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ブナを主体とした広葉樹人工林の初期管理技術の開発
ブナを主体とした広葉樹人工林の初期管理技術の開発 一冷温帯地域における広葉樹林施業技術の確立一 小山泰弘・岡田充弘・古川仁 ブナは長野県のほぼ全減に分布しているが,八ヶ岳周辺や浅間山撞では極めて少なかった。ブナの群生 は 県 北 部 及 ぴ 南 ア ル プ ス 地 績 に 偏 っ て い た 。 栄 村 の 天 然 生 ブ ナ 林 で 1995年に 609個 1 mの 種 子 が 落 下 し 稚 樹 の発生が認められたが, 1996年から 3年間結実せず, 1999年 に 種 子 が わ ず か に 落 下 し た が 稔 衝 は 発 生 し な かった。ブナ人工林の造成初期における成林阻害要因として,ノネズミの根系食害,ノウサギの梢錨食害 , コ ウ モ リ ガ の 主 軸 樹 皮 食 害 , 下 刈 り 誤 伐 が 認 め ら れ た 。 設 伐 は 重 大 な 成 林 阻 害 要 因 で , 累 積 誤 伐 率 が 60 %に達する林分もあった。ブナの育酋には高密度環境が成長促進の重要な因子といえ,これは人工造林に ついても同様と考えられた。 キーワード:ブナ,天然更新,人工林,冷温帯,広葉樹 以外の冷温帯広葉樹についても調査を行った。 第 1章 緒 言 1 .1 研 究 の 背 棄 これらの結果をもとに,ブナを主体とした広葉 広葉樹は,森林の公益的機能の高度発揮を求め る芦や広葉樹材の資源枯渇を反映して,近年注目 樹人工林の初期保育に関する重要な事項をとりま とめた。 なお本報告は,林野庁国庫補助研究課題「冷温 されている。県下の造林面積が減少している中で, 広葉樹の造林はわずかではあるが増加傾向にある 。 帯地域における広葉樹林施業の確立J として,平 造林される広葉樹は多岐にわたっているが,樹種 成 7年から 5カ年間実施した研究内容をとりまと 別に見るとナラ類(コナラ・ミズナラ)が最も多 めたもので,本報告の一部は日本林学会中部支部 く,次 いでケヤキ,ブナと続いている 。 大会(小山ら 1 9 9 8,小山 1 9 9 9,小山ら 2000,2001 ) そこで本県における広葉樹の研究も,ナラ類(片 で発表した。 9 8 7,片倉ら 1 9 8 9 ) 及びケヤキ(片倉ら 1 9 8 9 2 ) 倉1 で取り組まれ,研究成果を手引き書として示し(長 第 2章 野県 1 9 8 2,1 9 8 9 ), 現 場 へ の 普 及 に 努 め て き た。 の民有林では,伐採などの影響でブナが少なくな 2 . 1 調査の背棄及び目的 長野県のブナは県下各地で採集されており(清 水1 9 9 7 ),広く分布している種といえる。しかし, ブナの分布に関する情報は,断片的なものが多く 9 8 9など), 県 下 全 域 の 分 布 は 把 握 さ れ (片倉ら 1 ていない。全国規模で行われた自然環境保全基礎 り,天然更新が期待できないため,人工植栽が行 9 8 3 )では, 調査で作成された現存植生図(環境庁 1 われている。 比較的大面積にプナが優占するブナ群落が表記さ 1 . 2 研究の目的 れているにとどまり,小面積に成立するブナ林や, 一方,造林面積がナラ・ケヤキに次いで多いブ 9 9 7 ) ナは,本県で検討した事例は少ない(片倉 1 が,全国的には母樹保残法(前田 1 9 8 8 )が 天 然 更 新施業の方法として普及している。しかし長野県 天然生ブナの分布調査 ブナ林施業は未解明部分が多く,施業体系が確 個体として残存しているブナについては表現され 立していない。 特 に 植 栽 し た ブ ナ が 成 林 す る ま で ていない。そこで,ブナの立地環境及び植栽適地 の経過が不明なまま造林も手探りで行われており, を把握する基礎資料を得るため,既往の資料及び 植栽初期における管理技術の開発が急務である 。 現地調査等により,県内のブナ分布図を作成した。 そこで,本研究では,プナを主体とした広葉樹人 2 . 2 調査方法 ブナの分布情報は,長野県内の市町村誌など既 工林の初期管理技術を開発することを目的とした。 1 .3 研究項目 往 の 文 献 資 料 ( 巻 末 資 料2 ) の収集に加えて,長 本研究では,まず天然生林を対象として,ブナ の自然分布,種子生産量,実生稚樹の消長及び幼 野県林務部関係者や地域の植物研究者などから得 られた情報及ひ・現地調査より整理した。 分布図は 齢林の生育状況を明らかにし,次に人工林を対象 2万 5千分の l地形図を 1 6分割した として,成林阻害要因の摘出と,成林阻害要因の 約2 . 5 k m四方のメ ッシ ュ 図 を 使 用 し た 。 分 布 図 の 一つであった獣害回避試験を実施した。またブナ 1 4地 区 の 分 布 作成にあたっては,今回得られた2 - 1- 長野県林総セ研報第 1 6号 ( 2 0 0 2 ) 情報に加えて,現存植生図(環境庁 1983) で示さ ヶ岳周辺及び浅間山麓ではほとんど認められなか れているブナを主要構成種とする群落も含めた。 った。 なお分布図では,ブナが群生している林分と,ブ ブナの群生した林分が確認されたメッシュは ナが点在または単木的に成立している地点に分け 341メッシュで,県の北部及び南アルプス地域に た 。 偏っていた。 その他の地域はブナが点在している 2. 3 結果及び考察 場合が多く,特に佐久地方では,群生している林 長野県内のブナ分布図は図2 1として得られ, 分は認められず,多くとも 1箇所に数本程度であ 全 体 の 約 20%にあたる 4 5 0メ ッ シ ュ で ブ ナ が 確 認 った。 された。分布は県下のほぼ全域にわたったが,八 今回確認され た、ブナの分布 地点 (214箇所) は、巻末資料・ 1 に示した。 長野 r、 。 掴 画 G事 腹C 機 iJ 車 麗 よ図 4 " O! J 滋 Jで): JC C繊 l溜 副 館 〔 、 〉 織 ( ぺ1 松本 。 〆つr護 ~ 。 -j 2 C;O l ( ' ~ ,; (︺ 00 1一 寸 ", { ・-~_.一 ・ ーー一、 「ー-" ー ー ' ーJ c ) ( ﹀ (﹂ o ~_. S () 0 今 " . 01 iOi ; o O 箇O O ち! O , ー ー ー ー ー fdJFi f こ j oケ j C 1 ~. 8 l I Iccgl ~、 v ! さ _J ヘ ' J O置 麗 O 。 . 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年に比べると非常に少な く,凶作といえた。 1999年 に は 日 本 海 側 の 栄 村 と 太 平 洋 側 の 木 祖 村 域に位置する県北部の白馬村でコナラ種子落下量 の年変動を調査した。 で同時に落下種子量の測定を行ったが,どちらも 3.2 ブナ種子の落下量調査 調 査 は , 表 3-1に示した 3カ所で実施した。 5 0個 /r d以 下 と 豊 作 年 の 落 下 量 に 比 べ る と 少 な か d った 。 充実種子量を比較すると,栄村の 7.0個 /r に対し,木祖村は . o3個 /rdと非常に少なかった。 日本海側気候区にあたる栄村のブナ二次林内に これまで太平洋側のブナは,豊作年を除いて充実 3.2.1 調 査 地 と 調 査 方 法 1995年から 1999年 ま で 5カ年間にわたり 4本 の 種子量が極めて低いことが指摘されており(梶ら ブ ナ に 対 し て 開 口 部 lrdの 円 形 シ ー ド ト ラ ップ 1995),今回の 結果と一致した。 (以下トラップとする)を各 4器設置した。 一方 , 太平洋側気候区のブナ種子量を日本海側気候区と 0 採取した充実種子をただちに 5 Cの 低 温 湿 層 貯 蔵し,翌春に常法による発芽試験を実施したとこ 表 3-1 ブナ種子落下量調査地の概要 月率) , J f 交% っ混( ト白 種 優 ( m ) v イ直 川 ブナの 樹高 ﹀径 立木密度 (本 / h a ) ト一向。 :胸 調査 箇 所 栄村野々海 7 1 1 1 6 . 9 2 5.I ブナ 5 3 木組村小木曽 2 2 2 2 4. 9 4 7. 6 サワラ 1 5 山形村清水 単木 21 .5 7 7 .2 ブナ以外の 高木性 樹 種 調査年 ミズナラ ・カラ ツ ・ホオノキ 1 9 9 5-1 9 9 9 サワラ ・ミズナ ラ ・ トチノキ 1 9 9 9 7 アカマツ孤立木アカマツ 1 9 9 7 1 9 9 9 表 3-2 ブナ種子落下量の年変動 調査箇所 栄村野身海 木抱村小木曽 山形村清水 プナ種子落下量の年変動(個 /n 1 ) 1 9 9 5 6 0 9 .I ( 3 6 5. 8 ) 。 1 9 9 6 1 9 9 7 O 。 1 9 9 8 1 9 9 9 2 4 . 6 上段落下種子総量 ( 7 . 0 ) 下段(充実種子量) 3 8 . 3 。 7 4. 7 。 ( 1 .5 ) -3- ( 0 . 3 ) O 長野県林総セ研報第 1 6号 ( 2 0 0 2 ) 1 9 9 5年と 1 9 9 9年の栄村, 1 9 9 7年 に 山 形 村 で 採 3 ), 種 子 落 取 し た 種 子 で は 発 芽 が 認 め ら れ ( 表3 000,小見山ら 1 9 9 1, までに調査された資料(渡辺2 下量が少ない場合にも発芽能力を持つ種子が存在 武田 1 9 9 2,佐藤 2 0 0 0 ) とあわせて検討したところ, ろ , 長野県内のブナ種子の結実周期について,これ 4 ), 1 9 8 4年 及 び 1 9 9 5年 は 各 地 で 豊 作 が 一 致 ( 表3 することが確認できた。 09個 / r r f しかし林内稚樹の発生状況をみると, 6 する場合も認められたが, 1 9 7 8年 , 1 9 8 2年など, の種子落下があった 1 9 9 5年 の 栄 村 で は , 翌 春 に 実 不一致の場合や, 1 9 9 7年 の よ う に 山 形 村 だ け 結 実 生稚樹が発生したが,その他は,翌春の実生稚樹 するなど,東北地方で調査された事例(正木ら 発生が確認、できなかった 。 こ れ ら の こ と か ら ブ ナ 1 9 9 5 ) と 同 様 に 同 調 傾 向 が 弱 か っ た。 00個/ 稚樹が更新するために必要な落下種子量は5 3 .3 コ ナ ラ 種 子 の 落 下 状 況 3 . 3 .1 調 査 地 と 調 査 方 法 ば以上とされること(寺沢 1 9 9 7 ) と一致した。 コナラやミズナラといったナラ類はシイタケ原 木などに利用されることから,長野県下でもっと -3 ブ ナ 充 実 種 子 の 発 芽 率 表 3 , ) μ也 卓月 三号 4 = 株ドイ : 1 1 9 9 5 1 9 9 9 1 9 9 7 1 9 9 9 ナ キ ナ キ 山形村 木 且'- 木干且村 試験調ィf t 符!(数 発 J , j : o : 00m以 下 の 山 地 に 広 く 分 布 す る コ ナ ラ は , 造 林 し3 ( % ) 利[-数 2 ,6 4 6 1 1 2 も多く人工造林されている 。 中でも長野県下の 発 J . fネ 9 2 6 5 1 2 事例も多く苗木生産が盛んに行われている。 3 5 4 6 2 2 O コナラの種子生産量は,県外の温暖地域におけ 9 8 8 ) が,本県のような寒 る調査事例は多い(森1 9 6 法) 1 9 9 5年の栄村産は箇;刷発芽率、 冷地域のコナラは調査事例がないため,寒冷地域 5 ) で調査を行っ に成立するコナラ二次林(表3 た。 