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Ⅲ.事業実績報告 - 千代田区立図書館
Ⅲ.事業実績報告 1.サービス 1-1 サービス サービスでは、21 年度「千代田区立図書館蔵書構築方針」に沿い、蔵書構成の強化をはかりまし た。特に日比谷図書館から千代田図書館への必要な資料の保管転換とレファレンス資料についてよ り重点を置いた資料購入を行い、蔵書の充実に努めました。また、区民の書斎ゾーンには「千代田 区ゆかりの文学者コーナー」を、そしてセカンドオフィスゾーン には「出版にまつわる本棚」を新設するなど、中央館にふさわし い蔵書構成の充実に力を入れました。 さらに快適な読書空間を提供するため、セカンドオフィスゾーン の閲覧席を 22 席増設し、以前よりご指摘いただいていた席の混雑緩 和をはかるとともに、読書環境維持の指針に則り図書館の目的外利 増設されたカウンター式閲覧席 用者への声掛けを行うなど、フロア環境の向上にも努めました。 蔵書構築 本年度は特に千代田図書館の「区民の書斎」 「レファレンスコーナー」の蔵書構築を3カ年計画で 行うことを最重点事業とし、旧日比谷図書館蔵書から 4,000 冊余の保管転換と、かつ経常業務の書 棚管理の中で見つけ出した蔵書の不備を補充するための 6,000 冊余の「補充リスト」を作成しまし た。また、千代田図書館では出版にかかわる企業が集積する地域性を生かしながら、調査研究の拠 点として機能するよう図書資料の構築をはかっています。本年度セカンドオフィスゾーンでは「出 版にまつわる本棚」の新設やビジネス発想支援を目的とした新書コーナーの資料整備、区民の書斎 コーナーの「千代田区ゆかりの文学者コーナー」の設置など、中央館にふさわしい蔵書構成の充実 に努めました。キッズセミナーフィールドでは、評価の定まった 絵本や児童書の収集、保護者も一緒に利用できるよう育児書を集 めたコーナーの設置など、子どもにかかわる大人も視野に入れた 蔵書構成をはかりました。 地域館である四番町図書館では、四番町歴史民俗資料館ととも に企画展示を行い、地域に根差した事業展開をはかり、幅広い年 千代田区ゆかりの文学者コーナー 齢層の知的興味に対応できるようバランスのとれた蔵書構築に努 めました。 分館である昌平まちかど、神田まちかど両図書館では、併設された学校図書室の蔵書も視野にい れて、蔵書の充実をはかりました。特に昌平まちかど図書館では、生活・育児関連書、歴史小説等 を、神田まちかど図書館では、ビジネスパーソンが気軽に読める文庫本、実用書を中心に充実させ ました。 21 一方、特色あるコレクションの資料整備に関しては、内田嘉吉文庫、古書販売目録、内務省委託 本などの整備・保存・利用促進をはかることを目的とし、旧図書館から継続している出版アドバイ ザー会議を開催し、専門家の助言をいただきながら、コレクションの活用について検討・整備を行 っています。 図書受入数 千代田 17,917 冊、四番町 5,291 冊、昌平 1,910 冊、神田 1,823 冊、合計 26,941 冊 雑誌受入数 千代田 2,903 冊、四番町 1,782 冊、昌平 685 冊、神田 657 冊、合計 6,027 冊 視聴覚資料受入数 千代田 239 点、四番町 272 点、昌平 25 点、神田 62 点、合計 598 点 出版にまつわる本棚設置(9/27)、千代田区ゆかりの文学者コーナー設置(9/27) 蔵書構築計画 平成 22 年度千代田区立図書館資料収集計画作成(3/31) 「出版にまつわる本棚」の設置 出版に関連する図書資料(新聞・雑誌は除く)を一か所に収集 し、 「出版」の歴史や流れをまとめて閲覧できる環境を作ること により、千代田区の地域産業である「出版」を知ってもらうととも に、出版産業の活性化に繋げることを目的とした、「出版にまつ わる本棚」を設置しました。これは、 「千代田区立図書館出版関 連資料コレクション構築方針」 (平成 18 年 11 月策定)を基に作 成いたしました。 資料分野は以下の 4 つのカテゴリーとなります。 ① 出版史(出版の歴史や検閲・言論統制など) ② 出版業(編集や出版社、製本、印刷、それにかかわる人物についてなど) ③ 出版流通(取次や書店の歴史や実態、古書や古書店、書評についてなど) ④ 出版の動向と展望(IT化や流通論など) 音楽配信サービスの導入(視聴覚資料) 本年度は視聴覚資料を充実させるべく、インターネットを利用して、クラシックを中心に約 59 万曲を自宅からでも聴くことができる音楽配信サービス(ナクソス・ミュージック・ライブラリー) を導入いたしました。本サービスはクラシック中心で、民族音楽 など手に入りにくい楽曲も含まれるなど質が高いため、利用者か ら大変好評をいただいています。デジタル媒体の普及により、今 後視聴覚資料の果たす役割は、ますます重要となってきています。 そのため、千代田区立図書館では調査研究に役立つ資料を中心に 提供しています。また、劣化が激しいビデオ・カセットテープは、 CD・DVD へ切り替えています。 音楽配信サービス利用件数 34,543 件 月平均 2,879 件 22 レファレンスサービス(千代田図書館) 千代田図書館では、図書館資料やインターネット情報を駆使した質問・回答サービスにとどまら ず、利用者自身による問題解決のための支援サービスとして位置づけています。そのため、情報探 索コーナーには 9 種類のオンラインデータベースを検索できるパソコンの設置と検索結果のプリン トアウト、さらに、パスファインダーの作成と情報探索講習会の開催など、利用者によるセルフレ ファレンスをサポートしました。 レファレンスサービスカウンターでの相談内容は、記録を取り月毎に整理しています。本年度も 国立国会図書館のレファレンス協同データベースに、千代田区に関する事例の登録を行いました。 また、ビジネス支援サービス、行政支援サービスにも対応すべく、レファレンスサービス担当職 員が専門性を高めるために事例研究を毎月行っています。本年度は、外部講師による NDL レファレ ンスデータベースを活用した実践的な事例研究も行いました。さらに、国立国会図書館、都立図書 館等が主催する外部研修や、運営会社が開催する研修などに積極的に参加し研鑽をはかりました。 作成 6 件 「神田祭について調べる」 「環境について調べる」 「千代田区立の学校の歴史について調べる」 「業界情報を調べる」 「統計情報の調べ方(産業統計編)」 「戦前日本の出版物検閲制度について調べる」 更新 10 件 パスファインダー 「明治以降の住宅地図の調べ方」 作成・更新 「環境について調べる」 「法律(法令・判例)情報の調べ方」 「指定管理者制度の調べ方」 「おとなりの国 韓国を知ろう」 「女性の再就職に関する情報収集ガイド」 「童謡・軍歌・流行歌の歌詞の調べ方」 「日本文学(近代文学)の調べ方~小泉八雲について調べる~」 「ミュージカルについて調べよう」 「日本近代政治史について調べる」 レファレンス受付件数 千代田図書館:10,639 件 月平均 887 件 四番町図書館:5,697 件 月平均 475 件 登録 6 件 「千代田区内にある工場はどんな工場が多いのか知りたい」 NDL レファレンス協同 データベース事例登録 「西村伊作が設立した文化学院設立当時の場所を知りたい」 「パブリック・ドメインの活用に関する資料がほしい」 「東亜予備学校について」 「日比谷児童遊園について」 「小川小学校の学童疎開について」 第 1 回「欲しい情報を探すコツ」(6/1) 情報探索講習会 第 2 回「WEB 百科事典の使い方」(7/30) 第 3 回「WEB で見る 理科の実験、科学の理論 23 ~子どもと話したい「科学技術」の 楽しさ~」(8/20) 第 4 回 「インターネットを使って図書館サービスを 120%活用しよう」(9/24) 第 5 回 「いま、どんな本がネットで見られるのか ~インターネットで広がる本の 世界~」(10/28) 第 6 回 「新聞記事データベースの徹底活用術 ~「ヨミダス歴史館」編~」(12/3) 第 7 回 「電子図書が読める『千代田 Web 図書館』を使ってみよう」(3/3) 参考資料受入数 883 冊 地域資料受入数 303 冊 ビジネス支援サービス(千代田図書館) 千代田図書館の周辺には、合同庁舎等の国の機関や千代田区の機関が多くあるだけでなく、丸の 内や大手町などには企業の本社があり、日本を代表するビジネス街が形成されています。