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チャプタ4.2 - 静岡大学創造科学技術大学院

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チャプタ4.2 - 静岡大学創造科学技術大学院
糖鎖チップ開発
Ⅱ.
代表者
朴
分担者
猪川 洋
岩田 太
尾形 慎
川人 祥二
川田 善正
永津 雅章
村川 明子
三重野 哲
糖鎖チップ開発
龍洙
創造科学技術大学院・教授
電子工学研究所・教授
工学部・准教授
創造科学技術大学院・特任助教
電子工学研究所・教授
工学部・教授
創造科学技術大学院・教授
創造科学技術大学院・特任助教
理学部・教授
1.研究目的
糖鎖は、細胞内外の分子認識や分子間情報伝達においてに重要な働きを有しているため。注目され
ている。最近、感染症に関わるウイルスと細胞との相互作用には糖鎖が深く関わっていることが明ら
かになり、情報伝達分野においては糖鎖の機能が明らかになりつつある。しかし、今のところ糖鎖と
細胞間の情報伝達に関するロバストな検出法はなく、実用化された例はない。糖鎖は核酸やタンパク
質と異なり複雑な結合様式をとっているため、多様な特異性をもって働く機能性分子である。そのた
め核酸やタンパク質のような鎖状高分子とは異なり、作製ならびに検出は困難を極めている。従って
糖鎖チップを開発することができれば、迅速なウイルス感染症の検出、新規薬剤開発さらには細胞内
外のあらゆる環境で働く糖鎖の機能解明において有用な手段となることは間違いない。
そこで、本研究においては生物学、化学、物理、工学の異分野融合を図り、インフルエンザウイル
スをはじめとするウイルスによる感染症を検出する糖鎖チップを創製することを目的とする。現在、
世界中で感染拡大が危惧される新型インフルエンザウイルス、熱性脳炎(デング)ウイルスやヒトパ
ラインフルエンザウイルスなど人類にとって脅威であることは明らかである。しかし、各感染症には
特定の糖鎖が関与しているため、特定の糖鎖を構造基盤に固定化し、検出する方法を開発する。この
ために、本学のバイオサイエンス、工学部、電子工学研究所の分野横断的に開発に取りかかる。
本研究は、糖鎖の合成、糖鎖のチップ化、ウイルスの検出の三つの研究分野で構成され、各専門家
が分野別担当を決め研究を遂行する。本研究が完成できれば、各糖鎖を構造基盤に固定化したテーラ
ーメード型ウイルスレセプタープローブを合成・設計及び集積化(チップ化)し、ウイルスそれぞれ
に対応した早期ウイルス感知・識別システムの構築が可能となる。さらに、標的ウイルスの機能解明
に向けた新規分子プローブの創製とチップ化し、各新興ウイルスの検出まで展開できる。本研究体制
は図 1 のようである。
糖鎖合成
(1)糖鎖合成用糖転移酵素の開発(朴)
(2)糖鎖ライブラリの作製(尾形)
糖鎖のチップ化
(3)糖鎖プローブの基盤への糖鎖の固定化(村川)
(4)ナノピペットを用いた糖鎖チップ化への応用(岩田)
(5)ナノチューブドットアレイ表面上へのプラズマ化学修飾と選択的バイオ高分子の固定化(永津)
(6)種々のナノ材料による糖鎖の固定化(三重野)
33
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
ウイルスの検出
(7)高分解能接近
場光学顕微鏡を利用
した検出法の開発
 糖鎖合成用糖転移酵素の開発(朴)
 糖鎖ライブラリの作製(尾形)
(川田)
(8)表面プラズモ
ンアンテナ付きSO
Iフォトダイオード
による検出法の開発
ウイルスの検出
糖鎖のチップ化
(猪川)
(9)蛍光寿命イメ
 電子線励起高分解能光学顕微鏡を利  糖鎖プローブの基板表面への固定化(村川)
ージセンサーによる
用した検出法の開発(川田)
 ナノピペットを用いた糖鎖チップ化への応用(岩田)
検出方の開発(川人)  表面プラズモンアンテナ付きSOIフォト  ナノチューブドットアレイ表面上へのプラズマ化学修
糖鎖合成

2.研究計画・方法
ダイオードによる検出法の開発(猪川)
飾と選択的バイオ高分子の固定化(永津)
蛍光寿命イメージセンサーによる検出  守株のナノ材料による糖鎖の固定化(三重野)
方の開発(川人)
図 1.糖鎖チップの開発研究体制
(1)糖鎖合成用糖転移酵素の開発(朴)
本研究室で開発されたバクミドシステムを利用することで高いタンパク生産能力を有するカイコを
タンパク質生産用生体バイオリアクターとして有効利用できると考えられる。この方法で完全長ヒト
由来抗体、糖転移酵素類の発現に成功している。本研究では、ヒト分子シャペロンと糖転移酵素を同
時発現させることで酵素の発現量向上を目指した。カイコ由来の bombyxin シグナル配列を付加したヒ
ト糖転移酵素遺伝子を PCR でそれぞれ増幅し、これらをもとに糖転移酵素発現用バクミドを作製した。
一方各種分子シャペロンはヒト cDNAライブラリよりそれぞれ PCR 増幅し,バクミドを作製した。
作製した糖転移酵素バクミドと各分子シャペロン発現用バクミドをそれぞれカイコ幼虫に接種し同時
発現を行い,注射後 6 日間飼育した後、体液を採取し HPLC にて発現量を測定し、活性を有する場合、
糖鎖ライブラリ作製用酵素として研究分担者尾形助教に提供する。この結果、糖鎖チップに固定する
ための糖鎖合成が可能となり、ウイルスの検出専門家によって検出サンプルとなる。
(2)糖鎖ライブラリの作製(尾形)
申請者はこれまでに、安価な加水分解酵素群を利用した簡便配糖化法や共同研究者である静岡大学
創造科学技術大学院朴龍洙教授(分担者)らによって開発されたバクミドシステムを利用した糖転移
酵素の発現系構築を行ってきた。これら手法を利用して新興ウイルスおよび毒素タンパク質等のレセ
プター分子(糖鎖プローブ)を網羅的に合成する手法を構築する。インフルエンザウイルスは
SA2,6/3Gal1,4GlcNAc/Glc1-R、デングウイルスは Gal1,4GlcNAc1,4Gal1,4Glc1-R、ヒトパラ
インフルエンザウイルスは SA2,6/3Gal1,4-6SGlcNAc1-R、O-157 のベロ毒素は
Gal1,4Gal1,4Glc1-R、がん細胞の転移に関与する E-セレクチンリガンドは
SA2,3Gal1,4(Fuc1,3)GlcNAc1-R を標的糖鎖構造とする。作製した一連の糖鎖ライブラリは村川特
任助教(分担者)によってチップ化し、その後川田教授(分担者)
・川人教授(分担者)
・猪川教授(分
担者)らによって相互作用解析を行う。
(3)糖鎖プローブの基盤への糖鎖の固定化(村川)
糖脂質・糖タンパク質の糖鎖は細胞内外の分子認識において必要不可欠である。しかしながら糖鎖は
核酸やタンパク質と異なり複雑な結合様式を有した構造体であり、多様な環境で特異性をもって働く
機能性分子である。インフルエンザウイルスやベロ毒素などヒトに有害な異種生物は糖鎖を認識する
ことでヒトに感染する。その感染を逸早く検知するために糖鎖チップは有意であり開発することは急
34
糖鎖チップ開発
務である。糖鎖チップ開発にあたりアミノ基を有した糖鎖プローブをさまざまな無機金属基板に対し
て均一かつ高密度に固定化させる方法を検討する。糖脂質糖鎖に対しては生体内を模倣した糖脂質の
ミクロドメインを形成させる。ウイルスや毒素などの糖鎖認識タンパク質に関してはまず標的となる
タンパク質を調製しそれらが生体内と同様の環境下で特異的に認識できるように基板上に糖鎖を多価
で固定化することを目指す。
(4)ナノピペットを用いた糖鎖チップ化への応用(岩田)
糖鎖を正確に固定させるために、ピペットやレーザーなどを用いたマニピュレータ技術を用いて材料
や液滴を基盤表面に滴下固定する技術を開発し,糖鎖チップ化への応用を目指して最適化など条件出
しを行う。具体的に用いる技術としては先端がサブマイクロ程度の開口を有するキャピラリーガラス
管をプローブとして有するプローブ顕微鏡を滴下技術に適用する。また最近開発したレーザートラッ
プを用いてナノ材料を液中環境下で滴下し基盤に固定する技術も適応し,高密度なサンプルアレイを
可能にした技術を開発し糖鎖チップ化への応用を目指す。
(5)ナノチューブドットアレイ表面上へのプラズマ化学修飾と選択的バイオ高分子の固定化(永津)
本研究では、カーボンナノチューブアレイ基板を用いてプラズマ化学修飾によるナノチューブ表面
へのアミノ基あるいはカルボキシル基などの官能基の修飾、およびそれら官能基修飾を空間制御した
パターニング技術の開発を行う。従来、ナノチューブアレイ基板としてシリコン基板などが広く用い
られているが、本研究では、ナノチューブの低温成長技術を用い、ガラス基板あるいは樹脂基板を用
いたナノチューブアレイの低温作製技術を確立し、ナノチューブ表面に修飾した官能基に選択的に結
合する糖鎖の固定化実験を実施する。糖鎖固定化の実験では農学部村川助教と連携して進め、ウイル
ス検出用糖鎖チップデバイスの開発を目指す。
(6)種々のナノ材料による糖類の固定化担当(三重野)
インフルエンザウイルス、食中毒細菌、ガン細胞を、少量の血液を用いて容易に検査する方法の開
発が、早急に求められている。ここでは、ウイルスを認識する糖鎖をナノチューブなどのナノ材料に
付加し、水溶液や濾紙状で容易に検査できる、バイオセンサーの開発を目的とする。この目的の基礎
研究として、ナノチューブ材料にガンマポリメタミン酸(γ-PGA)を付加した試料を作成する。ナノ
チューブ形状、付加反応条件、試料密度を変え、γ-PGA の効率的付加条件を見いだす。初期目標とし
ては、ナノチューブとほぼ同量のγ-PGA が付加した試料が、常温で1ヶ月以上安定に保管できること
である。合成試料の形状・特性を AFM、電子顕微鏡、FT-IR などで分析し、付加の形状などを確認す
る。この試料の液体中、濾紙上での安定性を調べる(熱的安定性、PH 安定性、薬品導入安定性など)。
そして、実際のバイオセンサーへの利用の基礎を作る。γ-PGA については、農学部の尾形助教より提
供してもらう。
単離した炭素ナノチューブに官能基を付け、安定水溶化したナノチューブ試料の合成を試みる。こ
のナノチューブの一部に抗体を付け、付着する抗原の量により感染・病源検査を行う為の基礎研究を
行う。超音波分散処理と酸素プラズマ処理により、水溶性ナノチューブ試料を開発する。
(7)電子線励起高分解能光学顕微鏡を利用した検出法の開発(川田)
本研究では、生物試料を生きたまま高分解能で観察するための基礎シス
テムを開発するとともに、蛍光ラベルしたウィルスを高分解能かつ高感度
に検出する手法を開発することを目的とする。開発する光学顕微鏡では、
真空を大気圧の分離膜を通して、蛍光分子を直接電子線で励起する。その
ため、従来の光学顕微鏡に比べて高い空間分解能を実現することが可能と
なる。また、試料を大気圧や水中で観察することができるため、生きたま
まのウィルス観察が可能となる。電子線で励起可能な蛍光色素について検
討するとともに、退色性についても検討する。さらに、電子線を生物試料
に直接照射することによって、試料に与えるダメージについても明らかに
し、本手法の有効性を確認する。
35
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
(8)表面プラズモンアンテナ付きSOIフォトダイオードによる検出法の開発(猪川)
表面プラズモンから生じる強い近接場光を利用すると、絶縁膜上の薄いシリコン層(SOI: silicon on
insulator)における光吸収効率を向上させ、感度の高いフォトダイオードを得ることができる。本研究
では、ウイルスが表面プラズモンアンテナ上に付着した際に生じる光学的な誘電率の変化を、フォト
ダイード分光感度特性のピークシフトとして検出する方法を検討する。大きなピークシフトを生じる
アンテナ構造、分光器レスのシステム構成法、水中での安定動作などが課題である。
上記の方法に加え、ウイルスを微粒子とみなし散乱光を SOI フォトダイオードによって検出する方法
などについても検討を行う。
(9)蛍光寿命イメージセンサーによる検出方の開発(川人)
我々は、1ナノ秒以下の時間分解能で、蛍光寿命を計測することが可能な蛍光寿命イメージセンサを
提案し、0.18um CMOS 技術に基づき試作を行っている。電荷排出動作のみで、蛍光寿命計測に必要な
時間窓によるサンプリングを実現することで、極微弱な蛍光を繰り返し検出して、増幅する機能を実
現し、デバイスのイントリンシックな寿命として 1.7 ナノ秒を実現している。蛍光を発する糖鎖プロー
ブを開発し、蛍光寿命イメージセンサを用いてウイルス付着による蛍光寿命変化を計測し、提案手法
が有効であるかどうかを実験的に明らかにする。
3.主な成果
(1)糖鎖合成用糖転移酵素の開発(朴)
独自に開発したバクミドシステム用いることで、種々のウイルス・毒素タンパク質およびガン転移
に関与する糖鎖分子{ヒト型インフルエンザウイルス
(SAα2,6Galβ1,4GlcNAcβ1,3Galβ1,4GlcNAcβ1-R)・トリ型インフルエンザウイルス
(SAα2,3Galβ1,4Glcβ1-R)・E-セレクチンリガンド(SAα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1-R)・デングウイ
ルス(Galβ1,4GlcNAcβ1,4Galβ1,4Glcβ1-R)・ヒトパラインフルエンザウイルス
(SAα2,6/3Galβ1,4-6SGlcNAcβ1-R)およびベロ毒素(Galα1,4Galβ1,4Glcβ1-R)}に対する糖鎖合成酵素
の網羅的な発現系構築を試みた。具体的な糖転移酵素発現に関しては、下記に示す 2 種類の糖転移酵
素①α2,3-シアリルトランスフェラーゼ②α1,3-フコシルトランスフェラーゼを例に記述する。
1. bx-FLAG-tagged α2,3SiaT/bacmid の構築
1-1. bx-FLAG-tagged α2,3SiaT 遺伝子断片の作製
Bombyxin シグナル配列および FLAG タグ付加されたシアリルトランスフェラーゼバクミド
(bx-FLAG-tagged α2,3SiaT)遺伝子断片を、ラット肝臓 cDNA を鋳型とした PCR により作製した。PCR
条件は、以下に示す。
PCR サイクル≫
94 oC...2 min.
