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民間金融機関アンケート結果

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民間金融機関アンケート結果
民間金融機関アンケート結果
アンケート対象等
○
平成 14 年 5 月、大手行から信組までを対象に、各業界団体を窓口として業態ごとに
(一部サンプリングとして)匿名によるアンケートを内閣府において実施し、計 186
機関から回答を得た(部分回答を含む)。
1.アンケート結果概要
集計したアンケートの結果について、民間金融機関の金融仲介機能拡充に対する
積極的な取組みを紹介する観点から、整理・集約したもの。
2.(参考1)政策金融機関による民業圧迫事例集
アンケートの回答中、民間金融機関から指摘のあった民業圧迫事例について、整
理・集約したもの。
3.(参考2)民間金融機関に対するアンケート結果(詳細版)
アンケートの回答について、総体的にとりまとめたもの。
アンケート結果概要
○
回答においては、幅広い論点について多様な意見が寄せられているが、民間金融機
関の金融仲介機能拡充に対する積極的な取組みを紹介する観点から結果を集約すれば、
おおむね以下のとおりである。
Ⅰ
民業補完の原則
○
ほとんどの回答が、政策金融機関の存在によって収益機会を奪われている場合があ
るとしている。
・・・
具体的な事例としては、政策金融機関による市場実勢に基づかない融資条件(低金利など)
の提示の結果、明示・暗黙的に案件を横取りされたケースなどが多く寄せられた。
○
民業圧迫を回避するという視点から、政策金融機関が講じている手段の存在を認識
している民間金融機関は半数以下。うち、ほとんどが何らかの問題点を指摘している。
・・・ 例・協調融資 → 融資条件(低金利)に引きずられる。
・メインバンクへの意向確認 → 全案件ではない。他行への確認がないため不十分。
・融資額の上限設定 → 融資比率の上限を同時に設けなければ実効性がない。
等々
○
民業圧迫を回避するために適当な手段としては、以下のような意見が見られた。
<個別案件ベースのもの>
・手段の変更(直接融資から保証業務等への移行)
・金利水準の適正化(市場実勢に沿った金利設定)
<対象分野・制度ベースのもの>
・(明確な終了条件をもった)サンセット条項の設定
・民間人からなる独立監視機関の設置
なお、クレジットディナイアル(民間金融機関による融資拒絶証明の存在を政策金融機関の融資
の条件とする)については、有効性について否定、若しくは、実務上の問題点等を指摘したもの
が大半を占めた。
代替的な手段の活用についての考え方はおおむね以下のとおりである。
<債務保証の活用>(→賛成多数)
(賛成)・信用リスクが回避され、積極的な融資が可能となる。
・資金提供は民間から行われることとなり望ましい。
(要望)・保証割合は100%が望ましい。
<代理貸しの活用>(→反対・問題点等の指摘多数)
・現行の制度は問題が多い(民間のリスク負担割合・回収事務負担等に比べ、手数料が低い)。
・資金余剰環境では代理貸し(による量的補完)の意義は失われている。(信金等では量の補
完に意義を認める意見も)
<利子補給の活用>(→賛否両論あり)
・民間を活用しつつ、債務者の返済負担の軽減、政策的低利の実現が可能となる。
<その他>
・「貸出債権の買取・流動化」、「劣後・エクイティ部分のリスクテイク」等
1
Ⅱ
民間が担える範囲の再考
政策金融機関の存在意義として、以下のような諸要因が指摘されることがあるが、こ
れらに対する民間金融機関の考え方等はおおむね各論点の下に記したとおりである。
<情報の非対称性の存在により民間のみでは資金供給が不十分>
○ 与信判断において、情報生産活動の対象となる範囲を拡大する、対象外の分野にお
いても統計的手法等を用いた与信プロセス(スコアリング、データベースの活用等)
を活用する等、積極的に与信を行っていこうとする取組みが見られる。
<長期・固定金利の資金供給は民間のみでは不十分>
○ 借り手のニーズそのものについて、一定の理解を示しつつも、否定的な感想が寄せ
られた。
・・・ 例・運転資金は長期資金で対応する性格のものではない。
・度を越えた長期は、実質的に債務の繰延べになっている。
・固定金利を要望しているのではなく、単に低いレートを希望しているだけである。
・政策金融の固定・低金利の資金供給により、本来市場原理では発生しえないニーズまで創
出される。
・景気が悪化しても金利負担が減らない長期固定よりも変動金利の方がメリットが大きい。
○
長期・固定金利の資金供給に対する積極的な姿勢が見られ、また、他の代替的な手
段等によって借り手のニーズに対応する可能性等についても意見が寄せられた。
【長期資金ニーズへの対応】
平均18年、中央値20年、最頻値20年
【長期固定金利ニーズへの対応】 平均 9年、中央値10年、最頻値 5年
※代替的手段の例等・コミットメントラインの活用(中小企業への適用制限の撤廃が前提)
・一定期間ごとの金利見直し(当該期間内は固定金利)
・(変動金利調達下での)資金繰り管理に対するアドバイスの提供等
・事業債による調達、当該事業債に対する(政策金融機関の)保証等
<大きなリスク・外部性等の存在する案件については民間のみでは対応できない>
○ 民間のみでは対応できないと考える案件として以下のような例示があった。
・・・ ・プロジェクト関係→ 特に公的セクターが参加する場合、契約・会計等の問題からリスク評
価が困難
・発展途上国向け → カントリーリスクの存在
○
一方で、上記のような理由から政府系が介入している分野の中で、民間金融機関が
現状でも対応できていると考えているものとして以下のような例示があった。
・・・ ・環境関連(環境対応の設備投資向け金利優遇ローン、低公害車向け金利優遇ローン、産業公
害防止資金の特別貸付制度、環境プランナー認定企業向け専用ローン等) → 環境問題に積
極的に対応する企業を支援する趣旨から対応
・社会福祉関連(バリアフリー関連の設備資金への金利優遇融資、特別養護老人ホーム等への
長期融資)→ 社会貢献という趣旨から対応
・(地元)中小企業向低金利融資商品 → 地元中小企業の育成・支援を図る趣旨から対応
・教育ローン(通常の消費者ローンより低金利) → 教育レベルの向上に資する観点から対応
・地公体・第三セクターの地域開発事業等 → 公共性と地域貢献の観点から対応
・公営企業向縁故資金 → 指定金融機関として、資金需要に対して安定供給の役割を担う
・鉄道会社・航空会社等に対する貸出 → インフラ整備等の観点から、従来から積極的に対応
2
<イノベイティブなファイナンス手法の先導的役割を果たしている>
○ プロジェクトファイナンス、PFI、DIPファイナンス等の取扱いについて、政
策金融機関による先導的役割に一定の評価をしつつも、以下のような問題点等の指摘
が寄せられた。
・・・ ・適正なリターンの設定がなされているか疑問。破格条件での参入は自粛すべき。
・主導的役割を果たした後、原則民間主体に移行すべきである。法的整備等が進めば十分民間
で対応可能。
・直接貸出以外の手法での対応(事業債への保証等)を基本とすべき。
<地域金融機関の破綻・震災時等への対応(セーフティーネット)として必要>
○ 民間での対応が十分可能とする意見と、政府系の役割として認識しているとする意
見が半々見られたが、後者においても、保証等のサポートや地方公共団体との連携を
通じて民間での対応が可能であるとした意見が多く見られた。
・・・ ・地域経済への貢献も念頭に取り組んでおり、民間の対応が政府系に比べて遅いとは思わない。
・万一のときの機動的な対応は民間の方が優れていると認識している。
・地域レベルの災害であれば、地公体と地元金融機関との連携により十分に対応可能。
・政策金融機関の店舗網では十分な対応が困難。必要であれば代理貸しのような制度で対応す
るべき。
・緊急時のために政策金融が必要だからという理由で、平時において業務を行う必要はないと
考える。
<政策金融にはナショナルミニマムの提供という側面もある>
○ ナショナルミニマムの観点から必要なものとして、福祉目的、教育目的、環境目的
などの融資制度が指摘されたが、大半について、一定の支援措置を前提に民間で対応
可能であるとする意見が寄せられた。
(民間のみでの対応が可能とした回答例)
・消費者金融、教育ローン等
(支援があれば民間での対応が可能とした回答例)
・起業資金、高齢者向け、失業者向け等
(官での対応が適切とした回答例)
・母子家庭への生活資金の融資(将来、子供が返済)、リバースモーゲージ関連
<政策金融は、景気対策としての役割も重要である>
○ 総じて政策金融を景気対策として用いることについて否定的な意見が寄せられた。
・・・ ・実態は赤字補填資金としての資金需要であり、問題の先送り、一時的延命措置にすぎない。
・有利な条件での資金供給は、市場を歪め民業を圧迫するだけでなく、需給ギャップをさらに
拡大することにつながりうる、現下の金利情勢下ではそもそも需要創出効果が期待できない
といった問題がある。
・「景気後退期」の基準が曖昧であり、発動事由・期間の設定が困難なため、恒常化の恐れが
ある。
・健全企業の一時的資金繰り難であれば、保証等の信用補完措置で十分に対応可能である。
3
【民間での対応が拡大してきており、今後民間で対応が可能となるような分野について】
・・・ 具体的な回答の例(分野、民間での対応が可能となる条件等)
<DIPファイナンス> 政策金融機関が必ずしも民間が担えないハイリスクをとっているとは
言えない。現状ではプレーヤー数の不足もあり、ケースバイケースで民間との協調がふさわし
い面があるが、優先弁済のための法整備等の条件が整えば、民間での対応が可能となると考え
る。
<プロジェクトファイナンス一般> 現状では協働が望ましい面もあるが、マーケットが格段に広
がってきており、民間のみでも、外部保証会社を利用しハイリスクな案件にも対応できる商品
などを扱い始めている。一方で、長期・固定貸出を可能にするためには、金融機関の資産流動
性確保のため、証券化市場の発達等が不可欠。
<売掛債権担保融資等> 民間で担える分野が増えている。
<中小企業向け貸出し> 「固定金利ファンド」設定による長期固定資金供給に向けた商品や、自
動審査(スコアリング審査)を活用した専用貸出商品の整備・導入、事業金融会社(銀行比高
金利の小額ローン)の台頭、信用リスク管理の高度化、リスクに見合った金利設定などを通じ
て民間での対応が拡大している。一方で、クレジットヒストリー情報の共有、信用補完措置の
充実などが図られるべき。
<その他>
・金融という面から捉えるなら、政府系も民間も業務内容に根本的な差はない。政府系は単に財
投資金と税金によってリスクのバッファーを具備しているだけであり、リスク補完の制度さえ
あれば民間がすべての分野で対応でき、政府系の存在意義はまったくない。
Ⅲ
政策金融の存在に伴う潜在的コスト
<価格メカニズムへの影響>
○ 政策金融機関が市場実勢とは異なる融資条件を提示することによって、金融市場の
価格(金利)メカニズムが歪められているとする回答が大半を占めた。
<民間金融機関の利ざやへの影響>
○ また、政策金融機関の上記行動が、民間金融機関が十分な利ざやを確保できない要
因となっているとする回答が大半を占めた(「主な要因」及び「要因の一つとして考え
られる」)。
<資本市場発達への影響>
○ 政策金融機関の長期資金供給により、資本市場の発達が遅れてきた面があるとする
回答が大半を占めた(「主な要因」及び「要因の一つとして考えられる」)。
<その他の潜在的コスト等>
○ 以上のほかに政策金融機関が及ぼしている悪影響として、
「経済の活性化・構造改革
進展の足枷となっている」、「企業の自然淘汰を阻害している」等の指摘があった。
4
<コストの定量的把握について>
○ 上記のようなコストを定量的に把握する方法については、
「リスクに基づいて計算し
た民間金融機関の金利と政策金融機関の金利との差をコストとして把握することが考
えられるのではないか。」等の意見が寄せられた。
Ⅳ
現下の経済情勢に関連して
<「貸し渋り、貸し剥がし」との批判について>
○ 健全な経済活動に要する資金需要については積極的に対応しており、貸し渋り、貸
し剥がし、という状態は存在しないとの意見が大半であった。また、現在では金融機
関の資金も潤沢であり、97∼98 年当時の金融不安のような状況にはないとの回答がほ
とんどであった。
・・・ 貸付残高減少の要因
・企業の資金需要が低調であること。
・不良債権処理が進んでいること。
・バランスシートのスリム化を狙った資金返済圧力が強いこと。
・資金調達手段が多様化していること。
<批判の背景等について>
○ 民間金融機関として、赤字資金充当など経済合理性に反する貸出は行うことができ
ないが、そのことをもって健全な資金需要に対する金融仲介機能の不全であり、貸し
渋りであると批判されているのが実状である、という意見が多数見られた。また、リ
スクに応じた金利に引き上げるよう努力していることも、こうした貸し渋り批判の背
景にあるとする意見もあった。
○
「貸せない」ことの要因としては、後向きの資金需要であることや、企業業績の悪
化など、景気の低迷に起因する問題を指摘する回答が多く見られた。この他、資産査
定の厳格化等の要因を指摘する回答も見られた。
<経済低迷状態における政策金融の対応>
○ 基本的には民間の活力を引き出すような環境整備が重要であるが、政策的に必要と
されるのであれば、外的要因に基づく企業の突発的破綻を回避するべく信用保証等補
完的手段により政策金融を行うことは否定しない、という意見があった。ただし、そ
の際終了のタイミングを、経済指標の目標水準への到達や具体的期間等によりはっき
りと設定することが必要であるという指摘があった。
(以上)
5
(参考1)
政策金融機関による民業圧迫事例集
○国民生活金融公庫
案件概要
・建設業
・行内格付:中
・運転資金 18 百万円
・公衆浴場業
・行内格付:上
・店舗新築 219 百万円
・卸売業
・行内格付:下(実質破綻先)
・美容業
・新店舗建設資金
(土地→公庫、店舗→当行)
・再建協力先
要因、影響
コメント
【案件横取り等】
○安定化資金の制度趣旨を考えれば肩代
当行の既存貸出(保証協会経営安定化
わりは問題。自公庫の繰上弁済につい
資金)期間 5 年固定 2.35%に対し、
てはペナルティーを課し、一方で民間
1.55%の金利を提示して肩代わり。
の既存貸出を肩代わろうという姿勢は
設立目的を逸脱。
【案件横取り等】
期間 30 年、固定 1.8%という、到底民
間では太刀打ちできない破格の条件を
提示。
【担保関連】
○当公庫の要求(設定額全額の配当)は
担保処分に際し、当公庫の取分がない
到底容認できるものではなく、担保処
にもかかわらず、設定額全額の配当を
分が出来ない状況が継続。当行与信の
要求し、処分を妨害。
回収が遅れる要因となっている。
【担保関連】
○民間金融機関の補完業務という設立目
当行、公庫とも不動産担保の第一順位
的に徹するべき。
を主張し、折り合いがつかず両方とも
融資に応じられなかった。
【その他】
○当行では業況の回復傾向が顕著である
公庫が自らの既存短期運転資金融資の
と判断したものの、公庫に融資継続を
折り返しを拒絶。
断られたため、
取引先への追い貸し
(当
行の条件変更)を余儀なくされた。
○地方拠点都市の例だが、当該地区では
国金、中公の審査姿勢が厳しくなった
との顧客の声が強くなっている。
○中小企業金融公庫
案件概要
・中堅医薬品製造業者
・工場増設資金(数億円)
・牧草輸入販売
・融資規模:350 百万円
・製造業
・行内格付:上
・設備資金 総額 350 百万円
・建材卸
・行内格付:中
・測量業
・行内格付:中
・設備資金 総額 1 億円
要因、影響
コメント
【案件横取り等】
○民間でも十分に対応できる優良な企業
公庫が積極的に新規取引アプローチ。
向け貸出について市場から乖離した条
民間も防衛のため貸出をセールスした
件で対応し、民間を排除した例。
ものの、低利・長期固定(1.5%、8 年)
及び担保徴求時の登録免許税の優遇等
の条件に阻まれ 100%公庫に決定。
【案件横取り等】
○中小公庫の営業が、当行の既存貸出を
当行の既存長期貸出金 350 百万円につ
ターゲットに肩代わりを働きかけたも
いて 1%台の固定金利で肩代わり未遂。 の。
【取引条件への影響・シェアダウン】 ○当行も出来上がり同水準の低スプレッ
5 年固定 0.9%を提示。
ドの提示を余儀なくされた。
○加えて、本件の実行額のシェアダウン
という影響も受けた。
【その他】
○企業の連鎖型倒産の回避は、本来中小
150 百万円の引っ掛かりが発生したた
公庫が果たすべき重要な役割であるに
め、公庫に借入申込みするも案件進展
も拘わらず、実際は優良担保が提供で
せず。
きる先、民間金融機関が融資している
優良先等に優先的に貸出。
【その他】
○100bp 以上のメリットがあることから
公庫が、自らの既存融資の民間への肩
中小公庫融資の肩代りを提案。当社が
代りを防衛。
当公庫に申し入れるも、返済に応じず、
現状見合わせ。
6
○商工組合中央金庫
案件概要
・計測機器製造業
・行内格付:中
・設備資金(工場増設)総額 230
百万円
・運送業
・行内格付:中
・トラック購入資金 15 百万円
・自動車ディーラー
・自動車部品製造
・資金使途:設備・運転資金
・融資規模:総額 78 億円
・食品製造
・上位行内格付
・年度資金(設備、運転)
・億円単位
・外食
・上位行内格付
・設備資金 10 億円単位
要因、影響
コメント
【案件の横取り等】
20 年固定 1.7%の金利提示。
○参入余地を探るものの、到底太刀打ち
できない条件にて、当社内にて民間金
融機関での調達は検討の土台にも上が
らず。
【案件の横取り等】
○実質無利子の制度融資であるが、取扱
7 年固定金利 1.3%の提示。さらに別途
金融機関が商工中金に限定されてお
トラック協会からの利子補給あり。
り、民間金融機関では手の出せない制
度融資メニューとなっている。
【案件横取り等】
○担保強奪されたうえ、当行の他の既存
当行短プラ貸金 300 百万円をスプレッ
貸金もやむを得ず金利追随。
ド 0.5%で肩代わり。
【取引条件への影響、シェアダウン】 ○ 左 記 口 頭 提 示 レ ー ト ( 期 間 6 年
1年 1.15%、
2年 1.30%、
3年 1.30%、 1.80%)が適用金利のガイドラインと
4年 1.35%、6年2.10%の提案書を持
なる。さらに某銀行が商工中金への対
込み、さらに口頭で期間6年の特別レ
抗上、期間6年 1.70%を再提示したた
ート 1.80%を提示。
当行シェアの低下、 め、他行はこの水準に追随する見込み。
適用金利の低下を招いた。
