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インダストリーコラム
http://www.semiconductorportal.com インダストリーコラム 中国の移動通信 IC 市場の変革 セミコンダクタポータルのコンテンツパートナー、アレグロ インフォメーション・インク(以下アレグロ) による、中国のエレクトロニクス・半導体・液晶分野のマーケット情報です。アレグロは、同社独自の調 査及び、中国国家統計局、CCID、中国電子報、経済参考報、国際金融報などから得たフレッシュな情報を ベースに、特に中国の IT、エレクトロニクス、半導体・液晶関連の情報収集・提供、分析、調査を行って います。今回、提供したのは、同社の月刊レポート「中国レポート:Electronics and Semiconductor China」 の 2006 年 1 月号からの一部抜粋です。 中国の移動通信 IC 分野で変革が起きている。 2G と 2.5G 世代では、TI とクォルコムが主役であるが、3G 世代になるとクォルコム、TI に加え、アギアシステムズ、フィリップス、インフィニオンなどが参入し、一層厳しい競 争となっている。また、中国独自規格の TD-SCDMA の商用実用化により、中国勢の攻勢 も無視できない。 1)アギアシステムズ アギアシステムズは、GPRS/EDGE とスマートフォンに対応できる携帯電話向け最新 IC チップ「Vision X115」を開発し市場投入した。同社の主要顧客は、サムスン電子、NEC、 夏新など。現在、WCDMA/EDGE のデュアルモジュールとソリューションを提供中で、 HSDPA ソリューションの開発にも着手している。 2)フィリップス フィリップスは、2003 年に大唐とサムスン電子と共同で天碁科技を設立、中国初の3G 携帯電話を共同開発して、TD-SCDMA の商用実用化に取り組んでいる。 HSDPA の開発に注力しながら、GSM/GPRS/EDGE/UMTS のソリューションを提供して いる。また、3G RF ASIC の開拓に積極的に取り組んでおり、資本参加した天碁科技と 中国標準の TD-SCDMA ソリューションを共同で開発していく。 3)インフィニオン インフィニオンは、WCDMA/UMTS 携帯電話に必要な IC、ソフト、IOT(インターラク ティブ・オペレーション・テスト)を提供している。また、市場を先導して、HSDPA など新 しいソリューションを提供、DVB−H デジタルテレビをサポートしている。 同社は、顧客ニーズに応じた柔軟な対応で最先端かつ低コストのプラットフォームを提供 中。 4)TI 2G/2.5G の市場でシェアトップである TI は、WCDMA 技術と OMAP で 3G 市場に取り組 んでいる。激しい競争の 3G 市場では、多数の携帯電話メーカーから支持を得ており、上位 7 社のうち、6 社が 3G でも TI の技術を採用している。 Copyright(C)2005 Semiconductor Portal, Inc. All Rights Reserved. http://www.semiconductorportal.com インダストリーコラム また、NTT ドコモとの緊密なパートナーシップの関係にあり、最も安定かつ成熟した 3G 技術の提供を可能としている。 5)クォルコム クォルコムは、共同共栄の基本経営理念で、ワイヤレス通信分野のパイオニアとして事 業を展開しており、同社の売上構成比は、IC 事業が 64%、技術ライセンス事業が 27%、無 線・インターネット事業が 12%となっている。同社は、長期的に中国著名な研究機関、通 信事業者や設備装置メーカー、コンテンツプロバイダーなどと提携、中国現地の産業サプ ライチェーンに深く踏み込んでいる。華為、中興、夏新、海信、TCL など中国携帯電話メ ーカーはクォルコム技術を採用している。 6)天碁科技 TD-SCDMA プラットフォームにおいて、天碁科技の IC とデュアルモードソリューション が最も安定的であり、しかも省エネのベストソリューションの一つである。同社は、2006 年 TD-SCDMA 商用実用化の開始にあわせて、2.8Mbps をサポートする第二世代製品をリ リースする予定。また、大唐などのパートナーの協力で 3G での実用化テストを順調に検証 終了した。 7)展訊通信 展訊通信は、2004 年 4 月に業界に先駆けて世界初の SoC レベルの TD-SCDMA と GSM/GPRS のデュアルモードとマルチモードのコア IC の開発に成功した。 同社は、独自の 3G 携帯電話技術を有し、2005 年上期に TD-SCDMA 実証検証に成功した。 現在、携帯電話メーカーとのパートナーシップの確立を急いでおり、早急に商用実用化に 対応した携帯電話を提供する計画である。 8)重郵信科 重郵信科は、設計から製造、パッケージングとテストまでの一連 TD-SCDMA 携帯電話用 IC の産業サプライチェーンを完備している。 同社の「通芯 1 号」は、世界初の 0.13um プロセスを採用した TD-SCDMA 携帯電話のベ ースバンド IC である。2006 年初めに、自社製ベースバンド IC を搭載した携帯電話をリリ ースする予定。 9)凱明信息 凱明信息は、2005 年 10 月に LG 電子と共同で世界初の TD-SCDMA/WCDMA/ GSM のトリプルモード携帯電話をリリースした。 同社は、 Copyright(C)2005 Semiconductor Portal, Inc. All Rights Reserved. インダストリーコラム http://www.semiconductorportal.com ①90nm プロセスを用いた TD-SCDMA/GSM/GPRS デュアルモードのベースバンド IC と システムを提供し、マルチメディアの応用をサポートすること。 ②65nm プロセスを用いた TD-SCDMA/GSM/GPRS デュアルモードのベースバンド SoC を開発すること。 ③最先端技術で自社開発のデジタル RF を搭載したハイエンド機種と低コストのローエン ド機種のソリューションを提供すること。 を目標に開発を進めている。 2005 年∼2010 年中国3G使用者数発展推移予想 600 百万 400 505 471 500 40% 536 36.98% 35% 31.43% 430 30% 381 25.16% 336 25% 20% 300 16.14% 198.2 200 158.7 8.24% 100 10.7 3.18% 31.4 2005年 2006年 118.5 15% 10% 69.4 5% 0% 0 3G使用者数 2007年 2008年 移動電話使用者総数 2009年 2010年 3G使用比率 (2006/02/06 セミコンダクタポータル編集室) <過去の関連記事 ∼アレグロインフォメーションレポート∼> 中国の家電量販店に出現する “打包族”(ダ・バァウ・ツゥー) 中国における新型通信と民生用 IC デザインハウスの登場 中国 IC 知的財産の現状と考え方 2005/10/03 2005/11/01 中国有力デザインハウスの IC 設計の現状 中国の IC 設計拠点の特徴 2005/09/05 2005/11/30 2005/12/19 Copyright(C)2005 Semiconductor Portal, Inc. All Rights Reserved.