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デルのコンサルティングと ソリューションにより、 ビッグデータの分析性能

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デルのコンサルティングと ソリューションにより、 ビッグデータの分析性能
Dell │ Case Study
デルのコンサルティングと
ソリューションにより、
ビッグデータの分析性能を大幅強化
データベース基盤に
Microsoft SQL Server 2012を採用し、分析環境を大幅に強化。
®
®
データ保護機能を活用することで事業継続性の向上も実現。
カスタマー・プロファイル
企業名
ソフトバンクモバイル株式会社
業 種
移動体通信サービスの提供、携
帯端末の販売など、移動体通信
サービスに関連する事業
設 立
1986 年12 月
所在地
東京都港区
従業員数
約6,800 名
www.softbankmobile.co.jp/
URL
課題
• 急増するデータを活用した、より粒度の細かい分
析の実現が急務となっていた
• 日次でのデータのバックアップが求められていた
• データ増に伴うデータベースの運用負荷の削減
が課題となっていた
ソリューション
• 「
PowerEdge R710」と「PowerEdge R720」
によるサーバ環境の刷新
i S C S I ストレー ジ の「 D e l l E q u a l L o g i c
PS6510X」と「Dell EqualLogic PS6510E」、
大容量の DAS ディスクアレイ「 PowerVault
MDシリーズ」をストレージ環境に採用
• • デル
インフラストラクチャ コンサルティングサー
ビスを通じた、Microsoft SQL Server 2012
AlwaysOnとFastTrackの採用
• 運用最適化に向けた
ITASの採用
導入効果
• 分析処理に要する時間を大幅に短縮
• 日次のデータバックアップにより耐障害性や復旧
力を大幅向上
ITASによるシステム全体の適切な保守運用を実現
• ソリューションエリア
• デシジョンサポート
• データマネジメント
導入システム
ハードウェア
「デルのソリューションを採用し統合 GIS システムを刷
新することで、より大量のデータを短期に分析するこ
とが可能になり、通信エリアの拡大をさらに推進する
ための体制が整えられました」
ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部 統括部長
柴山和久氏
Dell PowerEdge R710
Dell PowerEdge R720
Dell EqualLogic PS6510X
Dell EqualLogic PS6510E
ソフトウェア
Microsoft SQL Server 2012
Enterprise Edition
ソリューション・サービス
デル インフラストラクチャ・コンサルティング・
サービス
(ICS)
Tアドバイザリーサービス
(ITAS)
デルI
26
ソフトバンクモバイル株式会社(以下、ソフトバンクモバイル)は 2010 年に「電波改善宣言」を発表して以来、顧客満足度の向上
を目指し通信施設の拡充を推し進めてきた。そのために同社が整備したのが、最適なエリア展開を実現するための「統合GISシス
テム」である。しかし、スマートフォンの急速な普及に伴うWi-Fiスポットの普及などを背景に、同システムで管理すべきデータが
急増。その結果、よりきめ細やかなエリア展開に向けた分析作業の多頻度化が困難な事態に直面していた。この問題を解決する
ために同社が着目したのが、デルのソリューションだった。
通信エリアの的確な拡大に向け
ビッグデータへの対応が必須に
ソフトバンクグル̶プの一員として移動体通
信サービス事業を展開するソフトバンクモバイ
ル。マーケットの成熟に伴い、携帯電話市場に
おける競合他社との顧客獲得競争が激しさを
増す中で、同社は利用者の支持の高いスマート
フォンを端末ラインナップに積極的に取り入れ
るとともに、低廉かつ多彩な料金プランを用
意。さらに、効果的な PR 活動を通じてそれらを
消費者へ的確に訴求することで、顧客基盤を着
実に拡大させている。
そうした同社が近年、力を入れているのが、
2010 年に発表した「電波改善宣言」に代表され
る通信施設の拡充である。具体的には、基地局
などの設備情報をはじめ通信の可否データ、顧
客から寄せられるクレームなど、社内の各種シ
ステムで管理されているデータを一元管理する
「 統 合 GIS システム」を Mi crosoft S QL
Server 2008 R2 を核に構築。そこに格納さ
「顧客満足度を最大限に高めるため、
多角的な検証に基づくエリア展開を
可能にする統合 GIS システムは私た
ちにとって必須の存在でした。しか
し、データの急増という環境変化に
よって、分析頻度を高めることが困
難な状況にありました」
「デルは Microsoft SQL Server
