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真のグローバル化 - Hay Group
Vol.15 No. 1 2014 Contents p.2 シリーズ/経営イノベーション対談 11 ビジョナリー・リーダーが推進する 「真のグローバル化」への 事業、組織、人の変革とは 田中氏 「言語はもちろん、判断のプロ セスも標準化していきます」 企業の持続的な成長に不可欠となる新たな成長市場への進出。グローバル化を 成功に導くために、何を変え、何を創出しなければならないのか? 田中 一行 p.8 日立化成株式会社 取締役、執行役社長 高野 研一 (株)ヘイ コンサルティング グループ 代表取締役社長 先端企業ケーススタディ33 改革の新たなステージで人の成長をドライブする 「すかいらーく」の新人事制度 約3,000店舗のテーブルレストランチェーンを擁する世界屈指の外食企業 「すかいらーく」の新たな人事戦略。 株式会社すかいらーく 櫻井氏 「人の心や行動に響く制度をつく ることで、組織風土が 変わって いくことも期待しています」 p.12 櫻井 功 人財本部 執行役員 HAYマネジメントセミナー 次世代経営人材の育成の仕方 −新たな成長の道を開拓するリーダーをどう育てるか− 過去のビジネスモデルや特定の職能の中で蓄積した知見だけでは問題を解決できない時代。 いま、求められるのは次なる成長の可能性を見いだせる経営人材の育成です。 ヘイグループのニュースレターは、そのとき どきに求められる変化や進 歩について、さま 高野 研一 代表取締役社長 ヘイグループ ざまな企業とご一緒に学び、 分析し、提案し てまいります。 小さい媒体ですが、多くの企業の皆様とと もに、 ビジネスの革新を通じて社会に貢献す る一 助でありたいと考えております。 p.16 ヘイグループからのお知らせ 2014 11 1 ビジョナリー・リーダーが推進する 「真のグローバル化」への 事業、組織、人の変革とは 日立化成株式会社 取締役、執行役社長 (株)ヘイ コンサルティング グループ 代表取締役社長 田中 一行 高野 研一 田中 一行氏(たなか かずゆき) 1953年生まれ。1977年に日立化成工 業株式会社(現・日立化成株式会社) 入社。同社開発部門、 日立化成デュポ ンマイクロシステムズ(アメリカ)出向等 を経て、2005年、執行役に就任。2006 年、株式会社日立メディアエレクトロニク ス代表取締役・取締役社長、2008年、 執行役常務 自動車部品事業部長就任。 2009年4月、代表執行役 執行役社長 (現任)、同年6月、取締役(現任) に就 任。 日立グループにおける化学メーカーとして、半導体・ディスプレイ用の樹脂材料から産業用蓄電 デバイス、自動車関連製品まで、国内外で幅広く事業展開する日立化成。2012 年に創業 100 周年を迎え、時代を先取りする新たな歴史を切り開くために「真のグローバル化」 を経営目 標に掲げ、変革を推し進めている。変革を指揮する同社社長の田中一行氏に、そのビジョンや リーダーシップのあり方をうかがった。 日立製作所の日立市にある海岸工場に「創業小 創業100周年を機に 真のグローバル化へ舵を切る 屋」 というのがあるんですけれど、そこに、当時、最 高野 まずは田中社長が経営目標に掲げておられ モーターがあります。 る「真のグローバル化」について、その狙いなどを それから2 年ほどたった 1912 年には、やはり絶 お聞きしたいと思います。 縁ワニスも 「輸入品だけではもの足りない、自分たち 田中 当社は2012 年に、創業 100 周年を迎え、次 でやろう」 ということで、モーターに使うエナメル線の の50年に向けたキーワードとして「グローバル化」を エナメル層(絶縁層)用の塗料をつくるための研究 掲げました。ご存じのように、我々は1962 年、日立製 開発を始めました。 作所の化学製品事業部から分離独立した会社です。 高野 1912 年に御社の事業のルーツが日立製作 もともと日立製作所は 1910 年に創設されました 所の中で産声を上げたわけですね。そこから数え が、鉱山のポンプやモーターはその頃どれも輸入品 てちょうど100 年後というのが 2012 年。ここであらた で、 「それを国産でやりたい」 というところからスター めて会社や事業の将来像に目を向けると、まさに、 トしています。 真のグローバル化が必要になってきた。 初につくられた直径 1.5メーターくらいの 5 馬力の 田中 その通りです。問題意識の 1 つにあるのが、 そのときに周りを見わたしてみると、海外の売上 縦割りと言いますか、事業部で何となくこぢんまりと 高比率が 43%くらいでした。であれば、我々はグ ビジネスをやるようになってしまったなと。IT バブル ローバルなビジネスをもっとやっていく必要があるの 以降、エレクトロニクス関係を中心に製品群を整え だから、 「世界中の 17,000 人の社員を全員巻き込 てきて、パソコンや液晶テレビを中心としたデジタル んだイベントをやろうじゃないか」 と。 家電の成長にうまく乗れたんですね。その結果、お 我々が海外に出ていく場合、お客様にくっついて 客様の要望を聞いて、お客様のロードマップに沿っ 製造会社を海外につくり、そこから製品を供給する て製品を開発し、順調に事業が拡大したわけです。 という形になります。現地調達の材料で安い製造コ ストで、現地の価格でお客様に提供するというのが 第 1 段階です。現地の人たちは日立化成グループ で働いているというより、現地の会社に所属して、単 一の製品をつくっているという意識になりがちです。 だけど、実際にはいろいろな事業があって、単一 の製造製品だけではなく、今後、多様な製品が移 管されてきますし、いろいろなスキルを身につけても らう必要もあります。そうであれば、現地の人にもっ と目線を高くしてもらい、視野を広げてもらわなけれ ばいけませんから、日立化成グループ全体を知るよ うなイベントが必要と考えたんです。 高野 なるほど。17,000人のグローバルの社員が、 皆、グループの一員であることを確認できるような イベントですね。 高野 研一 しかしリーマンショックのあと、スマートフォンなど が本格的に台頭してきて「このままではまずいんじゃ 記念イベントを通じて グローバルでの一体感を醸成 ないか」 という状況に変わってきました。事実、今、 田中 そこで社内から、いろいろアイデアを出して パソコンなどはマイナス成長で、我々が持つリソー もらいました。その中に、 “ 絵 ”を題材にして、皆が スをもっと有効活用しなければいけない状況になっ コメントを寄せ、それを集めて1 つの大きな絵を完成 てきたわけです。 させるという案があって、これは面白いなと。 そのリソースも2 つあって、1 つは我々のテクノロ たとえば「将来に向けての日立化成のビジョン」 と ジー、もう1 つはいろいろな分野のお客様です。多 言っても、文字だけだとイメージの幅が狭くなってし 岐にわたるお客様群も、我々の重要なリソースです。 まうけれど、絵であればいろいろな見方があって、 ですから、縦割りで、あるお客様のある部分だけ 各人がそれぞれ自由に鑑賞できますよね。 にコンタクトして仕事をするのではなくて、お客様が 絵の中には、 「今までビジネスで大事にしてきたこ 次に考えていることを先回りして実現する、そのた とは何か」、 「節目を迎えた今、何を変革するのか」、 めに必要な材料、技術は社内に潤沢にある。それ 「将来、日立化成はどんな形になっていたいか」など、 を組み合わせることが必要になってきています。 