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1.4MB - 高知工科大学

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1.4MB - 高知工科大学
卒業研究報告
2 地点同時光学観測映像を用いた
流星飛跡の 3 次元位置情報実測と精度検証
報 告 者
学籍番号: 1130019
氏名:
井畑 大地
指 導 教 員
山本 真行 准教授
平成 25 年 2 月 13 日
高知工科大学 システム工学群 電子工学専攻
目次
第一章 序論
1-1 流星とは
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1-2 先行研究
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1-3 背景と目的
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
第二章 流星光学観測
2-1 光学観測とは
2-2 観測機材
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2-2-1 カメラ(WAT-100N、WAT-902H) ・・・・・・・・・・・・・・
3
2-2-2 観測用 PC
3
2-2-3
GPS
2-2-4 ハウジング
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
第三章 流星出現位置の算出
3-1 観測方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
3-2 2 地点観測
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
3-3 三角測量
3-3-1 すばる画像処理ソフト マカリ
・・・・・・・・・・・・・・・ 7
3-3-2 ステラナビゲータ
・・・・・・・・・・・・・・・ 8
3-3-3 解析方法
・・・・・・・・・・・・・・・ 9
第四章 流星観測結果
4-1 各流星群について
4-1-1 ペルセウス座流星群
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16
4-1-2 オリオン座流星群
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17
4-1-3 ふたご座流星群
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
4-2 流星電波観測
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
4-3 三角測量の結果
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26
第五章 考察
・・・・・・・・・・・・・・・・ 32
第六章 結論
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35
第一章
序論
1-1 流星とは
流星は、宇宙から飛来する流星物質が高度 80 km~120 km 付近の超高層大気に突入す
ることで大気に触れ、抵抗を受け速度が減速していく。そのため、運動エネルギーが放
出され温度が上昇する。一瞬 5000~10000 ℃という高温になり発光する。放出されるエ
ネルギーにより大気分子や流星物質の一部が正イオンと自由電子に分かれる電離が起こ
り一時的にプラズマが発生する。流星物質成分に含まれるナトリウム(Na),マグネシウ
ム(Mg)などが輝線発光するほか、岩石物質の主成分であるシリケイト(SiO2)の O2
が解離し、O 原子が発光するなど複合的な発光現象である。発生したプラズマによって
軌跡沿った細長い円柱状の電離柱が形成され、中の自由電子が電波を散乱する性質を持
つ。
1-2
先行研究
高知工科大学山本研究室では、福井県鯖江市の福井工業高等専門学校(前川公男氏:
JA9YDB)からアマチュア無線帯の超短波 53.75 MHz で送信されている電波を継続的に
利用し、流星電波観測を行っている。一般的に超短波(VHF: 30 MHz~300 MHz の電波)
は見通し内でしか伝搬されないため、送信局から遠方の観測地では受信は不可能である。
しかし流星が発生した場合、送信波の一部が電離柱に散乱され、通常では受信できない
ような遠方の観測地でも受信可能になる(前方散乱)
。同研究室では、2005 年より 3 チ
ャンネル(ch)流星電波干渉計システムの基礎開発を行い、位相差から流星電波の到来
角をもとめ、およその流星出現位置の算出してきた(濱口, 2006;埜口, 2007)
。3ch の電
波干渉計では、位相差から求まる到来角の測定誤差が大きく、仰角が低くなるほど測定
結果にズレが生じ精度に限界がある。このことから、2009 年には 3ch 電波干渉計を改良
した 5ch 電波干渉計を開発し、到来角の測定精度を向上しつつ安定した自動観測を行っ
てきた。また、準リアルタイムで観測結果を Web に公開する流星自動観測システム(埜
口, 2009)の運用を行っている。2012 年には多地点観測により流星軌跡情報の算出し、
流星自動観測システムへの改良と構築を行った(山崎, 2012)
。光学観測としては、上述
した電波観測の検証のため臨時観測を適宜行ってきた。
1-3
背景と目的
2003 年に UFOCapture(動体検出ソフト)初版が作成され(SonotaCo, 2003)、2005
年夏に UFOCaptureV2 が完成し販売されるようになり、これまでに多くの研究機関の研
究者に利用され、流星・火球、スプライト・エルブズといった高高度発光現象の観測で
数多くの観測結果が得られている。さらに、同時期に開発された解析ソフト
UFOAnalyzer により観測対象の方位角・仰角を求めたり、UFOOrbit によって同時観測
1
流星の軌道を自動計算することが可能になった。本研究での目的は流星軌跡を求める手段
として、UFOCapture を用いて流星を観測した後、三角測量を用いて方位角・仰角の算出
を行い、精度検証を行う。
2
第二章
2-1
流星光学観測
光学観測とは
流星を観測するための手段はいくつかある。先ほど述べた電波観測のほかに、眼視観
測、望遠鏡観測、写真観測、ビデオ観測など様々ある中でカメラを使って観測を行うも
のを特に光学観測という。本研究で使用するカメラは Watec 製高感度白黒 CCD カメラ