調 査 地 は 北 安 曇 郡 白 馬 村 の 標 高 3 00mで、最大積 他は常 i Eの発:lf-試験による発芹率 雪深は1.5 m 程度と推定される。 表 3-4 長 野 県 内 に お け る ブ ナ の 豊 凶 記 録 木島 平村 場所 年 1 9 7 8 1 9 7 9 1 9 8 0 1 9 8 1 1 9 8 2 1 9 8 3 1 9 8 4 1 9 8 5 1 9 8 6 1 9 8 7 1 9 8 8 1 9 8 9 1 9 9 0 1 9 9 1 1 9 9 2 1 9 9 3 1 9 9 4 1 9 9 5 1 9 9 6 1 9 9 7 1 9 9 8 1 9 9 9 方法 引用 備考: カヤノ 平 山ノ内町 山ノ内町 志賀高原 志賀高原 (A) ( B ) 5 凶 凶 凶 凶 結実 O O O __ 133 : . 凶 や連 併 記 号i ホ i偽 凶 凶 凶 凶 ♂ 栄村 栄村 野々海 ( A ) 野々海 ( B ) 安曇村 木抱村 山 汗 三 村 安房峠 小木 曽 清水 J、 261 3 J 2 2 4 4 O 。 お尋問JR ヌ Y~, 94< 3 6 O T ヲi 豊作 2 7 2 8 6 6 4 8 長 当金 凶 凶 凶 正義聾雄二 剛 、 豊作 凶 豊作 凶 常t~ } " " ; :O 6D9喝事護重量轄 J L 4 凶 凶 凶 O O O ・, ・ ・ 圃f園田園 宮 L圃 圃画岨 面 乍 品 ・圃 . 持よ ・圃画・!!la園 2 5 結実 落下量 落下量 結実 落下量 目視 ( 個/ r r O (個/ば) 本数率(先) ( 個/ r r u 9 9 1 小見山 1 99 1 武田 1 渡辺 2 0 0 0 小見山 1 9 9 2 -豊作 --i- ~~ " も ‘ , " , 晶 なし 7 5 結実 3 8 目視 落下量 ( 個 /m ' ) 佐 藤2 0 0 0 なし なし 落下 量 ( 個 /m ' ) ブナを主体 とした広葉樹人工林の初期管理技術 の開発 した内容物を,積雪期間をのぞき約 2週間から 1 1 9 9 8 ) とほぼ同じであったが,成熟種子落下量の ピークが,筑波で 10月上旬,広島で 10月上旬 から中旬であること(森 1 9 9 8 ) や,塩尻市の標高 8 5 0 m地点で、 1 0月中旬(奥村ら 1 9 9 2 ) であったこと ヶ月の間隔で収集し,コナラ種子を未成熟種子と と比較すると,白馬村のピークは若干遅いといえ 成熟種子に分類して個数及び乾燥重量を測定した 。 なお未成熟種子は,種子と殻斗が分離しないもの た。 なお先のブナ成熟種子落下量のピークは,栄村, 9 9 6, 1 9 9 7年は更に成熟種子を虫害種子 とした。 1 木祖村,山形村のいずれにおいても 1 0月下旬で, と見かけ上の健全種子に分類した。 長野県西北部のコナラは ブナとほぼ同じ時期に成 3 . 3. 2 結果と考察 熟種子の落下ピークを迎えていた。 標準的なコナラ立木 6本に対して各 4器のトラ 9 9 5年 8月に設置し, 1 9 9 7年 1 2月まで 3カ ップ を 1 年間にわたって調査を行った。 トラ ップ内に落下 3カ年のトラ ップ 内 容 物 の 変 化 を 図 3 1に示し た。調査した 3カ年とも種子の落下が見られたが, 1 9 9 6年の健全種子落下量は 1 9 9 5, 1 9 9 7年と比較し て非常に多かった。 1に 示 す と お り , 成 成熟種子の虫害率は,図 3 熟種子落下量がピークを迎える 1 0月下旬にもっと も低くなっていた。 健全種子重量も年間を通じて もっとも重くなっており 虫害の少ない充実した 種子が採取可能な時期は 1 0月下旬頃と考えられた。 白馬村におけるコナラの種子落下時期は, 9月上 旬から 1 1月上旬であり これまでの結果(森 表 3 5 コナラ種子落下量調査地の概要 調査箇所 白馬村野平 林班名 1 0 6・ ホ6 6 標 高 (m) 立木密度 ( 本/ h a ) 樹高 (m) 胸高直径 (cm) 8 0 0 5 6 7 2 0. 3 2 7. 3 4 0,0 0 0 調査年 1 9 9 5 1 9 9 7 0 . 7 6 0 0 . 6 5 0~ 0 . 5 4 0伸 0 . 4 開 0 . 3 nd 一・一成黙種子虫害率 圃〈田健全種子平均従量 8 時 44 内 倒 3 0~ト , 雲 o 8下 1 0 1下 7上 上 1 1 9 9 5 8下 1 0 上 1 1下 6下 1 9 9 6 8上 9下 1 1上 2 0 0 . 2 1 0 0 . 1 o o 1 9 9 7 図3 1 コナラ林の落下種子個数と落下成熟種子の虫害率及び充実種子の重量 -5- (凶)刷説書同町 UF 慰州側阜 hununu nununu nununu huhuhu 282 ・¥恩)輯恩u r輯接世 7 0 c::コ成黙種子 長野県林総セ研報第 1 6号 ( 2 0 0 2 ) 今 回 の 枯 損 も 本 病 害 に よ る も の と 考 え ら れ た。 そ 3. 4 天然生稚樹の消長調査 3. 4 . 1 調査地と調査方法 の後, ブナの天然更新にとって重要とされる実生の発 日焼け被害は発生せず,当年秋までの残存 率は 44%となった。 一方,林内区では日焼けの被害はみられず 芽成長と光環境の関係を明らかにするため,下水 7 内郡栄村の林分内に光環境の異なった二つの調査 月から 8月 に か け て 食 葉 性 害 虫 に よ る 若 葉 の 食 害 区を設定し,稚樹の消長経過及びその要因につい が目立ち,これが原因で枯損する個体が多く確認 て 比 較 検 討 を 試 み た。 調 査 は , 種 子 が 豊 作 と な っ 8%だった。 日焼けが原 され,秋までの残存率は6 995年 の 翌 年 に あ た る 1 9 9 6年春より 1 9 99年秋ま た1 因とされる 葉 枯 性 病 害 は , 照 度 が 高 い と こ ろ ほ ど で実施した。 被害率が高くなる傾向があるといわれ(小林ら 1 9 9 5年 に 種 子 落 下 量 調 査 を 行 っ た 林 分 ( 表 3 -1 ) 1 9 8 4, 工 藤 1 9 8 5 ), 今 回 の 調 査 結 果 と 一 致 し た。 また,林内 などの被陰環境下にある当年生の稚 の 光 環 境 に 恵 ま れ て い る と 考 え ら れ る 林 道脇 と , 1 9 9 4年 に 除 伐 が 行 わ れ た 林 冠 閉 鎖 林 内 に 調 査 区 を 樹 は , 発 芽 か ら 双 葉 が 開 くまでの聞に根腐れ型の の方形区を消雪後の 設 定 し た 。 調 査 区 は 1x1m 立枯病が発生し,多くの発生個体が枯損するとさ 1 9 9 6年 6月 2 8日に,林道脇で 6区 ( 以 下 , 林 縁 区 S aha s h i et . el .1 9 8 4 ) が,今回はそ れている ( とする), 林 内 に 3区 ( 以 下 , 林 内 区 と す る ) 設 の 傾 向 を 認 め な か っ た。 置し, 1 9 9 9年 1 0月 2 2日までの問,毎月 1回 以 上 定 期的に観察した。なお冬期間は積雪のため調査を 3. 4.3 発 生 翌 年 以 降 に お け る 稚 樹 の 消 長 9 9 7年 6月 8 日から 稚樹発生翌年は消雪直後の 1 9 9 6年 7月 2 6日 中断した。 調査区内の相対照度を 1 調査したところ,稚樹のほとんどが開序を開始し 2 :0 0に稚樹の発生位置で測定した(ミ (薄曇り) 1 ており,冬 期 埋 雪 期 間 中 の 枯 損 は 認 め ら れ な か っ ノル タ 社 製 T - 1H) ところ,林縁区は 2 2.9% , 林 内 区 6.7%であった。 た。 な お 冬 期 の 埋 雪 期 間 中 に お け る 枯 損 は . そ の 後の年も認められなかった。 3.4. 2 当年生稚樹の消長 9 9 6年 6月 2 8に , 稚 樹 の 発 生 が 調査を開始した 1 た頃から日焼けによるとみられる葉の変色が発生 確 認 さ れ , 双 葉 を 聞 い て い る 個 体 も 認 め ら れ た。 ブナ種子は oO Cでも発芽する(広木ら 1982)ため, し た が , 枯 損 に は 至 ら な か った。 そ の 後 , 食 葉 性 害 虫 の 加 害 に よ っ て 枯 損 す る 椎 樹 が み ら れ た。 こ 雪に覆われた状態ですでに発芽していたものと考 の 傾 向 は 林 内 区 で も 同 様 で ,食 葉 性 害 虫 の 加 害 に え ら れ た 。稚 樹 の 発 生 量 は 平 均 で 約 1 0 0万 本 Ih a ( 2 4 よ る 枯 損 が 夏 ま で の 問 に み ら れ た。 3年目以降も -1 9 2本 In f ) と推定され,これは前年度の種子落 食葉性害虫の加害による枯損がみられたが,発生 下量の約2 0%程 度 で あ った。 当 年 及 び 翌 年 に 比 べ て 枯 損 数 は 少 な くなり, 林縁区で発生した稚樹は,本葉が展葉するまで 林縁区では,発生当年と同様に,新葉が展開し 目の夏 0999年 8月 ) に お け る 稚 苗 残 存 率 は 林 縁 0日 間 の 間 で 急 激 の2 にその個体数を減ら 100% し,残存率は4 9% と 2 )。 枯 なった(図3 時 75% の状況を観察したと 止 ↓ 部 50% ころ, 日焼けによる とみられる葉の変色 が認められるととも に,周辺の土壌が乾 一←林縁区 I 1 ¥ 損した個体及び周囲 一←林肉区 G 事 起 25% 燥していた。 ブナ稚 樹は,直射日光によ る日焼けを誘因とす 0% 96/5 96/12 97/6 98/ 1 98/7 99/2 99/8 る葉枯性病害が発生 することが確認され 4年 -2 ブ ナ 実 生 稚 樹 の 消 長 経 過 ( 栄 村 野 々 海 図3 9 8 6 ), ており(佐藤 1 -6- 標 高 900m) ブナを 主体 とした広葉樹人工林の初期管理技術の開発 区で 20%,林内区で 34%だった。 なお林内区では していた。 調査区の樹高 3m,根元径 2 . 3 c m (胸高直径1.1 c m ) 4年 目 の 秋 に あ た る 1 9 9 9年 9 月2 2日から 1 0月 6日の間に,ノウサギの主軸食害 のブナ幼 齢 木 の 根 系 を 調 査 し た と こ ろ , 地 下 5 c m による枯死個体が発生した。 程度の深さで斜面上部方向に発達した直径2 c m程 3 . 4. 4 まとめ 度の主根が 2 0 c m 程度認められ,この部分から太い 光環境の良好な林縁区の実生稚樹は,発生から 垂下根が発生し,すでに抗引っ張り力の強い根系 2 0日間で日焼け被害により枯死にいたるものが多 を形成していた(写真 3 -1 )。そこで根 系 の 発 達 経 く,稚樹生育初期の最も大きな生育阻害要因とい 過を解析するため,根系を掘り取 って年輪解析を えた。林内区では日焼け被害は発生しなかった。 行ったところ,地際より地下方向へ 1 0 c m 伸長した 両調査区で,食葉性害虫による葉の食害が発生 6年 と 最 多 で あ 地点がもっとも肥大し,年輪数も 1 るため,この部位が発生原点である可能性が考え した 。 また林内区ではノウサギによる主軸食害が 認められた。 発生 4年後の稚苗の残存率は林縁区で 19%,林 られた。 内区で 30%となった。 