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化学物質審査規制法の概要と 最近の動きについて

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化学物質審査規制法の概要と 最近の動きについて
化学物質審査規制法の概要と
最近の動きについて
経済産業省 製造産業局
化学物質管理課 化学物質安全室
① 化学物質審査規制法の概要
1
「化学物質審査規制法」とは
目的
○人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息・生育に支障を及ぼすおそれがある
化学物質による環境の汚染を防止。(昭和48年施行)
概要
○新規化学物質の事前審査
→新たに製造・輸入される化学物質に対する事前審査制度
○上市後の化学物質の継続的な管理措置
→製造・輸入数量の把握(事後届出)、有害性情報の報告等に基づくリスク評価
(※)平成21年度改正より。
○化学物質の性状等(分解性、蓄積性、毒性、環境中での残留状況)に応じた規制措置
→性状に応じて「監視化学物質」 「特定化学物質」等に指定
→製造・輸入数量の把握、有害性調査指示、製造・輸入許可、使用制限等
2
化学物質審査規制法の対象となる化学物質
○化学物質とは:元素又は化合物に化学反応を起こさせることにより得られる化
合物のこと。
○化学物質審査規制法の対象となる化学物質:一般工業化学品に用いられる物質。
(※)化学物質審査規制法と同等以上に厳しい規制(毒劇物法に規定する特定毒物や用途に応じた他の規
制(食品衛生法に規定する食品、添加物等)等が講じられている場合は除く。
製造等規制
排出規制
廃棄物規制
水質汚濁防止法
大気汚染防止法
土壌汚染対策法
廃棄物処理法
・元素、天然物
化学物質
化審法上の化学物質
<一般用途(工業用)>
・一般工業化学品
<特定用途>
【食品衛生法】
食品、添加物、容器包装、おもちゃ
洗浄剤
【農薬取締法】 農薬
【肥料取締法】 普通肥料
【飼料安全法】 飼料、飼料添加物
【薬 事 法】 医薬品、医薬部外品、化粧品
医療機器
【放射線障害防止法】
【毒物及び劇物取締法】
【覚せい剤取締法】
【麻薬及び向精神薬取締法】
放射性物質
特定毒物
覚せい剤、覚せい剤原料
麻薬
3
化学物質審査規制法の体系(平成23年4月1日~ )
○上市前の事前審査及び上市後の継続的な管理により、化学物質による環境汚染を防止。
第一種特定化学物質
(30物質)
難分解・高蓄積・人への長期毒性又
は高次捕食動物への長期毒性あり
・製造・輸入許可制(必要不可欠用途以外は禁止)
・政令指定製品の輸入禁止
・回収等措置命令
等
使用状況
等を詳細
に把握
・製造・輸入実績数量、詳細用途等の届出義務
難分解・高蓄積・毒性不明
第二種特定化学物質
(23物質)
人健康影響・生態影響のリスクあり
使用状況等を
大まかに把握
低懸念高分子化合物
一般化学物質
(およそ28,000物質)
有害性や使
用状況等を
詳細に把握
中間物等
(政令で定める用途)
国がリスク評価
少量新規
(年間1トン以下)
事前確認等
高濃縮でなく低生産
(年間10トン以下)
優先評価化学物質
(164物質)
環境中への
放出を抑制
事前審査
新規化学物質
監視化学物質
(37物質)
環境中への
放出を回避
上市
・ 製造・輸入(予定及び実績)
数量、用途等の届出
・ 必要に応じて予定数量の変
更命令
・ 取扱についての技術指針
・ 政令指定製品の表示 等
・ 製造・輸入実績数量・詳細用
途別出荷量等の届出
・ 有害性調査指示
・ 情報伝達の努力義務
・ 製造・輸入実績数量、用途
等の届出
※物質数は平成26年10月1日時点のもの
4
第一種特定化学物質について
○第一種特定化学物質とは
難分解、高蓄積、人への長期毒性又は高次捕食動物への長期毒性の恐れがある物質で、
政令で指定している物質(PCB、ヘキサクロロベンゼン、PFOS等の30物質を指定)。
○第一種特定化学物質の規制内容
→第一種特定化学物質の製造・輸入の許可制。
(試験研究用途や必要不可欠用途以外での製造・輸入は原則禁止)
→試験研究用途や必要不可欠用途以外での第一種特定化学物質の使用禁止。
→政令で指定している第一種特定化学物質の使用製品の輸入禁止。
→法令を違反した製造者、輸入者、使用者に対する回収措置命令、罰則。
難分解性、高蓄積、長期毒性を有する化学物質の
環境中への放出を回避
5
第二種特定化学物質について
○第二種特定化学物質とは
環境中に広く残留し、人への長期毒性又は生活環境動植物への長期毒性の恐れがあ
る物質で、政令で指定している物質(トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、四塩化
炭素等の23物質を指定)。
○第二種特定化学物質の規制内容
→第二種特定化学物質及び第二種特定化学物質使用製品の製造・輸入予定数量の事
前届出義務、製造・輸入数量実績の届出義務。
→政令指定製品の表示義務。技術指針の遵守。
→届出者に対する予定数量の変更命令、勧告、報告徴収、立入検査。
→法令を違反した製造者、輸入者、使用者に対する罰則。
6
② 新規化学物質の事前審査
7
