たされる地球温暖化問
題はさっぱり盛り上がりません。大勢の科学者がかかわっているのだから IPCC のやり方に間違い
はないはず、と安易に考えた菊池氏がどう落とし前をつけるか楽しみです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 89)
2010/ 9/ 2 1:20 [ No.3710 / 4820 ]
★ワッツ氏のブログより
Chicago Climate Exchange drops 50%, new record low
http://wattsupwiththat.com/2010/08/31/chicago-climate-exchange-devalues-50-new-record-low/
シカゴの気候取引所で 31 日、炭素価格がトン当たり 10 セントから 5 セントに下落。一時は 7 ド
ルもしていたのに、ワッツ氏は 30 日の IAC 報告の影響だと見ています。
RIPCC
http://wattsupwiththat.com/2010/08/31/ripcc/
「R.I.P」とはラテン語 Requiescat in Pace の頭文字で、「安らかに眠れ」という意味。IPCC とひ
っかけて「IPCC、安らかに眠れ」と皮肉ったマンガです。
IPCC’s Pachauri should resign for “failures of leadership”
http://wattsupwiththat.com/2010/08/31/ipccs-pachauri-should-resign-for-failures-of-leadership/
欧米メディアの論調で目立つのが、要するに「パチャウリ辞めろ」。IPCC は「地球温暖化のシナ
リオは想定するが政策提示はしない」が基本方針ですが、パチャウリ議長はインタビューなどで
「~すべし」と積極的な温室効果ガス抑制策を求めてきました。トップが代わらなければ、問題を
抱えた組織は変わらないというのは古今東西を問わない常識です。下記は最も痛烈な記事のひとつ。
IPCC's Rajendra Pachauri is damaging the world
http://www.telegraph.co.uk/earth/environment/climatechange/7974521/IPCCs-Rajendra-Pachauriis-damaging-the-world.html
★温暖化脅威派サイトから。
脅威派の学者がつくる Real Climate の「IPCC report card」
http://www.realclimate.org/index.php/archives/2010/08/ipcc-report-card/
木で鼻をくくったような素っ気ないコメント。
枝廣氏の日刊温暖化新聞
http://daily-ondanka.com/
IAC 報告を完全スルーしています。
環境 goo
http://eco.goo.ne.jp/
こちらもスルー。
彼ら彼女らが頼りとする IPCC のあり方にダメ出しされて戸惑っているのか、見ないことにしてい
るのか分かりませんが、不誠実な対応に変わりないです。ニセ科学批判業界も温暖化脅威派と同様、
いまだにこの問題に向き合えていません。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 90)
2010/ 9/ 3 1:13 [ No.3720 / 4820 ]
★ネットで見つけた関連情報
【 2010 年 9 月 2 日 IPCC に運営改善勧告 】
http://scienceportal.jp/news/daily/1009/1009021.html
科学技術振興機構(JST)のサイエンスポータルがついに IPCC 問題を取り上げました。「当サイ
トの過去の関連記事」を見れば分かるように、科学技術情報を広く伝えるはずの同サイトはこれま
で、地球温暖化脅威派の主張ばかりを掲載し、クライメイトゲート事件を見て見ぬふりをしていま
したが、さすがに取り上げないわけにはいかなくなったのでしょう。世の中だんだんと動きつつあ
るようです。最後まで鈍感なのはニセ科学批判者たちかもしれません。
クライメート・ゲート事件(地学雑誌)
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography/119/3/556/_pdf/-char/ja/
7 月号の記事が pdf 化されました。謝辞に「本稿を執筆するにあたり,貴重な意見をいただいた海
洋研究開発機構地球環境変動領域の増田耕一主任研究員と伊勢武史研究員に感謝いたします」とあ
ります。温暖化懐疑論バスターズの2人がバックにいるために、ジョーンズがお粗末な論文を出し
たのに触れていないなど偏った情報を読者に提供しています。これじゃダメです。
懐疑論者のロンボルグが転向。巨額の気候変動対策の必要を認める
http://ptrboundary.at.webry.info/201009/article_1.html?utm_source=feedburner&utm_medium=feed
