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問題 (PDF:416KB)
第2回
平成 26 年度 国 語 (50 分)
注 意 事 項
1 試験開始の合図があるまで,この問題冊子の中を見てはいけない。
2 この問題冊子は 20 ページである。
試験中に問題冊子の印刷不鮮明,ページの落丁・乱丁及び汚れ等に気付いた場合は,手を挙げて
監督者に知らせること。
3 試験開始の合図前に,監督者の指示に従って,解答用紙の該当欄に以下の内容をそれぞれ正しく
記入し,マークすること。
・①氏名欄
氏名を記入すること。
・②受験番号,③生年月日,④受験地欄
受験番号,生年月日を記入し,さらにマーク欄に受験番号
(数字),生年月日
(年号・数字),
受験地をマークすること。
4 受験番号,生年月日,受験地が正しくマークされていない場合は,採点できないことがある。
5 解答は,解答用紙の解答欄にマークすること。例えば,
10
と表示のある解答番号に対して
2 と解答する場合は,次の(例)のように解答番号 10 の解答欄の 2 にマークすること。
(例)
解答
番号
解 答 欄
10
1 2 3 4 5
6 問題冊子の余白等は適宜利用してよいが,どのページも切り離してはいけない。
7 試験終了後,問題冊子は持ち帰ってよい。
2014KN2A-01-001
~問
1
に答えよ。
国 語 ( 解答番号 次の文章を読んで、後の問
さ っぽろ
1
4
〜 27
) ンの子が生まれそうだと、志渡から連絡を受けた貴子は、まりもを連れて「シルバーランチ」に向かう。
うしろあし
しり
(注
)
おっくう
体、 後 肢、尻までが、勢いよく産みおとされる。最後に、びしゃ、と残りの羊水があふれた。
(注
)
(注
)
ぬ
な
(注
とちくり げ
)
にお
たのかもわかっていない表情で、寝藁の上にぼんやりうずくまっていた。まだ濡れているために黒っぽく見えるが、母親に似た栃栗毛らしい。額から
ね わら
子馬は破れた羊膜を毛布のように体にかけたまま、ふるふると小刻みに震えている。母馬が体を舐めてきれいにしてやる間も、いったい何が起こっ
いだ。
しばらくの間、シャイアンは精も根も尽き果てた様子で横たわっていた。やがて、億劫そうに立ちあがり、ゆっくりと向きを変えて子馬の匂いをか
2
息んだ。大きなかたまりがずるりと押し出されてくる。子馬の鼻面から頭部、肩までが通ってしまうと後は楽だった。葛餅のような羊膜に覆われた胴
くずもち
二十分か、三十分ほどもたったろうか。腹ばいの姿勢でひと息ついていたシャイアンの腹部が、何度か大きく引き攣れ、もがくようにひときわ強く
つ
んでいた。小学六年生のまりもも、知り合いの貴子のすすめで「シルバーランチ」に通っていた。東京のオーナーから預かっている牝馬シャイア
ひん ば
札幌の病院に勤める看護師の貴子は、志渡銀二郎が営む石狩の乗馬牧場「シルバーランチ」に休みのたびに通い、手伝いをしながら乗馬を楽し
4
しっ ぽ
あん ど
と、シャイアンがまたしても腹を痙攣させて息み始めた。尻尾の陰から、さっきと同じような白い膜が出てくる。
けいれん
「だよな。ドラマなんかだと、たいていは難産だもな。けど、そもそも野生の馬がみんなそんなに難産だったら、とっくの昔に絶滅してるべさ」
ずっと馬房の中にいた志渡が、馬栓棒をくぐって出てくる。彼もまた、ふう、と安堵の息をついた。
思ってた」
「もっと大変なのかと思ったのにね」貴子は小声で言った。「コンビニから帰ってきたら生まれてたなんていうのは、よっぽど特殊な例だとばかり
まりもが、ようやく思い出したように息を深く吸いこんだ。
鼻面にかけて、流星よりも横幅の広い〈作〉と呼ばれる白い帯模様があった。
3
2014KN2A-01-002
― 1 ―
1
1
「えっ双子?」
まりもが驚いて叫んだ。
(注
)
「いや、あれはな、後産っつって、胎盤が出てくるんだ。見ててみな。後産が済んだら、親馬はそれを全部食っちゃうから」
「うそ、食べちゃうの?」
「そうさ。草食動物の馬が肉食になる唯一の瞬間が、お産の後なんだわ」
まりもがいささか気持ち悪そうな顔をする。
「そんなもの、どうして食べるの」
「よしよし、頑張って立てよ」志渡は、嬉しそうに声をかけた。「でないと母ちゃんのおっぱいが飲めねえべや」
うれ
そうこうするうちに、子馬が自分から立ちあがるそぶりを見せ始めた。
自然に任せてんだ」
とっては貴重な栄養にもなるしな。親馬も、その乳を飲んだ子っこも下痢するから食べさせないで片付けたほうがいいって言う人もいるけど、俺は、
おれ
「まあ、本能だわ。自然の中じゃ、血の匂いのする胎盤をそのまんまにしといたら危険な動物をマネき寄せる原因になるべ? まだろくに歩けない
こん せき
