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(第18講 第二次世界大戦とドイツの戦略(2) / 1242KB)
第18講 第二次世界大戦とドイツの戦略 (2) ノルウェー・デンマーク占領 ○イギリス海上防衛の脇腹 ○ドイツ海軍、大西洋への アクセスが容易に http://de.wikipedia.org/wiki/Zweiter_Weltkrieg パリ陥落 1940年6月14日 http://www.geschichtsthemen.de/verschiebung_frankreichfeldzug.htm ヒトラー、国会で対英講和を呼びかけ 1940年7月19日 私はイギリス帝国に 損害を与えることを 意図したことは一度 もない。 http://www.stormfront.org/whitehistory/hwr62_files/AH_speech.jpg ドイツの2つの戦略目標 (1) イギリスを早期に屈服させる イギリスと講和して東へ (2) アメリカの参戦を阻止する 第一次世界大戦での苦い経験 イギリス屈服の軍事的手段(1) ロンドン空爆作戦 http://plaza.rakuten.co.jp/volfnsdap/5007 イギリス屈服の軍事的手段(2) 「あしか」作戦 海が荒れているなあ イギリス海軍も 強そうだなあ http://www.historylearningsite.co.uk/operation_sealion.htm イギリス屈服の軍事的手段(3) 「フェリックス」作戦 http://www.rikkyo.ne.jp/~z5000002/africa/060222-gib.htm ヒトラー・フランコ会談 1940年10月23日 そう言われま してもねえ・・ トラック1万台 いただければ ねえ ・・・ http://foroelsalvador.blogia.com/upload/20061229170352-franco-hitler-2.jpg おいフランコ! 内戦で助けて やったのは 俺だぞ! 忘れたのか ソ連の動向(1) ソ・フィン戦争(冬戦争) 1939年11月~1940年3月 http://www.winterwar.com/mainpage.htm フィンランドのスキー部隊 http://virtual.finland.fi/finfo/images/sotil.jpg フィンランドのスキー部隊(2) http://virtual.finland.fi/netcomm/news/showarticle.asp?intNWSAID=25937 フィンランド軍に攻撃されるソヴィエト軍 冬の フィンランド軍は 強いなあ http://www.stormfront.org/whitehistory/hwr62.htm ソ連の動向(2) バルト三国併合 1940年6月 http://www.landkartenshop.de/product_info.php?products_id=33 ソ連の動向(3) ベッサラヴィア(現モルドバ)の併合 1940年6月 http://www.mapzones.com/world/europe/moldova/mapindex.php ソ連の西漸 アメリカの孤立主義 Return to Normalcy ハーディング(のち29代アメリカ合衆国大統領)の 選挙キャンペーン 隔離演説 (1937年10月5日) 世界の9割の人々の平和 と自由、そして安全が、すべ ての国際的な秩序と法を破 壊しようとしている残りの1 割の人々によって脅かされ ようとしている。不幸にも世 界に無秩序という伝染病が 広がっているようである。身 体をむしばむ疫病が蔓延し だした場合、共同体は、疫 病の流行から共同体の健 康を守るために病人を隔離 することを認めている。 http://www.american-presidents.info/furankulinroosevelt.pdf Franklin D. Roosevelt 1940年7月のヨーロッパ http://www.ushmm.org/wlc/es/media_nm.php?ModuleId=10007556&MediaId=6799 1940年7月のヒトラーの情勢判断 「なぜイギリスは抵抗を続けるのか?」 http://www.giervalk.bravepages.com/GreatBritain/Great-Britain-Map-1.jpg ヒトラーの判断 1940年7月31日 「イギリスの希望はロシアとアメリカである。も しロシアへの希望が潰えれば、アメリカの希 望も潰え去る。なぜならロシアが脱落すると 東アジアにおいて日本の価値が飛躍的に高 まるからである」。 