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∼ 愛東梨生産出荷組合梨ワインへの取り組み ∼ ∼ 愛東梨
東近江農業農村振興事務所農産普及課情報 す き 2011年 秋号 く わ 発行 東近江農業農村振興事務所農産普及課 発行責任者 柴原 藤善 ○農業推進担当、東部産地づくり担当・技術支援担当 〒527-8511 東近江市八日市緑町7-23 TEL 0748(22)7727・7728 FAX 0748(22)1234 HPアドレス http://www.pref.shiga.jp/ yokaichi-pbo/nogyo/ E−mail [email protected] ○西部産地づくり・技術支援担当 〒521-1301 近江八幡市安土町大中516 TEL 0748(46)6504 FAX 0748(46)7411 ∼ ∼ 愛東梨生産出荷組合梨ワインへの取り組み 愛東梨生産出荷組合梨ワインへの取り組み ∼ ∼ 左:にごりワイン(梨の雫) 右:スパークリングワイン(梨のときめき) 東近江市の愛東梨生産出荷組合では平成 19 年より光センサー付き選果機が導入され、おい しさと品質を保証した「あいとう梨」を販売しています。梨の品質が保証される一方でセン サーの導入により、厳しい基準をクリアできなかった梨の有効利用が課題とされていました。 そこで、 (有)ヒトミワイナリーの協力のもと、独自製法によるにごりワインとスパークリン グワインを商品化されました。一般の梨ワインは香料を添加しますが、このワインは香料を添 加せず自然な梨の風味を引き出したのが特長です。甘口に仕上がっており、販売前の評価会で は柔らかいデザート的な仕上がりで美味しいという声も聞かれました。 生産組合では今後もさらに検討を加え、より仕上がりの良いワインを製造し、産地の活性化 につなげていきたいと考えておられます。 ワインはあいとうマーガレットステーション等で購入できます。 行政サービスの値札表示 1 「鋤と鍬」は農家への情報資料として、年間4回発行しています。 そのコストは印刷費や人件費を含め1部あたり26円です。 切り花を栽培してみませんか? 農業所得の向上や集落営農組織の人的資源有効活用のため、水田に園芸品目を導入する動きが出てきてい ます。その取り組みの一つが育苗ハウスを利用した草花類の栽培です。 そこで、特に夏場の冷涼感あふれる花として人気が高く、花持ちが良く花色・花型も豊富なことから年間 を通じて安定した需要があり直売や市場出荷で高収益が期待できる「トルコギキョウ」を紹介します。 ■トルコギキョウの特徴 ・ 北アメリカ原産でリンドウ科に属する多年草ですが、一般的には一年草として扱われます。 ・ 花色は、紫系や白に加え、ピンク、黄、グリーンなど多彩です。花びらの縁に色がついた覆輪や、かすり ふくりん 状に色が入った種類もあります。 ・ 花の形はシンプルな一重咲きと、豪華な八重咲きに大別されます。八重咲き品種は夏に少なくなるバラの 代わりとして使用され、一重咲き品種は仏花としても使用されるなど広い用途があります。 ■栽培のポイント ・ ハウスで栽培します。定植時期を5月に遅らせることで収穫期が8月以降になりますが、水稲育苗ハウス の利用が可能になります。 ・ 播種∼育苗の栽培管理が難しいので、初めは購入苗を定植する方が良いでしょう。 ・ 滋賀県では中早生∼中生の茎が堅く草丈をとりやすい品種がおすすめです。 ・ 乾燥を好む性質がありますので、できるだけ排水性の良い土を使います(生育初期は水分が必要ですが、 溜まった水は嫌います)。 ・ 定植は60cm幅の畝に株間10cm、条間10cmで中2条(30cm)を空けた4条植えします。 ・ 倒伏防止や品質向上のため、フラワーネットを張ります。 ・ タバコガ類、スリップス類、アブラムシを主体に定期 的に防除します。 ・ 最初に開く中心の花は早めに摘み取り、次の蕾2∼3 輪が開いてきたら株元で切り収穫します。また、開花 の見込みのない未熟な蕾も取り除きます。 ・ 連作障害の出やすい品目ですので、2作目以降は土壌 消毒をします。 