【シェアダウンほか】
○政策金融機関の機能の重複による問題
優良中小企業の借入れ案件が、複数の
点を指摘できる事例。
政策金融機関(商工中金、中小公庫、
農林公庫)からの低利貸出条件呈示に
より、9 割程度は政府系からの調達と
なり、民間はメイン銀行がなんとか 1
割程度対応できるに止まった。
【その他】
○本来政策金融機関が対応すべき対象企
1 部上場した優良会社に対し、各民間
業ではないのではないか。
銀行と全く同条件の新規貸出を行って
いる。
○日本政策投資銀行
案件概要
・不動産業
・行内格付:上
・都市再開発資金 100∼300 億円
・製造業
・行内格付:中(東証 2 部)
・生産工場会社の株式購入資金
・融資規模 10 億円
・業種等は明示せず
・社債発行可能外部格付保有
・年度資金(設備、運転)
・数百億円
要因、影響
【案件の横取り等】
25 年固定 Libor 以下の金利を提示。
【案件の横取り等】
15 年固定 2.1%の金利を提示。
コメント
○外部調達力が十分にある企業に対し、
マーケット比かけ離れた条件の融資を
供与。
○格付も勘案した提示水準としては 4%
程度(当行はレート提示もできず)。
【取引条件への影響】
○左記企業の当該案件当時の社債スプレ
左記案件と同時並行して実行された政
ッドは 5 年で 1.5%∼1.7%程度。
投銀の超低利貸出の影響を受け、民間
→民間貸出スプレッドが低下するだけ
金融機関のみで組成した協調融資の適
でなく、資本市場発展の阻害要因と
用金利スプレッドも低下を余儀なくさ
もなっている可能性
れた。∼スプレッド当初申出 1%から
0.625%へ低下
7
・小売
・行内格付:上
・設備資金
・千億円単位
・電鉄
・社債発行可能外部格付保有
・年度資金(設備、運転)
・数百億円
【担保関連】
○民間が保全面で劣後する結果となるの
事業費の当初繋ぎ貸出は全額民間のみ
も問題であるが、事業の草創期のリス
で実施。ただし、総事業に必要な資金
クが高い時期は民間が担い、後で政府
のうち、政投銀貸出が大きな割合を占
系が貸出を行うという融資制度自体
めるため担保設定条件で政投銀が有利
に問題があるのではないか。
に。結果的に後で貸出実行した政投銀
が保全上位、民間保全は劣後となった。
【その他】
○政策投資銀行の直接貸出可能割合を早
毎年度の所要年度資金の 50%程度は、
政
急に引き下げると同時に、原則、貸出
策投資銀行より調達。
から撤退とすべき。
→民間は、残ったパイの争奪戦
政投銀のみ現在も担保取得。
→民間は無担保対応
○国際協力銀行
案件概要
・航空業
・行内格付:中
・設備資金 90 億円
(内当行分 30 億円)
要因、影響
コメント
【取引条件への影響】
○国際協力銀行は、従来国内航空各社に
直接融資を行ってきたが、14 年 4 月よ
(保証人である国際協力銀行が、当行
り市中銀行貸出に対して保証を行う方
を含む市中銀行借入のレート条件交渉
式へ移行することとなった。本来市中
に介入)
銀行の貸出レートは、銀行−顧客間の
10 年固定 Tibor+40bp の金利提示。
問題であるにも係らず、
「保証をしてい
当行としては最低 Tibor+50bp 以上は
る以上は制度融資」を理由に国際協力
確保したい案件。
銀行がレート条件の交渉に介入してい
る。
○農林漁業金融公庫
案件概要
要因、影響
・製粉業
・工場増築資金
【案件の横取り等】
10 年 固定金利
(前半 0.9%、後半 1.12%)を提示。
・養豚業
【案件の横取り等】
・行内格付:上
従来から当組合で都度対応してきた 78
百万円の借入について、117 百万円の
公庫からの低利融資導入により肩代わ
り、完済。
・加工・流通業
【その他】
・工場建築資金
協調融資への参加不可。
・融資規模:15 億円
(参加機関:農林公庫、農林中金)
15 年超 固定 2%前後の金利を提示。
【その他】
・スーパー(資本金 100 億円規模)
既存案件の繰上げ償還。
・行内格付:上
長期固定金利の影響。
・新店設備資金 45 億円
コメント
○レートの提示時点で金利差大きく、採
択の余地なし。
○今後、返済額の増加による資金繰りの
圧迫及び不足金について当組合に依存
する面が出る。また、従来の担保を解
除させられたために融資枠が減少し、
資金対応が困難になる。
○結局代理貸付で対応したものの、手数
料収入は、プロバー貸しから得られる
金利収入に比べて劣後する。
○代理貸を利用。過大な事務負担をかけ
られた上に、収益機会を失った。当該
企業の業績・規模等勘案すると、本来
本件は民間資金で対応すべきもの。
○沖縄振興開発金融公庫
案件概要
・石油小売業
・格付:中程度
・長期運転資金 200 百万円
要因、影響
コメント
【案件の横取り等】
○沖縄公庫からの借入に伴い、当行既往
10 年固定金利 1.9%を提示。
設定の根抵当権について、順位譲渡を
当行の既実行貸金(長期運転資金)の
余儀なくされたケースがある。
実質肩代わり。
8
○その他コメント
・国民公庫では、
「公庫は全額政府出資の政策金融機関であるので安心して(融資の)相談をして欲しい」
旨の文言を付したアンケート調査票を広範な企業に配布することにより、長期・固定・低利の貸金のセー
ルスを実施している。
・中小企業金融公庫等では、担保設定の際の登録免許税(例えば 1 億円の根抵当権設定で 40 万円)がかか
らないことを積極的に PR して、民間の分野を脅かしている。また、貸出の担保条件として、民間金融機
関に既に設定してあるものを抹消して持ってくるように勧め、民間の取引を妨害している例がある。
・中小公庫がメインである優良企業では、公庫単独での根抵当権設定があり、低利固定の金利条件もあるた
め、資金調達の中心は公庫とならざるを得ず、民間金融機関が参入する余地はそもそも見出せない。
・商工中金や中小公庫は、かなり遠方の企業に対してまでも積極的な営業活動を行っており、地域密着型の
地元金融機関と競合している。支店より 100 キロ程度離れている取引先に対してまで貸付を行ったケース
もある。
・売掛債権担保融資において、商工中金・中小公庫は、担保管理手数料を無料として実行し、民間金融機関
の参入を妨げている。中小企業庁はミドルコストマネーを民間金融機関が供給することを指導しているが、
同庁所管の政策金融機関が制度として無手数料かつ低利での市場参入を行っており、健全な市場形成を阻
害している。
・農林公庫は予算の消化を優先するあまり、取引先、受託金融機関の意向とは別に、代理貸付において強引
なスケジュールを強要するケースがある。
・公営公庫については、地方債計画の中で公庫からの借入をいくらにするかを予め決定してしまうため、そ
もそも民間金融機関が競争する余地すらない。
・公益業種企業では、政投銀が8∼9割の貸出金シェアを有しているケースが多く、民間金融機関の協調融
資シェアの低下を招いている。
・既貸付に対応する担保の変更は、民間としてはできれば避けたいところ。政策金融は第一順位を求めるこ
とが多いが、最初から協調するのならともかく、改装資金などで途中から政策金融が必要となった場合に
は、柔軟な対応が必要と考える。
(以 上)
9
(参考2)
民間金融機関に対するアンケート結果
(詳細版)
Ⅰ 民 業 補 完 の 原 則
<民業圧迫の具体的事例と回避手段等について>
Ⅰ-1 政策金融機関の存在により、民間金融機関の収益機会が奪われていると思いますか。
全体の回収状況
︵
ー
ケ
分
か
ら
な
い
6
0
6
21
2 29
14
4 26
6
6 29
3
7 17
50 19 107
28% 11% 59%
0
0
0
3
1
4
Ⅰ-2 民業圧迫の具体的な事例について
(複数回答)
全銀協
地銀協
第二地銀協
信金協会
信組協会
7
32
12
20
8
計
(ケース数)
47
4
122 38
27
8
29 13
12
4
中
小
企
業
金
融
公
庫
商
工
組
合
中
央
金
庫
日
本
政
策
投
資
銀
行
16
49
7
14
4
9
25
11
2
3
13
0
0
0
0
農
林
漁
業
金
融
公
庫
国
際
協
力
銀
行
1
0
0
0
0
沖
縄
金振
融興
公開
庫発
4
8
1
0
1
事
例
紹
行介
数の
のあ
比
率た
公
営
企
業
金
融
公
庫
0
1
0
0
0
っ
っ
行
数た
0
1
0
0
0
54
62
26
43
29
%
%
%
%
%
・おおむね、下位業態ほど、中小系政策金融機関との競合事例を挙げた比率が高い。
Ⅰ-2−1 (指摘された政策金融機関ごと)
(複数回答)
(複数回答)
民業圧迫の要因
商品性
そ
の
他
長
期
金
利
水
準
担
保
設
定
審
査
ス
ピ
ー
固
定
金
利
ェ
影響
当該案件への影響 他取引への
影響
案 低協 取
取
既
件 下調 引
引
存
の
融 条
条
案
横
資 件
件
件
取
シ へ
へ
の
り
の
の
繰
ア 影
影
上
計
の 響
響
償
(ケース数)
還
国民生活金融公庫
中小企業金融公庫
商工組合中央金庫
日本政策投資銀行
国際協力銀行
農林漁業金融公庫
沖縄振興開発金融公庫
公営企業金融公庫
67
90
50
13
1
14
1
1
41
59
23
6
0
9
0
0
1
6
5
4
0
1
0
0
17
21
16
2
1
3
0
0
ジ
※
※全銀協については、他の団体に所属
していない会員のみ
国
民
金
融
公
庫
カ
バ
レ
全銀協
13 17 76%
地銀協
52 64 81%
第二地銀協
47 56 84%
信金協会
46 386 12%
信組協会
28 261 11%
合計 186 784 24%
・「かなり思う」とした回答が28%あった。
・「あまり思わない」とした回答が11%あった。
・「かなり思う」、「ケースバイケース」とした回答をあわせると87%を占める。
・いずれの業態も「あまり思わない」とした回答は少ない。
・「かなり思う」と「ケースバイケース」とした回答の比率を見ると、下位業態ほど、「ケースバイケース」とした
回答の比率が高い。
事
例
紹
介
の
あ
各
団
体
会
員
数
ッ
ス
部
分
回
回
答答
数
含
む
︶
計
(行)
全銀協
12
地銀協
52
第二地銀協
44
信金協会
44
信組協会
28
合計 180
無回答
6
ス
バ
イ
ケ
ー
か
な
り
思
う
あ
ま
り
思
わ
な
い
3
4
0
0
0
0
0
0
11
13
3
1
0
2
0
0
・民業圧迫の要因として「金利水準」を挙げた回答が多い。
10
営
業
姿
勢
そ
の
他
ド
7
11
10
1
1
3
1
1
23
29
15
3
0
10
0
0
39
52
21
3
0
10
1
0
58
77
40
8
1
13
1
0
6
3
2
1
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
4
8
4
0
0
2
0
0
1
2
4
2
0
1
0
1
Ⅰ- 3 民業圧迫を回避するために各政策金融機関が講じている具体的な仕組みとして、現場としてどのようなものを認識していますか(個々の融資案件
ごとの仕組み(ミクロレベル)、及びそもそもの融資対象分野・制度の改廃の仕組み(マクロレベル)の両方について。)。それらの実効性、問題点につ
いてどう評価していますか。
(行数)
民業圧迫を回避するための仕組みを認識している
70
うち 問題点があるとしたもの
58
認識していない 又は 空欄
116
機関名
特定せず
仕組み
実効性、問題点
○融資額の上限設定
○限度額により、民間金融機関排除が回避されている。
○協調融資
○信用リスクの分散となり積極的な対応が可能となる。特に長期融
資の場合等。
○長期低金利の実現。
○金利設定を民間にあわせてもらえれば協調できる。
●政府系金融機関の融資条件が基準となるため、民間金融機関にと
って、収益上厳しい条件(貸出金利)となる場合がある。
●政府系が担保取得を優先して行う場合がある。
○代理貸付方式
○与信リスクの分散等、民業補完として実効性のある制度と認識。
○融資可否の決定権が代理店側にあることで、民間の意向が反映で
き、民業圧迫を回避できる。
●手数料が低い。民間のリスクウェイトが大きい。
○民間メインバンクとの協調体制・意向確認
●メインバンク以外にはモニタリングがないため、民間の意向が本
当に反映されず、民業の補完となっていない場合があるのではな
いか。
●融資可否の判断はあくまで行内の運用に委ねられており、実効性
確保に限界あり。
○法目的に「一般の金融機関が融通することが困難なも
の」との限定が設けられている。
国民生活金融公庫
中小企業金融公庫
沖縄振興開発金融公庫
国際協力銀行
○土地購入資金の取扱制限
○土地購入資金について厳しい要件が定められており、民間金融機
関排除が回避されている。
○対象分野・制度の改廃
●既存の分野・制度等を残す形で貸付制度の整理・統合が行われる
ため、業務の肥大化を阻止できない。
○融資対象を一定規模以下の中小企業に限定し、成長した
企業を融資対象外にしている。
●規模が拡大し「卒業」する企業の数は限られており、限定的な効
果しかない。
○融資額の上限設定
●零細・中小企業に対する融資額としては大きすぎる。
●民業補完の趣旨を徹底するためには、融資額の上限に加え、融資
比率の上限を設けなければ実効性はあまりない。
○協調融資において同順位の担保設定を認める
●実際にはほとんど適用されていない。
○民間金融機関との協調融資(例えば、国際協力銀行の国
際金融等業務等)を原則とする
●あくまで原則であり、担保するための措置は講じられていない。
○融資等比率上限の設定
●事業規模に対する融資等比率であるため、案件によっては借入れ
の100%を政策投資銀行で賄うことも可能。
○設立法24 条の運営評議委員会
●一定の役割は評価するが、利用者側の委員が多く、また、内部評
価の追認の印象強い。
○AAA企業に対する融資等割合上限30%の設定
●AAA企業自体殆どなく、また、資本市場育成のためにはAAA
企業向けは融資廃止が望ましい。
○融資対象事業の限定・縮減
●融資対象事業の範囲が依然として広い。一般の大企業への融資も
散見され、民業を圧迫。
○金利体系(水準)の見直し
●引き続き市場実勢から大幅に乖離した低利・固定・超長期の融資
が散見され、民業を圧迫。
○地元金融機関との共同でのスキーム構築
→金額的に小ロットであり、まだまだ事例が少ない。
日本政策投資銀行
その他
●目的を拡大解釈し、市場実勢からかけ離れた条件の提示によって
「一般の金融機関が融通できない」部分として業務を拡大してい
る。
○民業補完のための仕組みとして認識しているものはな
い。そのような仕組みを講じているのであれば、もっと
PRしてもらいたい。
11
Ⅰ−4 ミクロレベルにおいて、民業圧迫の回避手段の仕組みとしては、どのようなものが適当と考えますか。例えば、クレジットディナイアル(民間
金融機関による融資拒絶証明の存在を政策金融機関の融資の条件とする)のような仕組みをどう考えますか。
[ 民業圧迫回避手段の仕組み]
仕組み
○ローンプロダクトに加え、資本市場プロダクト(債券発行
等)等へも保証スキーム拡充
メリット等
○公的金融のトータルコスト圧縮に寄与。
○民間を通じた資金供給による資金循環効率化。
○中小企業の資金調達を支援しつつ民業圧迫を回避。
○適正なリスクリターンを反映した金利となることで、民間金融機関の
参入範囲が拡大する。
○発行体の社債等による調達を容易にするとともに、民間の投資家の裾
野を広げることができ、資本市場の活性化に資する。
○一般貸付の廃止→信用補完へ
○一般貸付の内容は大半が民間金融機関で対応可能。
○業務を保証に限定し、資金移動・決済等は民間に委ねる
保証業務へのシ
フト・拡充
○融資条件等については民間金融機関所定とした上で、中小
企業等が資金調達を行う際の信用補完業務の比率を拡大
○信用リスクに見合った金利体系を導入
金利水準の是正
○貸出金利を民間以上とする(必要なら利子補給等を利用)
○利子補給制度の導入 (所得・税額控除による調整)
○官民競合による金利ダンピング等はある程度回避できると思われる。
○財政負担上もメリットあり。
○政府系金融機関の低レート呈示による、貸出機会の侵食や適用金利の
低下の回避が可能。
○公的補助支援ターゲット明確化。コスト削減。
○市場メカニズムの阻害を最小限に抑える。
○貸出金利設定根拠の開示(リスク・コスト)
○リスクに見合った金利設定が浸透する。
○企業毎・案件毎の総借入額に対する枠(10%等)を設ける
○民業圧迫の可能性が低下。
○担保取得を禁止、または民間金融機関の後順位設定とする
○「民業補完」的な役割が徹底される。
○外部格付、規模・収益力により対象先・限度額の制限設定
○規模・業種のみでなく、低業績(連続赤字・連続債務超過
等)を取引条件とする
貸出対象・金額制
○民間企業への案件紹介
限等
○資本市場や民間金融機関から調達可能な企業を対象外とし、公的資金
の有効活用が可能となる。
○ほぼ完全に官民の棲み分けが出来る。かつ、ノウハウ蓄積による指導
で業績回復にも寄与可能。
○民間で可能なものは民間に委ねるという原則が徹底される。
○政策金融機関と民間金融機関の取り扱い出来る分野を明
確に分離し、棲み分け
○民間金融機関を通すことにより民間金融機関主導による融資取り組み
が可能になる。
○民間金融機関で対応しきれない元利金返済資金を利息減免措置により
貸付する。
○民間金融機関で取り扱いが可能な環境が整った時点で政策金融機関は
撤退する、若しくは保証制度を導入する。
○第三者機関の設置(民業圧迫事例の受付窓口)
○当該機関から政策金融機関へ是正を指導。
○民間金融機関を窓口とした融資申込・取り組み
○返済資金緊急特別貸付(従来中小公庫にはあった)
[ クレジットディナイアルについて]
回答数
うち 有効性について否定、若しくは、実
務上の問題点等を指摘したもの
無回答
反対
(実務上困難)
賛成
その他
136
96
50
○守秘義務の観点から、融資を拒絶した理由・拒絶した事実の開示自体に問題あり。
○恣意的な取り扱いとなる可能性あり。
○拒絶証明発行のみを目的とした実体のない申し込みの増加が懸念される。
○Ⅰ-4 のような仕組みの整備が先決。
○現行の日本の風土・慣行に受け入れられるのか疑問。
○現行の政策金融と同条件での貸出に対する融資拒絶証明であれば、実質現状と同じ。
○金融機関側の手続等が煩忙となることが予想され、金融機関側にメリットなし。
○貸し渋り非難との兼ね合いもあり、問題も多いと考える。
○信用補完と利子補給を適切に整備すれば、そもそもこのような仕組みは不要。
○現実的に民間金融機関で対応できない案件を政策金融で対処するとなると、長期的にみると国民に負担を強いることとなる。
○民間補完機能が明確化されるが、レピュテーションリスクを考えると実務的には難しいと思われる。
