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OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ

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OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
高二川大
7
・経済
論議
s
立
;G4:&第 4'
,
; 1
9
9
2司 2 J
J405-4:18
調 査
情報システムの新展開と会計情報
システム統合化へのインパクト牢
井上信
t
ましカ1
き
最近の情報技術の進歩には目覚しいものがあり,いわゆる情報化社会あるいはさら
に高度情報化社会の到来がいわれている。このような情報化の波は,当然経済社会の
中核を形成している企業においてその影響がまず最初にみられる。各企業は,新しい
情報技術,とりわけ汎用,オフコンおよびマイコンを含めたコンピュータシステム,
情報の多目的利用を可能にするデータベースシステム,そして企業の経営者の意思決
定をサポートやその代わりをする意思決定支援システムや、エキスパート・システム等
の導入により,情報の多目的・高度利用をめざした情報ネットワークシステムの構築
とその戦略的利用を最近積極的に進めているように思われる。
本稿の目的は,わが国の商業企業を対象にした小生の調査をもとに,企業のコン
ピュータシステム,ネットワークシステム,データベースシステム,意思決定支援シ
ステムなどの利用形態と,それら情報技術の進歩が企業の会計情報システムの在り方
にどのような影響を与えているかを考察することにより,今後のわが国企業の会計情
(
1
)
報システムの在り方を探る手懸かりを得ることにある。
2 コンピュータシステム
コンピュータシステムは,汎用コンピコ:ータ,オフィス・コンピコータおよびマイ
*)
本稿は,文部省教育研究特別経費(王子成元年度〕による『情報処理教育の一層の展開のため
に』の一部を構成する「高度情報化社会における「会計教育」の対応J (三浦和夫他稿〉の補
論として密かれたものに補筆したものである。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-406ー
香川大学経済論叢
1
0
9
8
クロ・コンピュータのいずれも,回答のあった1
5
1社 す べ て の 企 業 で 既 に 導 入 さ れ て
いる。以下では,導入の程度と型式などを,汎用,オフコンおよびマイコンに分けて
検討してみたい。
2- 1 汎 用 コ ン ピ コ ー タ の 導 入
4
社全部,小規模卸売業でも8
2
汎用コンピュータの導入状況は,大規模卸売業では1
社すべて,大規模小売業も 2
0
社 , そ し て 小 規 模 小 売 業3
5
社のすべてに導入されている
ことは,前述したとおりである。
こ示すとお
わが国商企業における汎用コンピュータの型別の導入状況は,表- H
り,大型 (
07
4台), 中 型 (L75台), 小 型 (
21
4台 〉 で あ る 。 ま た , 全 体 で の 一 社 平
(
J
) 本稿は,もともとは企業の会計情報システムの変化とそれが大学の会計情報システム教育
の在り方にどのような影響を与えてきているのかを検討しようとするものであった。その理
由は,本来大学での会計情報システムの教育は,直接的には各大学で行われている会計情報
システムの教育の実態を調査 t,より理想的な在り方を探ることが出来るであろう。このこ
とは,アメリカ会計学会の情報システム委員会,会計教育委員会などで精力的になされてお
り,小生も一度統計的な調査を試みたことがある(例えば, AAAの情報システム委員会の機
関紙τheJ
o
u
r
n
a
lo
fI
n
f
o
r
m
a
t
i
o
nSystemsや会計教育委員会の機関紙 I
s
s
u
e
si
nAccounting
E
d
u
c
a
t
i
o
nという雑誌が毎年何号か出版され,会計情報システムの教育内容も幾っか紹介さ
1
9
87
],同[19
8
8
J を参考のこと。〉
れている。小生のものは,拙稿 [
同時に,会計情報システム教育の前提になる企業の突務が,コンピュータシステム等の技
術の進展によりどのように変化してきているかを明らかにすることも,会計情報システムの
教育にとって同様に重要なことである。とりわけ現在の上うに情報技術の進歩がはげしい時
代には,常に現実の実務の動向を十分認識しておくことは,大学における会計情報システム
の教育にとって不可欠なことである。
会計情報システムの教育を考える場合,常に上述の二つのことを平行して進める必要があ
る。今回は,時間,紙幅等の関係で後者の場合に筒題を限って,わが因企業における最近の
情報技術の進歩とその会計情報システムへの影響のみについて検討してみた。従って,両者
を同時に検討し,大学:における会計情報システムの教育内容を構築するという作業は,今後
に残された課題である。(なお,試論的なものであるが,わが国でも日本会計研究学会の特別
委員会が二度にわたり研究報告 f
与を公表している。最初のものは,日本会計研究学会特別委
6
6],二度目は日本会計研究学会特別委員会(委員長大山政
員会(委員長 井上達雄) [
19
8
3
Jである。〕
雄) [
19
(
2
) なお,ここで企業規模は,昭和 6
0年度の資本金で, 5
0
億円以上を大規模, 5
0
億円未満を小規
模と分類した。以下,本文中および表中でのタイプ分類の表記は,大規模卸売業は卸売
(大),小規模卸売業は卸売〔小),大規模小売業は小売(大),そして小規模小売業は小売
(小)と略記する。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
0
9
9
-407ー
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
表 -1
大型-A
卸売(大)
7
9
卸売(小)
.
1
8
小売(大〉
11
0
小売(小〕
.
2
0
全体
.
3
6
*)全体 (
n=151
)
。
汎用コンピュータ(型別)導入状況
(台)
大型 B
中型一A
中型一B
小型
合計
.
5
7
2
8
7
5
.
3
4
.
3
8
l5
0
.
7
0
1
.5
5
.
7
1
.
8
9
2
.
2
9
.
6
8
L10
.
5
7
.
8
6
5
.
6
4
1
.
.
7
9
2
.
.
6
5
1
.2
6
2
.
1
4
1
0
.
7
9
3
.
.
6
3
7
.
1
5
3
.
0
9
4
.
6
4
川
“
(
3
)
均の総台数は 464台である。タイプ別には,卸売(大)で 1
0
.
7
9,小売(大)で 7
.
.
1
5
と,規模の大きい企業でコンピ z ータの導入台数が多くなっていることは,表からも
明らかである。企業規模と汎用コンピョータの導入台数の聞には,深い相闘があると
いえる。卸売業と小売業を比較すると,小売業での大型の導入台数が卸売業の場合に
較べて多くなっており,卸売業での小型の導入台数が相対的に多くなっている。これ
(
4
)
は,小売業での支庖数や営業所数の多さと関係しているためであろう。
2-2 オフコンおよびマイコンの導入
次に,オフィス・コンピコータ,マイクロ・コンピュータともすべての企業で導入
されているが
1企業あたりの導入台数は表一 2のとおりである。
4
.
5
0台,マイコンが 5873台であり,この場合もやはり企業
全体では,オフコンが 1
規模との関係が非常に高いことが表から理解出来る。
(
3
) 汎用コンピュータの型式区分は,通産省の区分にしたがって以下のとおりにした。(なお,
ミニコンを事務用に使用している場合には,汎用として記入してもらった。また, 1千万円
以下の場合には,ミニコンあるいはマイコンとして記入してもらった。〉
区分
売価換算
1 大型 A
5億円以上
2 大型 8
2億 5千万円以上一 5億円未満
3 中型 -A
億円以上一 2億 5千万円未満
4 中型8
4千万円以上-1億円未満
5 小型
l千万円以上 -4千万円未満
*)日本情報処理開発協会『コンピュータ白密 (
1
9
8
6
年)
1 による。
(
4
) 付録一 2を参照のこと。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-408-
1
1
0
0
香川大学経済論叢
表 -2 オフコンおよびマイコンの導入(台)
オフコン
マイコン
2
5
.
.
6
7
1
2
0
.
3
6
卸売(小)
7
.
9
2
3
15
1
小売(大〕
4
1
.
.
0
0
1
2
3“3
5
小売(小〕
99
2
6
2
.
6
5
1
4
.
.
5
0
5
8
.
.
7
3
卸売(大〕
全体
リ
*)全体(オフコン n=1
1
2,マイコン n=
1
2
3
)。
2-3 使用しているプログラム言語
各企業で,事務処理システム,とりわけ経営・会計システム用に使用しているプロ
グラム言語は表 -3のとおりである。それによると,事務用言語といわれるコボルが
圧倒的に多く,全体で 3/4を越えている。他の言語では,簡易言語が 71%と比較的
多くなっている。
表 -3 使用しているプログラム言語
C
O
B
O
L F
O
R
T
R
A
N A
s
s
e血b
l
e
r P
/
L1 B
A
S
I
C 簡易言語 その他
75% 8、1% 8.0%
8
.
.
2
L5
9
.
6
.
5
2
.
8
4
2
.
7
9
.
8
6
.
7
8
.
3
2
.
2
7
.
1
卸売(大) 5
99%
0%
12.7%
3.4%
卸売(小) 7
4
.
0
0
3
.
8
2
.
9
小売(大
9
3
.
2
1
.
0
32
0
小売(大
7
6
.
9
0
2
.
1
1
.8
全体
7
5
.
7
0*
4
.
2
2
.
3
*)全体(n=1
6
0
) r
0*Jは正確には 0
.
0
2である。
り
0
2-4 コンピュータの分散化の程度
前述したように,現在では汎用コンピコータを始めとして複数のコンピュータが各
企業に導入されている。それらのコンピュータ・システムがどのように連携され,ま
た利用されているのか。集中処理システムなのか,分散処理システムになっているの
(
5
)
かは,企業の情報処理システムを考察するのに大変重要である。各企業における実情
(
5
) 分散処理システムとは,コンピュ一声。システムが地理的(物理的〉に別々の場所に分散設
置されており,専用的な業務処理を独立で行っているが,その相互間はデータ通信網などで
連携されており(論理的には 1つ),共同して目的の業務処理が行えるシステムをいう。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
0
1
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
-409-
を尋ねたのが表 -4である。
全体では,集中処理が 447%,集中と分散の中聞の形態が 428%
であり,このこと
は導入の初期の段階では集中処理であり,複数のコンピュータが導入されるにつれ
て,処理形態がある程度分散化してきているといえる。ただ,完全に分散処理システ
ムになっているという企業は, 1
2.6%であり,今後に進展が期待されるが,現状はま
だ一部の企業で分散処理が定着しているに過ぎないようである。
表 -4 コンピュータの分散化の程度
分散
200%
卸売(小) 1
5
.
7
小売(大
5o
小売(小
5
.
7
全体
1
2
.
6
卸売(大
り
中程度
集中
33.3%
4
1
.
6
6
0
.
0
4
0
.
0
4
2
.
8
467%
4
2
.
7
3
5O
5
4
.
3
4
4
.
