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平成20年3月 - 公益社団法人 茨城県林業協会

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平成20年3月 - 公益社団法人 茨城県林業協会
林業雇用じょうほう
(1)
第17号
平成20年3月
社団法人
茨城県林業協会
(茨城県林業労働力確保支援センター)
林業雇用じょうほう
(2)
林業雇用改善セミナー
高性能林業機械の導入と経営改善について
平 成 20 年 1 月 31 日( 木 )10:00 か ら、 土
内 容
浦市中貫町の現地森林において、霞ヶ浦流域並
今回は平地林のスギ・ヒノキ 23 年生を対象
びに水戸那珂流域森林林業活性化センターと共
として高性能林業機械を使用した列状間伐を
催で開催した。高性能林業機械の操作等は美和
0.5ha 実施した。
木材協同組合の富田・岡山両課長が行い、森林
間伐方式:3 残 1 伐(3 列残し 1 列伐採)
所有者を含めて 104 名の参加者があった。
間 伐 率:25%(350 本伐採搬出)
実施方法:伐木造材・ハーベスタ
はじめに
搬出 ・フォワーダ
茨城県は、平成 20 年 4 月から森林湖沼環境
一般的には、チェーンソーでの間伐で 2 〜 3
税を導入し、森林整備を積極的に進め、県民生
 /1 日であるが、プロセッサーを組み合わせ
活や産業を支える森林の公益的機能を十分に発
ることで 7  /1 日程度に向上する。
揮させようとしている。しかし、平地林地域で
の林業労働力不足が顕著となっている。特に県
列状間伐の特徴
南・県西地区の平坦な地形での労働力の不足化
選木の手間がかからない。
が見られる。対応策として、施業の団地化と高
伐倒に掛かり木が発生しない。
性能林業機械による新しい作業システムを導入
機械化作業に適している。
し、森林整備(間伐)の促進を図るため、森林
機械化作業(高性能林業機械の導入)システ
ムが導入できない林分には向かない。
所有者の理解を得ると共に林業事業体の生産性
団地化できない林分には向かない。(伐採量
で 500 以上)
向上にも寄与するようにとの欲張りなセミナー
であった。
列状間伐では、残存列に不良木が残る。
立木密度が高い林分では、生長に差がでる。
ハーベスタによる列状間伐
ハーベスタによる列状間伐
当支援センターに寄せられた林業就労希望者の相談件数
平成19年4月〜平成20年3月
 地域別
都道府県別
茨 城
埼 玉
東 京
千 葉
神奈川
栃 木
福 島
その他
計
人 数
62
8
11
5
8
1
5
4
104
 内 容
景気回復の影響もあり、前年度比5%の減少ですが、地球温暖化などで森林に関心を持つ人が相変わらず多い。
林業雇用じょうほう
林業雇用改善セミナー
(3)
森林湖沼環境税の導入と事業推進について
平 成 20 年 1 月 16 日( 水 )13 時 30 か ら、
森林の保全・整備に係る施策の概要
茨城県農林水産部林政課森づくり推進室室長補
1. 荒廃した森林の保全・整備の推進
佐大森富美男氏を招き、常陸太田県合同庁舎に
 公益的機能の維持・向上のための間伐
おいてセミナーを開催し、27 名の参加があった。
管理放棄された森林への公的関与
同税は 12 月の県議会で議決され、平成 20
強度間伐の推進(間伐率 20% → 40% 程度)
年 4 月 1 日から導入される。
間伐面積の増加(従来の間伐に対し
て 5 年間 6,000ha 追加など)
森林湖沼環境税の概要
1. 目的
 間伐に必要な路網(作業道)整備
30,000m/ 年 程度を目標
森林や霞ヶ浦をはじめとする湖沼・河川の
公益的機能を発揮させるための取り組みを、
緊急かつ確実に推進するための財源の確保等
2. 課税方式
県民税均等割の超過課税方式
2. 身近な緑の保全・整備の推進
 平地林・里山林における森林づくりへの支援
従来 30ha/ 年→ 5 年間 2,250ha 目標
3. 森林づくり推進体制の整備
 森林づくりを効率的に行うための支援
3. 税率
個人 個人県民税均等割
(現行 : 年 1,000 円に年額プラス 1,000 円)
法人 法人県民税均等割
(現行 : 資本金に応じて 2 万円から 80 万
高性能林業機械の導入補助及び作業員の養成
4. 県民が木に触れる機会の提供等
 公共施設等への県産材の利用推進
 新築木造住宅への支援
