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京大文系数学解答速報

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京大文系数学解答速報
京大文系数学 2014 解答例
! 0°≤ q < 90°とする.x についての 4 次方程式
{x2 - 2(cosq)x - cosq + 1}{x2 + 2(tanq)x + 3} = 0
は虚数解を少なくとも 1 つ持つことを示せ.
《解答》
{x2 - 2(cosq)x - cosq + 1}{x2 + 2(tanq)x + 3} = 0 ……… 1
1 から
x2 - 2(cosq)x - cosq + 1 = 0 ……… 2
または
x2 + 2(tanq)x + 3 = 0 ……… 3
である.
2 ,3 の判別式をそれぞれ D1 ,D2 とすると,
D1
2
4 = cos q + cos q - 1
1
D2
2
4 = tan q - 3 = cos 2 q - 4
である.
0°≤ q < 90°より 0 < cosq ≤ 1 であり
(i)
1
< cos q ≤ 1 - 0° ≤ q < 60° のとき
2
D2
4 <0
であるから,3 は異なる 2 つの虚数解を持つ.
(ii) 0 < cos q ≤
D1
ª
1
- 60° ≤ q < 90° のとき
2
1
4 = cos q + 2
º
2
-
5
5
1
≤ 12 - = - < 0
4
4
4
であるから,2 は異なる 2 つの虚数解を持つ.
以上,(i) ,(ii) より,1 は虚数解を少なくとも 1 つ持つ.
■
(30 点)
京大文系数学 2014 解答例
@ (30 点)
(ii) t < - 1 のとき
u >
t を実数とする.y = x - x のグラフ C へ点 P(1 ,t) から接線を引く.
3
3
であり,S(t) は図の斜線部分の面積であるから,
2
S (t) =
(1) 接線がちょうど 1 本だけ引けるような t の範囲を求めよ.
(2) t が (1) で求めた範囲を動くとき,P(1 ,t) から C へ引いた接線と C で
=
囲まれた部分の面積を S(t) とする.S(t) の取りうる値の範囲を求めよ.
おける C の接線 l の方程式は
\ y = (3u2 - 1)x - 2u3
S (t) >
である.これが点 P(1 ,t) を通るとき,
である.
t = (3u2 - 1) • 1 - 2u3 = - 2u3 + 3u2 - 1 ……… 1 である.題意の接線がちょうど 1 本だけ引けるための条件は u の 3 次方程式
1 がちょうど 1 つだけ実数解を持つことである.
g(u) = - 2u3 + 3u2 - 1 とおくと,t のとりうる値の範囲は,直線 y = t と曲
線 y = g(u) がちょうど 1 つだけ共有点を持つための条件として与えられる.
g'(u) = - 6u2 + 6u = - 6u(u - 1)
であるから,g(u) の増減は次のようになる.
y
º 1 º
+ 0 -
1
-
よって,求める t の取りうる値の範囲は
1
2
t < - 1 ,0 < t ………(答)
3
2
u
O
-1
である.
y = g(u)
(2)
(i) t > 0 のとき
u < -
1
であり,S(t) は図の斜線部分の面積であるから,
2
S (t) =
- 2u
∫ {(3u
u
=-
∫
- 2u
u
27 4
=
u
4
27
>
64
が成り立つ.
2
y
- 1)x - 2 u 3 - (x 3 - x)} dx
P
2
(x - u) (x + 2 u) dx
u
- 2u
(x - u)2 (x + 2 u) dx
l
u O
C
- 2u
x
27
………(答)
64
C
l
} dx
以上 (i) ,(ii) より,求める S(t) の取りうる値の範囲は
y = (3u2 - 1)(x - u) + (u3 - u)
Q -1 W 0 Q
∫
- x) - (3 u - 1)x + 2 u
3
が成り立つ.
(1) f(x) = x3 - x とすると,f'(x) = 3x2 - 1 より曲線 C 上の点 (u ,u3 - u) に
g( u)
- 2u
2
27 4
u
4
27
¥ 81
>
64
27
>
64
C : y = x3 - x ,P(1 ,t)
0
0
∫ {(x
3
=
《解答》
u
º
g ¢(u) -
u
y
- 2u
O
u
P
x
京大文系数学 2014 解答例
# (30 点)
座標空間における次の 3 つの直線 l ,m ,n を考える:
l は点 A(1 ,0 ,- 2) を通り,ベクトル u = (2 ,1 ,- 1) に平行な直線である.
m は点 B(1 ,2 ,- 3) を通り,ベクトル v = (1 ,-1 ,1) に平行な直線である.
n は点 C(1 ,- 1 ,0) を通り,ベクトル w = (1 ,2 ,1) に平行な直線である.
P を l 上の点として,P から m ,n へ下ろした垂線の足をそれぞれ Q ,R とする.
