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2014年03月度 商業動向報告書(PDF)
2014年3月度 2014年3月度 商業動向報告書 1.経済動向指標 【国内景気指標】 全体概況 出典:内閣府「月例経済報告」(2014年3月) 景気は、緩やかに回復している。また、消費税率引上げに伴う駆け込み需要が強まっている。先行きについては、輸出が持 ち直しに向かい、各種政策の効果が下支えするなかで、家計所得や投資が増加し、景気の回復基調が続くことが期待され る。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、消費税率引上げに伴う駆 け込み需要の反動が見込まれる。 2月小売販売額 出典:経済産業省「商業販売統計」(2月) 経済産業省が発表した商業販売統計(速報)によると、平成26年2月の商業販売額は37兆7580億円、前年同月比2.8%の増 加となった。これを卸売業、小売業別にみると、卸売業は26兆8450億円、同2.4%の増加となった。小売業は10兆9130億円、 同3.6%の増加となった。なお、商業販売額の季節調整済前月比は、1.3%の減少となった。卸売業は同1.7%の減少、小売 業は同0.3%の増加となった。 2月専門量販店販売額 出典:経済産業省「専門量販店販売統計調査」(2月) 経済産業省が発表した専門量販店販売統計(速報)によると、平成26年2月の専門量販店販売は、家電大型専門店が3571 億円、ドラッグストアが3630億円、ホームセンターが2230億円となった。 2月全国消費者物価指数 出典:総務省「消費者物価指数」(2月) 総務省が発表した2月の全国消費者物価指数(CPI、2010年=100)は、総合指数が前年同月比1.5%上昇の100.7ポイントと 6ヶ月連続のプラス、前月とは同水準となった。生鮮食品を除く総合が100.5ポイントと前年同月比1.3%上昇。前月比は0.1% の上昇となり、プラスに転じた。食料及びエネルギーを除く総合では前年同月比0.8%上昇の98.3ポイントとなり、前月比も 0.1%の上昇とプラスに転じた。 【商業関連指数】 2月SC売上高/前年比-1.0%でマイナスに転じる 出典:日本SC協会「SC販売統計調査報告」2月 2014年2月の既存SC売上高は前年同月比-1.0%と、前月から一転して前年を上回ることができなかった。今月前半は、気温 の低い日が続き、春物衣料の動きが鈍く、冬物セール品も品薄のため、売上を伸ばすことができなった。関東甲信地方を中 心に2週連続の大雪により、営業時間の短縮や休業、道路の閉鎖等で来店客数が減少したこと、物流も滞り品薄状況が続 いたことも大きく響いた。月後半は気温が上昇して春物衣料を中心に動きだしたこと、また消費増税前の駆け込み需要で比 較的単価の高い化粧品や貴金属、時計、家具、家電等が伸長していると報告が見られたものの、前年をクリアするまでには 至らなかった。テナントは-1.7%、キーテナントは0.8%であった。地域別でみると、北海道は4.5%で国内外からの観光客数の 増加や、リニューアル効果等により好調な結果になった。近畿は0.1%で8ヶ月ぶりにプラスに改善した。 2月百貨店売上高/昨年末からの増勢維持4ヶ月連続プラス 出典:日本百貨店協会「全国百貨店売上高概況」2月 昨年末からの増勢を継続し4ヶ月連続のプラスとなった。今年2月は、関東甲信地方を中心とした2週連続の記録的な大雪に より、中旬までは入店客数に大きな影響を受けたものの、中旬以降はプラス基調を回復し、消費税率引上げ前の駆け込み 需要や、各店の積極的な催事展開などの背景に、1月の伸び率(+2.9%)を上回る水準で好調に推移した。天候不順から衣 料品(-0.5%)は前年を若干下回ったが、ラグジュアリーブランドや高級時計・宝飾品などの高額商材は以前活況で、引き続 き高い伸びを示した。