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第3号 - 広島県
平成18年度病害虫発生予察情報 特殊報 第3号 平成18年9月29日 広島県農林水産部 ( 技 術 振 興 室 ) 1 病害虫名 プラタナスグンバイ Corythucha ciliata (Say) 2 発生作物 プラタナス 3 発生の経緯 (1)平成18年8月中旬,福山市のプラタナスにおいて白化症状が見られ,種不明のグンバイムシの寄 生が認められた。 (2)本虫を神戸植物防疫所広島支所を通じ,神戸植物防疫所に同定依頼したところ本県では未確認であ るプラタナスグンバイであることが判明した。 4 国内の発生状況 本種は北米からの侵入種であり,近年ヨーロッパや韓国,チリに侵入し,分布を拡大している。 日本では平成13年に愛知県名古屋市で初めて発生を確認された。その後,東京都,神奈川県,静岡 県,愛媛県,福岡県,新潟県で確認されている。 5 被害状況 成虫,幼虫の吸汁により葉表に白いかすり状の脱色斑点が見られる。また,葉裏は黒い粘液状の排泄 物で汚れる。被害が甚だしい時には樹幹全体が白化し美観が著しく損なわれる。 4 形態及び発生生態 (1) 特徴 成虫の体長は約3.5mmで軍配に似た形状をしている。体色は背面から見て全体に乳白色で,前翅のやや 前方中央に明瞭な黒褐色の斑点がある。頭部は胸部の帽状部に覆われ,胸部周縁部と前翅周縁部に小棘 が列状にある(図1)。 終齢幼虫は黄褐色で頭部全体,前胸背の一部,翅芽の基部および腹部中央は暗色を呈する。頭部の背 面,体側部および腹部背面中央に,太くて鋭いとげ状の突起を有する(図2)。 (3) 生態 名古屋市における調査によると,成虫の発生ピークは7月上旬,8月上旬,9月中旬の3回が認めら れ,年3世代を経過すると推定されている。 その後,9月上旬から11月にかけてプラタナス樹皮下に移動し成虫態越冬する。翌年は4月中旬か ら5月上旬にかけて越冬場所を離脱すると考えられている。 (2) 寄生植物 プラタナスの他にクルミ科,ブナ科,クワ科,マンサク科,スズカケノキ科,トウダイグサ科,カエ デ科,モクセイ科で寄生の記録がある。 6 防除対策 樹木類(木本植物)のグンバイムシ類に対してMEP乳剤の登録がある。 図1 プラタナスグンバイ成虫 図2 プラタナスグンバイ幼虫 図3 プラタナスにおける被害(吸汁による葉の白化) ○病害虫発生予察情報に関するお問合せ先 西部農業技術指導所・西部病害虫防除所 ( 東広島市八本松町原6869 電話082-420-9661 東部農業技術指導所・東部病害虫防除所 ( 福山市三吉町一丁目1-1 電話084-921-1311 北部農業技術指導所・北部病害虫防除所 ( 三次市十日市東四丁目6-1 電話0824-63-5181 県立農業技術センター(環境制御研究部) ( 東広島市八本松町原6869 電話082-429-2592 農林水産部技術振興室 ( 広島市中区基町10-52 電話082-513-3559 ○病害虫発生予察情報は,インターネットでも提供しています。 アドレス:広島県農業情報ローカルネットワークシステム http://www.f-net.naka.hiroshima.jp/ ) ) ) ) )