執行役メンバーの思いも入れて、最終的に「コミュ 高野 縦割りの意識を変えて、グローバルに視野を ニケーションアート」 としてプロの画家に仕上げてい 広げる必要があるわけですね。 ただきました。そして、これを世界中持ち歩いて全 田中 そういうことで、2012 年の「分立 50 周年・ 員で観賞しました。 創業 100 周年」は1 つの節目であり、記念イベントを また、ちょうどこれに合わせて「ブランドブック」 もつ やる必要があるだろうし、もっと外に目を向けるような くり、日本語、英語、中国語、タイ語、スペイン語など、 イベントを、と考えたわけです。 10カ国語にしました。経営理念、ビジョン、さらに拠 2014 1 点がどこにあって、どんな製品を持っているのかを ションを喚起したり、肌感覚にタッチするような活動 冊子にまとめました。 が重要であると。そういう着眼点でこの企画を実行 それをグローバルで、現場の人には「ブランドブッ されたわけですね。 クを読んでください、絵を見てください、感想を書い 田中 そうです。 てください」 と。マネジャークラスには「日立化成グ 高野 時代的に見ると、当然それがグローバルで ループの中でビジネスをするというのは、どういうこと なければならないということですね。 か」、 「将来的に事業所をどうしたいか」 ということを 話す対話集会をやりました。 そうした一連の活動の中で、社員全員に「我々 はこうしたい、ああしたい」 ということをひと言色紙に 書いてもらい、その色紙を持って写真を撮り、アート 組織のベクトルを合わせるための リーダーシップとは の中に17,000人全員の写真を埋め込んで、再度、 田中 ですから、まずはグループ全体の方向感を 皆にフィードバックしました。 共有すること。いろいろなところにいる仲間、いろい 高野 具体的にどのような成果が得られたのでしょ ろな製品、テクノロジーをもっと融合し合って、グロー うか。 バルで事業展開をしていく。そうやって製品をつくっ 田中 活動を通して得たものは、 「日立化成という て、事業をつくっていくことが1つの方向性ですよと、 のは、こんなに幅広く事業展開しているんだ」 という 伝えられたと思います。 現場の人たちの意識変革です。さらにマネジャーク しかし、そうは言っても具体的にどう動くのかとい ラスには、 「日立化成グループの一員として、次はど う話になってきますので、私が社長になってから「3 んなことを考え、何をしなくてはならないのか」 という ことを、目線を上げて考えてもらうことができたのは つの変革」を掲げてきました。それは「事業の変革」、 「組織の変革」、 「人の変革」です。 大きな成果です。 「事業の変革」 というのは、事業ポートフォリオを また、活動を展開するにあたって、一方的に「こ もう少し時代に合ったものに変えましょうということ。 れをやりなさい」 と紙で送っただけでは、人は動か たとえば、新神戸電機をTOBにより完全子会社化 ないわけです。事務局も、最初は「送ればいいだろ することにより、日立化成グループとして蓄電デバイ う」 くらいに思っていたけれど、 「そんなことで動くわ スのビジネスをやるんだというメッセージを出して、事 けがない。どうするんだ?」 と。やはり、拠点のトップ 業のポートフォリオを変えていく。 から教育する必要があるということで、海外を含め あとは「組織」 と 「人」の問題です。コミュニケー 事業所の責任者が集まった席上、ディスカッションを ション・ワークショップで、全体の方向性は理解した して、 トップの責任としてこれをやるんだという自覚を けれども、それを具体的にどう実行するのか、グ 持ってもらうようにしました。これも大きな収穫だった ローバルでコミュニケーションをどう図るのか。あるい と言えるでしょうね。 は、どんなマネジメントスタイルに変わるのかというこ 高野 グローバルでの一体感の醸成だけでなく、グ とが次に必要になってきます。ですから人事制度の ローバルでの組織展開力といったものを構築された 変更、コミュニケーションツールの整備にも着手して わけですね。 います。 田中 その通りです。たとえば製造事業所でいうと、 高野 人の観点に着目されたり、イマジネーションを 「部課長クラスのワークショップは、こういうことをす 喚起されたりというのは田中社長らしさで、 「ビジョナ るんですよ」、その次は「各部長さん、課長さんは、 リー・リーダー」の典型という印象を持ちます。ビジョ それぞれの部門に対してこうするんですよ」 というひ ナリー・リーダーというのは、当社の調査では、日本 な型を、事務局が中心になってつくり、実際に事業 人の中では5%ほどですが、組織のベクトルを合わ 所まで行って展開しました。 せるために、相手に対してイマジネーションを喚起す 高野 そうすると、まず 100 年にわたる歴史観のよ るようなことを、あの手この手とやっているんですね。 うなものがあって、次に「新しい環境の中で、どう日 特徴は2 つあって、1 つは自分自身ではなく、ほか 立化成の強みを伸ばしていくのか」 という方向性が の人の強みを生かそうとする点。もう1つは、相手に あって、その中で、節目に当たって社員のイマジネー 対して積極的に影響力を発揮するというか、自由放 任でやらせるというのではなくて、こちらから積極的 るを得なくなって、 「そういう能力が磨かれた人がビ にベクトルを合わせにいったり、相手の目線を高めた ジョナリー・リーダーになっていく」 という説明をしま り、相手の発想を活性化するような働きかけをどん す。まさにそのひな型のようなお話ですね。 どんやっていくところが特徴です。 田中社長が、そういうリーダーシップを獲得される に至った経緯を、次にお聞きしたいのですが。 田中 私は中学のときから運動が好きで、中学時 代は水泳部、大学時代はハンドボール部のキャプテ 仕事と向き合う中で訪れた 若き日の転換点 ンをやらせてもらいましたから、そのあたりがルーツ 高野 その後、日立化成に入られ、仕事のキャリア でしょうか。 を積んでいく中でも、そうした強みが生かされた転 水泳でもチームや個人を強くするために、どんな 換期があったと思うのですが。 練習法を取り入れればよいかということを、先生と 田中 私は開発部で、不飽和ポリエステル樹脂、 ディスカッションしていたなぁと。 いわゆるFRPなどの構造部材用の合成樹脂を扱っ 大学は国立大学でしたので、それほど強い選手 ていたのですが、開発に加えて、それを評価するこ がいるわけではないし、未経験者もいました。そう ともしなければなりません。成形材料というのは、お いうチームを何とか強くしようと、 トレーニング法を工 客様が成形材料の形にして、そして成形品をつくり 夫したり、練習試合で経験を積ませるというように、 ますから、お客様のラインの中に入って一緒にもの 当時から「みんなで何とかやっていこうじゃないか」 づくりをするし、最終的にできあがった成形品の物 という意識が強かったと思いますね。自分がやれば 性を評価するんです。これもチームなんですね。長 いいというのではなくて、チームをつくらなければ結 い期間かけて評価していかなければいけない。 果が出ないと。 樹脂をつくる、成形材料をつくる、そして成形品 高野 我々もよく、ビジョナリー・リーダーについて をつくって評価する。この一連のプロセスを我々の 説明をするときに、優れたサッカーの監督や野球の 工場でも、お客様サイドでも行う。一種のプロジェク 監督など、スポーツを例に挙げることが多いのです。 トですよね。それをマネジメントしなければなりません。 