7
引
*)全体 (n=
1
5
9
)。分散度は,分散c1あるいは 2に
0をしている場合,中程度 (3.4,5)にOをし
ている場合,集中 (6あるいは 7にOをしている
場合〉として集計した。(以下,リクカ-I・
ス
ケ}ノレによる結果を分類集計する場合は同様にし
た
。
〉
3 ネットワークシステム
(
6
)
ネットワークシステム (
n
e
t
w
o
r
ks
y
s
t
e
m
) は,本社,支庖,営業所など複数の事業
所や職場聞の情報のやりとりをオンライン・リアルタイムで可能にするために,不可
欠なシステムである。また,専用回線はある特定の事業所聞で常時それを可能にする
ために大変重要なものである。
本節では,商企業におけるネットワーク化の現状,その動機と効果,専用回線の利
用状況,およびローカルエリア・ネットワーク (LAN) と販売時点管理 (POS) の利
用の実態をも併せて考察した。
(
6
) ネットワークシステムとは,電気通信回線とコンピュータおよび端末機等によって構成さ
れ,オンラインで様々の業務がコンピュータ処理されるシステムをいう。郵政省ネグトワー
8
6
Jによる。
ク化推進懇談会編[19
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-410ー
1
1
0
2
香川大学経済論叢
3-1 ネットワークイヒのレベル
ここでは,ネットワーク化の実態を企業内(国内と海外)と企業間(仕入先,販売
先および関係会社間〉に分けて検討した。
表 -5は,企業内の本社一支庖聞のネットワーク化のレベルを示している。まず圏
内の場合は,全体で 5
6,
.3%の企業で既に全面的にネットワーク化がなされており,ま
た,タイプ別には小売(大〉で最も進展しており,卸売(大).卸売(小)そして小売
(小〕となっており,企業規模との関係が高くなっている。
表 -5 ネットワーク化のレベル(企業内)
吉間(圏内〕
本社一支j
未導入
中程度
全面的
本社一支庖間(海外〕
未導入
中程度
全面的
6
0,
0% 3
00% 1
0,
0%
9
3
.
3
4,
4
22
2
67% 1
33% 6
00%
卸売(大)
卸売(小
2
5
.
0
2
0,
4
5
4,
8
小売(大
1
0,
0
2
0,
0
7
0
1
0
00 0 0
小売(小)
21
.9
2
8
.
1
5
0
.
0
1
0
0
.
0
0
0
全体
2
2
.
5
21
.2
5
6
.
3
9
0
.
3
6
.
9
2
.
8
*)閣内 (n=
1
51).海外 (n=
7
2
)。導入なしC1. 2
),中程度 (3.4,5
),全面的 (
6,7
)
。
ゎ
ゎ
o
伽
海外支 j
古との場合は,いまだほとんどネットワーク化がなされていなく,タイプ別
には卸売(大〕で若干進んでおり,卸売(小)でも一部企業である程度のネットワー
クが進行しているが,小売業ではネットワーク化が全くなされていない。
次に,企業聞のネットワーク化を表 -6によって検討してみよう。まず購買先との
7%. ['半分位j が226%そし
ネットワーク化は,全体では. ['全面的にしている」が8,
て「導入してない」が 687%と,購買先とのネットワーク化は 3割強といまだ十分に
は進展していない。タイプ別には,ネ v トワーク化は小売(小)で最も高く,小売
表 -6 ネットワーク化のレベル(企業間〉
購買先
販売先
関係会社
未導入中程度全面的
未 導 入 中 程 度 全 面 的 未 導 入 中 程 度 全面的
83%4L7% 0% 8
33% 1
67% 0% 6
67% 83% 25.0%
卸売(大) 5
卸売(小) 8
17 141 4,
2
8
2
.
9 1
2,
9 4,
3 7
5
.
8 1
4
.
5
97
小売(大) 5
3
.
3 3
3
.
3 1
3,
3
1
0
0
.
0
0
0 6
9,
2 1
5,
4 1
5
.
4
小売(小) 3
5
.
3 3
5
.
3 2
9
.
4
1
0
0
.
0
0
0 4
6
.
2
7
.
7 4
6
.
2
全体
6
8
.
7 2
2
.
6 8
.
7
8
6
.
1 1
0
.
9 3
.
0 7
0
.
0 1
3
.
0 1
7
.
0
*)購買先 (n=
1
1
5
),販売先 (n=
1
01).関係会社 (n=
1
0
0
)。導入なしC1, 2
),中程度
(3,4. 5),全面的 (6,7
)
。
ゎ
ゎ
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
0
3
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
-411-
(大),卸売(大〕が続き,卸売(小)では最も進展していない。
販売先とのネッ Tワーク化は,全体では「全面的 Jが 3%,I
中程度 J109%といま
だネ
トワーク化は進展していなく,今後に展開が期待されるようである。また,タ
γ
7%佼の企業で導入されているが,小売業は販売先が最終消費
イフ。別には,卸売業で 1
者であるためか, I
導入なし Jが 100%になっている。
最後に,関係会社との場合を検討してみよう。関係会社とは, I
全 面 的 」 が 17%,
「中程度」が 13%と,併せて 30%の企業で、関係会社との問でネットワーク化がなされ
ており,ある程度ネットーワーク化が進展してきていることが理解できる。タイプ別
には,小売(小)での導入が最も進展しているが,卸売(大),小売(大)でもかなり
進んでいる。
3-2 専用回線の使用
ネットワーク化の方法にも色々あるが,その関係が閤定的/永続的に重要な場合に
は,両者間の専用回線によるネッ}ワークシステムで結ぶことが考えられる。そこ
で,その実状を尋ねた結果が,表 -7である。
表
7は,企業内の専用回線の使用の現状である。それによると,園内の本社一支
広間では,すでに「全面的」が 4
4
.
.
3
%,I
中程度」が 1
9.3%と,両者をあわせると 60%
以上の企業で,本一支広聞はすでに専用回線で結ぼれていることがわかる。タイフ。別
には,小売業での専用回線の利用が進展しており,小売(大)ではほとんどの企業
で,ついで小売(小),卸売〔大)そして卸売(小)という"僚に利用が少なくなってい
る
。
表 -7 専用回線の使用(企業内〉
本社一支庖間(国内〉
未導入
中程度
全面的
23.1% 3
85%
1
0
00%
0%
0%
1
45
421
9
74
0
26
3
3
.
.
3
6L1
1
0
0
.
.
0
0
0
.2
4
2
.
4
1
0
0
.
0
0
0
21
1
.5
1
9
.
3
4
4
.
3
9
8
.
5
0
(n=
1
4
0
),海外 (n=
6
5
)。導入なしC1, 2),中程度 (
3,4,5
),全面的 (
6,7
)
。
卸売(大)
卸売(小)
小売(大〉
小売(小)
全体
*)園内
3
65%
4
3
.
4
5
.
6
3
6
.
4
3
6
.
4
本社一支店開(海外)
未導入
中程度
全面的
内
“
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-412-
1
1
0
4
香川大学経済論叢
次に,これが海外支陪との間の専用回線の利用になると,ほとんど利用されていな
いというのが現状である。
次に,企業聞の専用回線の利用の実態は,表 -8のとおりである。 まず¥購貿先と
の間では,全体で「全面的Jが7
.7%,r
中程度」が 58%と
, 1
3.5%の企業で専用回線
が利用されている。
販売先との間では,卸売業で大規模の企業を中心に利用されているのみであり,小
売の場合には,ネットワーク化の場合にした説明が同様にあてはまる。
最後に,関係会社との間では,全体で「全面的」が 1
4
.
.
4
%,r
中程度」が 1
13%と
,
企業間では最も専用回線が利用されている。 また,タイプ別の利用は,卸売(大)と
小売(小)が比較的利用が多く,その他は若干L遅れているようである。
表 -8 専用回線の使用(企業間)
購買先
販売先
関孫会社
未導入中程度全面的 未 導 入 中 程 度 全 面 的 未 導 入 中 程 度 全 面 的
卸売(大) 833% 0% 167% 769% 154% 77% 583% 167% 250%
卸売(小) 9
0
.
3 4
.
9 4
.
8
9
3
.
1 52 1
.
7 7
93 103 1
0
.
3
小売(大) 8
6
.
7 6
.
7 67 1
0
0
.
.
0
0
0 7
6
.
9 1
5
.
4
7
.7
小売(大) 7
3
.
3 1
3
.
3 1
3
.
3 1
0
0
.
0
0 6
4
.
3
7
.
1 2
8
.
6
全体
8
6
.
5 5
.
8 7
.
7
9
2
.
2 5
.
6 2
.
2 7
4
.
2 1
1
.
3 1
4
.
4
*)購買先 (
n=1
4
0
),販売先 (
n
=
6
5
),関係会社 (
n=
9
7
)。導入なしC1, 2
),中程度
(3,4,5),全面的 (6,7
)
。
凶
引
3-3 ネットワーク化の動機と効果
企業内を中心にネ'y}ワーク化が比較的進展してきていることは,これまでに見て
きたとうりである。それでは,その動機とその効果全企業の担当者はどのように考え
ているのであろうか。それを尋ねた結果が,以下の表 -9と表 -10である。
1
) ネットワーク化の動機
まず表 -9により,ネットワーク化の動機を,全体の場合について検討してみよう。
表によると,ネットワーク化の動機は,。迅速正確なデータ処理 (
35
9
),2
)事務処理
3
2
0
) そして 3
)データの有効利用 (
2
2
8
) が飛び抜けてポイントが高く,
の省力化 (
それだけネットワーク化の重要な動機になっていることが理解できる。 4位以下の項
自は, 4
)顧客サービスの改善Cl, 3
9
),5
)企業競争力の強化 c
l 21)が l点台であり,
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
mmm
体一回
初 幻 貯 河 川 叩 犯 は M一
日
全
一3 3 2 1 1
川ゆ一油
一一点
位
--Fo
rkzIFOAUτqJqLA性 0 0 4‘00ρoqo 一 歩
すA
官 民vqunonLOURvnxunL1inv 一 一
泊川宮内
ωwmm ω
ω
売
一3 2 1 1 I H - -
ι-1
ι
内
一醸制
一一らた
大一一もし
(一氏以託公口氏ど引川氏荻︹一て出
け努
自国売一3 2 Z I - 程一小一一付て
動一,一一をし
の一一一位除
一一順てー
列 一 一白日必お
一肌耕
鈍
一一売一3 3 2 1 1 p リ リ - 一 い
ワ一卸一一高答
ト一一一の回
一一一性を
y
ト一∞一
唱
KL
430131739
44
-一 ρonununLnu LAU
Lti i一 色 コ
一 2 3 2 2 L I l - - 一氏町
9 t
一一卸一よ一市そ
表回大拡一
一
船
理拡化の一ポ叫
処善の速域一夙
M
タ化用改化引迅地化一
b ↓
一力活の強取の'率一
J佼
デ省効スの'定問化効一D5
な の 有 ビ カ 保 決 時 速 の 一u
確理の一争確略ス迅用一;
正処タサ競の戦ピの運他一印、
速務一客業客営一済金の一体点
迅事デ顧企顧経サ決資そ一全 4
ω
ω
ω
ωω 悶ω 伺 倒 的ω
(
09
7)および 7
)経営戦略決定の迅速化 (
0
.