また、九 段下駅は地下鉄東西線、半蔵門線、新宿線といった通勤の途中駅にあたるため、帰宅途中のビジネ スパーソンを中心に調査、研究の場として利用されています。 こうしたビジネスパーソンを支援するために、各種オンラインデータベースの利用環境を整える とともに、ビジネス図書コーナーは利用者の課題認識になじみやすいよう NDC 分類にとらわれない 主題別の配列とすることで、ビジネスの課題解決に向けての思考や発想の転換をサポートできるよ う構成しています。 これらのセカンドオフィスゾーンに配架されている資料は、来館の際に貸出中で調査ができない ことが無いよう禁帯出資料としていますが、本年度は、貸出の希望が多かった情報探索コーナーの 新書を貸出可能にしたことや、各棚に分散されている新書を一ヶ所に集めたことで、ビジネスパー ソンの情報収集に活用できるよう整備しました。 ビジネス資料受入数 225 冊 新書受入数 3,156 冊 このように、図書館北側ゾーンをセカンドオフィスゾーンと位置付け、ビジネスパーソンの滞在 スペースとして以下の 4 つの要素をポイントに形成しました。 ① ネットワーク環境 最新の情報や資料の収集には、インターネット環境が必要不可欠となっています。館内で は有線 LAN・無線 LAN の接続や電源とネットワークコンセントの整備など、来館者各自の持 込みパソコンを利用しやすい環境を整えたことで、長時間滞在しての調査・研究を可能とし ています。 ② 滞在しやすい環境 調査・研究を行う来館者のために、キャレル席や隣席と仕 切りのある座席を用意し、集中して取り組むことができる環 仕切りのある閲覧席 24 境を提供しています。また、携帯電話利用コーナーの設置やペットボトル型飲料の持込みを 可とするなど、長時間の滞在が可能な環境を整備しています。さらに、読書環境維持の指針 により居眠りや長時間離席者に注意を促すなど、読書環境の向上に努めました。 ③ 情報豊かな環境 21 年度は、日経テレコン 21、聞蔵Ⅱビジュアル、ヨミダス歴史館、毎日 News パック、Japan Knowledge、JDreamⅡ、D1-Law.com、官報情報検索サービス、CiNii など 9 種類のデータベ ースを導入しました。これらのオンラインデータベースを利用し、最新の情報から過去の 新聞記事などを容易に検索して利用することができます。また、オンラインデータベース 提供会社が契約した範囲内での、プリントアウト(有料)にも対応しています。 日経テレコン 21 639 件、聞蔵Ⅱビジュアル 625 件、ヨミダス歴史館 564 件、 オンラインデータベース 毎日 News パック 428 件、JapanKnowledge 48 件、JDreamⅡ20 件、D1-Law.com 86 件、 利用実績 官報情報検索サービス 181 件、CiNii 46 件(合計 2,637 件、月平均 220 件) ④ ニーズに合った蔵書構築と蔵書形態 一般的なビジネス図書をはじめとして、経営学の基本や戦略的思考を獲得するための参考 となるような資料や、出版業・出版関連産業に関する資料を積極的に収集しています。本年 度は、「としょかんのこしょてん」の側に「出版にまつわる本棚」を設置し、地域産業資料 として複合的に活用できるよう整備しました。また、合同庁舎内にある特性を考慮し、白書 や統計資料をはじめとした国や千代田区にかかわる行政資料の収集を行っています。これら のセカンドオフィスゾーンに配架されている資料は禁帯出資料とし、来館の際に貸出中で調 査ができないことが無いように配慮しています。 行政支援サービス(千代田図書館) 千代田区内における行政資料の情報拠点となることを目指し、千代田区および関連団体が作成・ 刊行する資料を収集し整理・保存しています。千代田区役所内の様々な情報が図書館に集まること により、千代田区民に対する情報提供の窓口として機能すると同時に、区の政策決定や行政事務の ための資料・情報を提供し、職員の皆様の課題解決を支援します。21 年度は、庁内の納本制度の確 立と、行政資料収集に力を入れると共に、e メールでのレファレンスを受付けるなど、課題解決サ ービスに力を入れました。 納本制度 96 件、161 冊受入 団体貸出 33 件、98 冊貸出 レファレンス件数 10 件 25 福祉関連サービス 宅配サービスや対面朗読室、音声読み上げ機、拡大読書機の提供、大活字本の充実、千代田 Web 図書館の活用などにより、図書館の利用に支障がある人へのサポートを実施しました。 児童サービス 児童サービスは、 「千代田区子ども読書活動推進計画」 (平成 19 年 3 月 策定)をもとに、読書振興センターと協力して行いました。 千代田図書館は、建物の構造上子どものみで気軽に立ち寄れる環境に ないため、子どもへの直接サービスだけではなく、一緒に来館した保護 者も図書館利用ができるように配慮しています。そこで、子育て支援と おはなし会 も連動するサービスである「ブックスタート」や託児サービスの「こど もひろば」 、親子で楽しめる「おはなし会」 「大人も一緒に紙芝居鑑賞会」 などを定期的に開催し、児童サービスとともに育児支援も行いました。 また、中・高生のための読書・学習支援資料の収集にも力を入れました。 四番町図書館は麹町地区の住宅街に位置するため、子どもの利用も多 大人も一緒に紙芝居鑑賞 くきめ細やかな児童サービスを展開しました。21 年度は、親子で楽しめ る「おはなし会」の開催、児童書の企画展示の実施、こども一日図書館員の開催、中学生の職場体 験の受入などを実施しました。 昌平まちかど図書館、神田まちかど図書館は、小学校に併設されているため学校図書室と連携し た児童サービスを行いました。21 年度は、児童書の充実、調べ学習資料の収集、読書環境の改善、 学校支援担当との日常的な情報交換などを行いました。 千代田:24 回、588 人 おはなし会 四番町:12 回、114 人 ブックスタート(区民対象) 12 回、参加者 345 人 リカレント支援サービス(千代田図書館) 他の自治体に比べ子育て家庭数が少ない千代田区において、積極的な支援をすることは重要なサ ービスであるといえます。 「社会復帰に向けて勉強したいが、子どもを預けて勉強できる環境がな い。 」 「図書館を利用したいが、館内に預けるところがない」などの保護者の要望に応えるため、千 代田区役所の「いっとき保育」で実績のある、NPO 法人「あい・ぽーとステーション(子育て支援 者) 」に依頼し、千代田図書館の子ども室を利用して、子どもを一時的に預かる「こどもひろば」 を開催しました。子どもを預けている時間は、安心して図書館内で調査・学習をしていただけます。 この時間帯は、子ども室で「おはなし会」も行っています。 