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ステークホルダーとのかかわり(44P)
ステークホルダーとのかかわり 「 経営の原点 」と「 経営方針」に掲げたステークホルダーの皆さまとの 基本方針 約束を実現するために、社員一人ひとりが行動指針にのっとって自分の 役割を果たします。 お客さまとのコミュニケーション ■ 一般消費者との対話 年度より各部署、事業所を対象に「 電話応対研修」を開始 当社グループと一般消費者(一般のお客さま)との接点 しました。2012 年度は 5 部署で 170 人が受講しました。 は、主に S S 店頭、ウェブサイト、広告宣伝です。 2012 年度「 お客様センター」に寄せられた声は 4,617 お客さまの声は、サービスステーション(S S )店頭に設 件で前年比 97% でした。お客さまの声の内訳のうち、こ 置した 「 お客様ご意見カード」やウェブサイトのお問い合 れまで 1,0 0 0 件前後で推移してきた苦情が 922 件に減少 わせフォームのほか、電話、手紙、メールを通じて当社広 しました。そのほか、お問い合わせ、ご意見・ご要望が減少 「 お客様セン 報 C S R 室の「 お客様センター」に届きます。 した反面、お褒めの件数は前年比 52 件の増加となりま ター」では、グループの各部署と連携し、お問い合わせやク した。 レームに対し迅速な対応を行っています。 2012 年度の特徴は、燃料油関連では韓国や中国への ● 顧客満足向上への取り組み 販売部では、S S における顧客満足の向上を目指し、モ 輸出に関する問い合わせが微増、潤滑油関連では英語版 S D S に関する問い合わせが増加しました。 ニター調査「 E S モニター 」を展開しています。この活動は、 カード関連ではキャッシュプリカの有効期限や返金手 調査員が店頭活動を採点し、採点結果を S S スタッフ全員 数料へのお申し出がありましたが、お客さまの声を反映 ※ で確認し合い、自らが店舗ごとにルールを定め、改善活動 を推進します。また、調査員の意見だけでなく、日ごろ来 店されるお客さまの改善要望や意見もお聞きするため 「お し、残高移行サービスを開始したことにより解消しました。 受付形態別では、 「 お客様ご意見カード」 ( はがき)によ るものが増加しました。これは 2012 年 6 月にはがきをリ 客様ご意見カード」のはがきを S S 店舗内に設置していま ニューアルしたこと、一部の販売店が、お客さまへはがき す。この 2 つの仕組みにより出光は、S S における顧客満 を手渡したことが増加の要因です。 足の向上に向けた活動を推進しています。 ●「 お客様センター」での対応 「 お客様センター」では、お客さまからのお問い合わせ に対し、製品・サービスの対応マニュアルなどを基に、迅 速で適切な回答に努めています。 また、専門的、技術的なお問い合わせや、S S スタッフの 「 お客様センター」によせられた声の内訳 お褒め 8 % ご意見・ご要望 5% 222 件 S S における接客や 販売価格 143 カード関連 18 S S の店舗情報など 16 その他 45 販売価格 カード関連 その他 部署と連携し、状況に応じて担当者から直接回答する体 制をとっています。 さらに「お客様センター」で培った応対ノウハウをグルー プ全体に広める目的でオペレーターが講師となり、2010 苦情クレーム 20% 922 件 S S における接客や 販売価格 823 カード関連 28 タンクローリー関連 34 その他 37 348 1 11 その他 6 % 259 件 接客対応、石油製品の品質、ローリーの運転マナーに関す ることなど、事実確認が必要なお申し出については、主管 360 件 S S における接客や 総件数 4,617 件 お問い合わせ 62% 2,854 件 カード関連 S S の店舗情報など 燃料油 石油化学製品 アグリバイオ 潤滑油 その他 575 571 154 191 197 645 521 ※ E S モニター: S S スタッフの一人ひとりがモニター結果を活用し て、お客さまが親しみや安心感を感じるサービス を考え、実践することで Excellent S ervice S tation と Em ployee S atisfaction を目指す活動 2013 出光レポート 44 社会とのかかわり ステークホルダーとのかかわり ● 広告・宣伝によるコミュニケーション 当社は、幅広いステークホルダーの皆さまに理念や事 業内容について理解を深めていただくべく広告・宣伝活動 に取り組んでいます。