「ロシアは日本に向けられた英米の剣」 対ソ政策 2つの選択肢 1) ソ連を味方に惹きつけて 「日独伊ソ」四国同盟を結成する リッベントロップ外務大臣の路線 2) ソ連を軍事的に打倒する(独ソ戦路線) ヒトラーの路線 アメリカ牽制・イギリス屈服の手段 日独伊三国同盟調印 1940年9月27日 http://www.reformation.org/atomic-bomb.html アメリカ合衆国を牽制 外務大臣 松岡洋右 www.mofa.go.jp 大統領 ローズヴェルト http://www.mbe.doe.gov/me70/manhattan/einstein_letter.htm ドイツによる日ソの仲介を予定 ノモンハン事件(1939年5月~9月)以来日ソ関係好転せず http://www11.ocn.ne.jp/~mino0722/nomonhan2.html 三国同盟付属文書 「在京独逸国大使より外務大臣宛来翰第一」 日本国『ソヴィエト』連邦との関係に関しては 独逸国は其の力の及ぶ限り友好的了解を増 進するに努むべく且つ何時にても右目的のた め周旋の労を執るべし 「日ソ国交調整要綱案」 (1940年10月3日) イ ソ連は内蒙および北支三省における日本の伝統的関心を 承認し、日本は外蒙古および新疆に関するソ連の伝統的関 心を承認す。 ロ、ソ連は日本が将来仏印、蘭印方面に進出することを容認す べく、日本はソ連が将来アフガニスタン、ペルシャ方面(次第 によりては印度を含む)に進出することを容認す。 ハ、日独伊三国はソ連をして世界における新秩序建設に協力 せしむ。同盟が同一ベーシスにおいてソ連を加えたる四国同 盟に発展することを辞せず 日独伊ソ四国同盟構想 (ユーラシア大陸ブロック構想) @田嶋信雄 関東軍にも対ソ提携論 • 植田謙吉関東軍司令官 1939年8月27日 ノモンハン方面のソ軍に対し徹底的打撃を 与えつつ、他面ドイツ・イタリアを利用してソ連 より休戦を提議せしむるとともに、速やかに 日ソ不可侵条約を締結し、さらに進みて日独 伊ソの対英同盟を結成し東洋における英国 勢力を根本的に芟除すべし 注意! 日独枢軸の仮想敵の変遷 • 日独防共協定(1936年11月) 仮想敵はソ連(とコミンテルン) • 「防共協定強化交渉」(1938年夏-1939年夏) 仮想敵は主として英仏(+米ソ) • 日独伊三国同盟(1940年9月) 仮想敵は英米 (ソ連を加えて四国提携へ) リッベントロップの四国協商案 (1940年11月13日) 第1条 1940年9月27日の三国同盟において、日独伊三国は現在 の戦争が世界大戦にまで拡大するのを防止すべくあらゆる力をつ くし、世界平和の早期回復に向かって協力することに同意した。三 国はまた同じ方向を目指して努力を傾ける意向をもつ、世界の各 地域の国民と喜んで協力するものであることを明らかにした。ソ連 邦は、これらの目的に同調し、三国とこの目的のために政治的に 協力する決意をもつことを宣言する。 第2条 独日伊とソ連邦は相互の自然的な勢力範囲を尊重すること を約束する。これらの勢力範囲の相互間に摩擦の生じた場合、四 国は発生した問題について、常に友好的に協議する。 第3条 独日伊ソ連は、四国のいずれか一国に敵対する国家結合に 参加せず、またこれを支持しないことを約束する。四国は、あらゆ る経済問題に関し相互に援助し、四国間の現存の協定を補強、か つ拡大する。 外務大臣モロトフのベルリン訪問 http://www.marxists.org/glossary/people/m/pics/molotov.jpg モロトフ=ヒトラー会談 http://stevenlehrer.com/reich_chancellery.htm ソ連のドイツ宛覚書 1940年11月25日 (1)1939年の協定によりソ連邦の勢力圏に属するべきフィン ランドからドイツ軍は直ちに撤退すること。その際、ソ連邦は フィンランドとの平和的関係を維持し、また、ドイツのフィンラ ンドにおける経済権益(木材とニッケル)を保障する。 (2)数ヵ月以内のうちにソ連邦とブルガリア(同国は地理的状 況からみてソ連邦の黒海領域での安全保障圏に属する)と の間で相互援助条約が締結され、さらにボスポラス・ダーダ ネルス地域で長期租借によりソ連邦の陸海軍基地の創設が 確保されること。 (3)バツーム・バクー地域南方のペルシャ湾へと至る全般的方 面がソ連邦の領土的希望の重点として承認されること。 (4)日本が北樺太における石油・石炭利権を放棄すること。 総統司令第21号 バルバロッサ計画 1940年12月18日 「ドイツ国防軍は対英戦終了以前の段階であっ てもソヴィエト・ロシアを迅速に打倒するため の準備を整えなければならない」 「 41年5月15日までにその準備を終える」 「攻撃意図を察知されないことが決定的に重要 である 」 参考文献 田嶋信雄「総説:東アジア国際関係のなかの日独関係」 工藤章・田嶋信雄(編)『日独関係史 1890-1945』 第Ⅰ巻 東京大学出版会 2008年 田嶋信雄「総説:国際関係のなかの日中戦争」 西村成雄・石島紀之・田嶋信雄(編)『国際関係のなか の日中戦争』慶應義塾大学出版会 2011年