毎月第 1 土曜日の午前・午後、第3木曜日午前に実施しました。利用は、合計 10 人でした。 26 千代田 Web 図書館サービス 千代田区立図書館では、日本の公立図書館で初めて、Web 上で電子図書の貸出・返却ができる Web 図書館サービスの 提供を行っています。本年度もコンテンツの充実と利用し やすい機能の改善に努めました。千代田区在住・在勤・在 学者対象のサービスですが、千代田図書館内では、備付け パソコンや持ち込みのパソコンなどで、どなたでもコンテ ンツの利用が可能です。 21 年度末のコンテンツ数は約 4,600 タイトル(協力出 版社約 30 社)です。3D 図鑑や本文へのメモ機能、文字の 拡大など、電子図書ならではの特長を活かした利便性の高い内容となっています。 インテリジェント書架の活用(千代田図書館) IC タグの導入に伴い RFID 技術を利用し、 「ビジネス図書」や「出版にまつわる本棚」などの貸出 をしない資料の利用状況を調査しました。まだ稼働状況が十分ではありませんが、システム担当と 協力して今後も活用の可能性を探ります。 ◆ 研修室(千代田図書館) カウンターおよび電話での予約に加え、空き状況を確認しながらイ ンターネットを利用して研修室の予約ができます。このような利便性 からリピーターも増え、研修室の稼働率の向上につながりました。 稼働率は、月平均 69%でした。 ◆ キャレル席(千代田図書館) 予約制のブース型閲覧席です。座席指定ができるようにしたこ とと、キャンセルなどにより空席が発生した場合随時利用できる ようシステムを含めた運用改善をしたため、利用者の利便性が大 きく向上しました。 本年度も大変利用が多く、合計 31,420 人、月平均 2,618 人の利 用となりました。 ◆ AV ブース席(千代田図書館) 図書館所蔵の CD・DVD などの視聴覚資料を利用するための席で す。調査研究に役立つ資料を中心に提供しています。本年度は座 席の指定ができるように改善しました。 合計 6,255 人、月平均 521 人でした。 27 ◆ インターネット利用席 利用者が資料の検索や調べものに利用できるインターネット端末の設置された席です。千代田図 書館では座席の指定ができるように改善しました。千代田図書館は 8 席、四番町図書館、まちかど 図書館には各 1 席ずつ設置しています。 千代田図書館での利用は、合計 23,461 人、月平均 1,955 人でした。 ◆ 読書環境維持の指針 快適な読書空間を提供するために、下記の通り、読書環境維持の指針を作成しました。 注意勧告をする行為 1 居眠りをする 2 大声で話す 3 所定の場所以外で携帯電話を使用する 4 館内で飲食・喫煙を行なう(ペットボトル及びそれに準ずる密閉容器は可) 5 館内において無断で写真撮影をする 6 靴を脱いで座っている 7 その他、他の利用者の迷惑となる行為 8 ペットを連れたまま来館する(盲導犬等の身体障害者補助犬は除く) 注意勧告し、改善されない場合に退館をお願いする行為 1 荷物などを席に置き、一時間以上席を離れる 2 館内で熟睡する 3 閉館時間になっても館員の指示に従わず退館しない 4 座席に、靴下を脱いで座っている 5 大声を出すなど、暴言を吐き威嚇行為を行う 6 その他、図書館業務の遂行に害を与える行為 即時退館をお願いする行為 1 異臭を放つ 2 暴力的行為を行う 3 酒気を帯びている 4 他人をつけ廻すなど異常な行動をする 5 館内で洗髪や洗濯をする 6 館内で宴会を行う 7 その他、図書館業務の遂行に著しく害を与える行為 28 1-2 総務 主な業務として、庶務、予算の編成・執行、経理事務、環境保全等と多岐にわたる管理業務全般 を担当しています。また、区の所管課や関係機関とのパイプ役としての役割を果たし、組織体制の 強化をはかるとともに、各種サービスの提供や新規事業の展開を支えました。 ◆ アンケート 来館者アンケート調査を 3 回実施しました。 第 1 回 来館者アンケート調査 第2回 来館者アンケート調査 第3回 来館者アンケート調査 千代田図書館の利用実態を調査し、提供サービスの見直しや、より良いサービス提供を展開するための参考 目的 資料として活用する 対象 千代田図書館来館者 者 開館前の机上配布、来館者への直接配布、および館内にアンケート用紙と回収箱を設置(直接配布は 9 階エ 方法 レベーターホール脇・10 階入り口) ①6 月 14 日(日)休日 ①10 月 18 日(日)休日 開館前・昼間 配布数 150 ② 6 月 15 日(月)平日 時期 開館前・昼間 配布数 150 ② 10 月 19 日(月)平日 開館前・昼間 配布数 150 ③ 〃 夜間 配布数 50 ①2 月 19 日(金)平日 開館前・昼間 配布数 150 ③ 〃 開館前・昼間 配布数 150 ② 〃 夜間 配布数 50 ③2 月 21 日(日)休日 夜間 配布数 50 開館前・昼間 配布数 150 ◎アンケートの集計結果 千代田図書館利用者の特徴 男女比率がおおよそ 2:1 利用者の約 4 割が区内在勤・在学 利用頻度が高い(回答者の約 2/3 が週 1 回以上利用) 滞在時間が長い(回答者の 7 割以上が 2 時間以上滞在) 「平日夜 10 時までの開館」 「ゆったりとした読書環境」 「インターネットの使える閲覧 席やキャレル席などの館内設備」等の要素を強く支持している 29 3 回の調査のいずれにおいても、満足度については回答者のうち 90%前後の方々から評価をいた だく事ができました。 要望については、座席数の不足、キャレル席の運用方法に関する不満、館内の混雑に対する苦情 などが多く寄せられていました。これらの要望については、4 月にキャレル席の運用方法を改良し、 5 月に座席の増設を行う等の対応を致しましたが、依然として寄せられています。 ◆ 避難訓練 千代田図書館では、緊急時に利用者を安全な場所へ誘導できるよう、庁舎全体で実施された年 2 回の避難訓練に参加しました。また、12 月 27 日に図書館職員で実施した避難訓練では、消火器を 実際に用いた初期消火訓練を行ないました。 地域館及び分館では、四番町図書館が 12 月 20 日、昌平まちかど図書館が 12 月 13 日、神田まち かど図書館が 12 月 20 日に避難訓練を実施しました。 ◆ 諸会議 千代田区と図書館幹部職による幹部会が月 1 回開催されました。 また指定管理者各社の代表者による三社会を千代田図書館長を加えて月 1 回、千代田図書館幹部 職による会議を週 2 回、千代田図書館サービスプロデューサーと地域館及び分館の責任者による会 議を月 1 回開催しています。 ◆ 「エコワット」貸出業務 環境安全部と連携し、家電製品の電気料金や電力量などが測定できる機器「エコワット」の貸出 事業を 12 月 1 日より開始しました。 ◆ 広告物の設置 平成 21 年度も昨年同様にホームページにて広告物の公募を行い、応募があった本のしおり・ブ ックカバーの設置を開始しました。内容については以下の通りです。 *本のしおり 野村不動産㈱の広告物を 5 月 1 日より、日本大学の広告物を 9 月 16 日より設置 *ブックカバー 東急リゾート㈱の広告物を 5 月 18 日より、三井不動産㈱の広告物を 6 月 1 日より設置 30 2.企画・システム 2-1 企画 ◆企画展示 千代田図書館において、5つのコンセプトの一つ「千代田ゲートウェイ」に基づき、閉架 書庫に所蔵されている貴重なコレクションを公開するほか、出版産業、地域資源情報に関 する展示、古書店連盟と連携する展示および関連するセミナーや講演会を行いました。 