Neptune―100 (WAT-100N)および同製 902H(WAT-902H)であり、レンズには Edmund
Optics 製の C マウントレンズを用いた。
2-2
観測機材
2-2-1
カメラ(WAT‐100N,WAT‐902H)
WAT-100N は、1987 年に製品開発され、高感度白黒小型 CCD カメラであり、ビデオ
レート(30 frame・s)で高速移動天体等の観測記録ができる。有効画素数は 38 万画素、
最低被写体照度は 0.001 Lux である。
図2-1
2-2-2
WAT‐902H 外観
観測用 PC
動体検出ソフト UFOCapture をインストールしたパソコンを観測用 PC として使用す
る。UFOCaputure は入力信号の変化を捉え、メモリ上にバッファされたデータを用いて
突発現象の開始数秒前から終了の数秒後までの動画をパソコンのハードディスクにイベ
3
ント・トリガ方式で記録することができる。一般的な Windows パソコン上で動作し、各
種ビデオキャプチャ機器が利用可能で、パラメータ設定などの意味と使用法を習得すれ
ば簡単に高度な観測システムを構築できることが特長である。
2-2-3
GPS
高い時刻精度で 2 地点での同期を得るために GARMIN 社のサターン 16tmx 型 GPS 受信
機を用いた。PC の時刻同期ソフトは「Satk」を用いて 5 秒間隔で PC との同期を得る設定で動作
させた。GPS の概観を図2-2に示す。
図2-2 GPS の概観
2-2-4
ハウジング
WAT-100N 等の電子機器は水(雨)に触れると壊れてしまうので、風雨対策として専
用の透明ドーム型ハウジングを自作した。ドーム部分は、アクリル製の市販品を用いた。
アクリルは流星発光成分である可視光~赤外線の透過率は問題ない。
以上の機器を用いた配線と観測の様子を図2-2,図2-3にそれぞれ示す。
4
図2-3 配線の様子(実験室内での確認時)
図2-4 観測の様子(高知小津高校屋上での設置時)
5
第三章
3-1
流星出現位置の算出
観測方法
本研究では、3 つの流星群の観測をした。まず、8 月 12 日~8 月 13 日にピークを迎え
たペルセウス座流星群、次に 10 月 21 日~10 月 22 日がピークのオリオン座流星群、最
後に 12 月 13 日~12 月 14 日がピークのふたご座流星群である。それぞれのピークの前
後一週間とオリオン座流星群とふたご座流星群の間は観測を続けた。
観測手法としては、図 2-2 で示したように配線した装置を設置した。Watec カメラに
より撮られた映像はビデオ救出大作戦(後述)でデジタル映像に変換し、PC に入り
UFOCapture で動体検出され、その映像が PC 上に保存されていく。その映像の中から、
流星を探し出す作業を行い高知工科大学と高知小津高校で共通の時間に同じ流星を観測
できているかを確認する。同じ流星を観測できていれば、解析に移る。解析方法につい
ては後に記載する。
ビデオ救出大作戦(BUFFALO 製 PC-SDVD/U2)
カメラから得たアナログのデータを UFOCapture が扱えるデジタル入力の映像に A/D
変換するためのデバイスである。USB ケーブル接続にて簡易に扱える。
3-2
2 地点観測
高知工科大学山本研究室では、高大連携 理科教育プログラムとして、2006 年以降、全
国のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)参加校とともに高高度放電発光現象スプ
ライトの共同研究も行っており、高知県立高知小津高等学校との連携があることから、
本研究における 2 地点観測の1地点を高知工科大学、もう1地点を高知県立高知小津高
校に設置依頼させていただいた。
2 地点のカメラは、お互いの方向を向けて設置することで同じ流星の同時観測を確率を
あげる。上空 90 km で流星が出現すると仮定し、高知工科大学からは方位角 251°、仰
角 84.25°とし、小津高校からは方位角 71°、仰角 84.25°としカメラを設置した(図3
-1)
。
6
図3-1
3-3
二地点観測の概略図
三角測量
三角測量とは、水平位置(地理座標:東経、北緯)と高さ(標高)からなる三次元座標を求め
る測量方法で、基準点と観測地点を結んで測量区域を三角形の組み合わせで示し、三角
法により三角形の内角・辺長を用いて位置関係を求める。
3-3-1
すばる画像処理ソフト
:
マカリ
すばる望遠鏡画像解析ソフト : マカリは、ハワイに日本の国立天文台が保有するすば
る望遠鏡などを使っての研究観測で得られた FITS (Flexible Image Transport System)
画像データを天文教育普及に活用することを目的として開発された画像解析ソフトであ
る(図3-2)
。
本研究では、画像上にある背景星の各光点の位置座標を 11 個検出することに用いるほ
か、流星の位置座標の測定にもこれを使用した。
7
図3-2
3-3-2
マカリで位置測定する様子
ステラナビゲータ
ステラナビゲータは、星座を形づくる星々が日時と場所に依存して移り変わる様子や、
星の位置情報などを知ることができる星図ソフトウェアであり、アストロアーツ社より
供給されている。星雲や星団を解説する天体辞典、惑星や彗星、天体や星座にまつわる
神話の物語などを、イラストや写真を用いてナビゲーションで解説するなどの天文総合
ツールとして使用できる。本研究では、最初に高知小津高校または高知工科大学の位置
情報と日時を指定する。次にマカリで検出した星の配置を基に、ステラナビゲータ上で
対応する星を探し、各星の光度(等級)、赤経、赤緯のデータを抽出する(図3-3)。
8
図3-3 ステラナビゲータ表示画面の例
3-3-3
解析方法
実際の解析手順としては、以下の手順1~6の順に行う。
1、マカリの位置測定機能を使用し、観測された画像データから背景星11個の星の
位置情報を取得する。
2、次にステラナビゲータを使用し、手順1で計測した背景星の座標(赤経、赤緯)
を取得する。
3、手順1及び2で考えた星が一致しているかどうかを、専用の三角測量計算ワー
クシート上で確認する。
4、観測された画像上における流星軌跡をマカリを利用して、できる限り多くの点
群として位置情報を取得する。
5、手順4で得た高知小津高校、高知工科大学それぞれの位置情報が一致している
かどうかを三角測量ワークシートにて確認する。
6、両観測点におけるデータ群から、最適な組み合わせを試行して最後の三次元位
置を確定する。
9
以下、実際に行う手順を説明する。