94 oC...15 sec.
55 oC...30 sec.
68 oC...1 min.
68 oC...3 min.
.fin
4 oC..
40
cycles
反応液組成
10× PCR Buffer for KOD -PlusNeo
dNTPs (2 mM)
MgSO4 (25 mM)
Forward Primer (12 μM)
Reverse Primer (20 μM)
Template (<200 ng)
KOD -plus- Neo (1 U/μl)
Autoclaved distilled water
各種 Forward Primer および Reverse Primer は、Table 1 に示したものを使用した。
36
5 μL
5 μL
3 μL
1 μL
0.75 μL
0.5 μL
1 μL
Up to 50
糖鎖チップ開発
1-2. TOPO cloning
TOPO cloning により、PCR 産物をエントリーベクターに挿入した。
TOPO cloning 反応液組成
bx-FLAG-tagged α2,3SiaT
Salt Solution
TOPO vector
Sterile Water
1 μL(16.4 ng)
1 μL
1 μL (20 ng)
3 μL
上記反応組成を PCR チューブに入れ、30 分間室温でインキュベートした。その後、DH5α コンピテ
ントセルに形質転換し、カナマイシン 50 μg/mL を含むプレート(LB kan+)に播いて 37 oC で一晩培養
した。8 個のコロニーをランダムに選択し、8 mL の LB kan+で培養した後アルカリ SDS 法によりプラス
ミドを得て、PCR によりエントリーベクターの構築を確認した。
1-3. Gateway technology
作製したエントリーベクター(pENTR/bx-FLAG-tagged α2,3SiaT)を用いて Gateway technology を行っ
た。
bx-FLAG-tagged α2,3SiaT
pENTR/bx-FLAG-tagged α2,3SiaT
pDEST 8 vector
TE buffer
1 μL (150 ng)
1 μL (150 ng)
6 μL
以上をマイクロチューブに入れた後、LR clonase を 2 μL 加え撹拌した。その後、25 oC の恒温槽で 6
時間静置し反応させた。一時間後、Proteinase K を 1 μL 加え、37 oC の恒温槽で 10 分間インキュベート
し、反応を停止させた。反応終了後、DH5α コンピテントセルに形質転換し、LB Amp+培地を用いて 37
o
C で一晩培養し、コロニーを得た。得られたコロニーをランダムに選択し、PCR によりインサートの
確認を行った。
1-4. Bac-to-Bac システム
DH10Bac システインプロテアーゼおよびキチナーゼ両欠損のコンピテントセルにデスティネーショ
ンベクター(pDEST/ bx-FLAG-tagged α2,3SiaT)を形質転換した。LB 培地に以下の抗生物質を加え、37
o
C で 48 時間インキュベートした。
Kanamycin
Gentamycin
Tetracycline
X-Gal
IPTG
50 μg/mL
7 μg/mL
10 μg/mL
300 μg/mL
20 μg/mL
青白選択により、白色コロニーを選択し、PCR によりインサートの確認を行った(Fig. 1 左側)。
37
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
2. bx-FLAG-tagged α1,3FucT/bacmid の構築
2-1. bx-FLAG-tagged α1,3FucT 遺伝子断片の作製
Bombyxin シグナ ル配 列および FLAG タ グ付加され たフコシル トランスフ ェラーゼバ クミ ド
(bx-FLAG-tagged α1,3FucT)遺伝子断片を、ヒト胎児脳 cDNA を鋳型とした PCR により作製した。PCR
条件は、以下に示す。
≪PCR サイクル≫
94 oC...2 min.
94 oC...15 sec.
55 oC...30 sec.
68 oC...1 min.
68 oC...3 min.
4 oC...final
40
cycles
反応液組成
10× PCR Buffer for KOD -Plus-Neo
dNTPs (2 mM)
MgSO4 (25 mM)
Forward Primer (12 μM)
Reverse Primer (20 μM)
Template (<200 ng)
KOD -plus- Neo (1 U/μl)
Autoclaved distilled water
各種 Forward Primer および Reverse Primer は、Table 2 に示したものを使用した。
38
5 μL
5 μL
3 μL
2 μL
0.75 μL
1 μL
1 μL
Up to 50
糖鎖チップ開発
2-2. TOPO cloning
TOPO cloning により、PCR 産物をエントリーベクターに挿入した。
TOPO cloning 反応液組成
bx-FLAG-tagged α1,3FucT
1 μL(16.8 ng)
Salt Solution
1 μL
TOPO vector
1 μL(20 ng)
Sterile Water
3 μL
上記反応組成を PCR チューブに入れ、30 分間室温でインキュベートした。その後 DH5α コンピテン
トセルに形質転換し、カナマイシン 50 μg/mL を含むプレート(LB kan+)に播いて 37 oC で一晩培養し
た。コロニーをランダムに選択し、8 mL の LB kan+で培養した後アルカリ SDS 法によりプラスミドを
得て、PCR によりエントリーベクターの構築を確認した。
2-3. Gateway technology
作製したエントリーベクター(pENTR/bx-FLAG-tagged α1,3FucT)を用いて Gateway technology を行っ
た。
bx-FLAG-tagged α1,3FucT
pENTR/bx-FLAG-tagged α1,3FucT
pDEST 8 vector
TE buffer
1 μL (150 ng)
1 μL (150 ng)
6 μL
以上をマイクロチューブに入れた後、LR clonase を 2 μL 加え撹拌した。その後、25 oC の恒温槽で 6
時間静置し反応させた。一時間後、Proteinase K を 1 μL 加え、37 oC の恒温槽で 10 分間インキュベート
し、反応を停止させた。反応終了後、DH5α コンピテントセルに形質転換し、LB Amp+培地を用いて 37
o
C で一晩培養し、コロニーを得た。得られたコロニーをランダムに選択し、PCR によりインサートの
確認を行った。
2-4. Bac-to-Bac システム
DH10Bac システインプロテアーゼおよびキチナーゼ両欠損のコンピテントセルにデスティネーショ
ンベクター(pDEST/bx-FLAG-tagged α1,3FucT)を形質転換した。LB 培地に以下の抗生物質を加え、37
o
C で 48 時間インキュベートした。
Kanamycin
Gentamycin
Tetracycline
X-Gal
IPTG
50 μg/mL
7 μg/mL
10 μg/mL
300 μg/mL
20 μg/mL
青白選択により、白色コロニーを選択し、PCR によりインサートの確認を行った(Fig. 1 右側)。
3. bx-FLAG-tagged α2,3SiaT/bacmid および bx-FLAG-tagged α1,3FucT/bacmid の準備・感染
3-1. α2,3SiaT/bacmid と α2,3SiaT/bacmid の調整
カイコに直接感染を行うために用いる組み換え Bacmid を大腸菌より抽出した。菌株の培養は以下の
ようにして行った。500 mL 容三角フラスコに 50 mL の液体 LB 培地およびカナマイシン 50 μg/mL、ゲ
ンタマイシン 7 μg/mL、テトラサイクリン 10 μg/mL を添加し、37 oC、150 rpm、28 時間の条件により菌
株の培養を行った。
3-2.ラージスケールでのアルカリ SDS 法
ラージスケールでのアルカリ SDS 法は以下のようにして行った。まず、− 20 oC 保存の Bacmid DNA に
対して、Solution I 10 mL を添加し、ボルテックスを用いて菌体懸濁した。次に、Solution II 10 mL を添
加し、ゆっくりと混合したのち室温で 5 分間放置した。続いて、Solution III 10 mL を加えて混合し、4 oC
39
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
で 15 分間放置した。この溶液を 4 oC、9000 rpm で 10 分間遠心を行い、白色のペレットを沈殿させた。
上清を別のチューブに移し、イソプロパノール 23 mL と 3 M 酢酸ナトリウム 300 μL を添加し、混合し
た。混合後、4 oC で 10 分間冷却し、室温、9000 rpm の条件で 10 分間遠心を行った。さらに、情勢を除
去後 70%エタノール 15 mL を加え、混合後、室温、9000 rpm で 10 分間遠心を行った。最後に、情勢を
完全に除去後、真空遠心機で 5 分間乾燥させ、Bacmid を得た。これに対し 500 μL の H2O を加えペレッ
トを溶解した。
3-3.クロロホルム処理およびエタノール沈殿
アルカリ SDS 法によって抽出した Bacmid DNA 溶液中に混在するタンパク質を除去するためにクロ
ロホルム処理を行い、のちにエタノール沈殿を行うことで洗浄した。まず、H2O に溶解した Bacmid DNA
溶液と同量のクロロホルムを添加し、ボルテックスを用いて激しく混ぜ、均一なエマルジョンにした。
混合後、室温、15000 rpm で 3 分間遠心し、水層、タンパク質層およびクロロホルム層に分離した。続
いて、得られた水槽を別のチューブに移し、引き続きエタノール沈殿に供した。まず、クロロホルム処
理後に得られた溶液の1/10 量の 3 M 酢酸ナトリウムを加え、転倒攪拌したのち、100%EtOH を 2.5 倍
量加えて転倒攪拌した。混合後、4 oC、15000 rpm で 10 min 遠心し、上清を除いた。さらに 70%EtOH を
100%EtOH と同量加え、軽く混ぜ、12000 rpm、2 min で遠心した。上清を捨て、真空遠心により乾固さ
せた。最後に 500 μL の PBS で溶解し、-20 oC で冷凍保存した。
4. α2,3-シアリルトランスフェラーゼおよび α1,3-フコシルトランスフェラーゼの発現確認
作成した二種のバクミド(bx-FLAG tagged α2,3SiaT/bacmid/bx-FLAG tagged α1,3FucT/bacmid)がそれ
ぞれ濃度 250 ng/μL となるように PBS で希釈し、そこへ 10%量の DMRIE-C を添加し、カイコ注射用バ
クミド溶液を調整した。次に、5 齢フヨウツクバネ(B. mori)の一群を 6 匹として、1 匹あたり 30 μL
を注射した。注射後、24 時間ごとに体液を採取した。その結果、4 日目から 6.25 日目にかけてそれぞれ
の酵素活性を確認した。酵素活性は感染後 6.25 日目で最大に達し、その酵素活性濃度は α2,3SiaT が 410
mU/mL、α1,3FucT は 309 mU/mL に達した(Fig. 2)
。また、コントロールとして用いた bacmid を注射し
てないカイコ幼虫では、酵素活性は確認されなかった。
40
糖鎖チップ開発
(2)糖鎖ライブラリの作製(尾形)
静岡大学朴龍洙教授(分担者)らによって開発されたバクミドシステム・昆虫細胞および大腸菌発
現系を利用することで得られた計 6 種類の糖転移酵素(β1,3GnT、β1,4GalT、α1,3FucT、α2,3SiaT、α2,6SiaT、
α1,4GalT)を利用することで、研究計画に掲げた新興ウイルス・毒素タンパク質の感染およびガン転移
に関与するレセプター分子(糖鎖プローブ)計 6 種類{ヒト型インフルエンザウイルス
(SAα2,6Galβ1,4GlcNAcβ1,3Galβ1,4GlcNAcβ1-R)・トリ型インフルエンザウイルス
(SAα2,3Galβ1,4Glcβ1-R)・E-セレクチンリガンド(SAα2,3Galβ1,4(Fucα1,3)GlcNAcβ1-R)・デングウイ
ルス(Galβ1,4GlcNAcβ1,4Galβ1,4Glcβ1-R)・ヒトパラインフルエンザウイルス
(SAα2,6/3Galβ1,4-6SGlcNAcβ1-R)およびベロ毒素(Galα1,4Galβ1,4Glcβ1-R)}を全て合成する事に成
功した(図 1)。
具体的な糖鎖プローブ合成に関しては、下記に示す 4 種類の糖鎖①ヒト型インフルエンザウイルス
認識糖鎖②E-セレクチンリガンド③デングウイルス認識糖鎖④ベロ毒素認識糖鎖を例に説明する。
① ヒト型インフルエンザウイルス認識糖鎖の合成
受容体基質として N-(γ-trifluoroacetamidobutyryl)-β-LacNAc (150 mg, 0.27 mmol)、供与体基質として
CMP-Neu5Ac(263 mg, 0.4 mmol)を 100 mM MOPS buffer (pH 7.5) 2.7 ml、D.W.(14 ml)に溶解し、250
mM MnCl2・4H2O(330 μl)及び 100 mg/ml BSA(330 μl)を加えた。20 U/ μl のアルカリフォスファター
ゼ(17 μl)及びカイコ幼虫発現 α2,6-シアリルトランスフェラーゼ(2 ml, 3062 mU)を添加し、37℃で
静置し反応を開始した。反応液 10 μl を経時的に採取し、190 μl の D.W.に加え、100℃で 5 分間煮沸し、
反応の経時変化を HPLC により分析した。原料のピークがなくなり、Neu5Ac がガラクトース末端に転
移された目的生成物のピークが定常に達した 16 時間後に、100℃で 5 分間煮沸して反応を停止させ、
反応液を 5,800 g で 15 分間遠心分離して、上清をエバポレーターで濃縮し、50 mM Na-Pi buffer pH 7.0
で溶解後、D.W.で平衡化した ODS カラムクロマトグラフィー(2.5 × 30 cm)に供した。流速 2.5 ml/min、
同溶媒で溶出した。各試験管に 18 ml ずつ分取し、各フラクションにつき、N-アセチル基に由来する
210 nm、核酸に由来する 260 nm の吸光度測定及び、HPLC による分析を行い Fr. No. 29~62 を目的物
と CMP の混合画分、Fr. No. 63~101 を目的物の画分として濃縮、凍結乾燥した。その結果、
N-(γ-trifluoroacetamidobutyryl)-β-Neu5Acα2,6LacNAc を収量 150 mg、収率は 66%で得た(図 2)。
41
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
② E-セレクチンリガンドの合成
初めに、受容体基質である N-(γ-trifluoroacetamidobutyryl)-β-LacNAc(40 mg, 0.072 mmol)及び供与体基
質である CMP-Neu5Ac(70 mg, 0.11 mmol)を 100 mM MOPS buffer(pH7.5, 4.48 ml)、D.W.(404 μl)
に溶解し、250 mM MnCl2・4H2O(88 μl)及び 100 mg/ml BSA(88 μl)を加えた。20 U/ μl アルカリフォ
スファターゼ(20 μl)及びカイコ幼虫発現 α2,3-シアリルトランスフェラーゼ(4.48 ml, 1228 mU)を添
加し、37℃で静置し反応を開始した。反応液 10 μl を経時的に採取し、190 μl の D.W.に加え、100℃で
5 分間煮沸し、反応の経時変化を HPLC により分析した。原料のピークがなくなり、シアル酸がガラク
トース末端に転移された目的生成物のピークが定常に達した 24 時間後に、供与体基質 GDP-Fuc(80.4
mg, 0.128 mmol)及びカイコ幼虫発現 α1,3-フコシルトランスフェラーゼ(3.4 ml, 585 mU)を添加し、
37℃で静置し反応を開始した。反応液 10 μl を経時的に採取し、190 μl の D.W.に加え、100℃で 5 分間
煮沸し、反応の経時変化を HPLC により分析した。原料のピークがなくなり、フコースが N-アセチル
グルコサミン残基に転移された目的生成物のピークが定常に達した 24 時間後に、100℃で 5 分間煮沸
して反応を停止させ、反応液を 5,800 g で 15 分間遠心分離して、上清をエバポレーターで濃縮し、D.W.
