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2. 国際淡水化セミナー モロッコは 1970 年代より海水淡水化施設を建設

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2. 国際淡水化セミナー モロッコは 1970 年代より海水淡水化施設を建設
2013 年 12 月 31 日
1. 第 2 回スタディーツアー
モロッコ人専門家を招聘した第 2 回のスタディーツアーは 2013 年 12 月 13 日から 12 月
27 日にかけて実施されました。今回は前半をスタディーツアー、後半を国際海水淡水化セ
ミナーとしました。参加した専門家は、水・電力公社から 3 名、スース・マッサ・ダラ流
域水利公社から 1 名で、4 名の専門家はいずれも 20 年以上の実務経験を有しているベテラ
ン技術者であり、海外での研修やセミナー、学会等で活躍しているハイレベルの人材です。
スース・マッサ・ダラ流域水利公社から参加した専門家は JICA の本邦研修に 3 回参加した
経験があります。また、彼は 1993 年から 1998 年まで日本がモロッコで実施した無償資金
協力による地方飲料水供給計画におけるモロッコ側の担当者です。更には 1999 年から 2007
年まで実施された技術協力プロジェクトの関係者でもあり、日本の国際協力のシステムを
十分理解しています。
JICA 事務所での協議
モロッコ人専門家の発表
DWST 側の発表
2. 国際淡水化セミナー
モロッコは 1970 年代より海水淡水化施設を建設しており、現在水資源に恵まれてい
ないモロッコ南部地方や内陸部の塩水地下水の淡水化を実施しています。このような背
景の下、本プロジェクトではモロッコより海水淡水化の専門家を招聘し、12 月 23 日に
国際淡水化セミナーを開催しました。このセミナーには、国際機関より UNICEF、国
際 NGO、中央政府より水資源・電力省、DWSU 及び DWST 関係者、紅海州公共事業
省、保健省、運輸省、州水公社及び紅海州大学等の専門家が参加しました。
モロッコから招聘されたモハメッド・ハフシ博士はモロッコの海水淡水化事業に長年
関与している専門家で、政府の外郭団体である「モロッコ海水淡水化委員会」の理事も
兼務しています。
モハメッド・ハフシ博士は、モロッコの類似規模の施設が順調に稼働している具体的
な事例を紹介し、人材育成、施設や機材の適切な維持管理方法、部品調達及び予算の確
保がいかに重要であるかを説明しました。そして、紅海州の関係者がモロッコを訪問し、
水道事業や施設の維持管理に関するノウハウの取得を目指した後に新たな海水淡水化
施設の建設を実施することの重要性を指摘しました。
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モロッコ人専門家の発表
質疑応答の様子
セミナー参加者の集合写真
3.衛生管理セミナー
門上専門家は 12 月 19 日に、スーダン大学の科学技術学部において衛生管理概略に関す
るプレゼンテーションを行いました。スーダンでは未だ衛生管理に係る意識が低い傾向に
あるため、発表内容は衛生管理の目的、改善に必要な衛生活動項目、スーダンにおける現
在の衛生状況、及び、現時点で考えられる人体と環境に対する健康リスク等の基本情報を
データや写真を用いて説明し、最後に改善活動に関する提案を行いました。
このプレゼンテーションには大学教授や学部学生等、100 人以上が聴講し、発表後には、
衛生環境改善に関しどのように地域住民へ教育を行い住民の意識や行動を変えるのか、ど
のようにカイゼンのようなステップアップを行えば良いのか等の質問が数多く寄せられ、
大学関係者の関心の高さがうかがえました。
門上専門家によるスーダン大学での衛生管理に関する講演会
4.マザーナイルプロジェクトとの連携
2013 年 11 月になってマザーナイルプロジェクトより、センナール州スキロカリティの救
急病院の給水に問題があるために、本プロジェクトの専門家による調査が打診されました。
これを受けて、本プロジェクトは 2013 年 11 月に 2 回にわたる現地調査を実施しました。
そして、2013 年 12 月 10 日から 12 月 21 日にかけて大鹿専門家による井戸管理研修がスキ
病院を対象に実施されました。改修の結果、ポンプと揚水管に石が詰まっており、これが
