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ADSL新しいターゲット

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ADSL新しいターゲット
ソフトバンクモバイル株式会社
フル 3D 仮想空間コミュニケーションサービス「S! タウン」の実現を
総合システムインテグレータとして HP がサポート
「総合デジタル情報カンパニー」を目指すソフトバンクグループは、ADSL 事業、固定電話事
業に加え、2006 年にはユビキタス社会のキーデバイスとなる携帯電話事業をスタートさせ
た。その携帯電話事業を担うソフトバンクモバイルでは、
フル 3D 仮想空間コミュニケーショ
ンを提供する新サービス S! タウンを開始、
競争力の強化を図っている。そのプラットフォー
ムを総合インテグレータとして全面的に支えているのが HP だ。
目的
• サービスを軸とした差別化
• キラーサービス提供による競争力の強化
• S! タウンサービスの企画、展開
• 携帯電話上でのコミュニティサービス市場の先行開拓
プロダクト・サービス開発本部
モバイル・サービス統括部
コミュニケーション・サービス部
課長
桑原 正光 氏
アプローチ
• ハード、設計、構築、マネージドサービスまで全面的
に HP の技術とノウハウを活用
• ハードウェアを HP BladeSystem で統一
システムの効果
• サービス利用状況やビジネスの変化に対応できる十分
な拡張性
• 24 時間サービスを実現する高可用性
• 外部間連携のための利便性とセキュリティを確保
「他にない」
「今までにない」サービスを目指して
フル 3D 仮想空間コミュニケーションサービス
プロダクト・サービス開発本部
モバイル・サービス統括部
コミュニケーション・サービス部
中谷 友一 氏
ビジネスへの効果
S! タウンを開発
•「今までにないサービス」を軸とした差別化
携帯電話・PHS の契約者総数は 8665 万 8645 人(2007 年
• 携帯電話における新たなコミュニティサービス市場へ
3 月末現在、総務省調べ)、人口普及率でも 7 割に迫る勢いだ。
の参入
• 新たな顧客を獲得
そして携帯電話は単に通話だけでなく、メール、音楽、ゲー
ム、テレビ、乗車券・定期券、ナビゲーション、会員証・身
分証、電子キー、株取引、ショッピング、各種予約、電子マネー、
クレジットなど、さまざまな生活シーンに対応する機能を備
えた生活インフラに成長している。
これは、携帯電話が個人の多様な生活シーンのインタフェー
スとなることを意味し、キャリアにとっては大きなビジネス
チャンスにつながる。そのため、生活でメインに使われる携
帯電話を目指して、各キャリアは日々熾烈な競争を展開して
いる。
プロダクト・サービス開発本部
モバイル・サービス統括部
コミュニケーション・サービス部
藤木 孝史 氏
2006 年 10 月にスタートしたソフトバンクモバイルは、豊富
な新機種ラインアップの提供や「Yahoo! ケータイ」などの新
サービスを拡充させ、シェアを徐々に上げている。また、新
しい発想の料金プランの提案となる月額 980 円の「ホワイト
プラン」や他社宛の通話も割安となる「W ホワイト」
、家族
間の通話が 24 時間無料になる「ホワイト家族 24」も導入。
その効果もあり、2007 年 7 月は 22 万 4800 件の契約数純
増を達成し、3 カ月連続で純増数ナンバー1を誇っている。
ただ、携帯電話の通話料は頭打ち、パケット料金はインター
ネットと同じく定額制が普及し始めている。そこで、キャリ
ア各社は通話料に頼る収益構造を改革するために、キラーサー
ビスやコンテンツの開発・投入にチャレンジしている。
「料金競争には限界があるかもしれませんが、サービスには限
界がなく、無限の可能性を秘めています。今までにない、他
にない、画期的なサービスやその組み合わせで差別化を図っ
ていくことが至上命題だと私は考えています」と、
プロダクト・
サービス開発本部モバイル・サービス統括部コミュニケーショ
のキャラクターの中から自分の分身を選んで 3D で構成され
ン・サービス部 中谷友一氏は、新サービスの開発を目指した
た仮想の街を気ままに歩き回り、そこで起こるさまざまなイ
背景を語る。
ベントに参加したり、気の合う仲間とチャットしたり、アイ
そこでソフトバンクモバイルは、元来の「人と人とのコミュ
テムの交換、情報交換を楽しむことができる。
ニケーション」に立ち戻り、新サービス S! タウンの構想を立
ターゲットは 20 ∼ 30 代の女性。知らない人同士も気兼ねな
ち上げたのである。
く楽しめる「やさしい」コミュニケーション空間となっている。
ミニゲームも簡単なコミュニケーション体験を意図したもの
「プログラムされた何かではなく、携帯の中に誰かがいる」