○現状の官民貸出条件格差の下では、借入希望者が公的金融から借りるために敢えて融資拒絶を求める懸念も。
○各民間金融機関の拒絶の基準が大きく異なることが予想され、適切にワークするかには懸念が残る。
○内部審査基準を公開(拒絶理由の明確化)せざるを得なくなるリスク。当該企業の信用不安へ発展する懸念あり。
○民間金融機関の拒絶案件を政策金融機関が取り上げるケースは少ないと思われる。
○業態別の審査能力格差をどう埋めるかが疑問。
○現在の競争状態が排除され、仕組み的には前進と考える。
○民間金融機関との棲み分けに極めて有効な仕組みと考える。
○公的保証の斡旋、打診のような形式であれば検討余地あり。
○「紹介状」といった形式とするなど、仕組み面を十分検討する必要あり。
○具体的な方法は慎重に検討する必要あり。
○「公的借入」を「民間借入」の一定割合以下に制限するほうが効果的。
○民間→政策金融機関と申込みが重なり、タイムリーな融資が困難となる懸念。
○民間金融機関が拒絶した先に対して国が負担するリスクやコストを明確にする必要がある。
12
Ⅰ−5 マクロレベルにおいて、民間が対応可能となる領域が拡大した段階で速やかに政策金融が当該分 野から撤退するような仕組みとしては、どのよう
なものが適当と考えますか。
仕組み
メリット等
サンセット条項設定等
一定年限
○環境変化に応じて政策の明確化・重点化を図り、政策金融の自己増殖を防止出来る。
○数年毎にその必要性・効果を具体的に検証する機会を確保出来る。
○市場が一定規模以上となり、民間資金の投資ターゲットとなった段階で、公的資金撤退により民間資
金の流入を促進し、企業経営効率化の促進が可能。
○上場企業のシェア拡大により、公的資金が無くとも当該企業を核として業界が自律成長出来る可能性
が高くなるタイミングをもって、公的資金の撤退が可能。
当該業種の市場規模
当該業種中上場企業割合
投資適格先からの撤退
○市場調達力がついた企業から政策金融を撤退させることが可能。
対象事象発生期間に限定(景気後退・天災等) ○民間では対応困難だが、景気好転・復旧した段階で正常企業に対しては民間にて対応可能な筈。
○民間補完との位置付けを担保する機関。コストベネフィット分析による効率性・代替可能性、サンセ
独立業務監視機関の設置
ット条項の発動可否等を監視・指導。
∼民間人により構成
○利害関係人が関与しない為、より公平で国民利益にかなう。
○政策金融機関が自ら融資を行う場合に比べ財政資金量を圧縮できる。
保証・利子補給へのシフト
○高リスクだが政策上の要請が高い事業に対して低利で円滑な資金供給が可能となる。
(代理貸付の保証割合引上げ)
○国のリスク・コストが明確化するため、コストベネフィット分析が容易化(撤退分野の把握)。
政策金融機関の貸出条件を漸次変更
○民間金融の拡大に合わせ、徐々に借入条件を市場実勢に近づけることでスムーズなシフトが可能に。
民間による肩代わり推進(登記料等の免除)
○肩代わりに際しての事務の円滑化、新たな経済的負担の軽減。
既存貸出債権の証券化
○未成熟な証券化市場の規模拡大にも貢献可能。
既存貸出債権の譲渡
○回収機関、民間金融機関等へ譲渡(貸出条件の整理は必要)
。
<民業補完について>
Ⅰ−6 協調融資の案件について、政策金融機関の民業補完は適切に機能していると考えますか(必要に応じて各政策金融機関、貸付制度別に。
【複数回答】)。
回答のあった行数
137
○適切に機能している
37
○適切に機能していない
具体的な機関・制度名等
<日本政策投資銀行>
<農林漁業金融公庫>
<国民生活金融公庫>
<国際協力銀行>
○核燃料廃棄物プロジェクト等、民間ではリスクを取れない分野への融資。
○加工流通資金等。
○中小企業の担保力補完。無担保融資制度。
○アンタイドローン等。
128
金利設定で低利を強いられる
101
担保を優先的にとられる
82
希望通りの協調融資シェアを得られない
19
<日本政策投資銀行>
○25年間固定金利等民間では提示不可能。
○協調融資に限らず、政府系金融機関が呈示する低利条件が「基準金利」的位置付けとなり、民間金融機関
の同時進行案件等の金利が低下する場合あり。
<国際協力銀行>
○バイヤークレジット。
<政策金融機関全般>
○政策金融機関の各種制度融資等は、通常の採算を確保した金利設定よりも低利の場合が多い。
○民間企業向けの協融において、政府系と金利条件が異なる例あり。
<日本政策投資銀行、中小企業金融公庫、国民生活金融公庫、農林漁業金融公庫、沖縄公庫等>
○協調融資に限らず、政府系金融機関のシェアの高さ故に先順位担保となる場合あり。
○政策金融機関の各種制度融資等は、担保の優先充当等が条件となる場合が多い。
○政府系は正式担保をとり、民間は登記費用削減のため、仮登記で留保を受け入れざるを得ない例あり。
○協同組合卸センター等の加盟企業の土地建物担保を償還が進んでいても開放しない。
○先順位控除後に取り分がないと承認しない。
<日本政策投資銀行>
○電力・ガス等民間あるいは市場から資金調達可能な企業への融資。
<他:商工組合中央金庫>
コーディネート役のみで十分であり、融資 <日本政策投資銀行、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫>
そのものは民間のみで可能
22
○金利の問題を除けば民業で対応可能なケースが大半。
その他
18
<日本政策投資銀行、国際協力銀行、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫で顕著>
○顧客が政府系金融機関の関与を前提に事業計画を構築。
<農林漁業金融公庫>
○既存取引先について、金融機関が消極姿勢であっても政府系主導で案件を決めてしまうため、協調せざる
を得なくなるケースがある。
<政策金融機関全般>
○折返し運転資金の未対応∼当初の協融後、翌年度から発生する、約弁を含めた運転資金ニーズに対応がな
く、特に低格付先において、民間が支援負担を強いられる。
○協調案件については経営支援する際、金利引下げの協調が得られず、再建策が思うように進展しない。
○債務保証、利子補給等で十分であり融資そのものは民間のみで可能。
○基本的に、政府系金融機関は直接貸出を行うべきではない。また、コーディネート役も、民間のみで対応
可能な案件は多い。
○機能面で補完関係になっているかはケース・バイ・ケース。
○政策金融機関相互の業際が明確でない。
∼畜産の汚水処理施設の建設を一般の産業廃棄物業者が引き受ける場合、業種相違で制度融資・補助金事
業の対象にならないケースあり。
∼林業の部門においても、生産加工は林業部門であるが末端の消費者部門は林業に属さないため、一貫し
た制度の有効利用が出来ていない。
13
Ⅰ−7 民間金融機関の立場から見ても、政策金融機関の存在が必要であると思う分野・事例はありますか(既存か否かを問わず)。その理由、民間金融機
関にとってのメリットは何ですか。
分類
政策金融が必要と思う分野等
必要な理由、メリット
○超長期固定資金
○事実上、10年を超える社債発行市場がないため。
○超長期性資金
○プロジェクト性資金
長期
小口等
高リスク
○15年以上のローンは、民間では対応できにくいため、存在は必要。
○民間としてリスク予測が困難な超長期案件や固定金利案件、大規模なプロジェクト等については、政
府系が中心になって進めていく意義があるものと思料。
○超長期間にわたるリスクの計量化が難しい。また、10年超の固定金利も難しい。
○民間金融機関が事実上取れない信用リスク、資金調達リスクが発生する案件の遂行上必要。
○収益性が不透明ながら、社会的に不可欠な大型の社会資本設備については、民間では限定的な対応に
ならざるを得ず、政策金融機関における対応が望まれる。
○プロジェクト案件への対応について、リスクテイクの仕方が民間金融機関と何ら変らないなど、民業
補完とは言い難いケースも見られるが、国・自治体主導で推進している公共性の高い事業、もしくは
政策的に育成・発展させようとしている事業で、収益性が低い、もしくは収益の実現に時間がかかる
もの等については、政策金融機関が主導的に対応し、民業補完を徹底することが好ましい。
○公的政策上推進する案件については、政策金融機関が入ることによってその利害関係の調整、協調融
資がまとまりやすいというメリットがある。
○ただし、直接貸出でなく債務保証等で代替可能な部分も大。
○地域金融機関として信用集中に限界があり、大規模融資が困難。
○環境関連、PFI 関連、資源開発投融資、 ○風力発電(天候リスク)
、ゴミプロジェクト(自治体の引取保証の議会否決リスク)等、民間ではリス
大規模不動産開発
クを取り切れないが、資金需要の拡大が見込まれる分野でのリスクテイク⇒ただし、政策金融機関は
直接貸出ではなく、民間融資への保証あるいは劣後(一部メザニンも含む)部分の取得等に限定して
関わるべき。
○大型の医療施設、介護・福祉施設に対す ○民間金融機関では事業計画についての判断が難しい反面、かかる施設に対する社会公共のニーズが高
る融資
いため、医療、社会福祉を専門とする政府系金融機関による直接貸付に意義がある。
○民間金融機関の融資条件の範囲外を対 ○資金の性格上、民間金融機関の条件に達しない範囲をカバーする制度が必要と思われる。
象とする教育ローン
∼金利等の貸出条件は、民間金融機関に委ねるのが適当であると考えられ、保証の形態が望ましい。
○零細企業に対する融資
○民間では取り上げにくい、零細企業向けについて、産業育成の見地から融資を行う政策金融機関の存
在は必要。
○中小企業等の信用リスク補完
○信用リスク面で民間が対応できない案件については、何らかの信用補完を行う制度が必要と考える
(例:信用保証協会)
。
○業況低調、低格付先等に対する支援を目 ○民間金融機関は自己査定の厳格化による引当コストが増す一方で、収益向上による信用回復が求めら
的とした資金提供
れている。景況感が低調の中、業況悪化に伴う、取引金融機関の足並みの乱れから民間企業の資金繰
りに支障をきたす例も多く、政府系による支援等において補完できるケースはあるものものと思料。
○不況業種に対する融資、事業再編・リス
トラ資金
○再建企業への出融資等、キャッシュフロ
ーを生み出さない(生み出す見込みの
ない)事業・企業の救済的案件
○第一次産業向け
○不況業種に対しても、政策的な見地からの施策変更に伴う融資は政策金融機関の存在は必要。
○要注意先以下の赤字資金等は民間金融機関では新規貸出は困難。また既存貸の条件変更も困難。
○再建企業・DEBTのクッションとしてのリスクポーション引受け等、全て民間で対応することは困
難な部分があるため。
○漁業・林業等専門的な知識を要する分野について、経営診断・指導等コーディネーターとしての役割
を期待。
○民間金融ベースにはなじまず、十分なリスク管理が出来ない。
○構造的な問題を根底に抱える事業分野である。
○事業推進に当たっては政策的な見地での判断が必要。
○補助金申請・交付を伴うケースが多い。
○カントリーリスクの高い発展途上国等 ○民間金融機関では対応困難なため。
カントリー
の案件
○ただし、直接貸出でなく債務保証等で代替可能。
リスク
○海外ファイナンス関連(輸出金融、資源 ○カントリーリスクの引受け、超長期資金の供与。
金融、投資金融、アンタイド保証等)
○新規事業、新産業、に対する融資
○民間でなじみのない新規事業、新分野の産業に対する融資は、民間での対応が遅れがちであるため、
ベンチャー
政策変化に伴って、対応が可能な政策金融の対応が必要。
資金
○ベンチャー企業創業資金
○民間金融が取り扱い難い分野。
○ベンチャー企業向けの開業資金
○業務実績のない企業への開業資金は難しい。
○災害時の減収・復興資金
○与信面で民間金融機関の対応に限界がある。
災害資金 ○災害緊急対策時の緊急・例外的な場合
○災害・銀行の破綻等緊急時対応
○ただし、直接貸出でなく債務保証等で代替可能。
新技術
○金融イノベイティブな金融手法
○各種知的所有権担保融資等の先駆的存在を期待。
○国民生活金融公庫
○中小零細企業に対する無担保・無保証・低利の融資は民間ではとても負担できないリスクを分担して
おり、中小企業にとって不可欠の安全弁である。
○教育資金は長期固定の低利な資金を個人取引先に提供でき、有効な商品となっている。
○農林漁業金融公庫
○農林・漁業については国の政策・国際間の協定等で大きく影響を受ける業種であり、その対応が円滑
に行われる。
○住宅金融公庫
○都市銀行を中心に収益機会の獲得狙いで廃止要求が強いが果たして金利情勢の変化が発生しても現在
と同様の姿勢を保てるか疑問。持ち家充足度を勘案しても縮小して存続すべきだが、既定路線ならや
むを得ず。
○民間においては、保全面では担保評価等において、所在地の異なる物件に対して一律の評価で対応す
その他
ることは困難である。全国統一基準で資金調達できる住宅金融公庫はユーザーである国民にとっては
存在価値があると考える。
○政策投資銀行
○大規模設備事業等においては、リスク分散・専門業態というノウハウを保有しており、銀行として協
融メリットあり。
○特定地域にかかる政策金融事業
○北方領土、奄美群島、沖縄等は国家的な政策金融の意味をもち、民間だけで十分な資金供給が難しい。
○協調融資への参画
○自行クレジットライン以上の案件処理。
○非営利団体、公共性の高い事業体
○低採算、長期の事業期間等、国民生活基盤の拡充には不可欠ながら、営利法人を主対象とする民間金
融機関の融資対象としてなじまない。
○中小企業者向け設備資金
○長期低利融資の代理貸付利用は他行攻勢に対する防衛上、有効である。
14
Ⅰ−8 民業補完の観点から、直接貸出に代わって債務保証を積極的に活用すべきとの議論についてどう考えますか。
支持する
部分的支持
評価
○信用保証を供与することで、高リスクだが政策上の要請が高い事業に対し円滑な
資金供給が可能になる。
○民間金融機関の信用リスクが回避され、積極的な融資が可能となると思われる。
○資金提供は民間金融機関からとなり、望ましい。
○景気の好不況にかかわらず、債務者の信用力や保全を第三者が補完することによ
り、社会全体として信用力等が向上するから、債務保証の積極的活用は適切。
○量的観点からは、民間金融機関で十分に対応可能と考えられるが、債務保証によ
って案件組成が容易になる分野あり。
○資金事務等の二重投資を避け、資金ソースを一元化することで効率化が図れる。
○ベンチャー企業等は企業の将来性の把握が困難であり、これらについては債務保
証が必要である。
○代理貸に比べ民間収益増加につながる。
○大手行への債務保証は不要と考えるが、信用金庫・信組等中小以下の金融機関に
活用願いたい。
○部分的かつ時限的に導入することが適当。
○保証協会の機能充実・拡大により対応可能であり、他機関の増設は不要。
態度保留
支持しない
○民間金融ベースにはなじまない分野に特化し、独自のノウハウを蓄積して直接貸
出・経営指導等を行うほうが有益。
○直貸も重要であり、債務保証だけでは対応しきれない面もある。
○保証機能は既存の保証協会を充実させ、政策金融機関は持っている審査能力を創
業支援と起業支援に向けるべき。
○民間での取り組み困難な案件では、債務保証があったとしても積極的な取り組み
が出来ないと思われる。
○現在の金利水準では、政策金融側・民間側、双方が適正収益を得ることは困難。
○政策金融機関が量的補完する必要があるとする認識は時代錯誤。
15
スキームへの要望
○保証条件について、柔軟性(使い勝手)を持って欲
しい。
○出来るだけ条件面での制約を設けない。
○保証料・免責条項等の条件次第。
○リスク軽減が図れる。但し、裏保証等を求められた
り、貸出金利に制限があると、運営には慎重となる。
○保証割合は、100%が望ましい。
○保証料率の低減、提出資料の簡易化等による浸透化
が必要。
○保証履行時点で民間の回収義務を打ち切るべき。
○簡素なスキーム作りが肝要であり、保証制度を乱立
させるべきではない。
○事務手続を簡素化する。
○デフォルト時の代弁事務については、信用保証協会
の事務を参考として頂きたい。
○保証協会の保証対象外業種に対して保証対象を広
げれば有効。
○民間金融機関の保証債務負担割合が低減される方
向でないと積極的になれない。
○個別案件毎の審査に重点をおいているため、保証が
付いたからといって貸出に積極的になるかは不明。
Ⅰ- 9 民業補完の観点から、直接貸出に代わって代理貸しスキームを積極的に活用すべきとの議論についてどう考えますか。リスク負担割合、手数料設
定のあり方等についてどう考えますか。
支持する
支持しない
特に意見なし
合計
無回答
26
104
49
179
7
代理貸しスキームの積極的活用について
支持する
○代理貸にシフトしても、政策金融機関が資金供給する点は直接貸出と同様であり、それだけで民業補完が担保されるわけではないが、
各種条件面での見直しが行われれば、活用の余地はある。
○リスク負担割合の見直しを行うことを前提として支持する。
○与信リスクの分散を図るために必要なケースがある。
○信用金庫としての資金量に限界があり、代理貸も活用できる。
支持しない
○代理貸は財投資金の存在を前提としており、入り口論との関係から支持できない。
○代理貸であっても、政府系金融機関の直接貸出と変わらない位置付けと考え、支持しない。
○資金余剰の現状において、自己の調達資金の活用が出来ない代理貸しは民業圧迫と写る。
○現下の金融情勢を勘案すれば、代理貸制度の意義は低下している。
○資金余剰環境では、代理貸しの意義は失われている
○代理貸しは、民間金融機関の融資で対応可能であり必要性が乏しい。
○貸出後の管理コストを考慮すると、現状の手数料ではペイしない。
(債務保証の方がよい)
○手数料水準の適正化等が図られていない現状においては支持しない。
○現状の代理貸制度では、事務量に対して手数料が充分でないため。
○金利や手数料の水準が低い。
○事故時(倒産・延滞等)の手続きが煩雑。
○リスク負担割合が中途半端。かつ、不良債権化した再建の回収も民間主導。
○現行の代理貸スキームでは、民間金融機関に一定割合の保証責任がある。
○直接貸出に代わるスキームとしては、代理貸しの積極的活用以上に、債務保証に重点をおいて検討願いたい。
○委託者と受託者の責任の所在が曖昧。
○代理貸よりは、保証や利子補給に限定していくべき。
○現状では金利水準がプロパーより低いため、プロパー融資が伸びなくなり本業を圧迫する懸念がある。
○代理貸しが民業を補完するのは、①民間金融機関が融資しない部分である場合や、②代理貸しを行うことにより民間金融機関の融資が
誘発される場合等であり、民間金融機関の利害を調整する明確なルールが必要。
その他
○政策金融機関が積極的な営業を自粛することでよいのではないか。
【リスク負担割合について】
回答数
政策金融機関のリスク負担を100%とすべき
政策金融機関のリスク負担が過半、若しくは現状より増やすべき
