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可決された意見書・決議・条例等

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可決された意見書・決議・条例等
可決された意見書・決議・条例等
議員提出議案第1号:テロに対する国民の安全確保を求める意見書
(議決日12月17日)
ISIL、 いわゆる 「イスラム国」 の犯行によるとされるパリ同時多発テロ、 ロシア旅客機墜落事故
は、 いずれも多くの尊い命が犠牲になった無差別殺人であり、 決して許されるものではない。
本県議会は、 犠牲者の方々とその御遺族の皆様に対して深く哀悼の意を表するとともに、 このような
テロ行為を強く非難するものである。
今年初めには、 シリアにおいて2名の邦人が 「イスラム国」 により殺害されたばかりであり、 テロに
対する国民の怒り、 一方で不安と恐怖はこれまでになく高まっている。
今回の事件で、 イスラム過激派組織の思想に感化された者が、 さまざまな国で、 いわゆるソフトター
ゲットを狙ったテロを起こす脅威が現実のものとなり、 国内外を問わず、 いつどこで日本人が巻き込ま
れてもおかしくない状況にあることを十分認識しなければならない。
このような中、 国連安全保障理事会において、 パリ同時テロを非難するとともに、 「イスラム国」 と
の戦いに各国が立ち上がる決意を示す決議案が全会一致で採択されたところである。
我が国においても、 国際社会と緊密に連携し、 空港等における水際対策や海外在留邦人に対する情報
提供及びテロ発生時の救出などに万全の措置を講じていかなければならない。
特に、 来年5月に開催される伊勢志摩サミットや2020年の東京オリンピック・パラリンピックの他、
本県でも2019年のラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権大会を控えるなど、 国内がテ
ロの標的となる可能性も現実味を増している。 今後、 国全体でテロを未然に防止する体制を構築してい
くことが重要である。
よって、 国におかれては、 テロを許さない毅然とした姿勢を示すとともに、 国民の安全確保に向けて、
万全の対策を講じられるよう要望する。
以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
○衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 法務大臣 外務大臣 国土交通大臣 防衛大臣
内閣官房長官 国家公安委員会委員長
議員提出議案第2号:陸上自衛隊定員の増員並びに中枢部局及び部隊の熊本県駐屯を求める意見書
(議決日12月17日)
現在の我が国を取り巻く安全保障環境は、 尖閣諸島周辺での海域・空域の侵犯、 一方的な東シナ海防
空識別圏の設定や南沙諸島の岩礁の埋め立て、 北朝鮮による弾道ミサイル発射、 核実験、 並びに、 パリ
同時多発テロや中東方面での地域紛争の発生など、 様々な不安定要因がより顕在化している。 また、 自
然大災害の多さは、 我が国の宿命ともいわれており、 これらの各種事態が複合的に生起する恐れも否定
できない状況である。
そのような中、 陸上自衛隊は、 海上・航空自衛隊との共同訓練を積極的に実施し、 国民の生命財産と
領土、 領海、 領空を守り抜くため、 我が国周辺海空域の警戒監視を行っているほか、 度重なる災害時に
おける人命救助や復旧活動等を行っており、 国民の自衛隊、 特に陸上自衛隊に対する期待と信頼はます
ます高まっている。
よって、 国におかれては、 下記事項を確実に実施されるよう強く要望する。
記
1 定員の増員
陸上自衛隊は、 我が国の独立と安全を守るため、 平素から厳しい訓練を実施し、 国の防衛任務、 国
際平和協力活動、 自然大災害対応及び民生支援など多種多様な任務にあたっている。
特に、 尖閣諸島を含む九州南西方面での防衛対策として陸海空自衛隊の部隊編成の強化が求められ
ている中、 必要な人員の確保は喫緊な課題である。 自衛隊の高度な専門能力と組織力は、 他の組織で
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の代替は不可能なものであり、 多種多様な任務が増加し続けている自衛隊の確実な定員の増員を図る
こと。
2 中枢部局及び部隊の熊本県への駐屯
九州・沖縄を防衛任務等とする西部方面隊の総監部、 熊本県を含む南九州を担任とする第8師団の
司令部は、 いずれも熊本市に所在している。 それに加えて本年は、 国から阿蘇くまもと空港が南海ト