化審法における新規化学物質とは
○化審法の対象となる化学物質のうち、官報で名称が公示されていない化学物質のこと。
○新規化学物質の製造・輸入には、原則、国による事前審査又は事前確認を受けることが必要。
上市
官報で名称が公示されていない
事前審査
新規化学物質
(通常新規)
官報で名称が公示されている
第一種特定化学物質
(30物質)
監視化学物質
(37物質)
第二種特定化学物質
(23物質)
低生産
少量新規
(年間1トン以下)
中間物等
(政令で定める用途)
事前確認等
(高濃縮でなく年間10トン以下)
優先評価化学物質
(164物質)
一般化学物質
(およそ28,000物質)
低懸念高分子化合物
※数字は26年10月1日時点
8
届出の必要性の確認
YES
製品であるか
NO
元素・天然物・薬事法等他法令
の規制対象であるか
YES
NO
官報公示整理番号を持つ化学物質
であるか
YES
新規化学物質
としての
届出は不要
※第一種特定化学物
質等に該当する場
合は、その手続が必要
NO
YES
試験研究用or試薬であるか
NO
新規化学物質として届出が必要
9
新規化学物質の届出
○平成25年度の新規化学物質の届出件数は552件。
(届出件数)
800
<主な用途(平成25年度)>
<新規化学物質届出件数の推移>
作動油、絶縁油、プロセス油、
潤滑油剤(エンジン油、軸受油、
圧縮機油、グリース等)
4.9%
700
600
電池材料
(一次電池、
二次電池)
3.3%
500
400
その他16.3%
電気・電子材料
18.8%
合成ゴム、
ゴム用添加剤、
ゴム用加工助剤
3.4%
300
プラスチック、
プラスチック添加剤、
プラスチック加工助剤
4.9%
200
100
0
74 75 80 85 90 95 00 05 06 07 08 09 10 11 12 13
通常新規
フォトレジスト材料、
写真材料、印刷版材料
5.3%
塗料、コーティング剤
16.8%
中間物
14.9%
接着剤、粘着剤、シーリング剤 6.7%
(2011まで暦年、2012以降は年度)
低生産量新規
(高濃縮でなく年間製造・輸入数量10トン以下)
合成繊維、繊維処理剤
6.3%
10
新規化学物質の事前審査及び事前確認
(通常新規、低生産、少量新規)
○通常の事前審査を受けた場合(通常新規)は、数量の制限無く製造・輸入が可能。
○「低生産」及び「少量新規」の確認を受けた場合は、年間の製造・輸入数量に制限あり。
※同一物質を複数者が届け出て、その製造・輸入予定数量の合計が制限値を超えた場合は、
各申出者の製造・輸入数量の調整を行う。
○それぞれの手続により、国に提出する有害性情報は異なる。
新規化学物質の
手続の種類
通常新規
低生産
少量新規
製造・輸入可能な数量
国に提出すべき有害性情報
備考
制限なし
分解性・蓄積性・人健康影響・
生態への影響
日本全国で年間10トン
分解性・蓄積性
(人健康影響・生態への影響も
あれば届出)
数量調整の場合あり
日本全国で年間1トン
無し
数量調整の場合あり
11
有害性に関する4つの評価項目
①分解性
自然環境中で無害な物質に分解され
易いか
③人健康影響
人に対するガン原性や毒性の疑いが
あるか
CO2
H2O
②蓄積性
生物の体内に入った場合に体内に
溜まり易いか
④生態への影響
魚や植物等に対する毒性があるか
●通常新規については、上記①~④について評価。
●低生産については、上記①及び②について評価。
12
中間物等の確認制度
○予定されている取扱いの方法等から見て環境の汚染が生じるおそれがないものとして
確認を受けた場合、新規化学物質の製造・輸入の事前審査は不要。
○ 確認を受けた者は、必要に応じ報告徴収及び立入検査の対象となる。
●中間物
新規化学物質を中間物として製造、又は輸入する場合であって、当該中間物が他の化
学物質になるまでの間において環境汚染防止措置が講じられている。
●閉鎖系等用途
新規化学物質を施設又は設備の外へ排出されるおそれがない方法で使用するために
製造、又は輸入する場合であって、その廃棄までの間において環境汚染防止措置が講
じられている。
●輸出専用品
新規化学物質を輸出するために製造、又は輸入する場合であって、輸出先に係る仕向
地が省令で定める特定の地域であり、かつ、輸出されるまでの間において環境汚染防
止措置が講じられている
13
ポリマーの安全性評価
○ポリマーについては、独自の安全性評価試験方法(高分子フロースキーム)が定めら
れている。
○試験を実施した結果、重量変化等から「難分解性ありかつ高濃縮性ではない」と判定さ
れた場合は、分解度試験、濃縮度試験、スクリーニング毒性に関する試験、生態毒性
試験は不要。
○高分子フロースキームについては、化審法のGLP試験施設*で行わなくても良い。
* GLP制度は、試験施設ごとに運営管理、試験設備、試験計画、内部監査体制、信頼性保証体制等に関する「GLP基準」への適合性
を確認し、試験成績の信頼性を確保する制度であり、OECDのGLP原則に整合している。
高分子化合物(ポリマー)の条件
○1種類以上の単量体単位の連鎖により生成する分子の集合から構成され、3連鎖以上の分子の合計重量が全
体の50%以上を占め、かつ同一分子量の分子の合計重量が全体の50%未満