子っこが近くにいるってこともわかっちゃうべ。だから、痕跡が残らないように食って始末するわけよ。それと同時に、お産で体力の落ちた親馬に
ア
「いいか、次に子馬が立ちあがったら、おなかの下から腕を回して支えれ。あ、ほら今だ今!」
する様子もなく、再び子馬を舐め始める。時折、鼻先で押しては立たせようとするのがわかった。
いいからおいで、と言われた彼女が志渡の後ろから馬栓棒をくぐって入っていくと、シャイアンはいっとき顔をめぐらせてじっと見た。とくに気に
「えっ」
「中へ入って」
「はい」
「まりも」
らと四本柱だけの二階家のように揺らいだあげくに顔からドサリと藁に倒れこんでしまう。
何度も、よっ、よっ、というふうに勢いをつけ、ジョウダンのように細い肢をばたつかせるのだが、ようやく立ちあがったかと思えば、ゆーらゆー
イ
2014KN2A-01-003
― 2 ―
5
まりもはアワてて、中腰で両腕を突き出して子馬を抱えた。
ウ
「お、重い!」
「踏ん張れ!」
よろけそうになるのをケンメイに持ちこたえる。
「ぬるぬるするぅ……」
のぞ
な
ほほ え
「もうちょっとだ。もし子馬が怖がるようだったら、撫でまわしてやれ。人間は怖くないってことを教えてやるんだ」
まりもが心細そうな目をして、入口から覗いている貴子を見あげる。貴子は微笑み、黙ってうなずき返してやった。
少しして、自分から横になりたそうなそぶりを見せ始めた子馬を、まりもはそっと藁の上に寝かせた。
「よし。じゃあ次、貴ちゃん」
「えっ」
思わず、まりもとそっくり同じ声をあげてしまった。まさか自分にも順番が回ってくるなどとは思いもよらなかったのだ。
まりもと入れ替わりに馬房に入る。またしても不器用に立ちあがろうとする子馬が、つんのめるようによろけるのを急いで下から支えてやる。
「わ、ほんとだ、重い!」
ろっこつ
血の混じった粘液で全身が濡れているせいで、ぬるりと手が滑りそうになる。もっと深く抱え直すと、子馬の背中に鼻が付きそうになった。なまぐ
かな
さいだろうと思っていたのに意外なほどさっぱりとした匂いで、両手の指には向こう側の肋骨が触れているのがわかる。ゴムでできているかのように
柔らかいのは、まだ骨そのものが固まっていないせいだ。
こんなに頼りない骨で、もう立ちあがろうとするなんて……。
それもこれも捕食者から身を守るための本能かと思うと、せつないような哀しいような何とも言えない感情がこみあげてきて、貴子はふっと泣きそ
うになってしまった。
子馬が、イヤイヤともがくような仕草をする。
「よしよし、怖くないよ」
だれ
貴子は、向こう側に回した指で子馬を撫でさすった。
「大丈夫、誰もいじめたりしないからね。みんなお前の味方だよ」
子馬の背中越しに、さっきとは逆に、入口から見つめているまりもと目が合う。貴子が微笑むと、まりももふわっと満面の笑みを浮かべた。
A
2014KN2A-01-004
― 3 ―
エ
めす
おす
近づいてきた志渡が、子馬の尻尾をひょいと持ちあげた。
「お、牝だ」
「どっちが良かったんですか」
た
「オーナーは、どっちかって言えば牡がよかったみたいだけどよ。でもまあ、こればっかりはなあ」
そうして志渡は、聞こえよがしの溜め息をついた。
「やれやれ、いつのまにやらどんどん女所帯になってくなあ」
(注
)
生まれた子馬の命名権は、当然オーナーにある。
母馬が「シャイアン」なので、同じくネイティヴ・アメリカンの部族名からとって、子馬は「スー」と名づけられた。なんでも、牡が生まれたらアパッ
チ、牝ならスーと決めていたのだそうだ。
へんてこな名前だったらどうしよう、そしたらこっそり別の名前で呼ぼう、などと考えていたまりもも、ひとまずほっとした。ネイティヴ・アメリ
ひ
カンについてはよくわからなかったが、呼びやすいし、響きが素敵だと思った。
母馬を曳いて歩きさえすれば、子馬はどこにでもついてくる。他の馬たちと一緒に放牧されたスーは、広いところに慣れていないせいもあってか前
「生きてくって、きびしいね」
そっか、とまりもは 呟 いた。頭に浮かんだことをそのまま口にする。
つぶや
調教してやらなくちゃならないのよ。人の言うことを聞かない馬になったら、誰にも可愛がってもらえなくて、しまいには生きていけなくなるしょ」
「うそ、どうして? あのまま仲良しでいたらいけないの?」
い
か わいそう
「うん、いけないんだわ。親馬とずっと一緒にさせとくと、子馬はいつまでたっても人を受け容れない。可哀想に思えても、親から離してちゃんと
「あと何ヵ月かしたら、あの親子を引き離さなくちゃならないんだ」
可愛い、と目を細めて見ているまりもに、しかし志渡は言った。
か わい
だった。
飽きるかすると、母親のそばへ寄っていき、内股のあたりを鼻面で突き上げるようにしながら乳を飲んでは、ところかまわず横になって寝てしまうの
うちまた