最初に対象画像をマカリで開く。この計測にあたり異なる緯度経度の 2 地点から
同時撮影された同一の流星画像を選定して使用する(図3-4、3-5)
。
図3-4
高知工科大学 2012/11/10 1:19:17 観測画像
10
図3-5
2012/11/10 1:19:16 観測画像
高知小津高校
図3-6
マカリ操作画像1
11
マカリの位置測定機能を用いて、図3-6に示す上の赤枠部分の位置測定を選
択する。
図3-7
マカリ操作画面 2
次に中心星 1 つと中心星を取り巻くようにその他の背景星10個を選択する。
これにより図3-7のように計11個の星の画像上の X 座標と Y 座標が表示さ
れる。この際それらの値がどの星に対応するか、ノートに記録しておく。テキ
スト出力(図3-7の赤枠部分)を押して CSV ファイルとして出力する。
12
図3-8
ステラナビゲータ操作画面
次にステラナビゲータを使用し、まず観測地の北緯、東経、観測した日付時
刻(秒まで)を図 2.6 の長い赤枠部分に入力し、観測した方向に合わせてマカリで
計測した合計11個の星の座標(赤経、赤緯)赤下線部分を確認する(座標は
J2000 を使用)。
このとき複数候補が表示される星があった場合、至近に 2 つの星があり計測
誤りをまねく可能性があるため、その星は除外する。再度11個になるように
マカリで星を探す。マカリとステラナビゲータを使うときはこまめにプリント
スクリーンで画像化しておいたほうが作業がわかりやすい。得られた星の情報
をテキストにコピーして張り付ける。同一の作業をもう片方の画像に対しても
行う。
13
次にエクセルの三角測量シートに移り、図3-9の上赤枠部分5ヶ所にこれまでの情報
をすべて入力していく。
図3-9
入力画面1
マカリで測定した画像上の X 座標,Y 座標と、ステラナビゲータにより得られた対応す
る星の赤経、赤緯の値を用い、三角測量ワークシート上で画面の歪曲補正を行うが、この
際の変換精度はシート上のσ(図3-9青枠部分)で確認する。値が大きい場合は選定した星
との対応が誤っている可能性が高いので、再度初めの手順に戻る。
続いて、流星軌跡上の X 座標、Y 座標の点群を背景星と同様に計測し、図3-9下の赤
枠部分に順次入力する。同一作業の値入れをもう一度行う。
14
図3-10
入力画面2
図3-10では観測の年月日、時刻および観測した 2 地点の緯度、経度、高度を上赤枠
2箇所に入力する。
図3-11
結果画面
最後に、図3-11の赤枠部分に高知工科大学での流星軌跡上の点と高知小津高校での
流星奇跡上の点を設定し、黄色枠部分の Error の値を限りなく小さいものとする。このと
きの経度、緯度、標高が青枠部分に計測結果として表示されるので順に保存していく。
15
第四章
流星観測結果
4-1-1 ペルセウス座流星群
ペルセウス座流星群は三大流星群の一つで、1991、1992年に母天体回帰に伴う
流星の大出現があった流星群。特徴としては、明るく速い流星が多い。2012年の出現
期間は7月17日~8 月24日までであり、
8 月12~8 月13日にかけてピークを迎える。
このペルセウス座流星群の観測日を以下に記載する。
表 4-1 ペルセウス座流星群の観測日
工科大
小津
8月2日
8月3日
8月4日
8月5日
8月6日
8月7日
8月8日
8月10日
8月11日
8月12日
8月13日
8月17日
8月18日
8月19日
7月24日
7月25日
7月26日
8月9日
8月10日
8月11日
8月12日
8月13日
8月14日
8月15日
8月16日
8月17日
8月18日
8月19日
8月20日
8月21日
8月22日
8月23日
8月24日
8月25日
8月26日
8月27日
8月28日
8月29日
8月30日
8月31日
※黄色で示しているのは同時観測ができた日
次に流星観測結果を載せる。年月日と時分秒をそれぞれ順番に高知工科大学と高
知小津高校に分けて記載している。
16
表4-2 ペルセウス座流星群の流星観測結果
工科大
年月日
時刻 時.分.秒
120803 01.04.36
02.02.26
22.53.31
120804 03.58.25
120807 03.18.14
04.33.40
120808 03.23.34
120819 02.22.19
04.05.24
小津
年月日
時刻 時.分.秒
120724 23.55.51
120725 01.31.06
02.04.39
02.16.10
02.18.38
02.26.43
03.26.48
04.13.51
04.18.07
120810 02.46.58
02.55.31
03.02.51
04.09.02
04.15.31
120811 23.28.25
120812 03.33.45
120813 00.56.23
03.47.49
04.30.04
04.31.42
120816 01.58.48
21.15.36
23.28.42
23.49.04
120817 00.38.19
00.41.43
01.39.00
02.05.48
02.08.17
02.54.09
04.29.38
04.34.34
04.53.53
22.58.05
120818 01.31.14
04.38.46
04.50.09
120819 02.04.28
02.35.50
02.48.01
03.26.18
22.49.09
120820 02.20.45
03.38.00
03.49.19
120821 00.07.00
01.20.40
02.48.31
03.38.59
21.10.56
120822 19.35.18
22.21.35
120823 04.13.33
04.47.58
04.48.02
23.28.41
120824 21.41.25
21.59.24
120825 03.21.30
03.27.39
03.29.38
03.46.36
04.26.08
120826 04.32.44
04.38.45
120827 03.40.07
120830 19.20.32
19.23.09
19.38.50
19.52.35
120831 02.26.28
02.45.21
ペルセウス座流星群における流星の高知工科大学と高知小津高校との同時観測は
観測することができなかった。
4-1-2 オリオン座流星群
オリオン座流星群は、全流星群の中で 2 番目に速度が速い流星群である。
そのため,明るい流星が多く,有痕率も高くなる。眼視観測では観測しやすい流星
群といえる。母彗星は 1P/Halley 彗星。2006 年及び 2007 年に通常より活発な活動
が観測されている。2012年の出現期間は10月2日~11月7日うち、ピーク