で平衡化した ODS クロマトグラフィー (25 × 30 cm) に供した。流速 2.5 ml/min、同溶媒で溶出した。
各試験管に 18 ml ずつ分取し、各フラクションにつき、N-アセチル基に由来する 210 nm、核酸に由来
する 260 nm の吸光度測定および、HPLC による分析を行い Fr. No. 45~53 を濃縮、凍結乾燥した。次に
D.W.で平衡化した Sephadex-G25 カラムクロマトグラフィー(2.5 × 60 cm)に供した。流速 0.5 ml/min、
同溶媒で溶出した。各試験管に 5 ml ずつ分取し、各フラクションにつき、N-アセチル基に由来する 210
nm、核酸に由来する 260 nm の吸光度測定 及び、HPLC による分析を行い Fr. No. 21~29 を濃縮、凍
結乾燥し、N-(γ-trifluoroacetamidobutyryl)-sialylLex を得た。収量は 58.1 mg、収率は 80.6%であった(図
3)。
③ デングウイルス認識糖鎖(ラクト-N-ネオテトラオース)の合成
150 mM Tris-HCl buffer pH 6.8(5.7 ml)に受容体基質として N-(ε-Trifluoroacetamidocaproyl) β-lactosylamine
(50 mg, 0.09 mmol)、供与体基質として UDP-GlcNAc・2Na(117 mg, 0.18 mmol)、補因子として MnCl2・
4H2O(14.5 mg)を溶解し、防腐剤として 1%(w/v)NaN3(0.09 ml)を加えた後、昆虫細胞発現 β3GnTII
(250 mU, 3.3 ml)を添加して 37℃で GlcNAc 転移反応を行った。反応を追跡するため、継時的に反応
42
糖鎖チップ開発
液を 20 μl 採取し 180 μl の H2O を加えた後、100℃で 5 分間煮沸して反応を停止させ、HPLC 分析した。
反応開始から 144 時間後、GlcNAc 転移が 100%進んだことを確認し、反応液を 100℃で 5 分間煮沸し
て反応を停止させた。次に反応液に UDP-Gal・2Na(111 mg, 0.18 mmol)を加えた後、カイコ幼虫発現
β4GalTI(950 mU, 0.5 ml)を添加して 37℃で Gal 転移反応を行った。GlcNAc 転移反応と同様に、HPLC
分析によって反応を追跡した。12 時間後、GlcNAc 転移が 100%進んだことを確認し、反応液を 100℃
で 5 分間煮沸して反応を停止させた。反応液を濃縮後、5%MeOH で平衡化(2.0 ml/min)した YAMAZEN
ODS カラムクロマトグラフィー(2.0×50 cm)に供した。約 20 ml/tube ずつ分取後、各フラクションの
210 nm および 260 nm の吸光度を測定した。非吸着部を溶出後、溶媒を 5%(500 ml)-15%(500 ml)
の MeOH 直線濃度勾配法に切り替えた。20 ml/tube ずつ分取後、各フラクションの 210 nm および 260 nm
の吸光度を測定した。目的画分を含む Fr. No. 66~79 を濃縮後、凍結乾燥して目的物である
N-(ε-Trifluoroacetamidocaproyl) β-lacto-N-neotetraosylamine を収量 67 mg、収率 80%で得た(図 4)。
④ ベロ毒素認識糖鎖の合成
1 M Tris-HCl buffer pH 6.8 ( 0.77 ml ) 及 び D.W. ( 8.6 ml ) に 受 容 体 基 質 と し て
5-(trifluoroacetamidopentyl)-β-LacNAc(40 mg, 0.075 mmol)、供与体基質として UDP-Gal(94 mg, 0.16
mmol)、補因子として 250 mM MnCl2・4H2O(0.77 ml)を溶解し、100 mg/ml BSA(153 μl)を加えた後、
大腸菌発現精製 α1,4GalT(5 ml)を添加して 37℃で Gal 転移反応を行った。反応開始から 4 時間後、
Gal 転移反応が停止したことを TLC によって確認し、反応液を 100℃で 5 分間煮沸して反応を停止させ
た。反応液を濃縮後、CHCl3:MeOH:H2O=6:4:1 で平衡化(10 ml/min)した Silica gel 60N カラム
クロマトグラフィー(2.5 × 50 cm)に供した。20 ml ずつ分取後、TLC(展開溶媒 CHCl3:MeOH:H2O
=6:4:1)でオルシノール硫酸発色を用い、生成物を確認した。目的画分を含む Fr. No. 17~26 を濃
縮後、凍結乾燥し 5-(trifluoroacetamidopentyl)-β-globotrioside を収量 44 mg、収率 86%で得た(図 5)。
以上の結果より、組換え酵素利用による酵素的手法と有機合成的手法を組み合わせることで高収率(70
~80%)な合成が可能となった。本プロジェクトにより、高純度かつ量的供給が可能で化学的安定性に
も優れたウイルスまたは毒素タンパクの感染およびがん転移に関与する糖鎖プローブの創出が可能と
なり、ウイルスおよび毒素タンパク質の感知・識別システムの構築ならびに次世代糖質マテリアル創
出が期待できる。
本プロジェクトにより、高純度かつ量的供給が可能で化学的安定性にも優れたウイルスまたは毒素タ
ンパクの感染およびがん転移に関与する糖鎖プローブの創出が可能となり、ウイルスおよび毒素タン
パク質の感知・識別システムの構築ならびに次世代糖質マテリアル創出が期待できる。
43
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
(3)糖鎖プローブの基盤への糖鎖の固定化(村川)
生体内において、細胞膜に提示された糖タンパク質あるいは糖脂質の糖鎖はレクチンや毒素、ウイルスなど
のリガンドとして役割を果たすと同時に、細胞の接着、分化、誘導など、細胞社会の秩序形成にも深く関与して
いることが知られている。一般に糖鎖 1 分子だけでは認識性が低いため検出は困難である。そこで認識の検出
手段として安定性が高いことで知られている量子ドットを用いることにした。糖鎖プローブとの固定化において、
カチオン性量子ドットが必要となるが、一般の量子ドットと比べ安定性は低いことが知られている。しかしながら
反応条件を工夫したことでこれまでより量子収率が比較的高く安定性の高い量子ドット CdTe/CdS を作製するこ
とに成功した(図 1,2)。
図 2. 3 次元時間変化の蛍光スペクト
ル
図 1. 3 次元蛍光・励起スペクトル
次に糖鎖受容体である ECA レクチンが量子ドットに PEG を介して固定化された糖鎖を認識できるか共焦点レ
ーザー顕微鏡を用いて確認した。量子ドットに固定化された糖鎖密度に応じて ECA レクチンへの結合量が増
大することが確かめられた。
続いて毒素やウイルスに対して汎用できるか検討することにした。毒素の例としては腸管出血性大腸菌が産
生するベロ毒素に焦点をあて、タイプ 1B および 2B を作製した。またベロ毒素が認識する糖鎖 Gb3 を作製する
ために糖転移酵素(α4GalT)を調製した。これは種々の糖アナログに対して糖転移効率が高くなるように設計し
た。ウイルスの例としては近年猛威をふるっているインフルエンザウイルスに着目し、中でも α2,3 型シアル酸を
認識するトリ由来の H5N1 のヘマグルチニンと α2,6 型を認識するヒト由来の H1N1 のヘマグルチニンを調製し
た。H1N1 タイプにおいては 3 量体が形成されていることが確認された。
44
糖鎖チップ開発
(4)ナノピペットを用いた糖鎖チップ化への応用(岩田)
糖鎖チップのプロセス技術として、ナノピペットを用いた微細加工を応用する
開発に取り組んだ。具体的には内部に金コロイドを含むす溶液を充填可能なナ
ノピペットを用いて滴下したい場所へ位置決めし、静電気力を用いたパターに
ングにより堆積量を再現性よく制御できる技術を見出した。また、本研究では
特にバイオ分野への応用を考慮し、液中環境下でプローブ‐基板間距離を制御
可能なナノピペットプローブを有する走査型イオン電流顕微鏡を開発し、細胞
などへも蛍光試薬などの分子を注入できる技術も開発した。今後 これらの技
術は糖鎖チップ等のプロセス技術への活用が期待できる。
図1
金微粒子コロイド溶液
堆積結果
(5)ナノチューブドットアレイ表面上へのプラズマ化学修飾と選択的バイオ高分子の固定化(永津)
従来のカーボンナノチューブ成長では、基板温度を 700℃程度の高温に加熱することが必要とされ、
使用できる基板材料に制約があった。本研究では、非平衡プラズマの利点を生かし、プラズマのイオ
ン衝撃エネルギーを制御することにより局所的な加熱を実現することによって 200℃以下でのナノチ
ューブアレイ成長を実現する。これらの技術的ブレイクスルーが達成できれば、樹脂基板上に成長さ
せたナノチューブアレイ表面にプラズマ化学修飾および糖鎖固定化を行った低コスト糖鎖チップの開
発が期待される。
これまでに、図 1 に示したような、シリコン基板上に垂直配向成長させたカーボンナノチューブア
レイをアンモニアプラズマ表面処理を行うことにより、ナノチューブ表面をアミノ基修飾し、さらに
アミノ基に選択的に蛍光色素を誘導体化することに成功している。本技術を糖鎖チップ作製に応用す
る上で、樹脂基板上へのカーボンナノチューブの低温成長技術の開発も不可欠である。本研究では、
グラフェン層で覆われた触媒金属ナノ微粒子を用いて、マイクロ波プラズマ CVD によるカーボンナノ
チューブ低温合成技術の開発を目的として実験を行った。図 2 は 250 度以下のポリイミド基板上に合
成したカーボンナノチューブの TEM 写真を示している。図から多層構造のカーボンナノチューブが成
長していることが分かる。現在までに、基板温度を 200 度以下としたカーボンナノチューブの低温合
成にも成功しており、今後は垂直配向成長および高速成長の実現を目指して研究を進める予定である。
ArNH3 3plasma
ArNH
plasma
0
50µm
200nm
λex=494nm
λem=520nm
10nm
図1 NH3 プラズマによるアミノ基修飾カー
ボンナノチューブアレイの蛍光色素固定化
実験の結果(蛍光顕微鏡による蛍光確認)
図2 NH3/CH4 プラズマによりポリイミド基
板上に低温合成したカーボンナノチューブ
の TEM 写真
また、本研究では、グラフェン層で外包された磁気ナノ微粒子を用いて、プラズマドライプロセス
によりアミノ基修飾し、ウイルスと選択的に結合する糖鎖をアミノ基に固定化するための基礎的研究
を実施した。図3はアミノ基修飾を行った磁気ナノ微粒子に糖鎖(LacNAc)を固定化し、糖特異性を
有する糖結合性タンパク質(レクチン)と結合させ、磁気微粒子の磁気回収によりレクチンの回収量
を調べる実験のフローチャートを示している。本方法を利用することにより、例えばインフルエンザ
ウイルスに対して特異的吸着能を有する糖鎖コーティングを施した磁気ナノ微粒子を用いたウイルス
の選択的回収システムへの展開が期待できる。
45
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
室温、30分
糖鎖あり
糖鎖(LacNAc)固定化
磁気ナノ微粒子
糖鎖なし
α-PGAコーティング
磁気ナノ微粒子
【コントロール】
上清のタンパク量
をA280で定量した
+
デイゴマメレクチン
(糖特異性:LacNAc)
磁気回収
280 nmの吸光度
を測定
図3 糖鎖コーティング磁気ナノ微粒子と糖結合性タンパク質(レクチン)との
相互作用解析の説明図
回収率
100
図4は糖鎖を固定化した磁気微粒子と糖鎖
糖鎖(LacNAc)固定化
を固定化していない磁気微粒子のレクチン回
磁気ナノ微粒子
80
収率の測定結果を示している。図から明らか
60
なように、糖鎖固定化した微粒子では約 80%
のレクチンの回収ができており、固定化して
40
α-PGAコーティング
いない微粒子の場合と比べると飛躍的に回収
磁気ナノ微粒子
率が向上している結果となっている。現在用
20
い て い る 磁 気 微 粒 子 は サ イ ズ が 直 径 20 ~
0
50nm のグラフェン層でカプセル化された鉄
微粒子であり、最近のアミノ基数の解析結果
図4 糖鎖コーティング磁気ナノ微粒子による
によれば、微粒子 1 個当たり約 105~106 個程度
糖結合性タンパク質(レクチン)回収の測定結果
のアミノ基数トを確認している。市販されて
いる磁気ビーズのアミノ基数 104~105 個程度よりも 1 桁程度高く、磁気ナノ微粒子表面のプラズマを用
いた官能基修飾技術の優位性を示している。
(6)種々のナノ材料による糖鎖の固定化(三重野)
γ-PGA を付加したナノ材料にウイルス吸着性を持たせる。この試料の色変化、蛍光発生によりウイ
ルス検知シグナルを得る。この試料を水溶液としてバイオセンサーに用いる。あるいは、濾紙に吸わ
せた紙状センサーとする。ここに検査の血液を1滴垂らし、ウイルスの有無を検査する。このバイオ
センサーは、小型簡便であり、遠隔地にて短時間にウイルスの検知ができるので、急激な普及が期待
できる。種々のウイルスを区別した検知、食中毒微生物検知、ガンウイルス検知への応用も期待され
る。成果により、医学部・薬学部との共同研究への発展の可能性もある(尾形助教、朴教授ほかとの
共同研究)。
まず、水に炭素ナノチューブを超音波分散させ、γ-PGA 付加後再度超音波分散させる。すると、安
定したナノチューブ分散液を得ることができた。この液は1ヶ月以上安定した分散を示している。こ
のポリマーの効果を確かめるため、透過電子顕微鏡により形状観察した。すると、ポリマー付加の場
合、ナノチューブが良く分散し、ポリマー包摂が起きていることが確認された。一方、水分散の亜倍
は、ナノチューブが凝集しており、分散していないことが確認された。ポリマーとして PEG を用いた
場合、水中分散性は悪く、ナノチューブの凝集状態が残っていた。よって、γ-PGA の有効性が確認さ
れた。
次に、水に Co 磁性ナノ粒子を超音波分散させ、γ-PGA 付加後再度超音波分散させる。すると、安
定したナノチューブ分散液を得ることができた。この液は1ヶ月以上安定した分散を示している。こ
の液体は磁石で誘導することができ、磁性流体になっていることが確認された。この試料は、乾燥後
46
糖鎖チップ開発
粉体試料として扱うこともできる。磁気医学的応用が期待される。
ナノチューブに官能基を化学結合させ、水溶性を持たせることも可能である。これまで、強酸を用
