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Z-UP
ユーザーズマニュアル
プログラマブル電源
ZERO-UP 200W/400W/800W
IA549-04-02B
TDK-Lambda
目 次:ZERO-UPシリーズ
ページ
保証
安全にお使いいただくために
第1章
概要
1.1
ユーザーズマニュアルの内容
1.2
はじめに
1.2.1 概要説明
1.2.2 プログラムコントロール
1.2.3 シリアル通信ポート経由の制御
1.2.4 出力の接続
1.2.5 アナログ電圧プログラミング
1.2.6 並列運転
1.2.7 冷却と機構構成
1.3
アクセサリー
1.3.1 一般(全般)汎用
1.3.2 シリアルリンクケーブル
1.3.3 ACケーブル
1.3.4 フロントパネル出力オプション
第2章
設置について
2.1 概要
2.2 受入時の確認
2.2.1 外観確認
2.2.2 ご使用になる前に
2.3 AC入力
2.4 冷却と設置
2.5 ラックマウント
2.6 入力の結線
2.7 負荷への接続
2.7.1 線径の選定
2.7.2 線材の終端
2.7.3 ローカルセンシングによる単一負荷の接続
2.7.4 リモートセンシングによる単一負荷の接続
2.7.5 複数の負荷へ接続する場合
2.7.6 中継端子を用いて複数の負荷へ接続する場合
2.7.7 出力の接地について
2.8 外部コントロールコネクタ
2.8.1 概要
2.8.2 コネクタピンの説明
2.8.3 外部コントロールコネクタの仕様
2.8.4 外部コントロールコネクタ-標準接続構成
2.9 ご返却時の再梱包について
2.10 外観図:ZUP200W/400Wシリーズ
2.11 外観図:ZUP800Wシリーズ
2.12 外観図:フロントパネル出力ジャック、オプション
1
2
5
6
7
8
9
10
11
12
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14
15
16
目 次:ZERO-UPシリーズ
ページ
第3章
操作説明
3.1 はじめに
3.2 コントロールと表示
3.2.1 フロントパネル
3.2.2 リアパネル
3.2.3 リアパネル接続の説明
3.3 電源投入時の動作確認手順
3.3.1 概要
3.3.2 操作の前に
3.3.3 定電圧(CV)動作の確認
3.3.4 定電流(CC)動作の確認
3.3.5 過電圧保護(OVP)の確認
3.3.6 低電圧保護(UVP)の確認
3.3.7 フォルドバックの確認
3.3.8 出力 ON/OFF
3.3.9 アドレスの設定
3.3.10 ローカル・リモート操作
3.4 ローカル操作
3.4.1 はじめに
3.4.2 定電圧(CV)モードでの操作
3.4.3 定電流(CC)モードでの操作
3.4.4 自動モード切替
3.4.5 過電圧保護(OVP)
3.4.6 低電圧保護(UVP)
3.4.7 フォルドバック保護
3.4.8 出力 ON/OFF コントロール
3.4.9 ラストセッティングメモリ
3.4.10 外付け抵抗による出力電圧・電流プログラミング
3.4.11 外部電圧による出力電圧プログラミング
3.4.12 外部電圧による出力電流プログラミング
3.4.13 マスタースレーブ並列運転
3.4.14 直列運転
3.4.15 出力 Good 信号
17
19
20
21
22
23
24
25
27
28
30
31
目 次:ZERO-UPシリーズ
ページ
第4章 RS232/RS485 のリモートコントロール
4.1 はじめに
4.2 構成
4.2.1 アドレスの設定
4.2.2 RS232/RS485 の選定
4.2.3 伝送速度(ボーレート)の設定
4.2.4 ローカル/リモートの選定
4.3 RS232リモートプログラミング
4.3.1 はじめに
4.3.2 リアパネルのコネクタピン配列
4.3.3 RS232 ケーブル
4.3.4 電源のシリアルリンクケーブル
4.4 RS485リモートプログラミング
4.4.1 はじめに
4.4.2 RS485 ケーブル
4.4.3 電源の接続
4.5 ZUPシリーズコマンド設定の説明
4.5.1 IDコントロールコマンド
4.5.2 初期化コントロールコマンド
4.5.3 出力コントロール
4.5.4 ステータスコントロール
4.5.4.1 レジスタの構成
4.5.4.2 ステータスコントロールコマンド
4.6 通信プロトコル
4.6.1 概要
4.6.2 ZUP可変電源へのアクセス
4.6.3 メッセージの終り
4.7 サービスリクエスト
4.7.1 サービスリクエスト(SRQ)
4.7.2 サービスリクエストのメッセージ
4.7.3 サービスリクエスト有効・無効設定コマンド
第5章
メンテナンス
5.1 紹介
5.2 保証期間中の電源について
5.3 定期清掃について
5.4 調整と校正
5.5 ファン交換
5.6 部品交換と修理
5.7 ヒューズ規格
33
34
35
36
37
38
40
42
43
44
保 証
1、無償補償
本製品は無償補償期間を出荷日から起算した 3 年間と定め、補償期間中は無償にて修理致します。
補償期間中といえども次の場合は有償扱いとさせていただきます。
(1) 製品の落下・衝撃等、不適切なお取扱いや、仕様条件を超える使用によって故障した場合。
(2) 火災、水害その他天変地異に起因する故障の場合。
(3) 弊社又は弊社が委託した者以外の者が製品に改造・修理加工を施す等、弊社の責任と見なされない故
障の場合。
2、有償補償
(1) 補償期間を過ぎた製品の修理は有償となります。別途弊社修理基準による料金を請求させていただきま
す。
(2) 修理サービスは製品の返却修理を原則としております。止むなく出張修理を希望される場合は、別途弊社
修理基準による料金を請求させていただきます。
(3) 海外(出張を含む)の修理サービスにつきましては、別途お打合せさせていただきます。
修理品に試験成績書の添付を希望される場合は有償とさせていただきます。
3、修理期間と修理品の補償
修理期間は原則として製品が弊社サービス部門に到着してから2週間以内とさせていただきます。なお、
お急ぎの場合はその旨ご連絡下さい。
(1) 故障品の解析・修理の迅速化と正確を期すため、ご使用の条件、故障時の状況を出来るだけ詳しく、ご連
絡いただけますようお願いします。
(2) 修理品は、該当個所の性能、機能に限り修理後6ヶ月間無償補償させていただきます。
4、例外事項
次のような場合の修理につきましては別途ご相談させていただきます。
(1) 製品の損傷や劣化が著しく、修理価格が製品価格を上回る場合。又は信頼性が維持出来ないと判断され
る場合。
(2) 製造中止機種で、中止後5年以上を経過し、修理用部品の入手が困難な場合。
5、サービスネットワーク
修理品、オーバーホール品、ファン交換は最寄の弊社営業所あるいは代理店にお申し出ください。
6、本文に記載なき事項や詳細内容につきましては、別途保守契約又は打合せにより決めさせ
ていただきます。
不許複製
本書は著作権法の保護を受けています。当社から文書による許諾を得ずに、いかなる方法においても無断で
複写、複製、掲載することは禁じられています。
乱丁、落丁はお取替えいたします。
本マニュアルの記載内容については、予告なく変更する事がありますのであらかじめご了承下さい。
MicrosoftTM と WindowsTM はマイクロソフトの商標です。
―――――――――――――――
1
―――――――――――――――
安全にお使いいただくために
注意
全ての操作・サービス・本装置の修理において、下記の内容について事前に確認して下さい。
本書の事前注意または警告に従わない場合は、本製品に求められる安全規格、及び電源内蔵の保護の機能
を損なうことになります。
これらの要求に従わないユーザーの障害に対して弊社は法的責任義務を負いません。
設置分類
ZUP は設置分類Ⅱ(カテゴリーⅡ)で評価致しました。
設置分類Ⅱ(過電圧分類):単独使用、器具、携帯機器等、設置分類Ⅲに比べ小さい過渡過電圧
設置
本製品は安全クラス1の装置です。感電の危険性を最小にするために、装置ケースは接地されなければなりま
せん。本製品の入力線は、接地用グランド線が付いた 3 芯線をご使用下さい。電源に配線を行う時は、他の配
線をする前に保護接地端子をリアパネルのグランド端子に接続してください。接地線の断線や外れは感電危険
の原因になります。
ヒューズ
ヒューズの交換は弊社認定のサービス以外で行わないでください。火災の危険性に対処するには同一のタイ
プ、同一定格のヒューズのみ交換できます。“第 5 章 メンテナンス、5.7 項 ヒューズ規格” を参照してください。
入力定格
本装置の入力電圧と周波数は、定格外で使用しないでください。ZUP シリーズの入力電圧と周波数定格は、
100~240VAC、50/60Hz です。安全の為に入力電圧は公称電圧の±10%を超えないでください。
装置の取扱い
電源の操作をする場合は装置のカバーを外さないでください。弊社認定のサービスを行う者以外は内部調整ま
たは部品の交換を行わないでください。また、電源ケーブルが接続された状態で決して部品の交換は行わない
でください。傷害を避けるため、部品に触れる前に必ず電源を切断し、回路の放電を行ってください。又、外部
から電源を接続している場合も、その接続を外してから行って下さい。
部品の交換・修理
部品交換及び修理については、本装置を弊社サービス部門に返送してください。
環境条件
ZUP シリーズは下記の動作環境で保証されます。
*屋内使用
*周囲温度:0℃~50℃
*相対湿度:90%(結露無きこと)
*高度:3,000mまで
*汚染度2
―――――――――――――――
2
―――――――――――――――
安全にお使いいただくために
ユーザーが本マニュアルを参照する必要があるとき、装置にこのシンボルがつけられます。
危険電圧を示します。
接地を表します。
警 告
警告表示は危険を表します。慎重な手順が要求されます。正しい手順に従わない場合、人的傷害を受けること
があります。全ての警告表示の内容を十分に理解し、それに従ってください。
注 意
注意表示は危険を表します。慎重な手順が要求されます。正しい手順に従わない場合、装置がダメージを受け
ることがあります。全ての警告表示の内容を十分に理解し、それに従ってください。
FCC 適合の注意
注:
本装置は FCC part15,クラス A デジタル装置の規定に適合認定されています。本装置が商業環境で使用される
とき、妨害波に対して適切な保護が必要です。本装置の使用に関しましては、本ユーザーマニュアルに従ってく
ださい。正しい使用でない場合は、高周波エネルギーが放射され、妨害電波を通信装置等に与える恐れがあり
ますのでご注意ください。住宅地での使用の際には、本電源の運転が妨害波の発生原因となることがあります
ので、妨害波を必要なレベルまで下げる対処を行って下さい。
―――――――――――――――
3
―――――――――――――――
安全にお使いいただくために
出力端子カバー
警 告
出力電圧が 60V のモデルは、危険電圧が出力端子に発生します。
負荷線の配線をしたら電源に付属している端子カバーを以下の説明のように、ケースに取付けてください。
負荷への配線が終ったら(2.7 節参照)、電源のリアパネルへ 2 個のセルフタップネジを使ってプラスチックカ
バーを電源に取付けてください。図 1-1 詳細参照
リアパネル
プラスチックカバー
負荷線
図 1-1:端子カバーの取付け
―――――――――――――――
4
―――――――――――――――
第 1 章 概要
1.1
ユーザーズマニュアルの内容
本ユーザーズマニュアルは、操作説明・設置説明・ZUP シリーズの使用方法について述べます。GPIB 制
御の操作に関する内容は別途 GP485 ユーザーズマニュアルを参照してください。
1.2
はじめに
1.2.1
概要説明
ZUP シリーズは実験・研究室用ワイドレンジ出力スイッチング電源です。ZUP シリーズの入力は高調波
電流抑制回路付きワールドワイドな連続 AC 入力です。出力電圧・電流を常時表示し、LED 表示器は
電源の動作状態を示します。フロントパネルで、出力パラメータ、保護レベル(過電圧・過電流)、定電
圧動作から定電流動作へ移行する時のフォルドバック保護等の設定ができます。
1.2.2
プログラムコントロール
ZUP シリーズに組み込まれた RS232/RS485 通信ポートを使用し、最大 31CH の直流出力プログラマブ
ル可変電源システムを構築できます。GPIB システムでは、GP485 コントローラが一つの GPIB アドレス
で最大 31 台の ZUP 可変電源をコントロールできます。
1.2.3
シリアル通信ポート経由の制御
下記のパラメータがシリアル通信ポート経由でプログラム可能です。
1.出力電圧の設定
8.出力電流測定
2.出力電流の設定
9.電源立上りモードセレクト
3.出力の ON/OFF
(ラストセッティングまたはセーフティーモード)
4.フォルドバック保護の設定/解除
10.過電圧保護(OVP)設定値の読み取り
5.過電圧保護(OVP)の設定
11.低電圧保護(UVP)設定値の読み取り
6.低電圧保護(UVP)の設定
12.リモート/ローカルセレクト
7.出力電圧測定
1.2.4
出力の接続
出力接続はリアパネルのバスバーで行います。+または-端子の一方を接地、またはフローティング
で使用できます。グランドからの+-出力端子の電位は 60V を超えないようにして下さい。ローカルま
たはリモートセンスが可能です。リモートセンス時は各負荷線の電圧降下を 0.5V 以下にして下さい
1.2.5
アナログ電圧プログラミング
リアパネルの出力電圧・電流のアナログ電圧プログラム端子および ON/OFF コントロール端子にアナ