トルコギキョウの少量土壌培地耕 <作型の例> 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 (苗購入) 播種期 定植 開花期 《市場出荷や直売所向けに栽培してみたい方は、農産普及課までご連絡ください》 2 12月 獣害対策コーナー 『集落ぐるみによる対策』で野生獣による農作物被害を軽減させましょう! ! ■野生獣による農作物被害の状況 毎年、各市町から報告を受けている「鳥獣類による農作物の被害状況調査」の結果によると、被害を受けて いる地域は「中山間地域」から徐々に「平坦地域」に拡大していき、平成22年度においては4市町99集落に おいて被害総額で5, 700万円を超える状況となっています。 特に、最近3年間では被害面積が6. 3倍、被害金額で2倍以上に増加しています。 表:東近江地域の獣害状況(鳥獣類による農作物の被害状況調査の結果) 平成19年度 平成22年度 比 率 (H22/H19) 1, 261a 7, 993a 634% 量 157, 377kg 357, 474kg 227% 被 害 金 額 27, 388 千円 57, 237 千円 209% 被 害 面 積 被 害 ■獣害対策の状況 獣害対策が全国的な課題となっている中で、鳥獣被害緊急総合対策により東近江地域4市町では総額1億 5千万円の交付金を活用し侵入防止柵等の整備事業に取り組まれています。 各市町では、被害集落が設置する侵入防止柵に対する助成のほかに、被害防止対策研修会を開催したり、 おり 狩猟免許の取得支援やわな・檻等の導入など捕獲頭数を増やすための推進事業について積極的な取り組み を展開されており、農産普及課ではこれら各市町における対策協議会での活動を支援しています。 ★対策のポイント ①エサ場としての価値を下げる ざん さ 野生獣のエサとなるような「放任果樹」や「農作物残渣」をなくす ②野生獣の侵入を防ぐ 柵の設置による物理的な侵入防止と、威嚇による追い払いや人慣れ度合いの低減をはかる ③害を及ぼす野生獣を捕獲する 個体数や生息密度、分布域などを適切に管理する ★「集落ぐるみによる対策」に取り組みましょう! ! 体制づくり 集落にお住まいの方々が主役となった面的な対策が効果的です 実態の把握 なぜ獣害を受けるのか『集落環境点検』で状況を確認します 課題の整理 野生獣による農作物被害が発生する原因や問題点を共有化します 対応の検討 具体的、効果的な対応策、行動計画を作成します 実践・見直し 獣害対策の状況等を確認し、 より効果ある対応策として継続します 《農産普及課では、住民の方々が自ら実践される活動を支援しています》 3 近江八幡市小ギク新規栽培の取り組み 近江八幡市産地拡大プロジェクト事業をきっかけとして、今年度から市場出荷を目指した小ギク 栽培に3名の方が約15a、近江八幡市内で新規に取り組まれています。今年は高温小雨が続き栽培 管理に苦労されましたが、8月2日から京都大原市場に初出荷することができました。 開花を思うようにコントロールできない難しさを実感されましたが、「さらに作型を拡大した い」とみなさん前向きに取り組んでおられます。 出荷間近なほ場 湧水 選別・調整の様子 平成14年に出版された、ピーター・F・ドラッカーの『ネクスト・ソサエ ティ』の中に、「経済的には、日本の農業政策は失敗だった。今日、日本の農業 は先進国のなかで最低水準にある。残った農民に膨大な補助金を注ぎ込みなが ら、かつてない割合で食料を輸入している。その輸入は先進国の中で最大である。し かし、(この失敗により)日本はいかなる社会的混乱ももたらすことなく、いずれの先進国よ りも多くの農業人口を都市に吸収した。」と記されています。 今、集落営農にとって最大の関心事は、法人化や生産コストの低減による構成員への配分額 の増加といろいろな能力を持つ人材の確保であるように思われます。 彼のマネジメント原則を集落営農に当てはめますと、①わが集落営農にとって顧客はだれな のか(組合員、地域住民、消費者など)②わが集落営農のもつ強みを生かすにはどうすればよ いのか(人材、機械、情報力など)③組織の経営は、営農組織の役員だけが行うべきものなの か、となります。 また、彼が言うように「人と人との絆が社会を形成している」とする ならば、「地域社会づくり」も集落営農にとって重要なことでしょう。 経営安定や利益を求めつつ、組合員の満足や地域貢献を少しだけ優先す ることにより、組合員それぞれが自分の能力を発揮できる“舞台”が集 落にでき、営農組織は新たな発展を遂げるのかもしれません。 この印刷物は古紙パルプを配合しています。 4