で、オンラインゲームをやりこむ男性をターゲットとした市
フル 3D の仮想の街を舞台としたコミュニケーションサービス
場とは一線を画し、あくまで「コミュニケーション」に軸足
「S! タウンの構想は、
『メールとは異なる、時間を共有した新
をおいている。また、
街に登場するキャラクターについては
「可
しいコミュニケーションサービスを開発できないか』という
愛らしさ」を優先した。調査の結果、日本の 20 ∼ 30 代の女
ディスカッションがきっかけでした」
性は、可愛いキャラクターを好むことがわかったのだ。
そう語るのは、S! タウンプロジェクトのリーダーを務めた桑 「Second Life のような欧米的なイメージではなく、丸みのあ
原正光氏である。
「ただ、リアルタイムにチャットするには相手がいないとでき
る可愛らしいキャラクターを設定しました。サービスインし
た後も、キャラクターに対する評価は上々で、成功したので
ません。そこで、友人、家族だけでなく、知らない人とのコミュ
はないかと思っています」
(桑原氏)
ニケーションを考えました。仮想空間でのコミュニケーショ
なお、S! タウンのアプリケーションがプリインストールされ
ンをきっかけにして、感動や体験、時間や趣味などを共有す
たソフトバンクモバイルの携帯電話(2007 年 7 月現在 18 機
るサービスを提供できればと思ったのです」と、中谷氏が続
種)であれば、月額使用料無料、パケット通信料のみで利用
ける。
できるサービスとなっている。
2005 年 4 月、S! タウンのプロジェクトがスタートする。桑
原氏たちはコミュニケーションサービスという基本方針のも
携帯電話でフル 3D コミュニケーションを実現させるために
と、
どのような世界を創造したらいいのか検討を重ねた。近年、 乗り越えるべき課題
インターネットの世界では「Second Life」が話題を集めてい
携帯電話はいつでも、どこでも簡単に操作できるが、制限が多
るが、彼らはまったく別の路線を指向する。想像できるあら
いのも事実。携帯電話でフル 3D のコミュニケーションサービ
ゆるものを創造して楽しむ Second Life と異なり、S! タウン
スを実現するには大きな壁を乗り越えなければならなかった。
はあくまでもコミュニケーションにこだわったのだ。
「例えば、パケット量、通信速度、処理速度、操作性、画面
1 年半の歳月を経た 2006 年 10 月、いよいよ S! タウンがス
サイズなどです。ADSL などと比較して、まだ通信速度がそ
タート。フル 3D の仮想の街「S! タウン」がケータイの中に
れほど速くない携帯電話では、通信量が多くなると通信の待
出現した。S! タウンは、住人になればもらえる「マイルーム」 ち時間が長くなってしまうため、通信を必要最低限の量と頻
をはじめ、中央広場を中心に 4 つの「テーマタウン」とそれ
度にコントロールする必要がありました。また、基本的に安
らをつなぐ「ストリート」で構成される。利用者は、11 種類
定してネットワークにつながっている PC の場合とは異なり、
携帯電話では発生頻度の高い“着信割り込み”や“圏外”への
ビスだ。そうしたサービスのシステムには、将来に向けての
対策も不可欠でした」
(中谷氏)
十分な拡張性、24 時間サービスを実現する高可用性が不可欠
「フル 3D を目指そうとはいったものの、実のところ最初は制
となる。
約の多い携帯電話では無理かもしれないと思っていました。 そこで HP は、S! タウンのこのような要件に応えるため、利用
ところが、開発チームに構想を話し、ソフト、サーバのタイ
度や成長に応じて柔軟な変更や拡充が可能な HP BladeSystem
ミングなどを工夫してプロトタイプの開発を進めるうちに、 を中心としたシステムを提案。日々変化するユーザのニーズ
これはできそうだと思い始めました」
(桑原氏)
やサービスの充実にスピーディに応えられるシステムを構築
2006 年 3 月頃、ようやく全体像が見えてきたところで細部
した。
にわたる落とし込みに着手する。出会い系や不正利用などを
2006 年 5 月から S! タウンプロジェクトに参加した藤木孝史
防ぐため、チャットなどでトラブルがあったときの対応窓口
氏は、携帯電話上のシステム開発ならではの苦労を次のよう
をメニューのわかりやすいところに表示するなど、安心して
に話す。
使える仕組みも整え、S! タウンを作りこんでいく。
「携帯電話での 3D 表示がどれほど大変かということを、身を
もって経験しました。5 月頃にはプロトタイプはできていて
S! タウンのインフラ構築に
形も見えていましたが、スペックが明らかに違うにもかかわ
総合システムインテグレータとして HP を採用
らず PC と同じようなことをしようとしていたため、予期せ
10 月のサービスインに向けて、S! タウンを支えるインフラの