ログ電圧を印加することで、出力電圧・電流および出力 ON/OFF コントロールのプログラミングが可能
です。また、外付け抵抗による出力電圧・電流プログラミングも可能です。
1.2.6
並列運転
同一の電圧・電流定格の ZUP 電源を出力電流バランス機能付きマスタースレーブ接続で並列運転で
きます。
1.2.7
冷却と機構構成
ZUP シリーズの内部冷却方法はファンによる強制空冷です。設置時には、空気が電源のフロントパネ
ルから入りリアパネルに抜ける構造になっていますので設置時にはフロント・リア共に空気が流れるス
ペースを確保してください。ZUP シリーズはコンパクトで軽量、簡単取付けができお客様の装置スペー
スの節約ができる設計となっています。
―――――――――――――――
5
―――――――――――――――
1.3
アクセサリー
1.3.1
一般(全般)汎用
下記の部品を別売にて、ご注文を賜ります。
型式
内容
ZUP/NL100
EIA 規格 19 インチラック、高さ3U、200W/400W を最大 6 台、
800W を最大 3 台まで搭載可能
1.3.2
ZUP/NL101
EIA 規格 19 インチラック用ブランクパネル
ZUP/NL102
EIA 規格 200W/400W 専用ラック、最大2台まで搭載可能
シリアルリンクケーブル
RS485 通信による電源のシリアルリンク接続用ケーブルをご注文に応じて電源に添付
あるいは別途販売致します。
ケーブル仕様:長さ 0.5mシールド付き 8 ピン EIA-568A タイププラグ付き。
1.3.3
AC ケーブル
使用地域に応じて4種類に分けられます。なお形状は下図の3通りです。
2.0m TYP
15A, 125V シールド無し
NEMA-5-15P
IEC 320-C13 コネクタ
注) USA 向け(型式:ZUP/U、UL 対応品)、日本向け(型式:ZUP/J、UL/電安法対応品)
図 1-1: USA/日本向け AC ケーブル
2.0m TYP
10A, 250V シールド無し
INT'L22 スタンダード V
IEC 320-C13 コネクタ
INT'L7 スタンダード VII 二重アース付
図 1-2: ヨーロッパ向け AC ケーブル ( 型式: ZUP/E )
2.0m TYP
10A, 250V シールド無し
端末は電線カット
INT'L22 スタンダード V
IEC 320-C13 コネクタ
図 1-3: 汎用 AC ケーブル ( 型式: ZUP/O )
1.3.4
フロントパネル出力オプション
フロントパネルから出力配線をしたい場合、オプションとしてフロントパネル出力ジャック(最大負荷電
流 20A)が用意されています。このオプションでは電源の高さが高くなります。外観図(2.12 節)詳細を参
照してください。
部品番号
説明
ZUP□-□/L
20A フロントパネル出力ジャック付き
―――――――――――――――
6
―――――――――――――――
第 2 章 設置について
2.1
2.1 概要
本章はご使用に当たっての準備・確認、及び返送のための再梱包について述べています。本電源へ連
結するパーソナルコンピュータとの接続、アドレスの設定は第 4 章で述べます。
注 意
ZUP シリーズは他の装置の動作に影響を与える磁界を発生します。もしもご使用の装置が磁界に影響さ
れやすい場合は、ZUP の近辺に置かないでください。
2.2
受入時の確認
出荷前に本電源は機械的・電気的検査を行っています。電源を梱包箱から出した後、輸送時に発生した
ダメージが無いか確認をしてください。また、確認が終了するまでは、全ての梱包材を保管しておいてく
ださい。もしも何らかの不具合が発見されたら、至急に運送業者と不具合内容を記入し、お近くの営業所
またはサービス窓口へご連絡ください。
2.2.1
外観確認
ツマミまたはコネクターの破損等の電源外観上の損傷が無いか、フロントパネルとメーターに傷や割
れが無いか確認してください。
2.2.2
ご使用になる前に
電源を操作するにあたっては適切な AC 入力に接続しなければなりません。
電源の入力は本電源の仕様範囲内ででなければなりません。2.3 項をお読みになってから、電源を入
れてください。
2.3
AC入力
ZUP シリーズは、公称電源電圧 単相 100VAC~240VAC、47Hz~63Hz で動作します。各モデルの入力
電源電圧範囲と入力電流は仕様規格書に規定しています。全負荷に近い状態でのご使用時は、特に入
力電圧が仕様書の「入力電圧範囲」以下にならない様に注意してください。
2.4
冷却と設置
本電源の冷却はファンによる強制空冷です。設置するときには、空気吸入(フロントパネル)と排気(リア
パネル)用に充分なスペースを確保してください。また、周囲温度が+50℃を超えないように注意してくだ
さい。
2.5
ラックマウント
ZUP シリーズは EIA 標準の 19 インチラック(高さ 3U)に搭載できます。200W と 400W モデルはラックの
1/6 の横幅です。800W はラックの 1/3 の横幅です。搭載時は、ZUP の底に取り付けてあるゴム足を取り、
M4 のネジで取り付けてください。ZUP 電源へのネジの挿入長は 6mm 以下にしてください。搭載の詳細に
ついては本章の外観図を参照してください。
―――――――――――――――
7
6
―――――――――――――――
2.6
入力の結線
注 意
本電源の AC 入力の接続は電気に関する知識のある方が行ってください。
本電源の入力線として、グランド線を伴った 3 芯ケーブルを使用してください。このケーブルを入力用コン
セントに差し込むことで、電源本体がグランドと接続されます。コンセントが2ピン用の場合は、正しくグ
ランドが接続される様に3ピン用に変更してください。この作業も電気に関する知識ある方が行ってくださ
い。入力線は出力線と信号線は相互干渉しない様に分離して配線してください。
又、輻射ノイズの規格に適合させるためには、ノイズ低減用クランプを電源の入力用インレット近くの
ケーブルに付けてください。
警 告
フロントパネルの ON/OFF スイッチを OFF にしても電源内部の部品には電圧が残っています。感電の危
険を防ぐために、カバーを外すときは AC ラインコードを抜き、2 分間待ってから行ってください。
2.7
負荷への接続
警 告
リアパネルの配線を行うときや変更する時は、その前に AC 入力を切り離してください。また電源を入れ
る前に接続個所に緩みが無く、確実に接続されていることを確認してください。
2.7.1
線径の選定
線径を決めるには二つの要素があります。
1. 定格最大電流を負荷に流す、あるいは負荷端でショートしても過熱しない充分な太さの電線を選
定してください。
2. 定格最大電流で片側(+または-側)の線材による電圧降下が 0.5V 以下となる様に電線を選ん
でください。
最大線長については表 2-1, 表 2-2 を参考にして下さい。
電線サイズ
(AWG)
14
12
10
8
6
4
2
0
抵抗率
(Ω/kft)
2.526
1.589
0.9994
0.6285
0.3953
0.2486
0.1564
0.0983
電圧降下を
5A
40
63
100
160
253
400
640
1016
0.5V 以下とする最大線長(単位:フィート)
10A
20A
50A
150A
20
10
4
1
31
15
6
1.7
50
25
10
3
80
40
16
5
126
63
25
8
200
100
40
13
320
160
64
21
508
254
102
34
表 2-1:電圧降下を 0.5V 以下とする最大線長(単位:フィート)
―――――――――――――――
8 ―――――――――――――――
抵抗率
(Ω/km)
8.21
5.09
3.39
1.95
1.24
0.795
0.565
電線サイズ
(mm2)
2.5
4
6
10
16
25
35
電圧降下を
5A
12.2
19.6
29.5
51.3
80.6
125.8
177.0
0.5V 以下とする最大線長(単位:メートル)
10A
20A
50A
150A
6.1
3.0
1.2
0.4
9.8
4.9
2.0
0.7
14.7
7.4
2.9
1.0
25.6
12.8
5.1
1.7
40.3
20.2
8.1
2.7
62.9
31.4
12.6
4.2
88.5
44.2
17.7
5.9
表 2-2:電圧降下を 0.5V 以下とする最大線長(単位:メートル)
表中に無い電流値で最大線長を求める場合には次の式を使ってください。
最大線長=500/(電流×抵抗率)
単位は、電流 A、抵抗率はΩ/km またはΩ/1000ft
2.7.2
線材の終端
線材は圧着端子等で確実に終端処理し緩みの無い様に端子に取り付けてください。この終端処理を
していない線材で電源に接続しないでください。
注 意
ローカルセンスで、+LS,+S を-V,-S,-LS にショートすると電源にダメージを与えます。リモートセンス又
はローカルセンスでの使用に拘らず、センシング線を逆接続すると電源にダメージを与えますので注
意してください。
2.7.3
ローカルセンシングによる単一負荷の接続
図 2-1 はローカルセンスによる1つの負荷へ接続する方法を示します。このローカルセンスの接続は
電源のリアパネルについている「外部コントロールコネクタ」で行います。ローカルセンスは負荷変動
による影響が少ない場合に用いて下さい。
14
13
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
-S
+V
Output Good
VCVP
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
2
+
負荷
ZUP電源
- LS
1
外部コントロールコネクタ
(ZUPリアパネルより見て)
図 2-1:ローカルセンシングによる単一負荷の接続
―――――――――――――――
9
―――――――――――――――
2.7.4
リモートセンシングによる単一負荷の接続
定電圧モードで負荷端での負荷変動を低減する場合、リモートセンシングが有効です。センシング線
にはノイズの影響を低減するためにツイスト線または 2 芯シールド線をご使用ください。シールド線を
使う場合は、シールドを電源ケースまたは負荷のグランドのどちらか1点で接地してください。シール
ドの接地点は、センシング動作をご確認の上決定してください。リモートセンシングにおいて、負荷線
による最大電圧降下は 1 本あたり 0.5V 以下でご使用ください。
負荷端へ
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
+
+V
ZUP電源
負荷
Output Good
VCVP
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
2
+S
1
シールド線
外部コントロールコネクタ
(ZUPリアパネルより見て)
図 2-2:リモートセンシングによる単一負荷の接続
2.7.5
複数の負荷へ接続する場合
一つの電源から複数の負荷へ接続する場合、各負荷は他の負荷と分離したペアの線材で電源の出
力端子に接続してください。各ペアの線材は出来る限り短くし、ノイズによる影響の低減、又は輻射ノ
イズの低減の為に、ツイスト線かシールド線をご使用ください。センシング線は電源の出力端子に接
続するか、又は最も負荷変動を減らしたい 1 つの負荷に接続してください。
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
Output Good
VCVP
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
+S
ZUP電源
+
負荷1
+V
- LS
+
負荷2
RCVP
2
1
+
外部コントロールコネクタ
(ZUPリアパネルより見て)
図 2-3:複数の負荷へ接続する場合
9
――――――――――――――― 10
―――――――――――――――
負荷3
2.7.6
中継端子を用いて複数の負荷へ接続する場合
中継端子を用いて複数の負荷へ接続する場合、電源出力から中継端子への接続はツイストペア線
又はシールド線で配線してください。各負荷から中継端子への配線はそれぞれ分けて行ってくださ
い。
中継端子へ
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
+S
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
+V
RCVP
2
+
中継端子
1
負荷1
+V
ZUP電源
Output Good
VCVP
+
+
負荷2
負荷3
外部コントロールコネクタ
(ZUPリアパネルより見て)
図 2-4:中継端子を用いた複数の負荷への接続
2.7.7
出力の接地について
+または-出力端子のどちらかを接地することが出来ます。負荷からアースへ流れるコモンモード電
流によって発生するノイズの低減のために、出力からの接地は電源出力に出来る限り近くで行ってく
ださい。又、システムの接地には関係無く、電源から負荷への配線は直接行ってください。
警 告
どちらの出力端子もアースからの最大電位(出力電圧を加えた)はフロントパネルの規定電圧を超え
ないでください。
2.8 外部コントロールコネクタ
2.8.1 概要
電源のアナログプログラムに使う外部コントロールコネクタは電源のリアパネルにあります。ピン配列
は図 2-5 を参照してください。また、本コネクタの場所は、図 3-2 を参照してください。
14
13
2
1
図 2-5:外部コントロールコネクタピン配列
(ZUPリアパネルより見て)
12 ―――――――――――――――
――――――――――――――― 11
2.8.2
コネクタピンの説明
名 称
No.