で倒伏し,埋土した幹から不定根を次々に発生さ 3 . 5 天然生幼齢林の立地環境調査 3. 5. 1 調査地と調査方法 せ,根元を移動させることで成 立することが知ら これまで,豪多雪地に植栽されたスギは,雪圧 れている(井沼ら 1 9 6 5 )。 し か し , 今 回 の 年 輪 解 ブナが多く認められる豪雪地帯の下水内郡栄村 析結果から,豪雪地のブナ根系は,発生原点から 00m,平均傾斜 1 7度,南向き斜面)に, 堺(標高 5 小面積で成立するブナ幼齢二次林 ( 5 3ート 5 5林班) 斜面上部に向かつて水平根が発達し,その後支持 5I l I(5X5m )の方形区を の調査を行った。林内に 2 調査を行った根系の年輪が非常に細か く年輪欠知 根が発達するという可能性が考えられた 。しかし, 設けて 1 9 9 7年 1 1月に毎木調査を行うとともに,平 の可能性が否定できないこともあるので,今後注 均的樹高の立木 l本を伐倒し,樹幹解析に供した。 意して調査したい。 また積雪期におけるブナ林の状況を把握するため, 1 9 9 8年 3月 3日に積雪量及び積雪時の樹木の倒伏 状況について調査し,消雪後に根系の発達状況を 調査した。 3. 5. 2 結果と考察 樹幹解析の結果から調査地は 2 0年生前後の林分 と推定され,表 3 6のとおりブナが約 1 3,0 0 0本 /h a と全体の 3分の 2を占めていた。 1 9 9 7年 の 最 深 積 雪 は 1 7 0 c mと少なかったが,積 雪 期 調 査 時 (1 9 9 8年 3月 3日)には約 1mの積雪 D B H豆 5c m )は,全 が残っていた。 調 査 区 の ブ ナ ( て雪圧で倒伏していたが,調査区周辺に成立して いる胸高直径 8 cm程 度 の ブ ナ 立 木 は 倒 伏 せ ず 直 立 1ブナ幼齢木の根系 写真 3 (天然下種更新 表 3・6 ブ ナ 天 然 生 幼 齢 林 毎 木 調 査 結 果 (栄村堺標高5 0 0 m ) 樹高 ( m ) 樹種 ブナ 腕高直径(Cm ) 本数 密度 平均 平均 最大 ( 本/ h a ) 3 2 3 .7 2.2 4 . 8 1 2 . 8 0 0 リョウブ 6 2 . 6 1 .7 2 . 4 2 . 4 0 0 ヤ 7 ウルシ 5 3 . 0 2 .1 4 .7 2 . 0 0 0 その他 I 4 . 0 3 . 3 6 .3 2 . 8 0 0 d E 3 h歪 日 ふ 1 5 0 3 . 5 2 . 4 6 . 3 2 0 . 0 0 0 その他はミズナラ・ホオノキ・コハウチワカエデ - 7- 1 6年生) 長野県林総セ研報第 1 6号 ( 2 00 2) 第 4章 ブナ人工林の造成試験 ったことから全区域を対象とした。 それぞれの 4.1 研究の目的 調 査 地 で は 調 査 開 始 年 か ら 1999年 ま で 継 続 的 に プナ人工林の植栽初期 における 管理 技 術 を 開 調 査 を 行 っ た 。 各 調 査 地 の 林 分概 況 は 表 4-2のと 発するため,これまでに造成されたプナ人工林 おりである 。 を対象に成長量及び成林阻害要因について調査 4.3 調 査 地 別 の 結 果 を行った。なおブナは,耐陰性が 比 較的高いこ 4.3 . 1 伊那 とから(片倉 1993),造 林 面 積 の 75%が 複 層 林 造 1)環境 伊那市東部の標高1, 080mに位置する 成の下木として植栽されている 。 このため ,調 ) 1 925 信 州 大 学 手 良 沢 山 演 習 林 の 一部で(表 4-1, 査地は複層林の下木として植栽されたブナが主 年に植栽したヒノキ人工林を 1 986年 に 強 度 間 伐 体となった。 し , 1987年 に 山形 県 産 の ブ ナ 種 子 か ら 育 苗 し た 4.2 調査地と調査方法 ha植 栽 し た 林 分 で あ る 。 調 査 は 苗 木 を 2,800本 / 表 4-1に示した 5箇 所 の ブ ナ 人 工 植 栽 地 で , ブ 999年 ま で 植 栽 か ら 9年 が 経 過 し た 1996年 か ら 1 ナの成長量と,植栽木に与える成林阻害要因を 実施した。 調査した。調査区内のほぼ平均的な場所に区画 2) 樹 高 成 長 を設置し ,そ の 中 に 認 め ら れ る す べ て の ブ ナ を ま で 手 刈 り に よ る 下 刈 り が 年 1回 実 施 さ れ て い 調 査 対 象 と し た が , 長 野 県 林 業 総 合 セ ン ター 構 2年 生 で は 398cmlこ達 たが,その後実施されず, 1 内 に 設 置 し た 塩 尻 A及 び Bは 植 栽 本 数 が 少 な か し順調な生育を見せていた。 調 査 結 果 を 図 4-1に示 す。 9年 生 表4 -1 調査地の概要 調1t 地名 位置 標高 林班 ( m) 七壌1' 1斜面 方位 伊那 信州大学手良 4 ーロー! 真回 2 0イー5 1 真田 町瀧の入 1 , 3 8 0 B D 水源の森 奈川 ニ ー 奈川村交流の 59森 6 1ハ 1 , 0 8 0 B L D 沢山演習林 1 , 4 0 0 B D 傾斜 年 平 均 年 降 水 温 量 長深 気温 積雪深 盈( m m) 指 数 ( c m ) (度("C) S 3 5 9.1 1 , 6 6 4 7 3 3 2 NW 2 0 6 .1 1 , 5 6 7 5 2 8 4 w 1 5 0 4 8 6 .6 2, 5 7 8 3 7 5 4 0 塩尻 A 林業総合セン 4 0 ート 3 6 ター 9 1 0 BLD W 3 1 0. 3 1 ,1 9 0 4 0ーロー5 0 9 0 0 BLD S 5 " " 塩尻 B " " " 年平均気温、年降水量、長を深積雪深は、 1 9 9 6年版気象庁メッ・ンュ統計値による。 表 4-2 調 査 林 分 の 概 況 プナ 調査 地名 4 50 3 0 0 上木 値 教年 値 教 本 数 (本 ! h a} 樹種 傾毅年 蝿 u E 調査年 通 事 ! ha } 伊耳目 1 98 7 2 . 8 0 0 ヒノキ 真 田 1 9 9 3 ∞o 3 . カラ 7 ツ 1 9 6 9 奈 川 1 9 9 9 2∞ o カラ 7 ツ t 主民 A 1 99 8 3∞ o アカ 7 ツ 天然体 1 9 5 4 1 9 4 3 頃 J : ! i .})W 1 9 9 9 1 ∞o 立木密 度 (本 なし 1 9 2 5 1 9 9 6・ 1 9 9 9 9 9 5・ 2 1 1 1 9 9 9 6 0 0 1 9 9 9 9 9 83 5 0 1 1 9 9 9 1 9 9 9 1 7 0 2 7 2 1 5 0 。 1 9 9 6 1 9 9 7 1 9 98 1 9 9 9 (年 } 図 4-1 伊那調査地の樹高成長経過 -8- プナ を主体 とした広葉樹人工林の初期管理技術の開発 表 4-3 伊 那 調 査 地 9年 時 の 被 害 調 査 樹高 本数 句) 30 福克 彼害裏面事}本蚕可示7 直径コウモポクト ウサギ冬芽枯誤伐合計 ( c m ) リガ ウガ 無 担 主審 5 3 1 1 7 2 ・ 4 宵)銀特 ﹄ (M 3 q' 6 nunu 2 0 32 .74 .4 1 6 (本) 。 1 0 9 ロ祖聖書* 林院(年) 12 K J W 語 u宵 働 制 帽 ・絡死本 平 淘 直 径4. 38 cm 図 4-3 コ ウ モ リ ガ 被 害 の 癒 合 状 況 。 -1 -2 -3 -4 -5 -6 .客観直径(cm) -7 5 -8 ~ー健全末( 160本} ー+ーコウモリガ筆書本 (24本} A :4 図 4-2 コ ウ モ リ ガ 被 害 部 直 径 の 分 布 健 I i 3) 生 育 阻 害 要 因 る主幹の摂食被害が 3 9年 生 時 で コ ウ モ リ ガ に よ 1 6本 (8% ) 認 め ら れ た ( 表 4-3 )。 被 害 は , 木 質 部 へ の 穿 孔 と , 樹 皮 , 2 8 形成層及び木質部の環状食害(以下樹皮食害と 10 9 1 1 1 2 13 事事齢{年) いう)の複合被害で,根元付近での発生が多か った 。 被 害 部 直 径 に は 大 き な ば ら つ き が み ら れ 図 4-4 健 全 木 と コ ウ モ リ ガ 被 害 木 の た ( 図 4-2)。 被 害 部 の 平 均 直 径 は 4 .4cm (最大 樹高成長比較 7 .7cm)で , これまでの報告(遠田 1962,斉藤 1 9 6 8 ) (コウモリガ被害木には全周剥皮 されたものを除 で 言 わ れ て い る 被 害 部 直 径 ( 1.2cm~4cm 前後) o に比べて大きな値を示した。なお本被害により 枯 死 に い た っ た 立 木 は , 根 元 直 径 2.8及 び 3.1cm の 2本 (1% ) で , 根 元 径 が 4cm以 下 の 被 害 木 で 枯死する可能性が高し、(布川 2001)とする報告と 同様の傾向を示した。 4) コ ウ モ リ ガ 被 害 の 影 響 コウモリガによる 被害が立木に与える影響について,被害木の回 復 及 び 成 長 状 況 か ら 検 討 し た。 9年 生 時 に 確 認 さ れ た コ ウ モ リ ガ の 被 害 (8%・1 6/20 3 )は , 1 2年 生 時 で は 13% ( 2 7/20 3 ) に達したが,枯死木は 1 0年 生 時 に 認 め ら れ た 2 本 だ け で あ っ た 。 また 1 0年 生 時 ま で に 穿 孔 被 害 を 受 け た 立 木 25本のうち, 1 3本 は 1 2年 生 時 に 被 害部の癒合が完了しており,外見上は被害が判 別 し に くく な っ た ( 図 4 -3)。 主 幹 部 の 全 周 に わ たって樹皮食害を受けた立木が, 9 年生時では被 害木 1 6本 中 3本 認 め ら れ た このうち 2本 は 枯 死 本(根元直径 3 .6 c m )も癒合が進まず, 9 し,残る l ~12 年生時の 3 年間に 28cm の樹高成長が認められ た に と ど ま っ た。 これらのことから,コウモリガが樹皮の全周 を環状に食害すると,ブナを枯死させる可能性 が 高 い と い え た 。 し か し , 根 元 直 径 が 4cmを超 えた立木にはコウモリガによる全周にわたる樹 皮 食 害 は 認 め ら れ な か っ た。 なお,全周を剥皮されなかった被害木の成長 は,健全木と大きな差が認められなかった(図 4 4 )。 4.3.2 真田 1) 環 境 菅平高原の主峰である四阿山の標高 , 1 380mに 位 置 す る 山 腹 下 部 平 衡 斜 面 に 位 置 す る 。 調 査 地 は 1969年 に 植 栽 し た カ ラ マ ツ 人 工 林 を 1993年 に 強 度 間 伐 し , ブ ナ を 3,000本 /ha樹 下 植 栽した林分である。なおブナの植栽にあたって は 3本 を ひ と ま と め と す る 「 巣 植 え J が行われ, 単 位 面 積 当 た り の 巣 数 は し 000巣 /haで あ る 。 調 -9- 長野県林総セ研報第 1 6号 ( 2 0 02 ) 査 は 植 栽 か ら 3年 が 経 過 し た 1 995年 か ら 1 9 9 9年 ま で の 秋 に 年 1回 実 施 し た 。 な お , カ ラ マ ツ 林 の 林 床 に は , 平 均 梓 高 1 mの ク マ イ ザ サ が 密 生 しており,年 1目 の 下 刈 り が 定 期 的 に 行 わ れ て いた。 