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平成 25 年度ガチンコ技術士学園 過去問(河川) 技術士二次試験(建設部門:河川)過去問(H19~H24) 平成24年度 技術士二次試験(建設部門:河川、砂防及び海岸・海洋) 次の10問題のうち、A グループ(1~2)及び B グループ(3~10)から各1問題、合計2問題 について、問題毎に答案用紙を替えて、それぞれ解答用紙3枚(1800 字)以内で解答せよ。 (Aグループ) 1. 我が国において、河川・海岸堤防、ダム、砂防堰堤、水門などの施設整備は、他の社会資本整 備と同様、高度成長期に集中的に実施されてきた。そして、これまで整備してきた施設に期待 する機能は、今後とも適切に維持していく必要がある。 これまでの施設整備状況を前提として、既存施設の機能を維持していく上での課題及びその課 題に対応するための方策について、あなたの考えを述べよ。 2. 自然災害に対するリスクマネジメントについて、以下の問いに答えよ。 (1) 「自然災害によるリスク」について「自然外力(ハザード)」、「脆弱性」の用語を使用 して説明せよ。 (2) 我が国の国土・社会条件を踏まえ、自然災害に対するリスクマネジメントのあり方につ いて、洪水災害、土砂災害、高潮・津波災害のいずれかの分野を選び記述せよ。 (Bグループ) 3. 比較的河道が狭い単断面の中小河川(流域面積が概ね200km2未満)を対象として河道の計画・ 設計を行う場合に、「多自然川づくりをすべての川づくりの基本とする」観点を踏まえ、その 基本的な考え方について論ぜよ。また、その場合に河道を構成する「河岸・水際部」と「護岸」 との区別を明確にした上で、その果たすべき機能についてあなたの考えを述べよ。 4. 治水、利水、環境といった各側面から総合的に河川の管理を行うに当たって必要な基礎的デー タの一つである河川流量の観測について以下の問いに答えよ。 (1) 河川計画、河川管理において流量観測のデータを具体的にどのように活用しているの か、活用事例を述べよ。 (2) 流量観測手法を3つ挙げ、それぞれの手法についてどのような設備・器具を用いて観測 するのか簡単に説明せよ。 (3) 現状の課題や技術の進展も踏まえ、高水時の河川流量の観測を今後いかに実施すべきか あなたの意見を述べよ。 5. ダム施設への地震の影響について、以下の問いに答えよ。 (1) ダム施設の地震に対する安全性を確保するための考え方を、調査、設計、施工に分けて 説明せよ。 (2) 広域的な地震災害を想定した場合、ダム管理を継続する上での課題と、その対応策につ いて論ぜよ。 6. 既設の重力式コンクリートダム堤体を嵩上げすることによりその機能を向上させるダム再開発 事業において必要となる調査、設計及び施工の考え方について、新たなダムを建設する場合と の違いを踏まえ説明するとともに、考慮すべき技術的留意点とその対応について論ぜよ。 1 平成 25 年度ガチンコ技術士学園 過去問(河川) 7. 大規模土砂移動現象による災害に関して、以下の問いに答えよ。 (1) これまでの土砂災害の発生事例を踏まえ、深層崩壊の特徴について他の土砂移動現象と 対比し述べよ。 (2) 深層崩壊等の大規模土砂移動現象によって河道閉塞(天然ダム)が発生した場合の、緊急 的な対策の考え方について論ぜよ。 8. 土砂災害に対する警戒避難体制について、以下の問いに答えよ。 (1) 現在、我が国の各都道府県で運用している「土砂災害警戒情報」の概要について述べよ。 (2) 土砂災害に対する警戒避難の課題について説明するとともに、その解決のための手法に ついて論ぜよ。 9. 「津波防災地域づくりに関する法律」に基づく津波浸水想定について以下の問いに答えよ。 (1) 以下について説明せよ。 ① 設定の手順と方法 ② 設定の目的と活用方法 (2) 津波浸水想定の設定における技術的課題とそれを踏まえた対応について、あなたの考え を述べよ。 