その他
望ましい姿
98
36
43
19
コメント等
○政策金融機関は民間金融機関の補完が使命。市場の失敗をカバーするという観点から100%のリスクを負担すべき。
○直貸に代わる以上、民間金融機関の負担は0%となるべき。
○リスクウェイトゼロが望ましいが、民業補完の観点から言えば全てに当てはめることは困難と認識している。
○民間金融機関のリスク負担割合を1∼2割程度とすべき。
(その他の具体的例示)
○リスク負担割合よりも、担保順位を同順位にしてほしい。
○民間・政策金融機関それぞれが直接融資して100%リスク負担すればよい。但し、政策金融の直接融資対象を限定的にする。
○保証割合を100%と0%のものに集約。
○債務者一律から段階的設定へ移行すべき。
○手数料率とのバランスを考えたリスク負担とすべき。
○残債権回収義務を民間に課さない。回収があれば民間債権に優先充当。
○現状で十分だと思われる。
現状の問題点
○中小公庫の代理貸しは、民間金融機関に80%の保証責任があるため、代理貸付とはいえ、与信判断上はプロパー与信と同等の審査等
が必要。
○負担割合があるため、実務面で管理負担が大。
○自行融資分の担保の確保に苦労している。
○中小公庫の場合、保証責任が80%と高い。
○年金資金運用基金が行っている協会転貸住宅融資では金融機関が100%リスクを負担している。
○デフォルト後の債権回収においてもプロパー債権との関係が複雑になりメリット少ない。
【手数料設定について】
望ましい姿
○通期で取組平残に対して少なくとも1∼2%程度の収益が得られる手数料率が提示されなければ、民間にとって代理貸を行うインセン
ティブに乏しい。
○コスト・リスクに見合った手数料に引上げ。
○金利変動に伴い随時改定。
○実際の債務者との実務を事務的に行うサービス内容に即したレベル。
○現状で問題なし。
現状の問題点
○現行の中小公庫代理貸しは手数料率が低く、仮に10億円の代理貸しを実施してもROAは0.164%にすぎない。
○プロパー貸出金よりも煩雑(申込受付、進捗状況把握、融資実行、延滞管理、保証履行後管理、係数報告、月報、四半期報告、決算報
告等)であり、事故債権に対する管理回収の義務など、事務面での負担も大きい。
○実収利息に対する比率であるため、低利環境下において実収利息の低下が発生。
○破綻債権の回収コストまで含めると不採算となるケースも発生。
○国金進学ローンは季節的に事務が集中するにも係わらず、手数料が低いため消極的にならざるを得ず。
16
【バランスシート上の扱い等について】
望ましい姿
○リスクエクスポージャーにカウントしないのが望ましい。
○オフバランス。
○政策金融機関のリスク負担割合を100%とする場合は、BIS比率計算上、代理貸しをリスクアセットに算入しない。
○貸出残高、リスクエクスポージャーにカウントされないことが望ましい。
○民間金融機関の保証責任が撤廃されると、バランスシート上に保証部分を計上する必要がない。
○より低いリスクウェイトの資産とすることが望ましい。
現状の問題点
○バランスシート上、代理貸はオフバランスとなっているが、BIS比率計算上、例えば中小企業金融公庫の代理貸しについては貸付額
の80%を民間金融機関が保証することとなっているため、同額がリスクアセットにカウントされている。
○現在は、民間金融機関の一定割合の保証責任があるため、保証部分については、支払承諾として計上する必要がある(ただし、現状の
制度では已む無きものと理解している)
。
○年金資金運用基金の年金住宅融資は、民間金融機関の抵当権付住宅ローンとほぼ同様の商品内容となっているにもかかわらず、リスク
ウェイトは100%が適用される。
○保証割合が制度によってまちまちであり、煩雑。
Ⅰ−10 債務保証、代理貸しスキームの他に、直接貸出に代わる代替的手段(利子補給等)は考えられますか。代替的手段と比較しても直接貸出でなけれ
ば困るような事情がありますか。
代替的手段
利子補給等
代替可能性、困難な場合の問題点等
<代替可能性あり>
○利子補給により、適切なリスクリターンが実現されるため有効。
○既存のスキームを利用できるため制度化は可能。
○超長期の貸出に対する利子補給まで制度化できれば代替可能性あり。
<利率水準調整には有効だが、信用リスクの補完までは無理>
○民間設定の利鞘水準に制度上等なんらかの優遇措置を講じる場合なら適当。
○政策的に低利実現が必要な場合は、一般会計からの利子補給や税制優遇を活用。
○政策的に低利の貸出が必要と判断されるのであれば、利子補給や所得・税額控除により、実質的な低利貸出を実現することは可能。
○長期の貸出については、その後の信用リスク増加については利子補給も増額されるスキームが望ましい。
○債務者負担は減るが、リスクが軽減されることはないので代替可能性は低い。
○債務者の負担は減少するが、リスクが軽減されることはないので、実行が行いやすくなることはない。
○リスク上民間金融機関が信用供与できない場合は、債務保証・民間金融機関への資金供与(預け金)等が適当。
○民間金融機関がそのリスクに起因し信用供与できない場合、債務保証、資金供与(預け金)が適当。
○信用リスク部分は債務保証により補完し、低利貸出による中小企業・個人等借主の負担軽減には利子補給、所得・税額控除等利用。
<金融機関の事務負担軽減>
○利子補給金請求について借入人・金融機関の事務負担の軽減が必要。
○管理等の事務負担が大きく苦慮している。
○代理貸付は事務負担の増加となるため遠慮したい。
<利子補給制度自体の問題点>
○政策目的達成のためなら検討しうるが、企業に対し収益性の低い投資を誘発しかねない懸念については留意が必要。
○利子補給は企業の目標投資収益率を下げ、投資活動の活発化を図る効果があるが、現状の低金利下では単なる支出抑制策としてしか機
能しない懸念。
○システム対応や検証にコストがかかり、取扱金融機関に負担がくるのであれば意味が無い。
貸出債権の買取・ ○証券化市場やスワップ市場が未発達な段階は、民間貸出債権の買取り等を官が行う。
流動化
○上記債権を見合い資産として証券化し、投資家に売却。
信用保険制度
○信用リスクの回避手段となりうる
クレジット
デリバティブ
○現在のマーケットは銘柄が限定されており、信用リスクヘッジでの利用には制約があるが、公的金融機関がクレジットデリバティブの購
入者となることで、中堅・中小企業についても、マーケットを通じた形での政策的支援が可能となる。
エクイティポーシ
ョンや劣後ポーシ
ョンへの出融資
○国・自治体主導で推進している公共性の高い事業、もしくは政策的に育成・発展させようとしている事業で、収益性が低い、もしくは収
益の実現に時間がかかるもの等については、政策金融機関がエクイティポーションや劣後ポーションへの出融資等により主導的に対応す
ることが好ましい。
○再建企業に出資を行う際のDEBTのクッションとして、エクイティ出資者としての役割を期待。
その他
○制度的に煩雑となることが予想され、それだけで事務リスク・コストの拡大が懸念される。
○債務保証以外考えられない。
○民業圧迫の観点からは、直接貸出か代替手段かが問題なのではなく、民業でも可能な先に対して有利な条件を提示されることが問題。し
たがって、救済措置として行われる貸出は直接貸出で無ければ困る。
○医療・環境などの専門性を有する貸付は、直接貸出形式が望ましい(金融機関では審査困難)
。
○災害等への対策としての貸出など、一時的かつ緊急的に量的な補完が必要な場合には、直接貸出でなければ対応困難となる可能性あり。
17
Ⅱ 民間が担える範囲の再考
<情報の非対称性>
Ⅱ-1 行内格付け等を行っているか
っ
行
行内
格
て付
いけ
るを
計
(行)
全銀協
13
地銀協
52
第二地銀協
47
信金協会
46
信組協会
28
合計 186
無回答
0
与行
信内
プ格
ロ付
セけ
スに
が代
あわ
るる
そ
の
他
13
0
50
2
44
3
28 17
10 18
145 40
78% 22%
0
0
0
1
0
1
・「行内格付け」もしくは「行内格付けに代わる与信プロセス」を行っているとした回答がほとんどを占めた。
・上位業態ほど、「行内格付け」を行っているとした回答の比率が高い。
Ⅱ-2 行内格付け等の対象を限定しているか
限
定
し
て
い
る
計
(行)
合計 170
無回答
15
限
定
し
て
い
な
い
107 53
63% 31%
そ
の
他
10
・限定しているとした回答が63%を占めた。
Ⅱ-3 行内格付け等の対象を限定している場合の限定方法
(複数回答)
計
(行)
合計 119
計
(のべ)
180
企
業
規
模
5
取
引
規
模
99
83%
創
業
後
の
年
数
10
法
人
格
57
48%
そ
の
他
9
←対 行数
・回答した銀行等のうち、83%が「
取引規模」
で限定しているとした。
・「企業規模」のみ又は「創業後の年数」のみ、で限定しているとした回答はなかった。
Ⅱ-4 限定している理由
(複数回答)
計
(行)
全銀協
4
地銀協
31
第二地銀協
33
信金協会
29
信組協会
14
合計 111
無回答
8
計
(のべ)
6
64
56
45
21
192
与
信
管
理
上
がの
小必
さ要
い性
コ期
評
評
ス待
価
価
ト収
の
の
が益
た 信た
過に
め 頼め
大比
の 性の
とべ 乏 情 が 情
な 審 し報 低 報
る査 いが い の
2
2
0
0
26 15 16
6
22 10 16
5
25
5
7
6
12
3
3
2
87 35 42 19
78% 32% 38% 17%
そ
の
他
2
1
3
2
1
9
←対 行数
・回答した銀行等のうち、78%が「
与信管理上の必要性が小さいこと」
を理由に挙げた。
・42%が、評価のための情報の不十分性(
「
情報が乏しい」又は「信頼性が低い」)を理由に挙げた(47回答)。
18
Ⅱ - 5 対 象 外 と し て い る 部 分 へ の 対 応 (全 体 )
(複数回答)
案件ベース
計
(行)
合計 119
計
(のべ)
140
原
則
と
し
て
与
信
て対
い象
なと
いし
保
制証
度協
融会
資の
を保
活証
用や
す
べ
同て
様格
の付
評等
価の
を作
実業
施と
作有
業望
と性
同に
様応
のじ
評て
価格
を付
実等
施の
ス
コ
ア
リ
ン
グ
公
的
金
融
機
関
に
紹
介
す
る
そ
の
他
3 33 41 12 18 26
3% 28% 34% 10% 15% 22%
そ
の
他
0
7
←対 行数
・回答した銀行等のうち、34%が「すべて格付等の作業と同様の評価を実施している」とした。
・「原則として与信対象としていない」とした回答は3%と少なかった。
Ⅱ-6 格付対象範囲の今後の取り扱い
計
(行)
全銀協
13
地銀協
50
第二地銀協
44
信金協会
39
信組協会
19
合計 165
拡
大
現
状
維
持
縮
小
2
24
19
24
12
81
49%
0
0
1
1
0
2
11
26
24
14
7
82
50%
・「今後対象を拡大する」とした回答が49%を占めた。
・「現状の対象を維持する」とした回答が50%を占めた。
Ⅱ - 7 対 象 外 と し て い る 部 分 へ の 今 後 の 対 応 (全体)
(複数回答)
ー
計
(のべ)
16
74
67
69
36
262
ッ
ー
計
(行)
全銀協
10
地銀協
46
第二地銀協
42
信金協会
37
信組協会
21
合計 156
与
信
考対
え象
なと
いは
保
顧 デ
公
証
客
ク
的
等協
か タレ
ス
金
を会
ら ベジ
コ
融
原に
の
ア し機
則よ
情 スト
リ て関
とる の報 の判 精 ン ほ に
す保 充収 活定 緻 グ し対
る証 実集 用の 化の い 応
3
3
2
2
3
2 12 18 14 17
2 17 17
9 11
2 19 26
7
8
1 11 10
6
2
10 62 73 38 41
6% 40% 47% 24% 26%
0
0
2
1
1
4
そ
の
他
3
11
9
6
5
34
←対 行数
Ⅱ-7−1 うち (限定理由「与信管理上の必要性が小さい」)
合計
無回答
83
4
142
2 39 37 23 26
2% 47% 45% 28% 31%
0
15
←対 行数
Ⅱ-7−2 うち (限定理由「期待収益に比べて審査コストが過大」)
合計
35
62
2 14
9 14 15
0
8
6% 40% 26% 40% 43%
←対 行数
・「クレジット判定のデータベースの活用」及び「スコアリングの精緻化」を挙げた回答の比率が全
体の回答に比べて相対的に多い。
Ⅱ-7−3 うち (限定理由「情報不足・信 頼 性 の 問 題 」)
合計
47
80
1 13 25 13 15
2 11
2% 28% 53% 28% 32%
←対 行数
・「顧客からの情報収集の充実」を挙げた回答の比率が全体の回答に比べて相対的に高い。
19
< 長 期 ・固 定 金 利 >
Ⅱ-8 長期ないし固定金利に対する顧客のニーズについて
長期資金ニーズ
中小企業
大・中堅企業
公益業種
公営企業
農林漁業
多い∼普通
普通∼少ない
少なめ
普通
少ない
43%
16%
28%
34%
13%
42%
48%
29%
33%
32%
16%
37%
42%
32%
55%
ニ
ニ
ニ
ズ
多
い
ズ
普
通
ズ
少
な
い
46%
34%
37%
40%
21%
39%
40%
33%
29%
34%
15%
25%
30%
31%
45%
ー
ニーズ
︶
ズ
少
な
い
ー
ズ
普
通
年
限
的ニ
な
最 イズ
頻 メの
値 平
ジ均
︵
ズ
多
い
ー
ニ
ー
ニ
ー
ニ
10
10
15
15
10
年
年
年
年
年
主な資金使途
運転資金、設備資金
運転資金、設備資金
設備資金、社会資本整備
社会資本整備、設備資金
設備資金、運転資金
長 期 ・固 定 金 利 資 金 ニ ー ズ
ー
︵
ー
︶
多い∼普通
普通∼多い
普通
多め
少ない
ー
中小企業
大・中堅企業
公益業種
公営企業
農林漁業
ー
ー
ニーズ
年
限
的ニ
な
最 イズ
頻 メの
値 平
ジ均
15
10
15
10
10
年
年
年
年
年
主な資金使途
運転資金、設備資金
設備資金、運転資金
設備資金、社会資本整備
社会資本整備、設備資金
設備資金、運転資金
Ⅱ-9 こうした顧客のニーズをどのように考えていますか。
・中小企業を中心に、資金繰り安定に資する長期資金の調達ニーズは高く、現在の低金利下、利用者としては合理的な動き。と
はいえ、本来、長期資金の調達は、株式や社債の発行によるべきであり、資本市場の発展が遅れる一要因となっている。
・運転資金は、必ずしも長期・固定である必要性はない。
・原則、運転資金は長期資金で対応する性格のものではない。
・固定資金ニーズといっても、事業資金での大宗は民間金融機関が供与可能な範囲内であり、超長期等のニーズは限定的なも
のである。
・社会資本整備、公共サービスの提供等において、計画的、かつ安定した資金計画は必須であること等から、長期・固定かつ低
利での調達志向はある程度やむを得ない部分もある。
・長期固定金利資金については、従来、返済金額が確定し、資金計画作成が容易であるというメリットが主張されてきたが、一方
で、特に景気後退に伴う企業収益の落ち込みがあるにもかかわらず、金利負担が一定であるというデメリットがあり、企業の元
利金償還能力をとりまく環境への柔軟な対応という観点からは変動金利選択の方がメリット大と理解している。
・最近は地公体からの長期申込が増えている。期間10年程度のものもあり、金融機関としては期間・金利リスクをどう捉えるか
が問題となる。昨今の低金利下で、金利上昇リスクに対する懸念は捨て切れないのが実情であり、上記のような案件について
何らかのヘッジ対策は必要と認識する。
・地公体の場合、予算措置が取りにくいため、固定金利を希望される。
・公営企業が手掛ける事業は水道、エネルギー、交通等事業機関が長期に亘ることが多い。事業期間に伴い資金調達も長期化
させたいとするニーズは理解されるところである。しかしながら、顧客の側が変動金利のメリット・デメリットについて十分な検証を
してきたとは思われず、今後潜在的な変動金利のニーズを喚起していきたい。
・固定金利を要望しているのではなく、低いレートを希望していると考える。現在のような低金利時に政策金融機関の高金利固
定の貸出が次々と繰上償還されているのを見れば明白である。
・低利・固定金利の提示者が市中の競争原理によらない者による場合は、本来市場原理の中では発生しない固定・長期資金の
需要を新たに創出する結果となり、一般の貸し手からみれば、本来長期・固定金利で対応する必要のないレベルで需要にまで
対応を迫られることになる。
・固定金利については、低金利時代のニーズであり、お客様にとっての金利リスクヘッジは長期的には変動金利で行うべきと考
える。
・長期資金については、実質債務の繰延的要素が多く、度をこえた長々期貸出を容認することは企業の競争力を低下させる要
因となる。
20
Ⅱ-10 顧客のニーズを前提として、どこまで対応が可能ですか。
長期資金ニーズへの対応
回答数
最大値
中央値
最頻値
平均値
148
35
20
20
18
年
年
年
年
対象者の条件等
信用力が一定以上
取引金額が一定以上
その他
47
6
62
対象者の条件等
信用力が一定以上
取引金額が一定以上
その他
62
18
60
長 期 ・固 定 金 利 資 金 ニ ー ズ へ の 対 応
回答数
最大値
中央値
最頻値
平均値
142
35
10
5
9
年
年
年
年
Ⅱ-11 長期ないし固定金利に対する顧客のニーズに対し、実際には、必ずしも長期ないし固定金利の融資でなくとも
充足できると思われるものがありますか。あるとすればどのようなものですか。
・キャッシュフローを重視したコミットメントライン等で対応は可能と思う。必要資金をタイムリーに供給すれば金利も格付による適
正金利で何ら問題ない。コミットメントラインは早急に取扱制限を緩和すべき。
・コミットメントラインの拡充。現在の法令下では、地域金融機関で対応出来る先はほとんど無い。特定融資枠契約法を拡大する
ことで、長期もしくは固定金利の問題は一部解除され、地域金融機関としても収益拡大につながると考えられる。
・PFI事業・大型インフラ案件やベンチャー等の資金供与,DI
Pファイナンス等への事業・企業再生ビジネスのサポートなどについ
ては事業債への保証へシフトを図り、直接融資以外の手法での対応が考えられる。
・政策的な貸出で、全期間固定にしなければならないものについて、政策金融機関による利子補給等の手段が必要になると考
える。
・長期固定金利のニーズに対しては、政府系金融機関の代理貸付で対応すべきと考える。
・中小企業の長期ないし固定金利に対するニーズに対しては、県や市町村の制度融資で十分対応できるものと考える。
・保証協会の制度融資による対応。