ラフ地震における 「大規模な広域防災拠点」 に選定されるとともに、 「九州の現地対策本部」 として
熊本地方合同庁舎が指定された。
現在、 防衛省、 自衛隊においては、 九州の特科部隊等の統合改編、 水陸機動団の新設などが進めら
れているが、 このような九州での大規模災害対応や南西地域の防衛の観点から、 また、 地方創生及び
「官のまち熊本」 の観点からも、 ぜひ西部方面隊における中枢部局及び部隊は、 引き続き熊本県内に
駐屯すること。
以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
○衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 防衛大臣
議員提出議案第3号:森林・林業・木材産業施策の積極的な展開を求める意見書
(議決日12月17日)
戦後造成した人工林が本格的な利用期を迎える中、 近年、 木材自給率は上昇傾向にある。 さらには木
質バイオマスのエネルギー利用や、 CLT (直交集成板) 等の新たな製品・技術の開発などにより国産
材需要は今後大きく拡大することが見込まれており、 本県においても、 県産材需要の大幅な増加が期待
されている。
また、 地球温暖化の進行や局地的な豪雨の頻発を背景に、 二酸化炭素の吸収・固定や国土の保全など
の公益的機能を有する森林の働きに対しても、 国民の関心と期待がますます高まっている。
森林・林業・木材産業は、 このような追い風を確実に捉え、 森林の多面的機能の持続的発揮を図ると
ともに、 林業の成長産業化を実現することで、 山村地域に雇用と所得を創出し、 地方創生に貢献するこ
とが期待されているが、 森林・林業・木材産業の基盤は長期にわたる林業低迷により未だ脆弱であり、
担い手である山村は危機的な状況が続いている。
林業の成長産業化を図り山村を活性化していくためには、 現在、 見直しが行われている次期 「森林・
林業基本計画」 等に基づき、 山村地域においては、 森林境界の明確化と所有者の施業意欲の喚起、 森林
施業の集約化、 路網の整備、 担い手の育成・確保等を積極的に進めるとともに、 都市部においても、 公
共建築物をはじめとする中・大規模建築物への木材利用を積極的に進めるなど、 国民全体で森林・林業
を支え、 その再生を図ることが急務である。
さらに、 今般大筋合意されたTPPの内容を踏まえると、 今後ますます激しくなる合板や製材品の国
際競争に打ち勝ち、 本県の林業・木材産業を発展させるためには、 早急な体質強化が必要である。
よって、 国におかれては、 こうした現状を踏まえられ、 下記の施策を実現されるよう強く要望する。
記
1 京都議定書第2約束期間における我が国の目標である2020年度の森林吸収による温室効果ガス削減
量2.8%以上 (2005年度比) の確保に向け確実に森林整備や木材利用を実施するため、 「地球温暖化対
策のための税」 の使途に森林吸収源対策を追加することや森林整備等に要する費用を国民全体で負担
する税制措置の創設などによる、 安定的な財源の確保
2 豊富な森林資源の循環利用を通じて林業の成長産業化を実現するため、 森林の整備から木材の加工・
流通・利用までの一体的な対策を地域が主体となって計画的に取り組むことのできるよう、 平成28年
度当初及び平成27年度補正における十分な予算の確保
3 TPPの大筋合意を踏まえ、 地域の実情を踏まえた戦略的かつ効果的な木材加工体制の構築や木材
の低コスト安定供給を実現するための間伐や路網整備等、 喫緊の課題に対する集中的な支援策の実施
4 森林の多面的機能の持続的発揮に向けた各種制度や財政支援措置の拡充、 山村振興法の延長に伴い
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盛り込まれた 「地域の特性を活かした産業の育成による就業機会の創出」 や 「定住の促進」 等の山村
振興対策の強化、 地域住民やNPO等による森林管理活動への支援の拡充
5 森林境界の明確化及び森林所有者の経営意欲喚起、 森林施業の集約化、 路網整備の推進への支援策
を講じるとともに、 コンテナ苗の導入促進や架線集材における技術開発など、 森林経営のトータルコ
ストの低減に向けた各種助成策の拡充・強化
6 現場の実態に即した間伐等の森林整備の推進や、 林業事業体の長期かつ安定的な経営に向け、 森林
総合監理士 (フォレスター)、 森林施業プランナー、 現場技能者等の担い手の育成・確保対策の強化
7 水源林整備等を計画的に推進するための実行体制の整備、 施業放棄地・造林未済地等の解消や新規
発生防止に向けた公的関与による森林整備の取り組みの強化
8 環境貢献に着目した公共建築物等木材利用促進法に基づく公共建築物及びその他建築物への木材利