また、季節催事のバレンタイン商戦が全国的に好調だったほか、まとめ買いの傾向も見られる化粧品 が二桁増しを示したことなどが、商況全体を押し上げる要因となった。 2月チェーンストア売上高/前年比3ヶ月ぶりのプラス 出典:日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」2月 平成26年2月度は、食料品は、相場高の影響もあり農産品、畜産品が好調だったほか、住関品では、医薬・化粧品、家具・イ ンテリア、家電などが好調だったこともあり、衣料品は苦戦したものの、総販売額の前年同月比は、101.5%(店舗調整後)と 3カ月ぶりのプラスとなった。 2月外食産業売上高/悪天で客足に影響、前年下回る 出典:日本フードサービス協会「外食産業概況」2月 2月は、太平洋側を中心に2度の大雪に見舞われ、どの業態においても客足に大きく影響し、徐々に回復の兆しを見せてい た外食マーケットに水を差した。特に関東甲信地方では記録的な大雪となり、一部の地域では物流にも影響し、営業時間の 短縮や休業を余儀なくされる店も出るなど、外食の売上に大きなダメージとなった。客単価は引き続き堅調に推移しているも のの、客数が95.2%となり、売上は97.2%と4カ月ぶりに前年を下回った。 2月コンビニ売上高/前年比1.0%増で4ヶ月ぶりプラス 出典:日本フランチャイズチェーン協会「コンビニ統計月報」2月 今月の平均気温は平年並だったが、気温の低い日が多く太平洋側では大雪に2度見舞われ、関東甲信地方を中心に記録 的な大雪となった。一方、日本海側の降雪量は少なかった。大雪の影響を受けた地域では客数に影響が出たが、食品や非 食品のまとめ買いがあり、また全国的にはコーヒー等のカウンター商材が好調に推移し、既存店売上高は前年を上回った。 既存店ベースでは、来店客数10億5,249万人(前年同月比+0.002%)が4ヶ月連続のプラス、平均客単価611円(前年同月比 +1.0%)が4ヶ月ぶりのプラスになり、売上高6,435億円(前年同月比+1.0%)は3ヶ月ぶりのプラスとなった。 1 2014年3月度 商業動向報告書 2.マーケティング情報 【経済・消費・市場動向】 みなとみらい21地区、来街者数過去最多の7200万人 出典:流通ニュース(3月13日) 横浜市は3月12日、みなとみらい21地区の来街者数が過去最多の7200万人(前年比7%増)となったと発表した。就業者数 は約9万3000人(4%増)、事業所数は約1720社(13%増)となった。昨年、「MARKISみなとみらい」をはじめとする新たな施設 がオープンしたほか、東急東横線・みなとみらい線が東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始し、首都圏からさらに多く の来街者が訪れるようになった。みなとみらい21地区は事業開始から30周年、横浜ランドマークタワーはオープンから20周 年を迎え、地区全体でさまざな取組が実施され相乗効果により大きな賑わいを見せたという。 商業地公示地価、三都市圏1.6%上昇 出典:日経MJ(3月19日) 国土交通省が発表した2014年1月1日時点の商業地の公示地価は三大都市圏が前年比1.6%上昇し、6年ぶりにプラスに転 じた。主要都市の中心部などで、店舗の売上げが増加基調にあることや、大型施設の開発、交通アクセスの向上などが進 み地下上昇につながった、低金利や景況感の改善を追い風に、商業地をマンション用地として利用する動きが広がったこと も影響した。全国平均では0.5%下落し、6年連続で前年を下回った。 アウトレット、3連休軒並み2ケタの伸び 出典:繊研新聞(3月27日) 主なアウトレット施設の3連休(21~23日)は、春休みと増税前の駆け込み、セールの3要素が絡み、売上げは軒並み2ケタ 増と活況だった。衣料品のまとめ買いが目立ったことや、施設によってはインバウンド来場の後押しもあって、ラグジュアリー ブランドをはじめ高額品の売れ行きが良く、客単価を押し上げた。三菱地所・サイモンの9施設は既存売上げで20%増と気を 吐いた。