・政策金融機関の固定・低金利がなければ、返済計画に無理のある一部の顧客以外は変動金利であっても全く問題なく利用す
るものと考えられる。
・地域金融機関としては、その性質上難しいが、例えば直接金融・資産の流動化による資金調達について利用できるか検討する
必要性は感じている。
・設備資金については長期固定金利のニーズが高いため、私募債(保証協会付)等の利用も検討したい。
・長期貸出期間の中の一定期間を固定金利とし、その固定金利期間満了時に再度その時点の固定金利へ変更契約する等の対
応。(一定期間経過後の見直しルール)
・顧客は返済計画をたてやすい長期貸出の要請が多いが、当行では実際の資金繰りの状況を判断し、本来長期・短期のどの資
金が必要であるかを判断し、与信方針のアドバイスをするようにしている
・債務者が望む情報・サービス提供による総合取引拡充、あるいは迅速な融資対応により、必ずしも顧客が長期固定金利に固
執するものでないと思われる。
・多くは金利選好の強い顧客からの要請であり、間接金融の中で、ニーズを充足させることは難しいと思われる。民間金融機関
の資金調達構造から、全額を固定金利で応需することは困難である。
・一般的には金利と景気は連動しており、高金利の時には好景気である。したがって、変動金利による金利上昇分については企
業の収益で吸収すべき問題と考える。
21
<大きなリスク・外部性等
∼「大規模・長期のプロジェクトについて民間(のみ)ではリスクを担いきれず対応できない」等の指摘について>
Ⅱ- 12 極めて大規模で長期であること等によりリスクが大きすぎる、あるいは、リスクが評価できないために対応ができないという案件はあります
か。それは具体的にどのような要因(リスク)が最大の原因ですか。
案件
プロジェクト関係
要因(リスク)
○超長期で事業予測が困難なものについては、信用リスクの評価や適正スプレッドの策定が困難かつ、将来キャッシュフ
ローの変動性が客観的に評価困難なため、長期のリスクは取り難い。
○自社体力比リスク過大となる懸念がある。
(地域)開発プロジェクト
:含むPFI
○定期モニタリング、財務トリガー等による強制デフォルトが必要。(時価評価・売却困難なため、破綻懸念オフバラン
ス化との兼ね合いも必要)
。
○信用リスクの評価が困難。固定金利の場合長期のリスクは取り難い。
責任の所在が不明確なプロジェ ○出資者が複数あるが、プロジェクト遂行能力が低い企業が集まった場合、責任所在が曖昧で、信用リスクを評価しにく
クト
い。特に、官民一体の案件等。
公的プロジェクト
○プロジェクト全体の採算性や期間に応じた環境変化リスクを適切に算出した上で条件設定がおこなわれていないケー
スが多い。
○国・自治体が主導で推進している事業で、収益性が低い、もしくは収益の実現に時間がかかるものについては、公共性
の高いものであっても超長期の信用リスクは取り難いため、政策金融機関が主導的に対応することが好ましい。
特殊法人等が事業体となる地域 ○事業体の信用リスク評価が困難なため∼公共性の高いプロジェクトに対する与信判断の最終拠り所となる設立根拠法
開発、交通インフラプロジェクト
等の条文が「曖昧」であることや、会計手法が各団体毎に異なり、特殊(行政コスト計算書の作成を始めたが監査法人
のチェックはされていない)であること等により、財務諸表を用いた信用リスクの評価が困難な場合が多い。
大型医療施設、介護福祉施設、風 ○上記の一般的なリスクに加え、許認可・天候・ごみ引取り・採取・入居といった固有のリスクの評価が困難。
力発電、ごみ処理、資源開発、不
動産開発、環境事業開発等
知的所有権担保貸出
○担保評価困難
発展途上・政情不安国
○カントリーリスク
DIPファイナンス
○債権(DIPファイナンス)の優先性が不十分な我が国の再建型倒産法制の下では、信用リスクの観点から、取引関係
のない企業に対しDIPファイナンスを採択することは困難な場合がある。
その他
○コーディネーターの役割とリスク軽減策の提供があれば、民間で対応できないものは無い。
Ⅱ- 13 リスクが大きい、外部性・公共性がある等の理由で政策金融機関が介入している分野で、民間金融機関として、企業理念、社会貢献、(通常の企業
行動)等の観点から、(通常よりも顧客に有利な条件で)積極的に融資 に対応している、ないし、できていると考えているものを具体的に挙げて下さ
い。当該分野における政策金融機関の必要性をどう考えますか。
分野・制度
○顧客企業の環境問題に対応するための設備投資に対する金利優遇ローン
ポイント等
○環境問題に積極的に対応する企業を支援する趣旨。
○環境関連分野においても、政策金融機関は直接貸出ではなく、民間への保証
等の形で関与すべき。
○特定の産業公害防止資金等の特別貸付制度
○環境・安全対策等の観点から。
○低公害車に対する金利優遇ローン
○地域の環境保全の観点から。
○ISO取得資金及び公害対策資金への積極的な対応
○ISOを当行が取得したことに伴い、企業理念として、地域の環境保全を積
極的に推進する趣旨。
○環境会計資格(環境プランナー)を保有する税理士が、
「環境対策に取り組む ○環境対策を行う企業向けに専用ローンを取扱うことにより、環境保全を推進
企業」と認定した企業向け専用ローン
する趣旨。
○バリアフリー等社会福祉的なものを目的としている設備資金への金利優遇融 ○社会貢献という趣旨。
資(県との協調)
○特別擁護老人ホーム等への長期融資
○高齢化社会に向けての対応
○病院等の医療分野
○地域貢献等の観点より、総合病院等の地域中核医療機関等の安定経営を目指
している。
○新規設備投資等を促進するための金利優遇ローン
○融資の基本方針として地場産業の育成・深耕を図る。
○企業家支援貸付、ベンチャービジネスローン
○資本過小のベンチャー企業を支援。
○バックアップローン、ビジネスサポートローン
○不況下の地域企業を支援する意味から低利で取り扱い。
○中小企業専門の地域金融機関として、地域経済の振興等に貢献。
○中小企業向低金利融資商品
○地元中小企業の育成・支援を図ることを目的として取り組み。
○地域特化型金融機関の使命。
○住宅ローン
○地域への貢献・住宅政策の観点より低利で取り扱い。
○教育ローン
○教育レベルの向上に資することから、通常の消費者ローンよりも低利提供。
○ゴールド免許証所有者に対する優遇ローン
○交通事故未然防止の推進
○NPO向けローン
○非営利組織で社会文化向上に役立って活動しているNPOへ無担保で支援
する融資制度を制定。大規模NPOには政策金融が必要となる可能性大。
○地公体・第三セクターなどによる地域開発事業等
○公共性と地域貢献の観点より。
○公営企業向縁故資金
○指定金として、資金需要に対しての安定供給の役割を担う。
○公共下水道の設置に伴うローン金利
○ライフラインの推進。
○土地開発公社、地方道路公社向け融資
○学校建設等の公共用地先行取得、地域住民の交通利便性確保のための有料道
路の建設・維持資金の融資
→地方公共団体の保証付きの場合が多く、代替可能な部分あり。ただし、
民間金融機関が存在しない地域では対応が困難な側面も。
○鉄道会社・航空会社等に対する貸出
○長期信用銀行として、インフラ整備や交通機関の充実の観点から、従来積極
的に対応してきた経緯がある。
○運賃の許認可制等、経営に対する法的規制がある以上は、政治リスクの観点
から政策金融機関の介入はやむをえない一面があると考える。但し、今後規
制緩和を推進する中では、適正な競争が維持されるためには、政策金融機関
の業務は非常事態での緊急融資(支援)に限定されるべきと考える。
○その他
〈政策金融機関の必要性〉○債務保証や利子補給を行うことにより、民間金融
機関の商品性向上をサポートして頂きたい。
22
Ⅱ−14 民間ではまだ定着していないイノベイティブなファイナンス手法について政策金融機関が先導的役割を果たしているとの議論についてどう考
えますか。将来的な展望はどうですか。(例えば、プロジェクトファイナンス、PFI、DIPファイナンス、知的所有権担保融資等の案件で、民間
のみで対応しているケース等があれば具体的な事例についてもご教示下さい。)
積
極
評
価
消
極
評
価
○「プロジェクトファイナンス」や「PFI」に関して、日本政策投資銀行は先導的役割を果たしている。
○「DIPファイナンス」に関して、日本政策投資銀行は先導的役割を果たしている。
(日本政策投資銀行の存続をかけている。
)
○民間金融機関が取組めていない分野への先駆的存在を期待。
○民間金融機関が、なかなか手を出せない分野に政策金融機関が先駆的機能を発揮することは有意義。
○PFI等の大型案件等で、民間金融機関独自では全体像をつかみきれない場合の補完。
○市場として先行きの不透明なものについては、今後とも政府系金融機関が率先して研究してノウハウ等を開示すべき。
○地域金融機関の単独対応は困難なものと思われ、政策金融機関との協調的な対応の形態で検討していくこととなる。
○新しいタイプの担保権の取得方法や担保権の設定方法(セキュリティー・トラスト等)など、高度の法律問題を含んだ金融技術の日本における開発を
先導してほしい。
(ストラクチャード・ファイナンスの流動性を高める効果を期待できる。
)
○先進的なファイナンス手法については、近年の技術の高度化により都銀などの上位業態から地域金融機関に技術移転するまで、従来以上に時間を要す
ることになることが見込まれる。地域金融の棲み分け等に関係していくことではあるが、政府系が技術伝播の核として機能することは意義が大きいと
思われる。
○民間(都銀は外れるが)ではノウハウの蓄積や法制に対する知識構築と言った面でレベル的に難しいところがあると思われる。このような分野は「民
業補完」を前提として、並存していかなければならないのが実情ではないか。
○リスクの計量化が困難であり、民間対応の定着は難しいと思われる。
○シンジケートローンの手法および証券化が普及してきたことで、プロジェクトファイナンス、PFIなどに積極的に取り組むことが可能になってきて
いる。また、会社更生法改正など倒産法制整備が進むことでDIPファイナンス取上げも今後促進されると考えられる。
○「DIPファイナンス」に関する現状の運用では、日本政策投資銀行は担保(内容、掛目等)において限界があることから、民間業者との協働は十分
に可能と考えられる。
○機能していると考えるが、大手行でも可能ではないか。中小金融機関では確かに困難であると思われるので、仮に大手行で対応できないようなケース
で、政策金融機関と中小金融機関が協力して推進する(民間官らの紹介・委託を含めて)という形が必要になるかも知れない。
○日本政策投資銀行については、都市再開発案件等の不動産ファイナンスでプロジェクトファイナンスに対するスタンスを明確にしている点は評価でき
る面もある。大型再開発案件等では日本政策投資銀行と民間金融機関の役割分担をうまく行うことで、案件組成にプラスになる面もある。
○政策緊要度の高い事業再生分野等についても民間金融機関をリードする役割を担うのは理解できるが、特定企業の過剰供給力とならない牽制は必要。
健全企業に対する、民間で支援可能なファイナンスへの破格条件での参入は自粛すべきである。
○政策金融機関は、民間と異なり、当初想定以上のリスクが顕在化した場合も直ちに経営上の問題にならないので、先進的手法のリスク計測のトラック
レコード確保を目的としたプロトタイプ立ち上げに主導的役割を果たす義務はあるが、その後は原則民間主体に移行すべきである。
○政府系金融機関がイノベイティブなファイナンス手法について、先導的な役割を果たしているという認識は一部あるが、今後は、ノウハウ蓄積・案件
対応力の強化等により、民間金融機関がこれらの分野のメインプレーヤーとなるべき、と考えている。
○プロジェクトファイナンス等で政策金融機関が関わるケースが見受けられる。先導的役割を果たしているかどうかはわからない。
○PFI事業、ベンチャー等への資金供与、DIPファイナンス等の事業・企業再生ビジネスのサポートについても、直接貸出以外の手法での対応(事
業債や民間金融機関の融資等への保証など)を基本とすべき、と考える。
○先導的役割を果たしていると考えるが、適正なリターンを得ているのか評価できない。
○革新的な融資手法の導入に政策金融機関が一定の役割を担っていることは事実だか、この融資手法を間接的な国民負担に依拠し開発・運用しているの
か、自らのリスク負担で運用しているかに政策金融機関と民間金融機関の差がある。したがって、民間金融機関が新たな融資手法を導入することによ
り発生するリスクを補完する政策的枠組みや受け皿となる制度があれば、より民間化金融機関の参入の余地が出来ると考える。
○DIPファイナンス等は現在のところ当行のみで対応しているケースは無いが、ノウハウが備われば将来的に当行でも対応可能であると考える。
○日本政策投資銀行のDIPファイナンスについては、先導的な役割を果たしている点は評価できるが、対象となる再生企業のバリューアップに対する
取組み姿勢が不透明。DIP等再生企業向けファイナンスについては、民間金融機関との役割分担を重視した上で、市場の拡大・成長に向け貢献して
いくことが望まれる。なお、民間金融機関でも最近は積極的に対応し、ディール成約に至っている実例も多く見られ、将来、民間金融機関のみで十分
対応できるようになれば、斯かる分野から撤退すべき、と考える。
○従来民間ベースで対応し切れなかったファイナンス手法について、今後大手行を中心にして開発が急速に進むものと考えている。
○プロジェクトファイナンス、PFI等、民間による対応可能領域が拡大している分野については、政策金融機関は民業補完に徹するべき。その他現時
点では、民間による十分な対応が困難な分野についても、政策金融機関は民間の対応力向上等に合わせて、その役割を補完的なものへとシフトすべき。
○日本政策投資銀行の条件に合わない等の理由により、民間のみで対応している「DIPファイナンス」の事例もある。
○プロジェクトファイナンスの一種である、ノンリコースローンについては近時、民間金融機関でも対応。
○最近の「プロジェクトファイナンス」や「PFI」では、民間のみで対応している事例が増えている。
○法的な整備状況から民間が先行していないものもあろうが、整備されれば十分民間で対応できる。また、ハイリスクな政策的投資であり、現行の金融
検査マニュアルからすれば要注意以下の査定となる可能性を含んでいる。こうした融資に対する査定及びディスクロージャー上の手当は必要。
23
<セーフティーネット
Ⅱ- 15
∼「地域金融機関の破綻・震災時の迅速な対応のために政策金融が必要」等の指摘について>
地域金融機関の破綻、災害、大型倒産の波及等で、新規申し込みが殺到するような状況への対応(の準備)はどうなっていますか。
政策金融機関の対応として、特別窓口を迅速に設置する、一定金額まで無担保で迅速に融資する、等の事例が見られますが、これらと比較
してどうですか。
民間での対応
に積極的
○地域経済への貢献も念頭に、「迅速な対応」という面で民間の対応が政府系金融機関の対応に比べて遅いとは思わないし、全く遜色はない。万一のと
きの機動的な対応は民間の方が優れていると認識している。
○災害等の規模、影響に応じて社内関連各部と連携の上、特別窓口の設置や災害関連融資について、適宜対応を検討し、実施している。
○他業種と連携しつつ、リスクマネジメントの観点から、顧客ニーズに合わせた商品対応を検討している。
○特別相談窓口の設置とともに、自治体と連携し、制度資金等を積極的に利用することで民間が対応している。
○信用保証制度など政府による支援措置を積極的に利用することにより信用リスクを補完して積極的に対応している。
○阪神大震災の際に特別窓口を設置したり、復興資金用に当初の返済条件の緩和(一定期間元金返済据え置き等)や金利・担保面で条件を優遇した貸
出制度を新設した事例がある。
○災害時における対応として、特別窓口を設置し、通帳等の呈示なしに預金の払い出しに応じる等の対策は可能であり、実際に実施した実績もある。
○大規模災害発生時には、既存融資に関して金利下げ、支払い延長等の対応は行う。
○信用組合では、「信用組合経営安定支援制度」という業界独自のセーフティネットをH14 年 4 月よりスタートさせており、危機管理規定を制定、状況
により危機対策本部を設置し、具体的に対応するよう定めている。
民間での対応
に消極的
○発動事由限定、期間限定等その条件を限定することにより政策金融機関の責務として機能している。
○当行は店舗数、及びその機能が極めて限定的であり、設問のような状況に対しての特段の準備は現状していない。
○災害時等ならともかく、地域金融機関の破綻、大型倒産時に関連して新規顧客からお申込みを受けた場合に、通常よりも審査基準、時間を緩和した
実行をすることはない。
○災害等の緊急時に、「一定金額まで無担保で迅速に融資する」事例については、「融資」というより「救済」的な側面が強く、一定の公的補完がなけ
れば民間のみで行うことは困難な分野と考える。
○信用リスクの判断基準緩和、一定金額まで無担保で迅速に融資するなど、融資対象者の条件や保全面を度外視した対応は困難。
○商工中金の支援融資などは有効に機能していると考える。
○申込者が地域金融機関に申し入れをしていたが、実行前に当該地域金融機関が破綻した場合や、大型倒産の波及等により資金が急に必要となった場
合等も、事業としての採算と回収確実性が十分な案件でなければならないことから、新規申込が殺到するような状況は想定し得ない。
Ⅱ- 16
上記のような状況における政策金融機関の対応の必要性についてどう考えますか。特に、政策金融機関による直接貸出の必要性をど
う考えますか。
政策金融の
必要性低い
○緊急事態等で民間のみでは対応できないケースについても、「公的部門と民間部門の役割分担により対応可能な仕組み」を工夫する必要がある。
○緊急事態において、政策金融での対応が必要となる場面はありうるが、民間での対応を基本とすべきであり、政策金融は保証でのリスクテイクにそ
の機能を限定すべきである。
○地域レベルの災害であれば、地公体と地元金融機関との連携により十分に対応可能。
(ただし国から地公体へのバックアップは必要)
○地域金融機関として、元来より重視している分野であり、政策金融機関の対応は不要。
○直接貸出ではなく、債務保証・利子補給といった信用補完の手法を活用することで対応可能と思われる。
○経済合理性がある融資案件については民間金融機関で十分対応可能。また、リスクが高い案件についても、信用保証協会の信用保証など信用補完措
置が講じられていれば民間だけで十分対応できる。直接貸出の必要性は乏しい。
○マイカル破綻時においても、政府系金融機関の対応は厳しく、円滑・迅速であったとは評価できない。審査基準も民間と変わらず、融資スタンスも
変化ないため、政府系の特別窓口設置等は実態的にはパフォーマンス的要素が強いものであり、無意味。
