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「屋上緑化と校庭芝生化を連携して積極活用」
「屋上緑化と校庭芝生化を連携して積極活用」 杉並区立堀之内小学校 堀之内小学校は杉並区での芝生を用いた 屋上緑化の最初の事例校。「天空の野原」と 名付けられたこの屋上緑化の成功が背景に あり、「屋上も緑、校庭も緑」を目指して校 庭の芝生化を区に要望を出した。環境教育・ 健康教育に役立てたいという思いがあった。 維持管理の地元のサポートや利用団体の 調整については、この地域はもともと理解 があり、従前からの打診を行っていたこと、 利用団体にも制限はできるだけ少なくする 方針をとったことで、「芝生化は必ずプラス 面もある」ということで納得してもらった。 現状、土日の利用団体は少年野球と少年サッ 能性も考慮に入れてのことだという。 カーで、少年野球は月に 1 ~ 2 回程度の利用。 予想になかった効果として、G ボールを 少年サッカーは土日と水曜日に利用してい 30 個程度購入したところ子どもたちに人気 る。また近隣に一般開放を行っている。 で、次回のスポーツテストなどで効果が確 当初の 1 年は維持管理を学校中心で行う 認できるのではないかと期待している。ま ことにした。土日には利用団体によるディ た、芝生は仲間作り、ストレスの発散に効 ボット埋めなどを分担してもらっており、 果がある、環境的には虫やトンボ、鳥が集 今後は芝刈りなどにも参加を呼び掛けたい まってくるようになったこと、地域の方が という。この 3 月で利用開始して 1 年にな 学校に来て芝生の上で過ごす機会ができた るので、年間管理の大きな枠が見えてきた など癒しの効果もあるという。その他とし ところ。維持管理に芝生に関する専門家の て、屋上の芝生の存在によって教室の中の 意見・指導は不可欠という。 温度が 2 ~ 3℃違うデータが出ている。逆に 工事は平成 18 年の 1 月から 2 月の実質 困ったのは猫の糞で、これがなかなか防ぐ 2 ヶ月。工事の短期化を図るためにティフト ことができない。他校へのアドバイスとし ン 419 にペレニアルライグラスをオーバー て、乗用式の芝刈り機は使用に制限がある シードしたビッグロール芝を張った。約 1 ために、自走式の芝刈り機を数台用意する か月の養生期間を経て 3 月上旬に利用開始 方が良いとのこと。 し、通常使用のほか運動会を 6 月初旬に、 12 月の訪問ということと上記のような管 芝生の上での展覧会を 11 月に行った。 理方針から、芝の傷みも見うけられたが、3 利用にあたっては特段の制限は設けず、 月には寒地型種子を播いて、4 月には緑の状 傷んだら傷んだ分を補修して戻すという方 態を復活させ、2 年目も何とかできるという 針。部分養生を行ったのは夏休み期間のみ 感触をもっている。 で、敢えて利用制限をせずに今後の利用ラ インを見出すという方向で、区にも納得し 6 インタビュー 松本 高晴 校 長 てもらっている。これは、今後職員の異動 永井 義明 副校長 などで芝生校庭の利用方針が変更される可 取材:都市緑化技術開発機構