へ走るより上へ跳ねるほうが楽しい様子で、まるで技をヒロウするバレリーナのように牧草地をぴょんぴょん飛びまわっていた。そのうちに疲れるか
オ
2014KN2A-01-005
― 4 ―
6
ふっと笑った志渡が、まったくだ、と言った。
(注
)
な
「したけどよ、うちでは親子を離す時、ゆっくりゆっくり馴らすようにしてる。ある日を境にいきなり引き離すところも多いけど、もし事情が許し
ら、大好きな親と無理やり別れさせられたら、心に傷が残っちゃうかもしれないしょ」
て時間と手間をかけてやることができるんなら、生木を裂くようなまねはしないに越したことはないもね。あいつら、ほんとに感情が豊かで繊細だか
7
うなずいたものの、黙ってしまったまりもの頭を、志渡はがしがしと撫でてくれた。
「馬ってやつはよ、まりも。生まれた時から母親しか知らない動物なんだ。自分の父ちゃんが誰かなんて、たぶん一生考えない。だけどそのぶん、
(注
5
3
1
4
2
(村山由佳『天翔る』による。)
母親のことが大好きなんだ。だからな、いつかシャイアンとスーを離す時がきたら、そこからあとは、お前がスーの母親役になって、ありったけの愛
(注
) 羊膜・羊水 ― ― 母 胎の中で胎児を包む薄い膜が羊膜で、その内側を満たす液が羊水。
情を与えてやってくれ。人間は信頼していいんだぞってことを、お前があいつに教えてやるんだ」
(注
)(注
(注
6
) ネイティヴ・アメリカン ― ― ア メリカ合衆国の先住民族の総称。
) 生木を裂く ― ― こ こでは親子を無理やり別れさせること。
)(注 ) 流星・〈作〉― ― 馬 の額から鼻面にかけて現れる模様。
ほ にゅう
はいせつ
) 胎盤 ― ― 哺 乳 動物の母胎の子宮内壁と胎児との間にあって栄養・呼吸・排泄などの機能を媒介・結合する盤状器官。
(注
7
2014KN2A-01-006
― 5 ―
B
探
招
~
譲
常
丈
畳
1
~
ウ アワてて 。
奮
5
忙
憤
慌
惑
5
4
3
2
1
のうちからそれぞれ一つ選べ。解答番号は
イ ジョウダン 喚
訪
冗
披
秘
被
妃
批
5
4
3
2
1
誘
賢
験
県
2
4
3
2
1
貴
子は暴れる子馬をなかなか手なずけられずに戸惑っているが、まりもは自分の方が上手に子馬を扱うことができたと誇らしく思っている。
まりもは貴子の自分に対する思いやりの深さに初めて気づき、貴子に信頼を寄せるようになったまりもと貴子の心が通じ合っている。
貴
子はか弱い子馬をうまく抱えて満足しているが、子馬に触れることに強い不安を感じていたまりもは心配をかけまいとして強がっている。
血の混じった粘液で濡れた子馬を抱えるという不快な体験をした貴子とまりもが、二人一緒なら子馬を育てていけるだろうと感じている。
生まれたばかりの子馬の腹を抱えるという同じ体験をした貴子とまりもが、この頼りない生き物を守ろうという思いを共有している。
2014KN2A-01-007
― 6 ―
オ ヒロウ 懸
憲
3
5
5
4
3
2
1
5
エ ケンメイ 5
1
5
4
3
2
1
6
1
4
5
傍線部A 貴子が微笑むと、まりももふわっと満面の笑みを浮かべた。
とあるが、この様子を説明しているものとして、最も適当なものを、
次の
~
のうちから一つ選べ。解答番号は
。
1
5
4
3
2
1
傍線部ア~オに当たる漢字を、次の各群の
問
1
ア マネき 問
2
問 傍線部B うなずいたものの、黙ってしまったまりもの頭を、志渡はがしがしと撫でてくれた。
とあるが、このときの志渡の心情はどのよう
~
のうちから一つ選べ。解答番号は
。
なものか。最も適当なものを、次の
問
7
ほしいと期待している。
倒置法や対句を多用することで、独特なリズムが生まれ、現実的な題材を取り上げた作品に芸術的な雰囲気をもたらしている。
馬の習性を詳細に説明することで、馬の生態を正確に伝えることができ、作品が実際の出来事に基づいていることを表している。
のうちから一つ選べ。解答番号は
三人の人物による会話文を用いて馬の様子を叙述することで、読者にとってなじみのない小説の題材に入り込みやすくしている。
~
ひらがな書きを多用することで、大人の世界の中に子どもの視点を導入し、作品を誰にとっても親しみやすいものにしている。
この文章の描写の特徴とその効果についての説明として、最も適当なものを、次の
比喩や擬態語、擬音語を効果的に用いることで、描かれた世界を具体的に読者にイメージさせ、作品に現実感を与えている。
ゆ
1
ひ
2
8
。
子馬を育てる責任を自分だけが負わされることに不満を持つまりもの気持ちを理解しながら、まりもにはすべてをかけて子馬を大切にして
てごまかしている。
どんな方法をとっても馬の母子を引き離すことに納得しないことをまりもの不満げな表情から読み取り、言葉で反論できないため頭を撫で