2013 年 5 月には、イラン石油を輸入 「60 年前の した日章丸事件から 60 年を迎えたことから、 今日。日章丸はこの国の未来を運んだ 」と題する新聞広 告を実施しました。 パートナーとの協働 ■ SS 販売店との対話 当社グループでは、 「 ほっと安心、もっと活力、きっと満 足、出光の約束 」をブランドの合言葉に、当社と全国 891 の販売店、3,861ヵ所の SS(2013 年 3 月末日)が一体と なり、簡素で強力なサプライチェーンを形成し活動してい ます。 SS 販売店の事業経営や SS 運営については、支店が窓 口となってきめ細やかな支援を行っています。 また、SS 販売店の経営者で組織した「 出光会 」とは、毎 年 1 回「 販売店合同ミーティング」と「 全国優秀店の集い」 を開催し、当社の経営者との交流と対話を進めています。 地域貢献や地域活性化を協働で推進するなど、社会貢献 分野でも SS 販売店と当社が一枚岩となった活動に取り 組んでいます。 ■ 協力会社との対話 製油所・石油化学工場では、プラントメンテナンス、陸 上出荷・海上入出荷などの業務を協力会社に委託してい ます。協力会社の数は、規模の小さい事業所でも約 50 社、 大きなところでは 200 社以上になりますが、すべての事業 新聞広告「 ニッポンに、エネルギーを 」2013 年 5 月 9 日掲載 送協力会の 3 つの協力会を組織しています。当社は、これ ■ 法人顧客との対話 当社グル ープは、営業 担 当者が 直 接 法 人 顧客を訪問 し、お客さまとのコミュニケーションを通して、要求に応 じた製 品 の 提 案や 開 発 を 進 めています。また、全 国 各 地の支店では、省エネ・環境技術などの技術動向や法規 制の状況など、お客さまのビジネスに直接役立つ情報を お伝えする需要家向けセミナーを開催しています。 タイトル 販売部 環境・省エネセミナー 切削油研究会 潤滑油部 熱処理研究会 実用潤滑工学セミナー ら協力会と一体になって事業所の安全・安定操業および 環境保全を推進しています。 ■ 運送会社や海運会社との対話 当社は石油製品の輸送を、運送会社や海運会社に委託 しています。委託会社は、安全推進や各社間の連携強化 を目的に協議会を組織しており、当社も特別会員として活 2012 年度の主な需要家セミナーの開催実績 主催 所で業種ごとに建設保全協力会、陸上輸送協力会、海上輸 動に参加しています。 回数 団体数 人数 10 2 2 1 287 101 122 14 600 158 231 17 ※ 「 光運会 」を組織し、安全キャン 陸上運送会社 19 社は ペーンや運行管理研修会、無事故無違反乗務員の表彰な どを行っています。 海運会社は、 「 旭タンカー環境安全協議会 」を組織し、 ※光運会: 当社が石油製品の輸送を委託している運送 会社の組織。アポロマークのタンクローリー を運行している運送会社 19 社からなる。 45 2013 出光レポート ※ 高品質で競争力のある強い船団・信頼される体制の構築 た ESG(環境・社会・企業統治)銘柄 に、 「 国内への安定 を目指しています。具体 的には 製 油 所、石油 化 学工場、 したエネルギー供給を社会的責任と捉え、エネルギー資 油槽所に停泊しているタンカーを訪問して、船長をはじめ 源の 確保と有 効 利 用に取り組む一方 で再生可能エネル 船員の 皆さまと対 話を行い、活 動 方 針 の 徹 底やヒヤリ ギー事業の推進のほか、アグリバイオ事業や有機 EL ビジ ハットの横展開などに努めています。