150 官同 柏崎 縛 平 の hJ サ ザ イ マ n u n u 言。}健事 50 。 2 3 4 5 7 年生 6 図 4-5 真田調査地におけるブナの成長 表 4-4 真田調査地における 1995年 (3年生時)の被害状況 被害本数 調査本数健全木 4 8 2 ノネズミ ノ 主公 誤伐 1 3 2 2 9 9 その他 3 8 1 3 表 4-5 年度別下刈り誤伐率の変化 1 9 9 5 1 9 9 6 1 9 9 7 1 9 9 8 1 9 9 9 誤伐率 ( 先 ) 2 5 3 2 2 3 2 8 2 2 健全木 平均苗 51 .7 6 3. 7 8 5 . 2 1 0 4. 9 1 2 5 . 8 高( c m ) 参考:下層植生クマイザサ 100cm 80% 60% 60% 告 母 ヨ ま 2 $ 40% e ー 曜 2) 樹高成長 1995年 (3年生)から 1999年 (7 年生)までの樹高成長経過を(図 4 5 ) を示す。 40cm程 度 の 普 通 苗 を 植 栽 し た が 3年 生 時 点 で も 平 均 樹 高 は 52cmと ほ と ん ど 成 長 し て い な か っ た 。 そ の 後 徐 々 に 成 長 を は じ め 6年 生 で ク マ イ ザ サ の 梓 高 と な ら び 7年生時点で 125cmとな り,クマイザサの梓高を超えた。 3) 生 育 阻 害 要 因 1 9 9 5年 (3年 生 ) に 認 め ら れた生育阻害要因は,下刈り誤伐とノネズミ食 害 な ど で , 調 査 木 全 体 の 38%が 何 ら か の 生 育 阻 4 )。 最 大 の 阻 害 要 因 は 下 害を受けていた(表4 3 2本 (25%) であった。 刈り誤伐で, 1 下刈り誤伐は, 1995年から 1 9 9 9年まで毎年 20% 以上のプナで発生しており(表4 5 ), 5年 間 の 6 )。 一 度 誤 伐 累 積 誤 伐 率 は 60%に 達 し た ( 図 4 16 4/2 4 0 ) が再度誤伐さ されたプナのうち 68% ( れており,一度誤伐を受けると上長成長が大き く抑えられることが確認された。 なお調査地で は,下刈り誤伐を防止する手段として,植栽木 の 脇 に 先 端 を 赤 く 塗 っ た 1.5mの木杭を直立さ せていたが,草刈り機によって木杭が切断され るケースもみられた。 ノネズミの食害は,地際部から主根部にかけ 3 8本) て食害する被害で,調査木全体の約 8% ( 3 6本 ) が 枯 死 し て で 認 め ら れ , 被 害 木 の 95% ( いた 。 ネ ズ ミ の 被 害 は , 調 査 地 の 全 域 に わ た っ ていたものの,地帯え時にソダ積みをした場所 の周囲で被害が多い傾向が伺えた。 9 9 5年 の 調 査 で は 認 め ら れ な か っ このほか, 1 996年 か ら コ ウ モ リ ガ に よ る 主 幹 部 根 元 たが, 1 9 9 6年 に穿孔被害が発生していた。被害本数は 1 , 1998年に 1本であったが, 1 9 9 9年 に は に 1本 3本 が 認 め ら れ た 。 被害部の直径は1.3""2 .3cm の間で,これまで知られている(遠田 1 9 6 2,斉 藤1 9 6 8 ) 被 害 部 直 径 (1 .2""4cm前 後 ) と 一 致 し た。 4 .3 .3 奈川 1) 環 境 日本海と太平洋の分水嶺である境峠 に近い奈川村の南東部,野麦峠スキー場に近接 1 ), 1 9 9 8 する山腹上部平衡斜面に位置し(表4 20% 年に上木のカラマツを間伐し, 1 9 9 9年 5月に 5 本 巣 植 え に よ り 2,000本 /h aの プ ナ を 植 栽 し た 林 0% H7 H8 H9 Hl0 Hll 9 9 9年 6月と 1 0月 分である 。 調 査 は 植 栽 直 後 の 1 末の 2回 実 施 し , 植 栽 当 年 に お け る 成 長 量 を 検 図 4-6 下刈りに伴い発生した誤伐率(真田) 討した。 - 10- ブブを主体と した 広葉樹人工林の初期管理技術の開発 75 6 0 50 g40 E υ 静E 極 奪 3 8 . 5 a 25 “ 20 一〈トーポット苗・+・普通苗 。 。 9 9/ 1 1 9 9/5 植裁時 調査年月 図4 7 奈川調査地のブナの成長 ・ .・ . . . e " ' - 当年秋 翌年秋 図 4-8 塩民 A調査地のブナの成長 2) 結果 調 査 結 果 を 図 4 7に示す。 調 査 地 で は 5月 下 旬 に 普 通 苗 を 植 栽 し た が , 植 栽 直 後 に 活 表 4-6 塩民 A調査地のブナの被害 害一ギ木 誠一サ害 一ウ食 敬一の 本一そ 7 9 7 7 4 栽時よりも低下した。また下刈り時の誤伐によ る被害が 5. 4% ( 15 本)認められた。 1 6 0 4 . 3. 4 塩民 A 他 全数 健本 の樹高が低下した。その結果当年秋の樹高は植 栽数 植本 着不良と推定される梢枯れが認められ,地上部 1)環境 翌年春 表4 1に 示 し た 塩 尻 市 の 林 業 総 合 セ ン ター 構 内 で , 天 然 生 の ア カ マ ツ を 1 9 9 8年 春 に 間 伐 し , ブ ナ 2年 生 苗 を 1 9 9 8年 6月 に 樹 下 植 栽 し 検 討 し た 。 調 査 地 は , 塩 尻 A調 査 地 に 隣 接 す る た林分である。なおブナ苗木は,ポット苗及び アカマツの伐採跡地にブナを植栽した林分で, 普通苗の 2種 を 購 入 使 用 し た 。 調 査 は , 植 栽 時 1 9 9 9年 4 月に 3年 生 の ブ ナ 普 通 苗 を 1 0 0本植栽し, うち 60本 を ツ リ ー シ ェ ル タ ー で 被 い 試 験 区 と し た。 使 用 し た ツ リ ー シ ェ ル タ ー は , 生 分 解 性 プ ラ ス チ ッ ク を 主 原 料 と す る 四 角 柱 型 ( lOx1 0X か ら 翌 年 秋 ま で の 2年 間 , 春 先 と 秋 期 に 実 施 し た。 2) 結 果 植栽から翌年秋までの成長経過を図 4-8に示す 。植 栽 直 後 に 奈 川 調 査 地 と 同 様 に 梢 枯 れによる樹高の低下が確認された。この傾向は 普通百で大きく,ポット苗で、は小さかった。 年 4月 か ら 1 9 9 9年 1 2月 ま で 実 施 し , 植 栽 当 年 に ポット百は,根鉢が付いた運搬され,山地に おける成長量とツリーシェルターによる獣害回 植栽できることから,普通苗と比較して苗木の 1 4 4 c m ) で , 通 気 孔 と し て 径 1cmの孔が 20個空け られているもの(写真 4-1)を用いた。調査は 1 9 9 9 避効果を検討した。 根の乾燥や損傷がないので活着率が高いとされ ており(桜井 1 9 9 8 ), 今 回 普 通 苗 よ り 梢 枯 れ が 少 なかったのも,類似の現象と推定された。 2月 ま で の 間 , 断 続 的 に ウ サ 植栽後から当年 1 ギによる梢端食害が発生し,被害本数は 7 7本 ( 被 害率 48%) に 達 し た ( 表 4 6 )。 枯 損 木 は 発 生 し なかったが,食害を受けた苗木は植栽時よりも 樹高が低下した。 4 .3 .5 塩 尻 B 1)環境 本 調 査 地 は , 塩 尻 A調 査 地 で , ウ サ ギによる主軸食害が多発したために追加設定し た林分である ο ウ サ ギ に よ る 主 軸 食 害 を 回 避 す るため,植栽木保護用のカバー(以下,ツリー シ ェ/レターと呼ぶ)をかぶせて被害回避効果を -11一 写真 4 1 ツリーシェルターの設置状況 長野県林総セ研報第 1 6号 ( 2 0 0 2 ) 表4 7 塩民 B調 査 地 に お け る ブ ナ の 成 長 と 獣 害 回 避 効 果 本数(本) ウ サγ 健全 6 0 3 9 2 1 O 0 % 4 0 1 9 1 1 1 5 3 8 % 日 召 梢枯れ 食害 健全木樹高 ( c m ) 当年秋 健全木平均 cm) 成長量 ( 6 8. 3 8 4. 9 1 6. 6 6 6. 9 7 8. 7 1 1 . 8 被害率植栽時 植栽 ツリーシェル ター使用 長I ウ サ キー ホ:梢枯れは、植栽直後に植栽木の上部が枯損したもの。 2) 結 果 ツリ ー シ ェ ル タ ー を 使 用 しなかった 長 成 長 が 抑 制 され る た め , 初 期 成 長 が 遅 い ブ ナ 植 栽 木 の 38%が ウ サ ギ に よ る 梢 端 食 害 を 受 け た の成長をさらに遅らせる結果となった。ノウサ が,ツリーシェルターを使用した植栽木に被害 2 8 c m以 下 と 推 定 ギの食害を受けるブナの樹高は 1 -7 )。 な お , ツ リ ー シ は認められなかった(表4 9 9 9 ),今回も同様だった。 されており(川井 1 ェルターには獣害防止効果のほか,ブナでは成 3) 誤 伐 99 6 ), 長促進効果があるとされているが(中川 1 地 で は 毎 年 20%を超える下刈り誤伐が発生し, 今回は成長促進効果が認められなかった。 7年 時 ま で の 累 積 誤 伐 率 は 60%に 達 し た 。 ブナ 4. 4 まとめ 4 . 4.1 成長 は初期成長が遅いため,誤伐対策は大きな課題 林床がササに覆われていて真田調査 といえた 。 ブナの人工造林は,これまでブナが広く分布 4) 穿 孔 被 害 コウモリガなどの穿孔性害虫に する豪多雪地域で行われており,良好に成長し よる主幹部への穿孔被害は,下刈りが終了した 0年で 4m, 2 0年 で 7 m程 度 に 成 長 す る た場合 1 比 較 的 大 き な 個 体 で 認 め ら れ た 。 しかし,根元 9 91 )。 今 回 , 最 深 積 雪 深 とされている(村井ら 1 c mを 超 え た 場 合 に は , 枯 死 に い た る 被 害 と 径が 4 0 0c m以下の少雪地で, が1 1 2年 で 4m (伊那調査 はならず,癒合までの期間も比較的短く,成長 地)に成長した林分が認められ,少雪環境でも には重大な影響を与えないことが確認され,成 ブナは多雪地とほぼ同等の成長を示すことがわ 林阻害要因として比較的軽微なものといえた。 かった。 しかし,材内に孔が残されていることから,材 しかし植栽から 7年で平均樹高が1.3mにとど 内腐朽が進展し枯死の原因となったり,強風な まるなど(真田調査地), 植 栽 初 期 の 成 長 は 遅 か どで穿孔部から主幹部が折損するなどの被害が った。 こ の た め 下 刈 り 期 間 が 長 期 化 し , 後 述 す 発 生 す る 可 能 性 が 考 え ら れ た。 る下刈り誤伐や,下刈り費用がかさむなどの課 4. 4. 3 被害対策 題があった。 成 林 阻 害 要 因 を 回 避 す る 一 つの手法として, 植栽直後に苗 上部 が 枯 損 す る 現 象 が 認 め ら れ 獣 害 防 止 を 目 的 と し た ツ リ ー シ ェルタ ー による たが,これはポット苗を使用することで軽減で 被害防除試験を行ったところ,効果が認められ, きると判断できた。 下メiJり誤伐も発生しなかった。 4. 4. 2 成林阻害要因 しかし,ツリーシェルターを使用したブナの 成林阻害要因として,ノネズミによる根系食 害 , ノウサギによる梢端食害,下刈り誤伐,穿 孔性害虫による樹幹穿孔被害が確認された。 