ぬエラーが頻発して苦労しました。ただ、HP がアプリ側のさ
構築が開始され、総合システムインテグレータとして HP が
まざまな制限をインフラ側で吸収してくれるなど、臨機応変
指名される。ソフトバンクモバイルにおける各種システム構
に対応してくれたのでとても助かりましたね」
築の実績、および長年にわたる国内・外の通信事業者へのサー 「着信割り込みや圏外になったときには、セッションを保持し
ビス提供やビジネス基盤を支えてきた経験を評価されてのこ
て中断した箇所からサービスを継続する工夫が必要になりま
とだ。
す。そのためには、サーバでキャッシュするのですが、その
S! タウンはソフトバンクモバイルの「魅力的なサービス提供
チューニングが大変でした。HP に協力してもらうことで最適
による差別化戦略」の一つとして大きな将来性を秘めたサー
なチューニングを行うことができ、
“着信割り込み”と“圏外”
S! タウン実現における工夫点
パケット量と通信頻度を最小限に
膨大な各種データを
細分化して管理
変更のあったデータのみをピン
ポイントでダウンロード
全ユーザが共通で使用するデータは
ローカルメモリにキャッシュ
キャラクターの表示にも工夫
一画面に表示できるキャラ
クタ数を制限して見やすさ
を確保。同時に端末スペッ
クや通信データ量など各種
のリソース制約にも対応
セ ル の 概 念 を 取 り 入れ、
キャラクタが別のセルに
移動したときのみサーバ
へアクセス
導入ハードウェア
という携帯電話の壁をクリアすることができました」
(中谷氏) に協力してくれるので大変助かっています。今後は『PC の
・HP BladeSystem
Second Life、ケータイの S! タウン』と言われることを目指し
導入ソフトウェア
さらなるコミュニティの充実と楽しい空間の提供に向けて
・HP IceWall SSO
リアルの世界とのコラボレーションや
導入サービス
・HP コン サル ティング&インテグ
レーション
・HP マネージドサービス
ていきます」
(藤木氏)
「コミュニケーションサービスとしてユーザ数のさらなる獲得
既存サービスとの連携も視野に
は必須です。今後はユーザがさらに楽しめる新しいコンセプ
S! タウンの会員数は右肩上がりで推移しており、2007 年 7
トのストリートを増やしていきたいですね。また、既存の携
月現在で約 20 万人が会員となっている。出だしとしては大
帯電話サービスと組み合わせるなども。HP は携帯電話サービ
変好調だが、新たな課題も見えてきた。S! タウンで知り合っ
スのシステムもよく知っていますし、今後さらに幅広い提案
た人たちが交流の場を別のメディアに移していることだ。
も期待しています」
(中谷氏)
「現在の S! タウンはリアルタイム性を重視しており、お互い 「今後携帯サービスは、ネットの世界同様に迅速なサービス立
がオンラインでないとコミュニケーションをとりにくいとい
ち上げが必要になってきます。それらをいちいちスクラッチ
うのが正直なところです。そのため、相手がオフラインでの
で作るというのではなく、既存のサービスとの連携で実現す
コミュニケーションは PC の Web サイト
(ブログや SNS など) ることが重要です。そうした分野でも HP にはパートナーと
に流れてしまうことが多いのです。今後はいかにユーザ同士
してノウハウの提供を期待しています」
(桑原氏)
のコミュニティを S! タウン上で形成してもらうかが課題のひ
ソフトバンクモバイルは、ユーザへの魅力的なサービス展開
とつです。現状では、クチコミのマーケティングになっては
に向けて、今後もさまざまな取り組みを行っていく計画だ。
いますが、もっともっと利用してもらう仕掛けを作りたいで
今回、商用サービスとしてのミッションクリティカル性はも
すね。今後は、本物の世界のニュースやタイムリーなトピッ
ちろんのこと、新たなサービスやコンテンツを提供するオー
クスに対応したイベントを実施するなど、バーチャルな空間
プンかつセキュアなコラボレーション基盤として高信頼性と
にリアルな世界とのつながりを持たせ、Viral Marketing とし
拡張性に優れた基盤を実現した。HP は、こうしたインフラテ
てリアルなユーザにフィードバックできればと思っています」 クノロジーや IT サービスのワンストップ提供を通じて、これ
(桑原氏)
からもソフトバンクモバイルの斬新なサービス提供と次世代
「S! タウンはクライアントサーバで別々に開発しています
のコラボレーション環境を支えていくことだろう。
ので障害の切り分けが難しいのですが、HP が前向きに調査
お問い合わせはカスタマー・インフォメーションセンターへ
03-6416-6660
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