いた水溶化処理が行われているが、より安全・効率的な機能化を試みた。種々の試行の末、マルチス
図 RF 酸素プラズマで試料を処理
図 未加工 MWNT(多層ナノチューブ)、a(クエン酸のみ処理の MWNT)、
している写真。
b(クエン酸+酸素プラズマ処理の MWNT)の FTIR スペクトルの比較。
ッテップ処理により機能化に成功した。その方法は、炭
素ナノチューブの水中超音波処理、クエン酸による反応
および酸素プラズマ処理である。プラズマは 13.56MHz、
平行平板放電(パワー:〜200W、放電時間:〜20min)
であった。この方法により、ナノチューブの凝集性が解
け、短いナノチューブが水中分散し、その後、カルボキ
シル基と水酸基が付加した。FT-IR, UV 吸収、SEM、熱質
量分析(TG/DTA) により、官能基の付加が確認された。処
理されたナノチューブは良く水中分散しており、1ヶ月
以上保持している。このナノチューブに抗体などの基を
付加することにより医療検査試料として利用できる可能
性がある。
図
未 加 工 MWNT 、 a( ク エ ン 酸 の み 処 理 の
MWNT) 、 b ( ク エ ン 酸 + 酸 素 プ ラ ズ マ 処 理 の
MWNT)の水分散の様子(24 時間放置)。
(7)電子線励起高分解能光学顕微鏡を利用した検出法の開発(川田)
試作したナノイメージングシステムのプロトタイプの最適化を行なった。試作した電子線励起型イメージング
システムのプロトタイプを用いて標準試料を観察し、より高い空間分解能を実現するためにシステムの最適化を
行なった。特に蛍光の発光強度が小さく、信号対雑音比が小さいため、高感度に信号を検出する方法を検討し
た。フォトンカウンティング法およびロックイン検出法を導入することを検討するとともに、フレーム積算法、画像
処理についても検討した。これらの手法を組み合わせることにより、水中の微粒子の挙動観察、生物試料の観
察に成功した。図 1 に金属ナノ粒子を含む水滴を基板上に滴下した場合の観察像の時系列を示す。最初、微
粒子は液滴内を移動しているため微粒子を観察することができないが、時間の経過とともに微粒子が基盤に沈
殿し、微粒子の構造を観察できている。
47
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
図 1. 直径 100nm の金微粒子の液体中での動態観察結果
図 2 には、生物試料として固定した CHO 細胞を観察した結果を示す。(a)は細胞の全体像、(b)は赤枠部分の
拡大像を示す。細胞の核の回りに存在する微小構造がコントラストよく観察できていることが確認できる。図 2(b)
では細胞の微小器官の構造が 100nm 以下の分解能での観察に成功している。また試料の観察場所によって、
明るい輝点または暗い点として観察されており、それらのコントラスト形成のメカニズムを明らかにする必要があ
ると考える。
(a)
(b)
図 2 細胞の観察結果。(a) 細胞の全体像、(b) (a)内の赤枠部分の拡大図
現状では、蛍光膜を透過した電子線により、生物細胞がダメージを受けている状態も観察されている。そのた
め加速電圧、電流量、電子ビームスポットサイズなどによる試料へのダメージを定量的に評価し、実用化および
生物試料観察時における問題点を明らかにし、それらの改良方法を検討し、システムを最適化する必要があ
る。また、多波長蛍光膜や広帯域発光膜を検討し、システムの高機能化を検討することも必要である。
高効率発光、高機能蛍光薄膜の開発を目指して、希土類元素を含む蛍光薄膜を検討した。希土類元素を
含む材料は、高い輝度でカソードルミネッセンスを生じることが知られており、材料を選択することにより、発光波
長を選択できるなどの特徴を有する。希土類元素として Sm、Ce、Eu を、イオン注入法により SiN 膜へドープし
た。図 3(a)に加速電圧を変化させたときの蛍光薄膜の発光強度の変化を示す。いずれの蛍光薄膜においても
加速電圧とともに、発光強度が増加していることが確認できた。加速電圧 5kV において無ドープの SiN 薄膜に
比べて、13%の蛍光強度が増強していることが確認できた。さらに蛍光膜をアニーリング処理をすることにより、よ
り発光が 25%増強することを確認している。図 3(b)にドープした希土類元素による発光スペクトルを測定した結果
を示す。Ce イオンでは波長 410nm 付近、Sm イオンでは 600nm 付近で発光ピークを有していることが確認でき
た。光量全体としては、Ce イオンをドープしたもので 260%、Sm イオンをドープしたものでは 310%の発光増強さ
48
糖鎖チップ開発
れていることを確認した。また、面内の発光強度分布を測定し、ドープイオンの均一性を評価した。その結果を
図 4 に示す。図中右下半分の領域に Ce イオンをドープし、左上半分には蛍光膜が存在していない。Ce イオン
をドープした領域で面内の発光強度分布が一様であり、Ce イオンが均一にドープされていることが確認できる。
レーザーディポジション法においても、レーザー光の照射強度、照射量、波長により製膜条件を制御し、希土
類ドープ型材料の可能性を検討した。
(a)
(b)
図 3 (a)電子線励起による発光強度および(b)発光スペクトル
図 4. 発光強度の面内分布の測定結果
(8)表面プラズモンアンテナ付きSOIフォトダイオードによる検
出法の開発(猪川)
絶縁膜上のシリコン(SOI: silicon-on-insulator)を利用したフォトダイ
オードの光吸収を増大させるために表面プラズモン(SP)アンテナを開
発した(図1)。本アンテナでは入射光が共鳴的にSPを励起し、SPから
の強い近接場光がシリコン層に効率良く吸収される。金のライン・ア
ンド・スペース(L/S)状SPアンテナの実験結果によれば、外部量子効率
(QE)のピーク波長はL/Sの周期pを変えることにより自由に変更でき
ることが示された。また、95 nm厚の薄いSOIでも波長705 nmにて25%
を越えるQE(向上率8.2倍)が得られることが分った。SPの分散関係
は波長以下の距離にある媒質の誘電率εrの変化に敏感であるため、SP
アンテナはアンテナ表面に選択的に吸着した生体物質に対するセン
サーになり得る。実際には、検体のεrを変えることにより大きなQE 図1 表面プラズモン(SP)アン
の変化を得ることができるが、ピーク波長はほとんどシフトしな テナ付き SOI フォトダイオード
49
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
い。詳細な解析により、QEはL/Sの周期pとSOI中の伝播波長λgが一致した時に最大値を取ることが分っ
た。この事は、シリコンが異なったεrを持つ検体に曝された時に大きな波長シフトが期待できる事を示
唆している。
(9)蛍光寿命イメージセンサの糖鎖チップへの応用(川人)
本研究では、蛍光寿命測定による糖鎖プローブの検出法を検討している。蛍光寿命測定は定量化が
容易で、高い感度でウイルス検出が行える可能性がある。従来の蛍光寿命測定は高価で煩雑なシステム
を必要とし普及させることが困難であるが、提案する蛍光寿命イメージセンサを用いることで、大幅な
コスト削減とシステムの簡素化が期待できる。
本年度は蛍光寿命イメージセンサの試作と、基礎評価および蛍光寿命実験を実施した。図 7-1 に試作
したイメージセンサのチップ写真を示す。1ナノ秒以下の時間分解能で、蛍光寿命を計測することが可
能であり、0.18um CMOS 技術に基づき試作した。画素サイズは、7.5um 角であり、有効画素数 256x256
画素を有する。本センサの特長は、①電荷排出動作のみで、蛍光寿命計測に必要な時間窓によるサンプ
リングを行えること、②極微弱な蛍光を繰り返し検出して、増幅する機能を持ち高感度なセンシングが
行える点にある。試作したイメージセンサを用いて、数ナノ秒から数十ナノ秒の寿命を持つ複数の蛍光
試料に対して蛍光寿命測定を行った結果、図 7-2 に示すように蛍光の減衰波形の取得に成功し蛍光寿命
を測定可能であることを示した。加えて、試作したカメラを顕微鏡に搭載し、実細胞での蛍光寿命イメ
ージングにも成功している。
図 7(a) 試作した蛍光寿命イメージセンサ
図 7(b) 4 種の蛍光試料に対する寿命測定結果
4.今後の展開
(1)、(2)糖鎖ライブラリの作製(尾形・朴)
糖鎖の合成には二つの大きな問題がある。①タンパク質とは違い糖鎖は遺伝子工学的手法による合
成が不可能である。②糖鎖の構造多様性のため、糖鎖の大量生産が困難で生産にコストがかかりすぎ
る。以上のような観点からみても、本プロジェクトにおける酵素化学的合成手法に基づく糖鎖合成技
術は非常に有効であり、これまでの実績がそれを証明している。また、前述したように糖鎖は構造が
多様であり様々な糖鎖が特有の生命現象に関与している。そこで、今後の展開としては研究分担者で
ある朴龍洙教授らと協力して種々の糖転移酵素の発現およびそれらを用いた糖鎖合成を引き続き推進
する。
50
糖鎖チップ開発
(3)糖鎖プローブの基盤への糖鎖の固定化(村川)
今後はナノ領域に稠密な糖鎖を提示できる量子ドットが糖鎖研究においても有用な手段となりえるの
か取り組んでいく予定である。
(4)糖鎖チップ作成の実現(岩田)
本年度取り組んだナノピペットを用いた微細加工技術を用いて実際に糖鎖チップを高密度に堆積する
技術へと発展させることを目指す。とくに静電パターにングで堆積されたものにおけるダメージについ
ても調べ、堆積されたものが糖鎖チップとして動作できるかどうかを調べる必要がある。
また、影響が少ない液中環境化で堆積する技術についてもナノピペットやレーザートラップを用いた堆
積法を糖鎖チップアレイ製作に用いていく。
(5)ナノチューブドットアレイ表面上へのプラズマ化学修飾と選択的バイオ高分子の固定化(永津)
今後の研究計画としては、磁気微粒子とプラズマ相互作用の効率化を図ることにより磁気微粒子表
面のプラズマ修飾率の向上を図り、さらにアミノ基以外にカルボキシル基の表面修飾の確認を行って
いく予定である。ウイルス回収効率の向上を目指すとともに、磁気微粒子により回収したウイルスの
生存が確認できれば、次のステップとしてウイルス回収後にワクチン製造を行うプロセスが可能とな
る。このテーマについては、バイオサイエンスの研究者および他大学医学系の研究者と共同で研究を
進めていく計画である。
(6)種々のナノ材料による糖鎖の固定化(三重野)
γ-GPA がナノ材料を包摂し、水溶性クラスターを作るため有効であることが示された。今年度、その
水溶性クラスターの安定性を調べる。温度、PH、添加薬品について包摂の安定性を調べ、バイオ材料と
しての有効性を示す。
次にウイルス吸着を前提に、ウイルスセンサーとしての機能性を持たせる研究を行う。色変化、沈殿
速度、蛍光発光などウイルス付加により水溶性クラスターの物理化学変化を起こす必要が有る。その能
力を実験により引き出す。
酸素プラズマ処理によるナノチューブの水溶化について、より単純で再現性ある方法を開発する。そ
のため、ナノチューブ集合体から、1μm 以下の単離ナノチューブを作る方法を開発する。
(7)電子線励起高分解能光学顕微鏡を利用した検出法の開発(川田)
本研究では、生物試料を生きたまま高分解能で観察するための基礎システムを開発するとともに、
蛍光ラベルしたウィルスを高分解能かつ高感度に検出する手法を開発することを目的とする。これま
での基礎実験により、ナノイメージングシステムの基本構成を作製した。本基礎システムを用いて、
生物試料を観察し、その問題点を明らかにする。とくにウイルスを観察する場合のシステムの基本特
性、分解能、問題点を明らかにする。また、電子線で励起可能な蛍光色素について検討するとともに、
退色性についても検討する。さらに、電子線を生物試料に直接照射することによって、試料に与える
ダメージについても明らかにし、本手法の有効性を確認する。
(8)表面プラズモンアンテナ付きSOIフォトダイオードによる検出法の開発(猪川)
平成23年度の開発結果を受け、SP アンテナ付きSOIフォトダイオードを用いて、アルカンチオ
ール等の模擬検体の検出を試みる。ウイルスを微粒子とみなし散乱光をSOIフォトダイオードによ
って検出する方法についてもデバイスを試作して原理検証を行う。これらの検討を通して、実際のウ
イルスを検出する上での課題を抽出する。
51
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
(9)蛍光寿命イメージセンサの糖鎖チップへの応用(川人)
今後は、ウイルス付着による蛍光寿命変化を計測し、蛍光寿命により糖鎖プローブを検出する手法が
有効であるかどうかを実験的に明らかにする
5.研究業績
朴 龍洙
(1) 学術論文・著書等
1)Tatsuya Kato, Suganthi Lavender Manohar, Shin Kanamasa, Makoto Ogata, and Enoch Y Park,
Improvement of the transcriptional strength of baculovirus very late polyhedrin promoter by repeating its
untranslated leader sequences and co-expression with the primary transactivator, J. Biosci. Bopeng., in press
(2012).
2)Ogata M, Yano M, Umemura S, Murata T, Park EY, Kobayashi Y, Asai T, Oku N, Nakamura N,
Matsuo I, Usui T, Design and synthesis of high-avidity tetravalent glycoclusters as probes for Sambucus
sieboldiana agglutinin and characterization of their binding properties. Bioconjugate Chem., 23, 97-105
(2012).
3)Itaru Minagawa, Masafumi Fukuda, Hisako Ishige, Hiroshi Kohriki, Masatoshi Shibata, Enoch Y. Park,
Tatsuo Kawarasaki, and Tetsuya Kohsaka, Relaxin-like factor (RLF)/insulin-like peptide 3 (INSL3) is