&utm_campaign=Feed%3A+at%2Fwebry%2Finfo+%28*.at.webry.info+Feed%29&utm_content=Go
ogle+Reader
オバマ温暖化対策に巻き返しはあるか
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2010/09/post-1573.php
★harusantafe さんのツイッターから。
上院選に立候補する Johnson は CO2 温暖化説への反対を表明、著名な研究者が連名で Johnson 支
持の手紙を各誌に投稿。『多くの査読付き論文で CO2 が異常気象や気候変動に与える影響はほと
んどないことが示されている』10 年前と逆の構図。
http://www.jsonline.com/news/opinion/101921233.html
空気が綺麗になったことがヨーロッパの温暖化に貢献した、という Nature Geoscience の論文。東
ヨーロッパでは温暖化の 50%を空気の清浄化で説明できるとのこと。学界では脱 CO2 温暖化説が
進んでいる。
http://www.nature.com/ngeo/journal/v2/n2/abs/ngeo414.html
パチャウリの上げた利益は彼が理事をやっている TERI に支払われていたそうで本人は何百万ドル
もの利益を得ておらず、濡れ衣だったんだと思います。英 Telegraph 誌が謝罪を載せています。
http://www.telegraph.co.uk/news/7957631/Dr-Pachauri-Apology.html
(注)その解説記事
http://climateprogress.org/2010/08/26/ipcc-chief-pachauri-kpmg-review-telegraph-apologizes/
クライメイトゲート事件の最新事情(その 91)
2010/ 9/ 3 23:50 [ No.3724 / 4820 ]
kikulog をはじめとするニセ科学批判者のブログ・ツイッターなどでは、いまだに IAC 報告書に基
づく書き込みを見かけません。シミュレーションの専門家でもある菊池氏は地球温暖化に関心がな
いわけではなく、kikulog には「地球温暖化懐疑論批判」というエントリがあり、IPCC 報告書を錦
の御旗にして懐疑論者を「悪」とする単純な二分論が述べられています。ところが、よりによって、
その IPCC の正統性ないし正当性が厳しく問わる事態になりました。
問題は、ニセ科学批判のコミュニティーが「科学を装うが科学ではないもの」と自分たちでつくっ
たニセ科学の定義に鈍感なことです。水伝やホメオパシーなどは、大した科学的な知見をうたって
いません。科学かどうかを問う材料にも欠く状況です。いきおい、科学的な知見を確かめるより、
「社会正義」を振りかざしてニセ科学批判者たちが息巻く局面が目立つわけです。
マイナスイオンはどうでしょうか。関連する学術論文も応用商品も山ほどありますが、ニセ科学批
判者たちは、それを調べることもなく、古臭い先入観にとらわれた物言いを続けています。マイナ
スイオン研究から生まれたナノイーイオンやプラズマクラスターイオンに関する考察もゼロです。
「科学を装うが科学ではないもの」かどうかを検討すらしていないと言えます。
そして、地球温暖化問題はさらに異質です。一流とされる科学者が人為的な温室効果ガスの排出増
加による温暖化という仮説が真実であるかのように言い出し、一国どころか世界経済にまできわめ
て大きな影響を与えているのに、その仮説はクライメイトゲート事件などによって、科学的な根拠
があいまいであることが明らかになったからです。まさに「科学を装うが科学ではないもの」の疑
いがあります。
なのに、ニセ科学批判者ときたら、IAC 報告書やそれに先だつクライメイトゲート事件を吟味しよ
うとしません。彼ら彼女らが攻撃材料を恣意的に選ぶことを正当化する「優先順位問題」によって、
社会的な影響力がほとんどないホメオパシー叩きに奔走するのは、偏った見方をしてしまった地球
温暖化問題について、自分たちの浅慮を認めたくない側面があるかもしれません。
ちなみに、No.2867 から再掲。
要するに、温暖化懐疑論者が盗まれた電子メールの文を都
合の良い部分だけを読んで(採り上げて)、都合良く誤読(歪
曲)した、のが事実でしょう。
専門家じゃない有名人が騙されるのは仕方ない事だけど、そ
れを何も考えずに鵜呑みにする大バカがいますからねえ。
こういう半可通のお調子ノリが実態を把握しないまま、物事を決めつけるところにニセ科学批判コ
ミュニティーの病理があります。
IAC (InterAcademy Council)による IPCC のレビュー: わたしの理解
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100903/1283489216
懐疑論バスターズの増田氏は自分のブログで、IPCC の存続にとって都合がいい解釈をしています。