2012 の設定にも精通しており、的確
なサポートを通じてシステムの処理
能力を格段に高められました。トラブ
ル時の対応も極めて迅速であり、デ
ルは私たちにとって頼もしいパート
ナーにほかなりません」
ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部
統括部長
ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部
情報開発部 部長
柴山和久氏
曽我雄司氏
れたデータを社内のアナリストが地域属性を踏
まえてさまざまな角度から分析し、その結果を
同システムに用 意 された W e b G I S インタ
統合 GISシステムが管理するデータはすでに
フェースを介して社内で共有することで、効率
数百億レコードに上る。加えて、より通信速度
データベースの処理速度が
製品選定の決め手に
的な通信施設の増強を推し進めているのであ
の速い LTE( Long Term Evolution )の登
ソフトバンクモバイルはリプレースにあたり、
る。
場や Wi-Fi スポットの普及を背景に、解析対象
マイクロソフトの「 Microsoft SQL Server
ソフトバンクモバイル モバイル・ソリューショ
となるデータは加速度的に増加し続けている。
2012」早期対応プログラムへの参加をいち早
ン本部 情報企画統括部で統括部長を務める柴
モバイル・ソリューション本部 情報企画統括部
く決定した。同プログラムによって、ビッグデー
山和久氏は、
「単に電波状況が悪いエリアを把
情報分析部 分析企画課で課長を務める仙波利
タに対応した Microsoft SQL Server 2012
握しただけでは、適切なエリア拡大は困難で
晃氏は、
「1 つの結論を下すために、十数パター
への確実な移行が見込めたからだ。
す。エリア内の施設が店舗なのかオフィスなの
ンの分析処理を行うことも珍しくありません。
その上で、ハードウェアの選定に向け、サー
か、店舗であれば、その種類によっても、そこ
こうした中、よりきめ細やかなエリア展開のた
バとデータベース間で膨大なデータのやりとり
に訪れる顧客の通信ニーズが大きく変わるから
めに日次での分析要請が私たちに寄せられて
が発生する分析処理を迅速に完了させるに足
です。そのため、顧客満足度を最大限に高める
いたものの、スマートフォン時代の到来を機に
る I/O 性能や、将来的なデータの急増に備え
ためにも、多角的な検証に基づくエリア展開が
数億レコード程度だったデータが急増し、数年
たリニアなデータベースの拡張性、運用コスト
私たちにとって必須となっているのです」
と統合
前に構築システムでは処理能力の面で対応が
を削減するための高い管理性などを柱とするシ
GISシステムの狙いを説明する。
困難な事態に直面していたのです」
と当時を振
ステム要件をまとめ上げた。
同社では毎週のデータ分析により、現状把握
り返る。
モバイル・ソリューション本部 情報企画統括
と共に傾向を多角的に予測することで、対策に
この問題を解決すべく、同社では償却期限を
部 データ企画部 データ企画課の宮部悦男氏
向けてのいち早い対応も実現してきた。ただ
残しながらもシステム のリプレースを決意。
は、
「統合 GIS システムには分析作業中であっ
し、その活用をさらに推し進めるうえで課題と
2011 年 10 月、そのための作業に本格的に乗り
ても、そこに蓄積された過去の分析結果を参照
位置付けられたのが、データベースや分析シス
出したのである。
するためのアクセスが社員から数多く寄せられ
テムの処理速度である。
ます。そうした環境で短期間に作業を完了させ
27
Dell │ Case Study
部 情 報 開 発 部 情 報 運 用 課 の 柗 本 浩 氏 は、
「データ量が大きくメモリ上に乗り切らなけれ
ば、パフォーマンスの大幅な低下を招いてしま
います。しかし、Dell EqualLogic はそうした
状況においても処理速度がほとんど変わらず、
その高いパフォーマンスに驚かされました。ま
た、スケールアウトによってデータの急増にも
対応でき、オンラインでデータのボリュームを
変更できるストレージ仮想化に対応していたこ
とも、私たちの要求に合致していました」
と評価
「システムを常に最適な状態に保つた
めには、常日頃からのテストや情報
収集が肝要です。ITAS の利用を通
「データベースの運用は少なからぬ
労 力 が 必 要 とさ れることに 加 え 、
データのバースト的な増加もしばし
ば発生し、その対応も求められます。
しかし、デルのコンサルタントの協力
により、迅速かつ確実な運用が実現
されています」
じてこれらを実践でき、万一の際に
も迅速に作業に取り掛かれる体制を
構築することができています」
ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部 情報分析部
分析企画課 課長
ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部 情報開発部