は10月21日~10月22日にかけてであるが、ピークはなだらかである。
このオリオン座流星群の観測した日付を以下に記載する。
17
表4-3 オリオン座流星群観測日
工科大
10月16日
10月17日
10月18日
10月19日
10月20日
10月21日
10月22日
10月23日
10月24日
10月25日
10月26日
10月27日
10月28日
10月29日
10月30日
10月31日
11月1日
11月2日
11月8日
11月9日
11月10日
小津
11月11日
11月12日
11月13日
11月14日
11月15日
11月16日
11月17日
11月18日
11月19日
11月20日
11月21日
11月22日
11月23日
11月24日
11月25日
11月26日
11月27日
11月28日
11月29日
11月30日
10月12日
10月13日
10月14日
10月15日
10月16日
10月17日
10月18日
10月19日
10月20日
10月21日
10月22日
10月23日
10月24日
10月25日
10月26日
10月27日
10月28日
10月29日
10月30日
10月31日
11月1日
11月2日
11月3日
11月4日
11月5日
11月6日
11月7日
11月8日
11月9日
11月10日
11月11日
11月12日
11月13日
11月14日
11月15日
11月16日
11月17日
11月18日
11月19日
11月20日
11月21日
11月22日
11月27日
11月28日
11月29日
11月30日
(注)一部流星群期間ではない日もある。
※ 黄色で示している日は同時観測ができた日
次はこのオリオン座流星群で観測した流星の日時である。
18
表4-4 高知工科大学で観測したオリオン座流星群時の流星
工科大
年月日
12.10.19
12.11.08
12.11.09
12.11.10
12.11.11
12.11.12
12.11.13
時.分.秒
23.56.14
21.42.24
20.23.09
20.40.18
23.42.29
00.40.10
00.43.04
01.19.17
02.41.52
03.17.03
03.37.53
03.45.57
04.19.11
04.23.39
04.47.58
04.42.16
22.44.28
23.57.08
20.27.34
03.06.39
04.24.49
12.11.15
12.11.18
12.11.19
12.11.20
12.11.21
12.11.24
12.11.25
12.11.27
12.11.30
03.15.23
18.59.05
00.16.49
03.25.03
03.29.42
04.01.53
00.46.45
05.39.32
19.44.23
04.52.14
04.41.48
05.19.22
表4-5 高知小津高校で観測したオリオン座流星群時の流星
小津
年月日
12.10.12
12.10.13
12.10.14
12.10.15
時.分.秒
23.45.23
22.43.56
01.28.05
01.57.57
02.43.36
02.51.00
03.42.29
04.03.32
04.07.12
05.06.55
05.25.35
05.27.57
19.51.54
21.22.57
01.11.11
01.17.15
01.57.16
02.09.19
02.18.56
03.03.26
03.42.31
03.52.24
12.10.15
12.10.19
12.10.20
04.43.44 12.10.20
04.49.433
00.35.14
01.55.00
02.41.53
02.43.39 12.10.21
03.16.11
03.31.56
03.33.26
03.57.46
04.13.12
05.13.03
05.20.40
05.39.04
06.25.21
06.28.05
00.00.23
00.23.04
00.34.46
02.16.20
02.17.04 12.10.22
02.19.00
19
02.53.13
04.58.10
05.08.41
05.32.06
22.40.28
02.03.24
02.40.03
02.43.51
02.48.35
03.13.57
04.06.44
04.12.11
04.39.54
04.58.31
05.00.16
05.03.51
05.08.09
22.06.05
23.15.02
23.19.36
00.02.21
00.50.40
12.10.22
12.10.23
12.10.24
12.10.25
00.53.17
01.08.41
01.16.22
02.00.56
03.02.25
03.23.20
03.29.24
03.48.51
04.17.52
04.19.29
23.50.49
00.09.47
00.48.25
01.40.54
02.14.02
02.27.43
02.49.41
03.25.46
04.08.34
04.30.57
01.14.06
03.09.38
12.10.25
12.10.26
12.10.27
12.10.29
04.12.23
05.21.34
22.33.32
23.00.07
01.15.05
01.30.17
02.56.41
02.57.08
03.37.39
03.58.19
04.20.28
05.05.51
05.19.48
18.21.00
21.48.23
00.07.12
01.41.12
02.37.06
02.43.33
03.02.09
03.34.51
04.22.14
表4-5(つづき)
12.10.29
12.10.30
12.10.31
12.11.01
12.11.03
05.03.31
05.27.03
18.18.57
19.56.34
02.39.11
03.29.38
04.31.02
23.27.00
04.33.38
05.33.21
03.55.42
04.05.10
04.05.55
04.17.42
04.33.50
04.36.21
02.43.00
02.53.26
03.26.50
04.21.49
18.26.36
21.19.02
12.11.03
12.11.04
12.11.07
12.11.08
12.11.09
12.11.10
12.11.18
21.50.19
23.36.11
03.02.01
03.28.58
03.52.14
00.24.50
01.01.23
02.31.06
02.38.08
02.53.44
03.34.43
04.12.52
