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資料4-2「生涯学習の推進」

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資料4-2「生涯学習の推進」
第 18 回富山県生涯学習審議会
総合計画課題別研究会(第4回研究会
5
H17.10.7 開催)
資料4−2
(H17.10.17)
検討資料
生涯学習の推進
(1) 目指すべき姿
ア
県民一人ひとりが参画する生涯学習
すべての県民があらゆるライフステージで、一人ひとりの目的、ニー
ズや社会の新たな課題に応じて、自由に学習の機会や場を選択して学ぶ
ことができる生涯学習体系が確立していること。
・さまざまな現代的課題や個々の価値観やライフスタイルの多様化に対
応する学習活動が普及し、一人ひとりが自主的に生涯のどの段階にお
いても学ぶことができ、その成果を生かして、自己実現を図ることが
できる社会が確立している。
・インターネットやCATV、双方向サービスが可能である地上波デジ
タル放送など新しいメディアを介した在宅学習がこれからの学習機会
の場として普及している。
イ
県民の学習を支える学習基盤整備
学習情報の提供や学習相談等のサービスの充実、県・市町村・民間等
の相互の連携による学習支援ネットワークの充実など学習基盤が確立し
ていること。
・県、市町村や地元大学、民間事業者等の生涯学習を提供する機関・施
設等との連携・調整を図り、さらに、学習情報の提供や学習相談等の
サービスの充実など、県民の自主的な学習を支援できる基盤が確立し
ている。
・生涯学習の推進を支える民間団体とボランティア活動などについて、
新しい「公共」※1に基づき、その人的ネットワークが活性化している
とともに、支援体制が整備されている。
※1
新しい「公共」
:公共=行政でなく、行政と市民社会の諸主体が役割分担を改め
て見直しながら協働して支えるという概念。それに伴い、行政のみならず各主体
の考え方や行動様式、それを支える制度、仕組みを協働型に変えていく必要があ
る。
(中教審生涯学習分科会
「今後の生涯学習の振興方策について」審議経過の報告
h16.3 より)
1
第 18 回富山県生涯学習審議会
資料4−2
(H17.10.17)
(2) 現状と課題
ア
県民一人ひとりが参画する生涯学習
高齢化や情報化の進展、価値観やライフスタイルの多様化等に伴い、
学習ニーズの変化に対応する必要がある。また、主体的に学習に取り組
める場づくり、特に、新しいメディアを利用する在宅学習のシステムの
普及が求められている。
・高齢者が健康で充実した生活を送ることができるよう、生きがいづく
りとともに能力開発の講座など、新たな学習機会を展開することが求
められている。
・高度情報化の進展、グローバル化の進展、環境問題、少子高齢化、フ
リーター・ニート対策などさまざまな現代的課題や、今後新たに出現
する課題を必要に応じて学習できる仕組みが求められている。
・個々の価値観やライフスタイルの多様化に対応し、若者を含む各世代
の学習者の多様なニーズに対応し、主体的に学習に取り組むことがで
きるための仕組みが必要である。
・仕事や地域性などさまざまな制約によって、集合講座(1 つの会場に集
まって行う講座)を受講できない者やこれまで受講機会が少なかった
働き盛りの世代に向け、多様なメディアを活用した在宅学習の充実や
講座の開催時間等の多様化などのサービスの向上が求められている。
・公民館や図書館、博物館などの社会教育施設がそれぞれの特色を生か
した住民サービスを充実することが求められている。
・今後の団塊の世代の大量退職を控え、その経験と知識を生かし、生涯
学習や地域活動などのボランティア指導者としての活動の場を設定す
ることが求められている。
イ
県民の学習を支える学習基盤整備
急激に変化する社会に対応し、学習サービスの向上のため、県・市町
村、地元大学、民間事業者等との今まで以上の連携・調整が必要になっ
ている。また、増加する高齢者がその知識と経験をいかして社会参加で
きるよう支援する取組みが必要になっている。
・市町村合併等の影響や学習機会を提供する機関の増加、生涯学習の広
まりなどの急激な社会の変化に対応し、これら生涯学習を提供する機
関・施設相互の連携・調整を図り、広域学習圏や市町村域での地域格
差がない充実したサービスを展開することが求められている。
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第 18 回富山県生涯学習審議会