古書店「弘文荘」の反町茂雄は、豊富な知識と綿密な 調査に基づいた解説を目録に加え、目録販売を大きく 「古書販売目録と反町茂雄」 (1/25~3/27) 発展させました。反町氏が扱った古典籍の中には、後 に国宝や重要文化財に指定されたものも多数あり、伝 説の古書店主として知られる人物です。古書販売目録 は、歳月を経て、過去の書物の存在や価格を知ること ができる貴重な資料となりました。この展示では、古 書の目録販売の歴史と反町氏の業績を解説するとと もに、普段目にする機会が少ない目録類を紹介しまし た。 (協力:神田古書店連盟、大妻女子大学国文学会、 長岡市立中央図書館) 古書販売目録コレクション紹介展示 「文化を未来へ手渡す―コロタイプ印刷の 世界」 (5/25~7/25) 【関連セミナー】 ●「コロタイプ技法―国宝をうつす、伝える―」 (7/4) 講師:西村寿美雄(便利堂) コロタイプ印刷の技術と文化財複製について、 ベテラン職人の実演も交え、手法と実績を解説 していただきました。 31 出版産業に関連する展示 滑らかで深みのある質感が特長のコロタイプ印刷は、 約 150 年前にヨーロッパで生まれ、日本で発展し、近 年はアート表現の手法としても注目されています。微 妙な色彩の変化や筆力の忠実な再現を可能とするこ の技法は、文化財の保存や焼失文化財の再現、流出文 化財の複製等において重要な役割を果たしてきまし た。このコロタイプ印刷の技術と活用事例を紹介しま した。 (協力:株式会社便利堂) 千代田図書館コレクション展示 【関連トークイベント】 (共催:神田雑学大学、協力: 神田古書店連盟) ●「古書販売目録の面白さ」(11/27) 講師:中野三敏(九州大学名誉教授) ●「古書販売目録と国文学研究」 (1/29) 講師:井上宗雄(立教大学名誉教授) ●「反町氏の思い出と古書販売」 (3/5) 講師:八木壯一(八木書店) ・高野哲夫(筑波書店) ・ 八鍬光晴(浅草御蔵前書房) ・中野智之(中野書店) 「地方出版物で知る、全国ご当地情報」 全国各地の出版社が発行している、観光ガイドブック (7/27~9/26) には載っていない郷土史や伝統文化に関する詳しい 情報が掲載された本や雑誌を集めました。この展示で は、そのような図書や雑誌のほか、千代田区内にある 地方出版物を豊富に扱う書店や各都道府県のアンテ ナショップなども紹介しました。 「人文書のすすめ ~じっくり読みたい 古代を語るものから現代社会を論じるものまで、生命 300 冊を集めました~」 (9/28~11/21) の神秘を探るものから自然の驚異に迫るものまで、多 様な分野を越境する書物群である人文書。この人文書 社がお薦めする 300 冊を展示しました。 (連携先: 人文会) 【関連講演会】 ●「本づくりのプロに聞く、大人のための読書術」 (10/27) 人文系出版社の編集者は、どのように情報収集を行っ 出版産業に関連する展示 の持つ豊穣な世界を体験していただこうと、 19 の出版 ているのか。図書館員はどのように本を選んでいるの か。個人的に愛用している本選びのツールや図書館の 使い方など、本づくりのプロフェッショナルと図書館 員が、それぞれの読書術を紹介していただきました。 前田求恭 (吉川弘文館 西谷能英 (未來社 代表取締役社長) 熊沢敏之 (筑摩書房 関口秀紀 (平凡社 代表取締役社長) 代表取締役専務) 執行役員編集一部部長) 竹中英俊 (東京大学出版会 持谷寿夫 (みすず書房 常務理事) 代表取締役社長) 新谷迪子 (千代田図書館長) 「神田祭 いま・むかし展」 (3/23~5/23) 2009 年は神田祭が行われる、2 年に 1 度の特別な年で した。それに合わせ神田祭の歴史と現在の様子を紹介 する展示を行いました。千代田区の歴史ある祭を、錦 【関連セミナー】 ●「神田祭、祭のあと」 (6/4) 講師:岸川雅範(神田明神資料館) 神田祭を様々な角度から振り返り、祭に携わった方々 の感想などを盛り込みながら、祭の楽しさを紹介して いただきました。 32 地域資源に関する展示 絵や写真で紹介しました。 「 ‘おいしく、食べる’の科学展 at 千代田 日本科学未来館で開催されていた、先端科学技術の視 図書館」 (11/23~1/21) 点で捉える食の姿を伝える企画展「‘おいしく、食べ る’の科学展」に連携して、展示の一部を紹介すると ともに「味覚」や「食品保存」「食の安全」など食に関連 催:日本科学未来館、協力:独立行政法人科学技術振 興機構(JST)、千代田保健所 ) 【関連イベント】 ●「 ‘おいしく、食べる’のヒミツを探る」 (12/22) 講師:五十嵐海央(日本科学未来館 科学コミュニケー 地域資源に関する展示 するテーマの本約 120 冊を集めて展示しました。 (共 ター)、宮崎亜古(千代田図書館 学校支援担当司書) 「チョコレートと温度のヒミツ」や「未来の栄養食の ヒミツ」など、最新科学についてサイエンスコミュニ ケーターに面白くてわかりやすくお話ししていただ いたあと、生きている‘未来の食材’を観察しました。 ミニ展示「古書販売目録と大妻女子大学所 大妻女子大学との連携により、同図書館および同草 蔵資料」 (9/28~11/21) 稿・テキスト研究所が収集してきた資料の複製とそれ に関連する古書販売目録類を展示しました。古書店の 通販カタログである古書販売目録類がとり結んだ数 奇な縁や、時を超えて生き続ける古典籍の魅力を解説 しました。 (連携先:大妻女子大学) 【関連講演会】 ●「古書販売目録―歴史・利用法・魅力―」(11/6) 展示資料を中心に、その誕生過程を解説しつつ、古書 販売目録の持つ具体的な意義やさまざまな利用法、そ の魅力の一端などを紹介していただきました。 ミニ展示 「出版に関わる貴重なコレクショ 「出版にまつわる本棚」に連動して、普段は閉架書庫 ン」 (11/23~1/21) で保管している二つのコレクション「内務省委託本」 (戦前に検閲された資料 )、 「古書販売目録」 (古書の 通信販売カタログ)から、代表的なものを紹介しまし た。 ミニ展示「古書販売目録 江戸時代の中期から後期にかけて活躍した浮世絵 にみる葛飾北斎」(1/25 師・葛飾北斎の代表作品である『富嶽百景』『冨嶽三 ~3/27) 十六景』シリーズの図版や、滝沢(曲亭)馬琴とのコ ラボレーション作品『椿説弓張月』の図版が掲載され た古書販売目録を展示しました。また、北斎作品を買 い取る際の基準が書かれた大正期の資料『古代錦絵江 戸絵又絵紙買入概價表』も紹介しました。(協力:大 『古代錦絵江戸絵又絵紙買入概價表』吉澤商店輸出部 屋書房、中野書店 ) 33 千代田図書館コレクション展示 講師:石川了(大妻女子大学文学部教授) ミニ展示 「上越市と直江兼続」 NHK大河ドラマ「天地人」の舞台のひとつである新 (7/27~9/26) 潟県上越市と、主人公直江兼続に関する図書などを紹 介しました。 (連携先:上越市立高田図書館) ミニ展示 「幕末福井のあらまし」 江戸時代、福井藩は常盤橋付近に広大な屋敷地を拝領 (7/27~9/26) し、激動の幕末期に重要な役割を果たしていました。 た幕末福井の群像などを貴重な資料と解説で紹介し ました。 (連携先:福井県) 【関連講演会】 ●「参勤交代と江戸屋敷・江戸城―福井藩主の参勤と 地域資源に関する展示 福井藩と江戸のつながりや、藩主松平春嶽を中心とし 江戸城登城を中心に―」 (9/9) 講師:印牧信明(福 井市立郷土歴史博物館学芸員) 神田古書店連盟連携展示・販売(仲介) 「と Vol.23 山田書店「荷風の本」 (4/1~4/30) しょかんのこしょてん」 Vol.24 ビブリオ「野球の古書展 -野球発祥の地にちなん で-」 (5/1~5/31) Vol.25 Vol.26 南洋堂書店「 ○○と建築」 (6/1~6/30) かげろう文庫「初夏のウィリアム・ブレイク祭り」 (7/1~8/2) Vol.27 ブックハウス神保町「しかけ絵本の変遷」(8/3~ 8/31) Vol.28 アートブックショップ「現代に生きるケイト・グリ ーナウェイ・コレクション」 (9/1~10/4) Vol.29 高山本店「能画の世界」 (10/5~11/3) Vol.30 長島書店「なつかしのヒーロー達」 (11/4~11/30) Vol.31 松雲堂書店「名所図会を楽しもう」 (12/1~12/24) Vol.32 源喜堂書店「戦前~戦後の写真集 ドキュメンタリー 写真を中心として」 (12/25~1/31) Vol.33 玊睛(きゅうせい) 「河鍋暁斎の弟子の旧蔵資料」 (2/1 ~2/28) Vol.34 奥乃庫「東京の演劇公演-戦後のパンフレットを中 心に」 (3/1~3/31) 34 ◆企画セミナー・イベント 区内の大学やミュージアムなどと連携して、図書館だけでなく区内の様々な文化資源・ 情報資源の入り口となるようなセミナーを開催しました。 千代田図書館コレクション ●トークイベント「航海秘話シリーズ(全6回) 」 関連セミナー 内田嘉吉文庫を使い、神田雑学大学と連携してトークイベントを開催しま した。テーマに沿った肖像画や地図を見せながら、通訳として各国を訪れ、 現地でも調査を行った講師が、船旅とそれにまつわる人間模様についての 話をしました。アマチュアの研究家が、内田嘉吉文庫に気軽にアクセスす るヒントを提供する機会になりました。 講師:中村 孝(ロシア語通訳) 第1回 大航海時代① マルコ・ポーロとコロンブス(4/17) 第2回 大航海時代② マゼラン(5/22) 第3回 大航海時代③ ドレーク(6/10) 第4回 幕末の密航① 英語教師マクドナルド(7/24) 第5回 幕末の密航② 新島襄と箱館(8/21) 第6回 幕末の密航③ 薩摩藩士・森有礼(9/18) 千代田図書館コレクション ●夏の資料調査イベント「古書販売目録を調べる」(7/18~20) 調査イベント(7/18~20) 千代田図書館は、明治から昭和 40 年代にかけての古書販売目録約 7000 点 を所蔵しています。それを作家、歴史上の人物、文化財など、参加者独自 の切り口で調査するイベントを行いました。 出版社との連携セミナー・ ●人文会連続セミナー イベント 知りたい情報を得る“本選び”のコツの1つに、出版社のこだわりや特色 を知ることがあります。たくさんの本の中からどれを読んだらよいか悩ん でしまう人のために、人文会に加盟している出版社の社長や編集者が、こ だわりの 1 冊やロングセラーの誕生秘話を通じて、自社が得意とする分野 を紹介しました。 第1回 「『国史大辞典』物語──日本史への道案内」 (4/28) 講師:吉川弘文館 代表取締役社長 第2回 「企画から出版まで──編集歴 33 年の経験から」 (5/26) 講師:未來社 代表取締役社長 第3回 前田求恭 西谷能英 「二十世紀の思想を俯瞰する」 (6/23) 講師:筑摩書房 代表取締役専務 熊沢敏之 第4回 「百科事典ができるまで──最後の〈紙〉の百科『世界大百科 事典』 」 (7/28) 講師:平凡社 執行役員編集一部部長 第5回 関口秀紀 「福澤、南原、丸山と大学出版の未来」 (8/25) 講師:東京大学出版会 常務理事 竹中英俊 第6回 「『夜と霧』 『生きがいについて』ロングセラーの誕生―“シロ 難解”出版社のめざすもの―」 (9/29) 講師:みすず書房 代表取締役社長 35 持谷寿夫 その他のセミナー・イベント ●「ファイナンシャルアドバイザーが伝授 今日から始める教育資金準備」 (5/14) 講師:ファイナンシャルアドバイザー 矢澤 克彦(三井生命保険株式会 社) ●出光美術館×千代田図書館 アートサロン「ユートピア~描かれし夢と 楽園」 (11/20) 出光美術館で開催された、 “ユートピア”(理想郷)をテーマに、日本美術の 優品を集めた展覧会の関連イベントとして、千代田図書館に出光美術館の 学芸員を迎え、展示作品について古来描かれてきた「夢」と「楽園」の知 られざる特質などのお話をしていただきました。 (連携先:出光美術館) 講師:宗像晋作 (出光美術館学芸員) ◆書架づくり関連事業 ●ミュージアムおすすめ本展示 千代田区ミュージアム連絡会に参加している各館に関係のあるテーマで本を選んでもら い、パネルとブックリストで紹介する常設展示「ミュージアムおすすめ本」を実施しまし た。本展示は、各分野の専門家のアドバイスを選書に活かしディスプレイの改善を図り、 書架にゲートウェイ機能を持たせる目的も同時に果たしています。 憲政記念館(4月) 昭和館「戦中戦後、人々の暮らし」 (6 月) 出光美術館「日本・中国の美術品」 (8 月) 国立公文書館「アーカイブス」 (10 月) ●出版関連コーナー(出版にまつわる本棚)のディスプレイの設置 千代田図書館では、 「出版」が千代田区の地域産業のひとつであり、出版界あっての図書 館であるという視点に立ち、その出版産業を盛り立てて行くための様々な取り組みを行っ ています。その一つとして、出版に関する図書資料を館内の一か所に集め、 「出版にまつわ る本棚」を設置しました。 そこに「出版アドバイザーがおすすめする本」、出版の歴史や流れなどを知ることができ る「出版に関わる年表」というディスプレイを設置しました。 36 ◆その他の事業 ●蘆原情報図書館連携事業 業務協力協約を結んだ蘆原区立蘆原情報図書館と図書の交 換をし、蘆原情報図書館コーナーを設置し、来館者に好評を いただいています。 ま た 、 蘆 原 情 報 図 書 館 発 行 の 定 期 刊 行 物 “ Journal of Library and Librarian”に千代田図書館の紹介記事を寄稿し、 カラー4ページで紹介されました。 ●インターンシップ受け入れ(6/30~7/28) 千代田区にキャンパスのあるLEC大学よりインターンシップを2名受け入れました。 開館前の書架整理の他に、企画展示の準備などの図書館業務を体験してもらいました。 ●コレクション関連刊行物、展示記録 PDF の作成 コレクションを紹介するパンフ レットの発行や、コレクション関 連の展示の記録 PDF を作成してホ ームページに掲載することで、利 用者のコレクションへの理解を深 め、利用を促進しています。 21 年度は、古書販売目録のパン フレットの発行、 「古書販売目録に みる葛飾北斎」の展示記録 PDF を 作成しました。 37 2-2 システム IC タグの活用 千代田図書館では、平成 21 年 2 月から IC タグ(RFID システム)を活用しています。 ●設置の目的 ① セキュリティ機能 ・ 図書館内からの蔵書無断持ち出しによる資料紛失防止 ② 自動貸出機導入 ・ 貸出手続きの迅速化 ・ 利用者自身の貸出手続によるプライバシー保護 ・ 貸出手続きの自動化による作業軽減・省力化 ③ 蔵書点検省力化 ・ 作業省力化による蔵書点検日数の短縮化 ④ 館内での図書の動きのデータ収集 ・ 貸出数に加え、開架書架から取り出して、閲覧だけの場合でも利用状況の把握が 可能 ●設置機器 ・自動貸出機…利用者のプライバシー保護やカウンタースタッフの業務効率化のため、 自動貸出機を設置しました。これにより、カウンターでの貸出・返却業務が軽減さ れています。 ・セキュリティゲート…図書館の出入口には、財産である図書資料の無断持ち出しを 未然に防ぐため、セキュリティゲートを設置しました。 ・タグ用ワークステーション…IC タグを活用して複数冊の一括返却処理など効率的な 業務を行うため、図書館システム業務用パソコンにタグ用ワークステーションを備 え付けました。 ・IC タグ対応棚(インテリジェント書架)…千代田図書館では、ビジネス図書は禁帯 出扱いとし、いつでも資料にアクセスできる環境を整えていますが、そうした図書 は貸出頻度による利用状況の把握ができません。そのため、棚から図書が取り出さ 38 れた回数や時間等を把握することが可能となる IC タグ対応棚(インテリジェント 書架)を導入しました。 21 年度は「ビジネス図書」、「出版にまつわる本棚」などの禁帯出資料の利用状 況を調査しました。 ◆古書販売目録データベースの改善 従来の古書販売目録のデータベースが検索しづらいものだったので、新規検索項目の 追加(旧蔵者、画像有無)と検索結果の表示のデザイン変更、項目追加を行いました。 また、中野三敏氏寄贈分の資料データ 2,500 件を新たに追加しました。 39 3.読書振興センター 読書振興センターは読書振興センター・広報・学校支援・コンシェルジュを配置し、広報や学 校支援、コンシェルジュの 3 者の協力体制のもと、それぞれの業務の特性を活かして読書推進活 動を行っています。 3-1 読書振興センター 読書振興センターは、 「千代田区子ども読書活動推進計画」 (平成 19 年 3 月策定)に基づき、① 読書に関する啓発・普及のためのイベント開催、②地域との連携強化および地域資源・財産の活 用、③読書振興に関わる情報の収集と発信の 3 つを活動の重点項目とし、子どもとそれを取り巻 く大人をメインターゲットとして活動しました。中でも地域と連携した活動を意識し、こどもの 読書週間には区内の公立小学校のジャズバンドと学校支援司書による音楽とお話のコラボレーシ ョンのイベントを開催したり、神保町の古書店の協力のもと、図書館コンシェルジュによる神保 町ツアーを実施したりしました。 ◆イベント こどもの読書週間イベント(4/25) こどもの読書週間(4/23~5/12)に合わせ、音楽と読み語 「ことばと音のフェスティバル♪ りを組み合わせたイベントを実施しました。 ちよだ音楽おはなし隊」 音楽は、学校内外で活躍している区立和泉小学校のビッグ バンド“IZUMINOTES”が担当し、読み語りは学校支援司書 が行いました。 また、このイベントに合わせて、サービスの児童担当と連 携し、児童コーナーにイベントに関連した図書を展示しま こども・大人向けイベント した。 (4/23~5/12) 「としょかん☆プラネタリウム」 (7/12) 「世界天文年 2009」にちなみ、子どもたちが星や天体、 宇宙のしくみに興味が持つきっかけとなるよう、また、自 分が興味を持った事柄について自分で調べる楽しみを知 ることを目的に 3 部構成で合計 3 回、実施しました。 (プ ラネタリウムを子ども室に設置) 併せて、天文学関連図書を児童コーナーに展示しました。 (7/12~31) 講師:小林弘美(五藤光学研究所株式会社) 第 1 部:ドーム型プラネタリウムで星空を観察 第 2 部:ドームの外で、映像やスライドを使い、7 月 22 日に起こる日食についてや星や天体について説明 第 3 部:星座早見盤の作成、星座を探すコツなどの説明 40 「調べ物戦隊レファレンジャー」 通常は区立の教育機関での読書環境や読書活動の支援業 (7~8 月 合計 12 日間) 務を行っている学校支援担当司書が、夏休みに千代田図書 館に来館する子どもや保護者向けのレファレンスを行い ました。 「千代田図書館で学ぼう! 小学校の夏休み期間中に、各界で活躍している方に講師と 夏のわくわく課外授業」(8 月) なっていただき、学校とは一味違った課外授業をしまし た。また、授業風景や授業で作成したものを千代田図書館 内に掲示しました。 ●算数(8/3) :<算数マジック> 講師:大久保康平(マジシャン) 東大卒のマジシャンによる数理マジックで不思議な計 こども・大人向けイベント 算式や数理トリックを体験。 ●国語(8/7) :<古典芸能を楽しもう> 講師:神田蘭(講談師) 講談を学び、聴く人にわかる話の組み立て方や話し方、 人を引き込む語りのテンポと歯切れの良さを体験。 ●社会(8/19) :<ちびっこ記者「私が伝える」> 講師:尾内資介(読売新聞社編成部次長) 講師から新聞の果たす役割・取材の心得などを聞いた 後、「かちかち山」を題材として、取材・新聞記事の作 成を体験。 ●図工(8/26) :<じぶん世界マンダラ☆> 講師:吉澤久美子(美術家) 仏教の曼荼羅をモデルに、自分を中心にして、自分を取 り巻く世界(好きなもの・好きなこと・おもしろいこと など)を描き、自分を取り巻く世界を意識してもらう。 「読み聞かせスキルアップ講座」 家庭で読み聞かせを行っている方やボランティアとして 活動している方たちを対象に、自己研鑚の場としてスキル (2/20、3/6、20、27) アップの講座を開催しました。 講師:櫻井美紀(NPO 法人 語り手たちの会理事長) 4 回コース 41 第1回 「心のきずなをつくる声とことば」 第2回 「言葉の音楽性」 第3回 「日本と世界の子どもの本にふれる」 第4回 読み聞かせ発表会 新聞深読みセミナー(2/25) 国民読書年である 2010 年に、社会との接点となる新聞を 第 1 回「激動の政局と新政権の課題」 通して、社会人としての基礎力を育てる「新聞深読みセミ ナー」を活字文化推進会議と読書振興センターの共催で開 催します。第 1 回目は 2 月に実施しました。2~4 回目は、 こども・大人向けイベント 5、9、12 月に実施予定です。 講師:村岡彰敏(読売新聞東京本社政治部長) JRAC 本まつり in じんぼう(2/27) 主催:JPIC(財団法人 出版文化産業振興財団)読書アド バイザークラブ(JRAC) 共催:千代田区読書振興センター 子どもから大人まで幅広い層を対象に本の楽しさを伝え、 出版文化の促進に役立てることを目的とし、千代田図書館 や区民ホールで、絵本作家山口マオ氏の版画ワークショッ プ&トークショーや古本ライター岡崎武志氏の古本道場 (トーク)&神保町古書店街ツアーなどを開催しました。 「図書館コンシェルジュと巡る ●ナイトツアー (協力:高山本店) 神保町ナイトツアー」 (5/25) 古書店が閉店してからの神保町エリアで、ビジネスパーソ ンが活用できる場所・楽しめる場所を紹介。コンシェルジ 「図書館コンシェルジュと巡る 神保町ツアー ~和本編~」 (11/13) ュが街の文化・歴史を案内し、老舗喫茶店“さぼうる”で は、有名なナポリタンをいただきながら、マスターに神保 町の喫茶文化の話を伺いました。 ●和本編 (協力:中野書店) 11/13~16 に古書会館で開催される「古典籍展観大入札 会」に合わせ、古典籍の魅力と古典籍展観のみどころにつ 地 いて、中野智之氏に講義をしていただき、その後神保町の 域 街案内をしながら、古典籍展観大入札会に出品される古典 連 籍類を自由に見学しました。 携 イ ベ 「本と出会う読書サロン」への協力 JPIC(財団法人 出版文化産業振興財団)読書アドバイザ ン ークラブ(JRAC)のメンバーが主催する読書会が毎月第 3 ト 火曜日に開かれています。読書振興センターは、参加者の 募集告知などに協力しています。 神保町ブックフェスティバル関連イベ 文字活字推進会議主催の【活字文化特別セミナー「だれも ント「活字文化特別セミナー」講演・対 教えてくれなかった『源氏物語』本当のおもしろさ」】に 談の講師おすすめ本および関連本(古典 協力し、セミナー告知・講師(林真理子氏、岡田ひろみ氏) のおすすめの古典展示・関連する本の展示・古典の日 関連)展示(10/1~11/1) (11/1)の紹介などを第 2 展示ウォールで行いました。 