チームをつくって結果を出すというタイプの人は、ビ 「 “人” を起点に、 グローバルで の一体感をつくりあげることで、 ジョンを伝えたり、人を巻き込んだり、当事者意識を 事業の可能性が拡大していく 高めたり、あるいはコーチングや指導育成をやらざ はずです」 つまり、チームの組成や、お客様との連携、社内 の連携をどうとるか。そういう交渉事をリーダーとし て進めて、全体をうまくまとめるという経験が大きな 転機になったと思います。 高野 そうすると、社内の関係部署のみならず、お 客様に対してもリーダーシップを発揮する必要があ りますね。 田中 それまでは開発の研究員として、せいぜい 現場で樹脂をつくって、サンプルを出すだけ。あとは 営業にフォローしてもらうという具合で、せいぜい4、 5 人のチームでしたけれど、成形材料を評価すると いう立場になると、10 人、20 人のチームになります。 しかも、ほかの会社の人も巻き込んで、全体の日程 をきちんと調整するというのは、大きな挑戦だったと 思います。 高野 田中社長は執行役クラスの役員に対しても 遠慮がないというか、求めるべきことは求める。日本 の大手企業のトップでは珍しいと思うんですね。 「リー ダーに対するリーダーシップのあり方」 として、相手 にも高いものを求めるやり方は、グローバルには理想 的なリーダーシップとして認められる面があります。 2014 1 ただ、国内だといろいろな部署が集まって全員で わち「ダイバーシティ」が我々の経営戦略であると考 コンセンサスをつくりながら経営をする。そうすると、 えています。 お互いに遠慮をするという方向に流れてしまいがち 我々は、多彩な製品とともに、非常に多様な技術 なところがあるのですが、そうではないですね。 を保有している。1つひとつの事業規模が小さいた 田中 それには日立化成のカルチャーがあったかも め、なかなか深いところまで達していないかもしれま しれませんね。割と開発部門が強いというのですか せんが、いろいろな技術を組み合わせる、あるいは ね。開 発 部 門のマネジャー連中が中心になって、 融合することで「新しい製品をつくろうじゃないか」 と、 事業プランづくりをするのです。研究開発だけじゃな 常に言っています。 くて「市場動向がどうなっているんだ」、 「次のトレン 人材も同じだと思うんです。新しい地域で仕事を ドはどうなんだ」、 「次の用途展開はこっちの方向 したり、新しい事業を起こしたりというのは、多彩な じゃないか」 と、営業の人たちを巻き込んでお客様 人たちが才能を持ち寄ってつくり上げていくものだと からの情報を取って、自分たちでプランニングをして 思いますから、年齢・性別・国籍を超えて、それ 発表するんですね。 ぞれの人が活躍する場を提供し、活躍できる仕組 工場の中での予算会議なども、開発課長や開発 みを整えていく。これが僕らの仕事だと思います。 部長が積極的に事業プランを出しますし、本社の いろいろなところでグローバルに集まって、それぞ 事業部長や社長に対して、工場の売上計画や収 れの地域で、 「こんなビジネスをやろうよ」、 「こっちは、 益改善計画などを発表する機会もあります。上のほ こんなことやろう」 というのが、将来の姿だろうと思い うがチャンスをくれたというのですかね。「ポリエス ます。 テル樹脂の新たな用途展開について、田中が発表 高野 チームづくりの基本思想ということですね。 します」 というように、一部分を受け持たせてもらっ 田中 ですから、年齢・性別・国籍、これを超え たり。課長クラスになれば、そういう機会が巡ってき るような仕組みが必要だということで、今まで日本国 たと思います。 内の報酬制度は「職能給」でしたけれど、職務給と 高野 そうすると、開発の人には一段高い目線が いうか「ポジション給」に舵を切っています。 要求されますね。リーダーシップが要求されるカル 経営戦略を立て、経営方針をつくり、それを実行 チャーがあって、それが周囲に対しても求めるべき に移すために組織をつくる。そうすると、それぞれ ものは求めていくようなリーダーシップにつながって のポジションに求めるものが明確になって、それに適 いっていると。 した人を配置して挑戦してもらう。そこで十分に力を 田中 そうですね。製造部長だとか、他部署から 発揮してもらうということです。 もプレッシャーがかかりますよ。「じゃあ、次、事業ど 高野 インフラもグローバルに標準化していくわけ うするんだ?」、 「どんなことを考えているんだ?」 という ですね。ダイバーシティを実現し、優れたチームを ことを言われますので、嫌でも考えざるを得ない。 つくっていく上でネックになることはありますか。 それが開発の仕事であると意識していましたね。 田中 やはりコミュニケーションの問題でしょうね。 それぞれの人が考えていることをきちんと知った上 で、適切にマネジメントすることが必要ですね。その 点で、1 つは「マネジメントスタイルをどう変えていく 製品開発も人材開発も “多様性”がキーワード か」 ということと、もう1 つは「コミュニケーションをどう 高野 コンセンサスでやるよりも、権限や責任を明確 ン手段としての英語、これはやるしかありません。 にすることが人を育てる。 「緊張感の高い環境の中 中国では日本語を話せる人を採用してきているわ に置く」 というやり方はグローバル企業に近いですね。 けですが、今、その人たちはマレーシアなどの東南 先ほどの「真のグローバル化」に戻りますが、ここ アジアの工場とコミュニケーションを取る必要がある。 から先、その理念の延長線上にどんな将来像を描 そうするとやはり英語が必要になる。欧米企業のお いていらっしゃるか、田中社長のビジョンをうかがい 客様とはもちろん英語です。 たいと思います。 また、言語とともに物事を判断するプロセスにつ 田中 「人の変革」 という意味では、多様性、すな いても標準化が必要になります。各国の人たちは 図るか」 ということになっていきます。コミュニケーショ それぞれのお国柄や商習 日本人で英語でコーチングしている人もいます。今、 慣に引きずられますが、こ これをグローバルに実施していて、今年から来年に れも変えていく必要がある かけて、7,000∼8,000人の間接社員がこのコーチン わけです。 グプロセスを経験することになります。 そこで、同じシンキング・ 拒否反応もあることを考えて、最初は若手から始 プロセスのツールとして めました。次に若手の課長、今年はシニアマネジャー 「KT 法」による標 準 化を です。部長やセンター長が、いよいよ本格的にコー 進めています。執行役の チ役になる。そうすると、自分たちのマネジメントスタ メンバーに、社内インストラ イルをもう一度考え直さなければいけないわけです。 クターの資格を取ってもら この人たちがきちんとマスターし、納得してマネジメ うために、アメリカのインス ントスタイルを変えると、日立化成がだいぶ変わってく トラクター養成講座の講習 ると思います。もっと皆が意見を言えて、皆の意見 会に参加してもらい、英語 が吸い上げられる、そういう方向にグッと舵が切れて でマスターしてもらいました。 くるでしょう。 まずはトップからやって 我々の製品は多岐にわたっていますから、製品 いるんだという姿を示して、 ごとの経営戦略は、部門の人たちがもっと責任を 日本 人、中 国 人、シンガ 持って決めていかないとだめだと思っています。社 ポール人のインストラクター 長がああこう言っても、なかなか全部見られるもの も養成し、KT 法を共通の ではありません。各部門の人たちがきちんとマネー 「真のグローバル化を図るには、 シンキング・プロセスにする。