1)ノネズミ 成林に至るまでの事例がないため,被害対策と して有効であるかどうかは, 今 後 の 成 長 状 況 を みて判断する必要がある 。 ノネズミが根元付近を食害する ことにより,立木が根元で切断され枯死する事 例が認められた。 ノネズミの根系食害は真田調 査 地 で 多 く , 上 木 の 間伐 時 に ソ ダ 積 み を 行 っ た 周囲での被害が多い傾向が観察されたことから, 枝条の処理が課題になるといえた。 2) ノ ウ サ ギ ノウサギによる梢端食害は,上 -1 2- プナ を主体 とした 広葉樹人工林の初期管理技術の開発 第 5章 調査を行った 。 ブナの苗木生産 調査対象とした苗木生産者は,長野県中部の 育苗試験 1 東 筑 摩 郡 波 田 町 及 び 山 形 村 在 住 の 2名である 。 1 .1 調査の目的と方法 ブナの人工林造成にあたって不可欠となる苗 2.2 調 査 結 果 木生産技術を明らかにするため育苗試験を行っ -1に示した が , 極 め て 早 い 時期 調査結果を表5 た。 試 験 に 供 し た 種 子 は , 種 子 落 下 量 調 査 を 実 に , 種 子 の 間 隔 を 密 に し て 播 種 す る こ と が共 通 9 9 5年 1 0月 施した上水内郡栄村のトラップ内に 1 していた。 1 3日から 2 0日までの聞に落下したものを用いた。 1 0月 2 0日に ト ラ ッ プ 内 か ら 収 集 し た 種 子 を , 低 浮き上がりや,冬季の野鼠害を防止するため, 温 湿 性 貯 蔵 (0O C) し , 浸 水 処 理 後 長 野 県 林 業 春まきが主体である。しかし首木生産者は,ブ 0 c m間 隔 総合セ ン タ ー 苗 畑 に 列 間 , 苗 聞 と も に 1 ナの播種時期が遅れると当年成長が不良となる で 一粒 づ っ 蒔 き 付 け た 。 な お , 播 種 床 は 直 射 日 ことを経験的に認識していた。 本県は寒冷地域であるため凍上による種子の また,種子間隔を広げると稚苗の成長が非常 光を防ぐために寒冷紗で覆 った。 に悪くなることが強く認識されており,播種量 1 .2 試験結果 貯蔵中に多くの個体が発根していることが確 を多くすることが不可欠と考えていた。 床替え方法は異なっていたが,これは生産期 認されたため,畑地が凍上するおそれがなくな 9 9 6年 4月 1 9日に 2,6 9 6個 播 種 し た 。 播種当 った 1 時に発根していた個体を含めて,当年秋までに 種 子 の 35%が 発 芽 し た こ と が 確 認 さ れ た が , 図 5 1に 示 し た と お り , 発 芽 は 一 斉に起こらず, 2 2年 で 出 荷 苗 を 生 産 す る A 氏は無床替えを, 3年 か け て 出 荷 す る B氏は 1 年 目 に 床 替 え を し て , そ の 後 2年 据 え 置 い て い 間と関連しており た 。 ヶ月以上だらだらと継続した 。 秋季得苗は9 2 5本 で , 平 均 苗 高 8 .3cm, 平 均 根 1 苗木生産業者のブナ苗木生産に 表5 元 径2 .7 m mだ、った。一年生のブナ 苗 高 は 1 0 c m前 後 関する主な聞き取り結果 であることが多く(坂口ら 1 9 9 4, 横 山 1 9 9 9 ),調 査結果もこの範囲内といえた。 ( 本) Eコ 新 規 発 生 敏 S 厳 3刀 矯干重量f. L , j . :符 t i l荷 出 荷 規 絡 ! 200 理 署 督 時 韓 k 20 ー = 100 1 0 。 ! B • S 事 。 5/24 6/1 7 7/2 3 8/29 調査日 (1996年) 図5 1 ブナの苗畑発芽経過 ( 1 9 9 6年) ブナ苗生産技術調査 目的と方法 ブナの当年成長量を 調査したところ 17~20cm まで生育した(横山 1 9 9 9 )と の 事 例 が あ り , 長 野 県内でブナの育苗を行っている種苗生産業者に 聞き取り調査を行 ったところ, i : が見え ないくら い密に しない 3年 I l春 4 5 c m上 30 ---累積発芽率 相 k 2.1 . 八 , - 40 300 2 . 矯種時期 ( 0 / 0 ) 400 r 4/1 9 ' 4 : 戸 主 者名 2年生で、苗高 60cm 以上の苗木生産が可能との話を得たので,実態 -1 3- 4J.:l下旬 (遅霜の影 密蒔き 響がなくな る時期) 矯 積 翌 年 4{ f . に 1回 目 春 4 5 c m J : : 長野県林総セ研報第 1 6号 ( 2 0 0 2 ) 第 6章 冷温帯広葉樹幼齢林の初期生育状況調査 表 6-1 広葉樹幼齢林調査地の概要 6 .1 研 究 の 目 的 冷 温 帯 地 域 に 成 立 す る 表 6-1に 示 し た 3種 の 広 葉樹を対象として,長野県林業総合センター構内 に小面積で成立した林分を対象として,初期の保 育技術を開発するための資料収集を目的として, 生育状況を調査した。 6 .2 調 査 地 と 調 査 方 法 人天別 樹種 植栽または成立 発生年 本 数 対象面積 (年本) ( h a ) ミズメ 人工林 1 9 9 0 2 5 0 . 0 1 2 5 オオヤマザクラ 人工林 1 9 9 0 3 6 0 . 0 1 2 ウダイカンノ t 天然林 1 9 9 0頃 3 3 約 2 . 4 調 査 地 は , 表 4-1の 塩 尻 調 査 地 に 近 接 す る 標 高 900m 前 後 で 傾 斜 5度 以 下 の 北 西 向 き 緩 斜 面 の 黒 色 土 壌 で あ る 。 周 辺 は 地 位 Iから Hに相当する 表 6-2 8年生広葉樹人工林の調査結果 約 5 0年生の天然生アカマツ林が成立している。 アカマツの林孔に位置するミズメ及びオオヤマ ザクラ人工林で 調査地 8年 生 時 の 1997年秋と 1 0年生 ( m ) m )の 測 定 時の 1999 年秋に樹高及び胸高直径(1.3 ミズメ を行った。 また,間伐を行ったアカマツ林内に発生したウ 胸高直径 樹高 オオヤマザクラ ダイカンバ天然木の調査を 1999 年に行った。 4 ( c m ) ( m ) 7 . 6 6 .7 2 .1 .0 3. 7 6 . 0 9 . 3 4 . 8 9 . 7 1 7 . 0 5 .2 1 .4 4 . 0 9. 7 1 .9 9 .8 0 . 5 2 . 9 上段/下段 月に全立木の成立位置と樹高,胸高直径(1.3 m ) 枝下高 胸高断面 積合計 ( ば/ h a ) 7 . 3 6 . 9 平勾/忌小値畳大値 について毎木調査をおこない,あわせて外見上判 断できる主幹部の穿孔被害箇所数を調査した。ま た 8月 に , 加 害 見 虫 の 同 定 と 材 内 の 変 色 腐 朽 状 況 15 を調査するため,被害箇所数の多かった調査木 I *10 本を伐採して割材調査を実施した。 、.J 者5 6.3 結 果 と 考 察 6.3.1ミズメ 8年 生 時 の ミ ズ メ の 平 均 胸 高 直 径 , 平 均 樹 高 は O 表 6-2の と お り で , 樹 高 階 別 本 数 分 布 図 及 び 胸 高 -6 直径階別分布図を図 6-1. 2 に示した。 8年生の .7cm は,これま 平均樹高 7.6m. 平均胸高直径 6 図 6-1 -7 -8 -9 -10 10. . . . . 樹高階 ( m ) 8年生ミズメの樹高階別本数分布図 でに知られているシラカンパ及びウダイカンパ人 工林の成長量(星 1966. 岩 本 1976) に近い結果 であった。 6 .3.2 オオヤマザクラ 15 8年 生 時 の 調 査 結 果 を 表 6-2に,また樹高階別 本 数 分 布 図 及 び 胸 高 直 径 階 別 分 布 図 を 図 6-3. 4 に示す。オオヤマザクラの 8年 生 樹 高 は 平 均 7.0m. 胸高直径は 5 .2cmで,平均値付近をピークとする 0 正規分布を示していた。その後 2年が経過した 1 年時では,樹高 8---9m台と 10---11m台の 2つに ピークがみられるうえ 6m 以下の樹木の本数が 特 10 、 ' * . . . 語 r O . . . . . 3 . . . . . 5 . . . . . 7 . . . . . 9 . . . . . 1 1 1 1. . . 胸高直径階 ( c m ) 減少しておらず,樹高成長が滞っている樹木が確 認された。 しかし,胸高直径は全体に大きくなり 図 6-2 8年生ミズメの胸高直径階別 7' " ' -9cm をピークとする 一 山 型 と な っ て い た こ 本数分布図 とから,林冠閉鎖に伴い優勢木と劣勢木との差が 明確になりつつあると判断された。 -11 -- ブナを主体 とした広葉樹人工林の初期管理技術の開発 0 c m ほど発達した後に , 部の孔道は,樹皮下で 1 口 8年 ・ 10年 1 5 長 10 緩 慢 5 O -5 -6 -7 -8 -9 -10 -1111樹高階 ( m ) 図 6-3 オ オ ヤ マ ザ ク ラ の 樹 高 階 別 本数分布図 20 ロ8 年 ・ 10年 ' " ' 1 5 時 + ) 1 0 援 * "5 5 天然生ウダイカンパの発生位置 図6 。 -3 -5 -7 -9 -11 11- 胸高直径階 ( cm) 図6 4 オオヤマザクラの胸高直径階別 1 5 本数分布図 ' " '1 0 * 2 .4 h aに 3 3本 が 点 在 し て い た ( 図 6 5 )03 3本 の E3 , )制帽 M 肯 6.3.3 ウダイカンパ )成立状況 ウダイカンパは.アカマツ林内約 。 .1 m, 平 均 胸 高 直 径 7 . 9 c m で,樹高 平均樹高は 9 -6 . . . . . . . 1 4 mの 階 別 の 本 数 分 布 は , 全 体 の 90%近 く が 8. -8 -10 -12 -14 14- 樹高階 (m) 階層に位置し(図 6 6 ), 胸 高 直 径 階 別 の 本 数 分 1 2 c m の範囲に 80%以 上 の 立 木 が 入 っ 布は . 6" 図 6-6 ウダイカンパの樹高階別 た(図 6 -7 )。 なお割材調査を行った標本木は, 本数分布図 1年,樹高 1 1 .7 m,胸高直径 1 0 . 4 c mだ、 っ た。 樹齢 1 当所 開 所 時 に 行 わ れ た 植 物 相 調 査 に お い て ウ ダ イカンパが確認されていないことから(大木 1 5 1 9 8 9 ),本林分内 のウダ イカ ンパ はほぼ同齢の 1 0 年生前後 と 考 えられ た。 ' " ' 10 ウダイカン バ * KJ M肯 の主幹部に 多 く認めら れ た 穿 入 性 害 虫 の 被 害 箇 所 ) 緩 2) 立 木 の 穿 孔 性 害 虫 に よ る 被 害 8に示したとおり 1 . . . . . . . . 5個 / 箇 所 が 多 か は,図 6 5箇所が認められた立木 った c しかし ,中には 2 もあり . 外 見 上 被 害 が 認 め ら れ な い 立 木 は 3本の み で 立 木 被 害 率 は 91%だった。 . . . . . . . 6 .5 mの範囲に 2 0カ 所 以 上 の 被 害 箇 所 地 上 1. が認められた激害木を割材調査したところ,被害 -15一 。 -6 -8 -10 -12 -14 胸高直径階 (cm) 14- 図6 7 ウダイカンパの胸高直径階別 本数分布図 長野県林総セ研報第 1 6号 ( 2 0 0 2 ) 6.3.4 早生型樹種の成長比較 調 査 を 行 っ た 3樹種の成長を比較した。