円の 5 段階)に年額プラス 10%
4. 税収見込み
平年度 16 億円
5. 課税期間
5. 県民の意識醸成の推進
 子どもや大人を対象とした森林環境教育
意識醸成への取り組み
平成 20 年度から当面 5 年間
6. 税収の使途
・森林整備の保全・整備
・霞ヶ浦をはじめとする湖沼・河川の水質保全
森林の現状
セミナー風景
林業雇用じょうほう
(4)
林業技術向上研修の開催
茨城県・茨城森林管理署・
(社)茨城県林業協会共催で、常陸大宮市「美和工芸ふれあいセンター」及び「美
和木材協同組合作業現地」において、2 月 20 日〜 2 月 22 日の 3 日間開催され、初日 94 名、2 日目 50 名、
3 日目 36 名の参加があった。
内容等は次のとおりであった。
第 1 日 ( 午前 ) 
第 1 日 ( 午後 ) 〜第 3 日
 茨城森林管理署 笹沼修氏による「低コスト作
 福島県常磐林業協同組合 面川稔氏、美和木材
業システムの事例紹介」の演題で講義があった。
特に、兵庫県内で活躍されている「(株)八木
協同組合 岡山久男氏、細貝浩専門技術指導員に
よる実地研修があった。また三菱キャタピラに
木材」の路網整備と、高性能林業機械化による
よるロングアームハーベスタの操作実習もあった。
列状間伐によって、生産性を上げている作業シ
面川稔氏は、高知県四万十町にある大正町森
ステムには目を見張るものがあった。
林組合が進める通称「四万十方式」( 表土ブロッ
 茨城県林業技術センター専門技術指導員 細貝
ク積上工法 ) を学び実践している方である。こ
浩氏による「低コストに向けた路網整備」の演
の方式は切土を捨てずに盛土に活用し、表土を
題で講義があった。
層にして緑化を早めるなど、急峻な地形にも適
特に、機械化による作業システムは避けて通
れない現状にあり、作業道の必要性と低コスト
化による森林所有者への還元が強調された。
用でき、環境に優しい作業道づくりをめざすも
のであった。
三氏はそれぞれ分担し、サウルスロボによる
作業道づくり、ロングリーチハーベスタによる
伐倒・玉切り、フォワーダによる運搬など参加
者の指導にあたった。
受講状況
表土と盛土に活用
作業道開設
ハーベスタの伐採・玉切
林業雇用じょうほう
(5)
緑 の 雇 用 担 い手対策の実施
当該事業は、地球温暖化防止と適切な森林整備を図るための林業労働者育成を目標としており、平成 18
年度から平成 22 年度までの 5 年間において、林野庁の定額補助事業として実施しているものであり、19
年度下半期の事業を実施した。
[ 受入事業体と研修生]
受入事業体名
基本
研修
[ 技術高度化研修]
技術
高度化 計
研修
茨城県森林組合連合会
2
0
2
㈱いばらき森林サービス
0
1
1
㈱ヨシナリ林業
1
2
3
㈱堀江林業
1
1
2
常陸大宮市森林組合
1
0
1
大子町森林組合
1
1
2
大北産業㈱
1
0
1
二方林業
1
0
1
美和木材協同組合
1
1
2
平林林業
1
2
3
本多林業
1
0
1
タカノ
1
1
2
吉成木材
2
0
2
佐川運送
1
0
1
山伸林園
0
2
2
東和木材産業
1
0
1
16
11
27
基本研修を修了した者等の中で、主に伐出作業
に従事し、県の施策の対象となる者に対して、か
かり木処理などの研修(年 80 日)
[ 集合研修]
基本研修及び技術高度化研修生を対象にして、
年に 20 日間の集合研修があり、それぞれ下期の
10 日間の研修が修了した。
・基本研修に係る集合研修(10 日間)
日時 H 20 . 1 . 15 〜H 20 . 2 . 9
内容 林政・林業の現状、木材産業、安全衛生
林業の基礎、高性能林業機械の現状と操
作実習等
・技術高度化研修に係る集合研修(10 日間)
日時 H 19 . 11 . 26 〜H 19 . 12 . 7
内容 機械化によるかかり木処理、安全衛生
[ 基礎研修]
育成研修 : 間伐林齢が低いなど収益が見込まれない
森林で研修(年 140 日)
:
実践研修 請負契約などで収益が見込める森林での
研修(年 40 日)
フォワーダーでの搬出
県民の森見学
作業道開設
林業雇用じょうほう
(6)
林業研修事業の実施状況(平成19年度)
1. リーダー養成研修
講習区分と機関名
●
期 間:平成 19 年12 月7日〜平成 20 年 3 月 4 日
●
研修日数:19 日
区 分
所属事業体別受講者は次のとおりです。
事業体名
大