千歳アウトレットモール・レラの3連休は50.2%増、客数14%増、客単価12.3%増と、積極的な集客施策が効果を発 揮した。三井アウトレットパークは全12施設が好調に推移し、売上げは20%増。新年度に向けたビジネス商材や入学入園向 け商材が活況だった。 3.商業施設関連情報 【開発関連】 東急不動産/(仮称)神宮前6丁目プロジェクトを着工 出典:流通ニュース(3月6日) 東急不動産は3月、渋谷区神宮前に都市型商業ビル「(仮称)神宮前6丁目プロジェクト」を着工した。開業は2015年春の予 定。神宮前交差点付近で最大級の敷地に、緑豊かなテラスや恵まれた眺望などの特徴を活かし、表参道・渋谷エリアのラン ドマークとなる商業施設として計画を進める。プロジェクトの路面には、周辺エリアで最大級となる大型メゾネット区画を設 け、アーバンリサーチが、新ブランドの旗艦店の出店を計画する。該当区画は、明治通りの賑わいと緑豊かな空間の2面性 を有し、ブランドの旗艦店に相応しい世界観を演出できるという。中上層階や地下階には、眺望を活かした「レストラン」や 「サービス店舗」の区画を設けるなど、新しいタイプの都心型商業ビルを目指す。 大阪「あべのハルカス」全面開業、高さ日本一 出典:日本経済新聞(3月7日) 高さ300メートルの日本一の超高層複合ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)が7日、全面開業した。近畿日本鉄道が 総額1300億円を投じて建設した大阪の新たなランドマークは百貨店やホテル、美術館、展望台、オフィスなど様々な機能が 詰まった「立体都市」に。「キタ(梅田)」「ミナミ(なんば)」に次ぐ第3の街にそびえる摩天楼からは関西一円はるか先まで見渡 せる。集客の核は、低層階に入る近鉄百の旗艦店「あべのハルカス近鉄本店」だ。地下1階入口前などには約200人が開店 を待っていたため、通常より30分早い午前9時半に開業した。年間来店客は4500万人で、2015年2月期の総売上高は1450 億円を目指している。 サッポロ銀座ビルを建て替え、商業ビルに/サッポロ不動産開発 出典:繊研新聞(3月7日) サッポロ不動産開発は、東京・銀座4丁目交差点の風景の一つとして親しまれてきたサッポロ銀座ビルを建て替えて複数の テナントが入る商業ビルにすることを決めた。街の活性化と新たなにぎわい創出を目的に再開発する。所有する札幌銀座ビ ルとファイブ銀座ビルを一体的に建て替えるもので、地下2階~地上12階の複合商業ビルになる。共同事業者のつヾれ屋の 新店舗と日産自動車、サッポロライオンの新店舗の他に、新規の商業テナントを募る。16年春に完工を予定している。 大森と立川の商業施設を取得、シンガポールのクリサス 出典:不動産マーケット情報(3月13日) シンガポールREIT(不動産投資信託)のCroesus Retail Trust(クリサス・リテール・トラスト、CRT)は2014年3月、特定目的会 社を通じて大森と立川の商業施設を取得した。取得価格は合計142億5000万円。今回の取得によってCRTの運用資産は評 価額ベースで678億3000万円になる。 大田区大森北1丁目にあるLuz(ラズ)大森の取得価格は34億5000万円。売り主は CRTの運営に参加している丸紅の特別目的会社だ。もう一物件は立川市曙町のNIS WAVE.I(エヌ・アイ・エス・ウエーブ・ドッ ト・ワン)で、合同会社ウエーブから108億円で取得した。 2 2014年3月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【開発関連】 日本橋に「コレド室町2、3」開業/三井不動産 出典:日本経済新聞(3月20日) 東京・日本橋地区で20日、三井不動産の再開発商業施設「コレド室町2」「コレド室町3」が開業した。約1800席を収容する大 型シネマコンプレックス(複合映画館)など68店舗が入り、日本橋地区全体の活性化につなげる考えだ。