○政府系金融機関の特別窓口は、設置基準が不明確である。あくまでも限定的な対応を心がけるべきである。
○政策金融機関の店舗網では十分な対応は難しく、多くの店舗網をもつ民間が、必要あれば事務代行をする代理貸しのような制度により対応するべき。
○政策金融機関は支店、出先機関の数が限定的であるため、利用者の利便性は必ずしも良くない。債務保証により民間を窓口にする方が効果は高い。
○民業補完の徹底等を図る観点から、何が危機的事態に該当するのか、さらには危機的事態が解消した際には直接融資から撤退する旨等を、予め明定
しておくことが不可欠。
○緊急時のために平時において業務を行う必要はないものと考えられ、別途方策を検討すべき。
政策金融の
必要性あり
○民間で対応可能なケースも想定されるものの、政策金融による対応はその性格上望ましいものと考えられ、場合によっては直接貸出も選択肢として
考えられる。
○発動事由限定、期間限定等その条件を限定することにより政策金融機関の責務として機能している。
○業態・顧客基盤の相違等により、対応が難しい先に対する柔軟な対応を期待。
○緊急時の場合には、新規顧客や対象を絞らない公共性を重視した政策金融機関による迅速な直接貸出は必要。
○上記のような緊急時における申し込みに対しては、政策金融機関による対応が肝要と考える。特に、混乱した状況下にあっては、民間金融機関の対
応力も限られたものと予想されるため、保証や代理貸しに加え、直接貸出によることも考えられよう。
<ナショナルミニマム>
Ⅱ- 17
ナ シ ョ ナ ル ミ ニ マ ム の 確 保 を 、「 健 康 で 文 化 的 な 最 低 限 度 の 生 活 」 を 営 む た め に 真 に 必 要 な 支 援 を 行 う こ と と 位 置 付 け た 場 合 、 融 資 と
いう手段を講じて対応するべき分野があると思いますか。
はい
いいえ
合計
無回答
Ⅱ- 18
55
91
146
40
ナ シ ョ ナ ル ミ ニ マ ム と し て 対 応 す べ き も の を 列 挙 ・ 例 示 の 上 、「 民 間 の み で 対 応 可 能 」、「 補 助 金 等 の 支 援 が あ れ ば 民 間 で 対 応 可 能 」、
「官での対応が適当」に分類して下さい。
対応方法
民間のみで
対応可能
ナショナルミニマムとして対応すべきもの
○消費者金融
○教育ローン
○住宅ローン
○育児・介護休業者への生活資金融資
○マイカー、結婚、教育、住宅等、ライフスタイルに合わせた所要資金に対応する各種ローン(個人取引のリテール分野)
24
支援あれば民
間で対応可能
官での対応が
適当
<景気対策
Ⅱ- 19
分
○奨学金制度<利子補給、保証等>
○リバースモーゲージ(主に自宅等を担保にし生活資金を融資し、亡くなった後、売却し、回収する)
・現状では、担保掛目の設定、期日到来時に自宅売却しても入居できる公的施設・制度が整っていないので難しいが、補助金や入居施設等の支援が
あれば対応可能。
○高齢者(ハートビル法、介護等)・失業者への貸付<保証>
○起業資金<補助金等>
○大規模医療施設の建設<保証>
○環境対策資金<補助金等>
○国家的プロジェクト資金(インフラ設備、3 セク等)<保証>
○NPO、ワーカーズコレクティブなど、環境福祉などの市民事業といわれる小口分野<保証>
○生活環境を整備するインフラ整備に関する地公体向け融資<補助金等>
○長期病気療養者への生活資金の融資(治療後返済)
○母子家庭への生活資金の融資(将来、子供が返済)
○災害対策支援資金
○収入がなく自宅しかない老人の老人施設等への入居金等の融資など、介護、社会福祉資金
○低所得者や社会的弱者向けの融資(リストラ対象となった中高年層への生活資金の融資)
○雇用の安定・維持と職業能力の開発・向上
○生活費(食費等)の極限的資金
○汚染地域の改善のための融資制度、一般産業廃棄物の最終処理など、環境問題に関わるもの
∼「政策金融は景気対策手段としても重要な役割を果たしている」等の指摘について>
景気対策としての、以下のような政策金融の活用の考え方について、その必要性・効果・弊害をどう考えますか。
類
問題あり
一定の意義あ
り
①
景気後退期において、一時的な資金繰り難等による倒産を防ぐためなどに直
接貸付を活用する考え方
②
景気後退期において、有利な条件(低金利等)の資金供給によ
って設備投資等の需要創出を企図する考え方
<基準設定が困難>
○企業側の経営努力へのインセンティブをそぐ可能性があり、運用は難しいと考
える。具体的に、どのような状況をもって“景気後退における一時的な資金繰
り難”と判断するか、その基準は曖昧と考えられ、セーフティネットとは異な
り、発動事由・発動期間の特定・限定が困難でもあり、恒常化の恐れがある。
○「景気後退期」が常に同じ状況にあるのではなく、現在のように、将来の需要
に高い期待を持つことができない場合に、民間企業等の資金繰り難の状況につ
いて、一時的であるか否かの判断を安易に従来と同様に行ってはならないと考
える。
○業績回復を前提とした一時的措置であれば評価できるが、恒常的になり民業圧
迫につながらないように留意するべきである。
<直貸しは不要>
○景気後退期に、企業自身の業績悪化、銀行債権劣化による与信機能低下に対応
し、保証等による一時的運転資金調達支援をおこなう意義はあるが、政策金融
が直接貸出をおこなう必要はない。
○一時的な資金繰り難等による倒産等は、わが国経済における危機的事態とまで
は言えず、直貸しまで行う必要はない。
○景気局面にかかわらず、政府系金融機関による直接貸付を拡大させることは、
公的部門の肥大化に繋がるため望ましくない。敢えて景気後退期で活用を図る
とすれば、公的機関による債務保証や利子補給を通じて、民間金融機関による
資金供給の円滑化を図ることに役割の限定が必要。
○一時的な資金繰り難を招いた原因が問題であり、事象としての資金不足をその
場しのぎとしての直接融資の必要性と位置付けることは危険である。
○健全な企業に対して一時的資金繰り難に対応した金融の強化は是認できるが、
必ずしも直接貸付による必要はない。また、不健全な事業への直接貸付けは公
的資金を毀損することになり、政府系、民間の別なくそもそも許されるべきで
はない。不健全ではないが相応のリスクがある企業については政府等が信用補
完措置を講じることで民間金融機関において十分に対応可能。
<問題の先送り、延命措置>
○実態は実質赤字補填資金としての資金需要であり、結果として問題の先送り、
一時的な延命となる可能性が高い。マーケット、業種を絞るなど、基準、内容
等を絞り込み、厳格な見極めを実施していく必要がある。
○本来市場から退出すべき企業の徒な延命に繋がることを排除するため、市場に
比べて過度に有利な貸出条件の設定(低金利)や、貸出実行後の貸出条件の見
直し(返済期間の延長など)は慎重であるべき。
○景気が本格的に回復しない限りは、安定化資金と同様の弊害が出る。
○資金繰りが苦しい企業に一時的に資金を供給するだけでなく、借入過多となら
ないような経営指導もあわせて行わないと効果はない。
<将来の国民負担増大>
○セーフティーネットの構築は必要であるが、景気対策に政策金融の機能を活用
することについては、将来的な国民負担増などを考え、最低限とすべき。
○資金の過剰供給により、経済の新陳代謝・活性化のスピードを遅らせる弊害や、
危機の先送りにより、国民経済的にはより大きな損失となる可能性がある。
<その他>
○一時的資金繰り難をカバーする手段の一つとして政策金融の直接貸付を用意
することも考えられるが、民間金融機関の正常な貸出が政策金融にシフトする
のであれば、民業を圧迫し、景気回復が伝播する過程での阻害要因となるので、
民間金融機関への適正な資金需要を減退させることなく活用を図っていくこ
とが必要。
○不況時に融資した後に好景気になったとき、政策金融存続のために民業圧迫が
起きてしまう。
○規制緩和を図り、市場原理に基づき行動する方が良い。民間のやり方が行き過
ぎであれば、金融庁の適切な指導が求められる。
<市場をゆがめる>
○政策金融機関が肥大化した背景には、過去、景気対策として、民
間金融機関対比優位な貸出条件等を背景に積極的な融資を行って
きた経緯あり。このような景気対策としての政策金融機関の活用
は、民業補完の趣旨を逸脱しかねないばかりか、効率的な金融市
場の形成や金融政策の有効性、産業構造の変革等を阻害する可能
性があり、むやみに実施すべきではない。
○日本の貸出市場における課題である「リスクに見合った貸出金利
体系の成立」を阻害するものであり、望ましくない。低金利で金
利形成を歪めることのみではなく、他の施策(税制、補助金等)
も含めた対応が必要。
○景気後退期には通常市場金利自体が低下しており、これより著し
く低い金利での資金調達により創出される設備投資は質的に将来
の当該企業の重荷となる懸念がある点も認識すべきである。
<民業圧迫>
○優良企業等低リスク先に対し、有利な条件の資金供給を行う事は
民業圧迫につながる虞があるものと思料。需要を創造するのなら、
補助金、利子補給、政策減税等で対応すべき。
○民間の資金が逼迫している状況でなければ、低利融資制度は民業
圧迫につながる。
○そもそも景気後退期に設備投資が可能な先は健全企業である可能
性が高く、有利な条件での融資は民業圧迫につながる。
<需要は拡大しない>
○供給能力過剰により需給ギャップが拡大し、景気後退に陥ってい
る状況にある場合には、有利な条件(低金利等)の資金供給によ
り設備投資等の需要を促すことは、中長期的にみて逆効果(更な
る需給ギャップの拡大)になりかねない。すべての場合について
政策金融の活用を否定するものではないが、その必要性の判断は
困難と考えられ、積極的にとるべき政策とは考えにくい。
○現下のような景気後退期、低金利時には、金利等の条件優遇をし
ても設備投資等の需要創出効果は期待できない。事業、投資計画
の実現可能性を高めるアドバイザー機能を充実すべき。
<政策の正当性>
○資源配分重点先の、対象分野が適正か否かが一番の問題。まずは
真に政策的に必要な分野への資金供給かどうかを精査したうえ
で、需要創出が必要な分野に対しても、資金供給は民間に委ね、
政策金融は信用補完に特化し、低利の実現は利子補給等の仕組み
を活用するあり方が望ましい。
○景気の実態は常に変化するものであることから、定期的に効果の
検証を行うことにより、制度の陳腐化を防ぐ必要がある。
<その他>
○「景気後退期」の判断において、投資を行う者が将来の需要に高
い期待を持つ場合は、投資等の需要創造効果があると考えられる。
しかし、前記①と同様、「景気後退期」がいつも同じ状況にあるわ
けではなく、特に現在のように、投資主体が資金調達を見送る主
因が借入条件等にあるわけではなく、現実に市場の金利水準も低
位に止まっている状況下においては、投資等の需要創造効果は限
られたものと見られるだけでなく、既存債務の実質借り換え等を
通じて民間金融機関を圧迫することとなりやすい。
○より効果的な景気刺激のため、財政資金を有効活用すべき。
○個別企業の支援にすぎず、景気対策にはならない。
○資金支援による倒産の回避が、景気回復に連結しているとは考えにくいが、資
産査定の厳格化が進む中、資金繰りが逼迫するケースも増えていると思われ ○ターゲットを絞り込むことで変革、改革につながる資金であれば、
政策を明示することを同時に行うことで効力を発揮する。
る。このような場合には個別の経営内容やメインの方針等を確認しながら政策
的に支援する意義はあるものと思料。
○中小企業支援においては一定の効果があったと思われる。
○連鎖倒産の発生を抑止する効果、民間の貸出姿勢後退を抑制する効果がある。
○民間金融機関で対応が難しい先に対し、一定の対応を期待。
○災害等の緊急貸出など、一時的に量的な補完が必要な場合には、直接貸付の活
用が必要な可能性あり。
25
【全体として】
Ⅱ- 20
以 上 の よ う な 各 ケ ー ス に つ い て ( 特 に 、 非 対 称 情 報 へ の 対 応 、 長 期 ・ 固 定 金 利 の 資金 供 給 、 ハ イ リ ス ク ・ 外 部 性 案 件 へ の 対 応 等 )、 民
間金融機関が担いうる範囲が格段に広がってきているということを端的に示すような事例等があれば、過去(5年ないし10年程度)と現
在との比較を念頭において、積極的にご教示下さい。
DIP
ファイナンス
プロファイ、
MBO等
リスク分散
中小企業
長期固定
革新分野
その他
Ⅱ- 21
○担保条件等条件にあわない場合等、日本政策投資銀行がリスクを担えない場合があり、民間が担えないハイリスクを日本政策投資銀行がとってい
るとは必ずしも言えない。日本政策投資銀行と民間の関係は、ケース・バイ・ケースでの協働がふさわしい。
○民事再生法の定着により1年前から積極的に取り上げる金融機関が出てきておりマーケットが拡大しつつある。
○3セクへの融資で失敗しているのは、日本政策投資銀行も民間と同じ。その反省から、「プロジェクト・ファイナンス」や「PFI」への取り組
み(徹底したリスク分析とリスク管理、契約条件への落とし込み)が、日本政策投資銀行でも民間でも強化されてきていると考える。社会資本整
備のような公共性のある事業には、民間が担保として扱いなれていない物件も多く、日本政策投資銀行と民間との協働が望ましい。
○マンション等住宅系を中心とした、中小規模の開発型ノンリコースローンの実績が出てきている。
○「MBOファインナンス」「PFI」「不動産ノンリコースローン」「プロジェクトファイナンス」など、事業の生み出すキャッシュフローに基づい
たファイナンススキームへの対応力を強化。
○プロジェクトファイナンスの第一号案件は98年、国内の本格的な案件は01年の発電案件であり、民間が案件をアレンジする形で現在マーケッ
トは急拡大中。
○MBO目的融資は本邦においては5年前にはほとんど存在しなかったが、この3年半の間に約30件の実行事例がありマーケットが格段に広がっ
てきている。
○外部保証会社を利用し、ハイリスクな案件にも対応できる商品を開発。
○売掛債権担保融資、資産・債権の流動化等、民間で担える分野は増えている。
○シンジケートローン、コミットメントラインの浸透。
○「固定金利ファンド」設定による長期固定資金供給に向けた商品や、自動審査(スコアリング審査)を活用した専用貸出商品の整備、導入。
○事業金融(銀行比高金利の小額ローン)会社の台頭
○損保の保証つきで5∼10年の小口(10百万∼15百万)の長期固定金利貸出を供給している。
○信用リスク管理の高度化・スコアリングの浸透と、リスクに見合った金利設定。
○情報の偏在等は、県との制度融資で対処できている。
○資金提供する際の金利条件等に関しては、スワップの高度化・多様化等により、顧客企業に提示できるメニューが拡大。そうしたスワップ市場の
成熟により、固定金利貸出は増加している。
○小口資金ニーズに対応可能な長期固定金利貸出商品を拡充
○必ずしも政策金融機関よりも民間の方の融資期間が短いということはなく、「PFI」等の場合、ケースによっては民間の方が長期の融資に応じてい
る。
○各種ストラクチャードファイナンス
○知的財産権、映画配給権を評価に加味した融資
○ベンチャー企業の将来性を評価に加味した融資(投資ファンド創設)
○税制を有効活用した個人ローンの創設
○業種別特性評価(専門家による外部評価)を加味した融資
○創業支援:県の認定制度、信用保証制度を利用して積極的に対応している。
○政策金融機関は海外ファイナンス等において民間対比広範なカントリーリスクを取ることが可能であるが、その一方でコーポレートリスクや超長
期案件のリスクテイクについては、民間に劣後するケースが散見される。
○過去は民間金融機関に対する収益性などの観点からのプレッシャーが現在より少なかったこともあり、かえって現在よりも超長期・ハイリスク等
の負担力があったともいえ、その意味では民間金融機関・政策金融機関の棲み分けが不明確であり、それが経済全体の抜本的体質改善をはばんて
きたとも考えられる。
○金融という面から捉えるなら、政府系も民間も業務内容に根本的な差はない。政府系は単に財投資金と税金によってリスクのバッファーを具備し
ているだけであり、リスク補完の制度さえあれば民間がすべての分野で対応でき、政府系の存在意義はまったくない。
○「担いうる範囲」とは、①取扱う量、②取扱うシェア、③取扱う種類、のいずれかと考えられるが、マーケットの縮小、特に新規需要の減退して
いる現況下では、取扱量が「格段に広がって」いる事例を探すのは難しく、また、民間金融機関としては取扱シェア(②)が「格段に広がって」
いるか否かを確認できない。なお、取扱う種類(③)が「格段に広がって」いるとは認識していない。
同様に、各ケースについて、今後、民間(のみ)でも対応が可能となると考えられる分野はどれですか。対応が可能となるための条
件(証券化市場の発達、規制緩和、クレジットヒストリー情報の共有・利用、金融技術・IT関連投資、経営努力等。すでに進捗している
も の 、 構 想 や 期 待 と い っ た レ ベ ル 感 も 含 め て 。)、 当 該 条 件 の 達 成 の た め に 政 府 に 求 め る 具 体 的 な 役 割 は 何 で す か 。
民間で対応が可能と
なるもの
○DIP ファイナンス
条件、政府に求めるもの
○DIP ファイナンスに関する法整備(優先的な弁済に係る規定整備)等。
○他の債権に比べて DIP ファイナンスの返済の優先順位を高くするなど、法的にリスクを軽減する仕組みを整えるとともに、DIP ファイナンス
が開示債権とならないよう措置願いたい。政策金融機関においては、債務保証等による関与が望まれる
○プロジェクトファ ○公共分野で特に要請の強い、長期・固定貸出については、ALMの観点から、金融機関の資産流動性の確保が必須であり、その前提として、
イナンス(特に長
証券化市場の活性化は欠かせない。
期固定貸出が必要 →その実効性を担保するには、
な公共案件での要
①マーケット参加者の増加を企図した、当該商品運用に対する税制優遇
請を右記する)
②マーケット参加の有力候補である、年金・共済団体等の運用規定の弾力化
③信託受益権の流動性の向上を企図した法令改正
○ハイリスク案件等
融資対象先の拡大
○REITへの融資
○無形資産担保によ
る融資
○中小零細企業向け
融資
○債権流動化、証券化市場の創設、活性化
○長期固定低利貸出
○貸出2次市場、証券化市場の創設および発達。また、超長期ゾーンでの厚みのある国債・スワップ市場の形成。
○低利については利子補給で代替可。
○市場の拡大
○評価システムの確立
○クレジットヒストリー情報を積極的に整備し、民間金融機関に開放・共有することで、中小・零細企業向け小口融資の迅速・簡易な審査・貸
付実行が可能となり得る。
○信用補完があれば対応可能。
○基本的には一定の