国際的な論調がパチャウリ議長の辞任・解任に集中していることは明らかなのに、その辺の見通し
が甘いのは、「空気が読めない」インサイダーの弱みと言えます。
増田氏は出入りしている kikulog でちゃんと議論を求めるべきでしょう。
Climate panel must adapt to survive
http://www.nature.com/news/2010/100831/full/467014a.html
温暖化脅威派の片棒を担いだネイチャー誌も、IPCC の組織存続を願っているようです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 92)
2010/ 9/ 4 20:44 [ No.3726 / 4820 ]
★harusantafe さんのツイッターから
IPCC 副議長も務めたロシアの気候環境研究所の Yuri Izrael 所長が、英 Telegraph 誌に寄稿『IPCC
は矛盾だらけだった。地球は寒冷期に向っている、と多くの科学者が考えている。』身内からの批
判で炎上する IPCC。
http://www.telegraph.co.uk/sponsored/russianow/opinion/7980382/Kyoto-is-costing-Russia-toomuch.html
US News 社説。リベラル系メディアは TV 局立てこもり犯の要求『地球温暖化問題を解決せよ、人
間は汚染物質であり子供を産むことは環境破壊』を報道していない。犯人は『不都合な真実』に影
響を受けた模様。欧米で広がるグリーンテロ。
http://politics.usnews.com/opinion/blogs/peter-roff/2010/9/3/Why-Is-the-Media-Ignoring-DiscoveryChannel-Gunmans-Radical-Views.html
信用性の低いデータで論文を書いたハーバード大の心理学の Hauser 教授が停職処分になったのに、
半端じゃない数のデータ不正・捏造・誇張が発覚した IPCC がお咎めなしなのはおかしい、という
The Australian の記事。
http://www.theaustralian.com.au/news/opinion/climate-panel-must-be-purged/story-e6frg6zo1225914025436
★増田氏の思い違い
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1283591246
787. masudako - September 4, 2010 @18:07:26
ところで、IPCC に関する IAC (学術会議関連の国際組織)
による評価報告が 8 月 30 日に出ましたので「4/30 学術会
議『IPCC 問題の検証と今後の科学の課題』」のスレッドの
ほうで紹介しました。
http://www.cp.cmc.osakau.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1273674969#CID1283389510
これまでどなたからも反応がありませんが、「驚くことは何
もない」ということなのでしょうね。
これはまた大層な物言い。きまりが悪くて向き合いたくないだけでしょう。IAC がここまで踏み込
んだ評価を下すとは誰も読めなかったはずです。IAC の直前の報告書「Lighting the Way: Toward a
Sustainable Energy Future」の共著者にはパチャウリ議長ら IPCC 関係者が名を連ねており、IPCC
とはお仲間の組織と見られていましたから。
★温暖化脅威派の言い分
「30 年に 1 回の異常気象」=今夏の猛暑、ラニーニャなど重なる-気象庁検討会
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2010090300791
記者会見した会長の木本昌秀東京大大気海洋研究所教
授は、これらの要因が重なって中休みの涼しい日がほとん
どなかったのは、「30 年に 1 回の異常気象」と指摘した。
その上で「地球温暖化が進んでおり、今後は最高気温がど
んどん更新されるような夏をまた近々経験する可能性があ
る。熱中症でたくさんの人が亡くなったが、十分な対策を
取っていただきたい」と述べた。
木本氏といえば強硬な温暖化脅威派のひとりで、各地の講演会などで温暖化プロパガンダをしてき
た人物。氏のセリフを額面通りに受け取るべきではないでしょう。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 93)
2010/ 9/ 5 23:21 [ No.3730 / 4820 ]
★恣意的な読書ノート
kikulog の「地球温暖化懐疑論批判」で進展あり。nytola さんのブログに出入りしている方と同一
人物と考えられるおおくぼさんが『地球温暖化スキャンダル』に出てくる「年輪による気温の復元