10. 海岸保全施設が有するべき耐震性能とその照査方法を述べるとともに、海岸保全施設の耐震対 策の技術的課題とその対応策についてあなたの考えを述べよ。 平成23年度 技術士二次試験(建設部門:河川、砂防及び海岸・海洋) 次の10問題のうち、A グループ(1~2)及び B グループ(3~10)から各1問題、合計2問題 について、問題毎に答案用紙を替えて、それぞれ解答用紙3枚(1800 字)以内で解答せよ。 (Aグループ) 1. 水分野における気候変化への適応策に関連する下記の問いに答えよ。 (1) 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、2007 年に発表した最新の報告書(第4次 評価報告書)において、 「温暖化には疑う余地はない」と断定した。このことを踏まえ、 あなたの得意とする分野でどのような影響があるかを3つ以上挙げ、気象・水循環のプ ロセスを踏まえつつ述べよ。 (2) (1)で挙げた影響に対する適応策について、どのような施策メニューが考えられるか、 あなたの考えるメニュー群をまず3種類以上に大分類した上で述べよ。 (3) アジア・大洋州地域において、早急に水災害分野における気候変化への適応策検討を進 めていくことが求められているが、あなたが得意とする分野でどのような国際貢献を行 うべきか、我が国の取組を踏まえつつあなたの考えを述べよ。 2. 下記の問いに答えよ。 (1)以下について説明せよ。 ① 「液状化の発生メカニズム」 ② 構造物の耐震設計に用いる「震度法」 ただし、②の説明には、設計震度並びに強震帯、中震帯及び弱震帯という言葉を含むこと。 (2)東北地方太平洋沖地震も踏まえ、今後の構造物の耐震対策のあり方について、あなたの 考えを想定する地震動の強さに応じて具体的に記述せよ。 2 平成 25 年度ガチンコ技術士学園 過去問(河川) (Bグループ) 3. 近年、局地的な大雨や集中豪雨に起因する中小河川における洪水等の水災害が多発している。 これらの災害の特徴を踏まえ河川管理上の課題を述べるとともに、今後の水災害の監視、予測 のあり方について論ぜよ。 4. 一級水系の河床・河岸材料が砂利(代表粒径が 2cm 以上)で構成される河道区間(セグメント 区分 1、2-1)において、下記の条件のもとで生じうる河道縦断形状の変化及びそれに伴う河 道横断形状・砂州・河床材料などの変化について説明せよ。 当該区間の下流端において河床材料が砂の河道区間と接合する。 当該区間は、当初、長期的に見て河道変動が小さい安定的な状態であったとする。 その後、当該区間の上流端からの砂利供給量は減少し、流量については長期的な増減傾 向がないとする。 河道変化の過程において、河道掘削や床止工・護岸など河川構造物の設置といった人為 作用の影響は考慮しなくてよいとする。 また、それら河道変化がもたらす治水上の課題とそれに対する河道・河川構造物の維持管理 の基本的考え方と具体的方策について論ぜよ。 5. 地震発生後におけるダムの臨時点検に関する以下の問いに答えよ。 (1) ダムの堤体に関する臨時点検の実施内容(手順、点検項目とその理由)及び臨時点検の 結果に応じたダムの安全性評価や必要な対応の考え方をコンクリートダム及びフィル ダムの場合についてそれぞれ説明せよ。 (2) 臨時点検の結果に応じたダムの安全性評価や必要な対応に係る的確な判断が可能とな るよう、ダムの安全管理において留意すべき点について論ぜよ。 6. ダム下流の土砂環境に配慮した堆砂対策を検討する際に必要となる、堆砂にかかわるデータの 種類と利用目的について説明せよ。また、ダム下流に土砂供給可能な堆砂対策手法を複数取り 上げ、土砂環境への影響を含む適用性の観点からその特徴を論ぜよ。ただし、対象とするダム は、比較的長い運用年数を経験した洪水調節を目的に含む多目的ダムとする。 7. 