○経済合理性では取りえないリスクについてのみ、民間を補完する形で政府系金融機関が担い、全体として案件が組成される仕組みが作り上げ
リスクまでは全て
られることを期待したい。
民間で対応可能と
考える。
○その他
○金融イノベイティブなファイナンス手法の先駆的存在。
○旧来のメカニズム(財投や民間金融機関にのみ最終リスクが集中)から、リスクの取り手を市場に求めていくことが必要。この仲介を金融機
能の主体におく必要がある。
○セーフティネットは、信用保証の充実により、民間での迅速な対応は可能となる。
26
<その他>
Ⅱ- 22
与 信 関 連 で 、 御 社 と し て 戦 略 的 に 重 点 を 置 い て 取 り 組 ん で い く 分 野 に つ い て お 聞 か せ 下 さ い 。( 種 々 の 根 拠 ( 様 々 な 市 場 の 失 敗 を 補 完
する等)により政策金融機関が介入しているものについて、民間での対応、当該介入の是非に対する民間金融機関側の考え方等が分かるよ
う に 。)
中小企業支援
○技術力やノウハウがあるものの、資金繰り面の問題から設備投資が行えない中小企業に対し、技術力やノウハウを評価できる手法と信用リスクを減
らす仕組みを工夫することで、前向きに融資に取り組んでいく。その際の政策金融機関の介入については有効と考えるが、対象企業に一律同条件で金
融支援を行うのではなく、当該企業のリストラ努力や改革にむけての再建計画、技術、将来性を考慮した選別的支援でないと、必要最低限な淘汰が行
われず、民間銀行の支援を受けて努力している企業の再建の妨げとなる恐れがある。
○中小企業への支援・育成は、特に業種等による区分はなく、個社毎の企業としての成長段階や状況を踏まえて積極的に取り組んでいく方針である。
○敢えて言えば、中小企業支援、中小企業育成は重点的に取り組んでいく分野。同分野に関しても、民間で対応可能な部分については民間に委ねるこ
とが基本。政策金融機関は債務保証等の形で部分的かつ時限的に関わるべき。政策金融機関が信用リスクを無視したプライシング等に基づき融資を
行えば、効率的なわが国金融市場の形成等を阻害することに繋がる。
○中小企業支援・育成・創業支援:「事業家支援融資制度」などを運用中
∼IPOを指向する等成長性の高い企業に対して、本部に担当セクションを設置し、事業力評価や案件審査をサポートするなど、拠点(取引部店)
の取引インセンティブを強化するとともに、顧客に対しても優良取引先の引き合わせなど、成長促進に資する活動を展開中。
○中小企業育成のためのファイナンス・投資・リース業務、産業・企業の活性化・再生に関するビジネス、小規模・零細業者等への貸出業務(他社と
の提携等)等について、顧客のニーズ、今後の企業や市場の動向等に対応して強化していく業務に位置付けている。
○中小企業向け融資を取扱う際に、政策金融機関の制度融資等との競合により、金利引下げを余儀なくされるケースがある。
事業再生
○DIPファイナンス等の事業再生関連ファイナンス
○事業再生
: 日本経済の再建は、破綻した将来性ある企業をいかに早く再生させることができるかにかかっており、当行としても適正なリスク
リターンを確保しつつ積極的に取り組んでいる。事業再生に向けた投資ファンド等の民間のリスクマネーも徐々に出てきてはいるが数量的には不
足しており、未だ政策金融機関の資金は有効と考えられ、特に大型案件については、民間金融機関と政策金融機関の協調が必要なケースは多いも
のと考える。(ただし、この場合は民間金融機関が保全面等で不利にならないよう考慮してほしい)
創業支援
○ニュービジネス、ベンチャー企業、技術力ある成長企業の発掘・支援を行うベンチャーファンド
○創業支援
: 技術力・ノウハウのある創業については、当行は関係会社を通じた投資ファンドや技術力を評価して貸出すベンチャーローン等で
積極的に対応している。但し、経験やノウハウに乏しい素人の起業については、現状対応が難しく、政策金融機関での対応が必要と考える。
プロファイ等
○多様化する行政ニーズ対応の一環としてのPFI
○都市開発等にかかわる開発型ノンリコースファイナンス
○資源・エネルギー開発やプラント建設、通信・交通インフラ整備等のプロジェクトファイナンス
○社会資本整備プロジェクト: インフラが他の先進国に比し遅れている日本にとっては、民間資金の導入による社会資本整備プロジェクト等のプロ
ジェクトファイナンスは、大きな市場と考えており、またこれまで長期信用銀行として蓄積してきたノウハウを活かせる業務であり、前向きに取
り組んでいく。政策金融機関の資金については、プロジェクトの規模や内容によっては、今後も必要なケースは相応にあると思われる。但し、そ
の場合でも、民間金融機関の補完という位置付けが望ましい。また、行政も民間金融機関のみでリスクがとれるように、プロジェクトへの支援を
行うことも有効と考える。
○事業再生(MBO等)、社会資本整備プロジェクト(PFI)等:新組織設置、取組強化
∼本年 4 月より、事業金融グループを立上げ、将来的な事業力・キャッシュフローに重点をおいた金融に積極的に取組み中。2 年後には残高 1,000
億円を目指す。
○貿易・海外投資リスク
∼新興国向け輸出案件や新興国からの輸入案件につき、外資も交えた民間金融機関のみでファイナンススキームを構築、提供中。
その他
○民間金融機関はあくまでも私企業であり、各種コンプライアンス上の問題等がなければ、顧客企業の資金ニーズに対して、その貸出に伴うリスクを
適正に評価し、リスクに見合う収益を確保できるとの前提の下、積極的にリスクテイクを行っていくことが使命。したがって、とくにどの分野に戦
略的な重点を置くという与信方針ではない(当然のことながら、業種別、企業グループ別等の集中リスクに対する配慮をしているが、それはリスク
を適正に評価するプロセスにおいて実施している)。
○民間金融機関が重点的に取り組もうとする分野は、政府系金融機関も多様な融資制度を設け、民間金融機関と競合している。今後は、政府系金融機
関の撤退ルールの設定を検討することも必要と考える。
○当社自身の業種比率や規模別比率、大口先等を総合的に見ながらポートフォリオを管理しており、特定業種や分野を方針づけているものはない。
○地方公共団体・地方公営企業・地方公社向け融資で要請される、長期・固定ローンについては、証券化市場の活性化を前提として、PFI形式、C
LO方式など様々な角度からビジネスチャンスを模索中。一方で、全国の地方公共団体をマーケットとする場合、地域によっては、金融機関数に限
りがあり、スキーム組成難に陥る場合も想定される為、公営企業金融公庫の介入も一定の役割があるか。
27
Ⅱ- 23
ユ ー ザ ー か ら 指 摘 さ れ る 民 間 金 融 機 関 の 問 題 点 ・ 民 間 金 融 機 関 に 対 す る 不 満 と し て 、例 え ば 以 下 の よ う な も の が 挙 げ ら れ て い ま す が 、
どう考えますか。何らかの対応をされている、検討している場合には、その内容についてもお聞かせ下さい。
ユーザーから指摘される民間金融機関の問題点・民間金融機関に対する不満
分類
審査に時間がかかる
否定
対応
理由
事業環境の変化等で真に資金
が必要なときに融資を受けら
れない。
事業内容への理解に乏しく、担保等
を偏重
○審査に時間がかかってはいないと考える。 ○お申出案件について、総合 ○事業内容の理解に関しては、案件
審査部門内では、受付から結論を出すまで
的・合理的判断に基づき、対
検討時はもちろんのこと、年度の
の原則所要日数を定め、その期間内で早急
応させて頂いている。一義的
決算時に信用格付けを付与する作
に対応するようにしている。
に「融資が受けられない」と
業等を通じて実態把握に努め、ま
○資金使途(設備資金又は運転資金)にかか
いうことはない。
た、日常においても極力お取引先
わらず、案件毎の審査を行っており、若干 ○健全な企業や将来性のある
と接点を持って情報収集するよう
の時間は必要である。しかし、審査に時間
企業の前向きの資金需要に
に心がけている。
がかかり資金手当てに間に合わないとい
対しては積極的に対応して ○担保=不動産・有価証券等物担と
うことはない。
おり、また迅速な対応に努め
いう意味での担保偏重主義は含み
○お取引先の事情を考慮し、審査結果につい
ている。
経営を助長させるものであり、改
ては極力早期に回答することを徹底して ○案件は総合的判断から諾否
めている。
いる。
を決定するものであり、そも ○担保に偏ることなく、お取引先の
○政投銀などでは審査に 1∼3 ヶ月程度要し
そも必要なときに融資を受
事業内容、業績、キャッシュフロ
ており、民間の方が時間がかかるというこ
けられることを前提とした
ーの見通し等を十分把握し、総合
とでもない。
考え方自体、妥当ではない。
的な判断のもとで融資の可否を判
断している。
○リスクに見合うリターンが得られ
るのであれば、必ずしも担保等に
固執することなく与信を行う方
針。
○デフレにより担保価値が下落する
ことを踏まえ、担保等に偏重する
審査体制はとっていない。
○担保に偏重しているのは、どちら
かと言うと政府系の方である。
○スコアリング審査制度の導入、自動審査モ ○商品ラインアップを幅広く ○現在は、案件格付の導入等により、
デルやシステム判断商品の構築、審査実務
取り揃え、できる限りお取引
物担のない会社に対しても、その
の電子化等を検討しており、審査プロセス
先の要望にこたえられるよ
事業内容や特性を理解しキャッシ
の短縮を図っている。
うな体制は構築されている。
フロー例えば売掛金の補足を図る
○信用格付や自己査定により企業内容をあ ○環境変化や多様化する顧客
ことにより実質保全を図った上で
らかじめ十分に調査、分析しておくこと
ニーズをより肌理細かく把
の貸出等も行なっている。
で、個別案件審査に要する時間の短縮をは
握し、資金ニーズ需要に適切 ○単純な担保主義にとらわれず、個
かっている。
に対応するべく、顧客の特徴
別の事業等が生み出すキャッシュ
○信用格付けの高い取引先に対する案件決
属性に応じたチャネル展開
フローのみを償還の財源とするノ
裁権限の下位権限者への委譲。クレジット
を進めている。
ンリコースローン等新しいローン
ライン制度の導入等により、一定金額まで ○事業の実態等を見極め、その
にも積極的に取り組んでいる。
は現場の判断で融資実行が可能。
事業・資金計画が合理的で真 ○事業法人部門の営業部を業種など
○全体として人員削減が進められるなか、審
に必要な資金であれば前向
を区分として再編成を実施し、各
査部門に関しては人材を投入し、迅速かつ
きに対応する方向で検討を
産業に対する知識及び経験を蓄積
適切な審査が為される体制確保に努めて
行うが、基本的には個別案件
する体制を整えている。
いるところ。
に応じて判断している。
○案件・取組毎に信用度を測り、必
○インターネットを活用した取引先企業と ○コミットメントライン等の
要であればその格付を付与。
の迅速・簡便なコミュニケーションチャネ
新種の与信形態にも積極的 ○個別企業の事業内容については、
ルを開設する。
に対応。
本部に業種別担当者を設置する
○業種毎の案件チェックシートの整備を図 ○県の制度融資等での対応を
等、十分理解するよう努めている。
る、営業店内での案件受付情報の共有化を
行っている。
○信用格付が劣る企業については担
図る等により、一次審査部署である営業部
保要求は当然であり、担保が提供
店の審査効率向上に努めている。
できない場合にはリスクに応じた
○債務者毎の信用格付に加え、資金使途毎に
金利の引き上げが必要である。
各要素を類型化した「案件格付」を導入し
ている。本件導入は、貸出案件毎のクレジ
ットコストの計測を目的とする他、貸出条
件の迅速な提示に資する効果があるもの
と考えている。
○リスク管理徹底の観点から、一般案件はす ○個別案件における対応の可 ○外資系ベンチャーファンド等が、
べて本部決裁にしていることから、時間が
否は、公共性・安全性・収益
直接経営参加しているようなケー
かかるという面もあると思われるが、企業
性・成長性・与信集中回避等
スと比べると、邦銀には事業リス
側のディスクロ開示における交渉に時間
の観点から総合的に判断し
クの把握において劣後している面
を要するケースもある。
ており、必ずしも顧客の要望
は否めない。
○消費者金融のような小口分散型の与信業
に沿えない場合もある。
○企業の事業内容、将来性等は審査
務を行っているわけではないため、案件の ○今後の妥当性ある事業計画
の重要なファクターと捉えてお
リスク評価、リターンの適正さ等を検討す
等が示される先に対しては、
り、担保等は必要に応じてお願い
る時間はある程度必要。
救済資金等の貸付けを検討
している。
○銀行経営の健全性確保の観点から、企業の
しているが、最終的には銀行 ○赤字・債務超過であるにも関わら
信用力、償還可能性等十分審査の上融資の
と取引先は債権者、債務者の
ず、リストラ等事業計画にビジョ
可否を決定する必要があり、審査に一定の
立場であり、ロスの可能性の
ンのない経営者が多いのも事実。
時間を要することは理解していただきた
高い貸出は行なえない。
○中小企業はそもそも事業内容に関
い。
○自己査定の厳格化に伴う引
する客観的資料が不足しており、
○審査は必ずしも機械的に判断できるもの
当コストの上昇等を勘案し
調査に苦慮している。担保の取得
ではないことから、一定の期間を要する。
た場合に、金融機関の与信方
はある程度やむをえない。
○申告書の信憑性等、日本の税法、商法の運
針もその時々の環境に適応 ○諸外国でも担保徴求の条件は厳し
用では中身の検討に時間を要する。
していかねばならない。
い。ただし、エンゼルのような資
○審査に必要な資料や情報の提供が滞って ○再建可能性がない不健全企
金調達の多様化が進んでいるわけ
いるケースが多く、借り手サイドの問題で
業の後ろ向きの資金需要に
で、日本では肥大化した公的金融
もある。
は経済合理性がないので応
の存在がこうした市場の形成を妨
じることができないが、当然
げている。
のこと。
28
与信判断、条件の設定・変更等に際
して、十分な説明が得られない
○内部の基準には、お取引先に開
示できないものもあるが、基本
的に、十分な説明を尽くすよう
心がけている。
○ご融資の金額、期間、適用金利
等の条件設定や、与信判断につ
いては、判断材料の開示も含め、
営業部店より十分ご説明し、ご
理解を得た上で対応させて頂い
ている。
○外部公表格付け等をメルクマー
ルとして、顧客企業の信用力の
状況、それに見合う貸出条件等
を、顧客に十分説明し、理解を
得たうえで、与信の実行、条件
の設定・変更等を行うよう努め
ている。
○与信判断として謝絶する場合
も、その内容について十分に説
明を行っている。
○コンプライアンス遵守の観点か
らも、顧客企業に十分説明を行
うよう指導している。
○格付の開示、条件の提示等を解
りやすくする様、努めていく。
○法人担当者 1 名あたりの担当法
人数の削減等を通じ取引先との
コミュニケーションを密にし、
取引先の信用状態や貸出条件等
をより一層ご理解頂くよう、全
行挙げて取り組んでいる。
○従来は社内格付の開示等にため
らいもあり、信用コストや資本
コストを勘案した適正金利と実
態との間に大きな乖離も生じて
いたが、今後は民間金融機関自
身の損益改善を図る中、金利や
その他条件の提示に至る経緯等
を開示説明していく風潮は増え
ていくものと思料。
○漠然とした内容、仮定や将来の
申込みについては当然ながら明
確な回答ができない。
○与信判断の根拠については、守
秘義務にかかわる点、当行のノ
ウハウにかかる点については開
示できないがやむを得ないも
の。
○計画の実現可能性について借り
手と金融機関との間で開きがあ
りすぎる場合に否決をする場合
があり、そうしたときに借り手
からは説明が得られないケース
として不満をもたれているので
はないか。
Ⅲ 政策金融の存在に伴う潜在的コスト
Ⅲ - 1 政 策 金 融 機 関 が 市 場 実 勢 と は 異 な る 融 資 条 件 (低 金 利 な ど ) を 提 示 す る こ と に よ っ て 、 金 融 市 場 の 価 格 ( 金 利 ) 形 成
メカニズムが歪められていると思いますか。
計
(行)
全銀協
12
地銀協
52
第二地銀協
39
信金協会
46
信組協会
28
合計 177
無回答
9
思
う
思
わ
な
い
分
か
ら
な
い
12 0
0
47 2
3
28 6
5
37 4
5
17 4
7
141 16 20
80% 9% 11%
・「思う」とした回答が80%と大半を占めた。
Ⅲ-2 個別銀行レベルの金利設定に対する影響に関し、政策金融機関が市場実勢とは異なる融資条件等を提示することが、
民間金融機関が利ざやを確保できない要因であると思いますか。
計
(行)
全銀協
12
地銀協
52
第二地銀協
39
信金協会
46
信組協会
28
合計 177
無回答
9
主
な
要
因
で
あ
る
1
6
2
2
1
12
7%
要
因
の
考一
えつ
らと
れし
るて
分
か
ら
な
い
思
わ
な
い
11
0
43
3
31
5
42
0
24
1
151 9
85% 5%
0
0
1
2
2
5
3%
・「主な要因である」とした回答は7%であったが、「
要因の一つとして考えられる」とした
回答とあわせると92%と大半を占めた。
Ⅲ-3 政策金融機関が長期資金を供給してきたことにより、資本市場の発達が遅れてきた面があると思いますか。
計
(行)
全銀協
12
地銀協
52
第二地銀協
39
信金協会
46
信組協会
28
合計 177
無回答
9
主
な
要
因
で
あ
る
0
2
1
2
0
5
3%
要
因
の
考一
えつ
らと
れし
るて
思
わ
な
い
分
か
ら
な
い
11
1
0
38
6
6
23
7
8
27 10
7
12
9
7
111 33 28
63% 19% 16%
・「主な要因である」とした回答は3%であったが、「
要因の一つとして考えられる」とした
回答とあわせると66%と過半を占めた。
・上位業態ほど、「思わない」とした回答の比率が低かった。
29
Ⅲ- 4 上記のほかに、政策金融機関の存在、融資条件の設定等が金融システムに及ぼしている悪影響等が考えられれば挙げて下さい。
○上記全ての総括となるが、郵便貯金も含めた政府系金融機関の存在及び市場原理に必ずしも則らない融資条件等により、金融市場が十分な機能を果
たせない結果、成長分野への十分なリスクマネーの供給が行われず、経済の活性化・構造改革進展の足枷となっていると考える。
○企業の自然淘汰を阻害。
○政策金融機関から提供される特別な長期の固定金利融資等により、本来調達すべきではない資金を低利・固定金利といった条件にひかれ企業が調達
してしまい、自らバランスシートを崩すケースも散見される。
