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東日本大震災を踏まえた データセンター ファシリティ スタンダード の検証

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東日本大震災を踏まえた データセンター ファシリティ スタンダード の検証
東日本大震災を踏まえた
データセンター ファシリティ スタンダード
の検証と見直し
(ダイジェスト版)
2013年07月
日本データセンター協会
Japan Data Center Council
(Copyright © 2013 Japan Data Center Council. All Rights Reserved)
1.
-1-
Copyright © 2013 JDCC
はじめに
東日本大震災はマグニチュード「9.0」という、未曾有の大地震により引き起こされた大震災
であり、津波等の影響により東北地方を中心とした東日本地域に甚大な被害をもたらした。
このような未曾有の大震災であったが、仙台市内のデータセンターにおいてもサービスに影響
を与える被害は報告されておらず、海底ケーブルの切断等通信ネットワークのトラブルに伴う一
部サービスの停止やサーバーの一部にトラブルが発生したのみであり、データセンターは通常通
りの運営が続けられた。
【歴史的にも稀な巨大地震に対して、データセンターに被害が無かった】ことは、「ファシリ
ティ面での高い堅牢性や耐震安全性」、「安全・安心に対するユーザーの高い要求」、「緻密か
つ高度なデータセンター事業者の保守運用技術」に支えられた日本のデータセンターの高い信頼
性が証明される結果となったが、東日本大震災の経験を貴重な教訓として、データセンター
フ
ァシリティ-スタンダード(JDCC FS-001)について内容の検証を行った。
検証の結果、地震や津波の危険度と言った立地に係わるハザード対策については、リスク想定
の考え方が根本的に変わり、
「発生の可能性が少しでも疑われる地震や津波の存在が明らかになっ
た場合は対策の対象に加える」ことで、現在、公的機関で検討が進められていることから、今回
は改定を行わず、公的機関の基準や指針が出た時点で内容の見直しを行うこととした。
一方、データセンターに大きな影響を与えた想定外の事態としては、震災後に発生した電力不
足に伴う輪番制の計画停電が挙げられる。
計画停電の対象となったデータセンターでは非常用発電機を運転して対応したが、非常用発電
機の燃料補給に関して、災害時優先供給契約を結んでいるにもかかわらず、要求通りに燃料を補
給することが出来ず、燃料調達に奔走する結果となった。
震災直後に計画停電が実施されるという異常事態は、日本においても商用電源が長時間停電す
るというリスクがあることを認識させられた。
東日本大震災の経験を踏まえ、今後データセンターが考慮すべき教訓としては、想定外の事態
をいかに無くしていくかが重要となる。
このため、津波や停電、燃料調達、・・・等、今まで想定していた範囲以上の様々なリスクに
対しても、事前に十分な対策を検討・実施しておくことが求められることから、今回の見直しに
当たっては、各種ハザード情報の入手先を追記し、事前検討の参考になるよう配慮した。
また、非常用発電機の燃料確保については今回の震災における最大の教訓であることから、災
害時優先供給契約の見直しを行うとともに、燃料調達先の複数化(出来れば異なる石油元売りメ
ーカー)を含め見直しを行った。
なお、特高受電の場合の燃料確保量については、今回の震災による電力インフラの停止期間が
公開されておらず、現在公的機関で検討中であることから、公的な指針や基準が公開された段階
で見直しを行うこととした。
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Copyright © 2013 JDCC
2.見直し結果の概要
1)建物の地震リスクに関する見直し結果(基準項目:B-2)
【PML 評価の場合】
PML 評価の場合については、今回見直しをせず現行基準のままとした。
【建築基準法評価の場合】
建築基準法で評価を行う場合の基準となる、サイトが持つ地震危険度の判定については、現
在、公的機関で地震ハザードに関する見直しを行っている状況であるため、今回見直しは行わ
ず、今後予定されている公的機関の見解が示されるのを待って見直しを行うこととした。
2)立地に関する見直し結果(推奨項目:R-2)
地震や津波に対する安全性等、立地選定・評価に関しては、現在中央防災会議等公的機関で
抜本的な内容の見直しが行われているため、今回見直しは行わず、公的機関から新しい指針や
基準が出た段階で見直しを行うこととした。
また、データセンターの立地選定に当たっては、津波や高潮、想定地震震度、液状化危険度、
地震後の停電件数等、従来想定していた範囲以上の様々なハザード対策について検討すること
が重要であることから、 様々なハザード情報の入手先を追加するとともに、ハザード地域に
立地する場合の対応方法についても記載することとした。
3)非常用発電機の燃料確保量についての見直し(推奨項目:E-4)
今回の震災により「非常用発電機の燃料調達」が新たなリスクとして認識された。
このため、「非常用発電機の燃料確保量」については、下記の見直しを行った。
・燃料供給会社の災害時優先供給契約については、原則燃料の確保量として加算しない。
・特高の場合の燃料確保量(ティア 4:24 時間)については、今回の震災を踏まえた電力イン
フラ(特高)停止期間の基準や指針が公開された段階で見直しを行う。
・ 複数の燃料供給業者と契約を結び、燃料調達先の冗長化を行うことを推奨する。
(できれば
異なった石油元売りメーカー)
【現行基準】
(燃料供給会社の優先供給契約を含む)
評価項目
ティア 1
ティア 2
ティア 3
オイル確保量
規定無し
12 時間
24 時間
ティア 4
48 時間
(特高の場合 24 時間)
【変更後】(燃料供給会社の優先供給契約を含む)
評価項目
ティア 1
ティア 2
ティア 3
燃料確保量
規定無し
12 時間
24 時間
-3-
ティア 4
48 時間
(特高の場合 24 時間)
Copyright © 2013 JDCC
3.東北地方太平洋沖地震の概要
平成 23 年 3 月 11 日(金)14 時 46 分頃に東北地方の太平洋沖において未曾有の巨大地震が
発生し、東北地方から関東地方にかけて大津波や震動による甚大な被害(東日本大震災)を引
き起こした。
「平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震」と命名されたこの巨大地震は、震源域は岩
手県沖から茨城県沖までの南北 450km、東西に 200km の広範囲に及び、地震の規模を表すマグ
ニチュード(Mw1)は 9.0 を記録した。
この Mw9.0 は国内観測史上最大規模となる記録で、例えば、表 2 に示す近年(1994 年~2008
年)発生した地震の Mw と比べてもその規模の違いがわかる(マグニチュードは 1 大きくなると
エネルギーは約 32 倍、2 大きくなると約 1,000 倍)。
なお、図 2 に示すように、Mw9.0 の地震は世界で見てみても 4 番目に大きい規模の地震であ
る。
また、東北地方太平洋沖地震は各地に大きな揺れを及ぼした。
震源に近い宮城県栗原市築館において最大震度(震度 7)が観測され、この地域を中心に広
い範囲で震度 6 弱以上の揺れが生じた(図 3)。
表1
東北地方太平洋沖地震の概要(気象庁 HP より)1)
地震名称
平成 23 年(2011 年)東北地方太平洋沖地震
発生日時
平成 23 年 3 月 11 日 14 時 46 分
震源位置
三陸沖(牡鹿半島の東南東、約 130km 付近)
深さ
深さ約 24km(暫定値)
規模
Mw9.0(Mw はモーメントマグニチュード)
断層の
大きさ
断層の
すべり量
主たる破壊
の継続時間