○数平均分子量が1,000以上
ポリマーの安全性評価のための試験方法(高分子フロースキーム)
試験方法
判定基準
物理化学的安定性及び酸・アルカリに対する溶解性試験法
試験前後で変化がないこと。
水及び有機溶媒に対する溶解性試験
① 試験前後で重量変化がないこと。
分子量分布の測定試験
② ①以外の場合であって、分子量の要件を満た
す、又は、高蓄積性を示唆する知見がないこと。
14
低懸念高分子化合物(低懸念ポリマー:PLC)の確認制度
○低懸念ポリマーとは、新規化学物質のうち、高分子化合物であって、人の健康又は生
活環境動植物の生息等に被害を生ずるおそれがないものとして、確認を受けたもの。
○低懸念ポリマーに該当する旨の確認を受けた場合、新規化学物質の製造・輸入に
関する事前審査は不要。製造・輸入数量の制限なし。
○低懸念ポリマーの確認を受けた者は、必要に応じ報告徴収及び立入検査の対象と
なる。
数平均分子量が1,000以上の
高分子化合物
NO
PLCに該当しない
NO
YES
次の①~④の全てを満たす
①物理化学的に安定
②酸・アルカリ溶液に対して溶解しない
③水・有機溶媒に対して溶解しない
④化学構造中にナトリウム、マグネシウム、カリ
ウム又はカルシウム以外の金属を含まない
NO
左記①②④の全て及び次のa.b.c.の全てを満たす
a.分子量1,000未満成分の含有率が1重量%以下、
かつ、生体への高蓄積性を示唆する知見無し
b.化学構造中にヒ素又はセレンを含まない
c.数平均分子量が10,000以上、又はモノマーが全
て既存化学物質等でありエポキシ基やスルホ
ン酸基等を含まない
YES
YES
PLCに該当
15
新規の高分子化合物の事前届出にPLCをオススメします
PLCには以下のメリットがあります
○確認通知書を早く受け取れます。
・通常新規化学物質(書類に不備が無い場合)
予備審査用資料の提出から判定通知書の受理まで、約4ヶ月
・PLC(書類に不備が無い場合)
申出書類の事前チェックから確認通知書の受理まで、約1ヶ月
通常新規より
約3ヶ月早い
○物質名は公示されません。
・通常新規化学物質の場合と異なり物質名が公示されないため、
同じ物質を他社が自由に製造・輸入することは出来ません。
○随時行政が判断・確認します。
確認から5年
経過後でも
名称は公示さ
れません
・通常新規化学物質の場合:年10回の審議会での判定が必要
○製造数量・輸入数量の届出は必要ありません。
・通常新規化学物質は、毎年6月に前年度の製造数量・輸入数量を届け出る義務があります。
通常新規化学物質として届け出られた高分子化合物の中には、PLCに該当する物
質も存在します。高分子フロースキームを利用して白判定となる物質については、PL
Cに該当する場合がありますので、PLCの利用もご検討頂くことを推奨します。 16
16
少量新規化学物質の取扱いの合理化
○ 少量新規化学物質の確認を受けている事業者が事業を譲渡する場合、事業譲渡者が当該物質
の製造・輸入を承継できる仕組みを構築した。
○ この承継に当たっては、事前に手続きを行うことが必要(手続きは、少量新規化学物質の申出期
間内に限る。)。
<手続きの内容>
①事業の譲渡者(甲)と事業の譲受者(乙)は、次の書類を経済産業省化学物質安全室に届出。
・事業譲渡に伴う少量新規化学物質の確認数量の移管願(甲・乙連名)
・甲から乙への事業譲渡に関する証拠(契約書の写し等)
・甲に通知していた少量新規化学物質確認通知書(確認を取り消す化学物質に係るもの)
・乙による少量新規化学物質申出関係書類一式
②問題が無ければ、3省は次の書類を交付する。
・乙に承継される少量新規化学物質に係る確認取消通知書(甲あて)
・乙が甲から承継した少量新規化学物質に係る確認通知書(乙あて)
17
新規化学物質の審査制度の合理化
○ 規制改革実施計画等を踏まえ、新規化学物質の審査制度の合理化を積極的に推進。
具体的な取組
■副生新規化学物質についての取扱いの合理化
実用的な製法で分離が困難であれば、混合物として届け出ることが可能であることを明確化
■QSARを活用した生物蓄積性判定の導入
届出された新規化学物質について、構造が類似し生物蓄積性が低い既知の化学物質がある場
合にはQSAR(定量的構造活性相関)の推計結果等から高蓄積性でないと判定できる仕組みな
どを導入
■公示済みの新規化学物質の変化物としての既存化学物質の判定結果を公表
新規化学物質の判定後5年が経過し、名称が公示されたものについて、その変化物が既存化学
物質だった場合は、他の事業者が同じ化学物質について、重複して試験を実施することのないよ
う、判定結果を公表
■イオン性化合物の蓄積性評価に関する新たなルールを公表
非解離状態におけるオクタノール/水分配係数(logPow)を測定することが困難なスルホン酸、
カルボン酸、両性イオン化合物、4級アミンなどのイオン性化合物について、中性付近(pH=7付
近)で測定した見かけのオクタノール/水分配係数(logD)の利用を導入
18
新規化学物質の審査制度の合理化①
〔副生新規化学物質についての取扱いの合理化〕
• 新規化学物質の届出に関する事業者向けマニュアルを改正し、実用的な製法で分
離が困難であれば混合物として届け出ることが可能であることを明確化
