Comments
Description
Transcript
情報誌『ばろっくざーる』Vol.55 中面
― 今、夢に描いていることがありましたら教えてください。 ASO:女性の作曲家に興味を持っていて、 これは今後のプロジェクトにしていきたいと考えています。女性 主 催 公 演 情 報 作曲家には、本当に素晴らしい人、興味深い人がたくさんいるので、その魅力をもっと知ってもらいたいです。 ピアノリサイタル ピ (日)17時開演(16時30分開場) 平成28年10月9日 ― 最後に、アリスさんの演奏を心待ちにしているファンの皆様へメッセージをお願いいたします。 ASO:私と一緒にワンダーランド (Wonderland)、そして反対の暗い世界を冒険していただけたらと 思います。いろいろなホールでいろいろな音色を聞いて、曲の解釈を感じていただけたら嬉しいです。 そして、感じたことを教えていただけたら…。反応が返ってくることが、本当に嬉しいのです。では皆さま、 アリス=紗良・オッ アリス オ ト 京都・青山音楽記念館バロックザール ◆ プログラム/グリーグ:抒情小曲集(抜粋) プログラム/グリーグ:抒情小曲集(抜粋) グリーグ:ノルウェー民謡による変奏曲形式のバラード Op.24 コンサート会場でお会いしましょう! ◆ 入場料/ 4,000円(全席指定) リスト:ソナタ ロ短調 チケット完売 ― ありがとうございました。 医学を学びながら声楽を修めたことで知られる、 クリスチャン・ゲルハーヘル。その学術的なアプローチ 歌手の仕事を 「物語を語る」 ことだというゲルハーヘル。だからこそ、彼の演奏はまるで一本の映画を見て 人一倍強く、彼が録音したCDのブックレットは、そのまま学術論文になってしまうような内容の濃さと でしょうか。楽しみですね。 から、 「知性派バリトン歌手」 として、現在最も注目されている歌手の一人です。歌や歌詞へのこだわりが ボリュームが…。 打楽器奏者 窪田健志の 「現在(いま)」 に迫る ― 窪田さん、お久しぶりです!音楽賞を受賞された時にもインタビューをさせて頂きましたが、 あれから3年経ちました。受賞後はどのような日々を過ごしていらっしゃいましたか? 窪田さん (以下、敬称略) :研修費を頂けると分かった後すぐ、航空券の予約をしました (笑)。 そして、以前から訪れてみたかった、ロイヤルコンセルトヘボウ・オーケストラの本拠地、オランダのアム ステルダムを含むヨーロッパ旅行へ一週間ほど向かいました。パリやアムステルダムで、オーケストラの 演奏会やリハーサルを見学し、レッスンを受けてきました。その後も数回渡欧し、年間100回強の所属 オーケストラでの演奏も楽しみつつ、NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」収録や、宮崎国際音楽祭、東京オペ ラシティ文化財団主催のリサイタルシリーズ「B→C」 ( ※)に出演させて頂いたりと、充実した日々を 過ごさせて頂きました。 (※「B→C」 (ビートゥーシー)は東京オペラシティの名物シリーズ。 「 バッハ からコンテンポラリーへ」の略で、バッハ作品と現代作品を軸に、プログラムが組まれる。) フィッシャーは、自身が打楽器奏者で、 ミュンヘン国際コンクールの優勝者でもあります。 《Worken Studie》 は奏者だからこそ書けるような、ギリギリの線をついてきた難易度の高い、マルチパーカッション の《冬の旅》全曲リサイタルを開催します。 《 冬の旅》は、フランツ・シューベルトが1827年に作曲した 連作歌曲集で、詩人のヴィルヘルム・ミュラーの詩を用いた24の歌曲が収められています。何よりも 「音楽」 と 「言葉」の融合に心血を注いだシューベルトの大傑作を、ゲルハーヘルとフーバーはどのように 表現するのでしょうか。 今回、それを知るべく、彼らの録音やインタビュー記事、演奏会評などをたどっていきました。