塩尻調 15 査地内にはウダイカンパやミズメと同じカバノキ ~ 987 年に天然更新 属の樹種であるシラカンパが 1 10 した林分が認められたため,これを含めて比較し ) 桜 1 + F D M宵 た(表 6-3)。 比 較 に あ た っ て は 林 齢 を 揃 え る た め . 10 年生 。 前 後 に 行 われ た樹高及び胸高直径と,外見上で認 なし -5 -10 -15 -20 められる主幹部穿孔被害箇所数 ω調査結果を用い 21- 箇所歎 た(表 6-3)。 シ ラカンパを除く 3樹種は. 10 年 時 の 平 均 樹 図 6-8 立 木 1本 あ た り の 穿 孔 被 害 箇所数の頻度分布 高が 9m 近くに達し 10m を超える立木も認めら れるなど良好な成長といえた。 シ ラカンパの成長 材 中 央 部 に 向 か つ て 斜 め 上 方 に 5. . . . . . . . 1 0 c m ほど穿 は,同じ天然生のウダイカンパより遅れていたが, 孔し,表面から 3 . . . . . . . .5cm 程 の 深 さ の 材 中 央 付 近 シラカンパ天然林内でウダイカンパがシラカンバ で,直径 lcm長さ 9cmほどの踊室を形成していた。 より上回った生育を示しているものも確認されて ま た , 樹 高 知 付 近 の 被 害 部 か ら ハンノ キカミキ おり,この成長差の原因は明らかにできなかった。 リの幼虫が採取され,被害部の形状がこれまで報 シ ラカンパの主幹穿孔被 害は , ウダイ カ ンパ に比 告 さ れ た ハ ンノ キ カ ミ キ リ に よ る 加 害 痕 ( 遠 田 べて被害箇所数が少なく,根元付近に集中 して被 1971, 小島 1960) と同様であるこ とから , 本 被 害痕も大きいことから 害は ハンノ キカミキリによる穿孔被害 と判断した 。 被 害 と 推 定 さ れ た。 ゴ、マダラカミキリによる なお,孔道内幼虫は 1頭 し か 採 取 で き ず , 寄 生 蜂 の踊や幼虫が多く認められ,材内に産卵され幼虫 穿孔したハン ノキカミキリ の多くが寄生蜂な どに より死 亡 したものと推定された。 3) 材 の 変 色 ハンノキカミキリによる穿孔被害 を受けた部分から,材の変色腐朽が発生していた。 変 色 範 囲 は 穿 孔 箇 所 か ら 上 部 へ 30cm.下部 へ 50cm に及んでおり,地上 50cm から 7m 付 近 ま で ほ ぼ 連 続 的 に 変 色 が 認 め ら れ た。 表 6-3 冷温帯広葉樹幼齢林の成林状況(林業総合センター構内) 樹尚 胸高直径 ( m ) ( Cm) 主幹穿孔被 書簡所数 1 0 {j ' . 科j 立 9 511 5. 0 79 4 3. 2-15. 6 . 7 0-25 天然ノ L 1 1{ F 5. 5 48. 6 2. 4. 3 1. 8 8. 0 0-6 ミズメ 人仁航技 1 0{ jミ 9. 9 4 7. 8 -1 1. 8. 8 68-1 0. 2 O 1 5 2000/3 オオヤマザクラ 人[.納杭 1 0句i 8. 6 4. 11 31 6. 8 2 . 0 1 3. 7 O 36 2000/3 樹穐 人天別 林齢 ウダイカンパ 人ー然ノ│ シラカンバ 1 . 2 調査調査年 本数 月 3 3 74 1 999/4 作: I ー段は半均{他人トー段は晶小値一晶大納ーをぶす。 -1 6- 1 999/ 4 ブナ を主体とした広葉樹人工林の初期管理技術の開発 第 7章 結 言 ウサ ギの梢端食害防止対策 としてツリ ーシェ ノ レタ 7 .1 ブナの分布 長野県のブナは,県下のほぼ全ての地域で確認 された。 しかし,群生林分は県北部と南アルプス 周辺では認められたが,それ以外では少なかった。 特に佐久地域での分布は少なく,多くても数本程 度の集団しか確認できなかった。 ーを導入したところ,食害防止とともに誤伐防止 7.2 ブナの種子生産と天然更新 効果も認められた。 しかし,成林までの事例がな いことから,今後の成長経過を調査する必要があ る。 7.5 ブナの植栽方法 0 プナは初期成長が遅いため,下刈り期間が 1 年近く必要となり,下刈り誤伐が多発する可能性 ブナは結実周期が長いことが指摘されていると が高かった。このため,ブナ人工林の造成にあた 5年間の調査では豊作年が 1回しか訪れな かった。また豊作年から 3年間は種子の落下が認 っては,できるだけ早期に下刈り不要となる大き められなかった。 結実しても,豊作でなければ天 苗木生産者の聞き取りで密植が望ましいことや おり 然更新が極めて困難といえた。 さに仕立てることが重要といえた。 天然生幼齢林で 20,000 本 / h a が成立していた結 ブナ一斉林が成立する北信地域では,結実種子 果からみると,ブナが良好に成長してい くために のうち充実種子が多いが,ブナが点在する中南信 は,植栽本数を現在の 3 ,0 00本 /h a よりもかな り 地域では,充実種子がほとんど認められなかった。 多くする必要があると考えられた。 しかし,現実 7.3 ブナ人工林の初期成長特性 には経費面での問題もあることから,数本をひと 長野県におけるブナの人工植栽地は,寡雪地域 かたまりに植栽する「巣植え J や,カンパ類など を主体に複層林の下木として存在していた 。最も の早生種との混交植栽とい った密植に近い環境を 林齢が高い伊那調査地では 1 2 年生で約 4m とい 作ることが必要と考えられた。 う樹高成長が認められ 7.6 おわりに これはプナが広く分布す る多雪地域人工林の成長とほぼ同等の成績であり, ブナは,寡雪寒冷地域でも人工造林が可能と判断 できた。 植栽直後に苗上部が枯損する現象が認められた ブナ人工林調査を中心として,ブナを主体とし た広葉樹林の初期管理技術の 開発を行った。 ブナ を植栽した場合に発生する成林阻害要因を摘出し, 人工林造成における留意点を整理した。 今後は,ブナ人工林および天然生林を対象とし が.これはポット苗を使用することで軽減できる と判断できた。 て,植栽初期だけでなく間伐を含めた保育技術全 7. 4 ブナ人工林の成林阻害要因 般についても調査を進め,ブナの成長予測と施業 ブナ人工林の成林を阻害する要因として,ネズ 体系の作成に向けて研究を進めていきたい。 また ミによる根系食害,ウサギによる梢端食害,下刈 ブナは, り誤伐,穿孔性害虫による樹幹穿孔被害が確認さ と称されるなど,地域によって異なる個体群が存 れた。 コウモリガなどの穿孔性害虫による主幹部 在することも予測されるため,今後の調査によっ 穿孔被害は,植栽初期には発生せず,根元径が て長野県内における地域個体群の分布を明らかに 1.2cm を超える頃から発生した。 本被害により枯 していきたい。 死する個体が確認され,下刈りが終了し成林に至 日本海側で葉が大きいためにオオパブナ なお最後に,本研究を進めるにあたり,調査地 る過程での被害として注目したが,根元径が 4cm を提供いただいた栄村,栄村森林組合,真田町外 を超えると枯死に至ることはなく, 12 年生時ま 一市ー町財産組合,信州大学農学部手良沢山演習 での被害率も 13%に 留 ま り , 枯 死 個 体 も 1 %程 林の関係者の皆様をはじめ,現地調査に協力をい 度であったことから,成林阻害要因としては軽微 ただいた信州大学農学部の林博道先生,北信地方 といえた。 事務所及び上小地方事務所,北安曇地方事務所を 一方,ウサギによる梢端食害や下刈り時の誤伐 はじめとする関係地方事務所林務課の皆様,ブナ は,初期成長の遅いブナの成長を著しく遅らせる の分布調査にあたり貴重な情報提供をいただいた 結果を招き,真田調査地では一度誤伐を受けたブ 橋本肇,木原奉文,小山知宏,草間勉,松原秀幸, ナの 68%が 再 度 誤 伐 さ れ る な ど , 誤 伐 や ウ サ ギ 中山例,大木正夫,四方圭一郎,白石立,鈴木良 の梢端食害により樹高成長を抑制された場合には, 一の各氏をはじめ,そのほか本調査に協力いただ 成林を不可能とする可能性が認められた 。 いた皆様方にこの場を借りて御礼申し上げます。 長野県林総セ研報第 1 6号 ( 2 0 0 2 ) る落果量の年次変動ーニホンザルの遊動域にお けるブナ ・ミズナラ・ミ ズキの結実,岐阜大農 引用文献 遠 田 暢 男 (962)コ ウ モ リ ガ の 生 態 と ポ プ ラ 類 の 被 害について,森林防疫ニュース 1 2 9,3 2 8 3 2 9 . 遠 田 暢 男 ( 19 71 ) 研報 5 6, 1 6 5 1 7 4 . 小山泰弘・古川仁(19 9 8 ) ブナ天然生稚樹の消長 経過とその要因について,中森研 4 6, 1 1 7 1 1 8 . 早成樹の重要害虫と生態, 小山泰弘(19 9 9 ) 若齢ミズメ人工林の成長と現存 (社)日本林業技術協会, 5 8PP,東京 7, 4ト4 4. 量,中森研 4 広 木 詔 三 ・ 松 原 輝 男 (1 9 8 2 ) ブナ科植物の生態学 小山泰弘・岡田充弘 ( 2 0 0 0 ) ウダイカン パの 成長 的研究皿.種子一実生期の比較生態学的研究, 8, 2 7 2 8 . と穿孔性害虫による被害,中森研 4 日生態会誌 3 2, 2 2 7 2 4 0 . 北海道林業試験場監修 ( 2 0 0 0 ) 広葉樹林育成マニ ュアノレ,北海道林業改良普及協会 の経営・利用編,北方林業会 9, 3 4 . ブナの成長,中森研 4 218pp,北 海道. 星 司 郎 ほ か ( 19 6 6 ) マカ ンパの 人工林の生長と間 伐 , 卜4 2. 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8 ) • 1 2 弁慶お 1 7 54387557 ( 2 6 ) 6 5 草木村 築f 1 山 1 2 1 0 5 2 3 76 57 3( 2 8 ) • 荒船牧場 ∞ 点在 1 2 0 0 5 2 3 77 47 8( j9 ) 1 1 5 0 5 2 3 77 52 2 紅信 ( j1 ) 1 1 0 0 5 2 3 76 45 9( 2 8 ) 1040-1100 5 2 3 76 47 6( 2 8 ) 群快 5 2 3 76 56 0( 2 8 ) 1 3 符I U 1 5 0 0 53387565 6 6天雌村 熊伏山 1 4 よ i 箇峠 1 7 0 0 5338757 7( 2 6 ) 6 7大鹿村 小波温泉 1 5 南牧村 湯川 1 5 0 0 5 4 3 80 32 5( 2 6 ) 6 8 白石山 点在 1 2 0 0 1 6 海 / 口 伊l 在地 1 5 0 0 5 4 3 87 38 5(5) 69 上 村 下栗 群生 1300- 5 3 3 70 75 9( [ 4 ) 1 7鰹井沢町矢ヶ幡山 950 5 4 3 84 51 2( 9 ) 7 0 採 石隆 道 1 2 0 0 5 3 3 71 7 06 ( 4 3 ) 1 8 1 0 0 0 54384542 ( 9 ) 7 1 御池山 1 3 0 0 5 4 3 83 02 6( 2 4 ) 7 2 地蔵峠 1 3 0 0 5 3 3 81 07 1( 4 3 ) 1 3 8 0 54383056( 2 5 ) 7 3 日膨 岩 南 1 2 0 0 5 3 3 81 04 0( 4 3) 5 4 3 86 20 6( 10 ) • 7 4 r tl ! l l 択 5 