<マニュアル>
化審法に基づく新規化学物質の届出等に係る資料の
作成・提出等について
【別紙3-1】
新規化学物質届出等関係資料の作成に際しての留意事項
1 届出書・申出書について
(1)~(2)省略
(3)「新規化学物質の名称」
名称の記載方法については、別紙3-2を必ず参照してく
ださい。新規化学物質が実用的な製法等では分離が困難
な混合物である場合には、混合物として記載するあるいは
反応生成物として製法等で記載することも可能です。届出
区分が不明な場合や詳しい名称の記載については別途
NITE にご相談ください。
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/files/todoke/shinki/shinki_manual.pdf
19
新規化学物質の審査制度の合理化②
〔QSARを活用した生物蓄積性判定の導入〕(平成25年9月27日)
•
試験に要する費用・期間の効率化の重要性や国際的な動物試験削減の要請にかんがみ、生
物蓄積性の類推等による判定の運用ルール案を作成し、経済産業省HPで公表。
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/files/todoke/shinki/130927_seibutsuchikuseki.pdf
•
届出された新規化学物質について、構造が類似し生物蓄積性が低い既知の化学物質がある
場合にはQSAR(定量的構造活性相関)の推計結果等から高蓄積性でないと判定できる仕組
みなどを導入。
1.構造類似を根拠とした類推による判定
対象とする化学物質Aが、生物蓄積性が十分低いことが既知である化学物質Bと構造が類似しており、構造から
Aの蓄積性はBと同程度に低いかそれより低いと合理的に推測される場合には、類推によりAは高濃縮性でないと
判定できる。
①以下を満たす場合
・AとBの構造が類似(※ AとBの基本骨格が同じで一部分が変化 or AとBが異性体の関係)
・BのBCF実測値が500倍未満
・AのQSAR推計値がBのBCF実測値・QSAR推計値と同程度か小さい
②BCFの実測値が100倍未満の構造類似物質(※)が2つ以上ある場合
2.HPLCによる親水性(極性)比較を根拠とした判定
対象とする化学物質Aが、生物蓄積性が既知である化学物質Bと構造が類似しており、Aの親水性(極性)がBよ
りも高いことが逆相HPLCにより確認されている場合、Bが高濃縮性でなくかつ親水性が一定以上であれば、Aも
高濃縮性でないと評価できる。
※実際にはさまざまなケースがあると考えられるため、詳細なルールを現時点で定めることはせず、事業者からの
相談に応じて個別に判断。知見がある程度蓄積された段階でより詳細なルールを検討。
※上記1.①の対応を円滑化するため、蓄積性の判定に用いた実測値データを経済産業省HPで公表。
20
新規化学物質の審査制度の合理化③
〔公示済みの新規化学物質等の分解性又は蓄積性判定結果を公表〕
○名称が公示された化学物質(「白」物質)の判定結果を経済産業省HPで公表。
平成26年11月6日までに、平成21~26年度に告示した白物質について公表。
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/information/bulletin_shiro.html
○新規化学物質の判定後5年が経過し、名称が公示されたものについて、その変化物
が既存化学物質だった場合は、他の事業者が同じ化学物質について重複して試験を
実施することのないよう、判定結果を経済産業省HPで公表。(平成26年11月6日時
点で計17物質)
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/information/report.html#report5
21
新規化学物質の審査制度の合理化④
イオン性化合物の蓄積性評価に関する新たなルール(平成26年6月30日)
○非解離状態におけるlogPowを測定することが困難なスルホン酸、カルボン酸、両性イオン化合
物、4級アミンなどのイオン性化合物について、中性付近(pH=7付近)で測定した見かけのオクタ
ノール/水分配係数(logD)が2.5未満の場合は、高濃縮性でないと判定できることとする。
○なお、トリフルオロメチル基(CF3-)又はテトラフルオロエチレン基(-CF2-CF2-)を構造の一部に有す
る化合物には本ルールは適用しない。
(注1)本ルールにおいて「非解離状態におけるlogPowを測定することが困難なイオン性化合物」とは、原則として、
酸であればpKa<3、塩基であればpKa>11のものとする。
(注2)慎重を期すため、本ルールをいきなり判定基準として位置づけるのではなく、事例を重ねつつ適用範囲等に
問題がないことを確認することとする。そのため、当面は事前に事務局に相談することを必須とし、生物蓄積
性に広い知見を有する審議会委員(数名)と事務局において、構造式やpKaなどの情報から相談された化学
物質が本ルールの適用対象として問題ないかどうか判断することとする。
(注3)現行の判定基準におけるlogPowの取扱と同様に、界面活性のある物質、分子量分布を有する混合物、有