しいと願っている。
母馬から引き離される子馬がかわいそうでならないまりもの気持ちを受け止めながら、まりもには母馬に代わって愛情深く子馬に接してほ
かと悩んでいる。
馬の親子を引き離すことを受け入れられないまりものわがままは認めることができず、どのように説得すればまりもが現実を受け入れるの
と考えている。
母馬から引き離される子馬を自分に重ねて感傷的になっている幼いまりもをかわいそうに思い、まりものことは自分が必ず守ってあげよう
5
3
2014KN2A-01-008
― 7 ―
1
4
5
1
2
3
4
5
5
1
3
4
次の文章を読んで、後の問
~問
に答えよ。
5
「詩とはこれだ」とひとことで言うことはむずかしい。
詩とは、あらすじを言うことのできないもの。詩とは、伝達のためのことばではないもの。「なにかでないもの」という言い方ならばできそうだが、
詩とは、けっきょくのところ、なんだろう。
1
にじ
ようなふしぎな虹色に光っていることもある。
)
1
そういう「世界の手ざわり」は、人間のコントロールからこぼれおちているものだ。それらはただ、人間をとりまく環境としてそこにある。わたしは
しは思い出してみる。
ら、きつね色のかたい皮の内側から、穴だらけの、しろくふわふわしたところが出てくるのだ。ほんのわずかに酸味を感じさせる独特の匂いを、わた
にお
フランスパンはちらりと視界にはいっただけでも、そのごつごつ、ぱりぱりした表面の手ざわりをかならず思いおこさせる。あしたあれを切った
が、きっと飛行機は音よりはやくどこかに行ってしまっている。
飛行機の音は天候によって、風向きによって、毎日わずかに調子がちがう。雲の上のあのあたりからきこえてくる、と思ってその方向を見るのだ
ひとつことなる菱形や平行四辺形や三角形をいっぱい見せてくれる。背景は雲のながれる空である。
ひしがた
鉄塔はわが家のベランダの真正面にあるわけではないので、はすかいに組まれている鉄骨の一本一本は奥と手前がちょっとずつずれて見え、ひとつ
(注
る。道路のアスファルトの表面にある微妙なへこみのかたちを、水たまりはおしえてくれる。水面に油滴がおちていて、ピンクと緑だけが強調された
ア
路面の水たまりを踏まないようにということを、わたしはあまり意識しないで歩く。水たまりははかないもので、短ければ数時間で消えてなくな
てただ見て、世界の手ざわりを知る。
ているわけではない。意味をはなれて、ただたんに存在しているだけのときもある。そういうときには、われわれはそれらを純粋に視線の対象物とし
そういうもろもろの「もの」は、たしかにある状況のなかでは役割や意味をもつものだけれど、いついかなる場合にもその役割や意味をにないつづけ
や、あした切ろうと思って台所に置いてあるフランスパンや、そういうものと似ている。
詩は、雨上がりの路面にできた水たまりや、ベランダから見える鉄塔や、すがたは見えないけれどもとおくから重い音だけひびかせてくる飛行機
A
詩もまた、そういう手ざわりのひとつだ。
「手ざわり」に囲まれて生き、「手ざわり」から世界の正体を想像して日々をすごす。
イ
2014KN2A-01-009
― 8 ―
2
詩を読んでいてうれしいことのひとつは、その詩を読むことではじめて知ったような感情や知覚の微妙なありようを、あとになって実際に体験しな
おすことがある、ということである。
ぜんぼう
つまり詩は、わたしがまだ知っていない「わたしの感じ方」をつくるきっかけになっている。
こんぽう
詩を書く人がはじめに「言いあらわしたいこと」の全貌をこころのなかに用意し、それを技巧をつかってじょうずに伝達するのだとしたら、読むわた
しの側にこういう感じ方は生まれないのではないかと思う。その場合そこにあるのは「伝えたい意味内容」の梱包(書く側)と開梱(読む側)であって、余
韻がない。
いっぺん
でも詩は、たぶん、「言いあらわしたいこと」より「ことばの美的な運用」が優先されるものなのだ。だから、書いた本人も自分がそんなことを書くな
んて思いもよらなかったことが書かれることもあるし、書いた本人だからといってその一篇の詩を完全に読みとけるわけでもない。
こんしん
このことは、自分が詩を書くようになっていっそうはっきりした。
ただひとつの「言いたいこと」を渾身の叫びのようにして書きつづけるタイプの人もいると思うが、表現者としては短命にならざるをえないだろう。
分で責任をとれることばを、詩はいつも超えてしまうのである。
二十世紀の人々がつくりだした希望としての「四次元」を、わたしはいま思い出している。
人間はいま世界を、「たて、よこ、おくゆき」の三つの軸でしか把握できない。
(注
)さいせんたん
四番めは時間でしょう、と言う人もいると思うが、アインシュタイン以前、時間と三次元空間とははっきりとべつべつのものであり、同列に考える
