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第 29 回国際公務労連世界大会 受け入れ加盟組合の紹介

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第 29 回国際公務労連世界大会 受け入れ加盟組合の紹介
第 29 回国際公務労連世界大会
受け入れ加盟組合の紹介
南アフリカの労働組合運動:活力ある豊かな歴史と今後の課題
南アフリカの労働組合運動は活気に溢れ、成長を遂げている。労働組合はアパルトヘイトを支える法律と職場を
中心とした差別慣行の廃絶に大きな役割を果たし、影響力を発揮した。
アパルトヘイト時代、労働界は被雇用者を代表する組合を通じて被雇用者と交渉を行うことの大切さを使用者に
教えた。こうした交渉の成果には、組合承認、賃金、業務の条件、職場の再編、経費削減に関する同意などが
あった。
今日、労使関係に関わる政策は、全国経済開発労働評議会(NEDLAC)で交渉される労働法を通じて管理され
ている。NEDLAC は労働組合連盟、使用者組織、政府、市民組織の代表が構成し、社会経済政策の問題につ
いて議論と合意形成を図る。アパルトヘイト後の南アフリカ労働法は、世界でも最も進んだ労働法のひとつであ
り、争議を解決する機関を 9 つ定めている。職場での公平性と、安定した協力的な労使関係を養うことを狙う。
法律、政治面でのこうした成果は民主主義を求めた戦った組織労働の大きな役割によるところが大きい。
労働組合連盟には、南アフリカ労働組合会議(COSATU)、南アフリカ組合連盟(FEDUSA)、南アフリカ労働組
合連合(CONSAWU)、全国労働組合評議会(NACTU)がある。COSATU は各種部門にメンバーを抱え、メン
バー数も最大である。
アパルトヘイトに反対し、人種差別のない民主的な南アフリカを約束する組合間の統一対話を 4 年間重ねた末、
1985 年 12 月に発足した。COSATU 会議の設立には 34 組合が参加した。加盟する労働者は 50 万人を数え
るなど、COSATU は南アフリカ史上最大の連盟となった。当時、メンバーの大半をなしたのが、製造業、鉱業に
携わる非熟練、半熟練労働者であった。
1990 年代、メンバー構成が大きく変わり、製造業、鉱業の分担金が大きく減った。これは労働再編と組織化に
新たな困難が生じたことが原因であるが、その一方で公共部門での代表が飛躍的に増大した。COSATU 全体
における公共サービス組合の分担金は、1987 年の 4%から、2012 年には 42%まで増えた
南アフリカの民主化は、政府省庁と国有企業すべてで組合結成を果たしたことが特徴的である。26 万 5 千人が
所属する全国教育保健同盟労働者組合(NEHAWU)と 15 万人が所属する南アフリカ自治体労働者組合は、
南アフリカ経済全部門中それぞれ 3 番目と 4 番目に大きい。両組合は公共部門に直接または間接的に雇われ
ている労働者を代表している。
COSATU には現在 220 万人を超える労働者が所属している。加盟状況に関する最新の報告では、公共部門
のメンバーが 1991 年の 7 万 8 千人から 2012 年には 9 万 3 千 357 人へと増加したことがわかった。PSI 加盟
組合の NUPSAW、HOSPERSA、NPSWU が参加する独立労働コーカスは、南アフリカ公務員の 40%(46 万
人以上)を代表している。
COSATU のスポークスパーソンであるパトリック・キャラヴェンによると、南アフリカの公共部門は民間部門と同様
に賃上げ、労働条件の改善、不当解雇からの労働者の保護などを優先課題としている。「私たちは(他の経済
部門よりも)公共部門ではこうした問題にうまく対処してきたが、業務や労働力のアウトソーシングは経済全体に
影響を与えた。さまざまな要因が関わる大きな難題である」
公共部門の腐敗も連盟が取り上げたもう一つの課題である。キャラヴェンはこう述べる。「これは主に、汚職と劣
悪なサービス提供の温床となる入札制度を通じて、アウトソーシングとサービスの外部委託が行われていることと
つながりがある」
南アフリカでは過去 7 年に渡り、地方レベルでサービス提供をめぐる抗議運動が相次いだ。キャラヴェンはこう
指摘する。「COSATU では、サービス提供を改善するための戦いを支援することに特別な関心を寄せている。
学校の改善や機能的な下水道、整備された道路などを通じて人々の生活を改善し、同時に雇用、とくに若者の
雇用を確保できるという二重の成果があるからだ」