新しい設備投資の稟 コミュニケーション手段や、 意思 議書があるとすれば、その中にはKT 法のプロセス 決定プロセスの共通化も不可 を使った判断、決定分析がなければ受けつけない 欠と考えています」 ジしてくれなければ、事業は大きくならないんです。 ということをやっています。 非常に優れたリーダーシップだと思います。 今はもう経営の稟議書も英語で書くようになって 「サッカー型のマネジ 田中 社長に就任したときに、 おり、設備も環境も人事関連のものも全部英語です。 メントと、野球型のマネジメントがある」 という例を引 高野 これだけいろいろ打ち手を考えて、社員の 行動を喚起していく、育てていくというのは、やはり 用したんです。「野球というのは、選手は監督の指 示に従う。監督が 4 番バッターにでもバントをさせる 対話重視の「サッカー型」 のマネジメントへ ことがある。一方で、サッカーの監督は大きな方向 性を考え、トレーニングはきちんとやらせるけれど、 フィールドの上では選手 11 人がそれぞれ自分で考 高野 言語もプロセスもグローバルで標準化して えて動く。今までは野球でも良かったかもしれないけ いく? れど、これからはサッカーのようなマネジメントにして 田中 そういう中で、最後はいよいよマネジメントス いかないとならない」 と話しました。 タイルを変えなければいけないわけです。これまで そうでなければ、我々の多岐にわたる事業分野 は「同じ日本人同士だから」 とか、 「俺の背中を見て をうまく運営できないということを強調しながら、今、 ついてこい」 ということがありましたけれど、一方的 そういう方向に進んでいます。 な上意下達はもう通用しない。対話を重視してお互 高野 グローバルな環境で、多様な人材が、多様な いの違いを知った上で、経営の次の活動や、次の 事業を運営していくには、 トップの全体の方向を示す 施策を納得して、決定していく。そういうマネジメン リーダーシップに加えて、各現場がリーダーシップを発 トに変えていくための施策としては、コーチングを積 揮することが重要ということですね。そしてそれを実 極的に導入しています。去年は300人、今年は400 現するには、相互理解を深めるコミュニケーション、 人の社内コーチをつくります。 共通の判断基準やプロセス、対話や責任と自主性 5 人の社員をコーチングしながらコーチングのト を重視するマネジメントが不可欠となる。今日は、真 レーニング講座を受講して社内コーチの資格を取る のグローバル化を実現するための多くの具体的施策 んです。英語でコーチングを受けている人もいるし、 についてお話しいただき、ありがとうございました。H 2014 1 33 先端企業ケーススタディ○ 改革の新たなステージで人の成長をドライブする 「すかいらーく」の新人事制度 「すかいらーく」は、傘 下ブランドとして「ガスト」 「ジョナサン」 「バーミヤン」 「夢庵」 「グラッチェガーデンズ」など、和洋中からイタリアンまで約 3,000 店 舗のテーブルレストランチェーンを擁する、世界屈指の外食企業だ。2008 年 に就任した谷真社長により大改革がスタートし、2011 年からは米投資会社傘 下において戦略的な経営資源の再配分や経営インフラの強化による経営改 革を急加速させており、2014-2016 年中期事業計画で成長の次のステージ に入った。そのような中、同社では現在、さらなる競争力強化に向け、人事制 度の大幅刷新が進められているという。そこで、人事制度改革の指揮を執る 櫻井功氏に、新たな人事戦略の方向性やその狙いをうかがった。 (聞き手:水上みさ=ヘイグループ・マーケティングマネジャー) 櫻井 功 株式会社すかいらーく 人財本部 執行役員 ジスティクス)を持っていることの 員にとっては「自分はどうしたら成 証しですので、これからも自らを 長できるのか」、 「何を達成したら 他社と差別化できる大きなポイント 昇格するのか」、 「給料はどうした だと考えています。このインフラを ら増やせるのか」などという、極 ̶̶まずは、御社が目指してい 最大限活用し、品質の妥協をせ めて単純なことですら、非常にわ るものや、お客様に提供しよう ずに低価格かつ高付加価値なも かりにくくなっていました。ですか としているバリューについて、う の、安全・安心を提供すること、 ら今 後 我々が導 入 する制 度は、 かがいたいと思います。 また、それらを通じた圧倒的な業 我々がビジョンとして掲げている 界シェアの確立を目指しています。 沿っていることを確認しながら進 「すかいらーく」 人財本部が重視する 4つのキーワード 常にこれら4 つのキーワードに めていきたいと思っています。 言葉は「価値ある豊かさの創造」 であり、外食の世界で、安心や安 ̶̶そうしたビジョンの実現 全、おいしさをお客様にリーズナ につながる人事戦略について、 ̶̶櫻井さんは、昨年1月に着任 ブルな価格で提供していくことが お聞かせいただけますか? されましたが、新たな制度の構 使命であると位置づけています。 「シンプル」 「フレキシブル」 「フェ 築に際して、いつごろから準備を 「オープン」、この 4 つのキー 目指しているものは、外食産業、 ア」 始められ、また導入はどのように 進めていらっしゃるのですか? 特にテーブルサービスレストランに ワードを常に意識しています。新 おける圧倒的な地位です。実際 しい人事制度のキーワードであり、 昨年の 4月にキックオフをして、 にいま、店舗数は約 3,000 ありま 我々が人事を運営していく上で、 ともにプロジェクトを進めていく人 す。外 食 産 業 の中のいわゆる 常に念頭に置くべきものです。 事コンサルタントを選定し、プロ テーブルサービスという業 態で、 これまでは外食産業の成長の ジェクトチームで社員へのインタ ここまでの店舗数を持っている会 鈍化と競争の激化、そして労働 ビューやラウンドテーブルミーティン 社は、おそらく世界的にも我々だ 集 約 的なその 事 業 構 造により、 グを進め、社内の現状を把握す けです。 人事制度は会社によるコストコン る一方、昨年 7月にはヘイさんに これを展開できているのは、非 トロールを主眼に置いた、とても お手伝いいただいて店舗で働くク 常に強い経営インフラ(工場やロ 複雑なものでした。そのため従業 ルー全員を含み 10 万人を対象と する「従業員意識調査」や、その ̶̶大きな方向性としては、例 いけば いいなと考えています。 結果を踏まえたフォーカスグルー えば日本的な年功序列的制度か 人をドライブしていくものが人の心 プインタビューなども行い、徹底的 ら能力主義に変わるというイメー や行動に一番影響し、会社のカ に「従業員は今会社に何を求め ジでしょうか。 ルチャー、組織風土が変わって ているのか」を調査しました。また、 そうですね、今までの制度は いくのです。そのための施策の 1 レストラン、ファストフード、コンビニ つとして、4月から評価の仕組み 「職能資格制度」 を 「職務等級的」 などの競合他社さんにも数多くイ に運用するという、いわゆるハイブ を新しくしました。 ンタビューさせていただき、マー リッドな人事制度になっていたの 先ほど「シンプル」や「フェア」 ケットの情報も集めました。それら ですが、それを職務等級制度と いうキーワードを挙げたように、評 の情報と、今後の競争環境・事 運用に整理し、よりペイ・フォー・ 価制度をよりシンプルにしていこう 業戦略などから、経営が求める パフォーマンス、能力主義に基づ としています。レストランチェーンと いたものに変えていきます。 いうのは店舗ごとで、例えば「1 つ 同時に、これまでの号俸制を等 数百円のハンバーグ」を売って稼 今 年の 1 月から2 月にかけて、 級のバンド制と給与のレンジ制の ぐというビジネスなので、人気ス 全国で 13 回、社員のほぼ全員 組み合わせに変更することで、会 ポットが近くにできるなどの特別 に向けて説明会を開催しました。 