05.33.10
05.38.24
05.38.44
23.11.26
04.18.44
01.19.16
01.36.31
01.48.14
00.52.24
02.26.11
12.11.18
12.11.19
12.11.20
12.11.21
12.11.24
12.11.25
02.39.52
03.38.24
04.11.16
04.22.12
04.56.56
05.24.56
05.42.10
18.16.00
00.16.49
01.05.42
03.27.11
03.57.47
19.33.08
03.25.59
04.52.39
05.23.01
00.45.55
00.46.45
05.25.14
02.44.24
04.42.52
04.52.14
12.11.26
12.11.27
12.11.28
12.11.30
20.48.40
02.50.33
03.13.39
04.59.19
00.58.57
01.38.04
03.36.56
03.38.04
20.49.08
※黄色で示した日時は同時観測ができた流星
4-1-3 ふたご座流星群
ふたご座流星群も年間三大流星群のひとつで、一晩に見られる流星数としては年
間最大の流星群であり、条件が整うと一晩の流星数が 500 個を越える時もある。1
時間あたりの流星数も 40 個から 60 個、多いときには 100 個近く見られることがあ
り、最近は明るい流星や流星痕の出現も観測されている。2012年の出現期間は
12月 7 日~12月17日までであり、12月14日~12月15日にかけてピー
クを向かえる。
20
表4-6 ふたご座流星群観測日
工科大
12月1日
12月2日
12月3日
12月4日
12月5日
12月6日
12月7日
12月8日
12月9日
12月10日
12月11日
12月12日
12月13日
12月14日
12月15日
12月16日
小津
12月17日
12月18日
12月19日
12月20日
12月21日
12月22日
12月1日 12月17日
12月2日 12月18日
12月3日 12月19日
12月4日
12月5日
12月6日
12月7日
12月8日
12月9日
12月10日
12月11日
12月12日
12月13日
12月14日
12月15日
12月16日
(注)一部流星群期間でない日もある。
※ 黄色で示している日は同時観測ができた日
次にこの観測日から得られた流星の日時を記載する。なお、12 月 7 日頃から高知
工科大学の GPS 不具合により時間が4秒もしくは5秒のズレが生じていたことが確
認した。本論文では修正した時刻を載せる。
表4-7
工科大
年月日
12.12.01
12.12.02
12.12.04
12.12.05
12.12.06
12.12.07
12.12.08
12.12.09
12.12.10
時.分.秒
21.06.08
00.35.33
22.15.30
03.51.42
04.37.21
05.58.06
02.56.33
17.55.41
23.49.27
23.47.25
01.09.17
01.18.47
02.49.23
00.57.59
02.37.21
20.31.59
22.16.20
23.01.15
00.44.22
00.58.43
02.06.11
02.48.36
05.18.28
22.55.01
23.29.49
高知工科大学で観測したふたご座流星群時の流星
12.12.11
12.12.12
05.12.35
18.15.02
19.18.57
19.59.44
22.15.01
23.03.15
23.04.27
23.18.51
00.20.53
00.30.49
00.31.34
00.59.15
02.44.55
02.54.31
03.31.02
18.10.22
20.46.53
21.00.51
21.22.42
21.32.42
21.43.41
22.32.08
22.34.59
22.55.15
23.12.39
12.12.12
12.12.13
23.25.52
23.27.00
00.02.51
00.20.54
00.38.32
00.50.56
00.57.59
01.04.09
01.06.55
01.08.59
01.13.12
02.33.53
02.51.48
03.27.11
03.32.11
03.36.04
03.37.32
03.38.17
03.52.17
03.52.30
04.04.58
04.09.14
04.11.19
04.20.49
04.22.36
21
12.12.13
12.12.14
04.25.27
04.25.44
05.06.08
05.14.52
05.14.58
05.22.20
05.36.15
05.41.11
05.42.03
05.58.39
20.22.47
20.38.43
21.11.16
21.30.23
22.02.53
22.07.07
23.26.41
23.39.21
23.53.12
23.59.26
00.14.45
00.23.17
00.27.45
00.27.51
00.28.09
12.12.14
00.33.31
01.20.35
01.25.28
01.33.49
01.51.23
02.22.33
02.43.04
02.48.13
02.50.03
02.53.28
03.00.36
03.15.54
03.35.41
04.12.14
04.22.35
04.51.19
05.03.31
05.07.15
05.12.00
05.22.48
05.29.02
05.41.31
05.43.19
05.43.44
05.53.33
12.12.14
12.12.16
12.12.17
06.00.58
06.05.59
04.33.43
04.33.55
05.56.09
05.58.10
02.29.34
03.22.26
03.47.49
04.12.53
04.13.24
04.57.31
05.12.06
05.27.40
※ 黄色で示した日時は同時観測ができた流星
表4-8
小津
年月日
12.12.01
12.12.02
12.12.03
12.12.04
12.12.05
12.12.06
12.12.07
12.12.08
12.12.09
時.分.秒
02.50.02
04.48.41
01.42.21
04.38.34
04.59.16
05.47.22
05.55.31
02.33.23
03.00.45
03.51.41
04.03.45
01.08.47
01.59.00
05.04.11
05.34.12
02.08.34
04.15.06