ことはできなかった。
からである。
が知っているものごとはかぎられている。いまの人間には知覚できないものが、この世界にはまだまだたくさんあるにちがいない」という確信だった
彼らは頭のおかしい野心家だったのではなくて、人類でもっとも謙虚な人たちだったのだと思う。なぜなら、彼らの考えの出発点は、「現在の人類
しかし、それでも四次元は「ある」と考えた人が、いろいろなところにいた。物理学者、数学者、最尖端の画家、そして仏教思想の最高知識人たち。
2
いま人間が「不可知」とか「想定不能」とか称していることも、より高次元の知覚をもってそれらを見るならば、ごくシンプルで美しい法則によってす
エ
2014KN2A-01-010
― 9 ―
詩にかぎらず、表現にかかわる人ならばみな自覚することだと思うが、表現に苦心する過程で「言いたいこと」はかならず変化してしまうのである。結
果として、「自分はこんなことを言ってしまったのか」とおどろくことすらある。
B
詩を書くとき、人は謙虚になる。自分が自分の表現をすべて把握し、コントロールするということができないからだ。自分の知覚、自分の思考、自
ウ
べてが説明できてしまうことなのかもしれない。
詩は、こうした高次元の知覚や思考の「予告篇」のようなものだと思う。
いまの人間が、かぎられた知覚や思考で「因果関係」みたいなものを想定し、それですべて説明しつくしてしまえるものではないのだ。
すいこう
数学者が難問にとりくんでいる最中に、非常にシンプルで美しい式を得たら、かれはその正しさを確信するにちがいない。
おなじように詩人は、詩を書き、推敲し、詩句をひねりまわしている最中に思いがけない美しいことばを得たら、その詩の正しさを確信するのであ
る。それはしばしば、「自分の頭で考えた、みんなに伝えたいこと」などというちっぽけなもくろみをこなごなに破壊する。そうでなくても、自分が書
理解しようとしてどうしても理解しきれない余白、説明しようとしてどうしても説明しきれない余白の存在を認めること。
いま人間にできることは、謙虚になるきっかけとしての詩に接することだ。
詩とはそういうものだ。
う主体性はつねに不安定にゆらいでいる。
きあらわそうとしたものには、コントロールをのがれた「手ざわり」がかならず付随して、いっしょに伝わってしまう。だから「書いているわたし」とい
オ
(渡邊十絲子『今を生きるための現代詩』による。)
そのとき、自分の思いえがく「自分像」は、かぎりなく白紙に近づく。閉ざされていた自分がひらかれる。いまの自分がまだ気づくことのできない美
しい法則が、世界のどこかにかくされてあることを意識するようになる。
詩に役割があるとしたら、それだけでいいのだと思う。
) はすかい ― ― な なめ。
(注
1
) 最尖端 ― ― 最 先端と同じ。
(注
2
2014KN2A-01-011
― 10 ―
C
問
ちょうよう
ちょうしょう
びみょう
びょうみょう
びしょう
たっ(して)
さっ(して)
そう(して)
~
めぐ(まれて)
はさ(まれて)
つつ(まれて)
はぐく(まれて)
かこ(まれて)
ふたい
ふごう
ふずい
ウ 謙虚 のうちからそれぞれ一つ選べ。解答番号は
イ 囲まれて 5
オ 付随 9
~
。
けんきょ
13
こんせき
けんそん
けんちょ
こんきょ
5
4
3
2
1
傍線部ア~オの漢字の正しい読みを、次の各群の
ふちゃく
ふゆう
2014KN2A-01-012
― 11 ―
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
ア 微妙 エ 称して しょう(して)
ちょう(して)
11
1
10
13
9
12
5
4
3
2
1
5
4
3
2
1
1
問
~
のうちから一つ選べ。解答番号は
5
14
。
「 もの」のもつ役割や意味からはなれて、人間をとりまく環境としてただあるもの。
いつも形を変えずに、同じ役割や意味をもち、人間にとって毎日の生活に不可欠なもの。
1
傍線部A 雨上がりの路面にできた水たまりや、ベランダから見える鉄塔や、すがたは見えないけれどもとおくから重い音だけひびかせてくる
飛行機や、あした切ろうと思って台所に置いてあるフランスパン とあるが、これらを筆者はどのようなものの例として挙げているか。最も適当
2
なものを、次の
問
1
3
ありふれた毎日の生活の中で筆者が目にする「もの」のうち、特に気に入っているもの。
身のまわりにありながらも、人間にとって非日常的なものとして認識されるもの。
人間が必要に応じて作り出した「もの」であるにもかかわらず、人間を拘束してしまうもの。
傍線部B 自分の知覚、自分の思考、自分で責任をとれることばを、詩はいつも超えてしまうのである。