1
2
RCVP
RCCP
3
VRFI
4
VCCP
5
VRFV
6
8
9
VCVP
Output
Good
P
On/Off
10
COM
11
12
13
14
+LS
+S
-LS
-S
7
説
明
外部抵抗による定電圧プログラミング
外部抵抗による定電流プログラミング
定電流コントロール用レファレンス電圧。(外部電圧または抵抗によるプログラ
ミングを除いて VCCP ピンに接続します。)
定電流コントロール用入力端子
定電圧コントロール用レファレンス電圧。(外部電圧または抵抗によるプログラ
ムを除いて VCVP ピンに接続します。)
定電圧コントロール用入力端子
オープンコレクタ出力。正常動作時 0~0.8V、不具合時オープン
(OVP,FOLD,過熱保護動作時等)
並列接続用ピン
出力 ON/OFF コントロールピン
コモンピン(プログラミング、ON/OFF コントロール、OUTPUT GOOD の共通グ
ランド)。内部で-S 端子に接続されています。
+ローカルセンス
+リモートセンス
-ローカルセンス
-リモートセンス
参 照
3.4.10
3.4.10
3.4.10, 11, 12
3.4.10, 11, 12
3.4.10, 11, 12
3.4.10, 11, 12
3.4.15
3.4.13
3.4.8
3.4.10, 11, 12,
3.4.8
2.7.3, 4, 5, 6
2.7.3, 4, 5, 6
2.7.3, 4, 5, 6
2.7.3, 4, 5, 6
表 2-3:外部コントロールコネクタピン説明
注 意
COM(10 ピン)ピンは-S端子と電源内部で接続されています。COMを他の電位を持つ端子に接続し
たり、又はこのマニュアルで説明してある以外のところに接続すると電源の故障の原因になります。
2.8.3
外部コントロールコネクタの仕様
1,コネクタ:AMP No.102617-5 14 ピン 2 列
2,レセプタクル:AMP No.87631-9 14 ピン 2 列
3,レセプタクル・コンタクト:AMP No.87523-5(連鎖型)、87523-6(バラ)
4,線材:AWG. 24~20
5,手動圧着工具:AMP No.90202-2
6,自動圧着機:AMP No.466905-1
――――――――――――――― 1 2
―――――――――――――――
2.8.4
外部コントロールコネクタ : 標準接続
標準で取り付けられている外部コントロールコネクタはローカルセンシング・外部 ON/OFF コントロー
ル無しの状態となっています。図 2-6 にその標準コネクタの接続を示します。標準接続による機能は、
ローカルセンシング、外部 ON/OFF 無し(出力 ON/OFF はフロントパネル、又はシリアル通信ポート
により行えます)、外部電圧または抵抗による出力電圧・電流コントロール機能を無効(出力電圧・電
流のコントロールはフロントパネルまたはシリアル通信ポートにより行えます)となっています。他の機
能を有効にするためには標準で取付けられたコンタクトを外し、必要な接続を行った新しいコンタクト
に交換してください。交換用のコネクタと接触子は電源の梱包箱の中に添付されています。
14
13
-S
- LS
+S
+LS
COM
P
On/Off
Output Good
VCVP
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
2
RCVP
1
図 2-6:外部コントロールコネクタ、標準接続による機能構成
2.9
ご返却時の再梱包について
ご返却に際して、本製品を安全に輸送する為に、本電源納入時に使用された梱包箱、及び梱包材の
ご使用をお勧めします。本梱包材は再使用可能です。梱包材が無い場合は、お近くの弊社営業所また
はサービス部門にお問い合わせください。ご返却の際には、現象内容・お客様のお名前(連絡先)・製
品名・製品管理 No.(シリアル No.)をご連絡ください。
――――――――――――――― 13
―――――――――――――――
_
+ 0.5
11.0
CC
CV
+1
48.0 _
ALM
_ 0.5
+
POWER
A
V
POWER SUPPLY
70.0
さい。
―――――――――――――――
M4タップ 4ヶ所
A
A
4ヶ所(着脱可能)
B
B
A:取付け穴(注1)
11.0
B:ゴム足
1/4 インチネジをご使用くだ
2、 負荷線の配線は、M6あるいは
長さを6mm以下として下さい。
1、 取付けネジは、電源の中に入る
注意
124.0
ZUP200W/400W シリーズ
+
_1
200W : 2.9
B
B
20.0
200W/400W : 70 × 124 × 350
A
A
59.5
重量:
重量:k
kg
_
+ 0.5
20.0
30.0
外形サイズ:mm
201.5
_1
290.0 +
350.0
_
48.4 + 0.5
10.6
コネクタ
外部コントロール
+1
_
通信コネクタ
RS232/RS485
131.0
400W : 3.2
13.0
2.10 外観図
13.0
――――――――――――――― 14
IEC320
ACインレット
21.5 19.0
2.12
外観図
オプション:フロントパネル出力ジャック ZUP200W/400W/800W シリーズ用
ZUP200/L, ZUP400/L
ZUP800/L
フロントパネル出力ジャック(最大20A まで)
注意:ZUP800 用のフロントパネル出力は、25A、 125V 定格ヒューズ(高速断型)により過電流から保護
されています。
405.9Max
サイズ(正面・側面):単位mm
――――――――――――――― 16
―――――――――――――――
第 3 章 操作説明
3.1
はじめに
この章は ZUP シリーズの動作モード、コントロール、表示について説明します。フロントパネルからの詳
細な操作方法、各種モードの操作とリアパネルからのリモートアナログコントロールを含めて、この章で
説明します。シリアルポート(RS232/RS485)からのコンピュータコントロールは第 4 章を参照してくださ
い。
3.2
コントロールと表示
3.2.1
フロントパネル
図 3-1:フロントパネルのコントロールと表示
―――――――――――――――
17 ―――――――――――――――
表 3-1:フロントパネルコントロールと表示
No.
1
2
3
4
5
コントロール
/表示
説
明
AMPS 表示部
電源の出力電流値を表示します。出力電流の設定中は電流設定値を表示します。
設定完了から約 3 秒後に自動的に現在の出力電流値を表示します。
VOLTS 表示部
電源の出力電圧値を表示します。出力電圧の検出点は、センシングポイントです。
リモートセンシングでは負荷線の電圧降下分を補正する為、出力端子電圧は表示さ
れた電圧値よりも高くなります。この時は、最大出力電力を超えない様にご注意くだ
さい。出力電圧の設定中は電圧設定値を表示します。設定完了から約 3 秒後に自
動的に現在の出力電圧値を表示します。
定電圧(CV)
動作表示
定電流(CC)
動作表示
調整ツマミ
(ロータリー・
パルスジェネ
レータ)
参照
CV LED が点灯している時は、電源が定電圧モードで動作していることを示します。
CC LED が点灯している時は、電源が定電流モードで動作していることを示します。
調整ツマミは下記状態を決める働きをします。
1. 出力電圧値設定:V/A ボタンで切替え
2. 出力電流値設定:V/A ボタンで切替え
3. 過電圧保護電圧値設定:OVP/UVP ボタンで切替え
4. 低電圧ソフトリミット値設定:OVP/UVP ボタンで切替え
第4章 アドレス選定:ADDR ボタンで切替え
下記のいずれかの保護機能が動作するとアラーム(ALM)LED が点灯します。
1. 過電圧保護
2. 過熱保護
3. フォルドバック保護
主機能 :電源出力の ON/OFF(LED 点灯時出力 ON)
補助機能:OUT ボタンを 3 秒間押し続けるとセーフモード・自動モードの
各再スタート方法を選択できます。
主機能 :ローカル/リモート操作の選択(LED 点当時リモート操作)
補助機能:REM ボタンを 3 秒間押し続けると RS232/RS485 の各通信モードを
選択できます。
3.4.2
3.4.3
3.4.5
3.4.6
4.2.1
6
アラーム表示
7
OUT ボタン
OUT LED
8
REM ボタン
REM LED
9
FOLD ボタン
FOLD LED
FOLD ボタンを押すと FOLD LED が点灯し、定電圧(CV)から定電流(CC )に移っ 3.4.7
た時に、出力を遮断するフの字型過電流保護を作動させます。
10
AC ON/OFF
(POWER)
AC 入力を ON/OFF します。
11
V/A ボタン
V/A LED
出力電圧・電流の設定モードを選択します。(電圧設定時 “V” 側 LED 点灯、電流 3.4.2
設定時 “A” 側 LED 点灯)またこのボタン(V/A)を押し続けると調整速度の緩急を 3.4.3
選択できます。調整は調整ツマミを回してください。
12
過電圧保護・低入力保護の設定モードを選択します。(過電圧保護設定時 OVP 側 3.4.5
OVP/UVP ボタン
LED 点灯、低入力保護設定時 UVP 側 LED 点灯)調整は調整ツマミを回してくださ 3.4.6
OVP/UVP LED
い。
13
ADDR ボタン
ADDR LED
主機能 :リモートコントロール用アドレスの選定。(選定時 ADDR LED 点灯)
選定は調整ツマミを回してください。
補助機能:ADDR ボタンを約 3 秒間押し続けるとボーレート(伝送速度)選択に
切り替わります。
――――――――――――――― 18
―――――――――――――――
3.4.8
3.4.9
4.2.4
4.2.1
4.2.3
3.2.2
リアパネル
図 3-2:リアパネル接続
――――――――――――――― 19
―――――――――――――――
3.2.3
リアパネル接続の説明
名
No.