30代、40代がメーン ターゲット。「食の新提案」や「夜のにぎわい再生」などをテーマに、周辺の百貨店などと商業ゾーンの形成を目指す。老舗和 菓子店や全国各地の名産品が食べられるレストランなど魅力のある店を集めた。コレド室町を合わせた3施設での年間の売 り上げ目標は110億円、1700万人の来館者を見込んでいる。 森ビル/虎ノ門ヒルズ6月11日開業、オフィス8割入居決定 出典:日本経済新聞(3月20日) 森ビルは20日、超高層の複合ビル「虎ノ門ヒルズ」(東京・港)が6月11日に開業すると発表した。2020年の五輪開催で注目 を集める東京湾岸と都心を結ぶ幹線道路「環状2号線」との一体開発が特徴だ。道路の上に52階建て高さ247メートルのビ ルを建設。環2の虎ノ門―新橋間は今月29日に先行して開通する。戦後復興で構想された都心の大動脈が「五輪道路」とし て動き出す。6~35階のオフィス部分はテナントの8割が決定。広告会社アサツーディ・ケイなどが本社移転を決めた。企業 業績の改善を受けて引き合いは強く、森ビルは開業時の満室稼働を目指す。37階以上には日本初進出となる高級ホテル 「アンダーズ東京」と住宅が入る。虎ノ門ヒルズが起爆剤となり、中小ビルの密集する虎ノ門・新橋周辺の再開発が加速する 見通し。環2沿いの中小ビルの所有者は「ゼネコン(総合建設会社)からビルを売ってほしいと頼まれた」と話しており、不動 産取引が活発化しそうだ。 「渋谷109」全国展開本格化 東急モールズ、札幌など検討 出典:日本経済新聞(3月27日) 東急モールズデベロップメント(東京・渋谷)は東京・渋谷で運営するファッションビル「SHIBUYA109」の全国展開を本格化 する。26日、今秋に鹿児島市へ進出すると発表した。そのほか札幌市など政令指定都市でも出店を検討する。SHIBUYA 109の高いブランド認知度を生かし、地方在住の若い女性客を開拓する。JR鹿児島中央駅に直結した駅ビル「アミュプラザ 鹿児島」本館2階の1550平方メートルを賃借し、「SHIBUYA109KAGOSHIMA」の名称で開業する。渋谷の本店で10代後 半から20代前半の女性に人気が高い衣料やアクセサリー、雑貨のブランド店を20店誘致する。同駅は九州新幹線が全線開 通して利用者が増えており、集客が見込めると判断した。初年度に16億円の売り上げを見込む。SHIBUYA109の地方進出 は大阪・阿倍野に次いで2カ所目。駅ビルへの出店は鹿児島が初めて。渋谷本店では外国人客比率が1割以上まで高まっ ており、台湾や香港など東南アジアへの進出も検討している。 御徒町の新ランドマーク・吉池本店ビル4月オープン 出典:FASHION HEADLINE(3月27日) 4月26日、東京・上野の1920年創業の老舗「食料品 吉池」本店の建て替えが完了し、「御徒町吉池本店ビル」としてグランド オープンする。吉池と三井不動産の共同事業。食料品 吉池は鮮魚・食品・酒類・日用雑貨を扱い、和食・寿司、養殖が楽し める複合新業態「吉池食堂」にリニューアル。この他、池袋に続く「ユニクロ(UNIQLO)」のグローバル繁盛店、「GU」の都心 大型店、手芸用品・ホビー材料専門店「ユザワヤ」、老舗洋食店「香味屋」のビストロ風新業態「Cochon d’Or 香味屋」など全 11店舗が出店する。立地は近隣にJR線や都営大江戸線の各駅、日本有数の商店街であるアメヤ横丁があり、2017年にか け大型商業施設やオフィス・ホテルの開発が進行するエリア。御徒町吉池本店ビルが新たなランドマークとなることを目指 す。なお食料品 吉池は4月19日に営業を終了し、23日に当ビルに先行オープン予定。 【運営関連】 オリックスREIT、468億円で8物件を取得 出典:不動産マーケット情報(3月4日) オリックス不動産投資法人は3月3日、オフィスビルや商業施設など8物件の取得を決めた。価格は合わせて468億2500万 円。今回の取得により、投資法人の運用資産は取得価格ベースで約4579億円に拡大する。