Comments
Description
Transcript
イラストの作画 2 ・・・(ちょっとクールな女性を描こう)
Illustrator10-7 イラストの作画 2 イラストの作画 2 ・・・(ちょっとクールな女性を描こう) 「イラストレーション」の2回目は、ちょっとクールな女性を描いてみましょう。 No.2で描いたイラストは、漫画やアニメ志向でしたが今回は広告などで用いる挿絵的なイメー ジです。 <1>「下手な下絵をクールに決めよう!」 今回のレッスンで描くイラストは「女性の上半身ポートレート」です。 まず、好みのイメージを白い紙に黒のマジックペンで書いてみましょう。 写真をトレースするのも良いですし、自分の顔を鏡で見ながらというのもOKです。どうして も書けない方、またはスキャナやデジカメをお持ちでない方は、私の下絵をアップロードしま したので下記のURLからDLしてお使い下さい。 <2>「下絵をスキャンする」 まず、描いた下絵をスキャニングをしてコンピュータに取り込みます。 スキャナがあればベストですが、デジカメでもOKです。 あくまで下絵ですのであまり難しく考えず進めてください。 スキャニングまで終われば、「.jpg」等の形式で保存してください。 <3>「下絵」としてイラストレータに配置する さて、ここからが Illustrator での作業となります。 1/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 描く絵によって手順は異なりますが、先に色やレイヤー構成をある程度決めておくと作業がは かどります。少し準備もしておきましょう。 1.Adobe Illustrator を起動し、【ファイル】メニューの【新規】ダイアログに下記の設定 をしてOKします。 サ イ ズ : A4 用紙の方向 : 横 カラーモード : CMYKカラー 2.用意した画像を下絵として配置します。 (オリジナルの下絵の場合は拡大縮小してください)今回は、下絵を一番上(前面)のレ イヤーに置いて、「透明」機能を用いますので、先に新規レイヤーを作りましょう。【レ イヤーパレット】を表示して、下に並ぶボタンから【新規レイヤーを作成】ボタンをクリ ックしてください。 注)バージョン9以前の方は、「透明」機能がありませんので、No.5<1>を参考にして 従来のテンプレート機能での【配置】をしてください。 3.次に、【ファイル】メニューの【配置】を選ぶと表示されるダイアログに、先ほど保存し た下絵画像を選んで、OKします。 2/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 4.配置した画像が選ばれている状態で、【ウインドウ】メニューから【透明】パレットを表 示してください。 5.【透明】パレットの「不透明:」項目を「30%」にして、下絵を透かし表示にします。 加えて、「通常:」と書かれた項目をプルダウンして、「乗算」に変更しておきましょう。 (「乗算」等の演算機能を詳しく知りたい方は、同シリーズの「実践!Photoshop 講座」を 受講してみて下さい) 6.レイヤーパレットに戻り、下絵画像がある「レイヤー2」項目をWクリックします。表示 されたオプションダイアログから「名称:」を「下絵」としてOKしてください。 7.もう少し準備を続けます。 レイヤーパレットの【新規レイヤーを作成】ボタンを5回クリックして、合計7つのレイ ヤーを作ります。6.の方法で、それぞれに下記の名称を付けておきましょう。 下絵 (ロックをONにしておく) ↓ 口 ↓ 目 ↓ 服 ↓ 髪の毛 ↓ 顔・頭 ↓ 背景 3/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 8.続けて、色も10種類ほど作っておきます。 ● 髪の毛ベース色 C: 15/M: 35/Y: 5/K: 0 ● 顔の肌色 C: 3/M: 8/Y: 20/K: 0 ● 耳・首の肌色 C: 4/M: 10/Y: 25/K: 0 ● 首の影部分肌色 C: 5/M: 15/Y: 30/K: 2 ● 髪の毛・服の濃い茶色 C: 60/M:100/Y:100/K: 0 ● 服濃いピンク色 C: 15/M: 35/Y: 85/K: 0 ● 服薄いピンク色 C: 2/M: 10/Y: 0/K: 0 ● 唇の濃い部分色 C: 10/M: 25/Y: 50/K: 0 ● 唇の薄い部分色 C: 5/M: 10/Y: 30/K: 0 ● 目の色 C: 65/M: 50/Y: 0/K: 0 ● 背景色 C: 80/M: 40/Y: 50/K:20 これで、準備完了です。 