子
町
タ
森
カ
人数
組
2
22才、22才
ノ
1
26才
2
32才、32才
 ヨ シ ナ リ 林 業
1
25才
平
業
1
32才

1
25才
 大 槻 製 材 所
1
29才
 東 和 木 材 産 業
1
35才
本
業
1
52才
営
1
43才
二
方
林
林
多
業
林
自
計
指定講習機関
車両系建設機械
運転技能講習
日立建機
茨城教習所
玉掛技能講習
同上
小型移動式
クレーン技術講習
陸上貨物運送業
労災防止協会
茨城支部
はい作業主任者
講習
同上
フォークリフト
運転技能講習
同上
備 考
美和木材協同組合
林
内 容
トラクター
集材
はい作業
造材技術
造材・素材生産に 林材業労災防止
係わる講習
協会茨城支部
12
研修内容は、別表のとおりであり、経費につい
林内作業車
林内作業車による
安全講習
同上
機械集材
集材機装置の
運転特別教育
同上
は県からの委託事業によるため無料。
研修終了後は、「林業作業士」として資格認定さ
れ、事業の請負等においても有利にカウントされる。
リーダー養成研修
ワイヤロープの継ぎ方研修
林業雇用じょうほう
(7)
2. 就業前林業技術取得基礎研修
●
期 間:平成 19 年11月 9 日〜平成 19 年11月18 日
●
研修日数:4日
新しく森林整備に従事しようとしている者に
対して、森林・林業・労働安全衛生に関する知識
を習得させるための研修を実施し、47 名が受講した。
内容別内訳は次のとおり。
区 分
日時
場所
人数
基 礎 研 修
11. 9
茨城県植物園
47 人
刈払機安全教育
11.10
〃
27
伐木等特別教育
11.17〜18
〃
46
計
チェーンソーの目立て研修
47
林業就業支援講習会の開催(第2回)
当講習会は、林業への就業希望者に対して、林
1. 平成 19 年 10 月15 日〜 10 月 8 日(18 日間)
業作業体験等を通して、林業への理解と就業意識
2. 実施主体 茨城県林業協会
の高揚を図るため、全国森林組合連合会から受託し
3. 内容 森林林業全般、安全教育、実習
て実施した。
4. 修了者 8 名
講義風景
㈱茨城木材相互市場見学
県森林組合連合会素材市場見学
㈱カクライのプレカット工場見学
林業雇用じょうほう
(8)
職場見学会・大子清流高生
森林科学科を設置する大子清流高 1 年〜 2 年生
対象に職場見学会を下記のとおり実施した。
 日 時 平成 20 年 2 月 6 日 ( 水 )
 場 所 県内林業関連施設
 参加者 43 名 ( 生徒 32 名 )
 見学先