機金属化合物、純度の低い物質(HPLC法を除く)及び無機化合物には適用しない。
(HPアドレス)http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/files/todoke/shinki/140630_logD.pdf
22
新規化学物質の審査制度の合理化⑤
新たな濃縮度試験(改訂OECDテストガイドライン305)の化審法での利用
1濃度区水暴露法
被験物質の濃度がその対水溶解度の1/10以下で実施された1濃度区濃縮度試験の結果、定常状態におけるBCFが500 倍未満で
あった場合には、その1濃度区だけの結果から高濃縮性でないと判定できる。(BCFが500倍以上であった場合は、2濃度区での濃
縮度試験の結果などが必要。)
(注1) 対水溶解度の測定については、GLP基準に適合する試験施設においてOECDテストガイドライン105に定められた方法に準じて実施。
(注2) 被験物質の濃度は、LC50の1/100以下又はNOEC以下であって、分析が可能なできる限り低い濃度を設定。
(注3) 以下の化学物質は本ルールの対象とはしないこととする。
・ 無機化合物及び有機金属化合物(Na、Mg、K、Ca等以外の金属を含有するものに限る。)
・ 界面活性作用を有すると考えられる化学物質
・ パーフルオロアルキル基を有する化学物質
(注4) 多成分の混合物は、原則として本ルールの対象外
簡易水暴露法
被験物質の濃度がその対水溶解度の1/10以下で実施された簡易水暴露法濃縮度試験の結果が、以下のいずれの項目も満たす
ものであることであった場合には、その結果から高濃縮性でないと判定できる。
○ 試験水濃度及び魚体中濃度が定量下限値の10倍以上
○ 取り込み及び排泄が一次速度式に従っている
○ 簡易水暴露法BCFK≧簡易水暴露法BCFSS
○ 簡易水暴露法BCFK<200倍 (BCFKが200倍以上であった場合には、濃度区での濃縮度試験の結果などが必要。)
(注5) 本ルールの適用は、1-オクタノール/水分配係数(POW)の常用対数が6未満の化学物質。(注1)~(注4)の条件は同様に必要。
(※)餌料投与法
我が国の試験機関においてリングテストを行ったところ、餌料投与法については、試験機関ごとあるいは試験ごとに結果の値が大
きくばらつくこと、高い生物蓄積性を有することが既知である化学物質の生物蓄積性を適切に評価できない結果が得られる場合が
あることなどが判明したため、現時点では、餌料投与法の結果は化審法では活用しない。
23
③ 上市後の化学物質の継続的な管理
24
ハザードベースからリスクベースの管理へ
○平成21年度改正により、化学物質の「有害性(ハザード)」のみに着目した規
制体系から、人及び動植物へどれだけ影響を与える可能性があるかの「環境排出
量(暴露量)」を加味した、「リスク」ベースの規制体系へ。
リスク
=
有害性
(ハザード)
×
環境排出量
(暴露量)
 有害性 :化学物質が、人や環境中の動植物に対し、どのような望ましくない影響を及ぼす可能性があるか
 暴露量 :人や動植物が、どのくらいの量(濃度)の化学物質にさらされているか
<リスクベースの管理のメリット>
○有害性が明確でない化学物質についても、暴露量が多くなることにより人健康影響などが
懸念される場合に、管理対象とすることが可能となる。
○取り扱いや使用方法など、暴露量を制御・管理して、リスクの懸念をなくすことにより、
種々の化学物質の利用が可能となる。
○強い有害性を示す化学物質について、厳しい暴露管理をすることが可能。
25
改正化審法における上市後の化学物質のリスク評価の流れ
一般化学物質
絞り込み
物質数
多
スクリーニング評価
評価の
精度
(リスクが十分に低いと言えない化学物質)
簡易
優先評価化学物質に指定
リスク評価(一次)
(長期毒性があればリスクが懸念される化学物質)
少
リスクが十分に低いとは判断できず、さら
にリスク評価を行う必要がある化学物質
を絞り込む。
詳細
絞り込んだ物質につ
いて、各種のデータを
用い、リスク懸念の程
度を詳細に評価する。
詳細用途別出荷量(化
審法に基づく優先評価
化学物質の届出データ)
PRTRデータ
環境モニタリングデータ
有害性データ
有害性調査指示
(製造・輸入事業者に長期毒性試験の実施を指示)
リスク評価(二次)
有害性調査指示による長期毒性試験の
結果を踏まえて最終的にリスクを評価。
(リスクが懸念される化学物質)
第二種特定化学物質に指定
(必要により、製造・輸入数量を調整)
26
一般化学物質の製造・輸入実績の届出
○22年度実績から、一般化学物質を年間1トン以上製造・輸入した事業者に対し、その数
量の届出義務を課す制度を導入。
○・23年度(22年度実績分、実績値):31,301件(1,422社) 6,813物質
・24年度(23年度実績分、実績値):29,938件(1,406社) 7,067物質
・25年度(24年度実績分、実績値):28,883件(1,361社) 6,728物質
・26年度(25年度実績分、暫定値):28,442件(1,360社) 物質集計中
○本届出実績を集計・公表するとともに、暴露クラスの推計に活用。
<届出物質の数量分布(24年度実績)>
<届出物質の用途分布(24年度実績)>