当社は、同協議会に ネスなど新たな事業分野にも積極的に取り組んでいる 」 対して 「 安全・環境・品質 」面についての注意喚起を行っ ことが評価され選定されました。 ています。 株主・投資家とのコミュケーション 株主・投資家の皆さまには、企業情報を公正・適時・公 平にお伝えするとともに、いただいたご意見を経営に反 映する、双方向のコミュニケーションに努めています。 四半期ごとの決算発表日には、機関投資家向けに決算 説明会を開催、また、当社ウェブサイトには IR 関連の資 料を掲載し、説明会の動画(音声)配信を行うなど、必要 な情報が誰にでも、すぐに手に入るよう利便性の向上に も心がけています。 また、株主の皆さま向けには 「 出光 IR 通信 」を年 2 回、 海外機関投資家の皆さま向けには 「 アニュアルレポート」 産油国との交流・対話 当社は、中東をはじめとする産油国と強固な信頼関係 を築くため、駐在事務所を設け、交流・対話を進めていま す。さらに近年は、資本参加により共同事業を行うなど、 産油国との信頼関係を強化しています。 こ の ほ か、一 般 財 団 法 人 国 際 石 油 交 流 セ ン タ ー ( JCCP)の支援を受けて産油国に専門家を派遣するとと もに、日本国内に幹部候補生や技術研修者を受け入れる ことで、産油国の人材育成・技術支援に協力しています。 また、JCCP の実施する産油国での産業基盤整備事業に も参加しています。 を年1回制作し、当社の営業活動や財務状況について情 2012 年度の実績 報発信しています。 アラブ首長国連邦、カタール、オマーンなどから 72 名 2012 年 7 月 11 日に東京証券取引所グループが公表し の研修生を受け入れ TOPICS 中東産油国の国営石油会社の社員に出光の CSR を紹介 JCCP が企画する「 日本における CSR コース 」が千葉製油所および技術研修センターで行われました。参加者はカ タール、アブダビの国営石油会社に勤務する10 名、全員が女性です。日本各地の石油会社など 5 社を訪問し、日本にお ける CSR 活動を 10 日間で学びました。出光の訪問は最終日。千葉製油所製油一課の計器室を訪問、省エネや運転員 の課題の見える化などを見学した後、石油化学工場のプレゼンサイトでは、石油化学製品が実際の炊飯器などの電気 製品に使用されている例を見学しました。その後、約1時間にわたって出光グループ CSRレポート2011(現・出光レポー ト)を使って、出光の CSR 活動を紹介しました。終始、活発な質疑応答が行われ、日本や出光の CSR に対する強い関 心が示されました。 ※ ESG 銘柄: 東証グループが、個人投資家が株式投資を考え るきっかけとして特定のテーマや指標をベー スに公表しているテーマ銘柄の一つ 2013 出光レポート 46 社会とのかかわり ステークホルダーとのかかわり 地域とのかかわり ■ 出光会との活動 ■ 光運会の活動 販売店の経営者の組織である出光会と各地域の当社支 運送会社で組織している光運会では、小学校でのロー 店は協働で、地域貢献や地域活性化を推進する 「 地域プロ リーを使った交通安全教室、油槽所での職業体験受け入 モーション 」を行っています。安全(防災・救命)、交通安 れ、団体献血、清掃活動、福祉作業所からの物品購入な 全、環境に関する取り組みや、清掃、募金など幅広い分野 ど、地域に密着した活動を推進しています。 ※1 で、それぞれの地域に密着した活動を展開しています。 光運会会員による交通安全教室 北海道出光会 「 出光こどもお絵かきコンテスト」入選作品展 ■ 製油所・石油化学工場の活動 ■ 全国的な活動 製油所・石油化学工場は、地域経済や地域環境への影 当社グループの事業所も SS も立地していない地域を 響が大きいことから地 域の 皆さまと密 接なつながりを 含めた全国的な活動として、元レーシングドライバー・太 持っています。