火山噴火による降灰の堆積後の降水を発生原因とする土石流に関し、その現象の特性を明らか にしつつ、土石流に対して講ずべき対策について、ハード・ソフト両面から述べるとともに、 被害の生じるおそれのある区域及び時期の想定に関する調査についての考え方、手法及び調査 実施上の留意点について述べよ。 8. 地震により発生する土砂災害の形態とその特徴を述べるとともに、災害後の地域の安全を図る ための対策の考え方について述べよ。 9. 海岸堤防天端高の計画・設計の手順・方法について述べるとともに、最近の災害の特徴や海岸 を取り巻く状況を踏まえた海岸堤防天端高設計のあり方について論ぜよ。 10. 海岸侵食対策のための調査の手順・方法について述べるとともに、海岸侵食の機構を踏まえて 海岸侵食対策のあり方について論ぜよ。 3 平成 25 年度ガチンコ技術士学園 過去問(河川) 平成22年度 技術士二次試験(建設部門:河川、砂防及び海岸・海洋) 次の10問題のうち、A グループ(1~2)及び B グループ(3~10)から各1問題、合計2問題 について、問題毎に答案用紙を替えて、それぞれ解答用紙3枚(1800 字)以内で解答せよ。 (Aグループ) 1. 個別公共事業の事業再評価の必要性について説明し、河川改修事業、ダム建設事業、砂防事業、 地すべり対策事業、急傾斜地崩壊対策事業、海岸事業(高潮対策、侵食対策)のうち、あなたの得 意とする分野において、個別事業にかかる事業再評価の際の評価項目について簡潔に記述せよ。 次に、評価項目の1つある費用対効果について、得意とする分野の現時点の一般的な算出手法 について具体的に説明した上で、今後の算出手法の充実に関して、以下の2の条件を必ず満た して、あなたの考えを詳しく述べよ。 ●条件1 現在効果として評価していない具体的な項目を最低2項目含むこと。 ●条件2 「感度分析」若しくは「将来の不確実性」という言葉を少なくとも1つ含むこと。 2. 社会・経済状況が大きく変わりゆく中で、国民の負託に応えて良質な社会基盤を効率的に整備 することが求められている。社会基盤の効率的な整備のための手法である事業管理(プロジェク トマネジメント)について、以下の問いに答えよ。 (1) 社会基盤整備における事業管理の考え方について説明せよ。 (2) あなたがこれまでに関わった河川、砂防及び海岸・海洋分野の事業から具体的な事例を 1つ挙げて、事業管理の観点から具体的に評価し、事業管理によりどのような成果があ ったのか、若しくは、事業管理の考え方を導入していればどのような効果が見込めたと 考えられるのか、あなたの考えを説明せよ。なお、必ずしもあなたの役割や立場からの 記述でなくてもよい。 (Bグループ) 3. 川幅が狭い単断面の堀込み型の中小河川(流域面積が概ね 200km2 未満)を対象として現況の 流下能力の数倍を改修目標とした河積の大幅な拡大を伴う河道計画について検討を行う場合の 基本的考え方について説明せよ。また、計画高水位、河道の法線形状、川幅、横断形状、縦断 形状、粗度係数などについて、計画する上での配慮事項について要点を整理して論ぜよ。 4. 降雨~流出関係を解析する分野で、分布定数型流出解析モデル(分布モデル※)の利用が始まっ ている。この分布モデルと従来より用いられてきている集中定数型の流出解析モデルである貯 留関数法及びタンクモデル法について、それぞれのモデルが一般的に有する特長と適用に当た っての留意事項を記述せよ。また、近年の河川管理における課題を踏まえつつ、分布モデルの 今後の活用について、あなたの考えを述べよ。 ※分布モデル:流域を数 km 程度以下のスケールでメッシュや斜面要素に分割し、それぞれの 分割メッシュ・斜面要素問での様々な水の輸送過程を明示的に追跡することで、流域スケール での水循環過程をモデル化する手法の総称。 4 平成 25 年度ガチンコ技術士学園 過去問(河川) 5. ダムの洪水吐きにゲートがある場合とない場合の違いについて、洪水処理機能、ダム管理、洪 水吐き形式などの観点から比較せよ。