42 地域連携イベント 「ボランティアウィーク 2009」関連本の 千代田区ボランティアセンター主催の活動イベントの周 展示(11/17~12/5) 知に協力。イベントの内容に合わせて、ボランティア関係 やエコなどの関連図書を展示しました。 「子育てハッピーデー」への協力(2/20) 千代田区社会福祉協議会主催のイベント参加者に、絵本の 読み聞かせ・おすすめの絵本の紹介・読書相談などを行い ました。 ◆「ちよぴたブログ」の開設 千代田区は、世界有数の出版関連企業の集積地と言われ、 区内では実にさまざまな読書推進活動が行われています。 それらの情報を集約・発信し、本や文字・活字に興味を持つ きっかけとなるように、ウェブログ「ちよぴたブログ」を 1 月 18 日に開設しました。 ◆その他 「福祉コンシェルジュ」(千代田区社会福祉協議会)へ接 遇マナーのワンポイント研修をしたり、『2009 年 出版再販・流通白書 No.12』(社団法人日本 書籍出版協会)へ寄稿したりと、他機関へさまざまな協力をしました。 3-2 広報 千代田図書館では、19 年度のリニューアルオープン以来、従来の図書館とは異なる、新しいコ ンセプトにそった広報活動を展開してきました。3 年目にあたる 21 年度も引き続きサービスやイ ベントなどを基に、ニュース性があり、かつコンセプトを明確に伝えることができる情報をマス コミや利用者に発信しました。また、新しい図書館としての場の提供のために、ターゲット層の 来館を促す広報イベントの開催や来館者調査などを行いました。 ◆ 広報媒体物の作成 ①交通広告 秋の読書週間に合わせ、読書振興のための キャンペーンポスターを作成し、千代田区内を通る 主要地下鉄の車内や近隣店舗・施設への掲出を行いました。 43 読書振興のための キャンペーンポスター ②館内利用制作物 館内利用ガイドと視察者用パンフレットを改訂し、新しくわかりやすい情報を利用者およ び視察者に提供しました。 ③千代田図書館情報誌(年 2 回発行) 千代田図書館の情報をはじめ、千代田区に関わる人やモノ、 施設などを取り上げ、地域に密着した情報を掲載しました。 ◆ パブリシティ効果 ◎メディアへの露出・・・計 82 件 1)テレビ・ラジオ 11 件 2)新聞 44 件 3)雑誌 12 件 4)Web 5件 千代田図書館情報誌 5)その他(会員紙・社内報など) 10 件 ◆ 広報イベントの開催 ビジネスパーソンをメインターゲットとする千代田図書館として、そのターゲット層の来館を 促し、ビジネスに役立ててもらうことや図書館の取り組みを知ってもらうことを目的に、イベン トを開催しました。 ①「千代田図書館で靴も自分も磨く~BOOTBLACK at Library~」(6 月~毎月第 1 月曜日開催) 先進的なサービスで注目を浴びる靴磨き職人と話をし、ビジネスのアイディアを得たり、 靴磨きの間に図書館の資料で調査・研究したりと千代田図書館のコンセプトの一つでもある 「ビジネスの育つ空間」を実現するイベントを実施しています。 講師:長谷川裕也(靴磨き職人) ②「大人のためのランチタイムおはなし会」 (10/27~11/9) 秋の読書週間中の平日 9 日間のランチタイムに、千代田図書 館の司書による大人のための読み聞かせを行いました。お昼休 みに図書館で過ごしているビジネスパーソンなどに、より気軽 に図書館や図書に接してもらうきっかけとなりました。 ③「大人も子どもも一緒に学ぶ 経済や株のしくみ」 (12/28) 大人と子どもが一緒に経済や株などの基本的な仕組みを学んだことにより、子どもは親の 仕事について考え、大人はあらためて経済の仕組みや自分の立ち位置などを考えるきっかけ となりました。 講師:大崎正行(東京証券取引所) 44 ④ 俳句ワークショップ「はじめての俳句・さくらの一句」 (3/18) 初心者向けの俳句ワークショップを開催しました。桜に関する季語などの話のあと、参加 者が春の季語を使って俳句を詠み、参加者や講師から講評をもらい、参加者同士のコミュニ ケーションも取れた、大変充実した内容でした。 講師:大高翔(俳人) ◆ 来館者調査 2007 年リニューアルオープンより増加したビジネスパーソンの利用実態を改めて調査しました。 ビジネスパーソンの図書館利用方法やニーズを探るため、11 月に 30 名のビジネスパーソンへイ ンタビューを行いました。ビジネスパーソンの利用理由の多くは、調査や学習を行うための施設 や設備などの環境を重視しており、その綺麗さや使い勝手の良さ、10 時までの開館に良いイメー ジを持って来館しています。今後更にビジネスパーソンに図書資料を有効活用してもらうには、 ニーズにあった資料の充実や見直し、そして、それらの資料の存在や活用方法を告知する必要が あります。 これらの結果は館内の各セクションにフィードバックし、図書館の運営に活かしてい きたいと考えています。 3-3 学校支援 学校支援業務は、区立の教育関連施設(小学校、幼稚園、こども園、保育園、児童館)の児童、 乳幼児とその保護者、各施設の教職員に対して、読書活動を支援していく事業です。「千代田区 子ども読書活動推進計画」(平成19年3月策定)に基づき業務内容を策定しています。 ◆ 施設ごとの支援状況 区立小学校への支援 (各校週2回勤務:1回6時間) 21年度は昨年度に引き続き、読書活動や授業の支援に重点を置 きました。図書館利用のオリエンテーション授業は、年1回の実 施が定着しています。授業での資料の利用がさらに増え、授業支 援の件数も前年度の2倍以上になり、司書へのブックトークの依頼 も2.5倍に増えました。 また、研究授業に司書も参加して、ブックトークで本の紹介、 調べ学習の中で子どもと接しながら子どもと本を結びつけるフロ アーワーク等で協力しました。司書が活用される場が増えてきて います。 司書教諭(または、図書担当教諭)と千代田図書館学校支援の 司書との学校図書館連絡会は、今年度初めて開催しました。 連絡会担当の校長先生と教育委員会の育成指導課指導主事にも参 加していただき、情報共有の場となりました。 45 第1回学校図書館連絡会 5/19 (千代田図書館) 第2回学校図書館連絡会 (千代田図書館) 会議 情報探索講習会 7/30 7/30(千代田図書館) 講座 図書ボランティア講習会 8/27(お茶の水小学校) 区立幼稚園・こども園・保育園への支援 (各施設月1回勤務:1回3時間) 21年度は、引き続き、特別展示や幼児向けの配架を工夫し、読み聞かせと蔵書構成のアド バイスを含む新規購入のリスト作りなどの支援をしました。日常業務の中で、利用指導を取 り入れることにより、「本を大切にする」「決まった場 所に戻す」などの基本的な使い方が身につき、小学校入 学後の利用指導に結びついています。 また、保護者や教職員向けの読み聞かせや絵本につい ての講座を実施しました。講座の内容などを盛り込んだ 読書便り「まほうの絵本」も年4回、発行しました。 「読み聞かせの大切さについて」 7/15 (昌平幼稚園) 「親子お話会・読み聞かせ講座」 8/28 (お茶の水幼稚園) 「子育て支援 読み聞かせ講座」 9/12 (麹町保育園) 講演・講座 「第2回読み聞かせ講座」 9/15 (お茶の水幼稚園) 「未就園児親子お話会」10/20 (お茶の水幼稚園) 「読み聞かせ座談会」 11/2 (麹町幼稚園) 「読み聞かせ講座」 1/25 (いずみこども園) 児童館への支援 (月1回勤務:1回3時間) 児童館は、赤ちゃんから高校生まで利用していますが、21年度も、乳幼児とその保護者への 対応に主眼を置いて業務に取り組みました。