○貸出市場に占める巨大なシェア(平成 12 年度末で約 28%)のために、民間金融機関の業務を圧迫し、収益力の向上を阻害している。
○リスクを反映しない金利設定により、民間の既存貸出を剥奪しており、市場原理の歪曲化がなされている。
○プロジェクト案件の融資実行後、経常面のフォローがない為に、プロジェクトが悪化した際の借入金返済負担が民間に押し付けられるケースがある。
○実行済み案件の条件変更ができない場合が多い。
○担保設定順位(第一位設定)による弊害。
○住宅ローン金利運営の硬直化
Ⅲ- 5 上記のような種々の悪影響(と指摘されるもの)について、コストとして数値で把握するような方法は考えられますか。
○例えば、民間金融機関の貸出コストレートである円スワップレートと、政府信用力の表象である国債・政府保証債のレート差(同期間比較)は政府
系金融機関の有利調達状況(民業圧迫の一因)を、同一顧客における政府系金融機関からの借入金利と発行社債レートの差は、社債発行が可能な優
良企業に対する恩典=資本市場発達阻害の一要因を表しているものと考えられる。
○リスクに基づいて計算した銀行の金利と政策金融機関の金利との差をコストとすることが考えられる。
○政策金融からの借入がある債務者とない債務者の民間からの借入平均金利を比較。
○政策金融との競合により民間が実行できない、あるいは金利低下圧力を受けた案件の数を集計し、逸失収益を算出する。
○貸倒コストと貸出金利との採算性を検証。
○民間と同一の信用リスク測定手法を用いた将来の税負担額の見積もりや、貸倒引当金の所要額等を、民間並みの基準で開示し、国民の負担を明確化。
30
Ⅳ
現 下 の 経 済 情勢 に 関 連 し て
<「貸し渋り、貸しはがし」との批判について>
Ⅳ- 1 民 間 金 融 機 関 の 貸 付 残 高 が 継 続 的 に 減 少 し て い る 現 状 に つ い て 、「 貸 し 渋 り 、貸しはがしである」、「 民 間 金 融 機 関 の 仲 介 機 能 が 不 全 に 陥
っている」等の指摘がありますが、民間金融機関自身(供給サイド)としてはどのように考えていますか。97∼98年当時の状況と比較し
てどうですか。
貸し渋り
否定
○民間金融機関の貸付残高が減少している理由は、企業の資金需要が低調であること、不良債権処理が進んでいることに加えて、特に優良企業において
バランスシートのスリム化を狙った貸金返済圧力が依然強いためであり、貸し渋り、貸しはがし等の批判は当たらない。
○健全な企業の資金需要を積極的に発掘するよう努めているが、近年の経済の低迷により、案件の採り上げ額が、不良債権の回収や返済額を埋めきれて
いないのが実情。
○貸付残高が減少している要因としては、低スプレッド貸出に対する適正水準での金利引上交渉における返済によるもの等もあり、いわゆる貸し渋り等
はない。信用リスクに見合った金利確保や適正なポートフォリオを目指した各行の努力が誤解されているにすぎない。
○民間金融機関は健全な事業者の前向きの資金需要に対しては積極的に対応しており、事業金融は円滑に実施されている。貸し渋り、貸しはがし、金融
仲介機能の不全という状態は存在しないと考えている。
○「貸し渋り」等の批判がなされるのは、長引く景気低迷の中で継続的に業績が悪化している企業が多くなっている結果として貸出申出に添えないケー
スも少しずつ増えてきていること、取引先の信用リスクの拡大に見合う貸出金利引上げ交渉が行われていること、などによるものと思われる。
○過剰債務先に対して、債務軽減策として資産売却や相殺を提案することはあるが、それを貸し渋り・貸し剥がしであると曲解されているケースがある。
○民間金融機関としては赤字資金充当など経済合理性に反する貸出を行うことはできないが、そのことは健全な資金需要に対して金融仲介機能がストッ
プするという本来のクレジットクランチとは異なる。
○不況が続けば貸出金が減少するのは当然のことであり、不況下で無理やり融資すれば 98 年の安定化保証制度の二の舞になる。そもそも残高減少=貸
し渋りという考え方自体が疑問である。こと優良企業においては、残高減少の要因は「貸し渋り」ではなく「借り渋り」である。
○借り手から見れば「貸せない」=「貸し渋り」ということになるのだろうが、金融機関としても十分な検討なくしての貸出はありえないわけで、継続
的な企業努力を行うことなく、環境や経済状況・取引条件の変化のみを企業内容の悪化理由とする企業サイドの姿勢にも目を向けるべきである。
○お客様とのご融資の相談をする際には、財務内容・事業内容などをふまえた総合的・合理的な判断に基づき、金額等の融資条件を決めるとともに、判
断材料を開示するなどして、理解を得るように努めている。したがって、当行としては「貸し渋り・貸し剥がし」を行っていないと認識。
○貸付残高の減少要因は、①景気の低迷、②低採算の投資圧縮による資金調達の抑制、③資金調達手段の多様化(直接金融・資産の流動化・コミットメ
ントラインの活用等)、④金融機関の貸出オフバランス化(償却を含む)等によるものと考えられ、健全な経済活動に要する資金需要について、引き
締めを行っているとは考えられない。
○地域金融機関の立場では、貸し渋りを行うことによって当然レピュテーショナルリスクに影響が出てくるため、業績が悪化し格付が低下している先に
対しても再建支援を基本とし、できる限り前向きに取り組んでいる。
○金融検査の厳格化が進む中で、自己査定業務を通じた債務者区分の認定がより厳しくなっていることが影響している。
○制度として廃止済みの経営安定化制度の約弁が進んでいることも、貸出残高減少の要因となっている。
97、98 年
との比較
○現在、一部の企業等から銀行に対する“貸し渋り”批判があるが、銀行サイドとしては、97∼98 年のような資金繰り懸念が急速に強まる状況にはない。
これは、①銀行の預金・貸出バランスは大幅な預金超過であり、資金面での逼迫感は乏しい、②日銀の量的金融緩和により短期金融市場に供給される
マネーの量は潤沢、③突発的な資金不足に対しても、日銀のロンバート貸出というセーフティネットが整備されている、ため。
○97∼98 年当時は、大型の銀行破綻をきっかけにして金融システム危機や企業間信用の急速な収縮が生じたこと、そうした事態に対応するためのセーフ
ティネットの整備が十分ではなかったこと等により、確かに「貸し渋り」等が起きていたと言わざるを得ない部分もあったかと思われるが、現在はそ
うした状況にないことは明らかである。
○97∼98 年当時は、多額の不良債権処理に伴い銀行の自己資本に減少圧力が掛かっていたところへ、大手金融機関の経営破綻に伴い金融システム不安が
急速に強まった。
○97∼98 年当時と比較すると、企業側が必要以上の資金調達をしておらず、当時と比べると落ち着いている。
○97∼98 年当時と異なり金融機関が運用する資金は潤沢。むしろ事業者の資金需要が後退している感があり、民間金融機関は運用先に不足しているよう
な状態。
○97∼98 年当時と比較して、担保価値の減少、業況の悪化、案件の質の悪化により結果的に貸付残高が減少傾向にあるのは事実である。
○97∼98 年当時も中小企業向け貸出を推進しており、貸し渋りはなかった。
対応その他
○貸付行為は一定のリスク管理の下でおこなわれる、一定期間内での返済が前提となった与信行為である。したがって、新規の貸出、更新(これも新規
の与信行為である)の際には、その企業内容、返済計画等についての妥当性を検証の上、その可否を決めることは銀行の権利であり、またそのような
検証をなさずに資金供給をおこなうことは「預金者保護」という銀行の重大な責務に違背するものと考えている。「預金者保護」と金融の円滑化の両
面のバランスに配慮し、債務者とも十分に話し合う等引続き意を用いていく所存。
Ⅳ- 2 結 果 的 に 、「 貸 せ な い 」、「 貸 付 を 継 続 で き な い 」、「 与 信 総 額 を 減 額 す る 」と い っ た 判 断 と な る ケ ー ス に つ い て 、近 年 の 増 減 傾 向 を 教 え て
下さい。
増えている
特に変化はない
減っている
分からない
計
(行)
全銀協
10
地銀協
50
第二地銀協
40
信金協会
46
信組協会
28
合計 174
無回答 11
4
21
19
24
16
84
48%
4
26
16
21
12
79
45%
0
0
4
1
0
5
3%
2
3
1
0
0
6
3%
・「増えている」、「特に変化はない」とした回答が、全体のほぼ半数ずつを占めた。
・「減っている」とした回答は3%に過ぎない。
31
Ⅳ- 3 結 果 的 に 、「 貸 せ な い 」、「 貸 付 を 継 続 で き な い 」、「 与 信 総 額 を 減 額 す る 」と い っ た 判 断 と な る ケ ー ス の 主 な 要 因 に つ い て 、以 下 の う ち か
らあてはまるものの順位・割合の実態をお聞かせ下さい。
ア
銀行の自己資本比率を保持するために、全体的に与信を抑制している
イ
自己査定の適用範囲拡大や厳格化等により、当該企業の与信基準・条件が引き締めになった
ウ
企業の業況が良くないため格付けを引き下げ、当該企業の与信基準・条件が引き締めになった
エ
リスクに応じた基準金利に引き上げる交渉をしたが、企業が受け入れなかったため、与信を抑制した
オ
後ろ向きの追加資金、事業環境の悪化リスク等、案件の質が悪い
カ
新規先の申し込みが増加したが、応諾できない先が多く、結果的に案件否決が増加した
キ
その他
(複数回答)
キ
カ
オ
エ
1
31
23
32
17
104
62%
ウ
イ
0
0
0
4
1
5
3%
計
(のべ)
28
128
113
109
75
453
ア
計
(行)
全銀協
10
地銀協
47
第二地銀協
42
信金協会
42
信組協会
27
合計 168
9
8
9
0
1
40 11
38
5
3
35
9
39
4
3
25
2
37
9
0
22
0
27
5
3
131 30 150 23 10
78% 18% 89% 14% 6%← 対 行数
・回答した銀行等のうち、89%が「オ」、78%が「ウ」、62%が「イ」を要因として指摘している。
Ⅳ- 4 上 記 の 要 因 の 近 年 の 増 減 傾 向 は ど う で す か 。
分類
Ⅳ‐3
Ⅳ‐4
コメント
近年の増減傾向について
業況低迷・後
向き資金需要
増大
(ウ、オ)
○経済環境が悪化しているため、後ろ向きの資金需要での申し込みが増加すると共に、 ○経済環境の低迷に伴い、後ろ向きの資金需要や業況の低迷と
健全企業は債務圧縮に走る傾向があり前向きの資金需要は減少している。また、経
いった要因が増加しているように思われる。
済環境が厳しいため個別企業の業況が悪化する例が多い。
○こうした要因は、2年前に比べ増加したと認識する。
○業況が良くないための格付引き下げ、事業環境の悪化による個別案件リスク判断の
厳格化により、与信金額、取引条件が合致しなくなることが主因。
査定の厳格化
(イ)
○格付の引下げによる信用コストの増加は民間金融機関の経営に多大な影響を及ぼす ○デフレ傾向、自己査定厳格化等が進む中、増加傾向にある。
こともあり、現在の景気低調期においては、慎重かつ厳格な審査判断が必要となる。
○自己査定運営の厳格化、また与信コストの数値化による適切なリターンの確保の追
及が裏腹の関係にあることも事実である。
金利交渉
(エ)
○公社債市場の拡大や格付制度の浸透等により、信用リスク毎の具体的な金利較差が ○景気の長期低迷等を反映して、こうした要因が増加傾向にあ
明らかになってきており、これが相当程度大きなものにならざるを得ないにもかか
る。
わらず、企業間信用力較差が適用金利にほとんど反映されない状態がオーバーバン ○リスクとリターンの観点からの与信取引判断の比重が高まっ
キング下で現状まで継続してきており、企業側は依然楽観的な見方をしている。
ており、ここ1∼2年で注力している項目である。
○取引基盤の再構築に向け鋭意展開中であり、ポートフォリオの観点も含めたリスク ○従来同条件継続についても、適切なリターンの確保に向けて
とリターンが見合う限りにおいては、積極的に与信取引を行なっている。
の取引先との条件交渉が常態化している。
32
Ⅳ- 5
現在の経済低迷状態において、政策金融が特別な対応を行うとした場合、どのような具体的な政策目標、対象・手段をもって対応する
の が 効 果 的 と 考 え ま す か 。 当 該 特 別 の 対 応 に つ い て 、 終 了 の タ イ ミ ン グ は ど の よ う に 設 定 さ れ る べ き と 考 え ま す か 。【 自 由 回 答 】
Ⅳ-5
政策目標
○民間業務補完により、積極的にリスクを取り、資金供給を行う。
○政策目標としては、外的要因に基づく企業の突発的破綻の回避であり、主なものとしては、①経済低迷という環境要因に伴う事業遂行上の運転資金調
達の不足を補うこと、②体力回復に必要な不稼動資産の処分・消却を実施するのに必要な運転資金の支援が挙げられる。
○政策目標は、「経済的合理性、即ち民間金融機関のみでは担うことのできない役割を果たす」ことにある。しかしながら、政府系金融機関の過剰な資
金供給により、経済の新陳代謝・活性化のスピードが損なわれないようにすることが肝要。
○形式的に破綻懸念先と判断される先について、雇用対策や、倒産した場合の社会への伝播回避、等の観点から、企業再生の可能性、もしくは延命の可
否等を判断のうえ、政策的に支援諾否を決定し、直接貸出や債務保証を行うことは効果的と考えられる。
○イノベーティブな金融手法の普及、新規産業の振興、大規模災害時の復興支援。
対象
○超長期のプロジェクト開発(債務保証、利子補給)、中小企業(運転資金等を直接融資)、大型倒産等の影響をとめる(運転資金等を直接融資)等の他、
ベンチャー企業の支援、企業再生資金の支援が考えられる。
○農業、漁業、水産関連、建設業関連。
○地域振興の観点から、地域地場産業に限定した融資制度を作ってはどうか。
○基本的には民間が活力を最大限に発揮できる環境作り(金融面でいえば保証や利子補給等)が最も重要であり、政策金融が貸出の手法によって担うべ
き役割は稀少であると考える。ただし、例えば財務内容の脆弱な企業等への貸出が、真に政策的に必要であれば、全面否定するものではない。また、
これらの場合においても、原則、補完的手段とすることが望ましい。
手段
○民間金融機関の貸出等への保証を柱とした政策金融を行うべき。
○民間による資金供給に対する政策金融による保証、貸出債権の買取と政府による利子補給、および税制の活用等の補完的手段が望ましい。
○種々の批判はあるが、安定化特別保証制度のような分かりやすい制度は手段として有効である。
○業況不芳先の既存貸金については、返済期間延長や金利引下げ等の特別支援が必要ではないか。
終了のタイ
ミング
○ケースバイケースではあるが、基本的に各政策金融の制度を最長でも1年間のサンセット方式とし、毎年第三者監視機関による見直しが行われるとい
うような案は検討できないか。
○手段としては、最大3年間程度の期間に限定した運転資金への公的保証をもっておこない、対応期間は2∼3年程度で原則打ち切るべきと考える。
○経済環境が好転し、特に中小企業の業績が安定するまで実施されたい。倒産件数やGDP等、何らかの経済指標をターゲットとし、経済指標が目標水
準に安定的に達した時点で終了とするのが望ましい。
○1年毎に経済環境を調査し、目標とした例えばマクロ的雇用等が確保された場合等に、制度を終了する。
○ただ延命を図るだけの融資ではなく、人員削減等の具体的な経営改善の実行を必須条件とした政策金融を実施し、例えば 1 年ごとにその改善状況を監
視し、経営改善の達成時に終了する。
その他
○企業はバランスシートの改善を要望しており、政策金融からの支援を、民間の借入返済に充当するケースが増えるだけに終わる可能性があり、「特別
な対応」の定義付けは困難と思料。
○経済低迷の状況を金融面だけで挽回しようとすること自体無理がある。景気の低迷は産業の空洞化や海外製品の国内進出、産業構造変化に伴う中小、
地場産業の衰退が原因であり、金融の円滑化では直接的な効力を示さない。したがって、政策金融では対応不能であり、経済構造再生のための総合的
な政策が必要である。
○特段具体的な案は無いものの、本件アンケートの様に民間金融機関の意見を吸い上げ、「公的金融機関の自立性」よりも「民業補完」の観点を第一に
取り組むことで、自と明らかになっていくと思われる。
○政策決定に際して議論を尽くすことは必要であるが、市場経済が必要とするタイミングを逃すことのないように対応することが肝要。
○事前に官民の分担割合について協議を行ったうえで制度制定を行うべき。
○政策金融による画一的な与信対応では脆弱企業の赤字補填、問題先送りにつながり、一律に対象にする必要はない。
○政府系金融機関もALM管理を徹底するべきである。
<その他の意見>
○中小公庫は設備資金が主体であり、現在の緊急経営安定貸付制度への一時的な引き合いを持って、マーケットメカニズムを度外視した政策金融の必
要性を議論するべきではない。
○売掛債権担保融資制度は、手続き等書類が煩雑であり、顧客の取引関係の悪化を招くことから、積極的に対応できていない。書類や取引慣行に合っ
たより簡素な方法を考えるべき。
○地域金融機関としては、中小企業者への支援はそのまま地域の活性化につながるため、戦略的に重点を置いている。同時に、アドバイスを通じて企
業の健全化に資するよう努めている。
○政府系金融機関が長期・低利の貸出を武器にDM等により勧誘を行っているので、貸出の減少や金利引下げが起きるケースもある。
○商中以外の機関でも、割引を含む短期資金の取扱を実施してはどうか。
(セーフティネット関係)
○公営企業金融公庫は、主に民間金融機関などから政府保証債等という形で調達した資金を地方公共団体に貸し付けているが、リスクアセット 0%であ
り、民間でも十分対応可能な融資と考えられる。
○かつては民間金融機関の資金ポジションがタイトであったため、民間で対応可能な案件であっても政府系に任せざるを得ない状況もあったが、現在
はそうした状況にはなく、政府系に依存するべき案件は格段に減少している。
○政策金融は、予算消化とも思われる形で広く一般を対象にし、かつ民間でも十分対応できる地場の優良企業に対して営業活動を行っているのが実態
である。
○業況低迷先に対しては、メイン・サブ行である民間金融機関が、政府系金融機関の償還金まで対応しているのが実情である。また、政府系は条件変
更等に応じないことが多く、返済条件の緩和等に対して消極的である。
○政府系は単に低利のみを前面にした資金供給が目立ち、いざ資金繰りに困ったときには民間以上に保全が厳しく、対応が否定的になる。長年に渡り
できる限り面倒を見てきた民間の対応とはかなり違う気がする。
33
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