最大震度
長さ約 450km、幅約 200km
最大 20~30m程度
3分程度(大きな破壊は3回)
震度7(宮城県栗原市築館)
図1
震中分布図(気象庁 HP より)1)
1
Mw はモーメントマグニチュード。この他気象庁マグニチュードなどがあり、いずれも地震の規模を表す指標だが、それぞれ
は計算方法が異なる。一般に M と表記されているマグニチュードは、気象庁マグニチュードを指す場合が多い。
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表2
近年(1994 年~2008 年)発生した被害地震のマグニチュード(気象庁 HP の資料に加筆)1)
Mw
Mjma
(モーメントマグニチュード)
(気象庁マグニチュード)
三陸はるか沖地震(1994.12.28)
7.8
7.6
兵庫県南部地震(1995.1.17)
6.9
7.3
鳥取県西部地震(2000.10.6)
6.8
7.3
芸予地震(2001.3.24)
6.8
6.7
十勝沖地震(2003.9.26)
8.0
8.0
新潟県中越地震(2004.10.23)
6.7
6.8
能登半島地震(2007.3.25)
6.6
6.9
新潟県中越沖地震(2007.7.16)
6.7
6.8
岩手・宮城内陸地震(2008.6.14)
7.0
7.2
東北地方太平洋沖地震(2011.3.11)
9.0
-
地
震
図2
世界の震源分布(東京大学地震研究所 HP より)2)
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震度 7
(宮城県栗原市築館)
図3
東北地方太平洋沖地震の推計震度分布図(気象庁より)1)
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4.東北地方太平洋沖地震の被害の特徴
1)被害の概要と特徴
地震動による被害は、建物だけに止まらず、地盤やライフライン、インフラ等にも及んだが、
マグニチュード 9.0、また最大震度 7 が観測された未曾有の規模の地震にしては、建物の構造
的な被害が比較的少ないといわれている。この要因としては、建物に被害を及ぼす周期帯の地
震動の成分が今回の地震では比較的弱かったとの見解がある。
一般に建物は、1~2 秒の周期帯の成分が多く含まれた地震動が建物に入力されると(共振現
象により)甚大な被害が発生する。図 4 には、この周期帯を黄色で表しているが、その周期帯
で速度応答スペクトルを比較すると、兵庫県南部地震での速度応答値は東北地方太平洋沖地震
の 4 倍も大きい。すなわち、兵庫県南部地震に比べると、今回の東北地方太平洋沖地震は、建
物に対して甚大な被害を及ぼすような特徴が少なかった地震であることが推察される2。
津波被害
建物の構造被害
窓ガラスの被害
天井の被害
什器類の被害
地盤の液状化被害
表3
東北地方太平洋沖地震による被害写真 7)~10)
2
震動による建物被害については現在も調査中であり、本報で述べた原因はあくまでも一つの見解であって、全ての現象を説明
できるものではないことに留意されたい。
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最大で約4倍違う
図4
地震別にみた速度応答スペクトル(黄色帯は木造建屋の固有周期)
(東京大学地震研究所 HP より)2)
一方、建物の構造被害は少なかったものの、屋根や外壁材、室内の天井や内装材といった非
構造物、また設備や什器類には多くの被害が発生した。特徴的なのは、関東地域など震源から
遠く離れた地域においても、こうした構造物に被害が発生したことである。このような被害の
原因として挙げられるのが、長周期地震動の影響である。
図 5(a)に示すように、一般に地震動は震源地からの距離や地盤の影響により、観測地点に
よって異なる地震波形が観測される。
今回のような海溝型地震は、断層破壊で開放されるエネルギーが大きく震動が広範囲に及び、
遠方の地域では長周期成分が強く含まれる地震波が発生する特徴がある。
図 5(b)は、独立行政法人防災科学技術研究所の強震観測網(K-NET)で観測された新宿の
地震波による速度応答スペクトルである。
長周期地震動とは図中の赤矢印で示す周期 2 秒以上の成分の波を指すが、図 5(b)からわか
るように、短い周期に比べて長周期地震動に該当する周期帯の速度応答値は大きい。
つまり、高層ビルや超高層ビルのような固有周期が長い建物程、建物内に生じる地震力は大
きくなり、この結果、非構造部材や設備・什器類に被害が発生する。
こうした長周期地震動の影響は、以前から懸念されており、今後においても更なる地震防災
における検討課題となることが予想される。
地震の影響は、地盤の液状化による被害にも及んだ。地盤の液状化は関東地方においても多
発し(図 6)、ライフラインの途絶等の被害を招いた。国土交通省(関東地方整備局)と公益社
団法人地盤工学会の調査によれば、液状化が発生した地域は埋立地が最も多く、その他、三角
州や海岸低地などでも被害が発生している。また過去に液状化が発生した箇所では再び液状化
が発生する傾向もあり、今後施設を新設する際は立地の十分な調査が重要と思われる。
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K-NET新宿(TKY007)の観測波形(震度5弱)による
速度応答スペクトル(減衰定数5%)
長周期地震動*
*厳密には、周期2~5秒をやや長周期地震動、周期5秒以上を長周期地震動と呼ぶ。
(a)各地で観測された地震波
図5
(b)新宿で観測された地震波で算定した速度応答スペクトル
各地で観測された地震波と新宿で観測された地震波による速度応答スペクトル
(独立行政法人防災科学技術研究所 HP より)11)
図6
関東地方の液状化発生箇所(国土交通省関東地方整備局 HP より)12)
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5. データセンターにおける被害について
1)データセンターに対する地震の影響
東北地方太平洋沖地震によるデータセンターの被害について日本データセンター協会の会員
企業にヒアリングを行った結果としては、データセンターのサービスに影響を与えるような被害
は皆無であり、海底ケーブル及び被災地において発生した通信回線のトラブルの影響を受け、一
部サービスに影響が出たのみであり、世界的にも稀な巨大地震に対して、サービスを停止するこ
となく営業が継続された。
2)データセンターにおける被害事例
ファシリティに係わる被害としては、関東地方において、サーバールームにおける免震装置
の被害が 5 件(免震台の被害が 4 件、免震床の被害が 1 件)確認されている。
いずれの被害もサーバーラックが転倒したとのことであるため、恐らく長周期地震動の影響
により、免震台が可動範囲の限界値まで移動してしまい、その結果、台が可動部の端部に衝突
し、その衝撃で台上のラックが転倒したと推察される。
免震台メーカーやデータセンター事業者に対して被害状況や原因についてヒアリングするな
ど、今後の地震対策に関する方針を確認・検討することが重要と思われる。
なお、免震台や免震床だけでなく、免震建物についても長周期地震動は懸念事項であり、
JDCC-FS においても「長周期地震動が懸念される地域においては、超高層建物の設計および免
震装置(設備設置階の免震床、その他設備用の免震装置等も含む)の設計に十分な配慮が必要
である。」との留意事項を記載していた。
東北地方太平洋沖地震では、免震建物の被害に関する報告は確認されないが、今後も南海ト
ラフの地震など、平野部に長周期地震動を生じさせる可能性がある地震の発生も危惧されるこ
とから、免震装置との関わりが大きいデータセンターの地震対策のポイントとして念頭に置く
ことが必要である。
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6.