7
0
)
つづいて 6
)顧客の確保,取引の拡大
-413情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
1
1
0
5
のウェイトが高くなっている。
タイプ別の特徴は,卸売(大〕で,企業競争力,顧客の確保,取引の拡大および経
営戦略決定の迅速化等の事項が,他の場合に較べて,より重要性のポイントが増して
いることである。
2
) ネ v トワーク化の効果
によってみてみよう。ネットワーク化の効
次に,ネットワーク化の効果を,表 -10
ヨヴ
引
tAUoonoηI
内
性ヴ
LPZonH
n too-↓
‘14つ
hv-myA
‘
っ duqdntntaUd
FbA
E
J
H
- 士一
全
一3 3 2 1
間
宮内
戸
凋川唯一一
一一点
-Ru
f よOOGU1A つん句t b1AFD14qυ つ土参
口 作 品 。on006FD ハ
-RM 4 n
onL
一
売
一3 3 L l
リリ・一
J
h
一腰制
・
一
い
一に数
9一
ω 必 必ωl
順業
2
一一らた
大
一
一もし
L
M
U引
(一日む町42 袋 K
HZMU42一て出
一3 3 2 l l . け算
E
-売
界一ト一一付て
効一ノ一一
の一一一位除
七台 一一順で
d一
ク一(一m C M叩お邸∞∞
一一売一3 3 2 1 "
ワ一卸一一応答
ト一一一の回
一一一性を
J
引
mL
l'llili-一一引h S 4鉱山町れ 3 7 日 2 白
山
一
ト
合
写
23321
・一はの
れ一対一
O
叶一卸一;一引そ
表-大動一
ω
印刷制的川間的問帥
一
糾
44H
理拡の化一
処善の域速一同念日
夕化用改化引地迅化一回十
一力活の強取'の率一い位
デ省効スの'間化定効一め 5
なの有ピカ保持速決の一日
確理の一争確ス迅略用一=
正処タサ競のピの戦運他一印、
速務一客業客一済営金の一体点
迅事デ顔全額サ決経資そ一全4
1
ω
ω
ω
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-414-
香川大学経済論叢
1
1
0
6
果も,動機とほぼ似た順位になっており,1)迅速正確なデータ処理 (
37
3
),2
)事務処
3,
4
4
),3
)データの有効活用 (
22
7
)が,三大効果でありまたそのポイン
理の省力化 (
トが動機の場合に較べて,若干高くなっている(データの有効活用は,小売(小)は
除く〉。逆に,企業競争力の強化,顧客の確保,取引の拡大,経営戦略決定の迅速化や
サービス時間,地域の拡大という,より高度で間接的な利用は, ["動機」の場合のポイ
ントに較べると低く,現実には期待したほど十分な成果は挙がっていないようである。
以上,上述の 1位から 3伎の 3項目は,企業内の情報システムの効率化および情報
利用の高度化をもたらすものであり,ネットワーク化から期待される直接的かつ一次
的なものである。それに対して, 4位以下の項目は,ネットワーク化により得られる
二次的かつ間接的なものであり,今後その重要性が増加していくと思われる。しか
し,現実には,これまでにみてきたように,いまだその導入の動機および効果は一次
的かつ直接的なものが中心的であり,企業競争力の強化,顧客管理,経営戦略等への
高度な利用は,今後に残されている場合が多いようである。
3-4 ネットワーク化の主要業務
それでは次に,ネッ}ワーク化の主要業務を表一 1
1によって検討してみよう。表か
40
0
) が第一義的に重要な業務である。次に,購
らもわかるように,まず販売管理 (
25
2
) および在庫管理 (
24
9
) である。第三集団としては,物流管理と会計
買管理 (
11 ネ'Ytワーク化の主要業務
表卸売(大〉
小売(大) 小売(小) 全体
卸売(小〉
4, 3
1
4,
0
0
(
1
) 販売管理
329
380
3
.
7
3
2,
9
5
2
2, 5
2,
2
6
(
2
) 購買管理
336
237
3, 0
5
2, 4
9
(
3
) 在庫管理
214
19
0
L74
9
1, 8
(
4
) 物流管理
9
4
2,
L71
16
5
15
1
(
5
) 会計管理
6
1, 0
L55
14
3
15
5
I7
9
,6
5
(
6
) 経営情報管理 1, 0
0
,
7
9
9
5
4
4
,
0
6
(
7
) 資金管理
8
6
3
2
4
0
3
2
(
8
) 人事管理
.
2
1
.
2
3
.
5
0
.
4
7
.
3
2
*)全体 (
n
=
1
4
3
)。なお,ポイントは,重要性の高い順に順位を付けてもらい. 1位→ 5
.5位→ 1点とし,その合計点を回答企業数で除して算出した。
点. 2位→ 4点
,
“
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
1
1
0
7
-415-
管理である。
3-5 ローカルエリア・ネットワーグの利用
ネットワーク化の一環として,企業内でのローカルエリア・ネットワーク(l
o
c
a
l
a
r
e
an
e
t
w
o
r
k:LAN) の利用状況を尋ねた。結果は,表 -12
にあるとおり,本社内で
.
.
3
%,I
中程度 J8
.0%と最も多く利用されており,園内支宿では「全面
「全面的 J5
的J4
.
.
2
%,I
中程度 J42%と若干その利用が少なくなっている。また,海外支庖で
は,卸売(大〉の l社で「中程度」利用しているだけで,他の企業ではいまだ利用さ
れていない。このことは, LAN
はまず本社で導入され,園内支屈そして海外支庖とい
J
闘に導入が進められていくようである。また,タイプ別には,いずれの場合がとは
うI
言い難いが,大規模な企業でその導入が進んでいるといえよう。
表一 1
2 ローカルエリア・ネッ}ワークの利用
本 社 内
未導入
中程度全面的
卸売(大
卸売(小
小売(大
小売(小
全体
圏内支応内
未導入中程度全面的
714% 2L4% 71%
86.7% 133%
0%
8
9
.
2
6
.
0
4
.
8
9
3
.
7
2
.
5
3
.
8
850
5
.
0 100
8
5
.
0
5
.
0 1
0
.
0
8
7
.
9
9
.
1
3
.
0
9
3
.
1
3
.
5
3
.
5
8
6
.
7
8
.
0
5
.
3
9
1
.
6
4
.
2
4
.
2
(n=
1
5
0
),園内支庖内 (n=
1
4
3
)。導入なしC1, 2
),中程度 (
3, 4,
*)本社内
5),全面的 (6, 7
)
。
3-6 販売時点管理
p
o
i
n
to
fs
a
l
e
smanagement:POS)は,企業の売上関係の情報の有
販売時点管理 (
効活用のために,大変重要な役割を果たしている。そこで,その導入状況を尋ねたの
が表 -13である。
これは,消費者ニーズを如何にうまく早くキャッチし,経営戦略や経営管理に迅速
かつ有効に利用するかに大変貢献するものである。表からもわかるように,小売業で
の導入が圧倒的に高く,とりわけその導入は大規模な場合に 50% (1全面的J
) と高く
なっている。卸売業では導入割合が低く,今後導入がある程度進められていくものと
思われる。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-416-
1
1
0
8
香川大学経済論叢
表 -13 販売時点管理 (POS) の導入
未導入
中程度全面的
卸売(大〉
6
.
.
7
%
93.3%
0%
卸売(小) 8
3
.
.
9
1
26
3
.
5
小売(大〉
5
0
.
0
350
1
50
小売(小) 5
7
.
1
8
.
6
3
4
.
3
全体
7
2
.
6
1
0
.
8
1
6
.
6
*)全体( n=1
5
7
)。導入なしC1, 2
),中程度
(
3
, 4,5
),全面的 (
6,7
)
。
4 データベース、ンステム
データベースシステム (databasesystem:DBS) は,ネッ Tワークシステムととも
(
7
)
に,現代の企業情報システムの中核的な役割を担っている。そこで,本節では DBSの
導入の実状,その目的,利用分野およびその分散化の程度を検討する。また,併せて
汎用コンピュータをデータベースマシンとしてどの程度使用しているかも尋ねた。
4-1 データベースシステムの利用
によって検討しよう。汎用コンピョータに
まず最初に, DBSの利用状況を,表 -14
おける DBSは
,
r
全面的」に利用が 2
2.2%, r
中程度」が 392%と,両者を含めると
614%の企業ですでに DBSが利用されており,かなり重要な役割を果たしていること
表 -14 データベースシステムの利用
41iiii
汎用コンピュータ
未導入中程度全面的
マイクロ・コンピュータ
未導入
中程度
全面的
卸売(大
3
33% 2
67% 40.0%
1
0
00%
卸売(小
38..6398 21
.6
896
小売(大
2
0
.
.
0 5
5
.
.
0 2
5
.
0
8
6
.
7
小売(小
51
.4 3
4
.
3 1
4
.
3
9
2
.
0
全体
3
8
.
6 3
9
.
2 2
2
.
2
9
0
.
8
*) (汎用 n=
1
5
8,マイクロ n=
1
1
9
)。 導入なしC1, 2
),中程度
(6,7
)
。
0%
0%
105
0
6
.
.
7
6
.
7
8
.
0
0
8
.
4
.
8
(
3,4,5
),全面的
(
7
) DBSとは, DBMS (自社開発及び商用の DBMSの両者を含む〉を利用して,情報相互の関
係を関連させて蓄積したデ‘ータ構造をもち,一箇所のデータパンクからニーズに応じてダイ
レタト。アクセスあるいはランダム。アクセスの出来る装置を備えた、ンステムをいう。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
1
1
0
9
-417-
がわかる。タイフ。別には, DBSの利用は小売(大) 80.0%,卸売(大) 667%,卸売
(小) 6
1
.6%そして小売(小) 48.6%となっており,大規模な小売業でとりわけ利用
が高くなっている。
次に,マイクロ・コンピュータの場合は, DBSの利用は,全体で「全商的」利用は
l社のみであり, I
中程度」に利用も 84%と,汎用コンピコータの場合に較べると,
そのものがもともと大最の情報
その普及が限られたものになっている。これは, DBS
を l箇所に集めて利用することにその意義があり,汎用コンピ z ータはそれが可能で
あるが,マイクロ・コンピコータではいまだ十分でないことをも示している。すなわ
ち,企業での DBSの利用そのものが,汎用コンピコータから出発し,現在ょうやくマ
イクロ・コンピュータでの DBSの利用可能性と意義を模索している段階にあるようで
ある。
4-2 データベース・マネジメント・システム
そ れ で は , 利 用 し て い る デ ー タ ベ ー ス ・ マ ネ ジ メ ン ト ・ シ ス テ ム (d
a
t
a
b
a
s
e
managements
y
s
t
e
m:DBMS) はどうであろうか。汎用コンピュータの場合とマイク
ロ・コンピ
z ータの場合に分けて検討してみよう。
まず¥汎用コンピコータにおける場合の DBMS
は,表 -15
からわかるとおり,階層
型 (
h
i
e
r
a
r
c
h
i
c
a
lDBMS)のものが 500%と半分を占め,関係型 (
r
e
l
a
t
i
o
n
a
lDBMS)が
266%そしてネットワーク型 (
n
e
t
w
o
r
kDBMS) が2
1
.