3.3
称
説
明
IEC タイプ適合インレット
参照
1
AC インレット
2.6
2
Remote In
3
Remote Out
4
外部コントロール
5
出力バスバー
電源の負荷線接続用バスバーで、M6 または 1/4 インチネジを負
2.7
荷線の接続に使用してください。
6
グランド端子
+出力または-出力と電源筐体との接続用の M4 ネジです。
EIA/TIA-568A タイプコネクタで、リモートコントロール時、電源と
コンピュータの RS232 または RS485 ポートを接続するためのも 4.3.4
のです。
EIA/TIA-568A タイプコネクタで、シリアル通信バスから電源へシ
4.3.4
リアルリンクケーブルを接続するのに使います。
電 源 の 外 部 ( リ モ ー ト ) コ ン ト ロ ー ル と 信 号 出 力 用 ( +S,-S 、
ON/.OFF、外部抵抗・電圧による定電圧・定電流プログラム、出 2.8
力 Good 信号)です。
電源の基本動作確認
3.3.1
概要
以下の手順は、電源の操作の確認と基本的な電源動作確認について示しています。
3.3.2
操作の前に
リアパネルの外部コントロールレセプタクルがコネクタに正しく挿入され、配線が図 2-6 のように接続
されているか確認してください。2.6 節で説明したように、電源を AC 入力に接続してください。出力端
子に DVM(電圧計)を接続してください。
3.3.3
定電圧(CV)動作の確認
電源のフロントパネル AC ON/OFF スイッチ(POWER)を ON にしてください。出力ボタン(OUT)を押
すと出力が ON し、OUT LED (OUT の上部)が点灯します。V LED が点灯し、VOLTS 表示部に[FA_V]
を示すまで電流電圧切替(V/A)ボタンを押してください。AMPS 表示部には前回設定した出力電圧値
が表示されます。フロントパネルの調整ツマミを回し、出力電圧が全レンジに渡って可変できるか、出
力端子の DVM (電圧計)で確認してください。次に AMPS 表示部に正しい出力電圧(表示器の範囲
内)を示すかチェックしてください。そして電流電圧切替(V/A)ボタンを押してください。そうすると A
LED が点灯し、VOLTS 表示部が[FA_A]を表示します。AMPS 表示部には前回設定した電流値を示し
ます。フロントパネルの調整ツマミを回し、AMPS 表示部が変わることを確認してください。そして
AMPS 表示部に定格出力電流値を示すように設定してください。
3.3.4
定電流(CC)動作の確認
電源のフロントパネル AC ON/OFF スイッチ(POWER)を OFF にしてください。2.7.3 節で述べたように、
出力電圧に適切な電流・電圧定格の電子負荷をつないでください。電源のフロントパネル AC
ON/OFF スイッチ(POWER)を ON にし、出力ボタン(OUT)を押してください。負荷電流を変化させ負荷
電流が先ほど設定した電源の出力電流値より小さい場合、電源の出力電圧が安定していることを確
認してください。さらに負荷電流を増加し、電源の出力電流が設定した電流値で安定していることを確
認してください。
―――――――――――――――
20 ―――――――――――――――
3.3.5
過電圧保護(OVP
過電圧保護(OVP)の確認
OVP)の確認
電流電圧切替(V/A)ボタンを押し、VOLTS 表示部が[FA_V]を表示していることを確認して、フロント
パネルの調整ツマミで出力電圧を 0V にしてください。OVP LED が点灯し、VOLTS 表示部の表示が
[OUP]と表示されるまで、OVP/UVP ボタンを押します。AMPS 表示部には OVP の前回の設定値が表
示されます。確認後、出力電圧の設定を電源の最大定格の 50%まで調整ツマミを回してください。電
流電圧切替(V/A)ボタンを押し、出力電圧を上昇させ、OVP LED が再び点灯し、出力電圧が OVP 設
定値以上に増加できないことを確認してください。
3.3.6
低電圧保護(UVP
低電圧保護(UVP)の確認
UVP)の確認
電流電圧切替(V/A)ボタンを押し、VOLTS 表示部が[FA_V]を表示していることを確認して、フロント
パネルの調整ツマミで出力電圧を最大定格電圧まで上げてください。UVP LED が点灯し、VOLTS 表
示部が[UUP]を表示するまで OVP/UVP ボタンを押してください。AMPS 表示部には UVP レベルの前
回の設定値が表示されます。調整ツマミを回し、電源の最大出力定格電圧の 50%に調整してください。
電流電圧切替(V/A)ボタンを押し、調整ツマミで出力電圧を下げ、出力電圧が UVP 設定値以下に下
がらないことを確認してください。
3.3.7
フォルドバックの確認
負荷電流を最大定格出力電流の 50%に設定してください。FOLD ボタンを押し、FOLD LED が点灯して
いることを確認してください。負荷電流を増加させ、定電流の設定値に到達すると出力電圧・電流が
ゼロになることを確認してください。FOLD LED が点滅し、ALM LED が点灯、この状態で出力が OFF
になります。負荷電流設定値を下げ、FOLD ボタンを押してください。出力電圧・電流が復帰し、FOLD
LED が点灯していることを確認してください。再び FOLD ボタンを押し、FOLD LED が消灯することを確
認してください。
3.3.8
出力 ON/OFF
OUT ボタンを押し、電源の出力端子の出力が ON/OFF することを確認してください。出力が ON して
いるとき OUT LED が点灯し、出力が OFF しているときは OUT LED が消灯していることを確認してく
ださい。
3.3.9
アドレスの設定
ADDR ボタンを押してください。ADDR LED が点灯し、AMPS 表示部に[Addr]が表示されます。VOLTS
表示部には前回のアドレス設定値が表示されます。調整ツマミを回し VOLTS 表示部が 0~31 まで変
更できることを確認してください。
3.3.10
ローカル・リモート操作
REM ボタンを押し、REM LED が点灯・消灯することを確認してください。電源がリモートモードの時
REM LED が点灯し、ローカルモードの時消灯します。ローカルモード(REM LED 消灯)で電源をオフ
し、接続していた DVM(電圧計)と負荷線を外してください。
―――――――――――――――
21 ―――――――――――――――
3.4
ローカル操作
3.4.1
はじめに
この節では操作モードについて説明しますが、シリアル通信ポートから電源をプログラムする内容は
含まれていません。
ここではフロントパネルとリアパネルを使っての操作を説明します。シリアル通信ポートの使い方に関
しては、第 4 章を参照してください。
フロントパネルの REM LED は電源がローカルかリモートかを示します。REM LED が消灯しているとき
はローカル操作を意味します。REM LED が点灯しているときは REM ボタンを押し、ローカルモードに
変えてください。
3.4.2
定電圧(CV)モードでの操作
1.
定電圧モードでは、負荷電流を変化させても、電源は設定した電圧値に出力電圧を保ちます。
2.
定電圧モードで電源が動作している時、フロントパネルの CV LED が点灯します。
3.
出力電圧の粗調整は V LED が点灯し、VOLTS 表示部が[FA_V]を表示するまで電流電圧切替
(V/A)ボタンを押し続けます。AMPS 表示部には設定した出力電圧が表示されます。出力電圧を
設定するには調整ツマミを回します。このモードでは全レンジの調整に約 6 回転を必要とします。
この調整後約 3 秒間で表示は実際の出力電圧と電流の表示に戻ります。
4.
出力電圧の微調整は V LED が点灯し、VOLTS 表示部が[SL_V]を表示するまで V/A ボタンを押
します。AMPS 表示部には出力電圧設定値が表示されます。出力電圧の設定には調整ツマミを
回します。このモードでは調整分解能が最大になります。調整後約 3 秒間で表示は実際の出力
電圧と電流の表示に戻ります。
注 意
調整が完了した後で、VOLTS 表示部が設定した電圧値と違う場合、電源は電流制限されている
可能性があります。負荷の状態と電源の電流制限設定値を確認してください。
注 意
出力電圧の最大・最小設定値は OVP と UVP で制限されます。詳細は 3.4.5 項と 3.4.6 項を参照し
てください。
3.4.3
定電流(CC)モードでの操作
1.
定電流モードでは、負荷電圧が変化しても、電源は設定した電流値に出力電流を保ちます。
2.
定電流モードで電源が動作している時、フロントパネルの CC LED が点灯します。
3.
出力電流の粗調整は A LED が点灯し、VOLTS 表示部が[FA_A]を表示するまで V/A ボタンを押
し続けます。AMPS 表示部には設定した出力電流設定値が表示されます。出力電流を設定する
には調整ツマミを回します。このモードでは全レンジの調整に約 6 回転を必要とします。調整後約
3 秒間で表示は実際の出力電圧と電流値の表示に戻ります。
4.
出力電流の微調整は A LED が点灯し、VOLTS 表示部が[SL_A]を表示するまで V/A ボタンを押
します。AMPS 表示部には出力電流設定値が表示されます。出力電流の設定には調整ツマミを
回します。このモードでは調整分解能が最大になります。調整後約 3 秒間で表示は実際の出力
電圧と電流の表示に戻ります。
―――――――――――――――
22 ―――――――――――――――
3.4.4
自動モード切替
電源が定電圧で動作している時に、負荷電流が出力電流設定値より多く流れようとすると、電源は自
動的に定電流モードに切り替わります。この状態から負荷電流を出力電流設定値以下にすると、電
源は自動的に定電圧モードに切り替わります。
3.4.5
過電圧保護(OVP
過電圧保護(OVP)
OVP)
1.
OVP 回路は電源のセンシングポイントの電圧を監視し、負荷を保護します。過電圧保護(OVP)
が動作すると電源は遮断します。電源を再起動するには、AC ON/OFF スイッチ(POWER)を約
30 秒間 OFF にします。電源を入れる前にセンシング線が正しく確実に接続されているか十分に
注意して確認してください。
2.
OVP 設定値は下限と上限に制限があります。下限値は出力電圧の設定値によって制限されま
す。従って OVP の値は出力電圧以下には設定できません。上限値は表 3-1 の値で制限されま
す。
最大定格出力電圧
OVP の最大設定値
6V
7.5V
10V
13V
20V
24V
36V
40V
60V
66V
表 3-1:OVP の最大設定電圧値
3.