比較結果をもとに、ゲートの有無を選択するに当たって の留意点について論ぜよ。なお、ゲートの有無は、洪水調節用の洪水吐き(常用洪水吐き)と それ以外の洪水吐き(非常用洪水吐き)それぞれについて考えるものとする。 6. 我が国の自然的、社会的条件を踏まえ、ダムの治水、利水上の役割、効果及び課題について記 述せよ。また、近年の社会経済の動向等を踏まえて、既存ダム施設の有効活用方策について、 具体的な手法を含めて論ぜよ。 7. 土石流災害発生後、再度災害防止のための対策を計画する際に、行うべき調査の内容と対策の 考え方を述べるとともに、二次災害の発生を回避しつつ緊急対策を実施するための方策につい て論ぜよ。 8. 地すべり防止工について概説するとともに、活発に活動している地すべりに対応する際の調査、 計画上の留意点について論ぜよ。 9. 海岸保全における防護・環境・利用の3つの機能の間のトレードオフ関係について述べ、環境 及び利用に配慮した海岸保全施設整備を行うためのトレードオフ調整の要点と課題、3つの機 能が調和した海岸づくりについて、あなたの考えを述べよ。 10. 津波ハザードマップの作成手順について述べ、津波ハザードマップの課題と改善方策について、 あなたの考えを述べよ。 平成21年度 技術士二次試験(建設部門:河川、砂防及び海岸・海洋) 次の10問題のうち、A グループ(1~2)及び B グループ(3~10)から各1問題、合計2問題 について、問題毎に答案用紙を替えて、それぞれ解答用紙3枚(1800 字)以内で解答せよ。 (Aグループ) 1. 以下は、社会資本整備審議会による「水災害分野における地球温暖化に伴う気候変化への適応 策のあり方について」(平成 20 年 6 月)の答申の抜粋である。 人間活動に起因する地球温暖化に伴う気候変化は、その予測される影響の大きさと深 刻さから見て、人類の生存基盤そのものに影響を与える重要な課題である。その影響は、 生態系、淡水資源、食糧、沿岸と低平地、産業、健康など広範囲の分野に及ぶ。特に沿 岸域や低平地では、海面水位の上昇、大雨の頻度増加、台風の激化等により、水害、土 砂災害、高潮災害等が頻発、激甚化するとともに、降雨の変動幅が拡大することに伴う 渇水の頻発や深刻化の懸念が指摘されている(これらの災害を「水災害」という)。 こうした中で、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書が公表 された。この報告書では、CO2 等温室効果ガスの削減を中心とした温暖化の「緩和策」 には限界があり、「緩和策」を行ったとしても気温の上昇は数世紀続くことから、温暖 化に伴う様々な影響への「適応策」を講じていくことが「緩和策」と同様に重要である ということが指摘されている。 上記を参考にし、あなたの得意とする分野での、我が国における気候変化に伴うリスクの増加 について記述したうえで、それを軽減するための「適応策」について具体的に述べよ。 5 平成 25 年度ガチンコ技術士学園 過去問(河川) 2. 洪水を流下させるという役割以外に都市域での河川の果たすべき役割を列挙し概説した上で、 特にまちづくり・地域づくりとの一体性からの課題について整理するとともに、地域の個性を 活かし、観光の視点等から地域の活力を育むために今後の目指す方向性と具体的な取り組みに ついてあなたの考え方を述べよ。 (Bグループ) 3. 河川堤防の特徴及び整備の経緯を踏まえ、また、我が国の自然的・社会的条件に関する最近の 議論を考慮しつつ、河川堤防の点検及びモニタリングの必要性と実施すべき内容、結果の活用 策について述べよ。また、これらを実施する上での課題とその解決策について幅広く論ぜよ。 なお、解答に際しては、土堤を対象とすること。 4. 近年頻発している局所的豪雨を踏まえ、都市中小河川の特徴、出水の特性を考慮した場合の河 川管理上の課題を記述した上で、今後とるべき対策を幅広く論ぜよ。 5. ダム基礎のグラウチングについて、その目的及び実施箇所に着目し、その特徴を記述せよ。