情報運用課
仙波利晃氏
柗本浩氏
する。
また、ソフトバンクモバイルは同部門におい
て数年前からデルの PowerEdge サーバの利
用を積極的に推進してきた。モバイル・ソリュー
ション本部 情報企画統括部 情報開発部で部長
を務める曽我雄司氏は、
「これまでの経験から、
PowerEdgeの高い性能と信頼性に疑念を挟む
余地はありませんでした。また、
『 Integrated
Dell Remote Access Controller 7 』
(iDRAC7)の利用を通じ、管理者がエージェン
ト を 使 用 することなく、あら ゆ る 場 所 から
PowerEdge サーバの状況を把握できるなど
管理性の高さも評価したのです」
るには、膨大なトランザクションを確実に処理す
いたのが、デルのサーバとストレージだった。
これらのことを踏まえ、同社はリプレースに
るための高い I/O 性能が欠かせません。さら
その理由としてまず挙げられるのが、iSCSI
必要とされるハードウェアのすべてをデルから
に、統合 GISシステムは私たちの業務にもはや
ストレージ「Dell EqualLogic」の圧倒的な処
一元的に調達することを決定。2012 年 8 月か
不可欠の存在であり、システムトラブルによる
理スピードである。実は従来のシステム環境で
らシステム構築作業に着手したのである。
業務の停止を回避するためにも、信頼性の高い
は、1TB のテーブル作成に数十分もの時間を要
ハードウェアの採用も併せて求められていたの
し、このことが分析作業の高度化に向けた妨げ
です」
と説明する。
となっていた。だが、Dell EqualLogic を用
これらの要件の下、ソフトバンクモバイルは自
いて同様の処理を行ったところ、わずか 1 分程
らシステム設計を行った上でベンダー各社から
度で作業が完了。日次の分析にも十分に対応
統合 GISシステムはアナリストがデータ分析
デルのコンサルティングにより
高パフォーマンスと高可用性を実現
高度なバックアップシステムも実装
製品提案を募るとともに、提案のあった製品を
可能な能力を備えていることが確認されたのだ
を実施するための「分析系」と、社員が分析結
実際に取り寄せ、処理速度を中心に実機での検
という。
果を共有・活用するための「配信系」に大別され
証作業を実施。その過程で同社の関心を強く引
モバイル・ソリューション本部 情報企画統括
る 。そ れら を 概 観 す ると 、ま ず 前 者 で は
「PowerEdge R710」によりサーバ環境が刷
新された。サーバはクラスタ構成が採られてい
新統合GISシステム
情報共有・活用
現場
営業
CS
配信系システム
本社
WebGISサーバ
レイヤー情報
PowerEdge R720
分析系システム
GIS分析サーバ
分析オペレーター
PowerEdge R710
システム構成図
28
他システム
設備情報等
「Dell EqualLogic PS6510E」
PS6510X」、
が採用されている。
ソフトバンクモバイル モバイル・ソリューショ
ン本部 情報企画統括部情報開発部 情報企画
課の西坂朗氏は今回のシステム導入にあたり、
「スケジュールをはじめデルには厳しいお願いを
データ連携
Microsoft SQL Server 2012
FastTrack Data Warehouse
Dell EqualLogic PS6510
統合DBサーバ
分析結果
る。ストレー ジには「 D e l l E q u a l L o g i c
PowerEdge R710
Microsoft SQL Server 2012 AlwaysOn
したのですが、それらの要求にすべて応えてく
れました。短期間でシステムを作り上げただけ
でなく、実際に処理スピードも大幅に向上して
データ連携
Dell EqualLogic PS6510
おり、デルには非常に感謝しています」
と評価す
る。
さらに同社は Dell EqualLogic の導入を機
に、データのスナップショットやクローンなどの
機能を活用して日次でのバックアップを実現し、
耐障害性や復旧力を大幅に向上させている。
「Dell EqualLogic の導入にあたっては、ミ
ラーリングとクラスタのいずれの構成を選択す
べきについて頭を悩まされました。しかし、この
難しい問題に関しても、デルの支援により行っ
た実機での検証結果を踏まえ、かつ、シーケン
シャル I/O に特化した構成チューニングを施し
たデルからの FastTrack システムの提案を受
け、処理速度とデータ容量が両立された最適な
構成が実現されています」
(柴山氏)
一方の配信系では、サーバに「PowerEdge
R720」を採用。ストレージには FastTrackリ
ファレンスアーキテクチャに基づくディスクアレ
イ「PowerVault MDシリーズ」が選定されて
いる。これらのハードウェアの刷新を通じて同
「分析を短時間に完了可能な仕組み
を整えるべく、そのデータベースに
は膨大なトランザクションを確実に処