資料4−2
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・とやま学遊ネットの学習情報の提供は量的にも質的にも向上し、多様
化している学習相談にもこの学習情報が活用されている。今後は、市
町村や地元大学等との連携による学習情報の横断検索や双方向のサー
ビス機能を活用し、一人ひとりに応じた情報提供などのサービスを充
実していくことが求められている。
(3) 政策の基本方向
ア
県民一人ひとりが参画する生涯学習
高齢者を含めた各世代の職業能力を高める学習支援の充実、新たな受
講者層を開拓するITを利用した在宅学習の普及と利用促進、及び様々
な活動に参加できる仕組みの構築など、県民一人ひとりの学習ニーズへ
の対応を図る。
・生涯学習を提供する機関・施設が連携し、ライフスタイルが異なるさ
まざまな世代の学習ニーズに応じた学習機会の提供を工夫する。また、
今までの人間的価値を追求する講座に加え、職業的な知識や技術の習
得を実現できる講座の開催を支援する。
・高齢者、障害者、子育てや介護のために学習に参加しにくい人なども
含め、すべての人が安心して学ぶことができる環境の整備を図る。
・ITを利用したインターネット市民塾やテレビ放送講座などの在宅学
習の普及と利用促進を図る。また、放送大学の積極的な活用を図る。
・今後の団塊の世代の退職など、学習意欲が旺盛な高齢者の増加に対応
し、地域においてその社会経験や学習によって身についた知識や技能
を生かし、生涯にわたってさまざまな活動に参加できるようにする。
イ
県民の学習を支える学習基盤整備
県内どこでも等しく学習できるように、市町村等との連携の強化、様々
な学習サービスの充実や学習情報の提供に努め、県民の自主的な学習活
動や県民カレッジ事業の企画・運営への参画を支援する。
・生涯学習については、
「行政主導から県民主体へ」の流れや「行政が実
施しているカルチャースクールは廃止すればどうか。財政負担も軽減
され、一方で民活になる。」との意見がある。さらに、新しい「公共」
の観点も取り入れ、県民によるボランティア組織の立ち上げと県民カ
レッジ事業の企画・運営への参画をすすめる。あわせて、ボランティ
ア組織への支援体制を整備する。
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資料4−2
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・市町村や地元大学、民間等による生涯学習事業に対し、その地域性や
機関・施設の特色をいかした講座の開催や講師の提供、広報での協力
等により学習サービスの充実を支援する。
・とやま学遊ネットは多様化・高度化する学習情報に関する県民ニーズ
に応えるためさまざまな機能を有しており、今後も、とやま学遊ネッ
トにおける生涯学習情報の充実と利用促進を図る。
・ボランティア養成により、県民が主体的に生涯学習へ参画する場を設
定する。特に、ボランティア・リーダーを育成し、これらリーダーの
県民カレッジ事業への参画をすすめる。
(4) 今後取り組むべき重点施策
ア
ボランティア組織との協働による生涯学習の推進
生涯学習ボランティア活動の普及と活動の場の充実をすすめる。特に、
県民カレッジ協力団体を中心とした『とやま型ボランティア組織(※2)』
による県民カレッジ運営への参画をすすめる。
※2
生涯学習における『とやま型ボランティア組織』とは、県民カレッジ協力団体を中心と
し、生涯学習事業の企画・運営に関する資質を備えたボランティア組織をさす。
【重点施策を推進していくための具体的な事業、取組み】
①
とやま型ボランティアによる県民カレッジづくりと支援体制の整備
・とやま型ボランティア組織による県民カレッジ事業の企画・運営へ
の移行をすすめ、県民が中心となる県民カレッジづくりを行う。そ
のため、ボランティア組織への支援体制を整備する。
②
生涯学習ボランティア及びリーダーの育成と活動の場の充実
・団塊の世代の退職後の地域参加に対応した環境の整備をすすめ、生
涯学習の成果や自分の興味・能力を生かす仕組みを整備する。
・とやま学遊ネットや生涯学習施設でのボランティア登録を促進する
とともに、生涯学習ボランティアの活動の場の拡大を支援する。さ
らに、学校や地域活動をサポートする生涯学習ボランティアの育成
をすすめる。
・生涯学習ボランティアのモデルである自遊塾「県民教授会」や県生
涯学習団体協議会などの企画・運営の中心となるリーダーの育成を