過電圧保護の設定は、OVP LED が点灯し、VOLTS 表示部に[OUP]と表示されるまで OVP/UVP
を押し続けてください。AMPS 表示部には過電圧保護の設定値が表示されます。過電圧レベルを
設定するには調整ツマミを回してください。この調整後約 3 秒間で、表示は実際の出力電圧と電
流を表示します。
4.
OVP の設定値を確認する時は、OVP/UVP ボタンを押します。この時 OVP LED が点灯し、OVP
の設定値を約 3 秒間表示します。
5.
最小の OVP 設定値は出力電圧設定値の約 105%です。OVP の設定値をこのレベル以下に設定
するように調整ツマミを回しても OVP 設定値は最小値でロックされます。
6.
OVP が動作した場合、AC ON/OFF スイッチ(POWER)を OFF にします。AC ON/OFF スイッチを
ON してから約 10 秒間はフロントパネルコントロールはできません。
3.4.6
低電圧保護(UVP
低電圧保護(UVP)
UVP)
1.
UVP は、その設定値以下の出力電圧調整が出来ない様にするものです。UVP と OVP を組合わ
せることで、使用電圧範囲を厳しく制限する装置に対して有効です。
2.
UVP の調整は、UVP LED が点灯し、VOLTS 表示部に[UUP]が表示されるまで OVP/UVP ボタン
を押し続けてください。AMPS 表示部には UVP 設定値が表示されます。UVP レベルを設定するに
は調整ツマミを回してください。
3.
UVP の設定値を確認するには、OVP/UVP ボタンを押します。この時 UVP LED が点灯し、UVP
の設定値を約 3 秒間表示します。
4.
UVP の最大設定値は出力電圧設定値の約 95%です。この値以上に調整しようとしてもロックされ
ます。
―――――――――――――――
23 ―――――――――――――――
3.4.7
フォルドバック保護(FOLD
フォルドバック保護(FOLD)
FOLD)
1.
フォルドバック保護は、負荷電流が出力電流設定値を超えると電源の出力を遮断します。この保
護は過電流に対して厳しく制限する装置に有効です。
2.
フォルドバック保護を有効にするには、FOLD ボタンを押し、FOLD LED を点灯させてください。こ
の状態で定電圧モードから定電流モードに変化したときにフォルドバック保護が働きます。
3.
フォルドバック保護動作時は、電源出力が OFF し、ALM(アラーム)LED が点灯、FOLD LED が点
滅します。
4.
フォルドバック保護の解除には 2 つの方法があります。
(1) 短時間 FOLD ボタンを押すと、フォルドバック機能が有効なまま出力を復帰させます。その時に負
荷が電流制限値より小さい場合には電源は正常に動作します。負荷が電流制限より大きい時は
フォルドバック機能が再動作し、出力は再び遮断し FOLD LED が点滅します。
(2) 3 秒以上 FOLD ボタンを押すと、フォルドバック保護が OFF になり、出力を復帰させます。電源は
負荷条件と電圧・電流値設定条件により定電圧モードあるいは定電流モードで復帰します。
3.4.8
出力 ON/OFF コントロール
ON/OFF 回路は 2 つのコントロールがあります。フロントパネルの OUT ボタンとリアパネルの外部コン
トロールコネクタの接続です。但し、動作はリアパネルの接続が優先します。
1.
リアパネル ON/OFF コントロール
出力 ON/OFF 端子は、外部コントロールコネクタ(図 3-3、4)の 9,10 ピンです。両端子をショート
するか TTL レベル LOW(0)で電源出力は ON になり、開放または TTL レベル HIGH(1)で OFF
になります。図 3-3 のようにシンク電流定格が 2.5mA 以上のオープンコレクタトランジスタを用い
て ON/OFF コントロールしてください。10 ピン(COM)は内部で-S 端子に接続されていますので、
ON/OFF 回路を-S 端子からフローティングしたい場合は図 3-4 のようにフォトカプラを用いた回路
構成をしてください。
14
13
14
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
2.5mA
ON
OFF
P
VCVP
VRFV
VRFI
VCCP
RCCP
Output Good
RCVP
1
2
(ZUPリアパネルより見て)
2.
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
ON
OFF
P
VCVP
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
2
図 3-3:ON/OFFコントロール
13
Output Good
1
図 3-4:フロ-ティングON/OFFコントロール
(ZUPリアパネルより見て)
フロントパネル ON/OFF コントロール
フロントパネルで出力を ON/OFF する場合は、まずリアパネルの外部コントロールコネクタの 9,10
ピンをショートしてください。
これで、フロントパネルの OUT ボタンで出力を ON/OFF できます。
3.4.9
ラストセッティングメモリ
―――――――――――――――
24
24 ―――――――――――――――
ZUP シリーズは、ラストセッティングメモリで電源の AC 入力遮断時の設定状態を記憶する機能を備え
ています。電源を再スタートするモードには 2 つのモードがあり、AC を OFF する前に決められます。
記憶されるパラメータ
1.出力電圧設定値
7.リモート/ローカル
2.出力電流設定値
8.アドレス設定値
3.OVP レベル
9.通信選択 RS232/RS485
4.UVP レベル
10.伝送速度(ボーレート)
5.FOLD ON/OFF
11.サービスリクエストパラメータ
6.再スタートモード
(8~10 項はコンピュータコントロールに関連します。第 4 章参照)
1. 自動スタートモード
このモードは、電源の AC 入力遮断する直前の設定値および出力が ON の状態で復帰させます。
AC 入力を投入すると、出力が立上ります。このモードを選択するには、OUT ボタンを押し続けてく
ださい。約 3 秒後、表示は[AS ON](自動スタート ON)と[AS OFF](自動スタート OFF)が約 3 秒ごと
に繰り返されます。[AS ON]表示の時、OUT ボタンを離すと電源を自動モードに設定します。(OUT
ボタンを 1 秒以上押したままにすると、出力 ON/OFF の設定は変りません。)OVP または過熱保護
が動作した場合は、AC 入力を再投入すると電源は自動的にセーフ・スタートモードになります。
2. セーフ・スタートモード
このモードは電源の AC 入力遮断する直前の設定値および出力が OFF の状態を復帰させます。
AC 入力を投入すると設定値は前回の値で復帰しますが出力は立上りません。このモードを選択
するには、OUT ボタンを押し続け、表示が[AS OFF](自動スタート OFF)の時、OUT ボタンを離すと
電源をセーフ・スタートモードに設定します。AC 入力を投入すると出力は OFF となり、出力電圧・電
流はゼロになります。前回の出力電圧・電流設定で復帰させるには OUT ボタンを押してください。
3.4.10
外付け抵抗による出力電圧・電流プログラミング
1. 出力電圧・電流コントロール用の内部電流源から外付けプログラム抵抗に 1mA の電流を流します。
このプログラミング抵抗の両端の電圧が電源のプログラム電圧に使われます。0~4kΩの抵抗値
で出力をゼロから最大値まで可変することが出来ます。(最大値は定格出力電圧/電流の 105%で
す。)可変抵抗は出力の全範囲をコントロールでき、又は可変抵抗と直列/並列に抵抗を組み合わ
せることで出力の範囲を絞ってコントロールすることができます。更に電圧や電流をいくつかの固
定した値の組み合わせが必要な場合、スイッチでプログラム抵抗の固定値を選択して対応するこ
とも可能です。スイッチによるプログラム抵抗の切替時、回路がオープンにならないように気を付け
てください。オープンになると出力電圧が急激に上昇します。この場合電源にはダメージを受けま
せんが、負荷回路の安全の為に無開放スイッチを使用し適切な OVP 値に予め設定してください。
2. 電源の温度変動仕様を満足させるためには、プログラム抵抗は温度係数が 25PPM 以下で低ノイ
ズのものを使ってください。電力定格は 1/4W 以上のものを使ってください。
3. 外付け抵抗プログラム使用時は、フロントパネルとコンピュータ(シリアル通信ポート)による出力
電圧・電流コントロールは出来ません。
―――――――――――――――
25 ―――――――――――――――
4.
図 3-5 は出力電圧プログラムの一般的な回路です。0~4kΩの可変プログラム抵抗はゼロ~最
大値まで出力電圧を抵抗値に比例して出力させます。下限を設定するには図のようにプログラ
ム抵抗に直列に抵抗を入れてください。例えば 1kΩの直列抵抗は最大出力電圧の 25%に下限
値を設定する事になります。上限に設定するには下図のようにプログラム抵抗に並列に接続して
ください。最終的に抵抗のネットワークの総合値は 0~4kΩの範囲に設定してください。
注 意
外付け抵抗プログラムはローカル/リモートセンシングの両方で使えます。
14
最大値設定用抵抗
13
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
最小値設定用抵抗
Output Good
VCVP
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
2
0~4kΩ プログラミング抵抗
図 3-5:
外部コントロールコネクタ
定電圧用抵抗プログラム
5.
1
(ZUPリアパネルより見て)
外付け抵抗による出力電流プログラミング
図 3-6 は出力電流プログラムの一般的な回路です。前項で説明した外付け抵抗による出力電圧
プログラミングと同様に、外付け抵抗による出力電流プログラムが行えます。
14
最大値設定用抵抗
13
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
Output Good
VCVP
VCCP
RCCP
最小値設定用抵抗
VRFV
VRFI
RCVP
2
0~4kΩ プログラミング抵抗
図 3-6:
1
外部コントロールコネクタ
(ZUPリアパネルより見て)
定電流用抵抗プログラム
―――――――――――――――
27 ―――――――――――――――
26
3.4.11
外部電圧による出力電圧プログラミング
図 3-7 は出力電圧の外部電圧プログラム回路です。外部電圧を 0~4V に変化させると出力電圧はゼ
ロ~最大値まで外部電圧に比例して変化します。外部電圧源(プログラミング用電源)の定常負荷電
流は 2uA 以下です。外部電圧源の出力抵抗はオフセットとドリフトの性能低下を避けるために、10kΩ
以下にしてください。この外部電圧によるプログラミングの使用時は、フロントパネルとコンピュータ
(シリアル通信ポート)によるコントロールは出来ません。
注:ここでいう最大値とは定格出力電圧の 105%をいいます。
14
0~4VDC 電圧源
-S
- LS
+S
+LS
On/Off
COM
P
Output Good
VCVP
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
_
+
2
図 3-7: 外部電圧による出力
電圧プログラミング
(ZUP リアパネルより見て)
1
外部電圧による出力電流プログラミング
図 3-8 は出力電流の外部電圧プログラム回路です。外部電圧を 0~4V に変化させると出力電流はゼ
ロ~最大値まで外部電圧に比例して変化します。外部電圧源の回路電流は 2uA 以下に、出力抵抗
は 10kΩ以下にしてください(オフセットとドリフトの性能低下を避けるため)。この外部電圧によるプロ
グラミングの使用時は、フロントパネルとコンピュータ(シリアル通信ポート)によるコントロールは出来
ません。
注:ここでいう最大値とは定格最大出力電流の 105%をいいます。
14
0~4VDC 電圧源
_
+
3.4.12
13
13
-S
- LS
+S
+LS
On/Off
COM
P
Output Good
VCVP
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
2
図 3-8:外部電圧による出力
電流プログラミング
(ZUP リアパネルより見て)
1
注 意
外部コントロールコネクタの COM ピンは-S 端子と電源内部でつながっています。電源故障の原因と
なりますので、COM(10)ピンを他の電位へ接続しないでください。
注 意
プログラミング用に 4kΩを超える抵抗または 4V を超える電圧の接続は行わないでください。この接
続を行うと電源出力定格を超える出力電圧・電流が発生します。
またプログラミング時のディスプレイ表示は電圧・電流の実測値を示しません。
―――――――――――――――
27 ―――――――――――――――
3.4.13
マスタースレーブ並列運転
1.