に恣意的なデータを使った疑い」について尋ねたのですが、増田氏の返答は…。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1283614945
年輪の件。どの場所の年輪をどのように計測してどのよう
に気温と関係づけたのかによって、話がまったく違います。
同じ人の論文でも対象が同じとは限りません。Watts Up
With That や Mosher and Fuller は対象をとりちがえている
可能性があるので、原論文にあたらないとなんとも言えま
せんが、残念ながらわたしにはその時間がとれないので、
詳しい話はかんべんしてください。(原論文を読んでいるか
たがおられれば発言してくださるとありがたいです。)
No.3419 でも取り上げましたが、増田氏は読書ノートで『地球温暖化スキャンダル』について詳し
く書き留めています。
http://macroscope.world.coocan.jp/ja/reading/mosher_fuller.html
増田氏はここで、研究者にあるまじき行動を取った疑いが濃い温暖化脅威派を擁護しています。原
論文に当たらずに書いたとしたら、ずいぶんと恣意的な解釈です。疑いがかけられているのは脅威
派ですから、懐疑論バスターズが“濡れ衣”を晴らさなければ誰も晴らさない、ということを知って
おくべきでしょう。
★恣意的なブログ
ビョルン・ロンボルグさんという
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100903
No.3720 で取り上げた温暖化懐疑論者のロンボルグの「転向」に快哉をあげています。それは構わ
ないのですが、懐疑派を揶揄してきたこのブログ主、何か忘れてやいませんか? そう、その前に
あった IAC 報告を完全無視していることです。IPCC べったりだと見たくないものは見えなくなる
みたいですね。
★恣意的なツイッター
IAC 報告の完全無視という点では筋金入りの枝廣氏主宰のツイッター
http://twitter.com/ondankashinbun
「地球温暖化問題について、深く考え、行動する人を増やしたい、という思いで運営しています」
とありますが、枝廣氏は IAC 報告などの「不都合な真実」には目もくれず、温暖化の脅威に関する
情報しか伝えません。それをもとに物事を深く考えて行動するのは不可能です。
★トンデモブログ
暑さ好きですが、久々に暑さの心配をしてみました。
http://monique.at.webry.info/201009/article_2.html
知らない人のために、木や紙を燃やして出てくる二酸化炭
素は、そう問題がないんです。
石油を燃やして生まれてしまう CO2 というのは、温熱効果が
高く、オゾン層で熱の放出を妨げます。
というわけで、石油由来の CO2 というのは、本来、地球が自
分の智恵で地下深くに固めて埋めたシロモノ。
パンドラの箱を人類に、”ぱかっ”と開けられて、すべて空
中に放出されてしまうとですね
誰がこんなこと言い出したんでしょうか。まさしくニセ科学のにおいがプンプンします。
★米国のトンデモ本
【早読み/先読み アメリカ新刊】40 年後の天気をずばり言い当てる超予報博士
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100904/amr1009041801012-n1.htm
産経新聞がいい仕事。お天気キャスター上がりの天気予報会社の美人 CEO(といっても博士号は
持っている)が、地球上の 5 カ所の 2017 年 4 月、27 年 8 月、40 年 10 月、50 年 7 月の気象状況
を大胆に予測するという“離れ業”を演じた本を、面白おかしく紹介しています。彼女は温暖化脅威
派のはしくれなんでしょうか。それともネタにしただけ?
案の定、ワッツ氏のブログで笑い飛ばされていました。
http://wattsupwiththat.com/2010/08/01/heidi-cullen-doomcasts-in-new-stemwinding-sci-fi-thriller/
「と学会」あたりでおもちゃにするには打ってつけの本といえるかも。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 94)
2010/ 9/ 6 2:12 [ No.3732 / 4820 ]
★最凶タッグ
来月 13~17 日、マレーシアで開催される IGEM2010 視察ツアーの参加者募集中
http://www.gpn.jp/archives/2010/08/31/000089.php
【カンファレンス参加予定者】
山本良一 氏 (東京大学名誉教授)
パチャウリ氏 (IPCC:気候変動に関する政府間パネル)議長
「温暖化地獄」の到来を叫ぶ狂信的な温暖化脅威派である山本氏と、IPCC の本来の役目を踏み外
して各国に温室効果ガス削減を迫るパチャウリ氏。最凶タッグともいえるのですが、その前に
IPCC 総会が 11~14 日韓国・釜山で開かれます。パチャウリ氏はカンファレンスに予定通り参加
できるでしょうか?