secreted from testicular Leydig cells as a monomeric protein comprising three domains B-C-A with full
biological activity in boars, Biochem. J., 441 (1): 265-273 (2012).
4)Vipin Kumar Deo, Yoshitaka Tsuji, Tomomi Yasuda, Tatsuya Kato, Naonori Sakamoto, Hisao Suzuki, and
Enoch Y. Park, Expression of RSV-gag virus like particle in insect cell lines and silkworm larvae, J. Viol.
Methods, 177, 147-152 (2011).
5)Yoshitaka Tsuji, Vipin Kumar Deo, Tatsuya Kato, and Enoch Y Park, Production of Rous sarcoma virus-like
particles displaying human transmembrane protein in silkworm larvae and its application to ligand-receptor
binding assay, J. Biotechnol., 155, 185-192 (2011).
6)Tatsuya Kato, Fumiaki Suzuki, and Enoch Y. Park, Purification of functional baculovirus particles from
silkworm larval hemolymph and their use as nanoparticles for the detection of human prorenin receptor (PRR)
binding, BMC Biotechnology, vol. 11: 60 (2011).
7)Akifumi Mizutani, Hiroyuki Tsunashima, Ken-ichi Nishijima, Takako Sasamoto, Yuki Yamada, Yasuhiro
Kojima, Makoto Motono, Jun Kojima, Yujin Inayoshi, Katsuhide Miyake, Enoch Y. Park, and Shinji Iijima,
Genetic modification of a chicken expression system for the galactosylation of therapeutic proteins produced in
egg white, Transgenic Res., 13 (2011).
8)Wan-fu Yue, Fang Zhou, Jia-biao Hu, Enoch Y. Park, Joe Hull, Yun-gen Miao, Human insulin gene
expressing with Bombyx mori multiple nucleopolyhedrovirus (BmNPV) expression system. Would J. Microbiol.
Biotechnol., 27:393–399 (2011).
(4) 国際会議発表
1)Vipin Kumar Deo, Takuya Iida, Tatsuya Kato and Enoch Y. Park, Expression and purification of human
wnt3a (h-wnt3a) in silkworms, 2nd Zhejiang Univ.-Shizuoka Univ. Student Workshop "Seedling for Green
Science and Technology", 3/14-15, 2012.
2)Jinhua Dong, Takahiro Otsuki, Tatsuya Kato, and Enoch Y. Park, Murine antibodies against Neospora
caninum protein, 2nd Zhejiang Univ.-Shizuoka Univ. Student Workshop "Seedling for Green Science and
Technology", 3/14-15, 2012.
3)Iida Takuya, Vipin Kumar Deo, Enoch Y. Park, Expression and purification of human-Wnt3a by using
silkworm larvae, 2nd Zhejiang Univ.-Shizuoka Univ. Student Workshop "Seedling for Green Science and
Technology", 3/14-15, 2012.
52
糖鎖チップ開発
4)Tatsuya Kato, Fumiaki Suzuki, Enoch Y. Park, Display of the human (pro)renin receptor on Bombyx mori
nucelopolyhedrovirus (BmNPV) particles for application of ligand-binding assay, 2nd Zhejiang Univ.-Shizuoka
Univ. Student Workshop "Seedling for Green Science and Technology", 3/14-15, 2012.
5)Takeshi Yamamoto, Vipin Kumar Deo, Tatsuya Kato, Tetsuro Suzuki, Enoch Y. Park, Expression and
purification of intracellular antibody (intrabody) in silkworm to develop inhibitors used for treating hepatitis C
virus (HCV) infection, 2nd Zhejiang Univ.-Shizuoka Univ. Student Workshop "Seedling for Green Science and
Technology", 3/14-15, 2012.
6)Yuri Kato, Akiko Murakawa, Enoch Y. Park, Expression of hemagglutinin of avian influenza
H5N1(A/Vietnam/1194/2004), 2nd Zhejiang Univ.-Shizuoka Univ. Student Workshop "Seedling for Green
Science and Technology", 3/14-15, 2012.
7)Jiangxue Li, Akiko Murakawa, Enoch Y. Park, Expression and Purification of Hemagglutinin Using
Silkworm Expression System, 2nd Zhejiang Univ.-Shizuoka Univ. Student Workshop "Seedling for Green
Science and Technology", 3/14-15, 2012.
8)Takahiro Oizumi, Akiko Murakawa, Enoch Y. Park, Expression of Shigatoxin B subunit, 2nd Zhejiang
Univ.-Shizuoka Univ. Student Workshop "Seedling for Green Science and Technology", 3/14-15, 2012.
9)Megumi Yui, Vipin Kumar Deo, Hiroshi Ueda, Enoch Y. Park, Preparation of virus-like particles tracking
cancer cells using bacmid expression system in silkworm, 2nd Zhejiang Univ.-Shizuoka Univ. Student
Workshop "Seedling for Green Science and Technology", 3/14-15, 2012.
10)Hikaru Kato, Tatsuya Kato, Tetsuya Kohsaka, Enoch Y Park, Expression of relaxin-like factor using
silkworm expression system, Shizuoka University International Symposium 2011–Initiatives for Crossing
Boundaries within Science and Technology–, 11/28-29, 2011.
11)Iida Takuya, Vipin Kumar Deo, Enoch Y. Park, Large scale expression of h-Wnt3a by using silkworms
and insect cells and purification, Shizuoka University International Symposium 2011–Initiatives for Crossing
Boundaries within Science and Technology–, 11/28-29, 2011.
12)Megumi Yui, Vipin Kumar Deo, Hiroshi Ueda, Enoch Y. Park, Preparation of virus-like particles (VLPs)
tracking cancer cells using bacmid expression system in silkworm, Shizuoka University International
Symposium 2011–Initiatives for Crossing Boundaries within Science and Technology–, 11/28-29, 2011.
13)Jinhua Dong, Takahiro Ootsuki, Tatsuya Kato, Enoch Y. Park, Development of a novel diagnostic method
for cattle neosporosis, Shizuoka University International Symposium 2011–Initiatives for Crossing
Boundaries within Science and Technology–, 11/28-29, 2011.
14)Muthukutty Palaniyandi, Tatsuya Kato, Enoch Y. Park, Expression and Purification of Human
Pappilomavirus 6b L1 virus-like particles (VLP) and display of chimeric EGFP whole protein incorporated in
VLP epitopes, Shizuoka University International Symposium 2011–Initiatives for Crossing Boundaries
within Science and Technology–, 11/28-29, 2011.
15)Takeshi Yamamoto, Vipin Kumar Deo, Tetsuro Suzuki and Enoch Y. Park, Expression of hepatitis C virus
core protein and intrabody, an inhibitor of core protein in the silkworm, Shizuoka University International
Symposium 2011–Initiatives for Crossing Boundaries within Science and Technology–, 11/28-29, 2011.
16)Takahiro Otsuki, Jinhua Dong, Tatsuya Kato, and Enoch Y Park, Display of Neospora caninum antigens
using BmNPV bacmid in silkworm larvae for development of neosporosis vaccines, Shizuoka University
International Symposium 2011–Initiatives for Crossing Boundaries within Science and Technology–,
11/28-29, 2011.
17)Deo Vipin Kumar, Tomomi Yasuda, Tatsuya Kato and Enoch Y Park, Display of Hemagglutinin from
H1N1 on virus like particles for vaccinations, Shizuoka University International Symposium 2011–Initiatives
for Crossing Boundaries within Science and Technology–, 11/28-29, 2011.
18)Tatsuya Kato, James R. Thompson, Enoch Y. Park, Development of vectors for high-throughput protein
expression in silkworms, Shizuoka University International Symposium 2011–Initiatives for Crossing
Boundaries within Science and Technology–, 11/28-29, 2011.