同一定格の電源を最大 5 台まで並列接続が可能で、この時出力電流を 5 倍まで増やすことがで
きます。この内 1 台はマスターとして運転し、残りはスレーブとして運転します。スレーブ電源はマ
スター電源からのアナログ信号でプログラムされます。リモート運転では、マスター電源だけが
コンピュータで制御されます。スレーブ電源はコンピュータに接続されていても、電圧値と電流値
の読込み(READBACK)だけになります。
2.
フォルドバック保護はマスター電源だけが有効となります。マスター電源が遮断すると、マスター
電源がスレーブ電源の出力をゼロにします。
3.
電圧と電流の設定
スレーブ電源の出力電圧はマスター電源の出力電圧よりも高く設定し、マスター電源の CV コント
ロールに支障を与え無い様にします。マスター電源の出力電圧を必要な電圧に設定し、並列に
接続する電源の台数で 1 台当りの電流制限を設定してください。動作中、マスター電源は CV
モードで、スレーブは CC モードで運転します。
4.
CV モードで運転している時は、マスター電源は出力電圧を安定化し、スレーブ電源はマスター電
源の出力電流に合わせて電流供給を行います。線材や結合点での電圧降下により電流がアン
バランスとなることがありますので、各電源の出力は定格出力電流の 95%以下でご使用ください。
5.
過電圧保護:マスター電源の OVP を必要な設定値に調整し、スレーブ電源の OVP をマスター電
源の設定値より高く調整してください。マスター電源が遮断した時、スレーブ電源の出力電圧をゼ
ロにします。もしスレーブ電源が遮断(スレーブ電源の OVP 設定値がマスター電源より低く設定さ
れていた場合)したら、その電源のみ遮断し、マスターと残りのスレーブ電源が全ての負荷電流
を供給します。
6.
負荷への配線:マスタースレーブ並列運転では、電源をローカルリモートセンシング共に使えま
す。図 3-9, 3-10, 3-11 の電源の一般的接続方法を参照してください。図では 2 台の電源を接続し
た例ですが、同様の配線方法で 5 台まで行えます。
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
VCVP
Output Good
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
+V
マスター電源
+
負荷
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
VCVP
Output Good
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
次のスレーブ電源へ
+V
スレーブ電源
図 3-9:ローカルセンシング時の
マスタースレーブ並列運転
(ZUP リアパネルより見て)
――――――――――――――― 28 ―――――――――――――――
注 意
ローカルセンシングでは配線長と配線の抵抗値(ネジの締付けや端子の抵抗等含む)を最小にしてく
ださい。電源間の電流バランスを保つために線材抵抗をできるだけ同一にしてください。
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
+V
Output Good
VCVP
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
マスター電源
+
負荷
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
+V
VCVP
Output Good
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
スレーブ電源
図 3-10:ローカルセンシングと中継端子
によるマスタースレーブ並列運転
次のスレーブ電源へ
(ZUP リアパネルより見て)
+S
-S
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
P
+V
+S
VCVP
Output Good
VRFV
VCCP
VRFI
RCCP
RCVP
マスター電源
+
+S
-S
-S
- LS
+S
+LS
COM
On/Off
Output Good
P
VCVP
VRFV
VCCP
RCCP
VRFI
負荷
+V
スレーブ電源
RCVP
-S
図 3-11:リモートセンシングによる
マスタースレーブ並列運転
次のスレーブ電源へ
―――――――――――――――
(ZUP リアパネルより見て)
29 ―――――――――――――――
3.4.14 直列運転
1.
概要:同一定格の 2 台の電源を直列接続することで、出力電圧を増加させたり、又はバイポーラ
(±)電源として使用することが可能です。
注 意
2 台の電源の出力を直列で接続するとき、出力電圧の設定は等しくしてください。出力電圧が違
うと、負荷が短絡した際に低い出力電圧設定の電源が故障することがあります。
2.
出力電圧増加のための直列運転
2.1 概要:この操作モードでは、2 台の電源を接続し出力を加算します。各電源の電流制限を負
荷が不具合を起こすことが無く流せる最大値に設定してください(2つの電源共同一値に設
定)。電源の立上り時や一方の電源が遮断した場合に備えてダイオードを各電源出力に並
列に接続してください。各ダイオードは電源の定格出力電流を流せる定格のものを使用して
ください。この接続方法は図 3-12,3-13 を参照してください。
注 意
電源を直列に接続し、負荷または出力端子の一つを接地したとき、接地からの電位(+また
は-)をフロントパネルに記されている規定値を超えないでください。電源の仕様を超えると、
故障の原因となります。
+LS
+LS
+S
+
+
電源
電源
+S
+
+
- LS
- LS
負荷
負荷
+LS
+LS
+S
+
電源
電源
+
- LS
- LS
図 3-12:
+S
ローカルセンシング直列接続
図 3-13:リモートセンシング直列接続
2.2 出力電圧増加用直列運転リモートプログラム
1.
外部電圧によるプログラミング:ZUP のアナログプログラミング回路は-S 電位を基準にし
ています。従って、プログラミング用外部電源はそれぞれ分離し、お互いにフローティン
グしてください。
2.
外付け抵抗によるプログラミング:外部抵抗によるプログラミングは可能です。
プログラムは外部抵抗で行ってください。図 3-5, 3-6 の詳細を参照してください。
3.
通信ポート(RS232/RS485)経由のプログラミング:電源を直列に接続するために通信
ポートを出力電圧から絶縁してください。絶縁することにより、リモートイン、リモートアウ
トをシリアルリンク接続できます。
―――――――――――――――
30 ―――――――――――――――
3.
バイポーラ(±)出力用直列接続
3.1 概要:この動作モードでは、2 台の電源をバイポーラ(±)電圧・電流源として構成します。各電
源の電流制限を負荷が不具合を起こすことなく流せる最大値に設定してください。電源の立
上り時や一方の電源が遮断した場合に備えてダイオードを各電源出力に並列接続してくださ
い。各ダイオードは電源の定格出力電流を流せるものを使用してください。この接続方法は
図 3-14 を参照してください。
+LS
+S
+
電源
+
- LS
COM
+LS
負荷
+S
+
電源
- LS
図 3-14:バイポーラ出力用直列接続
3.2 バイポーラ(±)出力用リモートプログラミング直列運転
1. 外部電圧によるプログラミング:ZUP のアナログプログラミング回路は-S 電位を基準とし
ています。従って、プログラミング用外部電源はそれぞれ分離し、お互いにフローティング
してください。
2. 外付け抵抗によるプログラミング:外部抵抗によるプログラミングは可能です。
図 3-5, 3-6 を参照してください。
3. 通信ポート(RS232/RS485)経由のプログラミング:電源を直列に接続するために通信
ポートを出力電圧から絶縁してください。絶縁することにより、リモートインとリモートアウ
トをシリアルリンク接続できます。
3.4.15 出力 Good 信号
出力 Good 信号はオープンコレクタ出力で、COM 電位を基準とし、電源出力の状態を示します。電源
が正常に動作している時、出力 Good 信号は Low(0~0.8V)です。電源が OVP、OTP、FOLD 等の保
護動作中、又は ON/OFF コントロールを OFF に設定しているときは High(オープン)となります。AC
入力が OFF の時も High(オープン)です。最大シンク電流は 10mA、最大耐圧は 40VDC です。
注 意
出力 Good 信号の基準は COM 電位です。このため、他の電位へ接続すると故障の原因となります。
出力 Good 信号の一般的な使い方
1.
複数の電源システムにおいて主用な電源に不具合が発生した時、全ての電源を OFF にすること
ができます。図 3-15 接続図を参照してください。
―――――――――――――――
31 ―――――――――――――――
+V
Z-UP
Z-UP #
I = 5mA
Unit 1
OUT.GOOD
n
+V
ON/OFF
PC1
PC1
COM
PCn
COM
Z-UP #
n
(*) 60V 出力モデルについては出力Good 信号電圧を40V 以下
+V
ON/OFF
PCn
に制限するツェナーダイオードを接続してください。抵抗と
COM
ツェナーダイオードは実際の動作以上の定格をもつものを
使用してください。
図 3-15:複数電源システムの遮断回路
2.
複数電源システムの階層構造:複数の電源システムにおいて、N 番目の電源出力の Good 信号
により N+1 電源の階層構造を構成することができます。この回路構成では、N 番目の電源不良が
N 番以降の電源を OFF にします。一般的な構成として図 3-16 を参照ください。
Z-UP # 1
+V
Z-UP #
PC1-A
OUT.GOOD
OUT.GOOD
PC(n-1)-B
COM
+V
OUT.GOOD
ON/OFF
-V
+V
ON/OFF
ON/OFF
COM
-V
Z-UP # 2
n
COM
PC2-A
PC1-B
―――――――――――――――
図 3-16:複数電源システムの階層構造
32 ―――――――――――――――
第4章 RS232/RS485 リモートコントロール
4.1
はじめに
この章はシリアル通信ポート経由における ZUP 可変電源シリーズの操作説明、初期設定の詳細、
RS232/RS485 経由の操作、通信ハンドシェイクについて述べます。
4.2
構成
4.2.1
アドレスの設定
ZUP のアドレスは 1~31 に設定できます。アドレスの設定手順を以下に述べます。
1. フロントパネルの ADDR ボタンを押すと ADDR LED が点灯し、VOLTS 表示部に[Addr]が表示されま
す。
2. フロントパネルの調整ツマミを回してください。AMPS 表示部に選定するアドレスが表示されます。調
整ツマミの回転を止めると、選定したアドレスが示されます。調整ツマミの回転を止めてから約 3 秒後
に実際の出力電圧・電流値の表示に戻ります。
3. 電源が動作中、ADDR を押すと選定したアドレスが表示されます。
4.2.2
RS232/RS485 の選定
シリアル通信ポート RS232/RS485 の選択は以下の手順で行ってください。
1. REM ボタンを押しつづけてください。
(この REM ボタンを 1 秒以上押し続けると、ローカル/リモートの切替は行われません)
2. REM ボタンを押しつづけると、約 3 秒後に表示は[rs232]と[rs485]を約 3 秒ごとに繰り返し表示します。
3. RS232 を選びたい時は、[rs232]が表示されているときにボタンを離してください。同様に[rs485]が表
示されているときにボタンを離すと RS485 が選択されます。
4. REM ボタンを離した後、約 3 秒間で表示は実際の出力電圧・電流値の表示に戻ります。
4.2.3
伝送速度(ボーレート)の設定
300, 600, 1200, 2400, 4800, 9600 の 6 種類の選定が可能です。必要な速度を選定するには以下の手順
で行ってください。次の手順を行うにはローカルモードにしてください。
1. ADDR ボタンを押しつづけてください。約 3 秒後に表示は約 2 秒間隔で 6 つの伝送速度が順次現れま
す。
2. 速度の選定は、必要な速度が表示されている間にボタンを離してください。
3. ADDR ボタンを離すと、約 3 秒間で表示は実際の出力電圧・電流値の表示に戻ります。
4.2.4
ローカル/リモートの選定
RS232 または RS485 経由の操作を行うには電源をリモートモードにしなければなりません。このモードで
はローカル/リモート切替ボタンと伝送速度選定ボタンを除いてフロントパネルの機能は使用できま
せん。
ローカルからリモートへの変更
1. フロントパネルから行う場合:REM ボタンを押すと、REM LED が点灯します。リモートからローカルへ
戻すには、再び REM ボタンを押してください。REM LED が消灯します。
2. シリアル通信ポート(RS232/RS485)から行う場合:電源に[RMTn]コマンドを送ります。4.5.2 項を参照
ください。
―――――――――――――――
33 ―――――――――――――――
4.3
RS232リモートプログラミング
4.3.1
はじめに
RS232 インターフェイスはリアパネル IN/OUT ジャックを用います。ジャックは各 8 ピン、EIA/TIA-568A
適合品です。IN と OUT ジャックは RS232 または RS485 で電源をコンピュータにシリアルリンク接続す
るためのものです。データフォーマットは ASCII、8 ビットキャラクタパリティービット無し、ワンストップ
ビットです。伝送速度は 300~9600bps 間の 6 種類の中から選択できます(4.2.3 節参照)。
図 4-1 のように RS232 で ZUP を 31 台まで接続できます。
RS232
RS485
RS485
In Out
In Out
In Out
Z-Up 1
Z-Up 2
Z-Up 31
1km max.