ファシリティ
スタンダードの見直し結果
東日本大震災の経験から、データセンターが考慮すべきリスクが顕在化し、データセンター
ファシリティ
スタンダード見直しの貴重な教訓とした。
地震や津波といったハザードリスクに関しては、現在公的機関において従来とは異なったよ
り厳しい考え方が採用され検討が行われていることから、公的機関の新しい指針や基準が出た
段階で再度内容を見直すこととしている。
1)非常用発電機の燃料確保量についての見直し(推奨項目:E-4)
今回の震災で、データセンターに最も大きな影響を与えたものは、地震による直接的な被害
ではなく、震災後に発生した電力供給不足に起因する「計画停電」及び「電力使用制限(いわ
ゆるピークカット)」であった。
計画停電の実施により、該当地域では 2~3 時間の停電が実際に発生し、近年の日本では長時
間の停電は起こらないと考えられていた常識がもろくも崩れ去った。
幸い、データセンターでは、有事に備えて非常用発電機に加えて、燃料も十分に備蓄されて
いたため、計画停電に際しても不測の事態は発生しなかったが、非常用発電機燃料の備蓄量が
少ない一般企業や非常用発電機が設置されていない多くの企業では、計画停電により社内のI
Tインフラが停止するといった、悲惨な事態に陥ってしまった。
今回の震災による教訓としては、
「商用電源の長時間停電リスク」を想定すべきリスクと考え、
停電が発生した場合の対応を明確にしておくことが不可欠と考えられる。
(1)災害時優先供給契約の検証
多くのデータセンター事業者は震災等における燃料確保の問題に対して、燃料供給業者との
間で「災害時優先供給契約」等の契約を結び対応をしていた。
この災害時優先供給が今回の震災においてどのように機能したかを会員企業にヒアリングし
た結果としては、
「電話をすればすぐに燃料を補給してくれるものと考えていたが、実際には燃
料の確保に奔走する始末であり、この契約のみに頼ることは出来ない」という結果であった。
【災害時優先供給契約に対するヒアリング結果】
・優先供給契約の契約者の中にさらに優先順位があるようで、補給を断られた。
・製油所に石油はあるようだが、タンクローリーが不足し配達できないようだ。
・計画停電に備えてオイルタンクを満タンにすることは出来ないと断られた。
次ページに、今回の震災における対応状況と今後の対応について、燃料供給業者からの回答
書を示すが、停電リスクを考えた場合、この災害時優先供給契約のみに頼ることは停電リスク
の解消にはならないことから、複数の燃料供給業者(できれば異なった石油元売りメーカー系
列)と契約を結び、燃料調達先の冗長化を検討しておくことが必要と考えられる。
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Copyright © 2013 JDCC
災害時優先供給契約(緊急時最優先供給業務)に対する回答
2011年10月14日
日本データセンター協会
御中
緊急時最優先給油業務について
拝啓
ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上
げます。
さて、ご依頼のありました東日本大震災発生直後における緊急時最優先給油業務実施状況
並びに今後の対応について以下のとおりお知らせ致しますので、ご確認くださるようお願い
致します。
敬具
1. 東日本大震災発生時における対応実績
① 大震災発生から輪番計画停電開始までの対応
3月11日震災発生時から13日までの緊急時最優先給油業務委託契約企業様への緊
急給油実績は次のとおりです。
(停電により非常用発電機が起動した施設)
3月11日
関東エリアにおいて
12日
同
13日
同
9施設
17施設
7施設(復電により収束)
大震災に起因した停電による緊急給油業務は復電により収束を迎えましたが、その後
14日より実施された輪番計画停電実施エリア所在のご契約企業様への給油を順次行う
こととなりました。これと時を同じくして、石油メーカーにおいては東北、関東の9ヶ
所の製油所中3ヶ所が被災し操業不能に陥った為、弊社主要仕入先を始めとしたあらゆ
る取引先において、製油所、油槽所の安全確認を目的とした全施設操業停止措置が講じ
られました。これにより供給が大幅に減じる事態となり、再開の目処のつかない状況下、
弊社としてはその時点で保有していた燃料での給油対応を余儀なくされました。
② 配送における優先順位について
前項で述べたとおり、石油メーカーからの供給大幅減の状態に加え、対象エリア拡大
傾向にあった期限未定の輪番計画停電に対応する為に、不本意ながらご契約企業様への
配送について、以下のとおり順位を設定せざるを得ない状況となりました。
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【優先順位】
第1
震災起因の停電により非常用発電機稼働中となっている施設
第2
輪番計画停電にて非常用発電機が稼働した施設
第3
輪番計画停電対象外であるものの、今後対象となる可能性が高く、且つ保有燃
料が満タン以外の施設
さらに、直近に発生し得る大規模余震、新たな震災におけるご契約企業様への緊急給
油に備えて一定量の備蓄を確保する必要があった為、上記に該当しないご契約企業様か
らの給油要請については、ご要望に添えないケースも発生したのが実情であります。
2.今後の対応について
東日本大震災発生時のインフラ規模は、次のとおりです。
・ 燃料最大備蓄数量
1,400,000 L
・ 主力車両保有台数
112 台 (4,000L, 2,000L タンクローリー)
・ 大型車両保有台数
・ 配送拠点
9箇所
1台
(LSA 重油、軽油、灯油
合計)
(16,000L タンクローリー)
(東京2 神奈川2 埼玉2 千葉1 茨城1 山梨1)
今後も石油メーカーは震度5強以上の地震発生時には、各製油所、油槽所の安全確認
をするまで操業停止とする方針を打ち出しており、弊社としては今後想定される広域、
且つ大規模震災時等緊急時最優先給油業務委託契約先様の給油要請に自社のみで対応を
完結すべく、今後3年以内に次のとおり関連施設等のインフラ拡充に着手しております。
(※対応施設数、規模により変更の可能性が有ります。
)
・ 燃料最大備蓄数量
9,400,000 L
(内、2,400,000L は既に備蓄済)
貯蔵油種:LSA 重油、軽油、灯油
・ 大型車両保有台数
21 台
・ 主力車両保有台数
150 台
・ 配送拠点
15 箇所
(26,000L、16,000L タンクローリー)
( 4,000L、2,000L タンクローリー)
東京 4
神奈川2
山梨1
宮城 1
埼玉2 千葉1 茨城1
栃木 1
群馬 1 静岡 1
(宮城県は本年 7 月より稼動)
全てのご契約対象施設の定格消費72時間分の燃料を備蓄し、それらを効率的に配送
することを目標とし、一層の業務品質向上に努めていく所存です。
以上
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(2)震災時に必要となる非常用発電機の燃料確保量に関する検証
今回の震災を踏まえて、商用電源が停電した場合に必要となるオイルの確保量について検討
を行った。
①
震災による停電時間と非常用発電機燃料の確保量について
経済産業省の資料によると、震災により東北地方全域で停電が発生したが、3 日後の 3 月 14
日には被災により復旧作業の出来ない地域を含め 80%の地域で停電が解消している。
経済産業省発表資料(地震により東北電力で発生した広域停電の概要)について以下に示す。
表4
図7
広域停電の発生地域(経済産業省発表資料より)
停電の復旧状況(経済産業省発表資料より)
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図8
広域停電の発生原因(経済産業省発表資料より)
今回の広域停電の原因としては、津波による宮城県中部変電所の被害により、短絡・地絡事
故が発生し、電力の系統がこの変電所を境に北部と南部に分断され、北部地域(東北地方全域)
が広域停電となった。
一方、データセンターの集中する関東地域では停電や、瞬時電圧・周
波数低下は発生していない。
詳細な特高系統の停電復旧時間については、現時点において公開されておらず今後の調査結