理できる高い I/O 性能を備えた Dell
EqualLogic の採用を決断しまし
た」
「システム構築にあたり、スケジュー
ルをはじめデルには厳しいお願いを
したのですが、それらの要求にすべ
て応えてくれました。短期間でシス
テムを作り上げただけでなく、実際
に処理スピードも大幅に向上してお
り、デルには非常に感謝しています」
ている。
ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部 データ企画部
データ企画課
ソフトバンクモバイル株式会社
モバイル・ソリューション本部
情報企画統括部
情報開発部 情報企画課
加えて、同社では今回のシステム構築に併せ
宮部悦男氏
西坂朗氏
社ではこれまで十数台あったサーバを半分以下
にまとめたことで大幅なサーバ統合が実現され
て、デルのサービスデリバリーマネージャによ
る専任保守サービスの「IT アドバイザリーサー
ビス
(ITAS)」の利用を開始した。
本氏。
「システムを常に最適な状態に保つために
「データベースの運用は少なからぬ労力が必
は、常日頃からテストを実施したり情報を収集
要とされることに加え、データのバースト的な
することが肝要です。ITAS の利用を通じて、こ
増加も発生し、その対応も求められます。しか
れらを実践できることに加え、定例ミーティン
し、デルのエンジニアの協力により、迅速かつ
グを通じてシステムへの意識合わせを行うこと
確実な運用が実現されています」
が可能になり、万一の際にも迅速に作業に取り
冗長化機能を強化した Microsoft SQL
掛かれる体制を構築できています」
(仙波氏)
Server 2012 の Always Onにより、万一の
障害発生時にはわずか数秒∼数十秒でのセカ
パフォーマンスが大幅に向上
業務効率化に向けた基盤も整備
ンダリサーバへの切り替えが実現され、システ
ムの可用性も大幅に高められている。また、
新システムが稼働を開始したのは 2012 年 9
Dell Fast Track Data Warehouseよって、
月。そ の 効 果は、新 統 合 GIS システム のパ
データベース内のデータを誰でも簡単な操作
フォーマンス向上として確実に表れている。
で抽出、加工できる環境が整えられ、業務効率
「Microsoft SQL Server 2012 はスケー
化と高度化に向けた基盤も整備された。
ソフトバンクモバイルの
統合GISシステムリプレースを
サポートしたデルのアカウントチーム
営業アカウントチーム
グローバルアカウント営業本部
アカウント・エグゼクティブ
三渡範子
システムズ・ソリューション統括本部
グローバル・エンタープライズ営業部
セールスエンジニア
米山築
構築プロジェクトチーム
(ソリューション・サービス・デリバリー統括本部)
プロジェクト・マネジメント部
プロジェクト・マネージャー
宇賀神登
コンサルティング第3部
ソリューション・アーキテクト
野上友和
ラビリティが高まった半面で、設定可能な選択
今回のシステム刷新を振り返り、柴山氏は統
肢が増えています。そのため、導入当初は適切
合 GIS システムの将来像を次のように展望す
な設定が行えておらず、従来よりパフォーマン
る。
スが低下してしまう事態にしばしば見舞われま
「今回の取り組みを通じて、より大量のデー
した。しかし、デルは Microsoft SQL Server
タを短時間で分析できる仕組みが整えられ、通
「最初に Dell FastTrack Data Warehouseをご紹介さ
2012 にも精通していることから、問題発生時
信エリアの拡大をさらに推進するための体制が
終的には同じハードウェアを使用しても SQL Server や
の的確なサポートを通じて処理能力を格段に高
整えられました。しかし、分析精度をより高める
められています。トラブル時の対応が極めて迅
とともに、一連の施策の効果を可視化するため
速であり、デルは私たちにとって頼もしいパー
にも、システムにはさらなる改良が求められて
トナーです」
(曽我氏)
います。その実現に向け、デルには今後も、私
たハードウェアの性能を限界まで引き出すためにも是非
また、ITAS の利用を通じて、データベースを
たちのニーズに合致したシステムの提案や、引
に御相談頂ければと思います。
」
常に最適な状態に保つことも可能になったと柗
き続き高レベルのサポートを期待しています」
コンサルティング第3部
テクニカル・コンサルタント
田中雄一
せて頂いた時には半信半疑といったご様子でしたが、最
ハードウェア設定のチューニングだけで最大7倍ものス
ピードが出るとは思わなかったというお言葉を頂き非常
に嬉しく思っています。SQL Server2012 AlwaysOn
や FastTrack Data Warehouse は今後あらゆる場面
で採用される機会が多くなると思いますが、折角投資し
弊社のインフラストラクチャコンサルティングサービス
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