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ミセス・クリエイターズのアイデアノート③
ミセス・クリエイターズのアイデアノート③ 第3回 求められる新製品のベネフィット 前回、新製品のアイデアを生活の場面で整理してきました。 これらのアイデアから、いま主婦たちが求めている製品のベネフィットを抽出してみました。 まず下図をご覧ください。 機能の向上 利便性向上 新機能の追加(複合機能化) 詰め替え 手間要らず(手間減らし) 使い切り 主婦労働の軽減 リユース・リサイクル エコ 家庭の実体経済の健全化 消臭 清潔・衛生処理 清潔・簡便処理 不快因子除去 快適な住まい環境の開発 セキュリティ 美の維持管理 リラクゼーション 身体と心へのホスピタリティ 身の回りの衛生的快感 健康の維持 告知・警告 身の回りの情報化 エコ情報の表示 図3.新製品ベネフィットの構図 1 ご覧の通り新製品に求められる要素は、 ¾ 主婦の家事労働を可能な限り軽減するもの ¾ エコ=家庭内実体経済の健全化・省コストに貢献するもの ¾ 家庭内の諸不快因子の発生を抑制し、発生した場合はそれを効果的に除去できるもの、セキュリティを含 めて快適住まい環境を開発するもの ¾ 美・健康・リラクゼーション、多くのコストをかけずに気軽に出来る身体と心にいいもの・優しいもの、身体と 心へのホスピタリティ ¾ 身の回りの情報化、予定行動を事前告知又はコスト発生の程度を表示し、人の行動のコントロールを支援 する情報装置 などがその主要なものです。 順番に中身を掘り下げておきましょう。 z 主婦の家事労働を可能な限り軽減するもの 主婦の家事労働は、時に社会問題として取り上げられます。大変重たい労働であり、困難を伴うこともあり ます。因みに、主婦たちが嫌いな家事労働は、アイロンがけ、洗濯ものの折り畳み、掃除とりわけトイレ掃 除そして食器洗いなどです。従って、主婦たちは家事労働の負荷を軽減する商品や道具或いは手段・方 法論を歓迎されることになります。このことが昂じて、家事の「手抜き」にまで及ぶ発想もありますが、この 問題、切実な願望であることを確認しておきたいと思います。 労働負荷の軽減のためにミセクリたちはこんなアイデアを提示しています。 ¾ 例えば、商品の持つ機能を向上させる ¾ 例えば、前処理を施し、作業性を上げる ¾ 例えば、小分けや使い切り形状にして手間を省く ¾ 例えば、後工程を省けるくらいの機能・性能を持つ商品、旧来商品の代替品を開発する ¾ 例えば、究極の簡便、自動化する 具体的には次のようなアイデアです。 • 強力○○ • カットされた〇〇 • 小分け袋の○○、使い切りの○○ • 複数調理同時進行可能○○ • 洗濯物分離式洗濯機 • シールを貼り付けるだけで簡単カビ取り、汚れ落とし • 後工程を省ける○○ • あれもこれも複数機能をこなす○○ • しわ伸ばしアイロン代替品 • 自動アイロン • 自動分別ごみ箱 • 自動切断テレビ • 石鹸練り込みタオル • 簡単洗浄○○ 2 z エコ=家庭内実体経済の健全化・省コストに貢献するもの 前掲のとおり、エコはあくまで家計のコスト削減につながる問題解決策・商品が該当、優先されます。 ¾ 例えば、詰め替えは重要関心事です。さまざまな商品への拡張を望んでいます。 ¾ 例えば、リユースやリサイクル ¾ 例えば、使い切り ¾ 例えば、基材と消耗材の組み合わせて消耗材のみ更新する ¾ 例えば、熱損失防止材 などについてのアイデアが提示されます。 具体的には次のようなことです。 z • 使い切りサイズの○○ • 消耗部の付け替え • エコバッグ • 冷蔵庫冷気損失防止シート • 保冷剤の再利用を可能にする商品 • 詰め替え • 最後の一滴まで完全使い切り可能な容器 家庭内の諸不快因子の発生を抑制し、発生した場合はそれを効果的に除去できるもの 臭い、バイ菌、害虫、ゴミ・残滓・排出物、排泄物など家庭内の不快因子はさまざまです。これらの発生を 未然に防ぎ、発生した場合の対処策を講じなければ住まい環境は壊れることになります。 これらの問題は負の部分に対する投資・出費になりますので、コスト的には制約を受けます。快適を買う (企業側は提供する)という発想のなかで明るい提案が必要な領域です。 意外に商品形状が重視されます。先の家事労働の負荷軽減の課題と重ねながら考える領域になっていま す。次のようなアイデアが出されています。 • 汚染部検知シート • ○自動除菌器 • 作業終了が判明する○○状の漂白剤 • ○消臭タブレット • 消臭・除虫○○袋・箱 • ダニのつかない○○ • カビの生えない壁紙 • 結露防止カーテン、結露除去道具 • 埃の立たないマンション 3 z 身体と心へのホスピタリティ 美・健康・リラクゼーション、多くのコストをかけずに気軽に出来る身体と心にいいもの・優しいものたちです。 商品自体が人に対して提供できる「ホスピタリティ」の領域だと考えます。ホスピタリティは人間関係だけに 適用される問題ではありません。 商品が提供できるこの要素は、 ¾ 例えば、人の身体を心地よくする ¾ 例えば、人の身体を美しく保持する ¾ 例えば、人の身体の傷んだ部分を修復して、人に感動を与える こんなニーズ領域と考えておきたいと思います。まとまりがない分、対応の幅は広くなります。 例えば、こんなアイデアです。 z • 簡便くまとりシート • 日焼け止め目薬 • UV カット、乾燥防止手袋 • 汗取りパッド • オリジナルフレグランス、オリジナル消臭剤 • 香りのする手帳 • 家庭用ヘッドスパ • 多層構造で取り換え簡易・剥がす○○ • 冷・暖房機能の付いたベビーカー • 冬場、持ち手が暖かくなる○○ • ペットの世話をする道具 身の回りの情報化、予定行動を事前告知又はコスト発生の程度を表示、人の行動のコントロールを 支援する情報装置 家庭内は情報に溢れていますが、天気予報を除いて意外に人の行動をコントローする情報は多くありま せん。例えば、現在進行形の電気料金や光熱費を知りたいとかという願望があります。それらが「いま」分 かればエコスイッチを入れて節約が出来るのに今はそのことが叶わないという状態を解消するような商品 群のアイデアです。 やや面白発想の感はありますが、商品がどこまで人の行動に役だつ情報を発信できるか、生活者に待た れている側面があることを確認しておきます。次のようなことが挙げられています。 • 食べごろ告知機能の付いた食品 • 次の行動を告知する時計 • 残高をそっと教える財布 • 冷蔵庫の在庫表示 • 歯磨き粉や塗布薬の残量がわかるチューブ • 電気料金表示コンセント • 光熱費自動計算機 4