3 3 87067 ( 4 0 ) 7 5I 軒倍 潰 村 背 崩 峠 旧碓 氷 峠 東 1 9 丸子 町 焼山 2 0 保福寺師 " n 司 21兵 出 町 2 2諏紡 鮮生 m 1 3 0 0 恥い ・ 1100-1500 523777 2 1 ( 3 ) 1250-1800 5 3 3 81 09 8( 2 0 ) f J . f S 5 3 3 82 08 0 14 ) 1300-1600 5 3 3 80 06 0( 県 f E 1 4 5 0 5 3 3 81 05 1 1 0 5 0 5 2 3 77 70 3 • 守屋山北斜面 点f 王 1500- 2 3 f諏 紡 町 下 誠 紡 県 省 林 わずか 1 32 0 5 4 3 81039 7 6 朝日山山頂 1 6 0 0 5 2 3 77 73 7( 1 4 ) 点( f 1 4 0 0 54381132(17) 7 7 遠山) 1本 谷 上 流 1 0 0 0 5 3 3 80 04 6 1500- 5 4 3 81 15 2( 4 0 ) 7 8 面平 1 3 5 0 5 3 3 80 04 7 1 3 0 0 5 3 3 76 51 3 1 1 0 0 5 3 3 74 57 0( 3 2 ) 東俣国有林 2 5 Kヶ 峰 2 6 富 士見 町 釜 無 谷 白川 2 7 釜無谷桐ヶi1{ 2 8伊那市 内 の 萱 西 駒 畳 山道 2 9駒 ヶ 般 市 戸 倉 山 1 3 0 0 53386106( 4 0 ) 1 5 0 0 533861 1 6( 4 0 ) 5 3 3 75 6日8 5 3 3 8409 4 黒沢 小僧沢 3 2 償川 3 3箕鎗町 黒 沢山 3 4 中 箕鎗 地 施 時 群生 1200- 小群生 1 14 0 5 3 3 75 40 8 小川入国有緋 点任 1 1 5 0 53 3 74 49 8 5 4 3 70 77 6 (7) 8 3 加瀬 木山 E 点( 1 1 0 0 5 3 3 75 51 4 5 3 3 77 73 0( 4 2 ) • 8 4 風鍾山 1 4 0 0 5 3 3 75 52 8 1 1 5 0 5 3 3 75 54 2 ( 4 2 ) 1 0 0 0-17 0 0 平 ムf i l わずか 1 5 5 0 53376792 点花 1 4 0 0 5 3 3 77 72 4( 2 0 ) 8 5 才児 8 6 猶 川│村 樋兵衛峠 Z 章生 1 5 0 0 5 3 3 76 64 8( 2 7 ) 8 7 街洞 点花 1 2 0 0 5 3 3 76 65 6( 2 7 ) 1 3 0 0 5 43 70 70 1( 27) 3 5 東箕鎗 1 2 5 0 5 3 3 87 02 4( 2 0 ) 3 6 箕 鎗 ダム上 1 2 9 0 5 3 3 87 03 4 3 7飯島町 シオジ手 1 380 5 3 3 74607 ( [ 4 ) • 9 0 吉田 1 5 0 0 5 3 3 76 77 2([5) 9 1 大笹沢山 1 6 5 0 53383079( 17) 1 2 0 0 5 3 3 84 06 7 日影 人 内 生在 か鮮点 3 8南葉幡村径が岳 3 9長谷村 西風巻 4 0 浦 4 1 飯 田市 干代 4 2 峰打峠 万 古川 上流 点 在 4 3 大平峠 4 4 大 平県 民の G 4 5 風 経山 4 6i l :川町 柄山人 4 7 高森町 吉田 山 4 8阿南 町 和 合 丸山 4 9 高犠山 5 0清 内 路 付 下 清 内 路 民生 ~在 鮮生 点在 ∞ 手 l .f 菖 1 3 5 3 3 7 1 2 0 0 53372509 (4) ・ 3 4( [ 4 ) 88 桑崎 8 9 木但村 池の沢上部 9 2 水木沢 9 3 開田村 末川国有株 群生 わずか 群生 点在 1400-1600 5 4 3 70 61 2 1 2 0 0 5 3 3 76 69 0 . 紅信 紅信 1200-1500 5 4 3 77 57 6( 2 2 ) 1 3 0 0 5 3 3 77 59 8( 2 2 ) • 1 5 0 0 5 4 3 70 50 2( 2 9 ) 9 4 王滝村 御 厳 3合目 1 3 5 0 5 3 3 76 40 4 平 ' J .f 書 9 5 白県峠 1 4 0 0 5 3 3 75 32 3 手 l .f 菖 ・ 1 3 5 0 53372565 ( [ 4 ) • 9 6大桑村 伊奈川上流 1 2 0 0 5 3 3 74 64 0( 3 0 ) 1 3 0 0 53372575( [ 4 ) • 9 7怯本市 プナノキ権現 わずか 1 5 5 0 5 4 3 81 08 3 1 5 0 0 14 ) 53372653 ( 9 8 牛伏寺 小群 生 1 0 0 0 5 4 3 81 09 1( 18 ) • 点在 1 8 0 0 5 4 3 81 09 5( 25 ) • 1 7 0 0 5 4 3 81 09 8 1 4 5 0 53382050 ( 1 3 ) 1 3 0 0 5 3 3 73 60 7 1 4 0 0 52377586 1 1 0 0 52377622 ( 1 4 ) 1 0 0 0 5 3371575 1 2 2 0 53372533 (j4 ) 9 9 鉢伏 山 1 0 0 二つ山 1 0 1 懇沢口 1 0 2 扉峠 1 0 3 三 才山中ノ沢 1 0 4 三才山峠 紅信 ( 1 ) 5 1 滑内路峠 5 2 浪 合村 長峠 1 6 0 0 5337051 4 (14 ) 5 3 宮の原 1 0 0 0 14 ) 53370555 ( ・ ・ ・ 苫 慣川 小川入国有体 8 2 gslg 守 第訪山 8 1 平 l .f . ; ・ 苫苫 1 3 0 0 3 0辰 野 町 3 1 ・ < ! i . 在 赤 沢 自 然 休養 枠 干 l .f 言 平 l .f 富 Mg守M M 1 4 0 0 1500- 7 9 み円相品町 犠 山 国 有 林 8 0J : 松町 群生 ・ ・ 2 4 f J . f 主 仰 小群 生 点在 1200-1300 5 4 3 82 00 8 1 5 5 0 5 4 3 82 11 0( 2 5 ) • 950 5 4 38 3 02 3 1 5 5 4 3 83 03 5( 2 5 ) ∞ ∞5437 06 58(3i) 1051 塩尻市 小曽部本沢 1300-15 1 0 6 小曽部赤倉沢 1100-1300 543706 5 9( 3 7 ) - 20 - ・ 平 L信 紅信 プナを主体とした広葉樹人工林の初期管理技術の開発 ¥0.4 目 。 3 ~O 成立 市町村名地点名 状況 1 0 7溢 尻 市 鉢盛山 点在 1 0 8 霧訪山 わずか 1 0 9 小野大芝山 御1.1山 I 1 1筏 井 村 修 B~II輔安富神社わずカ‘ 点在 3tx ,, ~, 1500-17 00 54370691 ( 47) 霊山 1 6 2高 山 村 山田牧渇 1 5 0 0 5 5 3 80 30 4 1 2 0 0 54370787 (37) 1 6 3 毛無峠 1 4 0 0 5 4 3 87 34 5( 2 0 ) 1 6 4 山田牧場 1 5 0 0 5 4 3 87 39 7 8 7 0 5 4 3 76 74 4( 4 5) 1100-1300 54384015 1 0 0 0 54385004 ( 4 6 ) 1 0 5 0 54371688 1 1 4~匝金村 三f 果 報在 1 6 0 0 5 4 3 73660( 2 0 ) 群生 1 5 0 0 5 4 3 71570( 2 0 ) 1 5 0 0 54372448 ( 4 ) 焼岳中腹 島々谷南訳 1 1 9 上高地 1 2 1 1 沢 1500-1700 54372488 ( 4 ) 書 草 生 1450-1680 54372565 ( 4 8 ) ¥ ' : (r E 1600-1700 54372583( 1 1 ) l高 地 ト p ;川 将 1600-1900 54373514 ( 4 1 1 積 J t . 草 生 1 7 0 0 54373565 ( 4 ) 黒姫山 日の御 子 社 1 6 8 森林樋物園 1 69 戸隠ス キー場 1 7 0 奥社書道 1 7 1 奥社 1 7 2鬼 哩 里 村 柄 山 峠 奥裾花渓谷 1 7 4 喫. .I UI然 凶 {ノ干地 ) 1 7 5中 条 村 虫倉山 ・ • 1 7 3 白 : '住生在生 ,点 群 点 群 1 2 0 , 点在 • •• 1 6 6信 漫 町 1 6 7戸 隠 村 '生在生在外! ,群点出軒白山群 1 3 0 0 単木 1 18 長在 1 6 5信州 新 町 長 者 山 東斜 面 群生 1 1 7 ・ 紅倍 5438408 7 四阿屋山 白骨 1100-14005 4 3 85 08 2( 2 0 ) • 1 6 1大 岡 村 清水高原 中ノ湯 3次 J U:J 文 献 備 考 標高 54370776(37) 1 1 3山 形 村 1 1 5安 曇 村 状況 1 3 0 0 1 1 2 1 1 6 ¥0 市 町 村 名 地 点 名 文 献備考 '生在 ,群点 1 1 0四賀村 標高 成立 800-1100 5 5 3 8I I 7 2 (6) 1 1 0 0 5 5 3 8 00 7 6 (6) 1 2 5 0 5 5 3 80 0 96 1 4 0 0 5 5 3 80 09 7( 1 7 ) 1 2 5 0 5 5 3 81 00 6 1 3 0 0 5 5 3 81 01 5 (17) 1 2 0 0 5 5 3 70 74 4( 49) 1 1 0 0 5 5 3 71 71 9 1 2 0 0 17 ) 5 5 3 71 75 9( 1 3 5 0 16 ) 5 4 3 87 07 1( 1 2 2奈 川 村 野安峠斜面中部小勝生 1 5 5 0 5 4 3 70 449 1 7 6飯 山市 斑尾山 1 2 3 野麦峠 1 6 5 0 5 4 3 70 45 8( 3 1 ) 1 7 7 照里黒岩山 1 2 4 月夜沢峠 1 6 0 0 54370521 ( 3 1 ) 1 7 8 万仏山 1 2 5 境峠 1 4 5 0 54370537( 3 1 ) • 1 7 9 小菅山頂 1 2 6 栃洞沢 1 3 0 0 54370544 ( 3 1 ) 1 8 0 真宗寺 1 4 0 0 54374584 ( 3 3 ) 1 8 1 戸狩 7 5 0 5 5 3 83 2 29 1500-1800 54375563( 2 3) 1 8 2 鍋 倉山 群生 1 0 0 0 5 5 3 83 37 1 (2) 鮮生 1 2 0 0 5 5 3 83 38 1( 12 ) 5 0 0 5 5 3 83 3 86 点在 1 2 7大 町 市 高瀬渓谷 1 2 8 プナ立尾被 南鷹狩I L J 扇沢 小齢生 1 2 0 0 5 4375791 ( 4 5 ) • 1 8 3 関<11 峠 鮮生 1 5 0 0 54376567 ( 2 3 ) • 1 8 4 柄山 1 8 5 牧峠 白沢天狗山 1 5 0 0 5 4 3 76 672 (17) 1 3 2 海ノ口 点在 1 0 5 0 5437669 8 1 3 3 黒沢 鮮生 1 3 0 0 54377616( 3 3 ) 1 8 7 1 3 4 鹿島渓谷 1 3 5八 坂 村 長者山南東 1 3 6 1 3 7白馬村 1 8 6山 ノ 内 町 妨 寺 山 五楢山 1 3 0 0 54377633(33) 1 8 8 一 ノ瀬 小群生 870 54376743( 4 5 ) 1 8 9 アワラ湿原周辺 前山山頂 点在 