53
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
19)Tomomi Yasuda, Vipin Kumar Deo,Tatsuya Kato, Enoch Y. Park, Expression and purification of
hemagglutinin displayed virus-like particles using bacmid expression system in insect cells, Shizuoka
University International Symposium 2011–Initiatives for Crossing Boundaries within Science and
Technology–, 11/28-29, 2011.
20)Kanematsu Ayumi, Akiko Murakawa. Taiichi Usui, Enoch Y. Park, Evaluation of the Synthetic Glycolipid
Cluster, 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students Forum proceeding p27, 2011.
21)Vipin Kumar Deo, Tomomi Yasuda, Tsuji Yoshitaka, Tatsuya Kato, Enoch Y. Park, Virus like particles
(VLPs) a new display technology for vaccination and drug delivery, 2nd Korea-Japan Joint Symposium and
Graduate Students Forum proceeding p19, 2011.
22)Wonseok Oh, Akiko Murakawa, Jaebeom Lee, Enoch Y. Park, Sugar immobilizated metal nanoparticles,
2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students Forum proceeding p41, 2011.
23)Nakagawa Haruyuki, Won Seok Oh, Taichi Usui, Enoch Y. Park, Evaluation of sLeX immobilized
nanoparticles binding behavior against E-selectin, 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students
Forum proceeding p33, 2011.
24)Yui Megumi, Vipin Kumar Deo, Hiroshi Ueda, Enoch Y. Park, Construction of virus-like particles (VLPs)
tracking cancer cell, 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students Forum proceeding p34, 2011.
25)Iida Takuya, Vipin Kumar Deo, Enoch Y. Park, Expression of H-Wnt3a by using silkworms, and
purification, , 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students Forum proceeding p35, 2011.
26)Takahiro Oizumi, Akiko Murakawa, Enoch Y. Park, Development of inhibitor for shigatoxin by
multivalant glycan, , 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students Forum proceeding p38, 2011.
27)Ryoken Nakazawa, Daichi Mori, Taiichi Usui, Enoch Y. Park, Expression of rat alpha2,3-sialyltransferase
ST3 in silkworm, 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students Forum proceeding p39, 2011.
28)In-Wook Hwang, Vipin Kumar Deo, Enoch Y. Park, Expression of KATP channel proteins using
silkworm, 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students Forum proceeding p40, 2011
(5) 受賞・表彰
最優秀ポスター発表賞
1)Megumi Yui, Vipin Kumar Deo, Hiroshi Ueda, Enoch Y. Park, Preparation of virus-like particles tracking
cancer cells using bacmid expression system in silkworm, 2nd Zhejiang Univ.-Shizuoka Univ. Student
Workshop "Seedling for Green Science and Technology", 3/14-15, 2012.
2)Takahiro Oizumi, Akiko Murakawa, Enoch Y. Park, Expression of Shigatoxin B subunit, 2nd Zhejiang
Univ.-Shizuoka Univ. Student Workshop "Seedling for Green Science and Technology", 3/14-15, 2012.
3)Muthukutty Palaniyandi, Tatsuya Kato, Enoch Y. Park, Expression and Purification of Human
Pappilomavirus 6b L1 virus-like particles (VLP) and display of chimeric EGFP whole protein incorporated in
VLP epitopes, Shizuoka University International Symposium 2011–Initiatives for Crossing Boundaries
within Science and Technology–, 11/28-29, 2011.
4)Nakagawa Haruyuki, Won Seok Oh, Taichi Usui, Enoch Y. Park, Evaluation of sLeX immobilized
nanoparticles binding behavior against E-selectin, 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students
Forum proceeding p33, 2011.
尾形慎
(1) 学術論文・著書等
1) Endo, T., Matsuda, S., Obara, T., Chuma, Y., Ogata, M., Yanagida, Y., Hatsuzawa, T., Usui, T. Label-free
detection of oligosaccharide-lectin interaction using plasmonic optical device for glycomics application. Sensor.
Mater., 2011, 23, 135-146.
2) Ogata, M., Misawa, Y., Usui, T. Molecular design of multivalent glycosides bearing GlcNAc, (GlcNAc)2 and
54
糖鎖チップ開発
LacNAc: Analysis of cross-linking activities with WGA and ECA lectins. Biosensors – Emerging Materials
and Applications, 2011, ISBN 978-953-307-328-6, 17-34.
3) Ogata, M., Yano, M., Umemura, S., Murata, T., Park, E. Y., Kobayashi, Y., Asai, T., Oku, N., Nakamura, N.,
Matsuo, I., Usui, T. Design and synthesis of high-avidity tetravalent glycoclusters as probes for Sambucus
sieboldiana agglutinin and characterization of their binding properties. Bioconjugate Chem., 2012, 23, 97-105.
4) Hattori, T., Sakabe, Y., Ogata, M., Michishita, K., Dohra, H., Kawagishi, H., Totani, K., Nikaido, M.,
Nakamura, T., Koshino, H., Usui, T. Enzymatic synthesis of α-chitin-like substance via lysozyme-mediated
transglycosylation. Carbohydr. Res., 2012, 347, 16-22.
5) Kato, T., Manohar, S. L., Kanamasa, S., Ogata, M., Park, E. Y. Improvement of the transcriptional strength
of baculovirus very late polyhedrin promoter by repeating its untranslated leader sequences and coexpression
with the primary transactivator. J. Biosci. Bioeng., 2012 in press.
(3) 特許等
碓氷泰市, 朴龍洙, 尾形慎, 宮崎忠昭:ウイルス阻害剤, PCT/JP2011/054384
岩田太
(1) 学術論文・著書等
1)T. Takami1, F. Iwata, K. Yamazaki, J. W. Son, J. K. Lee, B. H. Park, and T. Kawai“Direct observation of
potassium ions in HeLa cell with ion-selective nano-pipette probe” J. Appl. Phys. 111 (2012) 044702
2) F. Iwata, Y. Mizuguchi, H. Ko and T. Ushiki“Nanomanipulation of biological samples using a compact
atomic force microscope under scanning electron microscope observation” J Electron Microsc. 60(6) (2011)
359
3) S. Ito, K. Ito and F. Iwata“Probe type micro magnetic manipulator utilizing localized magnetic field with
closed loop magnetic path”Int. J. of Nanomanufacturing 8 (1/2) (2012) 161
4) S. Ito, F. Iwata“Nanometer-scale Deposition of Metal Plating Using a Nanopipette Probe in Liquid
Condition”,
Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 08LB15 (6page)
(2) 解説・特集等
1) 岩田 太, 牛木辰男,”電子顕微鏡における AFM のマニピュレータ利用”, O plus E 34 (2012)229
2 ) 著書『新・走査電子顕微鏡』日本顕微鏡学会関東支部編,共立出版 (2011) 第 4 章 5-4
SEM と SPM の複合機 pp217-221
(3) 特許等
1) 発明者 岩田 太、名称“微小付着物剥離システムおよび微小付着物剥離方法”、
出願人 国立大学法人静岡大学 提出日 平成 23 年 8 月 31 日、特願 2011-189801
2) 発明者 岩田 太 他、名称“基板上に微小物質を再現性良く推積させる方法出願人”
出願人 株式会社デザインテック、国立大学法人静岡大学、特願 2011-227227 号
3) 発明者 岩田 太、名称”接触状態検出装置,接触状態検出方法,接触状態検出用コンピューター
プログラム,接触状態検出装置を備る電気伝導度測定システム及接触状態検出方法を含む
電気伝導度測定方法,特願 2011-65959 号
(4) 国際会議発表
1)S. Matsumoto and F. Iwata, “Development of a self-sensitive atomic force microscope for high-speed
imaging in liquid Condition”, The 19th International Colloquium on Scanning Probe Microscopy, 2011.12.19-2011.
2) K.Yamazaki, K.Fukuda T. Ushiki and F. Iwata, “Single-cell electroporation using a scanning ion conductance
microscope for low-invasive injection of moleculesThe 19th International Colloquium on Scanning Probe
Microscopy”, 2011.12.19-2011.12.21
3) M. Takahashi, H. Ko and F. Iwata, “ Interactive Nano Manipulator using a haptic device for Scanning
Electron Microscopy”, Super Imaging , 2011,12.12
55
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
4) S. Ito K. Yamazaki and F. Iwata, “Development of Local Deposition Technique using A Nanopipette in
Liquid Condition”, 4th International Conference of Asian Society for Precision Engineering and
Nanotechnology (Hong Kong), 2011.11.16-2011.11.18
5) I. Ishisaki, Y. Ohashi, T. Ushiki and F. Iwata, “Nanomanipulator Based on a High-speed Atomic Force
Microscopy”, 4th International Conference of Asian Society for Precision Engineering and Nanotechnology
(Hong Kong), 2011.11.16-2011.11.18
6) M. Takahashi, H. Ko, T. Ushiki, and F. Iwata, “Interactive Nano Manipulator based on an Atomic Force
Microscope for Scanning Electron Microscopy”, 2011 International Symposium on Micro-Nano Mechatronics
and Human Science, 2011.11.8
7) S. Ito, K. Yamazaki, F. Iwata, “Measurement and Deposition of Nanometer-scale Cu dot Using an Atomic
Force Microscope with a Nanopipette Probe in Liquid Condition”, 7th International Symposium on Precision
Engineering Measurements and Instrumentation (Lijiang, Yunnan, China) 2011.8.7-11
8) T. Ushiki, H. Ko, and F. Iwata, “Atomic force microscopy of biological samples in a real-time stereo
scanning electron microscope”, International Scanning Probe Microscopy Conference , (TU Munchen)
2011.6.19-22
9) F Iwata, Y Ohashi and T Ushiki, “Interactive nanomanipulator coupled with a high speed imaging
technique
International Scanning Probe Microscopy Conference (TU Munchen)2011.6.19-22
(6) 新聞報道等
1) 日経産業新聞、2011.12.13 “薄膜の電気抵抗 1000 分の 1 ミリ範囲 で測定”
2) 日本経済新聞,2011.12.10 “電気抵抗 極小範囲で測定”
永津雅章
(1) 学術論文・著書等
1) 永津雅章 (分担執筆), "大気圧プラズマの技術とプロセス開発", 監修:沖野晃俊, 担当部分; 第 V 編
医療・バイオ応用, 第1章プラズマ滅菌, (株) シー・エム・シー出版 (2011.8 発行).
2) Z. Shao, A. Ogino, and M. Nagatsu, "Effect of water vapor addition on the microwave-excited Ar plasmainduced polyethylene glycol polymerization and immobilization of L-cysteine", Appl. Phys. Exp. 5 (2012)
046201.
3) T. E. Saraswati, A. Ogino, M. Nagatsu, "Plasma-activated immobilization of biomolecules onto graphiteencapsulated magnetic nanoparticles", Carbon 50 (2012) pp.1253-1261.
4) Z. Shao, A. Ogino, M. Nagatsu, "Immobilization of L-Cysteine onto Polyethylene Glycol Polymerized by
Surface-wave Plasma", Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 08JF03.
5) Y. Zhao, A. Ogino, and M. Nagatsu, "Mass Spectrometric Study on Inactivation Mechanism of
Spore-forming Bacteria by Low-pressure Surface-wave Excited Oxygen Plasma", Appl. Phys. Lett. 98
(2011)191501.
6) M. Nagatsu, T. E. Saraswati, A. Ogino, "Surface Functionalization of Graphene Layer-Encapsulated
Magnetic Nanoparticles by Inductively Coupled Plasma", Adv. Mater. Res. 222 (2011) pp 134-137.
7) T. E. Saraswati, T. Matsuda, A. Ogino, M. Nagatsu, "Surface Modification of Graphite Encapsulated Iron
Nanoparticles by Plasma Processing", Diam. Relat. Mater. 20 (2011) pp. 359-363.
(2) 解説・特集等
1) 永津雅章, 荻野明久 "バイオ・医療分野におけるプラズマ科学技術の展開",プロジェクトレビュー
「プラズマ-バイオ融合科学への新展開」、プラズマ・核融合学会誌 Vol. 87, No. 10(2011) pp.715-720.
2) 永津雅章, "プラズマ生成の基礎と医療・バイオ応用", 応用物理学会プラズマエレクトロニクス分科
会、第5回プラズマエレクトロニクス・インキュベーションホール テキスト、(2011.9.20) p.45.
3) 永津雅章, "第 48 回応用物理学会スクール「励起ナノプロセス入門-基礎と将来展望-」テキスト,
“5. プラズマ励起”", (2011.8.29, 山形大学) pp.54-69.
56
糖鎖チップ開発
(3) 特許等
1) 永津 雅章, "荷電粒子ビーム生成装置及び荷電粒子ビーム生成方法",特願 2011-254205 (2011.11.21).
(4) 国際会議発表
1) R.V. Bekarevich, S. Miura, A. Ogino, A.V. Rogachev and M. Nagatsu, "The Effect of Substrate on the
Low-Temperature Carbon Nanomaterials Growth by Microwave Excited Surface-wave Plasma Chemical Vapor
Deposition", 15th International Conference on Thin Films (ICTF-15), Kyoto Terrsa, Japan (2011.11.8-11).