用のさらなる推進、 木材の需給安定対策、 CLT (直交集成板) 等の新技術の開発・普及や土木用資
材の利用推進による木材の需要拡大
9 2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の関連施設整備における木造化・内装木質化に向け
た取り組みの推進及び認証木材などの利用促進
特に、 公益社団法人日本建築士会連合会が工期・コスト等の観点から実現可能として提言を行っ
た、 新国立競技場 「屋根構造の木造化」 に向けた取り組みの推進
10 林業と同様に山村地域の貴重な収入源である特用林産物の需要喚起及び安定生産体制整備への支援
11 地域の安全・安心の確保のための治山対策を含めた災害に強い森林づくり、 津波対策も踏まえた全
国的な海岸防災林の整備促進及び治山・林道施設の長寿命化による 「国土強靱化」 の推進
12 山村住民の生活が脅かされるまで深刻化している鳥獣被害について、 狩猟の通年化等によるシカの
個体数調整の強力な推進など抜本的対策の強化
13 国有林の一元的な管理運営を通じた公益的機能発揮のための事業の実施や人材の育成、 森林・林業
再生に向けた民有林との連携、 木材の安定供給及び大規模災害時における支援等の取り組みの推進
14 森林整備法人 (熊本県林業公社) による円滑な森林整備推進のための地方財政措置及び金融措置を
含む支援策の強化
15 世界の森林の減少・劣化が問題となる中、 森林の適正かつ持続的な経営・利用を図るための違法伐
採対策の強化
以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
○衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 農林水産大臣 経済産業大臣
委員会提出議案第1号:知的障がい者が安心して暮らせる環境の整備を求める意見書
環境大臣
(議決日12月17日)
障害者総合支援法が施行されて3年目を迎え、 同法附則にある3年目の見直しが現在行われている。
見直しに当たっては、 知的障がい者が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活
または社会生活を営むことができるよう、 必要な障害福祉サービスの提供について配慮することが必要
である。
特に、 知的障がい者の高齢化や障がいの重度化により、 生涯を通じた24時間切れ目のない支援がます
ます重要となってきている。
よって、 国におかれては、 以上のような状況を踏まえ、 全ての知的障がい者が安心して暮らせるよう、
下記の事項について適切に対策を講じられるよう強く要望する。
記
1 知的障がい者がより豊かな生活を享受できるよう、 入所施設やグループホームの夜間における人員
配置基準や報酬の見直しを図ること。
2 知的障がい者が一人ひとりの特性に合った必要な支援を受けられるよう、 障害支援区分の判定方法
の見直しを行うこと。
3 障害福祉サービスにおいて、 人件費及び一般管理費は事業経営上、 恒常的に必要とされるため、 介
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護報酬については、 安定的な報酬が受けられるようにすることで、 優秀な人材を確保し、 質の高い安
定した福祉サービスが行えるようにすること。
4 障がい者が65歳になっても、 介護保険ではなく、 これまでと同じ障害福祉サービスが受けられるよ
うにすること。
また、 知的障がい者が障害福祉サービス事業所と契約を締結する場合において、 障がいに合った適切
なサービスが利用できるように、 支給決定を行う市町村やサービスを提供する事業者が、 障がい者に対
し丁寧な説明を行うなど、 十分に配慮するよう指導すること。
以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
○衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 厚生労働大臣
委員会提出議案第2号:学校教育の充実に向けた小中学校教職員定数の改善を求める意見書
(議決日12月17日)
教育は国家百年の計であり、 人材が最大の資産である我が国においては、 これからの社会を支え、 発
展を担っていく子供たちに対し、 一人ひとりの能力を最大限に伸ばすためのきめ細かな教育を提供して
いくことが不可欠である。
一方、 現在の学校現場では、 いじめ、 不登校等の生徒指導上の課題は複雑化・多様化しており、 特別
支援教育、 学力向上、 地域と保護者との連携など、 教育に対する国民の関心、 期待は高まっている。 ま
