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橡 資料2 海外の地方自治制度及び住民参加制度の概要(英・米・独).
住 民 投 票 ( 住 民 参 加 ) の 事 例 イギリス アメリカ 1.大ロンドン庁創設を問う住民投票 1.州憲法修正イニシアティブ(提案13号) 1986年、サッチャー保守党政権が大ロンドン県(GLC)を廃止した時点では、労働党 1978年6月6日にカリフォルニア州で実施された財産税の引き下げを求める州憲法修正 は、それほど強い反対はしなかった。しかし、翌年の1987年の総選挙では、大ロンドン イニシアティブ。州の財産税(固定資産税に類似)が年間1.2倍にまで跳ね上がった事態に 県の復活を提唱していた。そして、10年後の1997年5月の総選挙では、次のように公 抵抗して、120万人の署名を集めて、70億ドルの減税を盛り込んだ州憲法の改正を求める 約した。 イニシアティブの投票が行われた。結果は、70%の賛成を得て成立し、知事は「民意に従う」 『 ヨーロッパの国々の首都のなかでロンドンだけが、その全域をカバーする地方自治体 として減税に踏み切った。 を持っていない。労働党は住民投票で支持されれば、ロンドン全域を統括する戦略機 州憲法の修正を求める「提案13号」は、 関と公選の市長を置くことにする。両者は、ロンドンのために自由に発言できるようにす ① 財産税を3年前の評価額の3%以下(現行6%以下)に抑える る。』 ② 財産税の評価額の伸びを年2%以下とする 労働党は、この選挙で政権をとり、1998年5月に大ロンドン庁の設置を問う住民投票 ③ 州税の増額は州議会の3分の2の賛成を条件とする を実施し(投票率34.6%)、投票者の72%の賛成を得て、大ロンドン庁設置の法律を という内容で、住民パワーが減税を獲得した初のケースとして注目され、「納税者の反乱」と 整備し、2000年5月に、イギリスでは初めての首長選挙となる大ロンドン庁の市長選挙 通称されている。この「提案13号」は、他の州にも波及効果を及ぼし、その後の2年間に23件 と議会議員の選挙が実施された。 課税制限・減税を求めるイニシアティブが各州で行われた。 2.地方税の増減を問う住民投票 2.施設建設に伴う増税の諮問的レファレンダム ① コントベリー市 ※集客施設建設による市街地活性化策を実施するための増税案を住民に示し、 1981年8月に、コントベリー市の労働党政権が、行政サービスの充実を選ぶか、それ 住民投票により賛否を問うたケース とも地方税の引き下げを選ぶかを問う住民投票を実施した。住民投票の結果は、税の引 ワシントン州の中心都市シアトル市で、中心街に多目的競技場を建設するにあたり、建設 き下げが選択された。 費の約7割を増税でまかなう計画について、1997年に、諮問的レファレンダムにより市周辺 この住民投票は、市の労働党政権が中央政府(保守党政権)からの市の支出削減を迫 自治体において住民投票を実施した。結果は、賛成が51%、反対が49%と僅差での承認 る圧力に抵抗するためのものであったが、結局、市当局は完敗に終わる結果となった。 となった。 ② ミルトン・キーンズ市(ロンドンから北西に70km離れたバーミンガムシャー州北部に位置する) 多目的競技場は、地元プロフットボールチームの本拠地となるもので、2002年7月に開業 ブレア政権時に、ミルトン・キーンズ市において、行政サービスの拡充を選ぶか、地方税 したが、地元では、中心街のにぎわい回復と地域活性化に寄与する施設として期待している。 の不増加を選ぶかを問う住民等を実施した。住民投票の結果、多数の市民は、地方税が 高くなっても公共サービスを拡充することを選択した。