2) Z. Shao, A. Ogino, M. Nagatsu, "Construction of a biocompatible surface layer over medical polymer by
surface-wave plasma treatment to improve the anticoagulant property", 15th International Conference on Thin
Films (ICTF-15), Kyoto Terrsa, Japan (2011.11.8-11).
3) M. Nagatsu, R.V. Bekarevich, S. Miura, A. Ogino, A.V. Rogachev, "Low Temperature Synthesis of Carbon
Nanotube and Graphene Ribbon Using Ion-energy Controlled Microwave Plasma"(Oral), 10th International
Conference on Global Research and Education (Inter-Academia 2011), Sucevita, Romania (2011.9.26-29).
4) M. Nagatsu, T. E. Saraswati, K. Kawamura, A. Ogino, "Biomolecule Immobilization onto PlasmaFunctionalized Graphite-Encapsulated Magnetic Nanoparticles for Medical Application", 20th Int. Symp. on
Plasma Chemistry(ISPC-20), Loews Hotel, Philadelphia, USA (2011.7.24-29).
5) T. E.Saraswati, A. Ogino, M. Nagatsu, "Enhancement of Amino Group Addition onto Graphite Encapsulated
Magnetic Nanoparticles for Biomolecules Immobilization by Plasma Processing", 3rd Int. Symp. on Surface
and Interface of Biomaterials (SIB-2011), Hokkaido University Conference Hall (2011.7.12-15).
6) R.V. Bekarevich, S. Miura, D. Lu, A. Ogino , A.V. Rogachev, M. Nagatsu, "Low Temperature Growth of
Carbon Nanomaterials Using Catalytic Nanaoparticles by Microwave-excited Surface-wave Plasma", VI
International symposium "Fullerenes and Nanostructures in Condensed Matter", Minsk, Belarus (2011.7.14-17).
7) T. E. Saraswati, A. Ogino, M. Nagatsu, "RF Plasma-Activated Immobilization of Biomolecules onto
Graphite-Encapsulated Magnetic Nanoparticles for Drug Delivery Application", International Conference on
New Diamond and Nano Carbons 2011 (NDNC2011), Matsue, Japan (2011.5.17-19).
(5) 受賞・表彰
1) 永津雅章、応用物理学会プラズマエレクトロニクス分科会 第 10 回プラズマエレクトロニクス賞
(2012.3.15).
2) 永津雅章、財団法人浜松電子工学奨励会 第 25 回(平成 23 年度)高柳記念賞 「プラズマ科学技術
の医療・バイオ分野応用に関する先駆的研究」(2011.12.18).
3) 永津雅章、平成 23 年度プラズマ・核融合学会賞 第 16 回技術進歩賞 (2011.11.22).
(6) 新聞報道等
1) 永津雅章、日刊工業新聞
関する研究成果).
2011.12.21 (樹脂フィルム上でのカーボンナノチューブの低温成長技術に
三重野哲
(1) 学術論文・著書等
1) T. Mieno, S. Hasegawa, K. Mitsuishi, “Production of Various Carbon Nanoclusters by Impact Reaction Using
Light-Gas Gun as Simulation of Asteroid Collisions in Space”, Jpn. J. Appl. Phys. 50 (2011) 125102-1-5.
(3) 特許等
1) 出願検討中。
(4) 国際会議発表
1) Y. Sugaya, T. Mieno, “Functionalization of Carbon Nanotubes by Oxygen Plasma to Obtain Water-Soluble
Nanotubes”, Proc. 2011 Korean-Japanese Student Workshop, Hamamatsu, Nov. 3, 2011, pp.43-46.
2) T. Mieno, S. Hasegawa, K. Mitsuishi, “Impact Production of Carbon Clusters by a Gas-Gun”, Proc. Shizuoka
Univ. 2011 Int. Conf., Shizuoka, Nov. 29, 2011, pp.156-157.
57
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
川田善正
(1) 学術論文・著書等
1) Yukimasa Matsumura, Wataru Inami and Yoshimasa Kawata, "Laser Control of Self-Organized Microporous
Structure by a Shock Wave Induced with a Nano-Second Pulse," International Journal of Optomechatronics,
Vol. 5, No. 2, pp. 97-106, (2011)
2) Masatoshi Tsuji, Wataru Inami, Yoshimasa Kawata, and Masaharu Ito, "Parallel Signal Readout for
Roll-Type Optical Advanced Memory," Japanese Journal of Applied Physics, Vol. 50, pp. 09MF04, (2011)
3) 辻真俊, 居波渉, 川田善正, 伊藤雅春, "ロール型多層記録媒体を用いた大容量光メモリー," 映像情
報メディア学会誌, Vol. 65, No. 12, pp. 1808-1812, (2011)
4) Atsushi Ono, Hiroki Sano, Wataru Inami and Yoshimasa Kawata, "Surface Plasmon Excitation and
Localization by Metal-Coated Axicon Prism", Micromachines, Vol. 3, No. 1, pp. 55-61, (2011)
5) Yukimasa Matsumura, Wataru Inami and Yoshimasa Kawata, "Laser Control of Self-Organization Process in
Microscopic Region and Fabrication of Fine Microporous Structure, " Advances in Optical Technologies, Vol.
2012, (2011)
(4) 国際会議発表
1) Wataru Inami, Yasunori Nawa, Akihito Chiba, Atsushi Ono, Atsuo Miyakawa, Yoshimasa Kawata and
Susumu Terakawa, "Imaging Beyond the Diffraction Limit by Electron-Beam Excited Assisted (EXA)
Scanning Optical Microscope," Optics in the Life Sciences, pp. NMA6, (2011)
2) Wataru Inami, Yasunori Nawa, Akihito Chiba, Atsushi Ono, Atsuo Miyakawa, Yoshimasa Kawata and
Susumu Terakawa, "High-Resolution Imaging in Liquid by Electron-Beam Excitation Assisted (EXA)
Microscope," Abstract Book of Focus on Microscopy 2011, pp. 145, (2011)
3) Yukimasa Matsumura, Wataru Inami, and Yoshimasa Kawata, "Laser Control of Self-organization Process
in Microscopic Region," CLEO:2011 Laser Science to Photonic Applications Technical Digest, (2011)
4) Keisuke Ushida, Wataru Inami, Yoshinobu Shimamura and Yoshimasa Kawata, "Characteristic Analysis of
CFRP Cutting with Nanosecond Pulsed Laser," Inter-Academia 2011, (2011)
5) Kohei Takamatsu, Wataru Inami and Yoshimasa Kawata, "Two-Photon Excitation with Visible
Femtosecond Laser for Observation of Wide-Gap Semiconductors," The 2011 Korean-Japanese Student
Workshop, (2011)
6) Yasunori Nawa, Wataru Inami, Akito Chiba, Atsushi Ono, Atsuo Miyakawa, Yoshimasa Kawata and
Susumu Terakawa, "Development of Ultrahigh Spatial Resolution Luminescence Microscope for Live Cell
Imaging with Focused Electron Beam Excitation," Shizuoka University International Symposium Initiatives for
Crossing Boundaries within Science and Technology, pp. 75, (2011)
7) Ken Watanabe, Wataru Inami and Yoshimasa Kawata, "Cell Processing with Electron Beam," Yonsei
University - Shizuoka University Students Workshop 2011, (2011)
8) Kohei Takamatsu, Wataru Inami and Yoshimasa Kawata, "Two-Photon Excitation with Visible
Femtosecond Laser for Observation of Wide-Gap Semiconductors," Yonsei University - Shizuoka University
Students Workshop 2011, (2011)
9) Ryuji Noda, Shota Fukada, Yasunori Nawa, Atsushi Ono, Wataru Inami, Du Guan Xiang, Shin Saito and
Yoshimasa Kawata, "Cathodeluminescence Imaging of Metallic Nanostructures," Yonsei University - Shizuoka
University Students Workshop 2011, pp. O-14, (2011)
10) Keisuke Ushida, Wataru Inami, Yoshinobu Shimamura and Yoshimasa Kawata, "Characteristic analysis of
CFRP Cutting with Nanosecond Pulsed Laser," Yonsei University - Shizuoka University Students Workshop
2011, (2011)
11) Masakazu Kikawada, Atsushi Ono, Wataru Inami, Rentarou Akimoto and Yoshimasa Kawata, "Surface
Plasmon Resonance in Deep-UV Region," Yonsei University - Shizuoka University Students Workshop 2011,
(2011)
12) Masahiro Fukuta, Wataru Inami, Atsushi Ono, Yoshimasa Kawata, "Analysis of Light and Electron
Scattering in a Thin Film for EXA Optical Microscope,"Yonsei University -Shizuoka University Students
Workshop 2011, (2011)
13) Masatoshi Tsuji, Wataru Inami, Yoshimasa Kawata and Masaharu Ito, "Parallel Readout Technique of
Roll-Type Multilayered Optical Memory," The 2011 European Symposium on Phase Change and Ovonic
Science (E/PCOS), (2011)
14) Yoshimasa Kawata, Wataru Inami and Yasunori Nawa, "Electron-Beam Excitation Assisted Optical
Miroscopy for Nanoimaging of Biological Specimens," CISD 19th international Consortium Meeting, (2011)
58
糖鎖チップ開発
15) 川田 善正,居波 渉,"電子線励起による高分解能光学顕微鏡の開発," 電顕技術開発若手研究部会
第 3 回ワークショップ, (2011)
16) Yasunori Nawa, Wataru Inami, Atsushi Ono, Atsuo Miyakawa, Yoshimasa Kawata and Susumu Terakawa,
"High-Resolution Fluorescence Microscopy with Direct Electron Beam Excitation," Focus on Microscopy 2011
(FOM2011), (2011)
(5) 受賞・表彰
1) 日本科学研究会 平成 22 年度笹川科学研究奨励賞(居波渉 助教授)
2) 静岡大学 卓越研究者の称号を授与(川田善正 教授)
3) 静岡大学 若手重点研究者の称号を授与(居波渉 助教授)
4) 静岡大学 学長表彰を受賞(辻真俊 D3)
5) 静岡大学 インターナショナルシンンポジウム 2011 Best Poster Award を受賞(名和靖矩 D1)
猪川洋
(1) 学術論文・著書等(猪川)
1) H. Satoh and H. Inokawa, "Surface Plasmon Antenna with Gold Line and Space Grating for Enhanced Visible
Light Detection by Silicon-On-Insulator Metal-Oxide-Semiconductor Photodiode," IEEE Trans. Nanotechnol.,
Vol. 11, to be published, 2012.
2) Atsushi Ono, Yuki Matsuo, Hiroaki Satoh, and Hiroshi Inokawa, "Sensitivity Improvement of
Silicon-On-Insulator Photodiode by Gold Nanoparticles with Substrate Bias Control," Appl. Phys. Lett., Vol. 99,
No. 6, pp. 062105_1-3, Aug. 9, 2011.
3) Wei Du, Hiroshi Inokawa, Hiroaki Satoh and Atsushi Ono, "SOI metal-oxide-semiconductor field-effect
transistor photon detector based on single-hole counting," Optics Letters, Vol. 36, No. 15, pp. 2800-2802, July
20, 2011.
4) Touichiro Goto, Hiroshi Inokawa, Yukinori Ono, Akira Fujiwara and Keiichi Torimitsu, "Electrical
Characterization of Terphenyl-Based Molecular Devices," Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 50, No. 7, pp. 071603-1~6,
July 20, 2011.
5) Hiroshi Inokawa, Wei Du, Mitsuru Kawai, Hiroaki Satoh, Atsushi Ono, Vipul Singh, "Single-Photon Detector
Based on MOSFET Electrometer with Single-Electron Sensitivity," Advanced Materials Research, Vol. 222, pp.
3-7, April 2011.
6) Atsushi Ono, Hiroaki Satoh, Hiroshi Inokawa, "High-Efficiency SOI Photodetector Utilizing Surface
Plasmon Resonance in Gold Corrugated Structure," Advanced Materials Research, Vol. 222, pp. 154-157, April
2011.
7) Hiroaki Satoh, Yuki Matsuo, Hiroshi Inokawa, Atsushi Ono, "Investigation of Adhesion Materials for Gold
Line-and-Space Surface Plasmon Antenna on SOI-MOS Photodiode," Advanced Materials Research, pp.
201-204, April 2011.
(2) 解説・特集等(猪川)
1) 小野篤史、佐藤弘明、猪川洋、「表面プラズモンを利用した光検出器の性能向上」 表面技術、Vol. 62,
No. 6, pp. 291-295, 2011.
(4) 国際会議発表(猪川)
1)Wei Du, Hiroshi Inokawa, Hiroaki Satoh and Atsushi Ono, "Room-Temperature Single-Photon Detector
Based on a Simple SOI MOSFET," The 1st International Symposium on Photonics and Electronics
Convergence (ISPEC2011) P-22, p. 58 (Tokyo, Japan, Nov. 14-15, 2011).
2)Wei Du, Hiroshi Inokawa and Hiroaki Satoh, "Single-Photon Detection by a Simple SOI MOSFET," 24th
International Microprocesses and Nanotechnology Conference (MNC 2011), 26C-6-5L (Kyoto, Japan, Oct.
24-27, 2011).