物質数
製造・輸入数量(トン)
(注)リスク評価を行う必要がないものとして指定された化学物質は届出不要とされている。
※出荷数量ベース
27
ぜひ適切な内容での届出をお願いします!
用途分類を「98:その他」にすると、全量排出するもの(排出係数1.0)としてスクリーニ
ング評価が行われます。
その結果、優先評価物質に選定される可能性が高まります。
適切に評価を行うため、用途を確実に把握していただき、適切な用途分類を記載して
いただくようにお願いします!
(「その他」の用途分類は選ばないで下さい!)
同様に、高分子化合物については、確実に、届出にある「高分子化合物の該当の有
無」項目にチェックを入れて下さい。
高分子化合物であれば、排出係数が小さくなります。(優先評価物質に選定される可
能性が下がります。)
<高分子化合物の定義>
① 1種類以上の単量体単位の連鎖により生成する分子の集合から構成され、3連鎖以上の分
子の合計重量が全体の50%以上を占め、かつ、同一分子量の分子の合計重量が全体の
50%未満。
② 数平均分子量が1,000以上。
28
一般化学物質のスクリーニング評価の進捗状況
○一般化学物質のスクリーニング評価を平成23年度から開始。旧法の第二種及び第三
種監視化学物質を含め、平成26年10月時点で164物質を優先評価化学物質に指定。
○今後とも、国による有害性情報の収集と並行して、事業者からの情報収集を呼びかけ
るなどにより、スクリーニング評価/リスク評価の一層の推進を図る。
<スクリーニング評価の流れ>
7,819物質
製造・輸入数量
年間10トン超
第二種
特定化学物質
優先評価
化学物質
一般
化学物質
一般化学物質11,979物質
(製造・輸入数量年間1トン以上)
※25年7月に実施したスクリーニング評価の実績
詳細リスク評価
優先評価化学物質
スクリーニング評価
一般
化学物質
164物質
およそ11,000物質
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リスク評価(一次)評価Ⅰ結果・対応について
平成24年度までに指定された優先評価化学物質のうち
121物質について、製造・輸入数量の全国合計値が10t超の116物質を対象に、
平成24年度実績の詳細用途別出荷量等を用いて、リスク評価Ⅰを実施する。
優先評価化学物質
121
物質
※平成
24年度
までに
指定
された
物質の
うち
一定の
要件を
満たす
もの
リスク評価(一次)評価Ⅰ
平成26年
16物質
<人健康影響(3物質)>
<生態影響(13物質)>
★今後すみやかに着手
16物質
リスク評価
(一次)
評価Ⅰ
※平成24年度実績のデータから、詳細な
評価を進める必要があると考えられるリス
ク懸念が認められ、評価の優先順位が高い
とみなせるもの。
すみやかに
リスク評価
(一次)
評価Ⅱに着手
97物質
※平成24年度実績のデータでは詳細な評価を進め
るほどのリスク懸念が認められなかったもの。
7物質(年間推計排出量1t以下)
5物質(製造・輸入数量10t以下)
リスク評価
(一次)評価Ⅱ
平成25年
度実績の
データを
収集して
再評価
(評価Ⅰ
再実施)
25物質
平成24年度(または平
成25年度)から実施中
(評価Ⅱ実施)
<生態影響(2物質)>
○イソプロペニルベン
ゼン(別名α-メチル
スチレン)
○4,4’-(プロパ
ン-2,2-ジイル)
ジフェノール(別名4,
4’-イソプロピリデ
ンジフェノール又はビ
スフェノールA)
(注)人健康影響と生態影響は
それぞれ別々に評価を行うため、
一部重複がある。
平成26年10月1日に優先評価化学物質の5物質※の指定の取消し
(過去3年数量監視の要件であるもの/平成26年7月に公表)
※ジニトロトルエン、2,4-ジ-tert-ペンチルフェノール、
4,4’-メチレンジアニリン、3,3’-ジクロロベンジジン、テトラメトリン
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リスク評価の進捗状況
○リスク評価(一次)評価Ⅰの結果を踏まえ、リスク懸念があると認められ、評
価の優先順位が高いと考えられる優先評価化学物質から、詳細なリスク評価とし
てリスク評価(一次)評価Ⅱを進めている。
○平成26年6月、リスク評価(一次)評価Ⅱの生態影響に係る2物質の評価に
ついて審議を実施した。
【評価Ⅱを実施した物質の評価結果及び今後の対応(生態影響2物質)】
物質
評価の
観点
暴露評価と
リスク推計
製造・輸入数量の
経年変化
評価結果及び今後の対応
イソプロペニル
ベンゼン
生態影響
予測環境中濃度の計算
値、環境モニタリング
による実測濃度のいず
れもPNECを超えた地
点はなかった。
ほぼ横ばい
○現在及び近い将来の推計される暴露濃度
では、イソプロペニルベンゼンによる環境
の汚染により生活環境動植物の生息もしく
は生育に係る被害を生ずるおそれがあると
は認められないと考えられる。
ビスフェノール
A
生態影響
予測環境中濃度の計算
値、環境モニタリング
による実測濃度が
PNECを超えた地点が
確認されたところもあ
るが、その地点は少な
かった。
ほぼ横ばい
○現在推計される暴露濃度では、ビスフェ