とあるが、それはどういうことか。
最も適当なものを、次の
~
のうちから一つ選べ。解答番号は
。
4
2
5
2
1
詩は、作者が自らの体験を見つめ直し、これまでの自分を乗り越えることによってはじめて得られるということ。
詩は、作者が心の叫びを詩に込めた結果、作者の意図よりも強いことばで思いが表現されてしまうということ。
詩は、日常を離れた想像の世界をことばで表現するため、書かれた次元をはるかに超えた世界が広がるということ。
詩は、非日常的な難しいことばによって紡ぎ出されるもので、作者の言語能力を超えてしまうということ。
詩は、ことばの美的な運用が重んじられるため、作者の思いもよらないことが書かれてしまうということ。
15
3
5
4
1
5
2014KN2A-01-013
― 12 ―
3
問
5
16
詩における言葉の使用例を考察し、虚飾を排除した表現方法を目指すことが詩に与えられた重要な役割だと述べている。
17
くれるものだということ。
さまざまな詩を例に挙げ、それらにおける心情表現の共通点を見いだし、人間の心理の普遍性を明快に述べている。
のうちから一つ選べ。解答番号は
筆者の具体的な体験談をもとに、詩は正面から向き合うことで今の自分自身を映し出してくれるものだと説いている。
~
具体例や比喩表現を使用することで、「詩とはこれだ」とひとことで表現することの難しい詩の本質を探り明らかにしている。
「 ゆえに」「したがって」などの接続詞を使って論理的に説明することで、現代詩における構成の特徴を明らかにしている。
ゆ
1
ひ
2
5
3
1
。
詩とは、いまの人間には気づくことのできない美しい法則や、理解や説明のしつくせない領域が、世界のどこかにあるということを教えて
を与えてくれるものだということ。
詩とは、思いがけない美しい一言を示すことで、主体性のない読み手の、閉ざされた世界に対する心の不安をあらかじめ取り除き、安心感
能であるということ。
詩とは、人間が言葉を磨くことで作られた完成品であるので、四次元世界も詩という表現によって科学の進歩に先んじて知覚することが可
のであるということ。
詩とは、高い知性が備えている美しい感性やより良い生き方が、いずれ人間に明らかにされるということをあらかじめ感じさせてくれるも
ように表しうるものだということ。
詩とは、高次元の知識を持ちながらも謙虚であり続けた人たちが考え出したことを、あたかもかねてから持っていた自分の考えであるかの
1
1
2
3
4
5
4
5
2014KN2A-01-014
― 13 ―
傍線部C 詩は、こうした高次元の知覚や思考の「予告篇」のようなものだと思う。
とあるが、それはどういうことか。最も適当なものを、次
~
のうちから一つ選べ。解答番号は
。
の
4
この文章の表現の仕方や内容について述べたものとして最も適当なものを、次の
問
5
次の文章を読んで、後の問
あさ ぢ
はべ
~問
(注
そ
に答えよ。
)
てぶり
A
(注
)
1
この
)
からこと
(注
2
ひども多かり。
はたけ
ただこれ
(注
)
む
(注
)
が
う
5
つひ
)
を
なほ
(注
)
7
(注
(注
2
1
こなた
(『折々草』による。)
ごく。さるは、とびそこなひて空より落ちつる夢や見つらむとおもふに、をかしくなりたれば、口をふたぎて逃げかへりしとなむ。
ウ
て、しばしみをりしが、手にとりすゑて、かの羽がひのいたみたりし所を見付け、「是こそ夢のまにまに少しもたがはね」とて、膝をうちておどろきう
ひざ
が、胸のあたりにはひあがりて、ゑりにとりつきなどし、羽を打ちあはせてとばむとするさまを見付けて、「さてな。我や是か、これが我なるか」と
イ
遊び居りしよ。 実 にしかり、実にしかなり」とて、頭をうごかしてよろこぶさましければ、猶ひそまりて見をるに、かのふところになげ入れたりし
まこと
C
かくれて、そらねをしてうかがひ居るに、おぢはやがておきあがりて、おもしろき夢や見つらむ、ひとりごちつつ、「あやあや、我は今無我有の郷に
はひらごひとつをとりて、羽がひを少し悩めて飛び行くまじくし、そとぬきあしをしておぢが胸のあたりをねらひて打ちこみ、我は此方の一間に立ち
(注
しばしばうなづきけるが、終に打ちたふれてねにけるを、友どちの中に物あざむきする男の来たりあひて、此おぢのねいりたるをよき事とおもひ、か
B
郷といひけん境をおもひめぐらして、つらつら見をりけるが、いとうららにさしわたる春の日影にこころよくあたたまりつれば、ねむたくなりてや、
さと
春もきさらぎの末つかたに、おのが住むあたりの 畠 どもには、青菜の花咲きみちて有るに、かはひらごの多く飛びめぐるを見つつ、かの無我有の
4
唐々といふくせなむ侍り。中にも荘子が風俗をめでて、心さへ身さへ唯是になむなれとぞ学ばひける。それにつきては、常にはかなくをかしきふるま
