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平成 24 年度 活動報告書
埼玉工業大学 がんばる!学生プロジェクト 米と酒プロジェクト ~ 米作り、そして日本酒へ 平成 24 年度 活動報告書 1 ~ 1. プロジェクトメンバー 1151001 阿部 幸恵 代表 1103146 藤井 和俊 1151015 岡田 崇 1151060 手島 香菜 1103185 兵藤 達樹 2. a) プロジェクトの目的 地元の農家の方のご協力を得て稲作を体験し、日本の人々の日常生活を支える稲作の大切さ、食物・作物 の大切さを学ぶ。 b) 深谷の酒造会社の一つである丸山酒造さんのご協力を得て、農家の方と共同で作った米を利用して日本酒 を製造する。日本の伝統を体感しながら、製造から販売までの流れを学ぶ。 c) 埼玉工業大学オリジナル日本酒を製造・販売することにより、より多くの方々に埼玉工業大学を知っていた だきたい。 3. プロジェクトの内容 プロジェクト全体の流れは、以下の通りである。 ・農家の方と共同で、米を製作。「彩のかがやき」と名付ける。 ↓ ・ 「彩のかがやき」を利用し、深谷の丸山酒造さんのご協力を得て、埼玉工業大学オリジナル日本酒を製造。 ↓ ・埼玉工業大学オリジナル日本酒を商品化し、地域のイベントを中心に販売。同時に、埼玉工業大学を PR。 4. プロジェクト予算 ¥200,000 使用額 ¥135,284 計 ・田んぼ借用量 プロジェクトに関係する経費について ¥127,500 ・諸経量(宿泊代等)¥4,450 ・看板代 ¥3,334 残額 ¥64,716 2 5. 6 月 10 日 田植え 10 月 11 日 稲刈り 3 月 16、17 日 実施状況 酒造会社で合宿 6. 米作り a) 田植え 6 月 10 日に田植えを実施。機械は使わず手作業で苗を植えた。 【画像 1】 一列に並び間隔を揃えて植えていく。田植えの後は温度の調節のため、水を少し深く張る。 8 月後半には穂が出始める。その後しばらくして穂が下を向き始めたら、稲刈りの時期だという。 10 月 11 日、機械を使用して稲刈りを実施。来年は手作業での稲刈りに挑戦したい。 b) JA にて米検査 JA に「彩のかがやき」を持ち込み、検査を行った。 【画像 2】【画像 3】 無事検査を通過し、これで日本酒造りの準備ができた。 3 7. 酒造り 日本酒の作り方 <精米(せいまい)> 酒米を精米にかけ 60%を削り取る。磨かれたお米は麹が入りやすくなるので、外側にある脂肪やタンパ ク質を削り取り、 「デンプンだけの白米」にする。 <米洗い> 精米して美しい結晶となったお米の表面に付着している糠(ぬか)などを水で洗い落とす。その後、水 4 を吸いやすくするために水に浸けておく。この水に浸ける時間は秒単位で決められている。1 秒の誤差が 影響してしまうので、細心の注意を払う必要がある工程だ。 <米蒸し> 水分を含んだ白米を甑(こしき)に入れ蒸気で約 1 時間ほど蒸し、その後人間の体温ほどの温度まで下 げる。 <麹(こうじ)作り> 青みがかかった緑色の粉をビンに入れ、小さな穴の開いた布で蓋をし、広げたお米にビンの中の菌を散 らしていく。満遍なく全体に散らしたところでそれをまとめ、さらに保温する事で菌が増殖していく。そ の作業を一定の時間ごとに数回行う。 <絞り> 酒と酒粕に分ける作業。 <火入れ> 絞ったお酒を 65 度前後に加熱して殺菌。 ↓ 瓶詰め、そして製品化 8. 酒造体験の一日の工程 一日目、最初に私たちの目に飛び込んできたのは、大きく膨らみ蒸気を出している物体だった。 【画像 4】 容器の中に米を敷き布をかぶせ、その上にまた米を敷き布をかぶせ・・・というように、全部で三層の 米の層が作られ、高温で蒸されている。酒造りの一日はこの蒸しの作業から始まる。蒸気は 100 度以上に もなっていて、触ると手の皮がむけてしまうほどの熱さだという。 】 麹(こうじ)を作るためには、蒸した米を人の体温近くまで冷ます必要がある。そのため、三層のうち の一番外側の布をはずし、米を移動させる。最初は非常に熱いので道具を使わなければならないが、ある 程度温度が下がってきたら、広げた米をさらに手で広げ、ひっくり返して冷ましていく。 5 むろ その後、室(麹を作る部屋)にお米を移動させる。 二層目の布を外し、二層目の米をベルトコンベアーに移す。コンベアーから流れ出てくるお米をひっ くり返し、エアーで全体的に冷ましていく。 その後、冷ましたお米を大きなタンクの中へ移動させ、中の米が平らになるようにならし、外側から 発泡スチロールを巻き、保温する。 6 三層目の米も同じようにベルトコンベアーで冷やしていくが、今度はエアーで米を飛ばす。先ほどは お米を入れ終わった後混ぜていたが、エアーで飛んでくるので終わるまで混ぜ続ける。 7 むろ こうじ 最初に米を運んだ室に行く。ここは、日本酒を作る上で欠かせない「 麹 」を作る部屋である。 米を広げビンの中に入っている菌をお米にまき、米と菌を混ぜ、まとめた米を布で巻き保温していく。 翌日も同じ作業をするので、そのための仕込みを行う。米洗いには大きく分けて 2 種類ある。まず最 初は、麹を作る米を手洗いで洗う。大きな袋に同じ重さで米を分け優しく洗うが、ここで大切なのは時 間である。米を洗う時間は秒単位で決められているため、正確に計測する。1 秒のズレも許されない、ま さに時間との戦いである。 8 次は機械で米を流し、水の勢いでお米を洗っていく。その後朝大きなふくらみを見せてくれたお釜を 洗う。釜は毎日沸騰させるもので、ミネラルなど小さな変化をなくすため毎日洗う。 その後、お米を敷き詰めていく。小さなベルトコンベアーでお米を落とし平らに敷き詰め、全体を均 等に蒸していく。一層目が終わると布を敷き、またお米を敷いて布を敷き、というように三層を作る。 その後酒母の検査を行うが、検査後は室へ戻り、先程とは別の完成した麹(こうじ)を移動させる。 9 一日の工程は以上の通りである。ひとつひとつの工程を順番かつ平行して進めていく為、とても複雑 で難しい。これを毎日繰り返していくのはとても大変な作業であると感じた。 9. 成果・感想 今年度はプロジェクト結成 1 年目であり、メンバー全員が手探りの状態で活動してきたが、調べるだ けでなく実際に体験することで、米作り・酒造りを様々な面から深く学ぶことができた。 来年度は、今年度の活動の延長としてラベル作成・ビン詰めに着手し、自分たちの手で日本酒を製品 化したい。 今後も学ぶ姿勢を忘れず、プロジェクトの発展を目指して活動していきたい。 10