ノールAによる広範な地域での環境の汚染
により生活環境動植物の生息もしくは生育
に係る被害を生ずるおそれがあるとは認め
られないと考えられる。
○他方、一部の水域において、環境モニタ
リングによる実測濃度、予測環境中濃度の
計算値がPNECを超えた地点が確認された
ことから、当面の間、製造・輸入数量や
PRTR排出量等の経年変化を調べつつ、追
加モニタリングを行うことにより、その地
点における暴露状況を把握する。
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④ 最近のトピックス
以下の化審法HPの新着情報を是非ご覧下さい!
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/index.html
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少量中間物等の確認制度の創設
○化審法の合理化措置の1つとして、少量中間物等の確認制度を創設。
(平成26年6月30日公布、平成26年10月1日施行)
○新規化学物質の事前審査を免除する特例として、①少量新規、②中間物等の確認制度があるが、
それぞれに以下の制約がある。
①少量新規の確認制度は、一年度で日本全国1トン以内という制約があり、また、毎年確認を受け
る必要がある。
②中間物等の確認制度は、詳細な説明資料を提出する必要があり、時間がかかる。
○今般改正により、少量中間物等の確認制度を創設。
(対象)1社1年度1トン以下の新規化学物質を中間物又は輸出専用品として製造・輸入する場合。
(効果)簡易な資料提出で確認が得られる。その結果、事業者の負担が大幅に軽減される。
現行制度での対応
少量中間物等の確認制度の活用
少量新規の確認制度を活用する場合、1社一年度1ト
ンではなく、全国一年度1トンである。
少量中間物等の確認制度であれば、1社一年度1トン
の確認が確実に受けられる。
少量新規の確認制度を活用する場合、毎年度確認
を受ける必要がある。
少量中間物等の確認制度であれば、一度確認を受け
れば、毎年度確認を受ける必要はない。
中間物等の確認制度を活用する場合、多くの書類を
作成する必要があり、国の審査にも時間がかかる。
少量中間物等の確認制度の提出資料は、非常に簡素
であるため、書類作成も簡単で、国の審査にも時間が
かからない。
少量の中間物等用途の新規化学物質を製造・輸入する事業者にとって、
ビジネスを進めていく上でメリットが大きい
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少量中間物等の申し出の受付・問い合わせ
【受付】
○受付時期:平成26年10月1日以降(随時)
○受付方法:郵送のみ
○郵送先:経済産業省化学物質管理課化学物質安全室 安全管理係
〒100-8901 東京都千代田区霞が関1-3-1
【提出資料】
○正式文書(日付を記入し、代表者印の押印のあるもの) 3部
○返信用封筒(通知文書送付用)(申出者の郵便番号、住所、宛先等を明記の上、書留又は簡易書
留(必要に応じて速達、必ず郵送種別を記載すること)扱いとし、必要な郵便料金に相当する切
手を貼付したA4版のもの)1通
返信用切手の必要金額の目安は次のとおりです。
「普通」の場合→「書留」550円、「簡易書留」430円
「速達」の場合→「書留」830円、「簡易書留」710円
【問い合わせ先】
経済産業省化学物質管理課化学物質安全室安全管理係
TEL:03-3501-0605
FAX:03-3501-2084
E-mail:[email protected]
【記載例・ひな形 ダウンロード先】
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/todoke/shinki_chukan.html
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少量中間物の申出書 記載例①
経産省HP:http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/todoke/shinki_chukan.html
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少量中間物の申出書 記載例②
経産省HP:http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/todoke/shinki_chukan.html
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少量中間物の申出書 記載例③
経産省HP:http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/todoke/shinki_chukan.html
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第4回 少量新規化学物質の申出手続き(平成26年度)
【概要】
○受付案件:平成27年1月1日~平成27年3月31日までの少量新規化学物質の