果を待つこととなるが、仙台市内における特高系統の停電復旧時間は 24 時間以内という情報も
あることから、特高受電の場合に必要となる非常用発電機の燃料確保量は、公的機関からの基
準、指針が出た段階で見直すこととし、今回は見直しを行わないことにした。
なお、図 8 からも分かるように、今回の停電が長期化した原因は、東北地域の基幹(ボトル
ネック)となる変電所が被災したことによるものと考えられる。
震災から3ヵ月後の6月18日には、東北地域に新たに50万Vの送電系統が増強され、配電系統
が冗長化されたことから、今後このような広域停電は回避されるものと期待される。
図9
広域停電の再発防止策(経済産業省発表資料より)
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(3)計画停電時に必要となる非常用発電機の燃料確保量に関する検証
資源エネルギー庁が発行したエネルギー白書(2011年)によると、東京電力管内で実施され
た計画停電は3月14日から28日まで、計32回実施されている。計画停電の実績を表5に示す。
表5
計画停電の実績(東京電力㈱プレスリリースより)
計画停電は、第1グループと第5グループが7回と他のグループに比べて最も頻繁に実施されて
おり、計画停電時間は合計21時間となっており、計画停電が6日間連続して実施された第5グル
ープを例に検証する。
第5グループでは、3月14日から18日まで、計6回、連続して計画停電が実施されたが、3月19
日~22日までの4日間は計画停電が無かったことから、この間に燃料の補給が行われたため、燃
料の補給が出来ない状況での停電時間は最長18時間である。
計画停電に対応するために必要な非常用発電機の燃料確保量としては、計画停電前後の運転
時間(各回1時間を考慮しても24時間(18時間+6時間)となり、計画停電に対応するために必要
となる非常用発電機の燃料確保量としては、24時間となる。
なお、実際に計画停電を実施したデータセンターの事例では、3月15日~3月18日の4日間及び
3月22日の計5回計画停電が実施され、計画停電時間の合計は13時間34分(1回あたりの最長停電
時間:175分)、非常用発電機の運転時間は計画停電前後の運転時間を加えても18.5時間程度で
あった。
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(4)非常用発電機の燃料確保量についての見直し結果(推奨項目:E-4)
非常用発電機の燃料確保量については、従来燃料供給会社と優先供給契約を結んでいる場合
その契約量を燃料確保量に加算してよいこととしていたが、今回の震災により優先供給契約の
実効性に疑念が生じたため、今回の見直しでは原則として災害時優先供給契約による加算を認
めないこととした。
また、非常用発電機の燃料確保が重要であることから、複数の燃料供給業者(できれば異な
った石油元売りメーカー)と契約を結び、燃料調達先の冗長化を行うことを推奨した。
特高の場合の燃料確保量(ティア 4 の場合 24 時間)については、今回の震災を踏まえた電力
インフ(特高)停止期間の実績や公的機関の基準や指針が公開された段階で見直しを行うこと
としている。
【現行基準】
JDCC FS(推奨 E-4) オイル確保量に関する推奨基準
(燃料供給会社の優先供給契約を含む)
評価項目
ティア 1
ティア 2
ティア 3
オイル確保量
規定無し
12 時間
24 時間
ティア 4
48 時間
(特高の場合 24 時間)
【変更後】
JDCC FS(推奨 E-4) 非常用発電機の燃料確保量に関する推奨基準
評価項目
ティア 1
ティア 2
ティア 3
燃料確保量
規定無し
12 時間
24 時間
- 17 -
ティア 4
48 時間
(特高の場合 24 時間)
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2)自家発電設備の冗長性に関する見直し(基準項目:E-4)
自家発電設備(非常用発電機)の冗長性については、震災後、計画停電や電力使用制限は起こっ
たものの、その後は回避されており、商用電源の信頼性は震災前のレベルと同等と考えられるこ
とから、従来通り商用電源をメインとし、自家発電設備は商用電源のバックアップと考えること
が妥当と判断し、内容の見直しは行わないこととした。
JDCC FS(基準 E-4) 自家発電設備の冗長性に関する評価基準
評価項目
ティア 1
ティア 2
ティア 3
ティア 4
自家発電設備の冗長性
規定無し
N
N
N+1
但し、今回の震災から得られた教訓として、非常用発電機の運転継続にとって検討すべき下
記の課題が判明したことから、これらの課題に対する対応を検討しておくことを推奨すること
とした。
(1)
自家発電設備の信頼性確保に係わる課題とその対応
計画停電や電力使用制限(ピークカットに対応するため、停電時には非常用発電機を運転す
ることで対応可能と考えられていたが、実際には非常用発電機の運転時間に応じてオーバーホ
ールが必要となることが確認された。
ガスタービン発電機の場合、等価運転時間*1 1,000 時間でエンジンのオーバーホールを行う
ことがメーカーから推奨されており、ピークカット運転を行った場合には 3 ヶ月程度でエンジ
ンのオーバーホールが必要となる計算となる。
*1:等価運転時間:非常用発電機の運転時間(積算値)+始動回数(積算値)*2
*2:始動回数(積算値):始動回数1回につき、1時間と換算する
エンジンのオーバーホールは使用したエンジンをメーカーの工場に持ち帰る必要があり、か
つ工場ではオーバーホールできる台数にも制限があるため、運転時間の管理を徹底するととも
に、事前にメーカーとオーバーホール時期を入念に調整しておくことが推奨される。
(2)
潤滑油の確保量に係わる課題とその対応
非常用発電機の運転にとって燃料とともに潤滑油が不可欠であり、潤滑油の確保量も重要な
課題となることも今回の震災から得られた教訓の一つである。
潤滑油は、運転中に給油することができないことから、減速機下部の潤滑油タンク内にどれ
だけの潤滑油が残っているかで、連続運転可能な時間が規制を受ける。
潤滑油の備蓄量はメーカー及び機種により異なるため、表 6 に潤滑油の補給量と運転時間に
ついて記載したが、日常管理として残油量をこまめに確認するとともに、補充用の潤滑油につ
いても予備品として十分確保しておくことが推奨される。
なお、非常用発電機のピークカット運転に伴う留意事項については、JDCC より「節電対策マ
ニュアル」として纏められているので、これを参照願いたい。
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表6
非常用ガスタービン発電機の潤滑油消費量と運転可能時間について(川崎重工の事例)
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3)地震リスクに対する安全性に関する見直し(基準項目:B-2)
地震リスクに対する安全性については、PML による評価をこなう場合と、建築基準法による
評価を行う場合に分けて規定していた。
【従来の評価基準】
JDCC FS(基準 B-2) 建物の地震リスクに関する評価基準-1 (PML 評価の場合)
評価項目
ティア 1
ティア 2
ティア 3
ティア 4
地震リスクに
PML
25%以上、30%未満
PML
20%以上、25%未満
PML
10%以上、20%未満
PML
10%未満
対する安全性
JDCC FS(基準 B-2) 建物の地震リスクに関する評価基準-2 (建築基準法評価の場合)
評価項目
建物の構
造部材の
被害によ
る
施設機能
の停止の
可能性
ティア 1
ティア 2
ティア 3
ティア 4
1981 年以前の建築基準法に準拠
耐震診断の結果
耐震補強不要と判断された場合
耐震補強が必要と判断され
耐震補強を実施済みの場合
1981 年 6 月改
正の建築基準
法に準拠
1981 年 6 月改
正の建築基準
法に準拠、
かつ耐震性能
はⅡ類相当※1
震度※2
6 弱以下
1981 年以前の
建築基準法に
準拠
耐震診断の結
果、耐震補強不
要と判断され
た場合
耐震補強が必
要と判断され
耐震補強を実
施済みの場合
1981 年 6 月改
正の建築基準