外部から調達された労働者の組織化も、3 番目の課題とされている。キャラヴェンは述べる。「農業、接客業、家
事労働、警備といった部門では、小規模な企業に外部委託する割合がとくに高い。そこには低賃金と不安定、
乏しい手当の現状がある。COSATU(とグローバルユニオン)は、労働者が最も弱い立場に立たされているこの
部門で組織化に注目していかなければならない」
CONSAWU は農業部門を組織する。農業部門の組合密度は雇用が季節性であることから非常に低い。
CONSAWU は労働条件と生活状況を実質的に変えるためのアドボカシーとロビー活動を通じた組合員の勧誘
に注目している。CONSAWU は NEDLAC 機構に参加できていないが、弱い立場にある労働者を代表して、機
構外で社会対話に努めている。
COSATU 公共部門コーディネーターのシフィソ・クマロは、南アフリカの公共部門に影響を及ぼす最大の問題
としてアウトリソーシングを指摘する。クマロによると、公衆衛生と教育サービスの資金は不十分で、これが結果
的に病院や学校の設備不足(医薬品不足のほか農村地域では水や電気の不足など)と人材不足につながって
いる。「この傾向は、公共部門で雇用されるわれわれのメンバーにも圧力となっている。きつくストレスの多い労
働環境になるため、労働条件や業績にも影響が及ぶ」
この問題に関係してくるのが、公立の診療所、病院、学校から民間への熟練労働者の頭脳流出である。
COSATU は、公共部門で働く看護師、教師、医師の教育と賃金を高めることを通じてこの傾向を逆転させようと、
NEDLAC を通じて政府と協力してきた。クマロは、こうした政策はプラスの成果につながっているが、高水準の
投資が必要であると説明する。
経済全体の課題としてキャラヴェンは、程度の差はあっても全部門に影響を与える多くの社会経済的要因を挙
げた。中でも全体的な経済不平等、採鉱への構造的依存、不十分な富の再分配が主な問題である。2012 年 8
月に始まった鉱業における山猫ストの波は未だ続いており、この文脈で理解されなければならない。ストをめぐり
COSATU は、生活状況と賃金の改善を求める労働者の要求を支持する立場をとっているが、鉱山の国営化も
提案している。キャラヴェンはこう説明する。「COSATU は国有化を支持する。国有化はサービスの調整を改善
し、労働者により多くの便益をもたらすからである」
COSATU、NACTU、FEDUSA は、一般公務部門交渉協議会、教育労使関係協議会、公衆衛生・社会開発部
門交渉協議会、安全・保安部門交渉協議会を通じて公共部門の団体交渉協議に参加している。
CONSAWU は、公共部門の交渉協議会にも積極的に参加する強力で信頼のおける組合に支えられている。
ーミリアム・ディ・パオラ記 フェデリカ・ドゥカがプロフィールを加筆
2
南アフリカ 南アフリカ民主看護師団体(DENOSA)
南アフリカ民主看護師団体(DENOSA)は、南アフリカの看護師と看護業務を代表する労働組合および専門機
関として 1996 年 12 月に設立された。
現在 DENOSA には官民両部門の看護師 8 万人以上が所属している。看護師の団結とエンパワーメント、教育、
そして国内、地域、国際的なあらゆるケアにおいて保健政策に影響を与えていくことを狙った最大の看護師組
織である。
組織の理念である「看護師が団結してサービスの卓越性を追求する」は、内部そして対外的な使命にも変わっ
ている。メンバーの支援、代表、開発は DENOSA の使命であり、対外的な使命として、看護業務の中核、つま
り奉仕、ケア、社会の擁護に力を与えていくことも誓っている。
国際レベルでは DENOSA は国際看護師協会(ICN)、連邦看師連盟(CHF)、国際公務労連(PSI)に加盟して
いる。地域的には、南アフリカ看護師・助産師ネットワーク(SANNAM)、東中央・南部アフリカ看護師大学
(ECSACON)に加盟している。国内では南アフリカ労働組合会議(COSATU)に加盟している。
ビジョンと任務にそって、DENOSA はいくつもの方法で内部から政策に影響を与えてきた。南アフリカの看護師
が国外に大量に流出していることに対して、DENOSA は専門看護師の呼び込みと引き止めを図り、また看護師
の給与とその他雇用条件に関わる制度を見直すために導入された合意である「職業別制度」の署名に大きな役
割を果たした。南アフリカの看護師が直面する課題に対しては、DENOSA は南アフリカ看護看護戦略の作成に
おいて重要な役割を果たした。