その中から 今日は、一つのヒントになりそうな、彼らの会話の一部をご紹介しましょう。絶対的な存在としてそびえ たつのは、2人の師である巨匠、フィッシャー・ディースカウでした。 の曲です。 珍しい楽器も数多く登場します。川島素晴さんの「タンブレラ王。」は、まるで全編アドリブで、パロディを やっているかのように思われる作品ですが、事細かに指示が記載してあります。ロビーにその楽譜を Gerhaher / はじめにフィッシャー=ディースカウの存在を知ったのは、CDの録音でした。 展示予定ですので、興味のある方はご覧頂ければと思います。 当然だけど、ものすごく感動したなぁ。ベルリンで知り合って彼の考え方とか哲学を吸収したわけ お願いしてあります。彼はなんと、川島素晴さんと同級生なんですよ!どんな曲が出来上がってくるのか ありませんでした。ですから、歌唱の方法とか、具体的なことを習ったわけではないのです。 前回は再演作品(既に世の中に存在している作品)のみでしたが、今回は加藤昌則さんに委嘱作品を が非常に楽しみです。以前はフルートのゲスト (田中玲奈さん) と共演しました。今回はクラリネット奏者 を招いて(共に頼れる大学の同期です)山川あをいさんのUTAシリーズから、Ⅶを演奏します。前回、 Ⅳを演奏した時に、バロックザールでのマリンバの響きを作曲者もとても気に入ってくださいました。 今回もホールの素晴らしい響きを感じて演奏出来ればと思っています。 他には小太鼓の有名な(ラヴェル作曲ボレロに使われている) フレーズから始まる変奏曲や、 ヴィブラ フォンを用いたマルチパーカッションの曲まで、今回も舞台に色々な打楽器空間を広げる予定です。 ― 名フィルでのお仕事について、教えて下さい。 窪田:今年度、名古屋フィルは創立50周年を迎えます。それに伴い、今年11月には関西公演(シンフォ ニーホール) も行います。京都にも縁がある小泉和裕音楽監督のもと、更なる飛躍の為に楽員一同、 邁進している最中です。 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏風景。 ― 練習はどのようにされていますか? 窪田:名フィルの練習場もあるのですが、別で楽器保管用の倉庫を借りていて、そのどちらかで練習 しています。立地の割に安価の為、夏場は湿気と暑さ、冬場は乾燥と寒さとの戦いです。全て置ける家に 住むには、宝くじが当たらないと無理! な気が…。打楽器奏者の宿命でしょうか…。 だけど、あの人はとにかくまず「演奏家」 としての自己があって、 「 教育者」 として学生と接することは Huber / 彼がよく強調していたのは、テクストが聞き手にわかるよう に歌う、語るように話す、 ということでした。その歌が自然に聞こえること、自然で ありながらも一個の芸術作品として成立していること。それが重要だ、 と。 Gerhaher / とはいっても、完全に語り言葉のようになってしまってはいけないんだよ。 その言葉が自然に生まれ出るように仕向けなくてはならない。一つの言葉からほかの意味合いが 生まれ出るように、詩の中に秘められた意味が自然と溢れ出てくるような歌を目指さなくてはなら ― 休日はどのように過ごされていますか?趣味などありましたら教えて下さい。 窪田:リサイタルなどが迫っている時には、ここぞとばかり練習しています。オーケストラ業務との両立 は、空き時間作りに苦労しますが、練習→リハ→本番のサイクルだけだと精神的に辛い&運動神経が 鈍るので、通勤を兼ねてサイクリングや名フィルに入ってから始めたタップダンスで、ストレス発散する ように心掛けています。映画館で映画を観るのは好きなのですが、最近の映画館は音量が大き過ぎて、 若干頭痛がするのは僕だけでしょうか… マリナス・コムスト氏、Pustjen Percussion Products(楽器 店)の社長と。 Huber / 主 催 公 演 情 報 それはそうだけど、テクストの意味を拡げ、理解できるように しつつ、音楽そのものを邪魔してはいけない。