次 に、重力式コンクリートダムの基礎において、止水のためのグラウチングを実施する際の留意 点について、各グラウチングの改良目標値並びに施工範囲等に着目して記述せよ。 6. ダムの形式について、構造的特徴をダムサイトの地形・地質並びに経済性の観点から記述せよ。 次に、重力式コンクリートダムの基礎処理工事において、河床部に連続した幅数メートルの弱 層部が予想される場合、設計並びに施工で留意すべき点について記述せよ。なお、解答に際し ては、弱層部が上下流方向、ダム軸に平行方向(低角度断層についてはダム軸に平行方向のみ とする。)に分布する場合のそれぞれについて記述すること。 7. 火山の噴火に伴う土砂災害の特徴について述べるとともに、緊急的に被害を軽減させる対策計 画の考え方を論ぜよ。 8. 人口の減少が進む中山間地における土砂災害対策の課題を述べるとともに、対策の考え方につ いてハード、ソフトの両面から述べよ。 9. 近年台風や冬季風浪によって海岸で発生した災害の特徴について述べ、これらの災害に対し海 岸保全、水防活動、避難等の観点から減災対策のあり方についてあなたの考えを述べよ。 10. 我が国で問題となっている海岸浸食の要因について述べ、これまで講じてきた対策を踏まえつ つ砂浜の保全対策の今後のあり方について論ぜよ。 6 平成 25 年度ガチンコ技術士学園 過去問(河川) 平成20年度 技術士二次試験(建設部門:河川、砂防及び海岸・海洋) 次の10問題のうち、A グループ(1~2)及び B グループ(3~10)から各1問題、合計2問題 について、問題毎に答案用紙を替えて、それぞれ解答用紙3枚(1800 字)以内で解答せよ。 (Aグループ) 1. 源流部から海岸までの土砂管理の現状と課題、今後の目指すべき方向性について整理したうえ で、あなたの得意とする分野で具体的な課題を設定し、それを解決するための具体的な推進策 について述べよ。 2. 近年の風水害の発生状況を踏まえ、河川、砂防、海岸分野のいずれかの分野において、被害の 最小化を実現するために進めるべき施策について幅広く論ぜよ。 (Bグループ) 3. 中小河川(概ね流域面積が 200km2 程度以下)における洪水防御や浸水被害軽減のための計画・ 対策のあり方について、大河川と比較した場合の中小河川の自然・社会的特性等を踏まえつつ、 幅広く論ぜよ。 4. 堤防を有し、氾濫防御が必要なおよそ 10km にわたるある河道区間において、最近 20 年間で、 河原(植生がまばら、あるいはほとんど無い礫州)が優占する状況から、密生した樹木群が優 占する状況に大きく変化し、河道内樹林化と呼べる状況となった。なお当該河道区間は扇状地 河川であり、河床勾配はおよそ 1/200、川幅はおよそ 300m である。 この河道内樹林化に関して行うべき調査・分析等の項目(既往調査結果の活用も含む)と、 それにより何を評価・判断するかについての大要を、3 つの観点すなわち「樹林化の原因把握」、 「治水機能確保」、「河川環境の保全・再生」ごとに示せ。ただし、内容が互いに一部重複して も構わない。次に、こうした調査・分析等の結果を踏まえ、この河道内樹林化への対応策を検 討・実施する際に、あなたが重要と考える事柄を、治水、環境、河川管理、地域との関係の視 点を含め論ぜよ。 5. ダムの試験湛水期間における安全管理の考え方を、コンクリートダム、フィルダムについて説 明せよ。さらに、試験湛水中のコンクリートダムにおいて、基礎排水孔あるいは継目排水孔か ら安全管理上、注意が必要とされる基準を超える漏水があった場合の原因究明の手法、安全性 確認の手法、解決策について論ぜよ。 6. 第四期断層がダムに及ぼす影響を列記したうえで、ダムサイトの選定における考え方を説明せ よ。また、第四期断層調査の手順を、各検討段階における留意点を含めて論ぜよ。 7. 地球温暖化に伴う気候変動により、我が国では降水量の増大等が懸念されている。