.
3
%となっている。
次に,マイクロ・コンピュータの場合には,上述のように DBSを利用している企業
0
社にすぎない。
そのものが 10%弱といまだ十分に普及していないので,回答企業数も 1
表 -15 データベース・マネジメント・システム(汎用〉
DBMS
階層型ネットワーク型
関係型
その他
卸売(大
60.0%
10.0%
30.0%
0%
卸売(小
5L9
1
9
.
.
2
2
6
.
.
9
1
.9
小売(大
5
00
3
13
1
88
0
小売(小
3
7
.
5
2
5
.
0
31
.3
6
.
3
全体
5
0
.
0
21
.3
2
6
.
6
2
.
1
*)全体 (n=94)。導入なし(1, 2),中程度 (3,4,5),全面的 (6,
引
7
)
。
凶
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-418-
1
1
1
0
香川大学経済論議
その内訳は,関係裂が 700%であり,ネッ}ワーク型が 20%そしてその他が 10%と
,
を中心に利用されていることがわか
良くいわれているようにリレーショナル型DBMS
る
。
4- 3 DBMSの開発
DBMSの開発主体は,汎用コンピコータの場合には,表 -16にあるとおり,全体で
自社開発 58.4%と最も多くを占め,商用 DBMSの利用が 3
0 3%,そしてその他が
1L2%になっている。
マイクロ・コンピュータの場合は,前述のように回答企業が 1
0社;と少ないが,自社
開発が 500%,商用 DBMSの利用が 4
0
.
.
0
%,その他が 10.0%という比率になっている。
表 -16 DBMSの研究開発(汎用)
D
B
M
S
自社開発
商用利用
ぞあ面
卸売(大
77.8%
1L1%
111%
卸売(小
5
2
.
.
9
3
5
.
3
118
小売(大
6
2
.
5
313
6
.
3
小売(小
61
.5
2
3
.
1
1
5
.
4
全体
5
8
.
4
3
0
.
3
1
1
.
2
*)全体(ロ =
8
9
)。導入なしC1, 2),中程度 (3,4,5),
)
。
全面的 (6, 7
4-4 データベースシステム利用の目的
DBS
利用の目的は,表 -17
に示すとおり,全体では↑青報の多目的・高度利用が 3
.
9
0
表 -17 データベースシステム利用の目的
目
的
卸売(大〉
卸売(小〉
小売(大〉
小売(小) 全体
(
1
) 情報の多目的・高度利用
375
372
3
.
8
9
442
390
(
2
) 業務の統合・合理化
2
.
.
2
5
243
2
.
4
7
2
.
.
4
3
246
(
3
) 処理パーフォマンスの改善
14
2
14
0
126
Ll7
1
.3
3
(
4
) システム開発時間の短縮
6
6
7
5
9
2
.
.
4
2
1
7
(
5
) システム運用・保守費用
.
5
0
3
7
.
2
4
2
0
1
3
(人員〉の削減
(
紛 システム開発費用(要員)
.
1
7
.
1
3
0
7
0
5
の削減
(
7
) その他
.
0
5
.
0
5
.
1
6
1
1
5
)。なお,ポイン Tは,重要性の高い)煩に順位を付けてもらい, 1位→ 5点
, 2位→
*) 全体 (n=
,5位→ l点とし,その合計点を回答企業数で除して算出した。
4点
,
制
十
。
。
。
制
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
1
1
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
-419-
ポイントと圧倒的に高くなっている。第二{立は,業務の統合・合理化 (2 4
3)であ
り,処理パーフォーマンスの改善
o33) が第三位。であり,重要な目的は上述の 3つ
に絞られるようである。
上記のことは,いずれのタイプでも同様の傾向にあり,タイプ聞に特に差異はみら
れない。
4-5 データベースシステムの利用業務
それでは,データベースシステムの利用業務はどのようになっているのであろう
か,表 -18によって検討しよう。
表 -18
卸売(大〉
データベースシステムの利用業務
卸売(小)
5
4 (20.2%)
4
7 075 )
2
7 00 1 )
(
4
) 購買管理
3
7 038 )
(
5
) 資金会計
5
0 087 )
(
6
) 財務会計
2
8 005 )
1
8 (6
.
.
7 )
(
7
) 管理会計
.
.
6 )
(
8
) 固定資産会計 1(16 ) 7 (2
(
1
) 販売管理
(
2
) 在庫管理
(
3
) 人事管理
(
9
) その他
1
2 094%)
7 01 3 )
1
0(
16
.
1 )
6 (9
.
.
7 )
1
3(
2
10 )
8 029 )
4 (6.5 )
1 (1.6 )
o(0
小売(大〕
小売(小)
1
8 (220%)
1
1 034 )
1
0 022 )
7(
8
.
.
5 )
1
8 (220 )
8(9
.
.
8 )
7(8
.
5 )
1(12 )
0(0
2 (3.5 ) 2(2.4 )
8 040%)
4(
7
.
.
0 )
1
1 093 )
6 005 )
1
3(
2
28 )
5(88 )
8 040 )
恥
全体
9
2 09“6%)
6
9 047 )
5
8 024 )
5
6c
l
19 )
9
4 (200 )
4
9 005 )
3
7 (87 )
9 (19 )
5 (1.1 )
*)全体 (n=
1
6
0
)。複数回答可。
全体では,債権・債務管理を含めた資金会計が 200%でもっとも高く,ついで得意
先,受注管理を含めた販売管理が 196%とほぼ同様の比率を示している。あとは利用
の多い 1即こ,在庫管理 047%),人事管理 (12.4%),購買管理 (
1
19%) という経
営の業務管理の分野が続いている。会計の分野では,財務会計が 105%,管理会計が
87%と,業務管理関係ほど利用されていない。
4-6 データベースシステムの分散度
データベースシステム
(
D
B
S
)は,歴史的にはばらばらに処理していたファイル群
を一つに統合したデータベースという集中型の D
BSから出発したが,今後は分散型の
(
8
)
DBSに移っていくといわれている。すなわち, I
データを論理的に統合せよ,しかるの
(
8
) 植村俊苑口9
7
9
J,1
8
3ベージによる。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-420-
1
1
1
2
香川大学経済論議
ちに物理的に分散させよ」という命題である。その分散化の技術動向は,
DI
複数の
)I
データベースシステ
計算機群を組み合わせた分散型データベースシステム」と, 2
(
9
)
ム専用のハードウェア J
,すなわちデータベースマシンである。
ここでは,まず DBSの分散化の程度を表 -19
により検討し,次項でデータベースマ
シンの利用の現状を検討する。
理論的には, DBSは 分 散 化 の 傾 向 に あ る が , 現 実 に は , 現 在 の と こ ろ 全 体 で は
676%が集中型システムであり,中間形態が 198%そして分散耳目システムは 1
26%
と,やはり主流はいまだ集中型 DBSが中心である。
表 -19 データベースシステムの分散度
分散型
中間型
集中型
卸売(大
167%
83%
7
50%
卸売(小
1
5
.
8
2
2
.
8
6
1
.
4
小売(大
o
158
842
小売(小
1
3
.
0
21
.7
6
5
.
2
全体
1
2
.
6
1
9
.
8
6
7
.
6
*)全体 (n=lll
)o (分散型=1
. 2. 中 間 型 =3.
4
.5
. 集 中 型 =6. 7
)
。
れ
4-7 データベースマシンの利用
d
a
t
a
b
a
s
em
a
c
h
i
n
e
:
それで、は,データベース専用機であるデータベースマシン (
DBM)の利用はどうであろうか。表 -20によると,すでに専用目的に使用しているが
0 データベースマシンの利用
表一 2
卸売(大)
卸売(小〕
小売(大)
小売(小)
全体
導入済
計闘中
7.4%
2
7
.
0
1
0
.
5
3
.
7
1
7
.
1
2
1
.
.
4
%
2
0
.
6
1
5
.
8
4
0
.
7
2
4
.
4
予定なし
7
1
.
.
4
%
5
2
.
4
7
3
.
.
7
5
5
.
6
5
8
.
5
*)全体 (n=
1
2
3
)。
(
9
) なお,分散捜データベースシステムは,広域分散処理システム〔物理的に分散〉上の複数の
直接アクセス記憶装置に格納されているデータの集まりであり,分散データベースに対して
一貫性のある原則〔論理的に統一〕により,検索,更新,追加,削除などのデータ操作が可能
なデータベースシステムをいう,と定義している。付録の調査票を参照のこと。(なお,この
定義は,永田元康口 9
8
3
J
.1
7ベージによる。〕
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
1
3
-421-
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
1
7,1%であり,使用を計画中が 2
4,4%,そして使用予定なしが 585%となっている。
1
.5%とかなりの企業で,汎用コンピョータをデータ
導入済と計画中を合わせると 4
ベース専用機として利用していこうという方向が読み取れる。
5 意思決定支援システム
企業の意思決定は,企業活動のなかでも特に重要であり中心的なものである。その
ような企業の意思決定活動を支援するため, コンピコータを用いた意思決定支援シス
(
10
)
テム (
d
e
c
i
s
i
o
ns
u
p
p
o
r
ts
y
s
t
e
m
s;DSS) が開発,利用されるようになってきた。そこ
で,本節では, DSSの利用の現状,その利用分野,および意思決定への有効(貢献度)
を検討してみたい。 また,対話型の DSSとして現在特に注目を浴びているエキスパー
ト・システム(専門家システム〕の利用の現状をも併せて考察した。
5- 1 意思決定支援システムの利用
まず経営,会計業務での DSSの利用の状況を,汎用コンピコータとマイクロ・コン
21により検討しよう。
ピコータの場合について,表 汎用コンピコータでは,全体では 2
, 6%, I
中程度」が 1
5,6%と,すでになんらかの
弱と,ネットワークシステムや DBSに較べるともう一つ進
形で導入しているのは 20%
0%前後
行していない。またタイプ別には,卸売業で利用が進んでおり,小売業では 1
に過ぎない。
表一 2
1 意思決定支援システムの利用(経営管理/会計業務〕
-liti--ilillib--iI1ii
汎用コンピ z ータ
中程度全面的
未導入
卸売(大
66.7% 3
3,3%
0%
卸売(小
7
9,3
1
6,1
4
.