★harusantafe さんのツイッターから
パチャウリのインタビュー。IPCC 報告書では科学的に定量的に評価出来ないことについて執筆者
が推測で決めることがあった。Times of India 誌はさらりと載せているが、IPCC 報告書はもはや科
学ではないと議長自身が言っているわけで。
http://timesofindia.indiatimes.com/india/I-am-happy-that-truth-has-come-outPachauri/articleshow/6482854.cms
★産経新聞の解説記事
【杉浦美香の環境白書】温暖化問題 揺らぐ IPCC の報告書 検証の中身は
http://sankei.jp.msn.com/life/environment/100903/env1009031952001-n1.htm
一定の決着がついたといえる訳だが、勧告を早急に反映さ
せなければ再び、信頼性がないとして、攻撃の砲火を浴び
ることになるだろう。気候変動の「科学」を担う IPCC の責務
は大きい。こうした議論で温暖化問題への対処が遅れるよ
うなことがあってはならない。
記者さんは人為的温暖化説を支持しているようですね。
★温暖化懐疑本
No.3390 で紹介した地震学者の島村氏が『「地球温暖化」ってなに? 政治と科学の舞台裏』(彰
国社)を先月刊行。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4395010245.html
No.3583 の広瀬氏と同様、気候科学では門外漢なので、新しい知見は盛り込まれてはいません。広
瀬氏のように肩に力が入っていない分、読みやすいとはいえます。ただし、地球環境全般に手を広
げすぎた感はあります。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 95)
2010/ 9/ 6 22:43 [ No.3737 / 4820 ]
★日本のメディア
あれやこれやで記事が尽きることがありません。
・気候変動パネル 組織・運営の抜本改革を急げ(6 日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100905-OYT1T00797.htm
報告書の誤りとして指摘されている代表例が、ヒマラヤの
氷河に関する予測だ。「2035 年までに消失」と記述されて
いるが、科学的な根拠はなかった。
勧告は、これと同様に、根拠が薄弱な記述が多いことを問
題視している。特に、専門家向けではなく「政策担当者向
け」と銘打った要約部分に目立つという。
政治的な効果を狙ったものと疑われており、国際的かつ科
学的な組織としては公平性を欠く、ということなのだろう。
メディアの中では最も踏み込んだ表現ですが、それでも「組織を潰して出直しを」とまでは低減で
きないようです。
・ノーベル賞一転、弁明の日々 IPCC のパチャウリ議長(4 日付・朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0904/TKY201009040350.html
検証結果を受けた会見でパチャウリ氏は「科学的には問題
がなかった」などとする他の公的機関による検証結果など
に触れつつ、評価報告書の正当性を強調。当面、議長にと
どまる考えも示した。
パチャウリ氏自身がヒマラヤ氷河に関するインド政府の報告書を voodoo science 呼ばわりした件
はどう落とし前をつけるんでしょうか。
・日経新聞もきょうの朝刊科学面でまとめ記事を掲載しており、『科学者の中には、人為起源の温
暖化ガスで温暖化が起きるとの科学のメッセージはすでに政治に投げられ「IPCC の歴史的役割は
山を越した」との意見もある』と書かれています。
しかし、どうみても『科学者の中には、人為起源の温暖化ガスで温暖化が起きるとの証拠はあいま
いであり「IPCC が科学的に検証すべきことは山ほどある」との意見もある』がより正確な表現で
す。
★harusantafe さんは読売や朝日の記事にも言及。米国からご苦労なことです。
ドイツでも『地球は温暖化しておらず CO2 温暖化説は科学的根拠がなく宗教である』という首相
宛の公開レターに 130 名の科学者が署名。このような嘆願書はアメリカではよくやられているし、
日本でも行うべきだろうなぁ。
http://www.climatephysics.com/GlobalWarming/LetterGerman.html
昨今の状況だと、国内でもそういう動きが出ておかしくありません。
★温暖化懐疑派を揶揄するブログ
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100906
相変わらず重要な IAC 報告を見ようとはせず、人を揶揄することに必死になっています。追いつめ
られているようで哀れです。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 96)
2010/ 9/ 7 22:09 [ No.3741 / 4820 ]
★気温データがやっぱりあやしい
京田辺「39.9 度」本当?アメダスに草絡まる
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100907-OYT1T00468.htm
京田辺 39.9 度、記録の有効性検証へ…気象台
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100907-OYT1T00838.htm
周囲は猛暑日続き…でも豊橋は 4 日に初観測 その理由は
http://www.asahi.com/national/update/0907/NGY201009070006.html
クライメイトゲート事件関連で米国の観測状況がいい加減だったことが明らかになりましたが、日
本だって異常気象とヒートアイランド現象が区別できているのか、威張れたものではないかもしれ
ません。
★いやいやながらのプレスリリース
クライメイトゲート事件の震源地である英イーストアングリア大が、2 カ月も前の独立調査委員会
の報告にやっとレス。
http://www.uea.ac.uk/mac/comm/media/press/CRUstatements/independentreviews/UEAreviewresp
onse
★熱帯雨林は炭素をそれほど蓄えてくれない?