06.09.12
23.05.07
23.47.25
01.09.17
01.18.47
03.40.17
22.45.05
23.01.15
12.12.10
12.12.11
12.12.12
高知小津高校で観測したふたご座流星群時の流星
00.18.08
02.18.08
04.45.38
05.17.37
05.18.28
05.39.21
22.08.00
22.55.01
01.09.30
01.13.50
01.29.36
05.08.58
05.48.31
19.59.44
21.18.04
21.47.26
23.04.27
00.59.16
01.06.05
02.01.22
02.06.26
02.44.56
03.31.02
04.26.32
04.28.46
12.12.12
12.12.13
12.12.14
04.45.09
05.53.05
18.10.22
20.40.48
00.08.52
00.19.31
00.20.55
00.50.57
01.08.59
03.36.04
03.37.32
03.52.30
04.22.36
04.25.27
04.25.44
05.14.52
05.14.58
05.42.03
05.56.27
05.58.39
06.09.18
21.11.16
23.15.23
00.14.45
00.23.17
12.12.14
00.27.51
00.28.09
00.28.28
00.33.31
01.25.27
02.09.05
02.10.00
02.13.12
02.14.43
02.43.58
02.48.13
03.15.53
04.12.14
04.15.27
04.43.07
04.51.19
05.10.13
05.12.00
05.16.41
05.22.48
05.29.02
05.34.07
05.41.18
05.41.31
06.05.59
12.12.15
12.12.16
12.12.17
12.12.19
03.53.32
04.01.47
05.02.22
05.23.51
05.36.54
04.28.56
04.33.55
05.58.10
03.22.26
03.47.49
04.22.26
04.57.31
05.12.06
05.27.40
06.07.52
04.45.56
05.33.38
06.20.49
※ 黄色で示した日時は同時観測できた流星
4-2 流星電波観測
流星電波観測とは、流星エコー等の電波を観測し、流星エコーであるか判別した後に
出現位置を計算する。山本研究室では流星エコーの判別は流星エコー自動計数ソフトウ
ェアmeteor_echo_counter の技術にて行い、得られた流星エコーの発生時刻から干渉計
データを元に流星エコー出現位置計算を行っている。
流星自動観測システムの処理フローを図4-1に示す。まず判別・計数用の流星エコ
ー観測は HROFFT 出力画像を用いて行う。HROFFT と同時に 5ch 電波干渉計でも観測
を行い、干渉計のデータも所得しておく。そして得られた画像(~.png)と干渉計データ
(~.sav)を電波干渉計用に開発した自動計数ソフトウェアにかけて、流星エコーの発生
時刻、方位角・仰角、経度・緯度、継続時間、輝度(強度:S/N 比)をテキストファイル
に出力させる。また高度 90km と仮定して方位角・仰角から流星エコーが発生した経度・
緯度を計算することにより、流星エコーの出現位置を日本地図上に描写できる。
22
図4-1 流星自動観測システムの処理フロー
このような観測方法で行われた 2012 年のふたご座流星群のピークである 12 月 14 日に
観測された流星の時刻を次に載せる。
23
表4-9 2012 年 12 月 14 日 流星電波観測の結果
12.12.14
0:30:01
0:30:26
0:30:27
0:30:38
0:31:26
0:31:39
0:32:01
0:32:45
0:33:05
0:33:33
0:34:06
0:34:32
0:42:15
0:42:34
0:43:25
0:43:44
0:44:29
0:45:04
0:45:17
0:45:24
0:45:45
0:47:08
0:48:04
0:48:29
0:49:28
0:49:30
0:50:13
0:50:58
0:51:12
0:52:44
0:53:29
0:54:48
0:56:38
0:56:40
0:57:17
0:57:17
0:58:29
12.12.14
0:59:42
1:00:22
1:00:31
1:02:10
1:02:59
1:04:58
1:05:52
1:06:09
1:06:17
1:06:28
1:08:42
1:09:24
1:09:44
1:10:07
1:11:31
1:11:37
1:11:46
1:11:59
1:12:14
1:12:27
1:12:58
1:13:23
1:13:35
1:13:58
1:14:17
1:14:23
1:14:38
1:14:58
1:15:16
1:16:09
1:16:40
1:16:56
1:18:41
1:19:48
1:20:22
1:21:23
1:22:31
24
12.12.14
1:23:49
1:24:27
1:25:05
1:26:34
1:26:50
1:28:26
1:28:55
1:30:10
1:30:55
1:31:24
1:32:03
1:32:17
1:33:50
1:34:04
1:41:20
1:51:02
1:53:54
2:08:11
2:22:16
2:24:48
2:24:54
2:25:20
2:30:51
2:34:10
2:37:56
2:41:11
3:06:44
3:08:43
3:31:11
3:31:25
3:32:11
3:32:16
3:32:23
3:32:47
3:32:47
3:33:31
3:33:56
12.12.14
3:34:07
3:34:23
3:34:43
3:34:45
3:31:11
3:31:25
3:32:11
3:32:16
3:32:23
3:32:47
3:32:47
3:33:31
3:33:56
3:34:07
3:34:23
3:34:43
3:34:45
3:40:18
3:40:23
3:42:03
3:44:39
3:48:07
3:48:53
3:48:57
3:49:20
3:49:21
3:49:28
3:49:41
3:49:54
3:31:11
3:31:25
3:32:16
3:32:47
3:33:31
3:33:56
3:34:23
3:34:43
表4-9
12.12.14
3:34:45