6
小売(大)
印刷 5
1
0
.
5
0
小売(小
9
0
.
9
9
.
1
0
全体
8
1
.
2
1
5
.
6
2
.
6
*)全体(汎用 n=
1
5
4,マイクロ n=
1
3
5
)。
マイクロ・コンピョータ
未導入 中 程 度 全 面 的
9
2,3%
9
3,5
933
9
0
.
0
9
2
.
6
7,7%
0%
6, 5
0
0
6, 7
1
0
.
0
0
6
.
7
.
7
(
10
) 怠思決定支援システムとは,経営窓思決定問題の解決のため,各種のデータと財務,統計,
確率,管理科学等のモデルを利用して意思決定を支援する対話型のコンピュータを用いた経
営情報システムをいう。なおこの定義は,加登豊[19
8
5
-a] による。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-422-
1
1
1
4
香川大学経済論叢
また,マイクロ・コンピョータの場合には, I
全面的 J(
07%), I
中程度 J(
67%)
と,何らかの形で導入している企業は 7.4%と
, DBSの場合と同様に,マイクロ・コン
ピュータではより遅れていることが理解できる。
5-2 意思決定支援システムの利用業務
DSSの利用業務は,汎用コンピュータおよびマイクロ・コンピョータの場合につい
ては,表 -22
に示すとおりである。
汎用コンピュータでは, 3
7のDSSがすでに利用されており,最も多いのは販売管理
(顧客管理を含む)であり, 8社で利用されている。次に,利益管理(売上管理,経
営分析,予算管理を含む〕が 7社,そして購買管理(市場分析を含む)が 5社で利用
(
1
1
)
されており,比較的利用が盛んな分野である。
マイクロ・コンピ z ータでは,利益管理で 3社,販売管理,財務会計,人事管理お
よびその他で,各 1社利用しているだけである。
以上, DSSが特に有用な役割を果たすのは,販売管理および利益管理の分野である
ことがわかる。
表 -22 意思決定支援システムの利用業務
汎用コンピュータ
(
1
) 販売管理
包
) 利益管理
(
3
) 購買管理
在庫管理
ω
)
8(
2
1 6%)
7(
189 )
5(
13 5 )
2 (5.4 )
(日財務会計
3 (8 1 )
(
6
) 人事管理
3(81 )
η
( 経営計画
2(5
.
.
4 )
(
8
) 信用管理
2 (5.4 )
(
9
) その他
5(
13
.
5 )
*)全体(汎用 n=37,マイクロ n=7
)
。
リ
マイクロ・コンピュータ
1(
143%)
3 (429 )
o( 0 )
o(
0)
o(
o(
0)
0 )
1(143 )
1(
1
43 )
1( 0 )
5-3 意思決定支援システムの有効性
それでは次に, DSSは経営管理のレベル別にどの程度有効なのであろうか。戦略的
(11)なお,その他の業務の内訳は,次のとおりである。財務会計〔経理,損益計算書),経営計
画(商品別の計画,中・長期のシミュレーション),信用管理(依権,債務の時系列推移,手
形管理,得意先経営分析),その他〔引合管理,為替業務,生産計画,薬効評価〉などが記入
されていた。在庫管理,人事管理はそれのみである。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
1
5
-423-
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパク}
(
12
)
に分けて検討したのが,表 2
3
. 表 -24である。
r
汎用コンピュータにおける D
SSの有効性は,表 -23にみるように. 貢献大」と「中
0%を越えており. r
貢献大」は戦略的計画
程 度j を合わせると,いずれの場合にも 8
(
2
8
"
8
%
)
. マネジメン r(275%)そしてオベレーショナル (
3
6
.
7
%
) と,オベレー
ショアル・コントロールでの貢献が相対的に大であるという結果になっている。「中
程度」を含めると,マネジメント・コントロールが 9
3,7%と最も高くなっており,つ
いでオベレーショナル・コントロール
(
8
8,6%) そして戦略的計画 (
8
12%) と,や
川
はりマネジメント・コントロールとオベレーショナル・コントロ}ルでの貢献度が比
較的高くなっている。本来は,戦略的計画への貢献が最も期待されているのである
が,現状では戦略的意思決定には,意思決定プロセス等の復雑な問題の解明が不十分
なため,いまだ十分に活用されていないようである。
表23 意思決定支援システムの有効性(汎用コンピョータ〕
D
s
s
貢献なし
中程度
貢献大
188%
525%
288%
戦略的計画
マネジメント・コントロール
63
6
6,3
275
オベレーショアル・コントロール
1
1
.
4
5
1
.
9
3
6
.
7
*)全体(戦略的 n=80. マネジメント n=80. オベレーショナル n=79)。
引
次にマイクロ・コンピュータの場合は,表 24にあるとおり,全体的に DSSの 貢 献
度は小さくなっている。とりわけ,戦略的計画での有用性が低くなっている。オベ
表24 意思決定支援システムの有効性(マイクロ・コンピコータ)
D
s
s
貢献大
貢献なし
中程度
3
9,7%
4
9
.
2
%
1
1 1%
戦略的計画
マネジメン}・コントロール
1
9,1
6
3,5
1
7
.
5
オベレーショナル・コントロール
1
4
.
3
5
8
.
7
2
7
.
0
*)全体(戦略的 n=63,マネジメント n=63,オベレーショナノレ n=63)。
け
j
(
12
)戦略的計画は,組織の進む方向を規定し変更する長期的な計画策定のプロセスであり,具
体的には設備投資計画や新製品開発計画等をいう。マネジメント・コントロールとは,組織
目標の達成のために資源を能率的に取得・利用するプロセスであり,利益計画や総合的予算
編成等をいう。オベレーショナノレ・コントロールとは,特定業務を一定の手l
慣に従って遂行
するプロセスのことで,具体的には在庫管理等をいう。なお,この定義も,加主主[19
8
5
-a
J
による。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-424一
1
1
1
6
香川大学経済論議
レーショナル・コントロールでの有効性が最も高く(1貢献大と中」を合わせると
857%),マネジメント・コントロールでの貢献も(同 8
1
.
.
0
%
)と
, 80%を越えている
に過ぎない。このことは, DBSと同様に DSS
の場合も,本
が,戦略的計画では, 6L3%
来汎用コンピュータの特性を生かしてまずそこで利用されたため,いまだマイクロ・
コンビョータでは限界があり,十二分に機能しているとはいえない。そのため,現在
はオベレージョナル・コントロールを中,c.,\~.こ,マネジメント・コントロールにもある
程度利用されているが,戦略的計画には汎用の場合以上にうまく活用されていない,
というのが笑状であろう。
5-4 エキスパート・システムの利用
e
x
p
e
r
ts
y
s
t
e
m
)
対話型の意思決定支援システムとしてエキスパート・システム (
は,将来の経営意思決定において重要な役割を演じるであろうと期待されている。そ
こで,企業では経営管理,会計の分野でエキスパート・システムをどのように利用し
のとおりである。
ているかは重要な課題でゐる。各企業における利用の実態は,表 -25
現実に企業の経営管理,会計業務に導入され稼働しているエキスパート・システム
は,現在のところないようである。開発中が 23%,計画中が 1
56%であり,約 18%近
十
(
13
)
くの企業で導入の動きがあるといえる。しかし, 73%
近くの企業はエキスパート・ 1ン
ステムの導入の計画は現在のところないようである。
表 -25 エキスパート・システムの利用
E
x
p
e
r
ts
y
s
t
e
m 導入済
卸売(大〕
0%
卸売(小)
小売(大〕
小売(小〉
全体
*)全体 (n=128)。
開発中
。
。
。
。
。
77%
l
ο
4
4
.
6
2
.
3
計画中
15.4%
1
6
.
2
1
0
.
5
1
8
.
2
1
5
.
6
計画なしその他
6
15% 15.4%
7
5
.
.
7
6
.
.
8
1
0
.
5
790
6
3
.
6
1
3
.
6
7
2
.
7
9
.
4
(
13
) 企業の回答によると,実際に利用をめざして開発中あるいは計画中の具体的な業務は,管
理会計,市場予測,経営管理シミュレーション,資金管理および相手先与信管理〔相手先経
営分析〕等が考えられているようである。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
1
7
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
-425-
6 統合的会計情報システム
最後に,会計情報システム (
a
c
c
o
u
t
i
n
gi
n
f
o
r
m
a
t
i
o
ns
y
s
t
e
m
s:
:AIS) の現在の問題点
と今後の AISの在り方を探ってみた。具体的には, AISのブラックボ vクス化,月次報
告書の作成日数の変化とその有用性,および AIS
統合化の現状と将来の方向を尋ね
た。本節では,その結果を検討しよう。
6- 1 ブラックボ v クス化とその対策
コンピコータ導入以前には,月次および年度決算をマニュアルで日常的に現場教育
(
o
nt
h
ej
o
bt
r
a
i
n
i
n
g:OJT) を行うことにより,会計情報システムを新人の経理担当
の従業員は理解していくことができた。しかし,コンピョータを導入することによ
り,一度システムが出来上がってしまうと,経理業務の知識なしに A胞を運用するこ
とが可能になった。そこで,いわゆる経理業務のブラックボックス化という問題が生
じてきた。経理知識のない経理マンの発生である。ブラックボックス化の現状は,表
-26のとおりである。
ブラックボックス化が「大いに問題である」というのは 10%であり,
r
ある程度」あ
るというのが印刷 7%であり,また「問題なし」というのが 293%
である。この数字を
どう解釈するかであるが, 707%の企業が何らかの点で問題が生じているとはいえよ
う
。
表 -26 会計情報システムのブラックボックス化
問題なし
ある程度
問題あり
2
67%
2
65
600%
6
15
6
00
卸売(大)
卸売(小)
小売(大)
小売(小〕
全体
3
50
3
4
.
4
5
9
.
4
133%
1
2,1
50
6
.
3
2
9
.
3
6
0
.
7
1
0
.