法に準拠、
かつ耐震性能
はⅡ類相当※1
1981 年 6 月改
正の建築基準
法に準拠、
かつ耐震性能
はⅠ類相当※1
震度※2
6 強以上
1981 年 6 月改
正の建築基準
法に準拠
また、建築基準法で評価を行う場合のサイトが持つ地震危険度の判定は、
「今後 50 年間に 10%
の確率(再現期間 475 年)で発生する可能性のある地震動強さ」を基準に行なうこととし、図 10
に示す地震調査研究推進本部が評価した「全国地震動予測地図」を用いることとしていた。
「全国地震動予測地図」は、防災科学技術研究所の「地震ハザードステーション(J-SHIS: Japan
Seismic Hazard Information Station)」)のホームページから利用することができる。
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図 10
全国地震動予測地図(今後 50 年間で 10%の確率で発生する地震動強さ(全地震、最大ケース)
)2)
(1)PML 評価に関する見直し結果
PML 評価においてはどの地震ハザード分析モデルにおいても、東北地方太平洋沖地震の発生
は考慮されていなかったと思われる。
また、東北地方太平洋沖地震では、大津波により甚大な被害が生じたが、津波については震
動被害以上に解明されていない部分が多く、また損失予測において不確実な要素も多いため、
現状の地震 PML 評価の枠組みの中に、ある程度定式化された手法として取り込まれるのはまだ
難しい状況と思われる。
今回の地震の発生の影響を考慮した地震ハザード分析モデルの開発を進めている状況と推察
されるが、政府の調査機関である地震調査研究推進本部の研究成果(地震の震源、規模、発生
確率に関する長期評価)が 2012 年春頃を目処に改訂されるため、各社この改訂情報を参照した
上で自社モデルの更新を行うと予想される。
このため、PML 評価について今回見直しは行わず、2012 年春を過ぎに予定されている公的機
関の見解が示されるのを待って見直しを行うこととした。
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① 地震 PML の評価項目について
地震 PML の評価手法は評価会社各社で異なるが、概ね図 11 の手順で評価される3。
図 11 に示す各評価項目の概要は次頁の表 7 に示す。
一般に地震 PML には、財物損害(物的損失)に関する PML と休業損失に関する PML の 2 つが
ある。休業損失は、物理的な被害等により事業中断(Business Interruption)が発生した場合
により生じる損失であり、これは特に保険(利益・事業中断保険)情報として用いられる。
なお、データセンター ファシリティ スタンダード(JDCC FS-001)では、財物損害(=損
失額/再調達価格)に関する地震PML基準に用いることとしている。
また、地震 PML の対象となる施設構造物は、データセンターの所有者が保有する資産として
以下を対象にすることが示されている。
・ 建物(構造部材、非構造部材)
・ 建築設備
・ テナントのコンピュータ関連機器を稼動させる、あるいは停止させないために必要な設
備機器(但し、サーバーラックやキャビネット、またはそれに類する設備は除く。)
①施設情報の収集
④フラジリティ曲線の評価
②地盤情報の収集
⑤損失曲線の評価
③地震ハザード評価
⑥リスクカーブの評価
図 11
⑦地震PML
地震 PML の評価フロー
(図中の①~⑥については、次頁の表 1 で解説)
3
図 1 の①~⑥に示す評価項目があるが、特に③~⑤は評価会社各社のノウハウであるため、それらの評価結果は評価レポート
に示されない場合が多い。
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評価項目
評価の意味
評価方法
対象施設の位置(経緯度)、建物やその他関連する施設構
① 施設情報
の収集
耐震性に関す
る情報の収集
造物の設計図書を収集する。また、現地調査(耐震ウォー
クダウン)を実施し、実物と設計図書の内容との比較(不
整合はないかを確認)、不具合(施工不良、劣化・腐食、
違法な改造など)に関する情報などを収集する。
② 地盤情報
の収集
地盤増幅、地盤
被害に関する
情報の収集
地盤調査報告書などから、対象施設位置における地質構成
や地盤物性を調査する。この調査結果は、対象施設位置に
おける地震動強さの評価や液状化などによる地盤被害の
可能性を評価する際に用いる。
地震危険度情報として、対象施設の位置情報に基づき、施
設に被害を及ぼす可能性のあるシナリオ地震を全て抽出
③地震ハザード
評価
地震危険度に
し、それら地震の発生確率、またそれら地震が発生した場
関する評価
合の対象施設位置における地震動強さ(最大加速度や最大
速度、加速度・速度・変位応答スペクトルなど)を推定す
る。
敷地地盤を含む、対象施設の耐震性(脆弱性)を分析する。
この分析結果は地震時に想定される構造物の損傷確率と
④フラジリティ
曲線の評価
施設の耐震性
いう形で評価される。地震動強さに従い、損傷確率を示し
に関する評価
た曲線がフラジリティ曲線となる。任意の地震動強さに対
してより損傷確率が小さい構造物程、耐震性の高い構造物
といえる。
施設構造物に損傷が発生した場合に発生する損失額(現状
に戻すための復旧費)を想定し、これをフラジリティ曲線
⑤損失曲線
の評価
施設の損失に
関する評価
に示される損傷確率に乗じて損失の期待値を算定する。地
震動強さに従い、損失額(あるいは損失額を再調達価格で
除した損失率)を示した曲線が損失曲線となる。任意の地
震動強さに対してより損失が小さい構造物程、地震リスク
が低い構造物といえる。
地震ハザードと損失曲線に基づき、確率論的手法により
⑥リスクカーブ
の評価
地震リスク情
種々の損失とその発生確率(年超過確率)の関係を求める。
報の評価
これがリスクカーブ(損失の大きさに従い、年超過確率を
示した曲線)となる。
リスクカーブから任意の確率(JDCC FS では 1/475)に対
⑦地震 PML
の評価
―
応する損失が地震 PML となる。なお、1/475 は、50 年間で
の超過確率が 10%となる事象を、確率モデルを表す数式を
用いて年間当たり確率に換算した数値である。
表7
地震 PML 評価における各評価項目の概要
注:特に③~⑤は評価会社各社のノウハウであるため、それらの評価結果は評価レポートに示されない場合が多い。
- 23 -
(2)建築基準法による評価に関する見直し結果
建築基準法で評価を行う場合の基準となる、サイトが持つ地震危険度の判定(今後 50 年間に
10%の確率で発生する可能性のある地震動強さ)については、中央防災会議や地震調査研究推
進本部、その他の研究機関においては、残念ながら東北地方太平洋沖地震の発生は調査や評価
に取り込まれておらず、現在、各種機関が地震ハザードや地震防災に関する見直しを行ってい
る状況である。
地震ハザード情報に関する大幅な見直しの結果はまだ公開されていないが、中央防災会議、
地震調査研究推進本部および J-SHIS の主な動向を表 8 に示す。
表 8 に示すように、地震調査研究推進本部から「2012 年春を目処に東北地方太平洋沖地震に
伴う長期評価の改訂を行う」との公式発表があるため、J-SHIS のデータについてもこの発表に
伴い更新されると思われるため、建築基準法による評価について今回見直しは行わず、2012 年
春過ぎに予定されている公的機関の見解が示されるのを待って見直しを行うこととした。
地震ハザード情報
の公開機関
中央防災会議
動向に関する
発表年月日
2010 年 9 月~
2011 年 4 月 27
地震調査研究
推進本部
2011 年 6 月 9 日
2011 年 6 月 10 日
2011 年 8 月 29 日
2011 年 9 月 9 日
2011 年 9 月 14 日
*J-SHIS
表8
発表内容
「全国の地盤構造モデル更新及び東海・東南海・南海地震の地
震動等の推計に関する業務」実施されているため、この業務の
成果に、東北地方太平洋沖地震による影響が反映されるものと
思われる。
「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する