3:40:18
3:40:23
3:42:03
3:44:39
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3:34:23
3:34:43
3:34:45
3:40:18
3:40:23
3:42:03
(つづき)
12.12.14
3:44:39
3:48:07
3:48:53
3:48:57
3:49:20
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4:00:55
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4:06:22
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4:07:35
4:08:15
4:08:45
12.12.14
4:09:49
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4:11:23
4:12:13
4:12:41
4:13:36
4:13:36
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4:21:30
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4:26:11
4:37:01
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4:46:12
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4:50:17
4:50:17
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4:52:53
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4:55:30
4:59:19
5:00:17
5:01:55
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5:05:47
5:08:50
5:09:00
5:13:15
5:16:21
5:18:13
5:20:38
12.12.14
5:20:55
5:21:40
5:26:29
5:26:54
5:28:14
5:29:36
5:29:44
5:29:57
5:36:54
5:42:09
5:44:23
5:45:17
5:46:57
5:48:45
5:49:30
5:53:21
5:54:19
5:54:21
5:55:04
5:55:53
5:57:04
6:01:39
6:06:00
6:08:15
6:09:54
6:11:37
6:12:30
6:13:06
6:13:09
6:14:11
6:19:39
6:19:47
6:20:44
6:22:57
6:25:12
6:27:33
6:27:39
この表4-9で示した流星電波観測と光学観測の 2 地点同時観測で共通の流星を観測で
きたものは 2 例であり、具体的には、2012 年 12 月 14 日 00:33:31の流星と同日 04:
12:14 の流星である。
また、この二つの流星について電波観測で得られた経度・緯度、方位角・仰角、流星
出現時間、強度は次の通りである。
① 2012 年 12 月 14 日 00:33:31 の流星
25
経度 133.506°, 緯度 33.6079°, 方位角 267.303°, 仰角 72.3704°
流星出現時間 1 s , 強度 7
② 2012 年 12 月 14 日 04:12:14 の流星
経度 133.506°, 緯度 33.6079°, 方位角 267.303°, 仰角 72.3704°
流星出現時間 1 s ,
強度 7
であった。
4-3 三角測量の結果
背景星が11個以上あり、正確な出現位置を算出させるために流星出現時間ができる
だけ長いものを解析した。本研究では、オリオン座流星群後に観測された 2012 年 11 月
10 日 01 時 19 分 17 秒の流星とふたご座流星群で観測された 2012 年 12 月 17 日 04 時
57 分 31 秒の流星について解析を行いました。この二つの観測した流星画像を記載する。
図4-2 2012/11/10 01:19:17
26
高知工科大学から観測した流星
図4-3
2012/12/17 04:57:31 高知小津高校で観測した流星
これらの画像から第 3 章で述べた解析方法の手順で解析を進めていく。解析方法の最後
で述べた計測結果を順に保存したものが図4-4である。
27
図4-4 三角測量エクセルシート 計測結果
この図4-4の赤枠内には流星が流れた経度、緯度、高度がそれぞれ分かる。この3
つのデータ(三次元位置情報)をグラフにしたものを次に載せる。
28
図4-5 12.11.10 01:19:16
図4-6 12.12.17 04:57:31
経度―緯度の関係グラフ(流星飛跡)
経度―緯度の関係グラフ(流星飛跡)
流星は一直線に流れると仮定できる。図4-5,図4-6のグラフがそれぞれ直線に
なっていることが確認できるため概ね良い結果が得られていると推察できる。
29
図4-7 12.11.10 01:19:16
図4-8 12.11.10 01:19:16
緯度-高度の関係グラフ
経度―高度の関係グラフ
30
図4-9
12.12.17 04:57:31 緯度―高度の関係グラフ
図4-10 12.12.17 04:57:31 経度―高度の関係グラフ
31
第五章
考察
5-1 同時観測率
本研究で行った観測において、多くの流星が観測することができた。しかし、高知工
科大学と高知小津高校が共通した流星を同時観測することができたのはほんの一部であ
る。この同時観測がどれほどの割合で達成できているのかをグラフにしたので記載する。
図5-1 高知工科大学で観測した流星の割合
図5-2 高知小津高校で観測した流星の割合
32
図5-1のうち約 28%、図5-2のうち約 13.5%が同時観測できた流星だった。こ
こから言えることは高知工科大学で観測したペルセウス座、オリオン座での流星が尐な
かったことである。これについてはいくつか理由があり、まず一つはペルセウス座流星
群時に高知工科大での UFOCapture 操作ミスが発覚したため観測開始が遅れたこと。二
つ目はオリオン座流星群期間まで、カメラのゲインとシャッタースピードの調節をしな
がら観測をしていたため、ピントが合っていない状態での観測であったことがあげられ