3)Masahiro Ishii, Atsushi Nakamura, Hiroshi Inokawa and Jiro Temmyo, "Field-Effect Transistor with
Graphene by Direct Alcohol CVD," 2011 Int. Conf. Solid State Devices and Materials (SSDM) K-8-6 pp.
59
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
1292-1293 (Nagoya, 2011.9.28-30).
4)Hiroaki Satoh, Hiroshi Inokawa and Atsushi Ono, "Enhanced Light Sensitivity of Thin SOI Photodiode by
Metal Line-and-Space Grating of Various Materials," 2011 Int. Conf. Solid State Devices and Materials
(SSDM) P-7-25 pp. 266-267 (Nagoya, 2011.9.28-30).
5)Atsushi Ono, Hiroaki Satoh, Ryo Kawai and Hiroshi Inokawa, "Periodic Arrangement of Au Nanoparticles on
SOI Photodiode for Absorption Enhancement," 2011 Int. Conf. Solid State Devices and Materials (SSDM)
P-7-24 pp. 264-265 (Nagoya, 2011.9.28-30).
6)Hiroshi Inokawa, Wei Du, Mitsuru Kawai, Hiroaki Satoh, Atsushi Ono, and Vipul Singh (Invited),
"Photodetector Based on MOSFET Electrometer with Single-Electron Sensitivity," International Conference on
Nanoscience & Technology, China 2011 (ChinaNANO 2011) paper# 5I-005, p. 23 (Beijing, China, 2011.9.7-9).
7)Michito Sinohara, Yuki Kato, Masashi Arita, Akira Fujiwara, Yukinori Ono, Katsuhiko Nishiguchi, Hiroshi
Inokawa, and Yasuo Takahashi, "Observation of New Current Peaks of Si Single-Electron Transistor with a
Single-Hole Trap," 2011 IEEE Silicon Nanoelectronics Workshop (SNW-11) pp. 59-60 (Kyoto, Japan,
2011.6.12-13).
8)Wei Du, Hiroshi Inokawa, Hiroaki Satoh and Atsushi Ono, "Peculiar Hole Lifetime in SOI MOSFET
Single-Photon Detector," 2011 IEEE Silicon Nanoelectronics Workshop (SNW-11) pp. 47-48 (Kyoto, Japan,
2011.6.12-13).
9)Hiroaki Satoh, Hiroshi Inokawa, and Atsushi Ono, "Enhancement of Light Sensitivity of Thin SOI photodiode
by Gold Line-and-Space Grating for Selected Wavelength and Polarization," 2011 IEEE Silicon
Nanoelectronics Workshop (SNW-11) pp. 33-34 (Kyoto, Japan, 2011.6.12-13).
10)Wei Du, Hiroshi Inokawa and Hiroaki Satoh (Invited), "Room Temperature Photon-Number-Resolving
Detector Based on SOI MOSFET," The 4th International Symposium on Photoelectronic Detection and Imaging
(ISPDI 2011) Conference 4, Session 2, paper #7, p. 61 (Beijing, China, May 24-26, 2011).
11)Hiroshi Inokawa, Wei Du, Mitsuru Kawai, Hiroaki Satoh, Atsushi Ono and Vipul Singh (Invited),
"Single-Photon Detection by SOI MOSFET," The 2011 International Meeting for Future of Electron Devices,
Kansai (IMFEDK), pp. 24-25 (Osaka, Japan, May 19-20, 2011).
川人祥二
(1)学術論文・著書等
著書
1) Single-Photon Imaging, Peter Seitz 編著, Shoji Kawahito 他著者 12 名, 第 9 章「Architectures for Low-noise
CMOS Electronic Imaging」,pp.197-217 担当,Springer 社,2011.
学術論文
1)Izhal Abdul Halin, Amad ud Din, Ishaq b. Aris, Maryam bt. Mohd Isa, Suhaidi Shafie, Shoji Kawahito, “Selection
of amplifier for optimized charge transfer in active pixel CMOS time of flight (TOF) image sensors”, IEICE
Electronics Express, Vol. 8, No.22, P1913-1919, Nov.2011.
2)Min-Woong Seo, Sung-Ho Suh, Tetsuya Iida, Taishi Takasawa, Keigo Isobe, Takashi Watanabe, Shinya Itoh,
Keita Yasutomi, Shoji Kawahito, “A Low-Noise High Intrascene Dynamic Range CMOS Image Sensor With a 13 to
19b Variable-Resolution Column-Parallel Folding-Integration/Cyclic ADC”, IEEE Journal of Solid-State Circuits,
Vol.47, No.1, P272-283, Jan.2012.
3)Kamel Mars, Shoji Kawahito, “A single-ended CMOS chopper amplifier for 1/f noise reduction of
n-channel MOS transistors”, IEICE Electronics Express, Vol9, No.2, P98-103, Jan. 2012
(3)特許等
1)CMOSイメージセンサ, 川人祥二, 特願2006-287005(2006/10/20), 特許第4710017号(2011/4/1)
2)A/D変換器および読み出し回路, 川人祥二, 特願2008-527759(2008/12/22), 特許第4793602号(2011/8/5)
3)共焦点顕微鏡装置, 川人祥二, 寺川 進(浜松医科大学), 特願 2005-024687(2005/2/1), 特許第
4802320 号(2011/8/19)
4)アナログディジタル変換器、A/D変換ステージ、アナログ信号に対応したディジタル信号を生
60
糖鎖チップ開発
成する方法、およびA/D変換ステージにおける変換誤差を示す信号を生成する方法, 川人祥二, 特
願 2008-520636(2008/11/4), 特許第 4893896 号(2012/1/6)
5)イメージセンサ, 川人祥二, 特願 2007-315048(2007/12/5), 特許第 4941989 号(2012/3/9)
6)半導体測距素子及び固体撮像装置, S.Kawahito, 国際出願 10-2009-7013136(2007/11/30), Patent no.
10-1030263, 2011/4/13.
7)高速撮像装置, S.Kawahito, 国際出願 4250088/4, (2004/1/9), Patent no.1509038, 2011/4/20.
8)A/Dconversion array and image sensor, S.Kawahito, 国際出願 4793319.7 (2004/10/27), Patent no.
1679798, 2011/6/29
9)光飛行時間型距離センサ, S.Kawahito, 国際出願 10-2006-7019161 (2005/2/14), Patent no.10-1098216,
2011/12/26.
10)巡 回 型 ア ナ ロ グ ・ デ ィ ジ タ ル 変 換 器 , S.Kawahito, 国 際 出 願 12/812204 (2009/1/8), Patent
no.US8118156, 2012/2/21.
(4) 国際会議発
1) S. Kawahito, Z. Li, K. Yasutomi, “A CMOS image sensor with draining only modulation pixels for
sub-nanosecond time-resolved imaging,” Proc. 2011 Intl. Image Sensor Workshop, pp.185-188, Hakodate, Jun. 2011.
2) K. Yasutomi, Y. Sadanaga, T. Takasawa, S. Itoh, S. Kawahito, “Dark Current Characterization of CMOS Global
Shutter Pixels using Pinned Storage Diodes,” Proc. 2011 Intl. Image Sensor Workshop, pp.316-319, Hakodate, Jun.
2011.
3) J. H. Park, S. Aoyama, T. Watanabe, T. Kosugi, Z. Liu, T. Akahori, M. Sasaki, K. Isobe, Y. Kaneko, K.
Muramatsu, T. Iida, S. Kawahito, “A high-speed low-noise CIS with 12b 2-stage pipelined cyclic ADCs, ” Proc.
2011 Intl. Image Sensor Workshop, pp.339-342, Hakodate,
Jun.2011.・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4) K. Kitamura, T. Watabe, Y. Sadanaga, T. Sawamoto, T. Kosugi, T. Akahori, T. Iida, K. Isobe, T. Watanabe,
H. Shimamoto, H. Ohtake, S. Aoyama, S. Kawahito, N. Egami, “A 33 Mpixel, 120 fps CMOS Image Sensor for
UDTV Application with Two-stage Column-Parallel Cyclic ADCs,” Proc. 2011 Intl. Image Sensor Workshop,
pp.343-346, Hakodate, Jun.2011.
5) H. Nakada, M. Watanabe, S. Kawahito, “Parallel Template Matching Operations on a Dynamically
Reconfigurable Vision-Chip Architecture”, IEEE Northeast Workshop on Circuits and Systems, pp. 205-208,
Bordeaux, Jun. 2011.
6) M-W. Seo, S. Suh, T. Iida, T.Takasawa, K. Isobe, T. Watanabe, S. Itoh, S. Kawahito, “Low Noise High
Dynamic Range CMOS Image Sensor with Folding-Integration/Cyclic ADCs”, 2nd Korea-Japan Joint
Symposium and Graduate Students Forum, P66, Daegue, Sep. 2011.
7) S-W. Jun, S. Kawahito, “Design of Digitally Assisted Pipeline ADC Using Incomplete Settling Error
Correction”, 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students Forum, P64, Daegue, Sep. 2011.
8) S. Han, K. Yasutomi, S. Kawahito, “A CMOS Time-of Flight Range Image Sensor Using Draining Only
Modulation Structure”, 2nd Korea-Japan Joint Symposium and Graduate Students Forum, P63, Daegue, Sep.
2011.
9) K. Kagawa, S. Kawahito, “Biomedical applications of CMOS compound-eye camera”, 2nd Korea-Japan
Joint Symposium and Graduate Students Forum, P59-60, Daegue, Sep. 2011.
10) S.Kawahito, S. Ito, Y. Iwama, I. Takai, M. Ando, K. Yasutomi, K. Kagawa, “A 2-D Optical Pulse
Receiver/Imager with Two-Port Pixels for Simultaneously Producing Image and Communication Signals”, 2011
International Conference on Solid State Devices and Materials, GH-1-2, pp1029-1030, Nagoya, Sep. 2011.
11) L.Miao, S.Kawahito, “A Study on Bandwidth Mismatch Calibration for Time-interleaved A/D Converter”,
Inter-Academia 2011, iAY18, Sep. 2011.
12) H.Ogawa, S.Kawahito, “A Time-of-Flight Measurement Circuit Using a Multiple-Stage Amplifier for a
Range Finder with Wide Working Range”, Inter-Academia 2011, iAY15, Sep. 2011.
13) Z. Li, K. Yasutomi, K. Kagawa, S. Ito, M. Hashimoto, S. Kawahito, “Design and Implementation of
CMOS Image Sensor with Draining Only Modulation Pixels for Fluorescence Lifetime Imaging”, The 13th
Takayanagi Kenjiro Memorial Symposium, S3-10-1 - S3-10-3, Hamamatsu, Nov. 2011.
14) M.A.B. Mustafa, M-W. Seo, K. Yasutomi, S. Kawahito, “Reduction of Temporal Noise in 0.18um CMOS
Image , Sensors Using Correlated Multiple Sampling (CMS)”, The 13th Takayanagi Kenjiro Memorial
Symposium, S3-9-1 - S3-9-4, Hamamatsu, Nov. 2011.
15) K. Imai, K. Yasutomi, K. Kagawa, S. Kawahito, “Mismatch Analysis of a column-distributed ramp signal
61
Ⅱ
Ⅱ 糖鎖チップ開発
generator”, The 13th Takayanagi Kenjiro Memorial Symposium, S3-8-1 - S3-8-3, Hamamatsu, Nov. 2011.
16) K.M.R. Amin, S. Kawahito, “Folding-Integration/Pipeline Cascaded Analog-to-Digital Converter for
Nanometer-scale Technology”, The 13th Takayanagi Kenjiro Memorial Symposium, S3-7-1 - S3-7-5,
Hamamatsu, Nov. 2011.
17) M-W. Seo, A. Wang, Z. Li, K. Yasutomi, K. Kagawa, S. Kawahito, “A CMOS Imager Using Focal-plane
Pinhole Effect for Confocal Multibeam Scanning Microscopy”, SPIE Electronic Imaging 2012, San Francisco,
Jan. 2012.
18) K. Kagawa, E. Tanaka, K. Yamada, S. Kawahito, J. Tanida, “Deep-focus compound-eye camera with
polarization filters for 3D endoscopes”, SPIE Photonics West 2012, San Francisco, Jan. 2012.
19) T. Watabe, K. Kitamura, T. Sawamoto, T. Kosugi, T. Akahori, T. Iida, K. Isobe, T. Watanabe, H.
Shimamoto, H. Ohtake, S. Aoyama, S. Kawahito, N. Egami, “A 33Mpixel 120fps CMOS Image Sensor Using
12b Column-Parallel Pipelined Cyclic ADCs”, Proc.2012 IEEE Int. Solid-State Circuits Conf., 22.5, P388-389,
San Francisco, Feb.2012.
20) Y. Kamikubo, M. Watanabe, S. Kawahito, “A Full Dynamically Reconfigurable Vision-chip System
Including a Lens-array”, SASIMI 2012 The 17th Workshop on Synthesis And System Integration of Mixed
Information Technologies, R2-25, pp272-277, Beppu, Mar. 2012.
(6)新聞報道等
1)日刊工業新聞, 静岡大学イノベーション共同研究センター創立20周年 事業化に向けた代表的な産学連
携の取り組み, 2011.11.25
2)電波タイムズ, NHKと静岡大学 SHVカメラ用イメージセンサー開発, 2012. 2.29.
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