専門調査会」が新たに設置。当該調査会では、東北地方太平洋
沖地震による地震・津波の発生、被害の状況について分析が行
われ、今後の対策についての検討が行われる(現在、第 9 回ま
で調査会が実施されている)。
地震調査委員会より「東北地方太平洋沖地震に伴う長期評価
を、2012 年春頃を目処に改訂。その後も順次、海溝型地震の長
期評価を実施」と発表(地震調査研究推進本部 HP より)
(詳細
は巻末資料)
東北地方太平洋沖地震が全国の活断層に及ぼした影響を評価
し、立川断層帯(東京・埼玉)、双葉断層(福島・宮城)、牛伏
寺(ごふくじ)断層(長野)の地震の発生確率が高まった可能
性があることを発表(2011.6.10 東京新聞より)
地震調査委員会が「南海トラフを震源域とする地震(東海、東
南海、南海地震)のこれまでの想定を大幅に見直し、来春に長
期評価を改定する方針」と発表(2011.8.29 産経新聞より)
東北地方太平洋沖地震が発生したことに伴う暫定的な措置と
して、活断層および海溝型地震の長期評価結果を公表(地震調
査研究推進本部 HP より)
地震調査委員会が「東海から九州地方にかけて最大 5 つの地域
で地震が連動して起きた場合(これまで東海、東南海、南海地
震の 3 地震に加え、四国・近畿圏のはるか沖で発生する地震、
日向灘地震の 2 つを加えた場合)の地震規模や発生確率を来春
までに公表する」と発表(2011.9.14 日経新聞より)
(詳細は巻
末資料)
通常は、毎年 1 月 1 日に地震の長期評価計算が行われ、5~6 月頃にデータ
が更新される。
中央防災会議、地震調査研究推進本部および J-SHIS の主な動向
- 24 -
(3)地震ハザード情報の主な公開機関
地震の発生に関しては、地震学や地震工学などの各種研究分野において以前から調査や評価
が行われてきている。兵庫県南部地震(1995.1.17)以降、地震観測網が急速に拡充され、また
インターネットの普及により、震源や規模、発生確率および予想地震動(震度など)の各種地
震に関するハザード情報が種々の機関において情報発信されるようになってきた。
現在、地震ハザード情報に関して国の代表的な公開機関としては、内閣府の中央防災会議や
地震調査研究推進本部がある。以降に各機関と公開情報の概要を述べる。
①中央防災会議
中央防災会議とは、内閣総理大臣を会長とし、防災担当大臣をはじめとする全閣僚、指定公
共機関の長、学識経験者からなる会議で、防災基本計画の作成およびその実施の推進などを役
割としている。中央防災会議においては、種々の防災分野に関する専門調査会があり、特に切
迫性の高い巨大地震に関する専門調査会としては「首都直下地震対策専門調査会」
、
「東海地震
に関する専門調査会」、
「東南海、南海地震等に関する専門調査会」が立ち上げられてきた。
これら 3 つの専門調査会では、主に防災の観点から各専門調査会の名称となっている首都直
下地震(18 震源)、東海地震、東南海・南海地震(東南海・南海地震および内陸直下型地震(18
震源))のそれぞれで予想される各地の震度や津波高さ、人的・物的被害および経済損失など
を調査・評価してその結果を取りまとめている。参考に各専門調査会が公開している調査結果
の一部を図 12~図 14 に示す。
図 12
中央防災会議の調査結果の例(東京北部地震による震度分布)
(首都直下地震対策専門調査会 HP より)3)
- 25 -
図 13
中央防災会議の調査結果の例(東海・東南海・南海地震が連動して発生した場合の震度分布)
(東南海、南海地震等に関する専門調査会 HP より)4)
図 14
中央防災会議の調査結果の例(東海・東南海・南海地震が連動して発生した場合の津波高さ)
(東南海、南海地震等に関する専門調査会 HP より)4)
- 26 -
②
地震調査研究推進本部
地震調査研究推進本部は、文部科学大臣と関係府省の事務次官等から構成され、地震による
被害の軽減に資する地震調査研究の推進を目的に、兵庫県南部地震を契機に設立(1995.7)さ
れた機関である。
地震調査研究推進本部が公開する地震ハザード情報には、地震活動、長期評価(地震の規模
や発生確率の評価)、強震動評価および地震動予測地図(全国地震動予測地図、長周期地震動
予測地図)などがある。この中で全国地震動予測地図については、地震発生の長期的な確率評
価と強震動の評価とを組み合わせた「確率論的地震動予測地図(図 15)」と、特定の地震に対
して、ある想定されたシナリオに対する詳細な強震動評価に基づく「震源断層を特定した地震
動予測地図」の 2 種類があり、これらの情報は、独立行政法人防災科学技術研究所が開発した
Web システム「地震ハザードステーション(J-SHIS: Japan Seismic Hazard Information
Station)(図 16)」から閲覧やデータのダウンロードをすることができる。
J-SHIS では、全国各地を 250m×250m のメッシュ単位で、今後 30 年もしくは 50 年間で想定
される地震動の大きさ(震度など)や任意の震度以上の揺れが発生する確率が表示される(表
3)。現状の「データセンターファシリティスタンダード(JDCC FS-001 Ver1.0,日本データセ
ンター協会,2010.10)
(以降、JDCC FS)
」では、建物の地震リスクに関する評価において、J-SHIS
の今後 50 年間に 10%の確率で発生する震度を参照することになっている。
図 15
今後 50 年間にその値以上の揺れに見舞われる確率が 10%となる震度(平均ケース・全地震)
(地震調査研究推進本部 HP より)5)
- 27 -
図 16
地震ハザードステーション(J-SHIS)の画面
(http://www.j-shis.bosai.go.jp/)6)
表3
J-SHIS により表示される震度と発生確率に関する結果一覧
J-SHIS で表示される震度・発生確率
今後 30,50 年間で任意の
確率で一定以上の揺れに
見舞われる震度
今後 50 年間で 2%
(再現期間 2475 年)
今後 50 年間で 5%
(再現期間 975 年)
今後 50 年間で 10% (再現期間 475 年)
今後 50 年間で 39% (再現期間 101 年)
今後 30 年間で 3%
(再現期間 985 年)
今後 30 年間で 6%
(再現期間 485 年)
国内の地震 PML 評価でよく参
照される確率。JDCC FS にお
いてもこの確率に対応する震
度を基準に建物の地震リスク
に関する評価を行う。
今後 30 年間で震度 6 強以上
今後 30 年間で 任意の震
度以上の揺れに見舞われ
る確率
今後 30 年間で震度 6 弱以上
今後 30 年間で震度 5 強以上
今後 30 年間で震度 5 弱以上
注:J-SHIS では、表 3 以外にも種々の地震ハザード情報が閲覧・ダウンロードできる。
- 28 -
4)立地に関する見直し結果(推奨項目:R-2)
施設周辺の環境については、データセンターが間接被害を受ける可能性のある地域(地震後
火災による延焼危険度の高い住宅密集地域、爆発物を持つ危険施設(工場、軍事施設、空港等)
がある地域等)もしくは復旧活動の障害要因が見受けられる地域に位置するか否か、及び対応
準備があるか否かを基準に行うものとしていた。
今回の震災による教訓として、津波など従来考慮されていなかったハザードリスクが顕在化
したため、立地に関する検討においては、様々なハザードリスクに対して、想定外とならない
よう十分検討・対策することが必要である。
(1)立地に関する見直し結果
データセンターの敷地選定に当たっては、想定外とならないよう、周辺環境に関する様々な
ハザード情報を調査・検討することとし、 施設のリスク要因となる自然災害危険度,プラント
などの危険施設との近接度、施設の使用に関連する情報(交通の便利さ、防犯・防災環境など)
様々なハザード情報を提供し、検討・対策することを推奨することとした。
①
各種ハザード情報の提供
図 17
各種ハザード情報
- 29 -
152 分
1 需要家あたりの停電時間(平成 23 年 数表で見る東京電力より)
(出典先)
1. 活断層研究会: 新編日本の活断層(分布図と資料), 東京大学出版会, P.437, 1991.