4/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 <4>輪郭をトレース 下絵をトレースする方法には「オートトレース」機能もありますが、ここでは【鉛筆ツール】 を使ってみます。鉛筆ツールで下絵をなぞるようにマウス操作して「ドラッグ」していきます。 注)ツールボックスの【鉛筆ツール】をWクリックすると、ツール環境設定ダイアログが表示 されますので、ここでの設定を変更することで線の滑らかさを調整できます。通常は「精度:」 項目の数値を小さくすると、アンカーポイントの数が増えます。また、「スムース度:」項目 の数値を大きくすると線が滑らかになりますが、マウスの軌道と描画とのずれが大きくなりま す。設定によってある程度の調整は可能ですが、マウスでの操作には限界がありますので、本 格的にパソコンでイラストレーションをはじめたい方は、タブレット(ペン型マウス+パッド) を使ったより精度の高い描画環境を検討してみてください。 <タブレットの参考資料> 1.では、トレースの開始です。 【鉛筆ツール】で下絵をなぞりながら(ドラッグ)大まかなパーツごとに描きます。 「頭」 →「顔」→「首」→「服」の順序で書き進めてください。 カラー設定はとりあえず、「塗り:透明」「線:黒」「線幅:3pt」としておきましょう。 5/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 2.最初は、大胆にトレースし、ある程度形が整った時点で、描いたラインを修正していきます。「ス ムースツール」や「ダイレクト選択ツール」「方向点切り替えツール」などが便利です。 3.<3>7でレイヤーを分けましたが、各パーツをそれぞれのレイヤーに移動します。移動 方法は、オブジェクトが選択されている状態でレイヤーパレットの右端に表示される小さな■を移動 先のレイヤー項目にドラッグします。 6/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 4.ここで色も設定しましょう。 <3>8で用意した色を各パーツに割り当てます。頭は「髪の毛ベース色」、顔は「顔の 肌色」、耳・首は「耳・首の肌色」、服は「服薄いピンク色」とし、【線】の設定は透明 にしておきます。また、各パーツの重なり順も【オブジェクト】メニューの【アレンジ】 項目で調整ましょう。 イラストレータでの作図は、後で修正可能なことが利点です ので、あまりこだわらずに進めてください。 <5>「服に模様をつけてみよう」 では、洋服にチェック柄の模様を付けます。 1.まず「服」の部分を選択して「コピー」をしてください。 7/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 2.次に「長方形ツール」でチェック柄のラインになる横長の帯を作り「塗り:服の濃い茶色」 「線:透明」とします。 3.この帯を「選択ツール」で下方向にドラッグしながら「Alt(option)キー」と「Shift キー」 を押さえて、垂直複製をします。 4.続いて、複製されたオブジェクトが選択状態のまま「Ctrl(command)キー」+「Dキー」を 5~10回繰り返すと等間隔に帯ができ、横ラインの完成です。 5.作成した横のライン全てを選択して「回転ツール」をWクリックします。 表示されたダイアログに90度回転と入力し、「コピー」をクリックすると縦の帯が作成 されます。 8/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 6.縦ラインの「塗り:」を「服濃いピンク色」に変更します。 7.次に、縦横の帯を【グループ】化し、少し全体を傾けておきましょう。 8.また、「縦横の帯」を「服」の部分に重ねて大きさを整えます。 9.さて1.でコピーしておいた服の元画をここでペーストさせ、「縦横の帯」を「マスク」 してしまいます。同位置にペーストするには、【編集】メニューの【前面にペースト】を 実行して下さい。 