それがとても重要なポイントだよ。 Gerhaher / 音楽はときに埋没してしまうからね。ピアニストの弾く音楽はどうしても、あま り個性のないものになってしまいがちになる。もちろん歌曲において、ピアニストによる 「伴奏」が ― とっても充実した時間を過ごされたのですね。音楽賞を受賞されて、何か周囲からの反響はあり 窪田:何かを発信するには、一度、溜める必要があると思っています。漫画ドラゴンボールの「かめはめ マー) としての可能性を広げられるよう、打楽器を通して成長し続けていきたいと思います。 公 演 情 報 音楽をされてきましたか? が音楽の方向性を提示することが多いです。必ずではありませんが。しかし、ソロで曲と対峙する時は、 楽譜の読み方や作曲者の思惑、書かれた背景など、自分で全て探求する必要があります。文献などを ― 今回のリサイタルのプログラムについて教え なのかもしれない。抽象的な言葉をただ声にのせて響かせても、何の意味もないことですから。 (2011年12月、王子ホール・インタビューから抜粋) 窪田健志 打楽器リサイタル シャルル・リシャール=アムラン − Rhythm from Ancient and Uta − ジヴコヴィチ:Genellary spoken it is nothing but Rhythm 他 末子が書いたとされる18世紀のティンパニ・ソロの 曲を演奏します。受賞対象となったリサイタルでも ◆ 入場料:¥3,000(一般) ¥1,500(学生) ※当日各¥500増【全席自由】 ◆ チケット販売/ ティータ3番) を演奏したのですが、今回は無伴奏 ◎青山音楽記念館 ◎ローソンチケット チケット好評発売中 ☎075-393-0011 ☎0570-000-407(Lコード:54546) 3番に取り組み、 とても勉強になったのです。 ◎チケットぴあ ☎0570-02-9999(Pコード:300-560) マリンバでバッハの作 品(ヴァイオリンの為のパル リサイタルで使う手締め式のティンパニ。 チェロ組曲から4番に初挑戦します。というのも、3月に東京で「B→C」に出演した際、チェロ組曲の 他に2曲、演奏します。フィッシャーと川島さんの作品です。3月に東京で演奏したのですが、 とても評判 が良かったです。 ※セブンイレブン、サークルKサンクスでも購入可 ※未就学児入館不可 ピアノリサイタル (土)15時開演(14時30分開場) 平成29年2月25日 京都・青山音楽記念館バロックザール 加藤昌則:委嘱作品 for vibraphone、 川島素晴:タンブレラ王。 使い、ルイ13世時代に活躍したフィリドール一家の 開催決定! ∼オールショパン・プログラム∼ ◆ プログラム/ノクターン 第17番 ロ長調 作品62-1、 バラード 第3番 変イ長調 作品47 山川あをい:UTA Ⅶ for marimba and clarinet を購入しました。まずはオープニングでその楽器を チケット完売 主 催 公 演 情 報 ◆ プログラム/J. S. バッハ:無伴奏チェロ組曲 第4番 オランダで手締め式の古楽器レプリカのティンパニ ◆ 入場料:¥4,000【全席指定】 シャルル・リシャール=アムラン ピアノリサイタル 京都・青山音楽記念館バロックザール -Rhythm from Ancient and Uta-」 としました。 ※休憩はございません。※演奏時間は、およそ90分となります。 〈 2013年度 青山音楽賞研修成果披露演奏会 〉 窪田:現在まで、自主公演はサブタイトルを設けて いるのですが、今回は「古からのリズム、そしてウタ ◆ プログラム/シューベルト:冬の旅 ∼2015年ショパン・コンクール第2位、ソナタ賞受賞∼ (土)15時開演(14時30分開場) 平成28年9月10日 て下さい。 