そのため、安全・保安や環境保全の取り組 田哲也氏 ※3 と協働で「 安全で充実したカーライフを送る」 ※2 をテーマとした活動を実施しています。この活動は、車の を少なくとも年1回実施しています。また、地域の伝統行 魅力を広く伝えると同時に運転者の安全意識を向上させ 事への参加をはじめ、社有施設の市民への開放、地元小 たいという思いを具現化したものです。大人向けにはエ 中学 校 の 製 油 所見学受け入れや出前 授 業、職 場 体 験 学 ンジョイ & セーフティドライビングレッスンの開催を、子 習・キャリア教育の受け入れ、福祉施設の慰問、近隣の道 ども向けには全国の小・中学校への出張授業を実施して 路清掃、交通安全への協力などさまざまな活動が定着し います。出張授業は、朝日学生新聞社との共催で訪問校 ています。これらのうち、清掃や交通安全への協力など を募集し、毎年 200 校近い応募の中から 4 校を訪問して は、製 油 所・石油 化学工場 の協力会社の 社 員も参加し、 います。 み状況を報告して理解していただくための地域説明会 当社と一緒に活動しています。 清掃活動 出張授業の様子 ※ 1 地域プロモーション: 47 ※ 2 地域説明会: ※ 3 太田哲也氏: 当社各支店の企画立案のもと、出光会や販 近隣の町内会長の皆さまなど地域の代表の 売店と協働して地域の活性化や社会に貢献 方々を原則年1回お招きして行う会合。安 頭部を含め全身が重度の火傷という瀕死の する取り組み 全や環境に対する取り組み状況を説明する 重傷を負い3年間にわたる闘病生活を送る。 とともに、地域の皆さまからご意見をいた その後、サーキットに復帰、現在は自動車評 だいています。 論家、ライターとして活躍している。 2013 出光レポート レース中、多重事故に巻き込まれ車が炎上、 文化活動を通しての社会貢献・地域貢献 ■ 文化・芸術の取り組み 当社は、国内外の文化や芸術の発展に貢献することを 重要な使命と考えています。主な文化活動としては、当社 の創業者である出光佐三のコレクションをもとに 1966 年に開館した公益財団法人出光美術館、当社の創業の地 である門司に 2000 年に設 立された公益 財団法 人出光 佐三記念美術館への寄付を行っています。 また、テレビ朝日系列で放送中の音楽番組「 題名のな い音楽会 」は、1964 年より当社1社で提供しています。 出光美術館の展示室 1990 年からはこの番組と連携して音楽文化の進歩向上 に寄与するため「 出光音楽賞 」を制定し、将来有望な若 (第 手・新進音楽家を選出し、表彰しています。2012 年度 23 回)の受 賞者は 3 名で、これまでの累積 受 賞者は 85 名、1 団体となりました。 ■ 文化活動等による地域貢献 主に当社の製油所・石油化学工場が立地している地域 を中心にその地域の美術館、公共団体、企業および公益 題名のない音楽会 司会者 佐渡 裕氏 アシスタント 本間 智恵アナウンサー 財団法人出光美術館との協力により美術と音楽のコラボ レ ー ション を 狙った コ ン サ ート・シリーズ「 Music in Museum by 出光 」を開催しています。2012 年度は、周 南市、苫小牧市、知多市、松山市にて計 4 回の公演を行い ました。 また、岩手県 北部を舞台としたトライアルバイク競技 「 出 光イーハトーブトライアル大 会 」に 24 年 間 協賛し、 モータースポーツを通じて地域に貢献しています。 東京(豊洲)、兵庫(甲子園)では、職業・社会の疑似体 Music in Museum by 出光 周南市でのコンサート (キッザニアでの呼称はガソ 験施 設「 キッザニア」へ SS リンスタンド)のパビリオンを 2006 年より出展し、子ど もたちが楽しみながら社会の仕組みを学ぶ機会を提供し ています。当社は今後も地元とともに地域の文化活動の 発 展に貢 献して まいります。 出光イーハトーブトライアル大会 (ガソリンスタンド)のパビリオン 出光 SS 2013 出光レポート 48