取得価格が最も高いのは、豊 島区西池袋の賃貸マンション、ウエストパークタワー池袋だ。オリックス出資の特別目的会社から205億円で4月に取得す る。稼働率95%を前提とした想定NOI(純収益)は9億7400万円。取得価格に対するNOI利回りは4.7%になる。 スマホ決済、アプリ入れればカードいらず 出典:日経MJ(3月5日) クレジットカードを持ち歩く必要がない新型のスマートフォン決済が海外から相次ぎ上陸している。「ZNAP」は店でQRコードを 読み込むと、スマホが注文端末やレジ代わりに。注文機能などの拡張性を武器に、日本で広く普及した「おサイフケータイ」 に挑む。ZNAPはアプリにクレジットカード番号などの情報を登録。店でQRコードを読み込みメニューを取得。商品を選び テーブル番号も指定する。暗証番号を入力して決済すると頼んだ商品が届く。ZNAPは暗証番号を知られなければスマホを 落とすと他人に使われる危険がない。クレジットカードを見せに渡さないのでスキミングも防げる。店は初期投資がかからな いウインウインの決済システムだ。日本企業では富士通とソフトバンクが年内にカード携行不要のスマホ決済サービスを始 める。 3 2014年3月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【運営関連】 富士通、クラウド型ポイントサービス 出典:繊研プラス(3月20日) 富士通マーケティングと富士通エフ・アイ・ピーが提供する「バリューフロントポイントサービス」が、アパレルメーカーやスー パー、交通機関、金融機関など幅広い業種に広がっている。4月にはライトオンで本格稼働し、昨年8月に導入したヌーヴ・エ イでは会員数が大きく伸びているという。クラウド型のため、従来のシステム構築コストを大幅に削減。ポイントシステムに必 要な機能に加え、分析機能を備えているのも特徴だ。このポイントサービスを導入する企業は、既存システム更新が多い。 4、5月で6、7社ある導入企業もほとんどがそうだ。O2O(オンライン・ツー・オフライン)実行や電子マネーとの連携などのニー ズが強いという。平均1枚50円かかるカード発行コストを削減したいという要望も増えているが、カードを残すかどうかは、企 業の戦略次第。専用アプリを開発する企業も増えている。位置情報に応じたクーポン発行や店舗検索、プッシュ通知なども 可能になり、顧客への多様なアプローチができるようになるからだ。 小田急百貨店でO2O、実店舗への来店率50% 出典:商業施設新聞(3月25日) リンケイジアジャパンは、小田急百貨店新宿店で顧客の動きを可視化するO2Oサービス「ont off」をスマートフォン対応で実 施した。その結果、フェイスブックで事前にクーポンコードを取得したユーザーの約50%が実店舗へ来店したり、店内での買 い回りが促進されたなどの効果があったと発表した。「ont off」は、オンライフとオフラインにまたがるユーザーの動きを可視 化する来店効果計測サービス。WEBサイトを分析するように、店舗へ訪れる顧客の動きを可視化することで、フリーペーパー やサイトでの来店効果を評価できる。「ont off」は2月7日から実施された小田急百貨店新宿店のバレンタインキャンペーンで サービスを運用した。その結果、①フェイスブックからの来店促進②新たなユーザー層の獲得③店内での買い回り促進、の 3つの効果を得た。 【店舗関連】 期間限定、横浜「西口ルミネ」オープン 出典:繊研新聞(3月3日) ルミネはルミネ横浜の期間限定施設として、横浜駅西口に「西口ルミネ」を1日に開業した。元JR駅ビルの解体工事をしてい る跡地の一部に開設、新ビルが着工されるまで営業する。施設は地下1階で、店舗面積は約900㎡。ファッション・雑貨の物 販6店と約1ヶ月ごとに入れ替える期間限定ショップ1店を1日にオープン、4月に飲食1店と約70㎡のイベントスペースを開設 する。東口にあるルミネ横浜との連携も積極化し、東口と西口の回遊性を高め、「駅周辺地域をさらに活性化したい」という。 