こうした気 候変動が土砂災害の発生に及ぼす影響について論じるとともに、これらに対する土砂災害対策 の方向性と技術的課題について、あなたの考えを述べよ。 8. 大規模な崩壊等により河道が閉塞し、天然ダムが形成された場合に懸念される災害の形態につ いて論じるとともに、その対策及び留意点について述べよ。 7 平成 25 年度ガチンコ技術士学園 過去問(河川) 9. コンクリート構造の海岸堤防及び護岸に関して、老朽化の現状、老朽化に伴う変状の特徴を述 べ、効果的かつ効率的な維持管理のあり方について、技術者の立場からあなたの考えを述べよ。 10. 高潮対策において海岸保全施設に求められる機能及び性能をそれらの照査方法ともに述べ、自 然環境に配慮した高潮対策の進め方について論ぜよ。 平成19年度 技術士二次試験(建設部門:河川、砂防及び海岸・海洋) 次の10問題のうち、A グループ(1~2)及び B グループ(3~10)から各1問題、合計2問題 について、問題毎に答案用紙を替えて、それぞれ解答用紙3枚(1800 字)以内で解答せよ。 (Aグループ) 1. 地球温暖化等による気候変動に起因した異常気象の増加が懸念されている。これらに関する現 状の知見を整理した上で、河川、砂防、海岸分野において対処すべき課題と方策について、幅 広く意見を述べよ。 2. 今後、ストックが増大していく中で、いかにして維持管理を行っていくべきか、あなたの考え を述べよ。 (Bグループ) 3. 代表的な護岸被災形態を3つ挙げ、そのうちの1つについて環境に配慮した復旧工法を提案せ よ。 4. 縦断勾配、川幅がそれぞれおよそ 1/100、15m の、堤防が無い単断面形状で、河床材料に厚い 礫層を持ち、ほぼ自然状態にある河川について、流過能力を河道長およそ 800m にわたって増 大させる改修を行う必要がある。図に示すように、現況河道を縦断方向に一様に掘り下げて河 積を拡大し所定の流過能力増を得ようとしたところ(改修原案)、水深が大きくなるため、改修 目標規模の洪水時に発生する流速が現況に比べてかなり増大し、また河床が安定しないという 計算結果を得た。これについて、治水、環境、河道維持管理、社会経済などの幅広い視点を必 要に応じ取り入れつつ、以下の問いに答えよ。 (1)洪水時の流速を増大させ、河床を不安定化させる、この改修原案の問題を列記せよ。 (2)改修原案と同じ流過能力増が得られ、かつ(1)で列記した問題に対処できる代替案を、 幅広く示せ。 (3)代替案の評価と絞り込みを行う際の基本的な考えを記せ。なお、回遊のルートは現河道 沿いとする。また、 (2)、 (3)をあわせて記述しても構わない。河道設計等に関わる数 量計算は求めない。 8 平成 25 年度ガチンコ技術士学園 過去問(河川) 5. 寒冷地におけるフィルダム建設に際して、コスト縮減提案を考えたい。VE 効率や独創性を考慮 し、自己の経験も踏まえ、あなたが最も提案したいと思うものを、仮設計画、施工計画、その 他、の3分野でそれぞれ1つ挙げ、その理由と期待する効果を述べよ。 6. 大規模地震に対するアーチ式コンクリートダム本体の耐震性能照査の手順を、各検討段階にお ける留意点を含めて説明せよ。また、照査の結果、所要の耐震性能が確保されないと判断され る場合、どのような対策が考えられ、その技術的課題は何か、ソフト・ハード両面から論ぜよ。 7. 国や自治体の危機管理が問われるような大規模土砂災害の代表的災害形態と対策上の留意点に ついて述べるとともに、土砂災害に対する危機管理体制の課題と今後のあり方について論ぜよ。 8. 砂防えん堤の機能について述べたうえで、透過型砂防えん堤の役割と計画上の留意点について 論ぜよ。 9. 平成 19 年 4 月に公布された海洋基本法のポイントを述べ、今後の沿岸域管理について、技術者 の立場からあなたの考えを述べよ。 10. 津波の発生メカニズムについて述べ、津波災害に関する防災対策のあり方についてあなたの経 験を踏まえ論ぜよ。 9