0
ゎ
れ
,
,
,,
ゎ
,
*)全体 (n=
1
5
0
)。
以上のような AISのブラックボックス化に対する対応策として,各企業が実施して
いる方策は以下のようなことである。最も多いのは, AIS
を理解するための基礎教育
8
の徹底,研修,再教育をする(マニョアルの部分を残しておくも含む〉というのが 2
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-426ー
香川大学経済論議
1
1
1
8
社 (
6
09%) と最も多くなっている。次は,社外講習,研究会,通信教育および簿記
引
の検定を受けるなどの方法であり, 6社 (
1
30%) である。また,経理処理マニコア
ルの作成,経理部との共同開発というのも 3社 (
65%) ある。しかしこれといった決
定的な方法はないようであり,色々の方法が併用されていくであろうが,とりわけ
OJTが出来なくなる分それだけ基礎教育がより重要になってくるであろう。また,
「問題なし」も 293%あったことを考えると,それら企業の対応の仕方をケース・ス
タディ等により検討することにより AISのブラックボックス化の問題は解消できるか
もしれない。
6-2 月次報告書の作成
月次損益計算書や月次貸借対照表などの月次報告書は,企業の経営者が翌月以降の
経営計画の見直し,修正にとり最も重。要な経営情報である。従って,月次報告書を経
営者に報告するまでに報告書締切後どの位の日数を要するかは,報告書の経営意思決
定への有用性にとり大変重要な関係がある。すなわち,締切後 2
0日以上(実働日〉も
報告書の作成に要するようでは,翌月の経営活動の見直しにはほとんど有効ではない。
そこで,コンピュータ・システムが月次報告書の作成臼数の短縮にどれだけ貢献して
いるかは大変興味のあることでるる。結果は,表 -27
のとおりである。
表からもわかるように,コンピュータを導入する以前は平均で 1
4日弱であり,導入
後は平均で 7日弱とほぼ半分になってし、る。これは月次報告割乍成に要する日数とし
ては,非常な短縮であり,経営者の意思決定にとっては大変重要な意義をもつものと
思われる。
表 -27 月次報告書作成に要する日数
卸売(大)
卸売(小
小売(大
小売(小)
全体
導入前
1
5
.
1日
導入後
6
.
9日
1
3
.
8
1
3
.
5
1
3
.
4
1
3
.
8
6
.
4
7
.
7
7
.
6
6
.
9
*)全体(導入前 n=1
1
5,塁手入後 n=1
4
8
)。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
1
9
情報システムの新展開と会計情報、ンステム統合化へのインパクト
427-
6-3 月次報告書の意思決定への有効性
それでは,月次報告書は現実にどの程度経営怠思決定の見直しに有効なのであろう
8のとお
か,コンピュータの導入前と導入後にわけて検討してみた。その結果が表一 2
りである。
コンピュータの導入前には, I
非常に有用 J というのは 2
3.0%, I
ある程度有用 J が
62.0%,そして「有用でない」が 150%と
, I
ある程度有用 j が過半数を占めており,
ほどほどに活用されていたということであろうか。それが,コンビュータ導入後にな
非常に有用 Jが5
00%と過半数を占め, I
ある程度有用」も 4
6.3%になり, I
有
ると, I
用でない Jは3.7%に過ぎなくなってきている。このことは,コンピュータの導入によ
り,前述のように報告書の作成日数が半分になり,その結果月次報告書が月次計画の
修正,見直しを始めとして,経営意思決定に多面的に利用されてきていることを示し
ている。
表 -28 月次報告書の意思決定への有効性
コンピコータ導入前
有用でないある程度
非常に有用
卸売〈大
卸売(小
小売(大
小売(小
全体
4
4
.
.
4
%
1
6
.
.
9
8
.
.
3
o
1
5
.
0
222%
6
3
.
4
667
71
.4
6
2
.
0
333%
1
97
2
5
.
0
2
8
.
6
2
3
.
0
コンピコータ導入後
有用でない あ る 程 度 非 常 に 有 用
7.1%
5
.
.
1
2L4%
4
6
.
8
o
4
6
.
7
057.7
3
.
7
4
6
.
3
7
14%
4
81
5
3
.
3
4
2
.
3
5
0
.
0
*)全体(導入前 n=114. 導入後 n=1
3
5
)。
6-4 会計情報システムの統合化
最後に,企業の AISの現状と将来の方向性を尋ねてみた。企業の AISは,大きくは次
の 5つに分類されると思われる。
1つは,企業の利害関係者への外部報告を中心にし
たAIS,すなわち財務会計中心のシステム。第 2は,経営管理目的のための内部会計
中心のシステム,すなわち管理会計中心のシステム。第 3に,企業内に財務会計のシ
ステムと管理会計システムが別々に独立して並存している場合。第 Hこ,各種業務管
理システム(購買,販売管理等〕の一部に組み込まれている場合,すなわち業務管理
中心のシステム。そして第 5に,会計情報(データ〕は, DBS等により統一的に保持
され,利用目的,必要に応じてランダムアクセスのできる総合的なシステムになって
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-428-
1
1
2
0
香川大学経済論議
いる場合,すなわち統合的 AISである。
以上のように AISを分類して,各企業における現在のシステムと将来のシステム
(方向〉を尋ねてみた。表 -29
が現在の AIS
についての結果である。
表 -29 会計情報システムの統合化(現在)
財 面 会 計 中 心 管 理 会 計 中 心 独 立 に 並 存 業 務 管 理 中 心 統 合 的A
I
S その他
133%
182
2
0
.
0
2
8
.6
2
0
.
3
(n=
1
5
8
)。
200%
250
4
0
.
0
2
0
.0
2
5
.
3
卸売(大
卸売(小)
小売(大
小売(小
全体
*)全体
467%
2
9
.
.
6
250
3
7
.1
3
2
.
3
1303%
171
1
0o
1
1
.4
1
4
.
6
引
67%
80
5
0
0
2
.9
6
.
3
0%
2
.
.
3
0
0
1
.3
現在の A
ISは,財務会計システムと管理会計システムが独立に並存が 32.3%と最も
多く,ついで管理会計中心のシステムが 2
5.3%,そして財務会計中心のシステムが
203%になっている。また,業務管理中心のシステムは 14.6%,統合的 AISは63%と
比較的少なくなっている。
ISとして,どのようなものをめざしているのであろう
それでは,企業は,将来の A
か。表 -30
によると,統合的 A
ISが8
50%を占め,圧倒的に DBSをベースにした総合
的/統合的 A
ISの方向であることが理解できる。
表 -30 会計情報システムの統合化(将来)
z
扇務委 H市 、 管 理 会 計 中 心 独 立 に 並 存 業 務 管 理 中 心 統 語 的 A
I
S その他
卸売(大
卸売(小
小売(大
小売(小
67%
24
全体
2
.
0
o
o
0%
4
.
7
0
5
.
9
3
.
9
6.7%
3
.
.
5
1
58
0
4
.
6
川
0%
2
.
.
4
5
.
.
3
0
2
.
0
867%
0%
8
4
.
7
24
1
0
.
.
5
6
8
.
.
4
9
4
.
1
0
8
5
.
0
2
.
6
*)全体 (n=
1
5
3
)。
7 結びにかえて
以上 5節にわたって,コンピュータシステム,ネットワークシステム,データベー
スシステム,意思決定支援システムおよび統合的会計情報システムについて,その実
態と動向を考察してきた。
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
2
1
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
-429-
まず,コンピコータシステムについては,汎用コンピュータのみならず,オフコ
ン,マイコンがいずれの企業で、も多数導入されている。また,プログラム言語につい
ては,コボルが 3/4を占め,その他簡易言語などがある程度使用されていた。
ネ v トワークシステムについては,企業内では本社一支広間(圏内)は 80%
近くの企
業ですでに利用されているが,海外支j
古との聞では,その導入はいまだ一部に過ぎな
い。また,企業聞になると,関係会社,購買先との間のネットワーク化はある程度進
んでいるが,販売先との聞はいまだ不十分で司あることが理解できた。
また,ネットワーク化の動機,効果はいずれも迅速正確なデータ処理,事務処理の
省力化,データの有効活用が中心であり,動機と効果のいずれでも結果は同様である。
ネットワーク化のおこなわれている主たる業務は,販売管理,購買管理,在庫管理と
いう業務管理が中心であり,会計管理は二次的になっている。
LANも園内の本社,支
!苫で一部利用されているが,いまだ一部にしか導入されておらず,今後導入の進展が
は小売業では半数近くの企業がすでに利用しており,卸売業
期待される。また, POS
での利用はいまだ一部企業に過ぎない。
DBSは,汎用コンピュータでの利用が60%を越えているが,マイコンではまだ一部
に導入されているに過ぎない。 DBS
の利用目的は,情報の多目的・高度利用が最も重
要な理由であり,業務の統合化,処理パーフォマンスの改善などがそれに続いて意図
されている。また,利用業務は,業務管理の分野では販売管理が最も重要であり,つ
いで在庫管理,人事管理および購買管理の分野でまんべんなく利用されている。会計
0%前後利用さ
の分野では資金会計がとりわけ重要であり,財務会計,管理会計でも 1
の処理形態は,現在のところ集中処理が中心であるが,分散型処理も
れている。 DBS
13%近く,今後分散化の方向に進むであろうことが予想される。また,データベース
専用機であるデータベースマシンの利用も,現在のところ 17%であるが,計画中も
25%近くあり,今後利用が進展していくであろうと思われる。
意思決定支援システムについては,汎用コンピコータでの利用がマイクロ・コン
ピュータの場合に較べて多くなっているが,それでも 20%弱である。利用業務は,汎
用コンピュータの場合,販売管理,利益管理および購買管理で多くなっている。また
DSSの有効性は,本来は戦略的計画への有用性が特に期待されているが,現在のとこ
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
香川大学経済論議
-430ー
1
1
2
2
ろはオベレーショナル・コントロールでの有効性が高いようである。とりわけ,マイ
クロ・コンピョータの場合に,そのことがし、えるようである。また、エキスパート・シ
ステムも経営,会計業務でのその利用が期待されており一部で開発,計画中の企業が
あるが,実際にすでに利用している企業はいまのところないようである。
の現状は,財務会計中心,管理会計山中心,両者が独立に並存そして業務
最後に, AIS
管理中心とその形態は多様であるが,将来の方向としてはデータベースを基礎にして
統合的な AISをめざしていることが調査結果から明らかになった。ただ,統合的な
AISが構築されるまでには,かなりの時聞が掛かる企業が多いであろうことは,現在
はわずか 6“3%の企業でしか構築できていないことからも類推できる。
統合的 AIS
099L 1
1 3
0
)
[参考文献]
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OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
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3
-431-
情報システ ムの新展開と会計情報システム統合化・へのインパクト
l
ワーク化・ VAN・プロトコルの実態(昭和 61 年版)~コンピコータ・エイジ社,
1
9
8
6
年
。
[
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J
郵政省ネットワーク化推進懇談会編『図説/日本のネ v ト ワ ー ク ー ネ ッ T
ワーク化・ VAN・プロトコルの実態(昭和 62/63年版)~コンピュータ・エイジ
社
, 1
9
8
7
年
。
[付録]
付録一 1 調査方法,調査対象および回収状況
有価証券提出会社名
本稿で使用した調査の概要は,次のとおりである。本調査は, w
簿 0986年版)~に掲載されている全商業企業(卸売業と小売業)
2
7
0
社を対象に, 1
9
87
年 l月から 3月にかけて郵送調査により実施された。調査票は,最初 1月初旬に発
, 3月)の督促をおこなった。その結果, 1
6
2
社の企業から回答
送し,以後二回 (2月
99% 06l+269x100=599%) である。
があった。従って,回収率は 5
5
社,卸売業(小規模〕は 9
0
社
,
業種別の有効回答企業数は,卸売業(大規模)は 1
小売業(大規模〕は 2
0
社および小売業(小規模〉は 3
5
社の合計 1
6
0社である。
付録一 2 回答企業の概要
調査結果の解釈の前提として,回答者の所属部門,回答企業の上場証券取引所,支
!古数,営業所数,および会社の規模を表す指標を以下検討しておきたい。
L 回答者の所属部門
回答者の所属部門
部門
卸売(大
卸売〔小
小売(大
小売(小
情報システム経理
総務
管理
経営企画その他
3
33% 53.3%
0%
0%
0% 6
.