AOKI、都心・SC軸に 出典:日経MJ(3月5日) AOKIホールディングス傘下の紳士服専門店AOKIは出店戦略を見直す。これまでは郊外を中心に店舗網を広げてきたが、 都心部やショピングセンター内へと軸足を移す。2015年3月期に出店を予定する約40店のうち半数を駅前やSCに割り振り、 女性向け商品を拡充。成長を支えてきた団塊世代が退職する中、家族が利用しやすい都心部で需要を取り込む。 ABCマート、初のレディス業態 出典:繊研プラス(3月10日) 靴専門店のエービーシー・マートは7日、初のライフスタイル提案型レディス業態「シャルロット」を東京・新宿の路面にオープ ンした。スニーカー7割・雑貨3割の品揃えで、トレンドに敏感な女性をターゲットに店舗演出に凝った。売り上げ目標は年間3 億円、出店計画は2年後に50店。現在シューズ市場はスニーカーブームで、「ABCマート」でもレディススニーカーは絶好調。 ただ、女性は店の雰囲気で購入を選ぶことが多いため、ABCマートとは異なるVMD演出、テーマ設定、トレンド提案で、ファッ ションに敏感な層をとらえる。1、2階で展開ブランドを分けず、シューズと雑貨で同系色の色を並べたりして、セット買いを狙 う。今後はオリジナル商品を増やしていく。客単価は8000~9000円を想定、年間売り上げ3億円をめざす。1号店は路面だ が、2号店はSC内を予定する。多店舗化では2階のシャルロットの部屋で展開し、2年後50店にする。 ユナイテッドアローズ/新ウィメンズシューズ事業を開始 出典:流通ニュース(3月13日) ユナイテッドアローズは3月14日、「ららぽーとTOKYO-BAY南館」に新ウィメンズシューズ事業「Boisson Chocolat(ボワソン ショコラ)」(BC)の初出店となる「BC船橋店」をオープンする。デイリーに使えるプレーンでベーシックなパンプスやフラット シューズ、サンダル、ブーツなど、女性のスタイリングに欠かせないマストアイテムを展開。女性らしいデザインと履き心地の よさにもこだわった、すべての女性の毎日を彩るシューズを提案する。 4 2014年3月度 商業動向報告書 3.商業施設関連情報 【販促関連】 伊勢丹新宿本店/本館5階リビングフロアに、販促スペース設置 出典:流通ニュース(3月12日) 伊勢丹新宿本店は3月12日、本館5階リビングフロアのエスカレーター付近にプロモーションスペース「パーク」を設置した。 パークは店舗の回遊性を高める起点であり、終点でもある機能をもつコーナーで、これまでにない魅力ある商品を編集して 提案する企画。今秋には、本館5階リビングフロアと、6階ベビー子どもフロアをソフトオープンし、2015年3月にリ・モデルグラ ンドオープンする。まず、パークをソフトオープンさせることで、売場リニューアルの起点とする。 丸井/ICカードを利用した双方向デジタルサイネージ 出典:流通ニュース(3月25日) 丸井グループは3月24日、ICカードを使った双方向デジタルサイネージ「クーポンタイム」のレンタル版サービスを開始すると 発表した。グループ会社のエイムクリエイツが提案する「クーポンタイム」は、ICカードをタッチするだけで、クーポン券などを 即座に提供できる双方向デジタルサイネージ。セールスプロモーションツールとして、多くの商業施設で、来店・買上促進に 活用されている。利用できるICカードは、交通系、電子マネー系以外にも商業施設のハウスカードやクレジットカードなどに 対応できる。カード番号を瞬時にユニークIDに変換できるため個人情報のリスクもなく、導入するクライアントにも利用するお 客にとっても、安心して利用できる仕組みという。「一度使って効果を試したい」という企業のニーズに対応するため、3月下 旬から「レンタル版」のサービスを提供する。 4.東京建物グループトピックス オリナスモール・コア改装、地下1階を「オリチカ」に 出典:商業施設新聞(3月18日) キャピタモールズ・ジャパン㈱は、東京・錦糸町の商業施設「olinas core」地下1階をリニューアルし、新規に19店を出店、4 店を改装し、4月1日にオープンする。