社としては能力の高い人を抜擢 な要因がない限り、急激かつ飛躍 4月からは新しい評価制度の導 でき、社員側からすればより早い 的に売上が伸びることはないので 入を進めていて、来年の春から スピードで昇給・昇格できるよう す。店舗の売上を大きく伸ばすに 等級と報酬制度が全面的に切り な仕組みにしていきます。 は、プロモーション活動などの本 「人財」を考慮に入れ、新しい人 事制度を構築しました。 社の施策が必要です。店舗マネ 替わる予定です。 新制度は全社員に影響します し、また新しい人事制度には社 員になじみがない仕組みがありま す。社員数は4 千数百人でも、全 人の心に響く 人事制度によって カルチャーが変わる ジャーの役割では、今ある売上を 守りながらいかに店舗を効率的 に運営し、利益率を高めていくか ということが重要になります。 国 3,000 の店舗、10 の工場に散 ̶̶制度の抜本的な改革と併せ 人間が注力できることには限り らばっているため、人事制度の て、組織風土の変革も目指して がありますから、必要以上に課題 変更による混乱で店舗や工場の おられるとお聞きしていますが? 数を追いかけるのではなく、課題 日常のビジネスを妨げないように、 組織風土そのものを直接変え を絞り込み、それに対して深く注 社員の理解を確認しながら段階 るというのは難しいので、求める 力していけるような評価の仕組み 的に導入していく予定です。 組織文化をベースにした仕組み にしていきます。 を浸透させていくことで変わって また、先ほども言 いましたが、 店舗が地道に料理を販売するこ 制度改定コンセプト とで売上利益を稼ぐビジネスです 新人事制度のキーワード シンプル フレキシブル マーケット・ペイ フェアで市場競争力のある 報酬水準 ペイ・フォー・パフォーマンス より高い成果創出意欲を牽引 フェア オープン 新人事制度コンセプト 報酬 制度 等級 人財と企業の 制度 成長を支える 人事制度 インセンティブ 企業の成長と連動した 処遇改善 評価 制度 職務等級制度 人財の最適配置・適財適所 キャリアの「上昇感」 ステップの明示 職務サイズとライセンス制 多様なキャリア・パス 働き方の選択とチャレンジへの 柔軟な対応 期待人財像・成果の明示 総合的人財評価 パフォーマンス・成果の最大化 9Box 評価によるハイポテンシャル 人財の見極めと積極登用 ので、法人ビジネスのようにトップ セールスで本部長が何億もの売り 上げや利益を上げることはできま せん。当然、評価項目として「売 上」や「利益」は重要ですし、上 司もエリア全体の合計の数字に 対して責任を持つのですが、評 価の配分においては財務的な項 目だけではなく、非財務、つまり店 舗に対するサポートの比重をより 重視すべきだと考えています。 1 2014 ̶̶例えばどのような行動が ダーシップ」あるいは「リーダー ていくことができる人たちを、定 評価されるのでしょうか? シップ3.0」なのかもしれませんが、 期的に洗い出していこうと考えて 簡単に言うと、数字をつくるマ 評価制度を通じてマネジメントス います。 ネジャー職の人たちを、上司ある タイルを変えていくことが、我々 「従業員意識調査」で、また個 いは本部がいかにより数字をあ が目指している形です。 別に行ったヒアリングでも、社員 げられる環境になるように支援す の 大 多 数を占 める店 舗 マネ るか、ということです。 コンピテンシーと業績の 2 軸評価により 優秀人材を発掘する 「マネジャーが数字をあげられ るようになるために役立つと思う 『自分の』行動(もちろん経験的 ジャーに「マネジャーを続けてい ても成長や、給与・キャリアの上 昇感を実感しにくい」 という不満 や不安が多い、ということが浮か に効果性は想像できます)につ ̶̶上から一律に指示を出す び上がってきました。我々のビジ いて、 『ここまでやります』 と目標 のではなく、店舗の現状に合わ ネスは、店舗に元気がなければ、 設定時にコミットしたことがどれ せてきめ細かく対応していくよ いかに本部が元気でもだめなの だけできたか」を評価する仕組 うなスタイルですね。 ですね。 みです。「マネジャーが∼∼でき 大きな組織で、経営方針を上 そこで「店格制度」、すなわち るようにする」 という目標ではなく から下にピラミッド型で落としてい 店の“ 格付 ”を設け、一方でマ 「マネジャーが∼∼できるようにな くと、中間管理職は、一方通行 ネジャーのスキル認定である“ラ るように、自分が∼∼します」 とい に指示を行き渡らせるための伝 イセンス” も認定し、高いライセン う、自分の行動の目標です。もち 達者になりかねないですね。伝 スを持つ人に、より大きなお店を ろんその行動がその結果をもた 達者ではなく、自分できちんと意 持ってもらうという仕組みの運用 らすかどうかについては、上司と 味のある活動に翻訳して、自分 もしていきます。 よく議論し、合意しなくてはいけ の行動としてコミットし、下の組織 ないですけどね。 に対して実行していくというように、 ̶̶マネジャーや社員以外の店 そういうことを通じて、 「なぜ数 マネジメントの位置づけを変えて 舗のスタッフも重要な役割を果 字がいかないのか?」 と問い詰め いく必要があると思います。 たしていると思いますが、そう るのではなく、 「数字を達成する また、 「コンピテンシーの評価」 した方々に向けた施策はいかが ために、自分は何をしたらいいの と 「業績評価」の2 軸の9ブロック ですか? か」を考えるようなカルチャーに を導入し、我々にとってのハイポ パートやアルバイトなどのク 変わっていくのだろうと考えてい テンシャル人材、つまり将来より ルーの方々は約 9 万 人ほどで、 ます。いわゆる「サーバント・リー 高い職階、すなわち責任を任せ この方々が、いかにホスピタリティ 新人事制度導入ロードマップ 2013 5 6 7 8 2014 9 10 11 12 1 2 改定プロジェクト発足 プロジェクトへの インプット 3 4 5 6 7 8 2015 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 8 9 制度改定基本方針の経営承認 新等級・報酬制度詳細の経営承認 従業員意識調査 他社ヒアリング(多業種約10社) 社内部門別階層別インタビュー 制度骨子・全体像の策定 制度別詳細設計(評価・等級・報酬) 制度設計導入 導入スケジュール策定 新評価制度導入 新等級制度導入準備①【職務格付評価】 新等級制度導入準備② 【マネジャーライセンス認定】 等級とライセンスのマッチング(適財適所) 社員 コミュニケーション 社員説明会 考課者研修 ライセンス通知 新等級・報酬への 移行説明 新等級・報酬制度導入 (職務格付け、報酬の移行) 新制度の完全導入 を持って接 客 するか が、実 は て就 職したい」と言ってくれて、 キャリアに対して自分自身で責任 我々のビジネスには非常に大切 かつ優秀だったら、そこにもっと を持つ、キャリアは自分で意思を です。クルーの方たちが何を考 フォーカスしていかない手はあり 持って作る、会社はそのために えているのかということは、ものす ません。 全力でサポートするという方向に ごく大 事だからこそ、昨 年、ク あるいは新卒ではなく、フリー 持っていきたいのです。 ルーも含めた「従業員意識調査」 ターの方で現在クルーをしておら 新しい職制にもとづいて「求め を実施したのです。 