.
7
%
4
6
.
.
7
3
0
.
.
0
6
.
.
7
3
.
.
3
33 1
0O
3
5
.
0
5
0
.
0
0
100
1
0
.
0
50
3
5
.
3
4
1
.2
5
.
9
5
.
9
5
.
9 1
1
.8
全体
41
.5
3
7
.
1
2
.
5
4
.
4
4
.
4
9
.
4
*)全体 (
n=1
5
9
),情報システム部 (n=66),経理部 (
n=
5
9
),総務部 (n=
n=7),その他 (n=わである。卸売
4
),管理部 (n=8),経営企画部 (
(大〕は卸売業(大規模),卸売(小)は卸魔業(小規模),小売(大〕は小売業
(大規模〕そして小売(小〕は小売業(小規模〕を示す。
引
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
香川大学経済論叢
-432-
1
1
2
4
2
" 上場証券取引所
上場証券取引所
東証一部東証二部大証一部大証二部その他非上場
卸売(大
800% 13.3%
0%
0%
0% 67%
卸売(小
2
4.
4
1
4
.
4
L1
67
7
.
.
5 4
5
.
.
6
小売(大
9
0
.
0
1
00
0
0
0
0
小売(小
37.11.4
8
.
6
8
.
6
8
.
6 2
5
.
7
全体
4
0
.
6
1
3
.
1
2
.
5
5
.
6
6
.
2 31
.9
*)ある会社が,二つ以上の証券取引所に上場している場合には,次のように分類し
た。もし,それに東京証券取引所(東証〕グミ含まれている場合には,東証として
分類した。また,それに:東:証が含まれず,大阪証券取引所(大証)が含まれる場
n=160), 東証(一部) (n=65),東証
合には,大証として分類した。全体 (
1),大証(一部 )(n=4),大証(二部) (n=9),その他
(二部) (n=2
(n=10)そして非上場 (n=51
)
。
3, 支庖・営業所数
支庖・営業所数
園内
海外
2
17
40
卸商(大
卸商(小
1
2
.
9
9
小売(大
7
6
.
.
7
4,
6
小売(小
5
6
.
5
0
全体
31
.3
1
.4
*)全体(国内 n=
160,海外 n=1
6
0
)。
4 企業規模
.
,
4- 1 資 本 金
資本金
1
9
8
0
〔単位:百万円〕
1
9
8
5
平均値
標準偏差
平均値
1
4,
4
2
6
卸売(大
8,1
0
0
1
0,
6
8
7
卸売(小1.
2
1
1
1
.2
2
7
1
.4
8
8
1
2,
4
0
2
小売(大
7,
3
1
7
7,
2
1
6
l,
小売(小
9
6
3
6
9
6
9
5
9
全体
2,
5
7
5
4,
9
6
9
4,
1
6
8
*)全体 (
1
9
8
0 n=1
6
0,1
9
8
5 n=1
5
9
)。
標準偏差
1
2,
3
1
5
1
,
14
0
1
1,
3
0
2
1
.4
0
2
7,
3
0
5
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
2
5
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
4-2 売 上 高
売上高
(単位:百万円〉
1
9
8
0
平均値
標準偏差
1
9
8
5
平均値
標準備差
卸売(大) 1
.8
5
3,
3
7
2 2,
8
51
.9
8
6
2,
6
7
6,
4
4
1 4,
0
4
2,
6
1
7
3
5
9,
3
7
8
1
2
9,
1
2
7
1
2
8,
5
4
5
卸売(小〉
6
8
5
1
5
7,
8
6
3,
5
4
7 2,
7
8
3,
5
8
0
1
.0
6
2,
5
4
5 3,
5
2
6,
7
4
8
小売(大)
8
3
3
7
3,
7
1
9
5
9,
4
0
4
3
6,
小売〔小〉
4
9,
8
6
6
全体
3
5
3,
9
7
9 1
.3
9
6,
6
4
9
4
7
6,
8
5
8
1
8
3,
9
4
7
*)全体 0
9
8
0 n=1
6
0,1
9
8
5 n=1
5
8
)。
4-3 売 上 原 価
売上原価
(百万円〉
1
9
8
0
1
9
8
5
平均値
標準偏差
平均値
標準偏差
1
5
3,
0
5
9
2,
8
1
7,
2
4
5 4,
0
8
3,
5
3
8
卸売(大) 2
,
5
21
.5
3
1 3,
1
0
6,
8
0
7
1
2
6,
4
4
3
1
11
.6
6
2
1
2
8,
2
0
8
卸売(小)
4
8
6,
0
0
8
7
9
6,
0
6
2 2,
7
4
8,
8
1
0
1
.0
0
0,
8
6
2 3,
小売(大〕
5
1,
8
4
5
2
9,
2
6
7
6
0,
5
9
7
3
8,
2
9
5
小売(小〕
1
2
6,
5
7
1
3
7
3,
1
3
8 1
.4
7
2,
4
9
6
5
6
0,
7
0
2 2,
全体
*)全体 0
9
8
0 n=
1
4
3,1
9
8
5 n=120。
4-4 一 般 管 理 費 お よ び 販 売 費
一般管理費および販売費
1
9
8
0
標準偏差
平均値
3
6,
0
4
5
3
卸売(大〉
1
.7
6
2
7,
1
2
9
7,
0
4
6
卸売(小)
5
6,
7
3
2
小売(大〕
1
.2
8
2
4
0
4
4
8,
1
1
.
18
3
小売〔小〉
全体
1
7,
2
2
6
2
5,
5
6
1
*)全体 0
9
8
0 n=1
4
3,1
9
8
5 n=1
2
0。
(百万円)
1
9
8
5
平均値
4
1
.0
5
9
9,
4
8
4
7
1
.0
5
8
1
9,
0
7
6
2
5,
3
7
6
標準偏差
5
6
6
3
4,
9,
5
6
1
4
7,
0
7
0
1
4,
2
5
1
3
2,
8
9
0
-433ー
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-434-
香川大学経済論叢
1
1
2
6
4 - 5 経常利益
経常利益
(百万円)
1
9
8
5
平均値
卸売(大
1
,
10
6
8
卸 売 ( 小 1 ,6
0
7
4
0
2
小売(大
1
0,
小 売 ( 小 1 ,9
7
7
全体
4,
2
3
5
*)全体(19
唱5 n=12
1
)
。
標準偏差
1
,
16
0
7
,
16
2
6
1
0,
4
4
8
2,
1
2
4
7,
1
0
9
4 - 6 従業員数
従業員数
〔
人
〉
1
9
8
0
平均値
標準偏差
1
9
8
5
平均値
2,
6
4
5
2,
2
8
3
卸売(大)
2,
4
2
5
卸売(小〕
7
7
0
8
0
8
7
6
1
5
3
8
3,
9
0
1
5,
889
5,
小売(大〉
2,
0
1
9
,
19
9
4
小売(小)
1
.985
,
17
9
1
2,
4
7
5
全体
,
1819
*)全体 (
1
9
8
0 n=
1
5
7,1
9
8
5 n=
1
5
7
)。
標準偏差
1
.979
7
9
0
3,
7
7
4
1
.880
4
4
0
2,
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-435ー
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
1
1
2
7
付録 -3
会計情報システムに関する調査票
香川大学経済学部
貴 社 名
口卸売業
回答者こ芳名
TEL
所属部課名
役職
口小売業
口その他
【会社の概要】
問 1 下記の事項につし、て、貴社の実態をお教え下さし、。
l
I
I(昭和60年 度
(A)l盟 堅 笠 監
払込資本金(昭和 5
5
年 度 百 万 円 ) (昭和 6
G年 度 百 万 円 〕
売 上 高 ( 昭 和 白 年 度 百 万 円 )
総従業員数(昭和 5
5
年度
百 万 円 〉
(人〉
主要取扱レ品目
【コンビュータシステム】
閃 2 賀社のコンビュータ(汎用、オフコンおよびマイコン〉の導入状況につし、てお教え下さし、。
l 汎用(メインフレイム)コンビュータにつレて
型 区 分 │ 台
大 型
数 │ 型 区 分
A│
、
ぷa
p
数
B
上 大 型
中 型
A│
い 中 型
B
小
裂│
ト
合
計
汎用コンヒュータの型別分類は、購入金額(レンタルの場合は、売価 ι換算して〉により、次の基準に
従って下さ l。
大型 B一 2億 5千万円以上 5億円未満
大型 A -5億円以上
中型 A - l億円以上 2億 5千万円未満
中型 B -4
千万円以上 1
億円未満
小型 一 I千万円以1:4千万円未満
(なお、 ミエコ Yを事務用に使用してし!る場合には汎用としてこ記入干さ L 。また、 l千万円以下のも
のはオフコ/あるしはマイコゾとしてお考え下さし '
0
)
2
. オフィメコンビュータおよびマイクロコンピュータ(パソコン〉について
│オフィスコンビュータ
台│マイクロコンビュータ:
台
│
問 3 貴社で事務処理システム(経営・会計システム〉用に使用している言語は、どのような割合
で L ょうか。下記の表に、その比皐をご記入下さい。
COBOL
% IFORTRAN
%
P/L l
%IBASIC
%!簡易言語
その他(具体的に
間
%1合
〉
%
│アセンプラ
計
%
100
%
4 貴社のコンビュータ γ 旦テムは、分散処理システム、集中処理システムあるいは両者の中間
のいずれの処理形態でしょうか。該当するものを示す数字に Oをおつけください。
(分散処理ンステムの定義.コ γ ビュータンステムが地理的(物理的〉に別々の場所に分散設置されてお
り、専用的な業務処理を独立で行ってしるが、その相互間はデータ通信網などで連携されており〈論理
的には lつ〉、共同して目的の業務処理が行えるンステムをしう。〉
分散修理
システム
両者の
中間
3
集中処理
システム
5
【ネ ν トワークシステム】
問 5 貴社での汎用〈メインフレイム〉コンピュータを中心にしたネットワ-{1システム化等の状
況は、次のレずれですか。資社の現状を示す数字を選び、下記の表にご記入下さい。
(ネットワーグンステムの定義.電気通信回線とコンビュータおよび端末機器等によって織成され、オン
ラインで様々の業務がヨンピュータ処理されるンステムをしろ。)
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
