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技術評価の低い整備士の現状
技術評価の低い整備士の現状 広島自動車工業短期大学 木 谷 俊 秀 西 田 裕 一 ま カ1 え き 我国の自動車の保有台数は、 2, 300万台を突破し、近年のモータリージ 亡、石油ショ 見はるものがあったが、との反面、排気ガス公害対策 V γ z ションの発展には、自を クと、極めて重大左問題を持ち、 その自動車保全の作業を担当する、各整備調係者の、使命と責任は、益々大きしクローズアップさ れつつあります U ζ の厳しい情勢の中で、自動車分解整備業者は、人件費を初めとする、諸経費の値上ムと作業精 罵の高度化 K対して、企業の合理化は基主り、早急に生産性の向上等 K取り組ま念ければ左ら念いが、 その第一戦場で、ユーザーの宅命を守っている整備士の、技術評価は、どうであろうか、とこで、本 学卒業生の自動車関係(専業、デーラー)の就職状況と、その後の追跡調査を行をい、待遇、将来性、 転職等の、アンケートによる実態調査を基陀、今後の、自動車整備業と犠備士のありかたについて考 察をのべる。 1 自動車の保有台数と整備需要量について 自動車の保有台数を 1-1表で見ると、過去 9年間で、 4倍の成長に対して、整備需要量は、 1-2 表で見ると、 1 . 8倍に止まっている。 との車両の伸び i こえすする、整備需要量が、止った原因は、最近 民曲 謡盈図書L 鋭 化 前 〉 、 2 . 担 4 . 9 1 DI 五 盤 盤 靴 : 酎J 2 , 1 2 2 . 2 2 0 0 0 1 . 8 1 9 . 9 1 . 6 5 2 . 9 4 5 4 6 ・ 4 8 4 9 1-2表 1- 1表 η o nt み,;E;.鉱 同} . J I q ' d 泣 君 。 定調事事番,,~略整備国批為崎 1 1 1 )' : J I 2Y 咽 世 納 骨 4・ . . , ; 4"孟子三i 1-3表 1-4表 の自動車に於て、故障が少念〈念った事と、整備するための人材が少念〈念った、云いかえれば、技 術革進 K よ払従来の臨時専整備から、定期点検、予防整備へと、仕事内容が、大きく転換した。 国家試験合格と云う、技術と経験を売物としていた繋備士が、今日では、部品を定期的 K交換する 一種の流れ作業的傾向~ある。 2 本学卒業生に関する、就職状況と追跡と調査 昭和 4 6年 -48年、過去 8ク年聞の就職状況 2-P~ 沼豹 4 G 斗. i l 笠( φ勾 2 一方~ 2 - 2震 時抑制主宰仰の 丈 方 可 燃 ; 1 . τ 汚〈の が 私 . f f 目 l立ぢ封切?と e 野手)4ð'~~~(ゆ芯) 儲‘戦¥' "' " 予 約F ゲ"$<写勺 r~. 46年度生の就職先は、全体の 42婦は、トヨタ系デーラーで、次いで、日産、 1マツダ、三菱等と、 -74ー 格備、営業を、合せた数字である。自動車関係の販売、整備 K掬する工場は、社会変動を受けやすく、 4 5年後半からの景気悪化と、 4 6年のドノレショックがとのよう念結果を生み出したと思える。 47年度宅は、自動車関係、各方面共 K景気を取りもどし、各デーラで販売の記録が宅れたが、学生 の就職先を;零ぶ目は鋭〈、大手製造メーカへと視線が向いてきた。 48年度生、以前までは、将来自分の力で工場をと、技術見習型もだいぶあったが、世間の荒波はき びし〈、機械、物価値上りで、独立自営は、夢物語陀在って来たようだ。 亡、その後の追せき調査を行左った結果、転職者の状況は、全国的には、専業の採用人員は、約 次V 1 0 , 4 0 0入、退職者は、 5 , 6 0 0人で、約 5 0係と高い比率を示しているが、専業は、経験者の雇用が、比 較的多い事等がある。 , 34 0 0人に対して、退職者は、約 9 , 3 0 0人で、約 2 4掃と、低い 次陀、デーラー閣係では、採用人員 1 モ在っているが、一般企業の入職率(26 .4%)と比較すると、専業、デーラーの平均は 3 7掲念ので、 率l 比較的、移動の少念い職業と云える。 本学卒業生の追跡調査結果は、下記の通りである。 昭和4 6! i f 窓生 ( l7d} 〉 争 昭和47 1 4 : 序 生 (1 ' 1 ( ) ; 各 ) æ~U485f芝生 (7 VO/6) ス ー 5次 2-4ゑ 。車主取の動機 I給 料 砂 川 之 : ! 1 f 来4 まが為、川 )局、国どみ bれる / 次 kf 客備士の実態をつかむため、下記の要領で、アンケートを取ってみた。 1 . 現職場と、他の職場を比べてどう思うか。 A, 給 料 の 問 題 B. 仕 事 の 内 容 C. 対 人 関 係 D. 将 来 性 2 . 転職の希望があるか。 & 唱さ備士 K念って、良かったと思うか。 4 . セールスマン v c在って良かったと,思うか。 -75一 ア ン ケ ー ト の 結 果 (一般及び卒業生 100名 中 ) 10 ~O ,30 q O ~O 6 0 70 8 0 他の職と〈らべ て給料 9 0 100 全体的 K給料は、他の 76% 安い 職業より安〈、転職者 普通 1 6揚 も続出している。 良い 二 二 コ 8話 仕事内容、他と 比べ 労働時聞は、製造業者 の τ5h~て対して、 50 ~ 60%、即ち 4 .