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ホームセンター(DIY店)業界事情
調査室レポート ホームセンター(DIY店)業界事情 ∼成長の踊り場から寡占化へ 1.成長を遂げた新業態 ・ ・ ・ ホームセンター (HC) は「衣・食・住」の住のニーズに応える店です。Do It Yourself すなわち「自分の生活空間を自分の力で創り、アレンジする」ための商品を揃えた新し い業態として、昭和 47 年(1972 年)12 月(現) さいたま市に第1号店(ドイト与野店)が登 ホームセンター年間総売上高 ショック以降もモータリゼーションの進展と合 千 億 40 円 35 (日本DIY協会調べ) わせて躍進を続け、わずか 30 年弱で3兆円規模 30 の成長を遂げました。(左図参照) 25 全国の店舗総数 3,300 店、株式上場企業も 25 20 15 社を数えるなど、いまでは多くの消費者に支持 10 されている HC 業界ですが、ここ数年は売上高 5 0 場しました。以後市場は順調に拡大し、オイル 2年 3 4 5 6 7 8 9 10 11 横這いが続き成長の踊り場を迎えています。 2.再編と新たな動き HC 業界も他産業同様、バブル崩壊以降続く消費不振により企業倒産が増加する一方、 株式上場企業を中心に合併・買収による寡占化がすでに始まっており、正に再編、淘汰 の時代に突入した、ともいわれます。 九州の主要な DIY 店 会 社 名 本社 所在地 設 立 店舗数 北九州市 S 45.8 146 ホームワイド (株) 福岡県鞍手郡 S 51.8 65 (株) 嘉穂無線 福岡市 S 25.2 52 (株) ホームインプルーブメントひろせ 大分市 S 38.9 18 ホームセンターサンコー (株) 熊本市 S 61.6 18 北九州市 S 36.4 21 ナフコ (株) (株) とみやま (株) 東京経済 平成 13 年 10 月刊『特別レポート』より抜粋 そうしたなか、HC 各社は近年相次いで新業態の店舗展開に挑戦し始めています。ガ ーデニング (園芸) やリフォーム (改装) など“一芸”に集中した専門店や、低価格を前面 に掲げたディスカウント (DS) 風の小型店などです。既存店の品揃えの中から売れ筋を 探し出し、新業態に格上げさせたり、不振の既存店を新業態に衣替えして再生を図るな ど、生き残りをかけた新たな事業展開が本格化しています。 1 福銀調査月報 2002年1月 3.今後の展望 「世界第2位の消費国を無視することはできない」として、英国のキングフィッシャ ーなど DIY 用品に強い外資系の進出が予想されています。商品構成や売場面積など規模 の拡大は喫緊の課題となっており、今後は「勝ち組」と「負け組」の資本提携が増加する ものと思われます。今後は、ワンストップショッピングを狙って、低価格化・多様化を 進めるタイプと商品分野を限定して深く品揃えする専門店タイプの分類が進むことが予 想されます。 <注目企業> GooDay(嘉穂無線株式会社) グッデイの第1号店が大野城市にオープンしたのは 1978 年、DIY はもちろんホ ームセンターという言葉さえも知られていなかった時代でした。その後、積極的 に出店を続け、2001 年1月現在、福岡県を中心に佐賀・大分・熊本に計 52 店舗を 擁しています。 グッデイの品揃えは、標準店で約5万アイテム。木材からネジまで住まいの専 門店として、品揃えの広さと深さには定評があります。 基本インフラとして POS(販売時点情報管理システム)、EOS(自動発注システム) を全店に導入。店舗主導の仕入システムをとっているため、全店舗で品揃えがそ れぞれ違います。各店舗ごとに、立地条件や客層などにマッチした仕入れを行っ ているのです。 ▼日本のHC総店舗数の推移 グッデイ店舗数の推移▼ 創 業 設 立 1949 年2月 11 日 1950 年2月6日 3500 (店) 3321 3152 2593 2500 代 表 者 代表取締役社長 柳瀬真澄 2000 55 3318 (2000) 50(店) 2983 3000 資 本 金 2億円 3218 2698 2824 44 41 2395 39 2229 2011 36 2087 31 売 上 高 従業員数 328 億円(2000 年3月期) 980 名 事 業 所 福岡 40 店舗、大分6店舗、 佐賀4店舗、熊本2店舗 29 1500 27 24 1000 40 35 30 25 25 20 17 18 20 500 0 45 15 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 10 【参考資料】 『ホームソリューションマネジメント』(大山健太郎 著) (株)刊) 『九州主要 HC・DS 特別レポート』(東京経済 (江島) 福銀調査月報 2002 年1月 2