DENOSA は組合主義と、職場の利益向上を狙った代表性に根ざしているが、DENOSA は看護師組合をめぐ
る世界的な展開にも注目し、メンバーの職業開発を中核的な焦点の一部に盛り込んでいる。これを受け、変わり
続ける保健環境でサービス提供を改善する力のあるリーダー育成など、看護職の前進に努める DENOSA 専門
職研究所(DPI)が、アトランティック・フィランソロフィーからの多額の助成金で復活を遂げた。
DENOSA が代表するのは、深刻な課題を抱える職業である。南アフリカは、疾病という大きな問題に直面して
いる。とくに感染症が著しいが、他にも生活習慣病も増加している。公立の保健医療は設備の老朽化、有能な
人材の不足(とくにマネージメントレベルで)、サービス需要の高さが特徴的である。看護師は基本的なサービス
を提供するが、十分な報酬は得られず、社会から十分な評価も受けているわけではない。
www.denosa.org.za
3
南アフリカ保健諸サービス労働組合(Hospersa)
Hospersa は民主的な労働者主導の組織で、公共の保健医療・福祉、教育、一般公務分野に携わる 5 万人が
所属し、さらには民間の保健医療・福祉、民間の一般業務(南アフリカの国立公園やエゼンベロ・クワズールー・
ナタール州野生保護施設など)分野にも 1 万 8 千人のメンバーを有する。
創立は 60 年前。公務員のグループが南アフリカ病院職員連盟の発足を推し進めて実現させた。1989 年には
ケープ州立病院連盟と合併して Hospersa を設立した。1994 年 6 月 3 日に労働組合として承認・登録を果た
した。Hospersa は国内では南ア労働組合連盟(完全非同盟の連盟)に加盟し、世界的には国際公務労連に加
盟している。
組合は国内全 9 州で活動し、公共部門のメンバーの賃上げと労働条件改善を交渉する独立労働コーカスの主
要メンバーでもある。Hospersa は民間部門でも活躍している。とくに Netcare グループ(南ア最大の民間ヘル
スケア事業者)では多数派を占める労働組合である。
Hospersa は安全衛生分野のリーダーとして認識されている。多剤耐性結核に暴露した公共部門の看護師に
勝利をもたらし、Netcare による劇場職員への安全靴提供を交渉し、ヘルスケアワーカーに安全法を求めるキャ
ンペーンを行ってきた。
Hospersa が現在取り組んでいる職場の課題には、深刻な人材不足と公共保健部門で常習化する汚職などが
ある。どちらの問題も効果的なヘルスケアサービスの提供に害を与える。
Hospersa のノエル・デスフォンテインズ書記長は、労働者が政治同盟の中で労働者を代表することの信憑性を
疑い始めているなど、この進化する労働環境において、Hospersa が政治的所属から独立すれば、組合もメン
バーを拡大する機会が得られるのではないかと考えている。
www.hospersa.co.za
4
全国教育保健同盟労働者組合(NEHAWU)
全国教育保健同盟労働者組合は 1987 年に設立され、現在 26 万 5409 人のメンバ-が所属する。公共と民
間の保健部門、行政、社会福祉、高等教育をカバーする。PSI には 1992 年、COSATU には発足した 1987
年から加盟しており、他のグローバルユニオン・フェデレーションにも加盟している。
官民両部門の民主化と再編を求めて変容する組合である。
1992 年、アパルトヘイト反対の一環として、NEHAWU は「誰が NEHAWU は廃れたと言った?」のスローガン
のもと、全国ストライキを召集した。ストライキは 2005 年から 2010 年までの間、誰でも参加できる争議行為とい
う強い伝統を貫き締めくくられた。
1996 年に策定された国の経済政策である「成長、雇用、再分配(GEAR)」の実施は組合にとって中心的な課
題である。NEHAWU のスポークスパーソンであるシズウェ・パルマによると、GEAR は民営化と再編をもたらした。
つまり、「公共部門はもはや選ばれる使用者ではな」く、公務員の「組織化は一層困難になっている」。この結果、
公共部門には 6 万以上もの欠員が生じた。そのため NEHAWU は、医師、看護師、研究者、その他専門職員
不足を解決するために報酬と労働条件の改善を推し進める勧誘キャンペーンを通じてこの格差を埋めようと努
めている。
パルマはまた、組合は予期せず「成功の犠牲」となっていると説明した。つまり、内部の教育改善に注目すること
で NEHAWU は優秀なリーダーを生み出してきたが、政府はこうした人材をより良い報酬を約束して採用してい