原因で井戸水をくみ上げることができない状況となっていました。この石を撤去すること
によって、スキ病院に井戸は使用できる状態になりました。
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揚水管内に入っていた石
ポンプ上部に詰まっていた石
ポンプインぺラーの損傷部分
5.組織管理研修
小野寺専門家の組織管理コースの研修は、12 月 1 日から 5 日までセンナール州、12 月 8
日から 12 日まで白ナイル州で開催されました。研修生はセンナールで 10 名、白ナイル州
で 19 名です。組織管理研修は既に 3 回目を迎えており、研修コース、講師及び研修環境の
評価はいずれも 90%以上でした。ただし、スーダン側スタッフの貢献度に着目するとセン
ナール州は白ナイル州よりも約 10%低い 77%となっています。
開講式:白ナイル州
プレゼンテーション:白ナイル州
研修実施状況:白ナイル州
6.井戸管理研修
大鹿専門家の井戸管理研修は 12 月 8 日から 29 日までセンナール州で開催されました。
この研修では、マザーナイルプロジェクトとの連携を重視したことから、最初にスキ救
急病院の井戸改修を実施し、その後、Al Masdia 村で 2 ヵ所目の井戸管理コースの現場
実習が実施されました。
それぞれの研修に参加した研修生は 8 人、
講師は 3 名です。
研修生が評価したコース、
講師、及び研修環境はいずれも 90%を超え、カウンターパートの貢献度も 91%を超え
ています。このことから、井戸管理コースでは、スーダン側スタッフが自主的に研修を
実施できる体制が構築されつつあると言えます。
3
スキ病院現場搬入
井戸水位測定
エアリフト
7.機材管理研修
木村専門家の機材管理研修は 12 月 1 日から 12 月 19 日にかけて、白ナイル州とセンナー
ル州で実施されました。この研修には青年海外協力隊の桑野隊員が参加し、木村専門家の
支援を行いました。参加した研修生は白ナイル州が 13 名、センナール州が 10 名、講師は
それぞれ 1 名のみで対応しました。研修生による評価はセンナール州の研修環境が 80%で
ある他は、研修コース、講師とも 90%台と高評価でした。また、スーダン側スタッフの貢
献度に関しては、白ナイル州が 86%、センナール州が 81%となっています。
機材倉庫の確認と手入れ:白ナイ
機材倉庫の5S 活動:白ナイル州
ル州
整頓後のスペアパーツ:白ナイル
州
8.衛生管理研修の準備
パイロット州での衛生管理活動として、
「Water Yard 周辺の衛生環境を、女性を巻き込ん
で改善し、安全な水の供給へ貢献する」ということが DWSU との協議で決定されました。
これを受けて門上専門家は、両パイロット州で活動対象となるパイロット Water Yard 選定
調査を実施しました。選定された Water Yard では、2014 年 1 月から DWST 州で実施され
る衛生管理研修を通じ、衛生環境改善をパイロット活動として開始します。そのため、パ
イロット州の研修センターから通える距離に建設されている Water Yard に絞って調査を行
い、白ナイル州では Tandalti、Duem ロカリティで計 8 ヵ所、センナール州では Sennar、
Singa、El Suki、El Dender ロカリティで計 17 ヵ所の Water Yard を調査しました。Water
Yard の選定基準としては、現状の衛生環境(ごみ、排水、家畜アクセス、フェンスの有無、
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住民参加の可能性、考えられるインパクト等)を考慮し決定することとし、現在選定作業
を行っています。
Water Yard 周辺の衛生環境
(センナール州)
Water Yard 周辺の衛生環境
(白ナイル州)
衛生管理活動方針に係るプレゼン
テーション(DWST)
(略語説明)
DWSU: Drinking Water and Sanitation Unit (飲料水・衛生局)
DWST: Drinking Water and Sanitation Unit Training Center (飲料水・衛生局研修
センター)
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