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アンゴラ情勢報告(2012年10月)

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アンゴラ情勢報告(2012年10月)
2012年11月1日
在アンゴラ日本国大使館
アンゴラ情勢報告(2012年10月)
【10月の政治動向】
<内政>
・
新政権人事:

1日,新政府における大臣就任。また,11日,副大臣が就任。

17日,大統領中枢補助機関のメンバーが就任。主要ポストは以下のとおり:
経済担当補佐官 アルマンド・マヌエル
社会担当補佐官 フランシスコ・シマン・エレナ
外交・国際協力担当補佐官
カルロス・フォンセッカ
広報メディア(Cominicacao Institucional e Imprensa)担当補佐官 ジョゼ・メナ・
アブランテス
大統領室長 マヌエル・パウロ・ダ・クーニャ
・
閣議:

3日,閣議が開始。組織の体制,第4四半期の財政プログラム,中期国家計画や来年度
予算に関する協議。

31日,閣議は,干ばつの被害を受けている州に対する支援強化を決定。また,公務員,
とりわけ財政分野での人材の質向上に向け,財政訓練機関(Instituto de Formacao de
Financas Publicas)を設立。
・
国会:15日,第3次立法議会の第一回国会が開始。ディアス・ドス・サントス国会議
長は,開会式において,立法機関と行政機関間の戦略的協力関係は監視機能に留まる
べきでなく,国家機関間の権力均衡は法に基づき実行されるものであるとし,新たな
会期に臨み両者間の健全な関係を築く旨述べた。先月26日に実施された大統領就任式
で既に演説をしたとの理由から大統領の所信表明演説は行われなかった。
・ 収支決算:30日,ゴルジェル経済大臣は,国営ラジオ,TPA,ソナンゴル(石油公社)
,
EDEL(配電公社)
,ENE(電力公社)
,EPAL(水道公社),フェランゴル(鉄公社)等15
の公社の今期収支決算を承認。
・
保健医療分野:

世界保健機関(WHO)によると,アンゴラはこの1年,ポリオの発症例が1件もなく撲
滅に向け順調であるが,より確実なものとすべく予防接種等これまでの活動を続けて
いくことが重要。

11日,ヴァン・ドゥーネン保健大臣は,第一回心臓病・高血圧アンゴラ会議に出席し,
アンゴラで,特に若者の間で循環器系の患者が増えている旨言及。

18日,同大臣は,アンゴラはHIV/エイズやマラリア等主要な感染症の発症,死亡
率,また寿命や母子死亡率において改善傾向にある旨述べた。また,11月19~23日,
WHO アフリカ地域委員会の会合をアンゴラで開催する旨発表。
・
環境分野:ジャルディン環境大臣は,特に環境保全に関する戦略において他国の協力
が必要であり,また現在あるニーズに応えるためには,より高いレベルにおける人材
育成が急務である旨述べた。
・
鉱業分野:

11日,鉱業・観光国際見本市が開幕。鉱物資源国際フェアには,約120の企業,団体が,
またホテル・観光フェアには約80企業が出展。

ケイロス地質鉱山大臣は,アンゴラ全土の資源保有潜在性や埋蔵地を示した地質マッ
プを作成中である旨発表。
・
工業:シルヴァ工業大臣は,丸紅が実施する繊維工場リハビリ案件のサイトを視察。
・
建設・インフラ:

12日,運輸省法務局が発表したところによると,港湾インフラ近代化に関する国家プ
ロジェクトの一環として,今年末までに18州中14州において空港が近代化される。

25~28日,ルアンダにて,第10回 Projekta By Constrói Angola が開催され,国内外
から380の建設関係企業が出展した。

ANIP 長官によると,ここ2ヶ月の間に ANIP は合計5億ドル以上に相当する投資契約
を締結。契約は,産業,建設,商業分野。ルアンダ・ベンゴ経済特区における建設資
材の工場設立も含む。このうち,建設契約を結んだ Gema グループは,ヘリポートを有
する5星ホテル「Hotel Vip Grand Luanda」,映画館施設を設けた「Luanda Shopping」
などの建設を計画。
・
漁業:16日,ネト漁業大臣は次数年の漁業分野でのプロジェクトに関し述べた。漁業
資源の回復,漁業支援インフラの向上,水産加工業の発展,水産養殖,製塩業の発展,
専門家の育成に重点を置いている。
・
農業:

カンガ農業大臣は,
「農業分野への政府の無条件支援」を開始。農家に対し農具や種等
を配布。

23日,同大臣は,エドゥアルド・ドス・サントス財団が開催した「今日のアンゴラの
発展における農業」に関するワークショップにおいて,より強力な農業・牧畜関連企
業が育ち,国内市場での生産が促進され,国際市場での競争力を強化する必要がある
旨言及。
・
石油関係:

18日,石油輸出から生じる5000億クワンザの資本金により,アンゴラ・ソブリン・フ
ァンドが設立された旨発表。CEO はアルマンド・マヌエルが務める。

フランシスコ・ジョゼ・マリア・ソナンゴル CEO は,ソナンゴル関連企業幹部の人事
異動を発表。
・
雇用促進:18日,ネト行政労働社会保障大臣は,アンゴラが国家復興の段階にある現
在,政府の主要目標の一つは,雇用拡大の条件を整備することである旨言及。
・
その他:ベント・ルアンダ州知事は,市場を建設し,現在路上で商売を行う人々に登
録制で場所を提供する計画を発表。
<外交>
・ キューバ・アンゴラ協力関係: アンゴラには約3500人のキューバ人が在住し,保健医
療,教育,建設分野で活動している。また,マラリア,HIV/エイズの撲滅プロジェク
トを実施する予定。識字教育プロジェクトでは12人のキューバ人が,1576人のアンゴ
ラ人と協働している。
・ 伯・アンゴラ関係:アンゴラ・伯間受刑者移送条約について,条約発効に関する法的
交換文書への調印が行われた。
・ アルジェリア・アンゴラ協力関係:アルジェリアは,両国国会間の協力関係を深める
ことを約束。
・ ベネズエラ・アンゴラ協力関係:22日,アンゴラとベネズエラは環境管理分野におけ
るE/Nを締結。これによりベネズエラのボリバリアーナ大学において同分野でのア
ンゴラ人研修が実施される。
・ 中国・アンゴラ協力関係:31日,商務,鉄道インフラセクター代表,輸出入銀行代表
からなる中国代表団が来訪。両国は,ルアンダ州モゾゾでの農業試験研究所の建設に
関する協定に署名。これにより,アンゴラ各地で米,麦の栽培試験等を行うことにな
る。また,中国向けに輸出されるアンゴラ製品に対する税金を95%削減する旨の協定,
キンランバ・キアシのルアンダ総合病院の修復・拡張に対し1億元(約1600万ドル)を
供与する協定にも合意。
・ スペイン・アンゴラ協力関係:約7のスペイン公立大学が,農業,農業科学分野で,
アンゴラの大学と提携している。また,農産業分野では修士課程開始の準備を行って
いる。森林資源分野でもコース開始を検討中。
・ 多国間協力:モシコ州,ルアンダ州の水供給と下水道改善プロジェクトが,アンゴラ
政府,国連,スペイン政府の協力で実施される。本案件はミレニアム開発目標にも資
するものである。また,この一環として,キランバ・キアシ市の上下水道整備が実施
され,ポルトガル水道局(EPAL)が協力。
・ 司法権に関するアフリカ国際会議:2~4日,ルアンダにて,憲法上の司法権に関す
るアフリカ国際会議の第2回執行局会合が開催された。
・ フランコフォニー首脳会合:13日より,シコティ外相はコンゴ民にて開催された第14
回フランコフォニー首脳会合に出席。
・
近隣諸国との関係:

15日,シコティ外相は,近隣諸国への避難民への対応が優先的外交課題の一つである
とし,国連の難民ステータスの猶予を与える等,近隣諸国とアンゴラ避難民の自発的
帰還への協力につき交渉をしている旨述べた。また,大湖地域情勢に関し,紛争に発
展しないよう同地域の政府が取り組むべき問題である旨言及。

16日,シコティ外相は,アンゴラ政府は地域課題に関しより敏感になっており,ギニ
ア・ビサウ問題に関し,問題解決に向けこれまでも積極的に関与してきたが,今後も
引き続きフォローしていく考えを述べた。

22日,アンゴラ外務省はルアンダにて近隣諸国との関係強化を目的とした国境協力に
関するセミナーを開催。シコティ外相は,自発的帰還民プログラムの再開を発表。

31日,シコティ外相はコンゴ民を訪問し,アンゴラ人避難民のステータス問題につき
話し合った。

移民局によると,アンゴラ,ジンバブエ,南ア,ボツワナ,ザンビアの5カ国は,オ
カバンゴ-ザンベゼ(Okavango-Zambeze)自然保護区を訪れる観光客に対し5カ国入国
可能な査証を発給するプロジェクトを検討中。
・
韓国アフリカ首脳会合:16~18日,ソウルにおいて,韓国アフリカ首脳会合が開催さ
れ,韓国とアフリカ諸国は包括的協力プログラム「アクションプラン2013-2014」を
決定。6分野37プロジェクトからなり,5.87億ドルを要する。主要分野は,インフラ,
情報通信技術,人材育成,農業,グリーン成長と経験知識の共有。韓国は,社会保障
分野での経験を共有し,教育開発への支援を約束。
・
CPLP 関係

CPLP 諸国代表は,カーボ・ヴェルデにおいて,国内機構の地位に関する原則(パリ原
則)に基づく人権機関の設立,発展につき意見交換を行った。

CPLP 最高裁判所長官フォーラムが東ティモールにて開催され,アンドレ長官がアンゴ
ラ代表として参加。
・
不法滞在:ビエ州の国家警察司令官は,今年前半にビエ州で54名の外国人を不法滞在
により国外退去させた旨報告。
・
アフリカ開発フォーラム:22日より第8回アフリカ開発フォームが開催され,同フォ
ーラム報告書はアフリカ沿岸国では漁業が国内総生産に大きく貢献している旨発表。
同フォーラムはアフリカ経済委員会(CEA)が2年に1度開催している会議。
【基本事項】
<一般情報>
・ 国名はンドンゴ王国の王号ンゴラに由来。人口1850万人1(2009年世銀推計)
・ 旧ポルトガル植民地であり、1975年に独立。独立後、1975年から2002年まで長年に亘
る内戦を経験し、2002年に和平を達成。
<政治体制・内政>
・ 大統領を元首とする共和制国家。
・ 2002年の内戦終結以降、民主化を進めており、国内政治的には非常に安定。
・ 2008年9月に内戦終了後、16年ぶり2度目の国会議員選挙が実施され、与党アンゴ
ラ解放人民運動党(MPLA)が81.3%の得票で圧勝。
・ ジョゼ・エドゥアルド・ドス・サントス大統領は、初代大統領アゴスティーニョ・ネ
トの死去をうけ、1979年9月20日就任。
・ 2010年に新憲法が施行。首相職が廃止され、副大統領を設置。大統領と国会議員の選
出を同一の選挙で実施する「議院大統領制」が採用された。大統領の任期は5年2、2
期まで。議会は1院制(議席数220、任期5年)。
・ 2012年8月31日、新憲法の下で初、史上2度目の大統領選挙、史上3度目の国会議員選
挙となる総選挙が実施され、ドス・サントス大統領が再任された。
(了)
1
2013年に国勢調査の実施を予定。
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