Forest carbon stores may be massively overestimated(英ニューサイエンティスト)
http://www.newscientist.com/article/dn19408-forest-carbon-stores-may-be-massivelyoverestimated.html
★kikulog のグダグダ
突っ込む投稿者が力不足なので、IPCC に異を唱える懐疑派をトンデモ扱いした菊池氏らの不見識
をえぐり出すことができません。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 97)
2010/ 9/ 8 23:42 [ No.3757 / 4820 ]
★夏休みの自由研究
マーケティングが御専門の suzuryou さんのツイッターから。
http://twitter.com/suzuryou
・我が娘(小六)が、夏休みの自由研究に「CO2地球温暖化の嘘」をテーマに書くそうだ。CO2
犯人説を否定し、日本が食い物にされている現状を書くと。本当に書けるのかな?
・娘(小六)の自由研究がようやく終了。「地球温暖化の正体」というテーマで、CO2 犯人説を
否定し、今後地球寒冷化へ向かっていくことを太陽黒点の最新映像を交えて書いている。黒点と温
度の関係図もあり、多くのデータを参照にしている。小学生にしてはよくがんばったと思う。
・@co2tw ありがとうございます。娘は本日「地球温暖化の正体」のレポートを小学校に持って行
きました。反論の準備を昨夜しました w 「かつて北極に氷がなかった時代もシロクマは生きて
いましたよ」とか、「今は氷河期なのをご存じですか」とか w
・娘(小六)の自由研究の校内プレゼンが終了。「地球温暖化の正体」というテーマで CO2 犯人
説の否定、太陽黒点の異常、過去 1 千年間の温暖化周期、5000万年前の超温暖化による生物繁
栄、現在は氷河期という事実、などを説明。皆驚いていたようだ。
見事な「逆洗脳」です。お子さんの勉強になるのはもちろんですが、クライメイトゲート事件を知
らない教師はたくさんいるでしょうから、教師たちへの“教育効果”が意外に大きいかもしれません。
★山本氏の洗脳講座
21 世紀を担うリーダー養成講座だそうです。危ない…。
http://adventurecoaching.blog.so-net.ne.jp/2010-09-06
山本氏は、「人類のエネルギー使用により、CO2 の排出量
が増えてきたのが地球温暖化の基本的な問題だ。温暖化
ガスの排出量は、2000 年にIPCCが想定した最悪のケース
を超える勢いで増加している。このままでは、2030 年の段階
で産業革命時に比べてセ氏 2 度の気温上昇は避けられな
い。Point Of No Return はすぐ目前に迫っている。」と警告
を発せられる。
すでに温暖化の影響(台風や竜巻、水不足、食料不足など)
は色々な面で出ている。このまま放置すれば、地球は灼熱
地獄になる。それを避けるためには、石油依存の経済から
再生可能エネルギー中心の経済へ世界規模で転換しなけ
ればならない。
IAC 報告書とかは山本氏の眼中にないんでしょうね。おそらく安くはない金を払って、科学的な根
拠がない観念論を聞かされた受講者は御愁傷様です。
★中西先生の慧眼
雨がないけど、水は大丈夫?-水の経済価値-
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak531_535.html#zakkan531
メディアでは猛暑だ、酷暑だと大騒ぎですが、水不足はどうなっているのかいっこうに報道があり
ません。そこに気付いた先生は、さっそくダムの貯水量を調べます。なんと平年より多い! 温暖
化≒水不足なので、早とちりは禁物。「確かに、温暖化によりいろいろな変動があるだろうが、
100 年後を予測してダムを造るというのは酷すぎる」とは、山本氏と違ってさすがです。
★地球科学の論文
Climate: New study slashes estimate of icecap loss
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5iFYPF7wJrj-K5GTv1-oZsHhqrzIg
地殻のはね返り効果を考慮に入れると、グリーンランドと西南極大陸の氷が融けるスピードはこれ
までの半分ぐらいという論文。「温暖化すると南極の氷がとけて海面が上昇するぞ」という脅しの
説得力が薄れたようです。IPCC 予測への反証がまたひとつ。
クライメイトゲート事件の最新事情(その 98)
2010/ 9/10 23:56 [ No.3769 / 4820 ]
★やっぱり近藤氏の出番
京田辺だけじゃない!各地に草だらけのアメダス
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20100909-OYT1T00645.htm
9 月の国内最高気温(39.9 度)を観測した京都府京田辺市
の地域気象観測システム(アメダス)に草が巻き付いてい
たのと同じように、環境の悪化した観測施設が各地にある
ことが、東北大名誉教授の近藤純正(じゅんせい)さん(76)
(気象学)らの調査でわかった。
読売新聞は以前にも同様の記事を掲載しており、ほとんどその焼き直しですが、こういう観測の不
備は繰り返し強調することに意義がありますね。
★英エコノミストの皮肉
Must try harder:A call to reform the IPCC