る。
こうした課題に取り組むため、NEHAWU は、サービス提供を改善し、汚職に反対し、よって社会的責任の意識
を高める 2 つの連結したキャンペーンに乗り出した。
www.nehawu.org.za
5
全国公務労働組合(NPSWU)
全国公務労働組合は 1962 年アパルトヘイト時代に、病院非欧州職員連盟(HNESA)として発足した。当時クワ
ズールー・ナタール州(KZN)では黒人の公務員を対象とした職員連盟が存在しなかった。組合を始めたのは、
公共保健部門のヘルスワーカーのグループで、真の人種統合を果たした最初の組合である。当初メンバーは
州に雇われた病院労働者に限られていた。その後他の公共部門で州や国に雇われた病院労働者以外の労働
者にも拡大された。2003 年に現在の組合名である全国公務労働組合(NPSWU)が採用された。州外でも組織
化を図る意欲を示している。NPSWU は今 8 千人近いメンバーを抱える。
NPSWU は政治的に非同盟であり、全国労働組合評議会、公務員連盟(PSA)、PSI に加盟している。
NPSWU は PSI の質の高い公共サービス―今こそアクション!キャンペーンでも積極的な役割を果たしている。
NPSWU は、エテクウィニ自治体(ダーバン市)と市民社会と共に、先ごろの QPS 作業部会の設置にも参加し
た。
グループ議長のダヤ・ジャンキスペラドによると、「QPS 作業部会はサービスの質を改善するにあたり、自治体を
アシストするための主な課題を数多く確認した。
最初の作業は、政府業務および関連業務のアクセスを改善するコミュニティーセンターの推進であった。センタ
ーは、クワズールー・ナタールほか周辺地域の農村コミュニティーの約 10 万人のための施設である。組合は市
民の間でセンターに関する意識向上を図るキャンペーンを組織した。
http://npswu.org
6
公務同盟労働者全国組合(NUPSAW)
公務同盟労働者全国組合は、公立のヘルスサービスと一般公務に 3 万人のメンバーを有する。
サクセス・マタイツァネ書記長は、組合の主な目標をこのように説明する。「私たちにとって、労働者が朝起きて仕
事に行くときに、幸せな気持ちであることが大事である」。この目標を達成するための戦略は、良い労働条件(と
くに安全衛生を尊重する)、人種差別がなく、使用者、監督者、被雇用者間の尊重に基づく快適な職場環境、
人間らしい賃金、雇用の安定という 4 つの柱が中心だ。
無料の看護師免責補償、無料の葬儀補償、看護師その他の専門職員が所属評議会に登録費を払う際に 30%
の払い戻しができることなど、NUPSAW はメンバーに独自の特典を提供している。
公共サービスのアウトソーシングとの戦いは、組合が抱える主な課題のひとつである。マタイツァネはこう説明す
る。「公共部門における警備、造園、清掃その他のサービスは、非ケア業務とされ、したがって費用削減のため
にアウトソースされた。にもかかわらず、独立事業者を参入させたために、公共部門が払う費用全体は、賃金や
労働条件が低下しているにもかかわらず高くついている」。NUPSAW は組織化とアウトソースされたサービスを
取り戻すための共同の戦いを狙い、契約労働者の勧誘キャンペーンを行なっている。
NUPSAW は、組合のアプローチのトレードマークであるとして政党と使用者からの独立を考えている。メンバー
を効果的に代弁するため、NUPSAW は 2007 年に独立労働コーカス(ILC)の評決団体となった。ILC には独
立組合 11 団体が参加する。ILC は連盟としての登録はないが、南アフリカ公共サービス調整交渉評議会
(PSCBC)とその部門別評議会でも認知されている。ILC は南アフリカの労働者の 40%を代表する。
NUPSAW は 2003 年に創設された南アフリカ労働組合連合に加盟している。NUPSAW はこの連合の原加盟
組織である。
www.nupsaw.co.za
7
警察刑務所公民権組合(POPCRU)
警察刑務所公民権組合(POPCRU)は南アフリカ警察(SAPS)、矯正施設省(DCS)、交通課の職員を組織す
る。
POPCRUは警察、看守、交通警察15万人以上を代表する。組合は1989年11月、アパルトヘイトに対する戦い
のさなかに発足した。POPCRUの創設以前は、SAPS、DCS、交通課では組織的な人種差別がはびこってい
た。各人種グループで大きな賃金格差があり、黒人職員の昇格は非常に難しかった。
最初、POPCRUはアパルトヘイト法の施行を余儀なくされ、それゆえに業務を行う地域から除外された黒人警