ア
隅田川のこなたに浅茅が原といふ所あり。其のわたりにいほりしめて、年久しく住めるひがおぢの有りける。此おぢ、唐事をこのみて、何ごとにも
1
6
) ひがおぢ ― ― 頑 固者の老人。
) 唐事 ― ― 中 国の学問、風習、風俗など。
(注
3
) 荘子 ― ― 古 代中国の思想家。
ちよう
) かはひらご ― ― 蝶
の古名。
(注
4
2014KN2A-01-015
― 14 ―
5
3
3
(注
(注
~
心までも身体までもひたすら荘子の学風を身に付けようとまねをした。
心はともかく身体だけは荘子の生活に慣れ親しめないかと悩んだ。
心はおろか身体さえも荘子の教えには添えないと悟った。
心も身体もすっかり荘子の考え方が身に付いたと思い込んだ。
心よりも身体を大切にすれば荘子のような人物になれると分かった。
~
18
。
のうちから一つ選べ。解答番号は
のうちから一つ選べ。解答番号は
) 無我有の郷 ― ― 荘 子が説いた理想郷で、人為を加えない自然のままの世界。一般的には「無何有」と表記する。
) 羽がひ ― ― 羽 のつけ根。
) 我や是か、これが我なるか ― ― 荘 子が夢の中で蝶になったという故事を踏まえた言葉。
(注
波線部ア~ウの語句の主語の組合せとして最も適当なものを、次の
問
ア ひがおぢ イ 物あざむきする男 ウ 物あざむきする男
ア ひがおぢ イ かはひらご ウ ひがおぢ
ア ひがおぢ イ ひがおぢ ウ 物あざむきする男
ア 荘子 イ ひがおぢ ウ ひがおぢ
1
2014KN2A-01-016
― 15 ―
ア 荘子 イ 物あざむきする男 ウ 荘子
傍線部A 心さへ身さへ唯是になむなれとぞ学ばひける の解釈として最も適当なものを、次の
問
2
。
3
5
5
5
1
2
3
4
5
4
19
5
1
1
6
1
7
2
ひ「がおぢ に」留まっている か「はひらご を」捕まえることができると思ったから。
ひ「がおぢ に」邪魔をされずに荘子の世界に浸ることができると思ったから。
ひ「がおぢ に」ちょっとしたいたずらをすることができると思ったから。
寝不足だった ひ「がおぢ を」久しぶりにぐっすり眠らせることができると思ったから。
だれ
ひ「がおぢ と」一緒に寝れば荘子のようになることができると思ったから。
問 傍線部B 此おぢのねいりたるをよき事とおもひ とあるが、それはなぜか。最も適当なものを、次の
。
号は
問
~
物「あざむきする男 が」、飛べなくなってしまった か「はひらご を」哀れむ気持ちで見ている。
物「あざむきする男 が」、 ひ「がおぢ の」次の反応を確かめたいという好奇心に満ちた気持ちで見ている。
物「あざむきする男 が」、 ひ「がおぢ は」寝たふりをしているのではないかと疑いをもって見ている。
ひ「がおぢ が」、居眠りを誰かに見られてしまったのではないかと不安な気持ちで周囲を見ている。
ひ「がおぢ が」、 物「あざむきする男 は」どうして喜んでいるのだろうかと不審に思って見ている。
物「あざむきする男 の」いたずらによって、 ひ「がおぢ が」夢から感じた喜びは大きなものになった。
物「あざむきする男 は」友情に厚く、 ひ「がおぢ を」荘子の説いた理想郷へと望み通り案内した。
ひ「がおぢ に」いたずらをとがめられ、 物「あざむきする男 は」大急ぎで逃げ帰った。
。
~
のうちから一つ選
のうちから一つ選べ。解答番
5
22
傍線部C 猶ひそまりて見をるに とあるが、誰が、どのような気持ちで見ているのか。最も適当なものを、次の
べ。解答番号は
。
1
のうちから一つ選べ。解答番号は
ひ「がおぢ の」周到な計画によって、 物「あざむきする男 は」自分のいたずらを反省した。
~
か「はひらご が」 ひ「がおぢ と」 物「あざむきする男 の」夢の中に現れ、荘子のお告げを伝えた。
5
1
1
1
2
2
2014KN2A-01-017
― 16 ―
1
3
3
5
2
4
4
1
3
21
4
20
5
5
5
この文章の内容を説明したものとして最も適当なものを、次の
問
4
3
5
― 17 ―
2014KN2A-01-018
)(注
ズルニ か
(注
~問
の
しヲ
スルコト これヲ
ダ よろこブ
に答えよ。(設問の都合で返り点・送り仮名を省いたところがある。)
)
ア
5
(注
こう しやうニ もつテシ
)
4
1
3
次の文章を読んで、後の問
)
2
そしラ
ヲ なり
あるヒト
テ
グ
ニ
ハク
(注
B
)
5
(注 )
6
なかレト
ごとニ
フ
フ
とう
(注
)
ざル かつテ ずンバアラ
し
7
)
ニ
タリ これヲ
ルハ
ハ
ヲ
キコト あらザル
テ なサント
ヲ
ニ
ノ
しかルニ
ゆ ゑ んハ
ズ
ル
ニ
(注
たルヲ
)
テ
ガ
はん
ヲ
ルヲ
せい
ウ
