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ジャック・ロンドンの作品の特徴

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ジャック・ロンドンの作品の特徴
ジャック・ロンドンの作品の特徴
1)動物中心の物語だけでなく、自伝的小説、海洋冒険小説、
未来小説、歴史小説、ボクシング小説、SF小説、ホラー小説
など、多種多様な種類の小説を書いている。
2)テーマも多種多様で、生と死、個性と社会、欲望と理性、
過去と現在、自然と文明、富と愛、悲観主義と楽観主義などの
ように二面性がみられ、そのなかでロンドンは真実や自分の
生き方を見つめている。過去・現在・未来や国や人種を超越
した普遍的テーマを扱っている。
3)構成がすばらしい。最初の部分で、人物・動物などの設定や
テーマ設定を巧みにしている。そして、登場人物・動物や場面が
テーマにそって読者を飽きさせないように、静から動へ展開していく。
最後に、作者の言おうとすることが、手短に印象的、象徴的に
語られている。時々、逆説的なことが述べられている場合もある。
4)色、音、登場人物などの比喩表現や象徴表現をはじめ、リズム感
あふれる的確な描写などが、すばらしい。特に主人公がロンドン
自身である場合が多い。なお、ロンドンを後期の作品では、
主人公がロンドンではなく、ロンドンが客観的にその人物を
見つめていると主張する学者もいる。
5)ロンドンの小説は自分の体験や見聞きしたことを基礎に、
ダーウィンをはじめいろいろな思想家の影響を受け、ロンドンの
想像と創造力を生かしながら作品を仕上げている。
6)ロンドンの作品の舞台は、極北の地だけでなく、アメリカの
カリフォルニアやハワイ、イギリスのロンドン、そして日本
とたいへん広い。
7)小説だけでも、22冊の長篇小説と19冊の短篇集(短篇の
総数は約200篇)と多作家である。
8)ロンドンの作品は70を超える言語に翻訳されており、現在、
世界で最もよく読まれているアメリカの作家である。
特にヨーロッパやロシアでは、大変人気があり、アメリカでも
20世紀末にかけて研究者だけでなく、一般の読者にも再び、
認められるようになった。
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