香川大学経済論議
-436ー
1
1
2
8
半分位
L てLる
、
ぞ〈導入
てない
ぞ面的に
ている
ー斗一一
4
ネットワークシステム化
専用回線の利用状況
間 6 貴社のネットワータンステムの導入の動機および効果を、下記の中から 5つ選び Z
重要性の高
レ順にその番号をご記入下さい。
議要性の順位
1
3 データの有効活用
2 迅速正確なデータ処理
1 1/1'務処理の省力化
4 決済の迅速化
7 サービス時間、地威の拡大
1
0 経営戦略決定の迅速化
5 資金運用の効率化
8 顧客の確保、取引の拡大
1
1 その他(具体的に
1
2
I3
位
6 顧客サービスの改善
9 企業競争力の強化
〉
5
位
ネットワーク化の動機
ヰットワーグ化の効果
問 7 賀社では、とのような業務にネットワークンステムを利用されていますか。下記のうちから
重要なものを 5つ選んで、主要なものから!順にその番号をご記入下さい。
1 購買・仕入管理
5 経理(会計〉管理
8 その他(具体的に
国主主型国佼
1
1位
2 販売管理
6 資金管理
3 在庫管理
7 人事〈労務〉管理
4 物流管理
8 経営情報管理
〉
1
2位
1
3位
1
4位
I
5位
間 8 貴社では、下記の事業所で LAN(ローカル Z リア・ヰグトワーク〉をとの程度噂入されてい
ますか。該当するものを示す数字を、下記の表にご記入下さい。
全く導入
Lて長い
1
1本
全面的に
半分位
し
て Lる
している
5
社 内 悶 内 支 庖 内 海 外 支 庖 内
問 9 貴社では、販売時点管理(p
o
i
n
t0
/s
a
l
e
s management
、 POS)システムを販売灘務にとの
程度導入されていますか。該当するものを示す数字に Oをして下さし、。
全く導入
Lて
な L、
半分位
導入済
4
書面的
入済
5
【データベースシステム】
問1
0 託社では経営管理・会計業務の分野で、汎用コンピュータおよびマイクロコ γ ピュータそれ
ぞれに、データベースシステムを導入されていますか。導入の状況を示す数字を選んで、下記
の表にご記入下さい。導入されている場合には、導入されているデータベース・マネジメ γ ト
・システム (DBMS)の名前(例えば I
BMの lMS)、データ構造(1.階層型 2
.ネットワーク
型 3 りレーショナル型 4
.その他〉及び開発主体 (1自社開発 2 商用 DBMSの利用 3
その他〉を、下記の表にこ記入下さい。
(データベースンステムの定義:DBMS(自社閣発及び商用の DBMS
の両者を含む〉を利用して、情
報相互の関係を関連させて蓄積したデータ椛造をもち、一箇所のデータパンクからニーズに応じてダイ
レグト・アクセスある L はランダム・アクセスの出来る装置を備えたシ九テムをし、う。〉
全く導入
してない
半骨位
潜入情
2 . 4
一一一一「ー導入の状況
DBMS名
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
1
1
2
9
-437-
情報システムの新展開と会計情報システム統合化へのインパクト
問1
1 貴社のデータベースンステム利用は、次のうちとれが主要な目的ですか。下記のうちから、
3つ選び重要性の正弘、ものから順に ζ 記入干さし、。
l 情報の多目的利用や高度利用
3 処理パーフォマンスの改善
2 業務の統合・合理化の手段として
4 ンステム開発時間の短縮
5 システム運用・保守費用(要員〉の節減
7 その他(具体的に
「一一一一一一一│
6 ンステム開発費用(要員〉の節減
{
立
i
{
立
│ 導 入 の 目 的 !
位
問1
2 貴社では、データベースシ λ テムを経営管理・会計の分野でとのような業務に利用されてレ
ますか。下記のうちから、該当する数字に Oをして下さい。(複数回答可〉
1 購買管理〈資材、外 1
1
,発詑を合む販売管理(得意先、受注〉
3在 庫 管 理 ( 製 品 、 原 材 料 、 仕 掛 在 庫 人 事 管 理 ( 労 務 〉
5財 務 会 計 ( 月 次 決 算 、 試 算 表 管 理 会 計 〈 原 価 管 理 内 予 算 管 理 等 〉
7 資金会計(債権・債務管理
8 固定資産会計〈減価償却管理等〕
〉
9 その他(具体的に
3 貴社のデータベ-;<.,ノステムの分散化の程度は、次のいずれですか。該当する数字に Oをし
問1
て下さい。
(分散型デ タベースシステムの定義:広域分散処理〆ステム〈物理的に分散〉上の複数の直接アクセス
記憶装債に格納されてし、るデータの集まりであり、分散データペースに対して一貫性のある原則〈論理
的にJ
統一)により、検索、更新、追 1
m
、削除なとのデータ操作が可能なデータベースシステムをし、う。〉
分散型
νステム
両者の
中間
集中型
システム
6
問1
4 貴社では、汎用コンピュータをデータ〈ーヌ専用の機能として使用されていますか。
1 専用目的に使用している
2 使用を計画中である
3 使用を考えていない
【意志決定支援システム】
問1
5 貴社では、汎用コンビュータあるし、はマイグロコンピュータで作動する意志決定支援システ
ム(ディシジョン・サポート・戸ステム、 DSS)を経営管理・会計業務の分野で利用されてい
ますか。該当するものを示す数字を選び、下記の表にご記入下さし、。
(DSSの定義:経営意志決定問題の解決のため、各績のデータと財務、統計、確率、管理科学等のそデ
ノレを利用して意志決定を支緩する対話型のコ
Yピ
ュ
タを用した経営情報ンメテムをしう。〉
全
離
に
品
る
需
度
;
ぞく利用
てない
l
l
汎用コンヒ・ュータ
マイクロコンピュータ:
6 問1
5で DSSを利用されてレると回答された場合、とのような経醤管理・会計業務に適用され
間1
ています泊、具体的にご記入下さい。
適
l汎
用
業
務
コノビュータ│
l マイクロコンビュータ│
問1
7 汎用コンピュータで作動する DSSとマイクロコンピュータで作動する DSS(表計算型簡易言
語〉はそれぞれ、下記の 3つの段階別の経蛍管理活動を支援する V ステムとしてどの程度有効
と思われますか。相互の関係をも考慮に入れながら、該当する数字を下記にご記入下さい。利
用されていない場合も、判断の上お答え下さい。
貢献は
壷;る狸度
賀誠かめる
なし
大きな貫
献がある
4
戦略的計図
汎用コンビュータ
マイクロコンビュータ
マネジメント
コン}ローノレ
オベレ一、ンョナル
コントロー,レ
OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ
-438-
1
1
3
0
香川大学経済論叢
(定義:戦略的計画とは、組織の進む方向を規定なしし変更する長期的な計画策定のプロセスであり、具
体的には設備投資計画や新製品開発計画等をしう。マキジメント・コノ}ロールとは,組織目的の達成
のために資源を能率的に取得・利用するプロ七スであり、利益計画平総合的子算編成等を L う。オベレ
ー〆ョナル・コン tローんとは、特定業務を一定の手順に従って遂行するプロセスのことで、具体的に
は在庫管理等をいう。〉
問1
8 対話型の意志決定支援システムとしての人工知能の応用、特にエキスパート・ンステム(専
門家ンステム〉による経蛍管理。会計 νステムの設計・利用がいわれていますが、貴社では、
現在エキヌパート・ t ステムを経営管理・会計業務に利用されていますか。下記のうちから、
該当する数字に Oを Lて下さい。
1すでに利用してレる
4 利用を考えてし、ない
2 研究・開発中である
3 利用を計画中である
5 その他(具体的に
〉
なお、すでに利用、研究・開発中、あるいは計画中の場合には、適用あるいは計画 Lている
業務を具体的にご記入下さい。
【会計情報システム】
問1
9 会計情報システムの統合化あるいは総合化がいわれていますが、会計情報〈データ〉そのも
のの膨大さ、また各種業務管理ンステムとの緊街さを考慮した場合、貴社の会計情報シメテム
の現状及び将来の方向は、次のし、ずれですか。下記の項目から選び、ご記入下さい。
1 企業の利害関係者への外部報告を中心にしたンステムである(財務会計中むのンステム〉
2経営管理目的のための内部会計中心の〆ステムである(管理会計中心のンステム〉
3 財務会計中心のンステムと管理会計中心の〆ステムが別々に独立 Lて並存している
4 各種業務管理ンヌテム(購買、販売管理等)の
部に組み込まれたンヌテムである(業務管理中心
のシステム〉
5 会計情報〈データ〕は、テ タベ スンステム等により統的に保持され、利用目的、必要に町、じ
てランダム・アクセスの出来る総合的な y ステムである(統合的会計情報〆ヌテム〉
6 その他(具体的に
!現在の
J ステム:
!将来のシステム:
間2
0 コンビュー夕、通信機器を始め種々の情報機器の導入により、経理業務のブラック・ポッグ
九化(経理担当者の教育を現場の経理業務をすることを通じて経理 γ ステムを理解し、業務を
留得していくとしう機会、方法が失われること〕がいわれてレますが、貴社ではそのような問
題はごさいませんか、該当するものにOをして下さい。またブラック・ポ y 7ス化に対してど
のように対処されてレますか、具体的な方策を実行されてレる場合あるし、は方策がございまし
たら下記にお示し下さい。
官
ま
~ì雪
開}地は
なt
ト
具体的な対応策.
問2
1 コンビュー夕、ンステムの噂入により、月次報告書(月次貸借対照表、損益計算脅等〉を作成
し経営者に報告するまでに要する日数は、現在締切り後実働日で何日位でしょうか。
│導入前:
日
l
;g入後(現在) :
日
l
また、月次報告書は経営者や月次計画の見市しにどの程度布用ですか。コンピュ}タの導入
前と導入後について、それぞれお答え下さい。
3
に
で
な
し
E有4 7
全く布用
産
主
語
トー
1
│コ Y ピa ー タ シ 旦 テ ム 導 入 前 コ γ ピュータ "
'
Aテム導入後:
2 号社で、経理関係の業務および会計情報システムの設計。利用において、現在最も重要な問
問2
題及び課題はどのようなことですか。差支えなければ、お教え下さし、。
【この調査についてこ意見・ご希望等がございましたら、
ζ
自由にお書き下さい。】
ご協力をいただき有難うございました。誤記、記入漏れ等のなし、ようにご確認下さレ。
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