れ、正社員の道を求めていて、当 られる能力やスキル」が決まって 店舗の仕事は決してラクなも 社に就職したいという方にも、もっ きますから、それをどうやって育 のではありませんから、アルバイト ともっとクルーから正社員への登 成していくかという視点で、人材 の方は短期で辞めてしまうことも 用の道を広げていきます。 開発の仕組みやプログラムも抜 多いため、以前から「すかいらー そのほか、例えば「リーダーク 本的に作り直します。店舗オペ く」は、クルー確保に向けた施策 ルー」 といわれているようなベテラ レーションにかかわるトレーニング を導入してきました。「ウエルカム ンで、本人にその意志があれば、 は従来からあったのですが、本 プログラム」 といって、本当の初 研修を受けていただきマネジャー 部も含め、ビジネスプロフェッショ 期に学ばなければいけないこと として登用するという新しいプロ ナルの育成、リーダーシップ育成 を、マネジャーが入社直後に時 グラムを去年立ち上げました。 などのトレーニングを幅広く導入 間を割いてきちんとトレーニングし、 これは異動を伴わない「店舗 します。9ボックスの評価とトレー その達成度合いを“ 見える化 ” 限定社員」 という位置づけで、1 ニングを連動させて、昇給、昇 し認知してあげるような仕組みを つの店舗に責任を持ってもらう 格や、サクセッションプランを考え 持っています。 マネジャーとして登用する仕組み ていくという体制に変えていく予 このプロセスの中で、個人の です。子どもの手が離れて、ク 定です。 成長実感を得られるようにしたこ ルーとしても実績を上げておられ とで、クルーの方々の定着率が るような方、特に女性は、細かい ̶̶新たな人事制度の構築に 飛躍的に上がりました。 お客様のニーズに気がつくし、 ホ 大きな手応えを感じていらっ スピタリティが高いですから、登 しゃると思いますが、最終的に 用することは 経 営上も、お客 はどこまで先を見据えていらっ 様にとっても大きなメリットがあ しゃるのですか? ります。 新制度の導入という意味では 社員もクルーも キャリアを構築できる 制度を目指す 今年 4 月1日からスタートし、基 ̶̶「ウエルカムプログラム」で ̶̶社員の方々のキャリア構 本的には来年の春に完了させる 定着率を高めるということです 築についても教えていただけ 予定です。 が、そのあとのフォローもある ますか? しかし、 「カルチャーが変わり のですか? 新しい制度においては、職種 社員の行動が変わった」 というと クルーから社員への登用の道 をまたいだ異動の希望などに、よ ころまで行くには 10 年はかかる を、広げようと考えています。 り自由にこたえられる仕組みにし でしょうね。チェーンストアオペ クルーから社員になる道の 1 たいと考えています。 レーションの「標準化」 という枠組 つは新卒採用ですが、その中で 従来、公募制というのは明確 みの中ではありながら、1 人ひとり 「すかいらーく」のクルー経験者 に存在していなかったのですが、 が各持ち場で自立性を保って主 は、現状 3 分の 1 程度しかいま 今年きちんとしたプロセスとして 体的に行動できるようになる。こ せん。ただ、彼らはアルバイトを スタートさせる予定です。新制度 れを最終目標とするなら、やはり 経験していますから業務はよくわ においては、ジョブディスクリプ 10 年先だろうと考えています。 かっています。組織文化もある程 ションを整備し、そこから想定さ それを通じて、お客様の圧倒 度わかっていて、マネジャーの仕 れるバンド、給与レンジも決まって 的な支持をいただいて、圧倒的 事も近くで見ています。そのよう いくということになります。今後は な 地 位を確 立していくことが、 な環境でさらに当社に「社員とし そういう制 度のもとで、自分の 我々の最大の目標です。 H 2014 1 HAYマネジメントセミナー 次世代経営人材の育成の仕方 −新たな成長の道を開拓するリーダーをどう育てるか− 情報革命やグローバル化の進展により、過去のビジネスモデルや、特定の職能の中で蓄積 した知見だけでは、問題を解決できない時代になりつつあります。 こうした環境の中で事業 を成長させる能力を持った次世代の経営人材をどれだけ育成できるかが、企業の将来を 左右するようになってきました。 ヘイグループでは、 多くの企業とともに、 各企業が実際に直面している市場や事業を題材に しながら、新しい成長の可能性を見いだせる経営人材を育成するプログラムを設計・運用 しています。 そのプログラムの概要をご紹介します。 ヘイグループ 代表取締役社長 高野 研一 多くの経営者が抱える悩み に握る台湾などがグローバルなネットワークを形成し ています。このため、ユダヤ人、インド人、華僑など が張り巡らせたネットワークの中に入って行って、ビ ジネスを展開できるリーダーが求められるようになっ 近年、多くの企業経営者が次世代の経営人材 ています。 の育成において、悩みを抱えています。その背景 このような新しい環境の中で事業を成長させるこ には、2 つの大きなビジネス環境の変化があります。 とのできる経営人材を、集中的に育成することが喫 1 つめは、業界の垣根を越えた戦いが激化してい 緊の課題となっているのですが、既存事業の中で るという事実です。異業種から外敵が参入し、過 の OJT や年功序列型の配置による育成だけでは、 去の業界秩序が壊され、戦う相手や戦い方がこれ 当然ながらこの目的は達成できません。 までとは変わってきているのです。例えば、小売業 がプライベートブランドの強化でメーカーの機能を浸 食しています。また、アマゾンのようなEC 産業が、 小売店業界を切り崩しています。このような状況に これからの経営人材に必須の 2つの能力とは どう対応していくかが、多くの業界で課題になって います。 過去の安定した経営環境下では、現状を分析し、 もう1 つは、情報革命を契機に産業構造がオー 課題を特定した後、過去の成功事例を調査し、解 プン化・グローバル化し、もはや一企業では解決で 決策を立案するという戦略立案プロセスが一般的 きないほど問題が大きく複雑になってしまったことが であり、効果的でした。しかし、前述したような新し 挙げられます。それに伴い「エコシステム」 と呼ばれ い環境下では、すでに表面化している課題の分析 る勝ち組企業連合が台頭し、そこに参加できなけ や過去の成功事例の導入では、解決策にならなく れば、いかなる大企業といえども、もはや開発スピー なってきています。このため、新しい戦略立案プロ ドでもスケールメリットでも太刀打ちできない時代に セスが必要になります。ヘイグループの調査によると、 なってきています。情報通信産業の例を挙げると、 激変する環境の中で優れたビジネスリーダーとして シリコンバレーを中心とした米国西海岸を中核として、 活躍している人は、ある種共通の戦略立案プロセ 暗号技術や高速ネットワーク通信に強いイスラエル、 スを持っていることがわかってきています。①見えに ソフトウェア開発センターとしてのインド、製造を一手 くい市場や事業の構造を解明することで、新しい 13 成長ドライバーを発見する、②その仮説が本当に 有効かどうかを実践の中で検証し、事業の成功要 因や市場のスイートスポットを発見する、③成長要 新しい「ものの見方」 を獲得する 次世代経営人材育成プログラム 因を横展開し、最大限に事業価値を引き出すとい うプロセスです(下図参照)。 ヘイグループでは、この 2 つの能 力の開 発に そこで重要になるのは分析力ではなく、想像力や フォーカスした次世代経営人材育成プログラムを、 創造性であり、実は成功した多くのベンチャー起業 多くの企業とともに設計・運営してきました。