京都・青山音楽記念館バロックザール もちろん、歌曲における 「音楽」 というのは、いわゆる一般的な意味での 読んで知ることもあれば、作曲者と直接交流があった方にレッスンを受けて納得することもあり、演奏の 練習以外にもそういう角度からのアプローチも大事にしたいというのが当面の目標です。 (日)17時開演(16時30分開場) 平成28年10月23日 いま 「そこ」 にある音楽は何よりも重要だよ。 波」世代だからでしょうか? 今回のリサイタルは、この三年間で、僕が見聞したり、体験させて頂いたもの さんたちが受賞して下さったからこそなのですが。ところで、受賞後はどのような目標を持って 窪田:受賞できたことは一つの自信を頂いたと同時に、ソロ演奏ならではの不安も持つようになりま Gerhaher / シューベルト「冬の旅」 の一つの証しとして、観て、聴いて頂ければ嬉しいです。これからも、演奏のみならず、表現者(パフォー ― 皆さんに青山音楽賞を知ってもらえて嬉しいです。それは、窪田さんたちのような優秀な音楽家 した。オーケストラでは奏者それぞれの準備は勿論ですが、大抵の場合は指揮者がいますので、指揮者 Huber / ほど重要でない、と言ってしまってもよい。歌手がやるべきことはむしろ、 「 物語を語る」 ということ ― よく分かります。私も映画館に入ると、音の大きさに驚いてしまいます…。 ましたか? とう!」 と言われて、ビックリしたこともありました。音楽誌などで知った人もいたようです。 に、そういう考え方とは無縁です。 クリスティアン・ゲルハーヘル バリトンリサイタル 「音楽」 と少し異なるのはいうまでもありません。誤解を恐れずに言えば、テクストそのものはそれ さて、最後にこれからの目標を教えて下さい。 窪田:公演に来てくれた知人・友人は勿論ですが、都内に住む音楽仲間から急に「青山音楽賞おめで © alexanderbasta ない、 ってね。 あまり前面に出てこないのが当然、という考え方もあるけれど、我々二人の場合はありがたいこと パリのサル・プレイエルでの演奏会風景。 いるかのように、劇的であるのかもしれません。10月の公演では、 どんな「冬の旅」 を繰り広げてくれるの 今回は、そんな彼が信頼してやまないパートナー、ピアニストのゲロルト・フーバーと共に、シューベルト ∼ 2013 年度青山音楽賞「音楽賞」受賞∼ コンセルトヘボウ管のリハーサル風景。 クリスティアン・ゲルハーヘル ∼ゲルハーヘル&フーバー、 バリトンリサイタル 『冬の旅』歌とピアノを通して「物語を語る」∼ 2016 年10月23日 (日)開催 © Higashi Akitoshi 昨年、4年ぶりに行われたショパン国際ピアノコンクールで、カナダ人の シャルル・リシャール=アムランが堂々の第2位を受賞したことはみな 幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61、 序奏とロンド 変ホ長調 作品16 4つのマズルカ 作品33、 ソナタ第3番 ロ短調 作品58 さんの記憶にも新しいと思われます。そのアムランが、ソナタ賞(ツィメル ◆ 入場料:4,000円(全席指定) プログラムを引っさげて、2017年2月にバロックザールでピアノリサイタル ◆ チケット販売/◎青山音楽記念館 マン賞)を授 与された《ソナタ第 3 番ロ短 調》を含 むオールショパン・ 平成28年9月24日(土)午前10時チケット発売開始 ※チケットの購入上限枚数は、1回につき5枚までとさせていただきます。 ☎075-393-0011 を開催します。彼の性格をそのまま映し出すかのように、きわめて誠実 ◎ローソンチケット ◎チケットぴあ ような情熱も魅力的な若手ピアニストです。この機会にぜひ、バロック ※セブンイレブン、サークルKサンクスでも購入可 ※未就学児入館不可 で優しいピアノを奏でるアムランですが、時折かいま見える、ほとばしる ザールでアムランのショパンをお聴き下さい。 ☎0570-000-407(Lコード:57625) ☎0570-02-9999(Pコード:305−882)