備員メンバーの声を代弁していた。POPCRUの創立時の信念は、警察業務を地域と一体化させることであった。
管理者が黒人の被雇用者のために組合を設置することを受け入れようとしなかったため、組合は政治的な逆境
で活動を強いられた。
POPCRUは変革のアジェンダを進め、労働者の人種的な分断の解決に取り組むべく戦いを続けている。
POPCRUは管理者との関係構築も果たし、独立交渉機構の設置を促した。
教育は、現行の幹部およびメンバー開発プログラムと合わせて組合の主要目標のひとつとなっている。内部の
民主主義と団体のリーダーシップが設立当初からの原則である。
POPCRU はスワジランド、レソト、ボツワナで警察業務の労働組合設置を積極的に支援してきた。南アフリカ労
働組合会議(COSATU)にも加盟している。
http://popcru.org.za
8
南アフリカ民主看護師組合(SADNU)
南アフリカ民主看護師組合のフレディー・モハイ書記長は、近年内外で課題に取り組んできた SADNU の焦点
は、「南アフリカ大衆を団結させるビジョンで組合を再建すること」にあると語った。
1995 年に設立された SADNU は、主に公共部門の看護師を全国レベルで代表する。本部はフリーステート州
のブルームフォンテーンにある。2000 年から COSATU にも加盟している。COSATU への加盟はメンバー数を
飛躍的に増大させ、SADNU の軌道において大きなターニングポイントとなった。2010 年以降は国際公務労連
(PSI)にも加盟している。
現在は比較的小規模ではあるがメンバー8200 人が所属する。このため SADNU は、公共部門調整交渉評議
会で交渉プロセスに参加するために、もうひとつの PSI 加盟組合である POPCRU(警察刑務所公民権組合)に
加わらなければならなかった。
保健部門の激しい競争と、内部の危機、幹部の賃金が未払いであることで、組合に効果的にサービスを提供す
ることが困難であることがわかり、SADNU のメンバー拡大が遅れた。組合は 2012 年の交渉以来、登録を解除
されている。現在の主なプロジェクトは、再登録プロセスを完了させることで、これにより組合が近いうちに州と国
で大会を開くことができるようになる。前進のために、大きな勧誘キャンペーンが実施され、これに合わせてマー
ケティングの取り組み、ならびに総合政策の改善と給与の向上(職業別制度)に向けた看護師向けのプログラム
の設置が行われた。
9
南アフリカ自治体労働者組合(SAMWU)
南アフリカ自治体労働者組合は 1987 年の創立である。地方政府が直接・間接的に雇った労働者、または地方
当局のために官民または任意事業者が雇った労働者の組織化に取り組んでいる。メンバーは 18 万人にのぼり、
南アフリカ最大の自治体労働組合となっている。メンバーは、自治体および行政に携わる地方当局、保健、図
書館、衛生、廃棄物管理、道路建設、電気部門の被雇用者である。
SAMWU は南アフリカ労働組合会議(COSATU)に加盟し、1991 年 6 月には国際公務労連(PSI)にも加盟し
た。
労働者主導の民主機構を構築し、政策・意思決定にメンバーの参加を持続させることへの強いコミットメントが、
SAMWU が軸とする特色である。良識ある労働者代表運動の構築、差別との戦い、全国および国際的な労働
者の連帯拡大も顕著な活動である。
現在 SAMWU が推進する主なキャンペーンでは、地方政府部門における腐敗との戦い、地方政府職員の賃金
平等の推進が狙いである。SAMWU が長期的に取り組んできた腐敗撤廃キャンペーンの最新部は 2012 年 10
月 5 日、南アフリカで最も腐敗が著しい州のひとつ、リンポポ州ポロクワネで行われた行進で幕開けした。
SAMWU の全国スポークスパーソンであるタヒル・セマは、「賃金平等を求め、汚職をなくす戦いは、公共サービ
スの質改善を求める戦いである」ことを説明した。縁故主義や汚職は地域のサービス提供を不可能にするが、人
間らしい生活賃金は労働者が公益に与する意欲を高める。
賃金格差の懸念は新たに選出されたウォルター・テレディ書記長も共鳴する。書記長はこう語る。「今年のように
自治体管理者と議員の賃金と手当が大きく増え続けたなど南アフリカ自治体政府連盟の横暴な振る舞いが目
立つようになると、自治体労働者の忍耐は薄れていく」
www.samwu.org.za
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