1Km
10m max.
図 4-1:RS232 制御の ZUP シリアルリンク接続
4.3.2
リアパネル IN/OUT ジャック、ピン配列
IN
8
7
6
5
4
3
2
1
OUT
8
7
6
5
4
3
2
1
シールド(コネクタケース)
RXD +
_ TX (RS232)
RXD
SG
+
TXD
_ RX (RS232)
TXD
Not used
+
RXD
_ NC
RXD
TXD
+
SG
_ NC
TXD
Not used
図 4-2:リアパネル・コネクタピン配列
注 意
Tx と Rx は RS232 通信で使います。Txd+/-と Rxd+/-は RS485 で使います。詳細は RS232 と RS485
ケーブル説明を参照してください。
―――――――――――――――
34 ―――――――――――――――
4.3.3
RS232 ケーブル(PC
ケーブル(PC から ZUP 間) NC403 , NC401
RS232 は電源と PC コントローラ間の接続に使われます。何台かの電源をシリアルリンク接続するに
は 4.3.4 項を参照してください。
図 4-3:DB-25 コネクタの
RS232 ケーブル
ZUP/NC403
図 4-4:DB-9 コネクタの
RS232 ケーブル
ZUP/NC401
4.3.4
25 ピン コネクタ
ピン No.
名称
1
シールド
2
TX
3
RX
7
SG
8 ピン コネクタ
ピン No.
名称
ハウジング
シールド
3
RX
7
TX
5
SG
9 ピン コネクタ
ピン No.
名称
ハウジング
シールド
2
RX
3
TX
5
SG
8 ピン コネクタ
ピン No.
名称
ハウジング
シールド
7
TX
3
RX
5
SG
備考
ツイストペア
備考
ツイストペア
電源のシリアルリンク配線
リアパネルの IN/OUT コネクタと図 4-5 のケーブルを使用し ZUP 可変電源を 31 台までシリアルリン
ク配線できます。最初の電源は図 4-1 のように RS232 経由の PC と通信します。他の電源を RS485
インターフェースでシリアルリンク配線します。接続ケーブルの構成を図 4-5 に示します。
EIA/TIA-568A シールドコネクタ
図 4-5:ZUP ユニット
リンクケーブル
ZUP/W
8 ピン コネクタ (IN)
ピン No.
名称
ハウジング
シールド
5
SG
2
TXD4
TXD+
6
RXD8
RXD+
――――――――――――――― 35
8 ピン コネクタ (OUT)
ピン No.
名称
ハウジング
シールド
5
SG
2
TXD4
TXD+
6
RXD8
RXD+
―――――――――――――――
備考
ツイストペア
ツイストペア
4.4
RS485 リモートプログラミング
4.4.1
はじめに
高いノイズイミュニティーや長距離通信が必要な動作環境には RS485 内蔵インターフェースが有効で
す。RS485 インターフェースは RS232 と同様にリアパネル IN/OUT ジャックで対応できます。
図 4-6 のように RS485 で 31 台まで ZUP を接続できます。
RS485
RS485
RS485
In Out
In Out
In Out
Z-Up 1
Z-Up 2
Z-Up 31
1Km max.
1km
図 4-6:ZUP 可変電源と RS485 制御の接続
4.4.2
RS485 ケーブル(PC
ケーブル(PC~
PC~ZUP への配線)
図 4-7:DB-9 コネクタの
RS485 ケーブル
NC402
4.4.3
9 ピン コネクタ
ピン No.
名称
ハウジング
シールド
9
TXD8
TXD+
1
SG
5
RXD4
RXD+
8 ピン コネクタ
ピン No.
名称
ハウジング
シールド
6
RXD8
RXD+
5
SG
2
TXD4
TXD+
電源の接続
4.3.4 節で説明した同じ方法で電源を接続してください。
4.5
ZUP シリーズコマンド設定の説明
ZUP コマンド設定を下記のように 4 つのカテゴリに分類しました。
1. ID コントロール
2. 初期化コントロール
3. 出力コントロール
4. ステータスコントロール
コマンドの構造、記述方法、レジスターの定義を上で述べた分類で説明します。
―――――――――――――――
36 ―――――――――――――――
備考
ツイストペア
ツイストペア
4.5.1
ID コントロールコマンド
No.
4.5.2
コマンド
1
:MDL?;
2
:REV?;
説
明
電源の機種名を ASCII 文字列で返します。
Nemic-Lambda ZUP (xxV-yyA)
xx : 定格最大出力電圧
yy : 定格最大出力電流
<例>: Nemic-Lambda ZUP(6V33A)
ソフトウェアバージョン情報を ASCII 文字列で返します。
Ver xx-yy a.b
xx : 定格最大出力電圧
yy : 定格最大出力電流
a.b : バージョン認識番号
<例>: Ver6-33 1.0
初期化コントロールコマンド
No.
コマンド
1
:DCL;
2
:ADRn;
3
:RMTn;
4
:RMT?;
説
明
通信バッファと下記レジスタのクリア
1. 動作ステータス
2. アラーム(故障)ステータス
3.プログラムエラーステータス
電源のアドレスを設定します。ADR の後にアドレス番号 01~31 を入れて
ください。
電源をローカルまたはリモートモードに設定します。ローカルモードから
リモートモードへの変更はフロントパネルの REM ボタンのみ有効です。
:RMT0; リモートからローカルモードへ変更
:RMT1; フロントパネル REM ボタンロック解除
:RMT2; フロントパネル REM ボタンロック
このモードでは、フロントパネルでローカルリモート切替はできません。こ
のモードを解除するには、:RMT0;あるいは:RMT1;を送信するか、電源の
AC ON/OFF スイッチを OFF にし、再び ON にしてください。
リモート・ローカルの設定状態を返します。データは ASCII 文字列です。
RM0 (この電源はローカルモードです。)
RM1 (この電源はリモートモードです。)
RM2 (この電源はフロントパネル REM ボタンロックのリモートモードで
す。)
―――――――――――――――
37 ―――――――――――――――
4.5.3
出力コントロール
No.
1
コマンド
:VOLn;
2
:VOL!;
3
:VOL?;
4
:CURn;
説
明
出力電圧を設定します。この設定電圧は定電圧モードの出力電圧値または定電
流モードでの電圧制限値となります。電圧値の範囲を表 4-1 に示します。電圧設
定は全有効桁を設定してください。
機種名 最低設定値 最大設定値
ZUP6-xy
0.000
6.000
注:
ZUP10-xy
00.000
10.000 ZUPは表の値の5%まで高く設定
ZUP20-xy
00.000
20.000 できますが、最大定格電圧を超
えた使用はご遠慮下さい。
ZUP36-xy
00.00
36.00
ZUP60-xy
00.00
60.00
表 4-1:電圧設定範囲
<例>
:VOL5.010;
:VOL08.500;
現在設定されている電圧値を返します。文字列[SV]の後に値が入っています。
電圧の範囲は表 4-1 に示してあります。
<例> SV5.010
SV08.500
測定された出力電圧値を返します。文字列[AV]の後に値が入っています。電圧
の範囲は表 4-1 に示してあります。
<例> AV5.010
AV08.500
出力電流を設定します。この設定電流は定電流モードの出力電流値または定電
圧モードでの電流制限値となります。電流値の範囲を表 4-2 に示します。電流設
定は全有効桁を設定してください。
機種名 最低設定値 最大設定値
ZUP6-33
00.00
33.00
ZUP6-66
00.00
66.00
ZUP6-132 000.00
132.00
ZUP10-20 00.000
20.000
ZUP10-40
00.00
40.00
ZUP10-80
00.00
80.00 注:
ZUP20-10
00.000
10.000 ZUPは表の値の5%まで高く設定
ZUP20-20
00.000
20.000 できますが、最大定格電流を超
ZUP20-40
00.00
40.00 えた使用はご遠慮下さい。
ZUP36-6
0.000
6.000
ZUP36-12
00.000
12.000
ZUP36-24
00.000
24.000
ZUP60-3.5
0.000
3.500
ZUP60-7
0.000
7.000
ZUP60-14
00.000
14.000
表 4-2:電流設定範囲
<例> :CUR3.000;
―――――――――――――――
:CUR07.50;
38 ―――――――――――――――
4.5.3
出力コントロール続き
No.
コマンド
5
:CUR!;
6
:CUR?;
7
:OUTn;
8
:OUT?;
9
:FLDn;
10
:FLD?;
11
:OVPn;
説
明
現在設定されている電流値を返します。文字列[SA]の後に値が入っています。
電流の範囲は表 4-2 に示してあります。
<例> SA3.000
SA07.50
測定された出力電流値を返します。文字列[AA]の後に値が入っています。電流
の範囲は表 4-2 に示してあります。
<例> AA3.000
AA07.50
出力の ON/OFF を設定します。
:OUT1; 出力を ON にします。
:OUT2; 出力を OFF にします。
出力の ON/OFF 状態を返します。文字列[OT]の後に ON/OFF 状態が入ります。
OT1
出力が ON です。
OT0
出力が OFF です。
フォルドバック保護の ON/OFF を設定します。
:FLD1; フォルドバック保護を有効にします。
:FLD0; フォルドバック保護動作を解除します。
:FLD2; フォルドバック保護を OFF にします。
フォルドバック保護が動作したとき、:FLD0;は保護動作を解除し、再度フォルド
バック保護を有効にします。:FLD2;は保護動作を解除します。但しいずれの場合
も保護動作が動作しない場合は同じです。
フォルドバックの状態を返します。文字列[FD]の後にフォルドバックの状態が入り
ます。
FD1
フォルドバック保護が有効です。
FD0
フォルドバック保護を解除してあります。
OVP の値を設定します。OVP 設定範囲は表 4-3 を参照してください。
機種名 最低設定値 最大設定値
ZUP6-xy
0.00
7.50
ZUP10-xy
00.0
13.0
ZUP20-xy
00.0
24.0
ZUP36-xy
00.0
40.0
ZUP60-xy
00.0
66.0
表 4-3:OVP 設定範囲
<例> :OVP08.4;
12
:OVP?;
現在の OVP 設定値を返します。文字列[OP]の後に値が示されます。OVP の設
定範囲は表 4-3 を参照してください。
<例> OP08.4
―――――――――――――――
39 ―――――――――――――――
4.5.3
出力コントロール続き
No.