このとき,PQ2 + PR2 を最小にするような P と,そのときの PQ2 + PR2 を求めよ. 《解答》
l : (x ,y ,z) = (1 ,0 ,- 2) + s(2 ,1 ,- 1) (s は実数)
m : (x ,y ,z) = (1 ,2 ,- 3) + t(1 ,- 1 ,1) (t は実数)
n : (x ,y ,z) = (1 ,- 1 ,0) + u(1 ,2 ,1) (u は実数)
P は l 上の点より (1 + 2s ,s ,- 2 - s) とおくことができ,P から m ,n
へ下ろした垂線の足をそれぞれ Q ,R とすると,Q は m 上,R は n 上であ
るから,
Q (1 + t ,2 - t ,- 3 + t) ,R (1 + u ,- 1 + 2u ,u)
とおけ,
L
PQ = (t - 2 s ,- t - s + 2 ,t + s - 1) ,
L
PR = (u - 2 s ,2 u - s - 1,u + s + 2)
である.
L
L
PQ ^ v ,PR ^ w
であるから,
L
 PQ
•v = 0

- t = 1,s = 2 u ººº 1
L
 PR • w = 0
である.
よって,
PQ2 + PR2 = {(t - 2s)2 + (2 - t - s)2 + (- 1 + t + s)2}
+ {(u - 2s)2 + (- 1 + 2u - s)2 + (2 + u + s)2}
であり,1 を用いると
PQ 2 + PR 2 =
21 2
s +7
2
である.
ゆえに,PQ2 + PR2 は s = 0 すなわち P (1 ,0 ,- 2) のとき最小であり,
その最小値は
7 ………(答)
である.
京大文系数学 2014 解答例
$ 次の式
a1 = 2 ,an + 1 = 2an - 1 (n = 1 ,2 ,3 ,………)
で定められる数列 {an} を考える.
(1) 数列 {an} の一般項を求めよ.
(2) 次の不等式
an2 - 2an > 1015
を満たす最小の自然数 n を求めよ.ただし,0.3010 < log102 < 0.3011 であ
ることは用いてよい.
(30 点)
n-1>
\ n>
15
2 log 10 2
15
+1
2 log 10 2
ここで,0.3010 < log102 < 0.3011 より
15
15
15
<
<
0.6022 2 log 10 2 0.6020
であり,
15
15
= 24.90 ººº ,
= 24.91 ººº
0.6022
0.6020
であるから,
25.90 ººº <
15
+ 1 < 25.91 ººº
2 log 10 2
である.
よって,求める最小の自然数 n は
《解答》
(1) an + 1 = 2an - 1 -
an + 1 - 1 = 2(an - 1)
であり,
a1 - 1 = 1
であるから,
an - 1 = 2n - 1
\ an = 2n - 1 + 1 ………(答)
である.
(2) an2 - 2an > 1015
-
(an - 1)2 - 1 > 1015
-
(2n - 1)2 > 1015 + 1 ……… 1
である.
このとき,
(2n - 1)2 > 1015 ……… 2
が成り立つ.逆にこのとき,(2n - 1)2 が偶数,1015 も偶数であることから
(2n - 1)2 - 1015 ≥ 2
となるから
2 ⇒ 1
も成り立つ.
1 - 2
であるから,求める n は 2 を満たす最小の自然数 n である.
2 の両辺はともに正より常用対数をとって,
2(n - 1)log102 > 15
である.
n = 26 ………(答)
である.
京大文系数学 2014 解答例
% 1 から 20 までの目がふられた正 20 面体のサイコロがあり,それぞれの目が
出る確率は等しいものとする.A ,B の 2 人がこのサイコロをそれぞれ一回ずつ
投げ,大きな目を出した方はその目を得点とし,小さな目を出した方は得点を 0
とする.また同じ目が出た場合は,A ,B ともに得点を 0 とする.このとき,A
の得点の期待値を求めよ.
《解答》
A が 1 点を得ることはないから,その確率 p(1) は 0 である.
A が k の目 (2 ≤ k ≤ 20) を出すときを考える.A が k 点を得るのは,B が
k - 1 以下の目を出すときであるから,その確率 p(k) は
p(k) =
1 k-1 k-1
¥
=
20
20
400
である.これは k = 1 のときも成り立つ.
これ以外のときは A の得点は 0 であるから,その確率を q とすると,求め
る A の得点の期待値は,
S k • p(k) + 0 • q
20
k =1
k-1
400
1 20 1
=
{(k - 1)k(k + 1) - (k - 2)(k - 1)k}
400 k = 1 3
1 1
=
• •19 • 20 • 21
400 3
133
ººº
(答)
=
20
=
Sk•
20
k =1
S
である.
(30 点)
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