1 0 6 0 ( 4 5 ) 1 9 0 竜王 l l J 五竜 群生 1 3 0 0 54377686( 2 3 ) • 1 9 1 焼額山 1 1 0 0 54377676( 2 3 ) • 1 9 2 岩菅山 太川沢 1 3 8 犬川 1 3 9 八方尾板 1500-1700 5 5 3 70 64 5( 2 0 ) • 1 9 3木 島 平 村 馬 曲 1 4 0 二股 800-1600 55370665( 2 3 ) • 1 9 4 馬曲万仏岩 カヤノ平 1 4 1 小日向山 55370674 ( 2 3 ) • 1 9 5 1 4 2 岩岳山 1 2 0 0 55370677 ( 5 ) 196 野 ð~ &l恥村畳郷 1 4 3 鎗貴 1 3 0 0 55370693( 2 0 ) • 1 9 7 1 4 4 長走沢 1 4 5 柳沢峠 -1600 1400-1600 55370693( 2 3 ) 1 0 0 0 55370 73 3( 5 ) '在生'在' ,点群,点民 ・ 1 3 1 800-1000 5 5 3 82 29 8 (i) 1 1 0 0 5 5 3 82 35 6( 6 ) 900- 5 5 3 82 37 5 ( 6 ) 3 3 0 ー住生 ,点 群 1 2 9 1 3 0 群生 900-1200 5 5 3 82 20 3( 2 0 ) 群生 5 5 3 82 39 2 5 5 3 80 34 8( 2 0 ) 1 4 5 0 5 5 3 80 39 7 (39 ) 1 7 0 0 5 5 3 80 48 1( 2 0 ) 1 4 5 0 5 5 3 81 3 07 ( 3 9 ) 1 5 0 0 5 5 3 81 33 8( 2 0) 1 6 0 0 5 5 3 81 40 2 1 5 0 0 5 5 3 81 42 3( 3 8 ) 1 1 0 0 5 5 3 82 34 8( 6 ) 1 2 0 0 5 5 3 82 35 7 ( 6 ) 1 4 0 0 5 5 3 82 4 00 ( 4 4 ) 5 5 3 82 3 86 ( 6 ) 毛無山 1 6 5 0 5 5 3 82 3 88 ( 2 0 ) 1 9 8 上の平 1000- 5 5 3 83 3 08 1 9 9 水尾山 600- 5 5 3 83 31 7( 2 0 ) 1 4 6 落倉浅間山 点在 900 55370 77 0( 2 3 ) • 200栄 村 鳥甲林道 1 0 0 0 5 5 3 82 4 38 ( 6 ) 物見山 群生 1 2 6 0 55370774 2 0 1 五宝木 9 0 0 5 5 3 82 4 67 ( 6 ) 1 0 0 0 5 5 3 82 49 1 ( 6 ) 1 5 0 0 5 5 3 82 51 3 (7) 1 4 8小 谷 村 栂池高原 1 5 0 0 55371607( 3 4 ) 2 0 2 天代川 白馬乗鞍 1 300 5 5 3 71629(34 ) 2 0 3 苗語山量 1 5 0 北小谷風吹山 900-1500 55371770( 3 4 ) 2 0 4 秋山郷 1 5 1 中土奉納山 5 5 3 72 70 9( 3 4 ) 2 0 5 車向 1 5 2 北小谷湯原 500-1000 55372720(34 ) 206 堺 -1500 日陰沢 大久保 700- 5 5 3 82 53 1( 2 0 ) 5 5 0 5 5 3 83 42 5 ( 6 ) 5 0 0 5 5 3 83 44 4 5 5 3 83 46 4 ( 6 ) 1 5 3 北小谷湯峠 ¥ 0 00 55372737 ( 3 4 ) 20 7 野田沢 4 0 0 1 5 4 北小谷鎌池 1 0 0 0 5537273 8(34 ) • 2 0 8 慣倉 2 9 0 5 5 3 83 47 4 1 5 5 北小谷雨飾山 1 3 0 0 55372 77 8( 3 4 ) 209 塩尻集落裏 3 0 0 5 5 3 83 47 5( 6 ) 1 5 6 北小谷 5 5 3 83 48 2( 2 0 ) 1 5 7須 坂 市 大谷不動周辺 1 5 8 米子不動周辺 1300-1500 55382031 ( 3 4 ) 乙見峠 1 5 9 乳山牧場大池 1 6 0大 岡 村 儲知大神社 点在 鮮生 ・ 2 1 0 平滝 3 2 0 21 1 森 3 2 0 5 5 3 83 4 86 • 2 1 2 員立山 9 0 0 5 5 3 84 4 03 弘信 2 1 3 野々海池 1 0 0 0 5 5 3 84 42 2 ( 6 ) 2 1 4 天水山 1 0 0 0 5 5 3 84 42 4 ( 6 ) 1 5 0 0 5 4 3 8637 0 1 5 0 0 54386372 1 4 7 0 54387323 1 1 0 0 54385081 ( 21 ) . •••• •• • ••••• ∞ 5538 43 4 (20) 1 5 0 0 700- 1 4 9 平 ' J .f 言 900-10 1 4 7 私信 私信 •••••• •••• ••••• . は、今回の調査で現地を確認した場所を示す。 文献番号は.巻末資料 2の醤号と 一致する 向 一 2 1一 長野県林総セ研報第1 6号 ( 2 0 0 2 ) 巻末資料 2 ブナ分布調査文献 黒 人以 AE 名維の集 邦ト久編 者会会会藤然誌 男宜円育育佐 ' H 町 村 - 村 村 教 教 教 ・子 六 村 市 村 刊 行 市 内 庁 著一 南 木 野 田 雲 馬 水 水 水 寛 幸 一谷 山 川 郡 山 加 水 山 県 一 阿 車 円 浅 安 白 飯 飯 飯 原 沢 林 平 飯 小 川 V伊 上 環 一 酎一 12 3 4 5 6 7 8 9 山口 ロ 日 同 日 同 げ 1 8 環境庁 : r : ; : 24 25 26 27 28 29 30 3 1 訟回 行雄 ・土田勝義 松本市 南佐久教育会 僧川│村 恨羽村 奥原弘人 奥原弘人 奥原弘人 3 2 奥 山慶 .f "丸信弘 33 3 4 35 36 37 38 39 大町市 小谷村教育委員会 佐久町 佐久市 寝尻市 下高井教育会 諏訪教育会 40 高 岡 貞 夫 4 1 辰野町 42 土回 勝 義 43 堤 久 44 渡 辺 隆 一 1 9 6 7 1996 1 9 91 1 9 8 1 1 9 9 7 1 981 1 9 7 0 菅 平地 方 における傾物 遷 移 の研究(1) 上 平谷 村 誌 飯山 l け 1 1 ' リ I i 必 山 ド │ ' 1 然環 I 境 立 車 縦 品 菅平研報 l 平谷村 飯Jll i打 ' ' ' 1 川 1 ι ' U I I,H (社) f 'Jf f i l i l lぷ協会 { j tJ B J ii 上水内郡誌編集会 PI-18 P95-I 0 7 351-363 p75-77 1140pp P269-3 2 0 1 020pp 環 境庁 159pp 環境庁 p19-86 環 境庁 P1 62-1 73 1 978 1 9 8 8 tnE ウ 4 8 p1 93 戸 47 1 1 49 湯本博!ぷ P305-326 P230 P66-68 p474-476 618pp 65-86 79-102 p87-1 2 8 ヘ -' / 井上書庖 b 45 八坂村 46 償 内 正 ・償内文人 自然環境編 発行 π 阿南町 青木村 天龍村 安曇村 白馬村 飯 水 教 育会 飯水教育会 飯水教育会 軽井沢の催物 QU ハ ヨ 06 勺 t ' I A 守 GUA 句作むつ J 1 l 勺t o O A U A 守 oonuoo 'i q J 3 i o D nヨ口ヨ n E n J q J o a no nヨ nヨ 勺t n E n 3 nヨハヨハヨ マt nヨハヲ n u n E nヨ n ヲ n xunヲハヲ nE ハ ヲ 20 片 倉 1 ニ行 ・奥村俊介 2 1 川 上美保子 22 ノ ド但村 北 安 曇 初誌編 纂委員 23 .6. 書 名 阿南町誌上 青木村 誌 自然編 天龍村の縞物 安 曇 村 誌 自然編 白馬の歩み村誌 小菅 ・万仏の自然 黒岩 山系の自然 栄村の自然 1 974 の 606nwdnEn3nEnEnkUAU 内 山 内J 山 l9 9s 9i9 90 9l 9i 9l9l91919 999 9999990 l9 l9 i li9 -9 -1 9・ 1 1 1Illit-ーワ 旬 1 9 環 袋r i ' 発行年 1 9 8 7 1 9 9 3 1 992 1 9 9 8 1 9 9 6 1 9 8 9 1 9 9 4 1 9 9 8 ノ 本阜 ‘ 村 t ο 伊 ト目 │ B 郎1 1 ' 谷 宇 の什 l ' 1 然 * { j tJ Id i f j然 知 上水内郎誌 自然編 第 2凶自 然 環 境 保全 基 礎 調 査 特 定 値 物 群 落 報告 書 日 本 の 重 要 な 値 物 群 落 長 野 県 第 3問 自 然 環 境 保 全 基 礎 調 査 特 定 植物 群 落 調 査 報 告 書 追 加l 調査追跡調査(長野県) 第 3問 自 然 環 境 保 全 蒸 礎 調査 値 生 調 査 報 告 書(長 野県 ) き コナラ ;次 林 の 街 芹 史 新 と 成 木 林 肥 I 長野 県大 岡 村の ブ ナ 群 落 木組 村 誌 源 流 の 村 の 自 然 自然 編 北安曇 都 誌 自然編 美 ケ 原 焼 山のブナ林の群落学 的研 究 総 本 市 史 自然編 南佐久郎誌 自然編 下 大地 と生物 機川 │ 村 誌 l 自然 恨羽村誌 1 : 木曽谷の植物 木曽おおくわの悩物 奈川村の他物 本州中部のブナ集[.fIのミトコンドリア D N A の 系 統 地理 学 的 情 造 大町市史 自然環境 長野県小谷村の権物 佐 久 町 誌 自然編 佐 久 市史 塩 尻 市 史 自然編 五輪山とその周辺の自然 諏訪の 自然 誌 値 物 編 長野県林総研報 5号 PI l3 長野 県傾 物 研 究会誌 ¥0.31 p 79 木祖村 p222 北安曇 郡 誌編 纂委 員 会 1 1 61 p p 長野 県植 物 研 究 会誌1¥0.1 7 松本市 南佐久教育会 備川│村 恨羽村 木 曽 教 育会 ほおずき 書籍 奈川村教育委員会 P I-7 912pp P68 651 p p P117-1 1 8 p225 70pp 72pp 第1 1 1(1内!日林学術講 p609 大町市 小 谷 村 教 育 委 員会 佐久町 佐久市 塩尻市 下高井教育会 諏 訪 教 育会 上高地自然史研究会 研 究成 上高地に お け る ブ ナ樹 冠 分 布 図 の 作 成 の 試 み ,←口 果 報 告 書 第 4乃一 辰 野 町誌 自然編 辰野町 志賀高原岩菅山自然環境調査報告書 長野 県 生活 環 境 郊 遠 山 郷 上村 の 傾物 上村 { 言大教育付属志賀範設研究 カヤ ノ平ブナ原 生林 の 研究 業 績 第2 1号 八坂村託: 八坂村 中部信州プナ林の値生(J)一東筑摩郡北部 長野 県値 物研 究 会誌 ¥0.19 中部 信州 ブ ナ 林 の 係 生 ( 2 )一東筑摩郡南部 ・ 長野 県値 物研 究 会 誌 ¥0.20 小県都商郎 中部伯州ブナ林の他生 ( 3 )一南安曇 郡 南 部 長野 県 植 物 研 究会誌 ¥0.2 1 信州 黒 山 探 訪 ( 5 5 ) 柄山峠 -22- 1239pp 131pp 696pp p523 1004pp p48-98 694pp PI -6 p 267-386 p161-190 P 4-5 07-18 μ P478-506 p7-9 p8i-89 p31-32 長野 自然観察の会会報 7 7号 P 2-3