http://www.economist.com/node/16941153
IPCC の仕事ぶりを子供の宿題に例え、「もっとできるはずです」「もっとがんばりましょう」と
諭しているようです。焦点のひとつは、やっぱりパチャウリ議長の辞任。釜山での総会まであと 1
カ月となりました。
★harusantafe さんのツイッターから
毎日毎日よく見つけてくるもんです。というより海外メディアや学術誌は、人為的な温室効果ガス
排出による地球温暖化説を疑問視する声や研究をよく拾い上げているようです。素性が良く分から
ないサイトもありますが…。
・4 月に Climategate の調査に当たった Oxburgh 卿、温暖化対策の風力発電ビジネスで利益を上げ
ている脅威派の彼を選んだのは正しかったのか。Oxburgh 卿は『CRU に問題なし』と発表しただ
けで、調査のメモすら保存していない。
http://blogs.telegraph.co.uk/news/jamesdelingpole/100052919/40000-for-a-climategate-whitewashnice-work-if-you-can-get-it-sir-muir-russell/
・80 を越す環境グループの連合組織で、ワシントンを中心に地球温暖化のロビー活動を行ってき
た Clean Energy Works が解散。気候法案での敗退、中間選挙で民主党の脅威派政治家の苦戦も伝
えられる中、見切りを付けたか。
http://www.politico.com/news/stories/0910/41904.html
・全産業に対し 80%もの CO2 削減を強制するカリフォルニア州法 AB32 に対しアラバマ・ネブラ
スカ・テキサス・ノースダコタの 4 州が訴訟の見込み。カリフォルニアでも AB32 の停止が提案さ
れており、連邦議会の気候法案の敗退が州レベルに波及。
http://calcoastnews.com/2010/09/four-states-mounting-legal-assault-on-california/
・IPCC 報告書で公衆衛生を担当した代表執筆者は、何と大学院の(博士ではなく)修士課程を出
たばかりでまともに論文すら書いたことがなかった。このセクションを担当したのは他にも環境活
動家ばかり。開いた口が…
http://nofrakkingconsensus.wordpress.com/2010/09/09/the-new-graduate-who-served-as-ipcc-leadauthor/
・先月の Science に掲載された CO2 温暖化脅威論を否定する 2 本の論文。CO2 の気候感度は過大
に見積もられていた、フィードバックはネガティヴ。そして炭素循環感度も。
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/329/5993/834
http://www.sciencemag.org/cgi/content/abstract/329/5993/838
クライメイトゲート事件の最新事情(その 99)
2010/ 9/13 2:32 [ No.3773 / 4820 ]
★増田氏の情報操作
kikulog にちょっと面白い投稿がありました。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1273674969#CID1284213434
増田氏が「数理科学」9 月号で、元日本物理学会会長の坂東昌子氏が『地球温暖化スキャンダル』
を読んでクライメイトゲート事件について論評した件を取り上げています。このことは知らなかっ
たので、私にとってもなかなかの有用情報です。同誌は未読ですが、投稿の中にもある下記のブロ
グにおおよそのことが書かれています。
http://jein.jp/blog-masako/416-blog-30.html
坂東氏は気候温暖化問題のポイントをこってりと解説したうえで、こう↓不満をもらします
私が一番問題だと思うのは、地球温暖化に関する評価は
別として、そこに至る科学的プロセスがどうも納得いかな
いところです。
イーストアングリア大学など“主流派”の気候研究グループによるデータのごまかし、ピアレビュー
雑誌への圧力、反対派の追い出しなどの問題点を指摘したうえ、
科学活動で最も大切なのは、真実を追求するために、気
に入らない結果が出てきたも、自分の好き嫌いではなく、
真実を語ることが必要です。主観や好みを排して、現実を
直視する、この態度がないと科学にならないのですね。
まさにその通り、という極めて高潔な洞察です。これに対して増田氏は何もコメントせず、いきな
りジャパンスケプティックスへと話を持っていっています。情報操作の一環でしょうか。増田氏は
読書ノートでも、“主流派”の不品行は不問に付しています。
http://macroscope.world.coocan.jp/ja/reading/mosher_fuller.html
おそらく、懐疑派を叩きたい類友なんでしょうね。
ちなみに、ジャパンスケプティックスの松田氏は早くから人為的温暖化説に懐疑的だったようです。
http://jein.jp/blog-einstein/285-blog-39.html
菊池氏らニセ科学批判者たちとはテイストが異なっているのに注目。現在は接点が少なくなってい
るようですが、今後、彼らがすり寄るか、もっと離反するか、興味深いところです。もっともジャ
パンスケプティックスの情報発信力の貧困は絶望的ですが。
★増田氏とニセ科学批判の親和性