そこで 家はこうした発想法を持っています。いま必要とさ は、 「成長戦略提言力」を獲得するために、優れた れる経営人材には、こうした「成長戦略提言力」が ビジネスリーダーが実践している戦略立案プロセス 求められています。 を、実際に体験してみることに主眼を置いています。 また、戦略の実行段階においては、不透明な環 特に、激変する環境の中で新しい成長ドライバー 境の中で進むべき方向性を示し、多様な価値観の を発見するためには、市場の構造や事業のダイナミ 人の間でベクトルを合わせ、社内外の組織を巻き ズムに関して、いままでとは異なる「ものの見方」や 込み戦略を実行する力、言い換えれば「ビジョン型 「メンタルモデル」を獲得することが重要になります。 のリーダーシップ」が求められます。リーダーシップ その際に鍵を握るのが、脳の使い方です。 を発揮し、自分以外の人を動かせる人は、自然に 人の脳の活動の中で、我々が意識してコントロー 視野が広がり、選択肢も増えていきます。その結果、 ルできる領域は 20%しかなく、脳の 80%の活動は、 社 内 外の連 携がうまく進むようになります。逆に、 我々が意識できないところで行われていることがわ リーダーシップが弱いと、自分だけで何かをしようとし、 かっています。この無意識の世界が、新しい「もの その結果、自分の強みを発揮できる領域に視野が の見方」を形成しているのです。新しいものの見方 狭まり、社内外の組織との連携が阻害されるように は、ある日突然意識の世界に浮かび上がってきます。 なります。 「この市場はこうなっていたのか!」 と気づく瞬間です。 ヘイグループがこれまで蓄積したリーダーシップ診 そうした「ものの見方」が形成されると、我々は従来 断のデータを見ると、ビジョン型のリーダーシップを とは異なる世界を見ることができるようになります。し 発揮している管理職は、日本人では5%程度に留 かし、新しいものの見方が形成される過程自体を、 まっており、諸外国に比べてかなり低い数字となっ 我々は意識することはできません。それは無意識の ています。これでは、世界に広がるネットワークやエ 世界で行われているからです。 コシステムの中に参画して事業を展開するには、心 事業に精通するとは、その事業に固有の市場構 もとない感じがします。つまり、このようなリーダーは 造・事業構造・収益構造のリンケージを解明し、 成り行きでは育たないということです。意識して育て ていく必要があるのです。 「この市場はこういう構造になっている。だからここ にポジショニングすればこのぐらいの売上増につな 優れたビジネスリーダーの戦略立案プロセス 優れたビジネスリーダーは組織的な仮説の設定と検証を繰り返している 市場構造・事業構造・収益構造を踏まえた戦略を持つ 調査や実験を通じて仮説を検証する 担当事業に固有の市場構造・事業構造・収益構造を深く洞 察した上で、普通の人が気づきにくい成長ドライバーを 発見できている。 戦略の中に含まれる重要な仮説を、短期間で実行可能 な調査や実験に落とし込み、実践の中でその有効性を 検証している。 (抽象的な戦略では差別化できない) 成功パターンを横展開し成果を最大化する ひとたび成功要因を発見すると、それを全社的に横展開 し、最大限の成果を刈り取ろうとする。そのために、プロ セスや仕組みを考え、経営資源獲得に向けて経営に働き かける。総花的に資源を分散させない。 (小さな成果では満足しない) このサイクルを (戦略とはあくまでも仮説に過ぎない) 次世代経営人材の 育成プログラムに 落とし込むことが重要 組織的学習を積み上げる 部下や関係部署を巻き込み、戦略や仮説を共有した上 で、一緒に検証活動に取り組み、組織的学習を積み上げ る。また、それを通じて真の成功要因を発見するととも に、組織のベクトルを合わせる。 (戦略を示しただけでは実行につながらない) 2014 1 がる。そのためにはこうした事業構造が必要で、そ きる人材の育成が急務という認識に至っています。 れはコスト構造にこう跳ね返り、このくらい利益を伸 また、それを実現していくためには、自前主義を返 ばせる」 といったシミュレーションが行えるようになる 上し、社外の組織との連携や、M&Aに積極的に ことを意味します。こうした「メンタルモデル」を獲得 取り組んでいくことも必要になってきます。しかし、従 するためには、知識を増やしたり、分析力を高めた 来の OJT 中心のやり方では、それを推進できる人 りといったやり方では限界があります。なぜなら、そ 材は育たないという結論に至りました。 れらは意識の世界を使う活動であり、無意識のうち もちろん、従来から何もしていなかったわけではな に形成されている「ものの見方」の外には出られな く、次世代事業部長候補と次世代部長候補を毎年 いからです。 約 30 名ずつ選定した上で、ケース・スタディと、グ 新しいメンタルモデルを獲得するためには、実際 ループワークによる新規事業提案を行っていました。 に市場をくまなく歩き回り、事業のダイナミズムを体感 しかしアイデアの提案に留まり実効性に欠けるもの し、これまで入ってこなかった刺激をさまざまな角度 が多く、現実のビジネスに寄与していないという声が から無意識の世界に取り入れ続けるほかありません。 トップから出ていました。また、グループの中で特定 そうしていると、ある日突然新しい「ものの見方」が の個人に作業が偏ったり、議論が迷走して参画意 意識の世界に飛び込んでくるようになります。こうし 欲を失う参加者が出てくるなどの問題がありました。 た経験をした人だけが、新しいメンタルモデルを獲 そこで、プログラムの内容を「実戦形式の練習」 得できるのです。 に改めることにしました。 実際にどのようにプログラムを行っているのか、あ る企業の事例をご紹介します。 ■ 次世代事業部長育成プログラム まず、ケース・スタディやグループワークを通じた 相互学習よりも、実際の事業を題材にした実践経 グローバルかつオープンな経営環境の 中で、経営をリードできる人材を育成 験の蓄積に重点を置いた内容に改めました。候補 者を毎年 10 名に絞り込んだ上で、個人別に担当事 業の成長戦略を提言し、かつその有効性を調査・ クラウド技術や通信インフラの発達、モバイル端 実験を通じて検証する内容にしました。担当事業を 末の高度化などに伴い、世の中の情報やコンテンツ 題材にすることで、実際に市場を歩き回り、これまで の流れは大きく変わってきています。このため、この 会ったことのない人と会い、事業のダイナミズムを深 会社では、これまでのようにハードに依存したビジネ く洞察することが可能になりました。そして、提言内 スモデルだけでは経営が成り立たず、情報の流れ 容から経営上の重要な論点や、さまざまな仮説が そのものを変えにいくようなプラットフォームを構想で 浮かび上がるようになりました。また、調査や実験を 次世代事業部長育成プログラム (実施例) 7月 8月 10月 12月 1月 2月 集 合 研 修︵1日 ︶ 調 査・実 験による 仮 説の 検 証 を 踏 ま え た 戦 略の 見 直 し 集 合 研 修︵1日 ︶ 個 別コー チング 個 別コー チング 行 動 改 革の 実行 個 別コー チング 行 動 改 革の 実行 個 別コー チング 行 動 改 革の 実行 実施 ・多面観察診断を通じた、自己のリーダーシップの分析 ・行動改革の実践と個別コーチングを通じた新しいリーダ ーシップスタイルの習得 アセス メントの 4. リーダーシップの診断と開発 行 動 改 革の 実行 ・成長戦略の有効性を検証するため、調査・実験をデザイン し実施 ・事実に基づき仮説を検証し、成功要因を解明 11月 調 査・実 験による 仮 説の 検 証 3. 