児童館が設定している乳幼児の時間に司書も参加 し、読み聞かせや手遊びを実施して個別の読書相談にも応じるなど月に1回の勤務を通じ、利用 者との継続した関わりが実現しています。 夏休みには、児童向けに感想文の書き方講座や本の紹介のためのブックトークを実施しまし た。また、「怖い話のお話会」を単独で、あるいは児童館のお化け屋敷などのイベントの中で 実施し、多くの児童の参加がありました。 「ブックスタート講習会」 7/8 (神田児童館) 「子ども読書講座」 8/4 (富士見児童館) 講座 イベント 「夏休みブックトーク」 8/12 (四番町児童館) 「夏休み 怖い話のお話会」 8/4、12、21、24、28 (5児童館) のべ388人参加 46 ◆ 全体業務 各種リストや読書便りの作成 ① 購入図書アドバイスに伴うリスト作成 蔵書構築アドバイスの一環として、図書購入にあわせて、蔵書比率を考慮した選書アド バイスを実施し、リストを作成しました。それが図書購入に活かされ、蔵書構成が整って きました。 ② 読書便りの発行(小学生向け2回、幼児向け2回、保護者向け7回 合計11回) 読書便りは、小学生・幼児向けの読書案内「おはなしトレイン」と、保護者・職員向け「まほうの絵 本」「まほうの図書室」を発行しています。 「おはなしトレイン」小学生版・幼児版(夏号・冬号) 読書便り 「まほうの絵本」乳幼児保護者向け (4月・7月・12月・3月) 「まほうの図書室」小学生保護者向け(7月・12月・3月) 団体貸出 司書の勤務が定着し、資料の利用が活発になり司書への相談も増えてきました。その結果、 調べ学習や読書のための資料は、支援先への団体貸出も活発に行われました。 団体貸出 80件 1,422冊 企画事業 支援先以外にも、千代田図書館内での企画事業や、区内機関、館内他グループと連携、協力 して、読書振興の活動を実施しました。 ・こどもの読書週間イベント 千代田図書館での 活動 「ことばと音のフェスティバル♪ちよだ音楽おはなし隊」(4/25) 音楽と読み語りを組み合わせたイベント。内容構成と読み語りを担当。 47 千代田図書館での 活動 ・「調べ物戦隊 レファレンジャー」 夏休み中に子どもや保護者向けに読書相談を実施 (7、8月 合計12日) レファレンス件数:27件 レファレンジャーバッチ 千代田図書館読み聞かせボランティア研修講師 (1/25 サービスとの連携) 「‘おいしく、食べる’のヒミツをさぐる」ブックトーク (12/22 企画との連携) 「子育てハッピー ♡デー」(千代田区社会福祉協議会)への協力 (2/20) その他機関への協力 (「ぴったり絵本をさがそう」のテーマでおはなし会の実施と本の紹介) ◆ 学校支援実績(全施設合計) 支援活動回数 875 回 オリエンテーション 110 件 授業支援 921 件 読み聞かせ 723 件 ブックトーク 33 件 団体貸出 80 件 レファレンス 1,212 件 1,377 冊 1,422 冊 ◆ その他の統括業務 平成22年度4月にオープンする「富士見こどもみらい館」への大がかりな移転準備(小学校・ 幼稚園・保育園・児童館)があり、図書に関わる移転のアドバイスを実施しました。同時に 移転に伴う小学校への大規模な図書の寄贈についての相談などにも対応しました。 また、支援先へのアンケートを毎年8月に実施しています。アンケート結果を分析して、学 校支援業務への評価や要望などを業務の中で生かしながら対応しました。いただいた評価は 司書たちの励みになり、なお一層の支援活動に結びついています。 3-4 コンシェルジュサービス 「千代田ゲートウェイ」を謳う図書館のコンシェルジュとして、区内の施設やイベント、近隣 の飲食店や古書店などの街案内や本探しのお手伝いなどを行っています。利用者に紹介する街案 内の情報(古書店・飲食店・イベントなど)は、コンシェルジュ自身が足を運んで取材をし、常 に新鮮な情報を収集しています。利用者への情報提供機能の強化と良質なサービス提供に、本年 48 度も努めました。 図書館内のガイドツアーは、見学者の層や目的が多種多様であるため、それぞれのニーズを汲 み上げた案内を行いました。9 月に館内に設置された「千代田区ゆかりの文学者コーナー」や「出 版にまつわる本棚」も見学目的に合わせ、適宜ツアーのコースに組み込んでいます。 また、来館者とのコミュニケーションを通して引き出した「声(要望・意見・指摘など) 」は、 関係部署へ情報を提供し、可能なものは改善につなげるなど、図書館運営に反映してきました。 神保町古書店街にある「本と街の案内所」へのコンシェルジュ派遣は 2 年目を迎え、神保町へ 来た方と地域とをつなげるパイプ役として、蓄積してきた本や地域の知識・情報をフルに活用し、 対応しています。 ◆ 館内活動 ガイドツアー 館内案内 280 件 1,072 人 問合せ 12,594 件 来館者からの種々な問い合わせ(館内利用の基本サービス、本探し・配 架場所、展示など)に対して、正確・迅速に対応しています。 街案内 問合せ 1,163 件 近隣地域の道案内や区内のイベント紹介、古書店・古書探し、食事処案 内など、千代田区全体を紹介する<千代田ゲートウェイ>機能を担い、 コンシェルジュ自らがお店やイベント会場に足を運び、取材をしていま す。コンシェルジュブースでは、取材したホットな情報をコンシェルジ ュのおすすめとして紹介しています。 「おすすめの本」は、コンシェルジュがテーマを決め、図書資料から選 び、展示することによって、千代田図書館所蔵の資料をより多く知って いただくことを目的としています。 <コンシェルジュのおすすめ掲示回数> お店 13 回 地域特集 13 回 本 千代田図書館職員へのワンポイン 6 回(展示数:130 冊、のべ貸出数:206 冊) 毎週月曜日の朝礼時に、コンシェルジュが「朝礼ミニコーナー」を担当 トアドバイス(朝礼ミニコーナー) しました。内容は、ビジネスマナー(身だしなみ、言葉づかいなど)や 脳内エクササイズなど、社会人として役立つものをコンシェルジュが考 え、ロールプレイングを取り入れながら 5 分間にまとめ、実施しました。 49 ◆ 館外活動 「本と街の案内所」での活動 232 日間 のべ 15,210 人に対応 神保町にある「本と街の案内所」は、神保町に関する情報を総合的に提 供する拠点で、神田古書店連盟と NPO 連想出版などが共同で運営してい ます。図書館コンシェルジュは、2008 年 5 月から、平日(月~金)の午 後に案内所に常駐し、利用者の本探しのお手伝いや街の情報提供などを 行っています。 『図書館コンシェルジュの 本と街の案内所見聞調録』 「本と街の案内所」は、国内外の多くの方が利用し、いろいろな質問を 受けます。コンシェルジュは、見たり聞いたり調べたりして得た知識を フル回転させて対応しています。そこで、日々対応している中から事例 を紹介し、図書館利用者に自分自身で調べるツールとして活用してもら えるように『図書館コンシェルジュの本と街の案内所見聞調録』を発行 し、8 月から千代田図書館内で配布を開始しました。 Vol.1 「本と街の案内所へ行こう!」 Vol.2 「漫画を知る!」 Vol.3 「古典籍を知る!」 Vol.4 「料理の本を探す」 Vol.5 「桜を愛でる」 Vol.6 「I Love クラシック♪」 「図書館コンシェルジュと巡る 神保町ツアー 神保町ナイトツアー」 (5/25) (協力:高山本店) 「図書館コンシェルジュと巡る 神保町ツアー ~和本編~」 (11/13) (協力:中野書店) 50