核テナントとして、北関東にスーパーマーケットを151店展開するカスミの「フードスクエ ア」業態が出店し、東京に進出する。今回リニューアルするのは、同商業施設の地下1階部分で、新たに「オリチカ」として呼 称する。食物販では新規に9店、フードコートは新規に4店、1店がリニューアルとなる。同フロア全体のチナント数は23店。な お、オリナスコア南側に「オリチカ」への直通エントランスを増設し、アクセスの向上を図っている。 東京建物原宿ビルなど2棟を51億円で取得、仏AXAと三井住友トラスト 出典:不動産マーケット情報(3月24日) 仏AXA Real Estate Investment Managers(AXA REIM)と、三井住友トラスト不動産投資顧問は両社の共同投資プログラムを 通じて2棟の都心ビルを取得した。価格は合計51億円。物件名はいずれも非公表だが、このうち1棟は、千代田区麹町の CTS麹町ビル。地下鉄半蔵門駅から徒歩1分のオフィスビルで、地上8階建て、延べ床面積約2500m2の規模。売り主はいち ごグループの特定目的会社。もう1棟は原宿エリアにある東京建物原宿ビルで、地上8階地下1階建て、床面積約3500m2の 規模。レディースアパレル会社のイトキンが一棟借りしており、期間7年で賃貸借契約を更新したばかりという。イトキンでは 東京クリエーターズビル(TCB)と呼んでいる。 売主は東京建物。 大手町タワーのオフィス持分、みずほが1782億円で取得 出典:不動産マーケット情報(3月26日) みずほ銀行は3月26日、大手町タワーの持分を取得する。オフィスフロア約11万4000m2をすべて同行グループが利用してお り、その共有持分30%とそれに対応する地上権が取引対象。価格は1782億円で、売り主は東京建物と大成建設の特別目 的会社である有限会社東京プライムステージだ。大手町タワーは、地下鉄大手町駅に直結した複合用途ビル。東京プライ ムステージが2004年、みずほ銀行大手町本部ビルと大手町フィナンシャルセンターをみずほ銀行などから1450億円で取得 し、新たなビルに建て替えた。地上38階地下6階建て、延べ床面積19万8467m2の規模で、2013年8月に一次竣工した。地下 には商業ゾーンのOOTEMORI(オーテモリ)がすでに開業。33階~38階は高級ホテルのAMAN TOKYOが2014年にオープン する予定だ。32階以下のオフィスフロアには、みずほフィナンシャルグループが2013年12月に本社を移転した。2014年5月に はみずほ銀行が本店を移転し、オフィスは満室稼働する予定だ。 アクサ、中野の4万m2を東京建物などから取得 出典:不動産マーケット情報(3月27日) アクサ生命保険(本社:港区)が出資するSPC(特別目的会社)は3月27日、JR中野駅前の大型オフィスビル、中野セントラル パーク イースト棟を取得した。売り主は東京建物、ヒューリックなどのSPC。イースト棟は、同じくオフィスビルのサウス棟、レ ジデンス棟とともに中野駅前の再開発街区、中野セントラルパークを構成する。価格は開示されていないが、東京建物が発 表した3棟全体の価格は1845億円。イースト棟は延べ床面積ベースで全体の2割に相当し、面積按分による推定価格は約 380億円となる。AXAグループの不動産投資顧問会社であるAXA Real Estate Investment Managers Japanがアセットマネジ メントを受託した。プロパティマネジメントは引き続き東京建物が担当する。なお、再開発街区全体を保有してきたSPCは今 回の売却を機に解散。東京建物とヒューリックは、施工者など他の出資者の持分も買い取る形で、残ったビル2棟を直接保 有に切り替える。このうち、延べ床面積約15万m2のオフィスビル、サウス棟は、東京建物、東京建物不動産投資顧問、 ヒューリックの3社が取得した。戸数17の賃貸住宅であるレジデンス棟は、東京建物が単独で保有していく。 5