製造又は輸入に係る申出手続
○受付期間:平成26年12月1日(月)~12月10日(水) (土日除く)
○受付方法:
・電子申出(e-Gov)
・書類申出(直接持参のみ。郵送による受付は行っていません)
受付時間:10:00~12:00、13:30~16:30
受付場所:経済産業省本館4階西8右・中
提出書類:少量新規化学物質製造・輸入申出書正本3部+正本のコピー1部、
少量新規化学物質確認通知の別紙 1部
返信用封筒 1部
※詳細は、以下のURLを御確認ください。
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/kasinhou/todoke/shinki_shoryo_index.html
【今後の予定】平成27年度 第1回少量新規化学物質の申出期間
第1回の申出の受付期間:平成27年1月20日(火)~1月30(金)
(平成27年4月1日~平成28年3月31日までの少量新規化学物質の製造又は輸入分)
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第一種特定化学物質の新たな指定及びその具体的措置について
○ エンドスルファン及びヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)の2物質については、残留
性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)に基づき国際的に製造・使
用を原則禁止(廃絶)とすることが決定している(※)。
(※)エンドスルファンは平成23年の締約国会議、ヘキサブロモシクロドデカンは平成25年の締約国会議において決定された。
(※)原則として国連事務局からの通報後1年以内に締約国は所要の措置を講ずることとされている。
○ これを受け、我が国においても、これらの物質を化審法の第一種特定化学物質に指
定するため、平成26年に政令を改正。
・平成26年 5月1日 エンドスルファン及びHBCDの製造・輸入及び使用禁止
・平成26年10月1日 HBCDを使用した以下の4製品の輸入禁止
①繊維用難燃処理薬剤、②難燃性EPS用ビーズ、③防炎生地、④防炎カーテン
(エンドスルファン)
過去農薬として使用されていたが、現在は農薬取締法によ
り農薬としての販売・使用は禁止されており、それ以外の用
途にも製造・輸入はされていない。
(ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD))
HBCDは難燃剤として住宅用断熱材や防炎カーテン等
に用いられていたが、我が国では代替に向けた取り組
みが着実に進みつつある。
HBCDの国内での製造は既に終了。平成24年度の輸
入量は約2,100トン。
39
参考資料
40
参考
製品について
○化審法において以下の定義に合致するものについては「製品」とされ、化審法の対象外。
(※)政令で指定する第一種特定化学物質及び第二種特定化学物質を使用する製品は除く。
①成型品
固有の商品性状を有するものであって、その使用中に組成や形状が変化しないもの。
(例:合成樹脂製什器・板・管・棒・フィルム)
(※)当該商品がその使用中における本来の機能を損なわない範囲内での形状の変化(使用中の変形、機
能を変更しない大きさの変更)、本来の機能を発揮するための形状の変化(例:消しゴムの摩耗)や、
偶発的に商品としての機能がなくなるような変化(使用中の破損)については、組成や形状の変化と
して扱わない。
②小分けされた混合物
必要な小分けがされた状態であり、表示等の最小限の変更により、店頭等で販売されうる形態になって
いる混合物。(例:顔料入り合成樹脂塗料、家庭用洗剤)
<具体例>
(例1)大判の板、フィルム、接着シート等を輸入し、国内で切断処理のみを行って商品又は商品の一部として流通させた
場合 → ①に基づき、「製品」扱い。
(例2)繊維や糸を輸入し、国内で化学反応を伴わずに加工して衣類等の商品として流通された場合
→ ①に基づき、「製品」扱い。
(例3)ボールペンのインクを輸入した場合
→ インクが充填されているボールペンは、充填されているインクを含めてボールペン全体を化審法上の「製
品」として扱う。
→ インクが小分けされ店頭等で販売されうる形態になっている場合、②に基づき「製品」扱い。
→ 小分けがされていないインクの状態で海外から輸入した場合は、「化学物質」であり、化審法の対象。
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試験研究用・試薬とは
参考
○新規化学物質であっても、試験研究のため、又は試薬として製造・輸入する
場合は、事前審査や3大臣の確認は不要。
●試験研究用
研究所、大学、学校などにおける試験、検査、研究、実験、研究開発等のため
に、その全量が用いられる化学物質のこと。
●試薬
化学的方法による物質の検出若しくは定量、物質の合成の実験又は物質の
物理的特性の測定のために使用される化学物質のこと。
注意
有償・無償の区別や数量の制限はありませんが、
他の用途には転用出来ません。
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