美和木材協同組合 ( 常陸大宮市 )
プロセッサ等機械化作業の現状

プレカット工場見学
 カクライ ( 城里町 )
プレカット工場の設備と作業状況

 ミトモク ( 水戸市 )
製材品市場の流通の現状

 棟匠 ( 水戸市 )
木造住宅の現状

県森林組合連合会 ( 常陸大宮市 )
素材市場の現状
木材市場見学
機械作業の見学
茨城県林業労働力
育成協議会の開催
モデル木造住宅見学
主な意見として
森林湖沼環境税の導入後は、森林整備面積が増加
するので林業労働力の育成・確保に対応して欲しい。
国有林は一般競争入札にしたため、高性能林業機
本県の森林・林業の現状を踏まえた林業労働力
の育成確保対策を協議するため、平成 19 年 11 月
13 日水戸市内で開催された。
械を導入し体力のある事業体である必要がある。
景気回復のためか林業労働力が集まりにくくなった。
境界を知らない所有者が多く、提案型施業にも影
響がでる。
生産性向上のため機械化が必要である。
林業雇用じょうほう
(9)
林業先進事例見学ルポ
埼玉県中央森林組合・金子製材KKを訪ねて
今回の見学会は、茨城県林業協会とゼロ災推進
公園用、林道用等各種加工を行っている。営業に
協議会の共催とし、平成 20 年 3 月 5 日〜 6 日に
あたっては、手づくりのカラーパンフレットを活
実施し 15 名の参加がありました。
用している。
中央森林組合では、代表理事組合長 高山利雄氏、
また、製材加工から生ずるバタ材はキャンプ用
統括 松本治夫の説明があり、金子製材では金子真
燃料。樹皮はブルーベリー畑の防虫保水材、かん
治社長から丁寧な説明を受けました。概要は次の
な屑はトマトのマルチング材、オガ屑は畜産用敷
とおりです。
材として利用されている。
■埼玉県中央森林組合
■金子製材 KK
所在地 埼玉県比企郡小川町大字高谷 2466 − 4
所在地 埼玉県秩父郡横瀬町 585
合 併 平成 13 年 10 月 1 日 3 組合が合併
電 話 0494 − 22 − 6155
出資金 5,000 万円
業務内容 森林育成、製材注文住宅
組合員 2,323 名
不動産賃貸・売買
職 員 8 名
製材能力 18,000  / 年
作業員 12 班 (35 名 )
特 徴
当社は、昭和 19 年に創業した国産材専門の工
特 徴
当組合は、森林整備から製材・加工まで広く事
場であり、乾燥ムク材の「コンポドライ」の商品
業を行っている。間伐等については、アンケート
名で乾燥材の販売を行っている。コンポドライは、
調査や訪問により意向確認し、利益還元できる森
構造材を高温蒸気乾燥や高周波乾燥により実施し、
づくりを進めている。特に県の高性能林業機械貸
モルダー処理→マイクロ波による含水計測→ヤン
付制度を活用した機械化への取り組みや事故防止
グ計測→印字で出荷している。このためには、平
に力を入れている。
成 15 年 JAS 人工乾燥構造用製材のため機械等級
さらに、企業との連携による研修の森づくり
区分製材 ( 全国で数社、東日本で 2 社 ) の導入が
を 5 ヶ所で進めると共に、製材品からは、土木用、
大きく寄与している。
会社の概要説明
森林組合の工場見学
作業現地見学
工場見学
(1 0)
林業雇用じょうほう
森林の仕事ガイダンス参加
平成20年2月1日(金)〜2日(土)東京都秋葉原アキバスクエアで開催され、28の相談ブースに約4,000名が来
場し、森の仕事について相談した。
茨城県の相談状況
トークショー
緑の雇用情報誌取材協力
本県取材のため平成19年12月13日(木)〜14日(金)に全国森林組合連合会スタッフが来県した。
取材スタッフ
研修生取材
この冊子は、茨城労働局からの地域林業雇用改善事業により作成されています。
平成20年2月東京都において鹿児島大教授 遠藤日雄
(クサオ)氏の講演を開いた。今、外材をめぐって三つの
リスクが生じている。①クレートリスク(材価の高騰)
②為替リスク(ユーロ高、欧州材の高騰)③タイムラグリス
ク(納品まで4ヶ月かかる)
このような中ロシア材は平成20年から80%課税との動
きがあり、外材の値上げの動きの中で国産材が一気に注
目されだした。本県では平成20年4月から森林湖沼環境
税が導入され新たな施策が展開されるなど追い風が吹い
ている。
(K.A)
※表紙の写真 土浦市中貫町内研修状況
発行 : 編集(問合せ先)
〒310−0011
茨城県水戸市三の丸1−3−2
(林業会館内)
(社)茨 城 県 林 業 協 会
茨 城 県 林 業 労 働 力
確 保 支 援 セ ン タ ー
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