調査・実験を通じた仮説の検証 集 合 研 修︵2日 ︶ 担 当 事 業の 成 長 戦 略 を 立 案 集 合 研 修︵1日 ︶ ・成長戦略立案のベストプラクティス ・事例研究:同業界の3社の戦略比較 ・担当事業の成長戦略立案と提言 集 合 研 修︵2日 ︶ 2. 成長戦略の提言 事 前 課 題の 実 施 ・問題解決思考を戦略立案に応用する ・事業価値が生まれるメカニズム (ファイナンス) ・市場構造の解明・ユーザーの潜在ニーズの把握(マーケ ティング) 担 当 事 業の 成 長 戦 略 を 立 案 1. 事業価値が生まれる構造の理解 9月 通じてその有効性について検証する過程から、い ままで見えていなかったボトルネックや成功要因、市 場のスイートスポットなどが浮かび上がるようになっ 活用事例から見えてきた 効果的なプログラム設計の仕方 てきました。その結果、 トップとのディスカッションも意 味のある内容になっていきました。 このような形で、さまざまな業界の企業と次世代 また、リーダーシップ診断とコーチングを実施する 経営人材育成プログラムを開発し、運営してきてい ことで、自分のリーダーシップスタイルの背後にある ますが、これまでの試行錯誤の中から見えてきた、 「ものの見方」の偏りに気づく人が出てきました。こ 効果的なプログラムにするためのポイントをまとめる れまでは自分の強みを活かすことが良いと感じて、 と下記のようになります。 自ら率先して仕事に取り組んできたのですが、実は ① 事業全体を捉える知見ができた部長職以上を それが部下の当事者意識を弱め、組織全体として 対象にする 一体感や士気が高まりにくい原因になっていること ② 10 ∼ 20 名の選抜研修として実施 に初めて気づかされたのです。 ③ 現実の市場・事業に即して成長戦略を提言する ④ 優れた経営者の思考プロセスを体験する 参加者のアセスメントを 昇格判断に反映させる ⑤ 提言した内容の有効性を検証する ⑥ アセスメントとコーチングを組み合わせてリー ダーシップを開発する ⑦ 6カ月∼ 1 年の期間で実施 また、プログラム実施後、成長戦略提言力とリー ⑧ 昇格・登用・異動に連動させる ダーシップの 2 つの軸でアセスメントを行いました。 経営者としての成功確度を評価したのです。そして その結果を、配置やローテーションに反映させました。 成長戦略提言力もリーダーシップも高い人材は、 MBA型研修から 実践型のリーダー育成へ 1 つ上のポジションに上げたり、試練を伴うポストに 異動させ、さらに能力に磨きをかける機会を与えま いま、自分の頭の中にない解決策を発見し、それ した。成長戦略提言力は高いがリーダーシップに を実行していく力を備えた次世代のリーダーを、経 課題がある人材は、大勢の人や多様な関連部署 営 理 論の習得やケース・スタディを中心とした を動かす必要があるポジションに異動。逆にリー MBAタイプの教育で育成することは難しくなってき ダーシップは高いが成長戦略提言力に課題のある ています。経営能力を高めることは、試験で高い点 人材は、企画部門など全社的な視野で戦略立案 を取ることよりも、スポーツや武道に熟達することに 能力が求められる部署に異動させるなどにより、計 似ています。スポーツや武道で上達するには、理論 画的に経営人材の育成に取り組む土壌ができてい や演習だけでは不十分ですし、実戦だけでも上達 きました。 はしません。「実戦形式の練習」を繰り返すことが つまり、経営人材の育成という目的に向けて、OJT 重要なのです。それによって無意識の世界が活性 とOff-JTを密接にリンクさせることに成功したのです。 化され、自然に望ましいものの見方や動き方ができ 以上のようなプログラムを実施した結果、そこで る「メンタルモデル」が形成されていくのです。 出てきたアイデアが現実の事業で実行に移されたり、 ヘイグループの創業者の一人であるデービッド・ 他社の動きが見えるようになりシェア低下の構造が マクレランドは、この無意識の世界の構造を解明し、 解明されたり、事業の見方や戦略立案プロセスが 人がものの見方や行動パターンを変えるための方 全社的に共有されるなどの効果が出てきています。 法論を確立してきました。こうしたアプローチに基づ しかし何よりも、参加した人たちが、①固定観念にと く経営人材育成手法を通じて、企業が未来を拓く らわれず、さまざまな角度から事業を見ることの意 ための支援をしていきたいと考えています。 味を理解したこと、②仮説を立てて検証することで、 ●プログラムに関するお問い合わせは下記まで。 不確実性に対峙できる自信をつけたことが最大の E-mail : [email protected] 成果であったと言えます。 TEL : 03-5157-7878 ( ヘイグループ代表 ) H ヘイグループからのお知らせ ヘイ・マネジメントセミナー 「人材の最適配置に関する方法論」 いま、多くの企業が人材配置の問題に頭を悩ませています。 日本企業の多くは「攻め」と 「守り」の両側面を事業運営の中に抱えていますが、その両側面に、 どのような「量」と 「質」 の人材を配置すべきかが大きな論点となっています。 このセミナーでは、人材の「量」と 「質」について検討した過去のプロジェクト事例をご紹介し、参加者の皆様に、人材の 最適配置について検討する際の一定の枠組みをご提供したいと考えています。 日 程 (木)15:00∼17:00(14:30開場 ) 2014年 7月10日 ・会 場 青山ダイヤモンドホール (東京都港区北青山3-6-8) ・講 師 ヘイグループ ディレクター 山口 周 ・対 象 経営企画・人事のご責任者、ご担当者の皆様 ・参加費 無料 プログラム ■事例紹介 A社 部門別の人員数の最適化について B社 エリア別の人材配置の最適化について C社 商品担当別のチーム体制の最適化について ■質疑応答 (内容は事前の予告なく変更となる場合がございますのでご了承お願いいたします) ヘイグループ・ウェブサイトのセミナーご案内ページからお申し込みください。 http://www.haygroup.com/jp/ ヘイグループは1943年に米国フィラデルフィアで創設され、過去70年以上にわたり人事・組織に関わるコンサルティングを展開し てまいりました。ヘイシステムはフォーチュン1000社の過半数以上でも採用され、報酬制度の世界標準となっております。現在 は、世界約50ヵ国に90近くのオフィスを構え、 2600人以上のコンサルタントを抱える人事経営コンサルティング会社として広 く認知されております。 日本支社は1979年に東京に開設され、各産業界を代表する数多くの日本企業や在日外資系企業に対して、人事制度の改革、人材能 力の開発、報酬制度の設計のみならず、企業変革のアーキテクトとして各種コンサルティング・サービスを提供してまいりました。 グローバル化やIT技術の進展で、ますます複雑化する人事・組織の課題解決に真正面から取り組んでおられるマネジメントの 皆様の、最も頼れるビジネスパートナーとして、今後とも満足度の高いサービスを提供していきたいと考えております。 〒100-0013 東京都千代田区霞が関3-8-1 虎の門三井ビルディング10階 TEL 03-5157-7878 FAX 03-5157-7879 ● Hay Group Newsletter Vol.15 No.1 2014 ● 2014年 6月発行 ●編集協力(有)MGI ●撮影 中川 学 ●印刷(株)ティー・プラス Hay Group 2014( 本誌記事・写真の無断複写・転載はご遠慮ください)