13
4.5.4
コマンド
機種名 最低設定値 最大設定値
ZUP6-xy
0.00
5.98
ZUP10-xy
00.0
9.97
ZUP20-xy
00.0
19.9
ZUP36-xy
00.0
35.9
ZUP60-xy
00.0
59.8
:UVPn;
14
:UVP?;
15
:ASTn;
16
:AST?
説
明
UVP を設定します。UVP 設定範囲を表 4-4 に示します。
表 4-4:UVP 設定範囲
<例> :UVP07.3;
UVP 設定値を返します。文字列[UP]の後に値を示します。UVP の設定範囲は表
4-4 を参照してください。
<例> UP07.3
自動再スタートモードの ON/OFF を設定します。
:AST1;
自動再スタート ON
:AST0;
自動再スタート OFF
自動再スタートの状態を返します。文字列[AT]の後に値が示されます。
AT1
自動再スタート ON
AT0
自動再スタート OFF
ステータスコントロール
4.5.4.1
レジスタの構成
1. 動作状態レジスタ
動作状態レジスタは電源の正常運転における信号を記録します。正常データに加えて、設定さ
れたアラームレジスタの一つを示すアラームビットを保持します。このレジスタは自動的に更新
され、その内容を読みます。レジスタのクリアは DCL コマンドで行います。表 4-5 動作状態レジ
スタの内容を参照してください。
ビット名
cc/cv
fold
ast
out
srf
srv
srt
alarm
ビット No.
1
2
3
4
5
6
7
8
“0”:
“1”:
“1”:
“1”:
“0”:
“0”:
“0”:
“1”:
内
容
定電圧時 “1”: 定電流時
フォルドバック保護が設定されている。
自動再スタート ON “0”: 自動再スタート OFF
出力が ON “0”: 出力が OFF
フォルドバック保護 SRQ 無効 “1”: SRQ 有効
OVP SRQ 無効 “1”:SRQ 有効
過熱保護 SRQ 無効 “1”:SRQ 有効
アラームレジスタビット設定(注1)
表 4-5:動作状態レジスタの内容
* 注1:AC 入力不良の場合、アラーム状態レジスタの[AC fail]ビットは設定されますが、ア
ラームビットには設定されません。
―――――――――――――――
40 ―――――――――――――――
2. アラーム状態レジスタ
アラーム状態レジスタは電源が運転中に起きた故障状態を記録します。このレジスタに何らか
のビットが設定されると動作状態レジスタの[alarm]ビットをセットします。レジスタを読んでもこ
の内容は変わりません。このレジスタのクリアは[:DCL;]コマンドで行います。
ビット名
ovp
otp
a/c fail
fold
prog
ビット No.
1
2
3
4
5
内
“1”:
“1”:
“1”:
“1”:
“1”:
容
過電圧保護動作
過熱保護動作
電源入力異常
フォルドバック動作
プログラムエラー
(*3)
(*3)
(*1)
(*2)
(*3)
表 4-6:アラーム状態レジスタの内容
注:
(*1) 各々の AC 切断で、AC 不良[a/c fail]ビットに”1”がセットされますので、アラーム状態レジ
スタをクリアするためには、電源再投入に続いて[:DCL;]コマンドを送ってください。
(*2) フォルドバック[fold]ビットは、フォルドバック保護のキャンセルで自動的にクリアします。
(*3) 過電圧[ovp]、過熱[otp]、プログラムエラー[prog]ビットは AC 入力を AC ON/OFF スイッチ
で OFF にして約 10 秒後に ON にし復帰させるまで、フロントパネルコントロールは効きま
せん。
3. エラーコードレジスタ
エラーコードレジスタは電源のプログラム中に発生したエラーを記録します。何らかのビットが
このレジスタにセットされるとアラーム状態レジスタのプログラムエラー[prog]ビットがセットされ
ます。このレジスタを読み込んでも内容は変化しません。レジスタのクリアは[:DCL;]コマンドを
送ってください。
ビット名
not used
wrong
command
buffer
overflow
wrong
voltage
wrong
current
ビット No.
1
内
容
2
“1”: 不明な文字列をうけたとき
3
“1”: 通信バッファーオーバーフロー
4
“1”: 受信した電圧値は無効(仕様規格外)な値である。
5
“1”: 受信した電流値は無効(仕様規格外)な値である。
表 4-7:エラーコードレジスタ
4.5.4.2
ステータスコントロールコマンド
No.
コマンド
1
:STA?;
2
:ALM?;
説
明
動作状態レジスタの内容を読みます。
レジスタの内容を文字列[OS]の後に ASCII 文字列を付けて戻します。
表 4-5:レジスタの内容の説明を参照してください。
<例> OS00010000
アラーム状態レジスタの内容を読みます。
レジスタの内容を文字列[PS]の後に ASCII 文字列を付けて戻します。
表 4-6:アラームステータスレジスタの説明を参照してください。
<例> AL00000
―――――――――――――――
41 ―――――――――――――――
ステータスコントロールコマンド続き
コマンド
4.6
3
:STP?;
4
:STT?;
説
明
プログラムレジスタの内容を読みます。
レジスタの内容を文字列[PS]の後に ASCII 文字列を付けて戻します。
表 4-7:エラーコードレジスタの内容の説明を参照してください。
<例> PS0000
電源の全ての状態を読みます。
この要求により下記のデータを ASCII 文字列で返します。
AV<測定電圧値>
SV<設定電圧値>
AA<測定電流値>
SA<設定電流値>
OS<動作状態レジスタ>
AL<アラーム状態レジスタ>
PS<プログラムエラーレジスタ>
<例>
AV5.010SV5.010AA00.00SA24.31OS001110AL00000PS00000
通信プロトコル
4.6.1
概要
ZUP シリーズの平均コマンド処理時間は 15ms です。これを上回る処理時間で、ZUP への一続きのコ
マンド送信はお避け下さい。また、要求コマンド(?, !)に続けてコマンドを送信する場合は、ZUP の処
理が終了してから次のコマンドを送信するようにしてください。
4.6.2
ZUP 可変電源へのアクセス
ZUP シリーズのデフォルト状態はリスンオンリーモードです。ZUP 可変電源にアクセスするコマンドや
問い合わせ(クエリー)を送るためには、対象の電源のアドレスをホストコンピュータから送ってくださ
い。(コマンド名: ” :ADRn; “ )
4.6.3
メッセージの終り
ZUP から送られる信号はデータの終わりに下記コマンドで送信を終了します。
<CR> キャリッジリターン信号
<LF> ラインフィード信号
また、ZUP への信号はコマンドに続く “;” で終了します。
―――――――――――――――
42 ―――――――――――――――
4.7
4.7 サービスリクエスト
4.7.1
サービスリクエスト(SRQ
サービスリクエスト(SRQ)
SRQ)
サービスリクエストは ZUP からコントローラ(コンピュータ)へメッセージを伝えるための割り込み信号
を発生させます。SRQ は ZUP 可変電源の不良状態を知らせます。
SRQ は下記の状態を伝えます。
1.
過電圧保護(OVP)
2.
過熱保護(OTP)
3.
フォルドバック保護
オペレーターは、SRQ により上記のいずれかの保護動作を知ることができます。また、SRQ を有効あ
るいは無効にすることによる ZUP 電源動作の変化は有りません。
4.7.2
サービスリクエストメッセージ
サービスリクエストメッセージ
SRQ メッセージは 3 つの文字列から成り立ちます。***[CR][LF]
最初の文字は ZUP の不具合(どの保護が動作)を識別します。:
1:フォルドバック保護動作、2:OVP 動作、3:OTP 動作
2 番目と 3 番目は、SRQ を返した ZUP のアドレスを表します。
<例>ZUP ユニットが発信した SRQ:120[CR][LF]
これは、アドレス20の ZUP でフォルドバック保護が働いたという意味です。
4.7.3
サービスリクエスト有効・無効設定コマンド
No.
コマンド
1
:SRVn;
2
:SRV?;
3
:SRTn;
4
:SRT?;
5
:SRFn;
6
:SRF?;
内
容
OVP サービスリクエストの有効・無効の設定
:SRV1; OVP サービスリクエスト有効
:SRV0; OVP サービスリクエスト無効
OVP サービスリクエストの状態を[QV]コマンドで返答する。
:QV1; OVP サービスリクエスト有効
:QV0; OVP サービスリクエスト無効
OTP サービスリクエストの有効・無効の設定
:SRT1; OTP サービスリクエスト有効
:SRT0; OTP サービスリクエスト無効
OTP サービスリクエストの状態を[QT]コマンドで返答する。
:QT1; OTP サービスリクエスト有効
:QT0; OTP サービスリクエスト無効
フォルドバック保護の有効・無効の設定
:SRF1; フォルドバックサービスリクエスト有効
:SRF0; フォルドバックサービスリクエスト無効
フォルドバック保護サービスリクエストの状態を[QF]コマンドで返答する。
:QF1; フォルドバック保護サービスリクエスト有効
:QF0; フォルドバック保護サービスリクエスト無効
―――――――――――――――
43 ―――――――――――――――
43
第5章 メンテナンス
5.1
イントロダクション
この章は ZUP 可変電源シリーズのメンテナンスと校正について述べます。
5.2
保証期間内の電源について
保証期間内で修理の必要な電源は弊社営業所またはサービス部門へお戻しください。認可されていな
い修理が行われた製品は保証が無効になります。
5.3
定期清掃について
清掃をするには AC 入力を外し、30 秒間の内部電圧放電をさせてください。フロントパネルと金属表面を
乾いた布で清掃してください。
5.4
調整と校正
調整と校正は弊社サービス部門で行います。
お近くの弊社営業所またはサービス部門にお問い合わせ下さい。
5.5
ファン交換
(1) ファン交換の為に、メンテナンス期間を設定することをお勧め致します。
(2)
ファン寿命は、使用環境(温度、湿度、ほこり)等の違いにより、寿命時間が大きくかわりますので
ご注意下さい。
(3)
メンテナンスにおけるファン交換の場合は有償となります。
お近くの弊社営業所またはサービス部門にお問い合わせ下さい。
5.6
部品交換と修理
修理は弊社の承認されたサービス部門で行います。従いまして、部品の交換に関する事柄は本マニュ
アルでは記述致しません。不具合(電源の異常または不確実な運転)が生じた場合、お近くの弊社営
業所またはサービス部門にお問合せください。
5.7
ヒューズ規格
ZUP200W シリーズ(ZUP6-33,ZUP10-20,ZUP20-10,ZUP36-6,ZUP60-3.5):T8A250V
ZUP400W シリーズ(ZUP6-66,ZUP10-40,ZUP20-20,ZUP36-12,ZUP60-7):T10A250V
ZUP800W シリーズ(ZUP6-132,ZUP10-80,ZUP20-40,ZUP36-24,ZUP60-14):F20A250V
―――――――――――――――
44 ―――――――――――――――
Fly UP