ハク
しかレドモ わガ
9
フ
(注
イ
ヲ
問 二夏
夏 侯
諸 侯
我 無
一
二
一
侯
公
。
公
曰
、「 孟 嘗
君
、 重 非 一也
。 而 奉 二二二我
四
馬
百
人
之
食
。
毀 之
也
孟 嘗
レ 一
。或 以 告
二孟
嘗
君
。
君
曰
、「文 有
以
事
夏
侯
公
矣 。勿 レ言。」董 之
蘩
菁
以
A
テ
ヲ ためニス
ノ
あニ
タン
ヲ やト
吾 以 身
為 孟 嘗 君 、
豈 待 言
也 。」
レ 二
一
レ われ
C
(注
(注
(注
(注
(注
(注
(注
) 孟嘗君 ― ― 中 国、戦国時代の斉の王族。多くの食客(客の待遇で住まわせておく人)を養っていた。
) 奉 ― ― 食 客として手厚くもてなす際に。
(注
7
6
5
4
3
2
1
) 分寸之功 ― ― 少 しばかりの功績。
) 長者 ― ― 徳 の高い立派な人物。
) 事 ― ― 十 分なもてなしをする。
) 董之蘩菁 ― ― 孟 嘗君の食客。
) 四馬百人之食 ― ― こ こでは、貴族と同等の厚いもてなしを意味する。
) 文 ― ― 孟 嘗君のこと。
) 夏侯章 ― ― 孟 嘗君の食客。夏侯公も同じ。
(注
8
テ
二
(『戦国策』による。)
クシテ
夏 侯
、 不 二嘗
二
レ 一
レ
君
奉
章
、一 以 二 四 馬
百
人
之
食
、一 遇 レ 之
甚
歓
。 夏 侯
章
毎
言
不
孟 嘗
まう しやう くん
(注
1
分 寸
長 者
以 二吾
之 也
レ 二 一
一
レ
之
功
一而
得
レ此
。 然 吾
毀
レ之
、 以 為 レ 之 也
。君 所
二以– 得
一為
、
毀
。
8
9
2014KN2A-01-019
― 18 ―
4
問
1
だれ
イ 孟嘗君
ウ 夏侯章
ア 夏侯章
ウ 董之蘩菁
ウ 孟嘗君
ア 孟嘗君
ウ 董之蘩菁
ウ 孟嘗君
ア 夏侯章
イ 董之蘩菁
イ 董之蘩菁
ア 孟嘗君
イ 夏侯章
イ 孟嘗君
ア 夏侯章
~
1
日ごろは人の悪口ばかりを言う夏侯章が、孟嘗君についてだけはその人格をほめたたえていたということ。
孟嘗君から手厚い待遇を受けている夏侯章が、感謝を伝えるために面会を望んでいるということ。
孟嘗君が食客としてもてなしている多くの者が、夏侯章の尊大な態度を快く思っていないということ。
孟嘗君から手厚い待遇を受けている夏侯章が、何かにつけて孟嘗君の悪口を言っているということ。
夏侯章が孟嘗君から手厚い待遇を受けていることに対し、他の食客たちから不満の声が上がっているということ。
~
23
のうちから一つ選べ。解答番号は
以 事 夏 侯 公 矣。
三
二
一
文 有 以 事 夏 侯 公 矣。
二
一
文 有 以 事 夏 侯 公 矣。
下
二
一
上
文 有 以 レ事 夏 侯 公 矣。
二
一
文 有 夏 侯 公 矣。
二
一
文 有 以 レ事 。
。
~
のうちから一つ
のうちから一つ選べ。解答番号は
2
25
2014KN2A-01-020
― 19 ―
5
3
つか
5
1
4
1
2
3
4
5
1
24
5
5
「文以て夏侯公に事ふる有り」
と読むが、返り点のつけ方として最も適当なものを、次の
傍線部B 文 有 以 事 夏 侯 公 矣。
は
1
5
4
3
2
1
波線部ア〜ウは、それぞれ誰を指すか。その組合せとして最も適当なものを、次の
問
2
傍線部A 或 以 告 孟 嘗 君。 とあるが、孟嘗君にどのようなことを告げたのか。最も適当なものを、次の
選べ。解答番号は
。
問
3
問
これ以上説明する必要はない。
どうしても説明したかった。
きっと説明をするだろう。
詳しい説明をしてほしい。
傍線部C 豈 待 言 也 の解釈として最も適当なものを、次の
まだ説明し足りないことがある。
問
4
~
1
のうちから一つ選べ。解答番号は
5
のうちから一つ選べ。
。
孟嘗君からの手厚い待遇に満足し、自らが特別扱いされる存在であることを周囲に誇示しようとした。
悪口を言う自分さえ受け入れる孟嘗君の姿を示すことで、孟嘗君の心の広さと優れた人格を世間に広めようとした。
自分が孟嘗君から丁重なもてなしを受けるのは身分に合わないことだと思い、その待遇を辞退しようとした。
孟嘗君は食客を大事にしないという悪口を言いふらすことによって、世間での孟嘗君の評判を落とそうとした。
食客たちへの待遇の悪さを声高に叫ぶことで、孟嘗君にこれまでの待遇を改善してもらおうとした。
~
26
1
1
2
夏侯章は、孟嘗君に対する言動についてどのように説明しているか。その内容として最も適当なものを、次の
解答番号は
。
2
3
5
3
4
27
4
1
5
5
2014KN2A-01-021
― 20 ―
5
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