9/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 10.「縦横の帯」と「服のペースト画」が選択された状態で、【オブジェクト】メニューから 【(クリッピング)マスク_作成】で、服の完成です。 <6>「髪の毛の流れ」を描く 次は、「髪の毛の流れ」を描きましょう。 1.【鉛筆ツール】に持ち替えて、「塗り:」を「髪の毛の濃い茶色」に、「線:」は「透明」 にしておきましょう。また、レイヤーは「髪の毛」レイヤーを指定し大胆に描きましょう。 10/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 2.顔の後ろから飛び出した髪の毛部分は、「顔・頭」レイヤーの最背面に描くことで、線が はみ出していても隠すことができます。 <7>「目を描く」 いよいよ「目」を描きます。 1.「楕円形ツール」をアクティブにして横長楕円を一つ書きます。 2.色の設定は「塗り:白」「線:黒」「線幅:1.5pt」とします。 3.ツールバーのペンツールの下にある「方向点切り替えツール」をアクティブにして「横長 楕円」の右側アンカーポイントをクリックして下さい。楕円の先が鋭角に変形すれば正解 です。 4.次に反対側(目尻となる部分)を「はさみツール」でク リックし、オープンパスにして 下さい。後は、ダイレクト選択ツールで目のカタチを整えましょう。 11/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 5.「瞳」を描くにも【楕円形ツール】が適当です。 「塗り:目の色」「線:透明」にして円形を書いて下さい。 6.瞳の周囲をぼかすために「グラデーションメッシュ」を用います。 円形を選択して【オブジェクト】メニューから【グラデーションメッシュを作成】を選ん で下さい。表示されたダイアログで「種類:」を「エッジ方向」とし、プレビューを見な がら「ハイライト:」を調整します。 7.後は、【ペンツール】で「眉毛」と「皺」を黒い線で書き足します。 線幅を工夫すると表情が変化します。 8.片方の目が出来た時点で、目のパーツを選択して「リフレクトツール」で反転複製し、瞳 の位置を移動して「目」の完成です。 12/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 目や眉毛を鉛筆ツールなどのフリーハンドで描くことは、ある程度「絵心」が必要です。でも、 【ペンツール】や【楕円形ツール】で描いたラインを「変形」する方法だと、やり直しが容易 ですので、絵が苦手な方でも大丈夫ですよね! <8>「口を描く」 目に黒い線を入れて強調したので、口はおとなしい色合いで描くことにしました。 1.唇の輪郭を「鉛筆ツール」で描いてから「塗り:唇の濃い部分色」「線:透明」にします。 2.先程の「瞳」と同じように、「グラデーションメッシュ」で周囲をぼかしましょう。 3.グラデーションメッシュを作成すると、オブジェクト内部にもアンカーポイントができま すので「ダイレクト選択ツール」で選択することにより、細かい色調整が可能です。 No.5<6>なども参考にして、好みの唇にしあげてください。 13/14 Illustrator10-7 イラストの作画 2 <9>「背景」を描いて完成 イラストを Illustrator で描く際には、細かなアンカーポイントを調整しなければいけません ので、「レイヤー」を細かく分けたり、色を準備ておくと便利です。レイヤーロックやレイヤ ー非表示などを上手く使って作業性を向上させてください。また、【画面】メニューの【アー トワーク(アウトライン)】モードに切り替えることで、重なった選択しにくいラインも簡単 に選択することが可能です。 注)バージョン9から「アートワーク」が「アウトライン」に変わっています。 これは単純に名前が変更されただけです。 最後に、「背景」色を加えて完成です。 <今回使用した主な機能> ● 「透明」機能で下絵:<3>2~5 ● 【鉛筆ツール】:<4>(注) ● タブレットに関して:<4>(注) ● 【回転ツール】:<5>5 ● 【(クリッピング)マスク】:<5>10 ● 【グラデーションメッシュ】:<7>6/<8>3 ● 【アートワーク(アウトライン)】モード:<9>(注) 14/14