すすめる。
4
第 18 回富山県生涯学習審議会
イ
資料4−2
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県民一人ひとりが参画する生涯学習
受講者ニーズに対応した講座や連携による講座の充実、多様なメディ
アを活用した学習機会の普及など、県民一人ひとりの多様な学習活動の
積極的な展開を支援する。
【重点施策を推進していくための具体的な事業、取組み】
①
多様なメディアを活用した学習機会の普及
・インターネット市民塾が開設する講座やCATVなどを活用する在
宅講座の普及、拡大をすすめる。特に、インターネットや地上波デ
ジタル放送での双方向性を活用した講座やフリーター、ニート対策
としてのeラーニング講座の充実、児童・生徒の学習にも利用でき
る講座の開発を行う。
・仕事や子育てなどの理由で従来の集合型講座を受講しにくい世代、
IT講習会を受講した後のシニア世代への利用促進をすすめる。
②
受講者ニーズに対応した講座の充実と連携による講座の開発
・大学や企業の出前講座や出前講師を活用する講座及び機関や施設相
互の講師派遣や学習の場の提供による講座を新たに開発する。
③
生きがいづくりやフリーター対策の職業能力開発など多様な学習機
会の提供
・民間教育事業者等による職業能力開発講座、地域の特色を持つ講座
や人間のあり方、生き方に関する講座の開催を支援する。
④
社会教育施設における利便性の向上
・休日開館や開館時間の延長によるサービス向上を行う。また、図書
館などの社会教育施設において、ビジネスや職業能力向上のための
コーナーを設置する。
⑤
社会教育施設間や学校との連携強化
・県立学校等の施設や特色を活用する講座、社会教育施設等でのIT
を活用した講座の開催を支援する。また、講座開催や講師派遣など
において、社会教育施設間での連携や学校との連携を支援する。
ウ
県民の学習を支える学習基盤整備
学遊ネットを中心とした学習情報の充実と市町村、地元大学、民間等
の連携による講座開催や学習相談など学習支援ネットワークの充実、学
習グループの育成と支援など、県民一人ひとりの自主的な学習活動を支
援する。
5
第 18 回富山県生涯学習審議会
資料4−2
(H17.10.17)
【重点施策を推進していくための具体的な事業、取組み】
①
とやま学遊ネットの情報内容の充実と利用促進
・とやま学遊ネットの充実した機能の周知と利用促進を図るとともに、
情報発生源における情報登録の促進による省力化や学習情報に関す
るニーズの分析による登録内容の精選を行う。
・図書館や各市町村との情報提供サービス体制の連携を強化する。ま
た、図書情報の充実と横断検索の活用促進を図る。
②
生涯学習講座の提供機関・施設における連携とサービス向上
・市町村、地元大学、民間事業者等による県民カレッジ連携講座を充
実するとともに、連携、協力体制を強化するため、広域学習サービ
ス会議を開催する。また、県民カレッジが蓄積した自遊塾をはじめ
とする講座開催等のノウハウを市町村等に提供する。
③
学習相談サービスの向上
・高度化、多様化する学習相談に対応するため、とやま学遊ネット利
用促進や市町村や地元大学等との情報交換による連携を強化する。
④
社会教育団体の活性化とネットワークづくり
・女性団体や青少年関係団体など社会教育関係団体のネットワークづ
くりを推進する。
⑤
自主学習グループの育成とネットワークづくり
・ボランティア組織強化を目的とする生涯学習団体協議会への講座委
託の拡大、自遊塾修了者等による自主学習グループ化への支援及び
自主学習グループの活動や発表、交流の場の提供を行う。
(5) 施策の成果の達成状況を示す指標
ア
ボランティア組織との協働による生涯学習の推進
①
生涯学習ボランティア年間延べ活動人数と登録人数
(出所:県民カレッジ)
・カレッジメイト、学遊ビデオメイト、自遊塾県民教授等生涯学習ボ
ランティア延べ活動人数と登録数
(富山県:H16 年度)
5,021 人
②
(全国:調査なし)
登録数 184 人
県民カレッジ主催講座受講者の受講満足度(出所:県民カレッジ)
・県民カレッジ主催講座の受講修了時のアンケート(無記名)において評
価が「たいへんよい」「よい」をあわせた割合
(富山県:H16 年度 調査数 1,306 名)
86.0%
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(全国:調査なし)
第 18 回富山県生涯学習審議会
資料4−2
(H17.10.17)
【目標値設定の考え方】
①