2. 内閣府中央防災会議「東南海、南海地震等に関する専門調査会(第10回)[資料2]」,
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai/10/siryou2.pdf
3. 地震調査研究推進本部,全国地震動予測地図・長周期地震動予測地図,
http://www.jishin.go.jp/main/p_hyoka04.htm
4. 内閣府中央防災会議の公開データ
5. 内閣府中央防災会議首都直下地震対策専門調査会(第15回)[事務局説明資料2],
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/shutochokka/15/shiryou2.pdf
6. 内閣府中央防災会議首都直下地震対策専門調査会(第13回)[事務局説明資料2-2 ],
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/shutochokka/13/shiryo2-2.pdf
7. 東京都建設局: 浸水予想区域図(中川・綾瀬川圏域浸水予想区域
図),http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/suigai_taisaku/index/menu02-10.htm
8. 内閣府中央防災会議東海地震に関する専門調査会: 東海地震に関する専門調査会(第10回)
[資
料2-1],
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/tokai/10/siryou2-1.pdf
9. 国土交通省報道資料(内閣府中央防災会議「大規模水害対策に関する専門調査会(第14回)の
報告結果)【補足資料】各シナ
リオにおける浸水想定結果の概要(拡大資料), http://www.mlit.go.jp/common/000037871.pdf
10. 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構,日本型風力発電ガイドライン落雷対策編
(平成20年3月),
http://www.nedo.go.jp/library/furyokuhoukoku/rakurai.pdf
11. 富士山火山防災協議会:富士山ハザードマップ検討委員会報告書(5.5 降灰可能性マップ),
http://www.bousai.go.jp/fujisankyougikai/
report/houkokusyo5-5.pdf
- 30 -
5)建物、設備(機器、配管等)の耐震安全性に関する見直し(推奨項目:B-1)
(1)天井の地震被害と耐震安全性に関する見直し結果
東北地方太平洋沖地震では、天井の被害も数多く発生した。天井の地震被害を防止するため
には、天井ふところが長い場合は吊り材を補強するなどの方法があるが、必ずしもこれだけで
被害を防ぐことはできない。
従来の基準では、サーバールームの天井ふところ寸法により耐震補強を実施すべきか否かに
ついて、規定しており、今回の震災に対する対応が先取りされた結果となった。
但し、サイトが持つ地震危険度(今後 50 年で 10%の確率で発生する揺れの大きさ)については、
現在公的機関で検討されていることから、公的機関による見解が出た段階で見直すこととした。
【従来の規定】
サーバールームの天井に関する推奨仕様
推奨項目
サーバー
ティア 1
ティア 4
今後 50 年で
10%の確率
で発生する
揺れの大き
さ
天井ふところが
1500mm 未満、
もしくは耐震補
強を実施してい
る場合
震度
6 弱以下
天井ふところが 1500mm 未満、もし
くは耐震補強を実施している場合
震度
6 強以上
ティア 2
ティア 3
天井ふところが 1500mm 以上であるが、
耐震補強は未実施である場合
ルームの
天井
天井ふところが 1500mm 以上である
が、耐震補強は未実施である場合
表 9 に近年の被害地震と天井の地震被害の対応を示すが、天井の耐震対策の専門メーカーに
ヒアリングをしたところ「経験的には、2004 年に国土交通省から発行された公共建築工事標準
仕様書および建築工事管理指針で施工された天井であったか否かが被害の発生の明暗を分け
た」とのことである。
このような見解を考慮すると、天井を設計・施工する際には最新の指針類に基づくことが重
要と思われるが、震災後、国土交通省から「体育館やホールなど多くの人が集まる施設の天井
の落下事故防止の指針を見直す方向で検討を始めた。
東日本大震災で落下が相次いだため。構造計算で量が決まる壁や柱と異なり、天井には法令
上の明確な基準がなく、指針を見直して対策を強化する。
(2011 年 5 月 31 日,asahi.com)と
の発表があるため、今後公開される国土交通省からの情報をいち早く収集し、対策に反映して
いくことが必要であり、指針や基準が発表された段階で見直しを行うこととした。
- 31 -
年月日
2001 年 3 月 24 日
地
震
国土交通省の対応
芸予地震
(体育館の天井落下)
芸予地震被害調査報告の送付について
2001 年 6 月 1 日
2003 年 9 月 26 日
(技術的助言)
十勝沖地震
(釧路空港の天井落下)
大規模空間を持つ建築構造物の天井の崩落対策
2003 年 10 月 15 日
(技術的助言)
2004 年
公共建築工事標準仕様書発行
〃
2005 年 8 月 16 日
建築工事監理指針発行
宮城県沖地震
(プールの天井落下)
大規模空間を持つ建築物の天井崩落対策
2005 年 8 月 19 日
(調査指導)
地震時における天井の崩落対策の徹底
2005 年 8 月 26 日
(技術的助言)
表9
近年の地震による天井被害と対応の変遷
(2)設備の被害状況と耐震安全性に関する見直し結果
日本建築学会が纏めた「2011 年東北地方六平洋沖地震
災害調査速報(2011.07)」による
と、建築設備別の被害状況としては、空調設備が 37%、給排水設備が 16%、電気設備が 47%とな
り、電気設備の被害が多いことが特徴である。
空調設備の被害状況は、吹出口の脱落・破損が最も多く、次が室外機の転倒、破損、継手の
破損、その次に送風機のケーシング変形、継手破損であり、機器の脱落・転倒が多く見られた。
給排水衛生設備の被害状況は、配管の品り金物の切断が最も多く、次が貯湯槽の脚部座屈、
脚部破損、アンカー抜けであつた。
電気設備の被害状況は、照明器具の落下・破損・ずれ、次がケーブルラックの落下、キュー
ビクル固定ボルトの破損であつた。
このように、設備の被害が天井に設置された設備機器・器具に集中しており、天井に設置さ
れている機器・器具の耐震固定に関する見直しが必要と考えられる。
具体的な見直しは現在公的機関で行われている状況であるため、指針や基準等が発表された
段階で見直しを行う予定である。
(3)免震架台、免震台の被害状況と耐震安全性に関する見直し結果
データセンターで実際に発生した被害としては、関東地方において、サーバールームにおけ
る免震装置の被害が 5 件(免震台の被害が 4 件、免震床の被害が 1 件)確認されている。
- 32 -
いずれの被害もサーバーラックが転倒したとのことであるため、恐らく長周期地震動の影響
により、免震台が可動範囲の限界値まで移動してしまい、その結果、台が可動部の端部に衝突
し、その衝撃で台上のラックが転倒したと推察される。
サーバーラックの固定やフリーアクセスフロアの耐震補強については、従来下記の基準を推