た、 家庭の貧困が子供の生活習慣、 学習習慣に影を落としており、 学校教育の負担が増大している状況
にある。
そのような中、 財政制度等審議会において、 今後の少子化の進行に合わせて小中学校の教職員定数を
機械的に削減できるとの考え方が示されたが、 このことは、 学校現場の実情や地域の声と相反するもの
であり、 子供たちの能力を引き出す学校教育の実現に逆行するものである。
よって、 国におかれては、 きめ細かな教育を提供する学校教育の充実を図るため、 下記の事項につい
て確実に実施されるよう強く要望する。
記
1 中長期にわたり小中学校教職員が計画的に配置できるよう、 新たな教職員定数改善計画を策定する
こと。
2 子供たちが主体的・協働的に学ぶ課題解決型授業、 いわゆるアクティブ・ラーニングの充実に向け
て、 地域の拠点となる学校に対する加配定数の拡充とともに、 義務標準法の改正による基礎定数の改
善を行うこと。
3 少人数指導に係る加配である指導方法工夫改善加配のほか、 特別支援教育の充実や複式学級を有す
る学校への支援のための加配定数を拡充すること。
以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
○衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 財務大臣 文部科学大臣
委員会提出議案第3号:TPP協定に対する意見書
(議決日12月17日)
環太平洋パートナーシップ協定 (TPP) 協定交渉については、 本年10月5日に、 参加12カ国の閣僚
から大筋合意されたが、 交渉過程において十分な情報提供が行われていなかったことなどから、 これま
で本県議会としても交渉に対して強い懸念を示してきたところである。
国によれば、 TPP協定はアジア・太平洋地域に政府調達、 金融サービス、 医薬品や著作権等の知的
財産分野などの幅広い分野で新しいルールを構築するものとされるが、 本県議会としては、 物品市場ア
クセス分野における関税の撤廃や引下げ等による農林水産業への影響を特に懸念している。
国は、 いくつかの農林水産物への影響分析を示したが、 その内容は曖昧な表現が多く、 定性的なもの
に留まっている。 TPPがもたらす具体的な影響について詳細な情報提供がないことなどから、 現場の
生産者は、 将来の経営に対して大きな不安を抱いている。
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こうした中、 国は、 先月25日に 「総合的なTPP関連政策大綱」 を決定し、 国民の不安を払拭するた
め、 攻めの農林水産業への転換や重要5項目に係る経営安定対策を充実する方針を打ち出した。
本県においては、 稲作、 畜産、 酪農、 畑作、 施設園芸、 果樹など多様な農業が相互に関連しながら共
存していることから、 農林水産業、 農山漁村、 更にはその関連産業に影響を及ぼさないためには万全の
対策を講じる必要がある。
よって、 国におかれては、 TPP協定において、 地方経済社会に与える影響や地方の声を十分に踏ま
えられた上、 特に、 下記の事項に責任を持って対応されることを強く要望する。
記
1 TPP協定が国民生活や地方経済・地方産業に与える影響を具体的かつ定量的に分析し、 速やかに
公表すること。
特に、 関心の高い農林水産分野における影響については、 品目ごとによる詳細な情報を公表するこ
と。
2 米、 麦、 牛肉・豚肉、 乳製品、 甘味資源作物の農林水産分野重要5項目の確保を最優先とした平成
25年4月の衆議院及び参議院の農林水産委員会における決議の遵守など、 合意内容が国益にかなった
ものとなっているかについて、 国会において審議を十分に尽くすこと。
3 地方の基幹産業である農林水産業への影響を及ぼさないよう、 持続的な発展を図るため、 既存の農
林水産予算に支障を来すことなく必要な予算を確保し、 万全な対策を速やかに実行すること。
なお、 野菜・果樹などの農林水産物についても、 重要5項目と同様に万全の対策を講じること。
さらに、 豊かな自然環境、 良好な景観、 文化の伝承等の多面的機能を有する中山間地域等の農山漁
村の維持・発展にも十分配慮すること。
以上、 地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
○衆議院議長 参議院議長 内閣総理大臣 総務大臣 外務大臣 財務大臣 文部科学大臣
厚生労働大臣 農林水産大臣 経済産業大臣 国土交通大臣
内閣府特命担当大臣 (経済財政政策)
― 33 ―
環境大臣
内閣官房長官
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