県民カレッジのボランティア組織による運営への移行や団塊の世代
を各種ボランティアとして活用することも想定されるため、生涯学習
ボランティアの登録人数及び延べ活動人数は増加が見込める。
②
イ
県民カレッジ主催講座受講者の受講満足度の目標値は 90%とする。
県民一人ひとりが参画する生涯学習
①
富山インターネット市民塾年間受講登録者数
(出所:富山インターネット市民塾推進協議会)
・富山インターネット市民塾の全講座における年間の受講登録者数
(富山県:H16 年度)
(全国:調査なし)
2,286 人
②
生涯学習の年間受講者数(出所:文部科学省社会教育調査〔3年毎〕)
・1年間の県内生涯学習関連講座(県市町村部局、県市町村教育委員会、
民間等で開催)の延べ受講生数及び人口 10 万人あたりの人数と順位
(富山県:H14 年度)
(全国:H14 年度)
383,580 人(19,431 人:9 位)
③
2,704 万人(16,651 人)
県民カレッジ関係講座における年間受講者数(出所: 県民カレッジ)
・1年間に県民カレッジ主催講座及び連携講座等の受講した人の数
(富山県:H16 年度)
(全国:調査なし)
16,698 人
④
県立図書館の年間利用者数(出所:県立図書館)
・1年間に県立図書館を利用した人の数
(富山県:H16 年度)
(全国:調査なし)
19.2 万人
⑤
県内市町村公立図書館の1人あたりの貸出冊数
(出所:(社)日本図書館協会「日本の図書館」)
・1年間の県内市町村公立図書館の1人あたりの貸出冊数
(富山県:H15 年度)
(全国:H15 年度)
3.91 冊(全国順位 33 位)
5.18 冊
【目標値設定の考え方】
①
インターネット市民塾は中教審生涯学習分科会の中間報告(H16.3)
にも在宅学習の例として取り上げられ、若者世代にも支持を受ける新
たな生涯学習の 1 つの形態として期待されている。今後、年 5%程度の
受講者の伸びを目標とする。
②
文部科学省「社会教育調査」によると、富山県では民間カルチャー
センター等の受講者の伸びが著しく、
「人口あたりの延べ受講生数」の
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第 18 回富山県生涯学習審議会
資料4−2
(H17.10.17)
全国順位は 39 位(平成 11 年)から7位(平成 14 年)に上昇している。ま
た、市町村を含めた首長部局や教育委員会開催講座の延べ受講者も増
加の方向にある。
県民カレッジの年間受講者は昭和 63 年の開学以来のデータが揃って
③
いる。ここ 5 年は毎年 1,000 人程度の増加がある。
④
図書館では本の貸出し以外に、講座の提供などさまざまなサービス
を行っている。リニューアルや全日曜・祝日開館等の効果により、利
用者は増え続けている。
(参考:H16 目標値上方修正 17 万人→20 万人)
ここ 5 年間は少しずつ1人あたりの貸出冊数が増えているが、全国
⑤
平均を下回っているので全国平均を目標値とする。なお、全国データ
は市町村データの集計を採用している。
ウ
県民の学習を支える学習基盤整備
①
とやま学遊ネット利用件数(出所:県民カレッジ)
・1年間にとやま学遊ネットから情報を引き出すため、サーバにアク
セスし、生涯学習情報を引き出した件数
(富山県:H16 年度)
(全国:調査なし)
36.6 万件
②
県民生涯学習カレッジ年間連携講座数(出所:県民カレッジ)
・1年間に県民カレッジの連携講座として認定された講座数
(富山県:H16 年度)
(全国:調査なし)
233 講座
③
富山県生涯学習団体協議会加入者数(出所:県民カレッジ)
・富山県生涯学習団体協議会に登録している団体の会員数の計
(富山県:H16 年度)
(全国:調査なし)
9,260 人
【目標値設定の考え方】
①
インターネットによる講座受講申込、県立図書館新システムの利用、
とやまデジタル映像ライブラリー・とやまオンライン映像館と連携し
た映像提供などの機能が充実しているので、利用件数は大幅に増えて
いる。(H17目標値上方修正 20万件→40万件)
②
全国的に生涯学習における連携講座の制度は導入されている。連携
講座数は平成 14 年に 200 講座を越え、さらに増えつつある。
③
加盟している団体および会員数は、ここ 10 年間 180 団体,会員数
9,000 名余りで推移している。今後、組織の強化を図りたい。
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