奨していた。
この推奨基準についても、今回の震災に対する対応が先取りされた結果となったが、サイト
が持つ地震危険度(今後 50 年で 10%の確率で発生する揺れの大きさ)については、現在公的機関
で検討されていることから、公的機関による見解が出た段階で見直すこととした。
【従来の基準】
IT機器(サーバーラック、フリーアクセスフロア)の耐震安全性に関する推奨仕様
推奨項目
ティア 1
ティア 2
ティア 3
床パネルに固定
ティア 4
今後 50 年で 10%の確率
で発生する揺れの大きさ
架台に固定
震度 6 弱以下
サーバーラック
床パネルに固定
フリーアクセスフロア
支柱
架台に固定
一般仕様
耐震仕様
一般仕様
耐震仕様
震度 6 強以上
震度 6 弱以下
震度 6 強以上
免震構造、制震構造、床免震を採用している場合は、サーバーラックが設置される床の地震
応答を考慮した対策がなされていれば、「ティア 4」としてよいものとする。
この内容について、今後免震台メーカーやデータセンター事業者に対して被害状況や原因に
ついてヒアリングするなど、今後の地震対策に関する方針を確認・検討することが重要と思わ
れる。
なお、免震台や免震床だけでなく、免震建物についても長周期地震動は懸念事項であり、JDCC
FS においても「長周期地震動が懸念される地域においては、超高層建物の設計および免震装置
(設備設置階の免震床、その他設備用の免震装置等も含む)の設計に十分な配慮が必要である。
との留意事項を記載していた。
東北地方太平洋沖地震では、免震建物の被害に関する報告は確認されないが、今後も南海ト
ラフの地震など、平野部に長周期地震動を生じさせる可能性がある地震の発生も危惧されるこ
とから、免震装置との関わりが大きいデータセンターの地震対策のポイントとして念頭に置く
ことが必要であり、対応方法について検討する予定である。
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参考文献
1) 気象庁 HP, http://www.jma.go.jp/jma/index.html
2) 東京大学地震研究所 HP, http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/
3) 中央防災会議「首都直下地震対策専門調査会」HP,
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/shutochokka/index.html
4) 中央防災会議 「東南海、南海地震等に関する専門調査会」,
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/nankai/index_nankai.html
5) 地震調査研究推進本部 HP, http://www.jishin.go.jp/main/index.html
6) 地震ハザードステーション(J-SHIS), http://www.j-shis.bosai.go.jp/
7) 毎日 jp:東日本大震災:東北でM9.0 巨大地震 大津波、死者・不明多数 写真一覧,
http://mainichi.jp/select/jiken/graph/20110311/
8) 国土交通省国土技術政策総合研究所,独立行政法人建築研究所:平成 23 年東北地方太平洋沖
地震による建築物被害 第一次調査(速報),二本松市,郡山市,福島市における RC 造,鉄
骨造及び非構造部材を中心とした被害, 平成 23 年 3 月 23 日
9) 47NEWS:都内で4人死亡、けが 60 人超 九段会館の天井崩落,
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011031101000531.html
10) asahi.com:傾く家・使えぬトイレ 首都圏の水辺、液状化のつめ跡,
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103180170.html
11) 独立行政法人防災科学技術研究所 HP, http://www.bosai.go.jp/
12) 国土交通省関東地方整備局: 東北地方太平洋沖地震による関東地方の地盤液状化現象の
実態調査結果について, http://www.ktr.mlit.go.jp/bousai/bousai00000061.html
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参考資料-1
地震調査委員会より「東北地方太平洋沖地震に伴う長期評価を、2012 年春頃を目処に改訂。
その後も順次、海溝型地震の長期評価を実施」と発表(以下、地震調査研究推進本部 HP より)
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(前頁の続き)
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ファシリティ スタンダード WG(JDCC FS WG)
リーダ:鹿島建設㈱ 市川 孝誠
JDCC FS WG メンバー リスト(敬称略)
㈱IDCフロンティア「山中 敦」、㈱朝日工業社「常盤 祥司、磯野 一智」、㈱アット東京「石橋 雄司」
㈱インテック「守田 洋一」、NECネッツエスアイ㈱「宮崎 智美」
MKIネットワーク・ソリューションズ㈱「志澤 耕治」、㈱大林組「相沢 則夫、安藤 剛」
川崎重工業㈱「木村 伸哉、吉田 武志」、河村電器産業㈱「高橋 徹」
一般財団法人日本品質保証機構「上野 天徳、宮山 直喜」、三機工業㈱「笹澤 由孝、齋藤 宏之」
さくらインターネット㈱「花清 真、宍戸 隆志」、シュナイダーエレクトリック㈱「有本 一、根津 義雄」
新日本空調㈱「坂下 行範」、新菱冷熱工業㈱「山下 一彦」、鈴与シンワート㈱「澤西 克洋」
セコムトラストシステムズ㈱「五十嵐 幹詞」、ソフトバンクテレコム㈱「中島 卓也、村嶋 弘一」
大成建設㈱「諏訪 浩一、松原 利幸」、TIS㈱「西川 邦夫、程嶋 直樹、三輪 耕司」
㈱ディ・エヌ・エー「鳥越 昇、坪田 充弘」、デル㈱「松本 豊」、
㈱TOKAIコミュニケーションズ「鈴木 章司」、東京電力㈱「中村 正明、秋元 真」
トランスコスモス㈱「松澤 智英、矢田和成」、日本カバ㈱「西山 利明」
日本ユニシス㈱「山口 智弘」、ネットワンシステムズ㈱「寺家 伸一、茂木 隆司、波多野 達郎」
㈱日立製作所「平松 豊、武田 達也」、㈱ビットアイル「安藤 卓哉」
日比谷総合設備㈱「永澤 智幸、板倉 幸弘、内園 修二」、富士通㈱「増田 幸雄、佐藤 成」
Future Facilities㈱「池田 利宏」、三菱倉庫㈱「新井 克治」、㈱三菱総合研究所「高橋 衛、福田 次郎」
㈱山武「佐藤 修」、ルークス・パートナーズ㈱「小谷 泰史」
(作成協力:㈱イー・アール・エス)
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東日本大震災を踏まえた データセンター ファシリティー スタンダードの検証と見直し
2012 年 02 月発行
特定非営利活動法人日本データセンター協会
Japan Data Center Council (略称:JDCC)
http://www.jdcc.or.jp
お問い合わせ [email protected]
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