かる 5 140% よく念い h と在っているが、雑 務が多いようだ。 (収益に対する、正味 働事量) 48話 普通 良い 二二二コ 12% 対人関係 特殊左仕事内容念ので 良い 3 6ヲ 6 先輩、後輩とも、うま 普通 36% 年配の者にとっては、 〈いっているようだが 悪い 不満が多いようだ。 28% 将来性 中年層の 30代以上の ある 作業者が、一般的には 2 0必 少をし 普通 28% 左い の事をヨ考えている。 52% 転職希望 62ヲ 6 あり 38必 念し メカニック営業 マンとして 良い 普通 惑い 20代も後半 陀在ると、自分の将来 今より良い所があれば 変わりたい。とれは誰 でもサラリーマン走ら 口にする言葉かもしれ 念いが、彼らは、本心 から話しているようだ。 自分が好きで入社した 為、ある程度の妥協性 を見ている。販売実績 のある人は、仕事 K励 みを持ち、話す言葉も 積極的だったが、その 反面も多〈、全体的に !は成行。 3 8ヲ 6 20% 42% -76- 3 自動車整備事業と整備士の現状 自動車整備士は現代社会 V てあって、 「人命を守るべ〈第一戦 V てある職業」とも云える o しかし、残念念がら、乙れを真に王室解する人を除いては、整備士とは社会的在地位の低い人の職業 とされ、とれ K現在の進学率の向上、石油ショ y ク、市民の反公害運動の橋上り等陀よって、自動車 に対する風当りが相当強くなった現在では、若者の整備士として働〈人が少左〈念ったようだ。ヰ整備 士は真の人命尊重社会の旗手として誇りある職業として確立出来念いものであろうか。 B本の自動車整備工場は、とく一部の工場を除いては、その中で働〈人は、殆んど 2 0代の若い層で あり、中に、 3 0代 、 4 0代が主力陀在っている工場もあるが、そのよう念工場は古い歴史を持ってい て、その工場での人件費の占める出費額が大きく、経営面でも大部苦労しているようだ。 ても警備事業者のみの問題ではないが、なぜ自動車整備工場が、 叉、若年労働者の入手不足は、念 U .自動車技術をマスターす 若年者を必要とするか、答は簡単である。1.労働力が大きく給料が安い。 2 る意欲 K燃えている。等で、表向きは、最もらしいが、裏を返えせば、給料の安い若年者で左ければ 事業経営が成り立た左い、淋しい状態念のである。しかも最近の入手不足は、増々深刻化し、調べ K よると、工員の平均年令は、専業 2 7 .2才、デーラー 2 5 .3才で、昭和 4 8年は、大きく 0 . 7才と、上昇 して来ている C ζ の様念現状の中で、若年警備土の確保は、今後増々新人採用は、困難念度合を強〈する情勢念の C> b,生産性の向上 K取り組む必要がある。 で、事業側も、年功的念給与増加を考え、打開策の為 V 叉、若年労働者の、軽備士と念る感心度は、製造業、その他の職業よりも高〈、自動車熱を取ると 0 0名中 とは出来左いが、今度のアンケートの結果、給料、待遇面も、専業、デーラー勤務者、 1 給料は、他の職業と比べ安い 待遇(福祉、厚生〕 約8 0係 悪 い 約 50% と念 b、前 K述べたように、国家検定試験合格者と云う、社会的地位るる者の、給与としては、か左 り低ししかも、軽備業会は、中小企業が大半で、福祉、厚生面でも、不十分である。検定試験合格 ては、整備士として勤務する人は少左〈、合格者が、整備 者は、毎年相当数、ふえてはいるが、実際 V 業以外 K勤務したか、叉、営業、その他の仕事に変わって行〈ため、業界としては、との様念資格者 が、一日も早〈、入社、永住出来るよう、社会的地位の向上等の対策を、早急に解決し念ければ、若 年労働者の確保は、増 h 困難と在る。 4 考 察 自動車の過密化がよび、高速道路を始めとする、道路整備の本格化 K伴って、交通事故は激増し、 Cより、メーカー→デーラー→保守、修理の順で、社会 叉排ガス Kよる大気汚染と、石油ショァク等 V 的 K低〈認識されがちだった自動車整備業も、位置見直の転換期が来たのでは念いかと考えられ、そ の lつは、犠備業自体が従来の、修理、補修作業から、車検整備、定期点検整備と、診断、予防整備 へと、転換した事と、かつては、技能を要する乗物だったが、現代は庶民の足として、誰でも容易 K 運転出来、故障率が低〈在った事等で、とれまで停滞を知ら念かった自動車産業も、石油ショァクの 影響は大きし足踏状態と念払新車需要の販売から、中古車需要の販売へと、又とれを契期 K、本 -77- 格的在、中古車時代へと転換し、帯主備の多大念援助が必、要祝されるのでは設いか。現在、法定点検が 義務づけられ、叫けばれ念がら、実際には 6 ヶ月、 12 ヶ月の点検を実施している車両は全体の~VL も 及ばず、 ζ れとそ、公害、騒音、事故陀つ念がる大切を問題であ b、文今後、上記の対策が進む陀つ れて、とれを完全実施するととは、検査機械、測定機器の精密化、取扱者の高等教育等で、えやすい 問題では念いが、との実施とそ自動車磯備士の地位見衣 b し陀つ念がるのでは設かろうか。 最後 K、アンクート V L御協力裁いた、本学卒業生及、一般繋備士 K感謝します。 参考文献 1 . 交文社 自動車セミナー 2 . 日刊自動新聞社 a 自殺逮 1 9 7 4年 5月 自動車年鑑 1 9 7 2年版 自動車軽自標準作業時間表 70-72年版 -78-