る。そのため、写る流星が限られていたと考えている。ふたご座流星群期間前からはピ
ントもあったため背景星の数も以前に比べて多くなり、全体の流星出現数も増えていっ
たため、工科大でのふたご座流星群で観測した流星数も増えたと考える。これは夜、高
知小津高校よりも高知工科大学のほうが街灯の明かりが尐ないため、高知工科大学のほ
うが流星数が多くなっていたことを確認できたことは観測が成功した証だと考える。ま
た、全国で流星観測を行っている方との同時観測についても「SonotaCo 全国観測結果」
をデータベースに調べたが残念ながら存在しなかった。
5-2 三角測量の結果からの評価
① 2012/11/10 01:19:17 の流星について
三角測量のエクセルシートより高度 101.67 km~115.61 km、流星発生中心位置の経度
133.71657°、緯度 33.52659°であることが分かった。これらを用いて高知工科大学、
高知小津高校それぞれから方位角・仰角を計算したところ、高知工科大学からは方位角
181.0°仰角 84.50°、高知小津高校からは方位角 108.3°、仰角 85.28°の位置に流星が
発生したことが分かった。
2012/12/17 4:57:31 の流星について
三角測量のエクセルシートから高度 92.97 km~97.81 km、流星発生中心位置の経度
133.71154°、緯度 33.53726°ということが分かった。これらを用いて高知工科大学、
高知小津高校それぞれから方位角・仰角を計算したところ、高知工科大学からは方位角
183.0°,仰角 84.50°、高知小津高校からは方位角 103.04°仰角 83.14°の位置に流星
が発生したことが言える。
図4-6~図4-10の経度または緯度と高度の関係グラフについて
一般的に流星飛跡は直線であると仮定できる。しかし、本研究の手法ではあらかじめ直
線を仮定せずに解析をしているので全解析点の座標がどの程度直線上に載るかを評価した。
本研究では高知工科大学と高知小津高校という直線距離にして約 22 km という比較的近い
2 地点で行ったため、カメラの仰角が大きくなり、天頂を観測することとなった。そのため、
33
2 つの視線ベクトルのなす角が狭くなり高度方向の計測は誤差が生じてしまう。この改善点
としては距離を遠くするということである。本研究では 22 km だったところを 100 km、
200 km にしてカメラ仰角を下げることによって高さ方向への計測誤差は減ると考える。
また、この経度・緯度,高度の精度検証を行った。1つの流星につき 20 点ほどのプロッ
トが得られており、その1つ1つの点の経度・緯度,高度の精度を考える。流星は 7 例を
解析し、経度・緯度,高度を算出しグラフ化した後、どれだけ近似直線とズレが生じてい
るのかを検証した。
図5-3 横軸:経度-高度のグラフから得た近似直線と観測値との誤差
縦軸:計測点の数
としたときのヒストグラム
34
図5-4
縦軸:経度―緯度のグラフから得た近似直線と観測値との誤差
縦軸:計測点の数
としたときのヒストグラム
この結果、経度―緯度のグラフからは平均計測誤差 0.39 km,標準偏差σが 0.26 km 経
度―高度のグラフから平均計測誤差 0.63 km,σは 0.69 km という結果が得られた。ここ
からも、決して十分とは言えないが、約 100 km 先の空間上のリモートセンシングであるこ
とを勘案すると、低い値であると言えると考えている。計測誤差の大きい計測点で近似直
線に対する差が 2.68 km という場合もあったので、計測手法の改善により更に誤差を小さ
くできる可能性はあると考えている。
35
第六章
結論
本研究で、光学観測によって同時観測した画像から三角測量解析法を用いて流星の東
経、北緯、高度を測定することができ、飛跡精度を三次元的に考えることにも成功した。
その精度検証も行い計測誤差が 1 km 未満の精度で算出することができたことは今後の
観測においても有益な研究成果と言える。また、熱圏中性風計測(横山, 2008; 森永, 2010)
と「はやぶさ」地球帰還の高度計算(北村, 2011)で用いた三角測量の手法を用いて、流星
飛跡が計測可能であることが実証できた。
今後の展望については、本研究では流星電波観測との同時観測に関して光学観測にお
ける背景星の数が尐なく達成できなかったので、再度同時観測に挑戦して実際に光学観
測と 電波観測 の値の比較 ・ 検証する 必要性がある と考える 。 また、解析 データ を
UFOAnalyzer,UFOOrbit と比較することで両者の精度検証を行い、より精度の高い流
星飛跡データが蓄積され、統計的な研究へと進展することが望まれる。
36
謝辞
本研究、論文執筆を行うにあたりお忙しい中ご指導を頂いた、指導教員である高知工
科大学 システム工学群 山本真行准教授に心から感謝いたします。
流星同時観測のため観測場所として提供させていただいた、高知小津高校の岡本先生
を初めとする皆様方には大変お世話になりました。
研究にあたりまして、解析方法の指導をしてくださった柿並助教、大和さん、横山さ
ん、岑地さん、山田さん、木原さん、真鍋さん、竹林さん、畠山さんほか、山本研究室
の皆様に感謝いたします。
37
参考文献
・埜口和弥, “5ch 電波干渉計による流星出現位置の測定と自動観測システムの開発”, 平
成 21 年度高知工科大学大学院特別研究報告, 2009.
・埜口和弥, “HROFFT 出力画像における流星エコー自動計数プログラムの開発”, 平
成 18 年度高知工科大学卒業研究報告, 2007
・濱口美子, “流星電波干渉計の較正実験と流星位置表示ツールの開発”, 平成 17 年度
高知工科大学卒業論文, 2006.
・山崎倫誉, “5ch 干渉計及び多地点観測に基づく流星軌道計測法の開発と KUT 流星
電波観測システムの改良” , 平成 24 年度高知工科大学特別研究報告書,2012.
Web サイト
・小川宏ほか, “日本流星研究会”, http://www.nms.gr.jp/ ,2013 年 2 月参照
・
sonotaco,
“
sonotaco
全
国
観
測
結
果
”
http://sonotaco.jp/forum/viewforum.php?f=15 ,2013 年 2 月参照
・sonotaco,”sonotaco UFOCapture”, http://sonotaco.com/soft/e_index.html ,2013 年
2 月参照
38
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