IAC (InterAcademy Council)による IPCC のレビュー: わたしの理解
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20100903/1283489216
この委員会報告を「IAC は Pachauri 議長に退陣をせまって
いる」と伝える人がいる。そういう解釈は「行間を読んだ」よ
うなものである。
こ の「行間を読むな」と言わんばかりの考え方は、天羽氏らニセ科学批判者によく見られます。
一方で、メディアは行間を読んで、IPCC 総会の目玉は議長留任の是非だと伝えてきています。そ
の真偽はともかく、増田氏のセンスはニセ科学批判者に近く、親和性があるようです。ただし前項
の坂東氏のブログについては、思いっきり行間を読んだ発言をしていますがね。
★例の揶揄ブログ
IAC の IPCC レビュー報告書が
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100910
公表されました。いえ、しばらく前に公表されていて、もは
や旧聞に属することなのですが。
日本のメディアでもニュースになったことを取り上げないまま、「旧聞に属する」とは盗人猛々し
い言い草です。自論に不利な材料には目をつぶるのが習性になっているんでしょう。
★BS フジのトーク番組
10 日に放映され、懐疑論者の横国大・伊藤氏と早大・池田氏が、脅威派の帝京大・三上氏を KO
寸前に追い込んでいます。
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d100910_0
http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/index.html?d100910_1
こういう場に江守氏がいないと、丁々発止の議論にならないことがよく分かりました(笑)。
クライメイトゲート事件の最新事情(100)
2010/ 9/15 0:22 [ No.3777 / 4820 ]
記念すべきシリーズ 100 回目。去年 11 月末のクライメイトゲート事件発覚以降、ほぼ 3 日に 1 日
のペースで更新。これほどネタがあふれる世界的な大問題になるとは予想できませんでした。そし
て「人為的地球温暖化説はニセ科学ではないのか?」という疑いは晴れていません。まだまだウォ
ッチしていく必要はあります。「最新事情(その 100)」とすると、タイトルの字数オーバーになる
ので、今回から「その」を省きます。
★ウォールストリートジャーナルの変容
【コラム】クライメートゲート、資金源を追え
http://jp.wsj.com/Opinions/Columns/node_7172
【日本版コラム】日本振興銀行の破綻とCO2 排出権取引の意外な関連性
http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_102568
同紙はクライメイトゲート事件の報道で消極的だったいわゆる主流派のメディア。君子豹変す、と
言いたくなるほどの辛口コラムを掲載しています。今後に注目。
★能天気な毎日新聞
温暖化:日本海の深部酸欠、100 年後は「死の海」?
http://mainichi.jp/life/ecology/news/20100914k0000m040119000c.html
今の傾向がそのまま 100 年後まで続くと考えるのは単純すぎます。国立環境研究所がからんでいる
のであれば、眉に唾してみるのが妥当でしょう。同紙は脅威派の代弁をしたがっているようです。
★脅威派のあがき
米国の懐疑論批判サイト
http://www.skepticalscience.com/
IAC による IPCC の検証のエントリがありません。よほどのタブーなようです。日の丸をクリック
すると、日本語の Q&A が出てきますが、太陽活動や中世温暖化などの説明は変です。
★我関せずのナショナルジオグラフィック
地球温暖化は食い止められるか?
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100910001&expand#title
「新車や発電所の新たな製造を止めれば今後の気温上昇は 0.3~0.7 度に留まる」という推計。
★参議院のリポート
地球温暖化対策をめぐる最近の動向~新たな削減メカニズムを模索する動き~
http://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2010pdf/20100901067
.pdf
国際社会の IPCC への信頼がゆらいでいるという一文が入ってもよかったと思います。
★harusantafe さんのツイッターから
ロシアのプラウダ「温暖化神話で誰が得をしたか?」
http://english.pravda.ru/science/earth/13-09-2010/114905-global_warming-0/
★番外
ワッツ氏のブログで、日本の超高齢者不在問題が皮肉られる
http://wattsupwiththat.com/2010/09/13/1000s-of-japans-centenarians-died-decades-ago-averagelife-expectancy-worse-than-we-thought/
気温観測データにからめ、「統計は記録がいい加減だと信用できない」の好例として注目していま
す。
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