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Analytix - Sigma
Analytix
Issue 4, 5・2011 合併号
食品着色料と
色素標準品
• 食品着色料の分析
• ポリマーおよびプラスチック
中の水分測定
• 単元素標準溶液
• GC ヘッドスペース アプリ
ケーション用高純度溶媒
• LC/MS 用誘導体化試薬:
ESI-MS でのエストラジオール
の検出改善
2
Editorial
なぜ、色素標準品を必要とするのか?
みなさん、
私たちひとりひとりは、人生の様々な段階
で色から影響を受けています。私たちが
購入する食品、衣服、化粧品、おもちゃ
など様々なものに人工着色料が使われて
います。
食品や生活用品の着色に天然染料が使わ
れていた時代の 1856 年にウィリアム・ヘ
ンリー・パーキンが最初の合成有機色素
(藤色)を発明したことで、合成染料の巨
大市場に向けて門戸が開かれました。そ
れ以来、およそ 15,000 種の人工着色料が
従来の天然染料に代わり、工業規模で生
産されてきました。
Ingrid Hayenga
使用されている食品添加物の安全性に対する評価は、
50 年以上の間、国際的水準の国立規定や諮問機関に
よって継続されています。最も初期の規則は、1906
年の純食品・ドラッグ法(アメリカの連邦法)でした。
ほとんどの国々で、食品添加物の販売には十分な安全
評価を経なければなりません。
弊社では、世界中の異なる国々の規制に対応できるよ
う、最新で、高度に精製された、より良い標準試薬を
みなさまに供給するために研究しております。
いつも弊社製品をご愛顧いただきありがとうございま
す。今後もみなさまのお役に立てますことを楽しみに
しています。
Senior Scientist, R&D
同時に、私たちの日々の生活の中で、これ
ら合成染料の有機化学物質が益々増加し、
健康や環境破壊に対する潜在的リスクは
増加しています。このような考えうる被害
を最小化するために、繊維製造工程の全
般にわたり国立協会や国際協会が設立さ
れています。例えば、
染料製造業の生態学・
毒物学上の協会(ETAD)が 1974 年に設
立されており、製造された有機着色剤の
生態学・毒物学上の働きを管理していま
す。繊維製品については、環境要求事項
を盛り込んだ様々なエコ表示が任意で創
られました。例えば Oeko-Tex®(エコテッ
ク ス ) の 標 準 ラ ベ ル は、 オ ラ ン ダ の
Milieukeur( ミュ ル ケ ル )と Eko( エ コ )
基準を満たしており、最新の科学的根拠
に基づいた繊維中の有害物質検査を行っ
ています。法的には、欧州連合(EU)の
新しい規定 EC 1907/2006(REACH 規則)
が繊維中の発癌性物質や過敏性物質を
扱っています。
Analytix is published five times per year by Sigma-Aldrich Chemie GmbH,
MarCom Europe, Industriestrasse 25, CH-9471 Buchs SG, Switzerland
Publisher: Sigma-Aldrich Marketing Communications Europe
Publication director: Ingo Haag, PhD
Editor: Daniel Vogler
sigma-aldrich.com/analytix
With kind regards,
Ingrid Hayenga
Senior Scientist, R&D
[email protected]
3
4
色素標準品
クロマトグラフィー
16
GC ヘッドスペース アプリケーション用
高純度溶媒
GC ヘッドスペース用 N,N- ジメチルアセトア
ミド 2 製品の比較
17
LC/MS 用誘導体化試薬:ESI-MS でのエストラ
ジオールの検出改善
滴 定
8
各種溶剤の水分測定
HYDRANAL® 試薬を用いたカールフィッシャー
滴定
10
ポリマーおよびプラスチック中の水分測定
HYDRANAL 試薬を用いたカールフィッシャー
滴定
無機分析
13
単元素標準溶液(10 g/L)
14
幅広いイオンクロマトグラフィー用製品
シグマ アルドリッチが提供する IC 分析用
高純度水、濃縮溶離液、バリデーションキット、
認証標準物質
スタンダード
20
New 植物性医薬品の分析用一次標準物質
21
New 植物性医薬品分析用標準試薬
22
New 農薬代謝物標準物質
23
有機認証標準物質による信頼性の向上
sigma-aldrich.com/analytix
目 次
トピックス
4
色素標準品
トピックス
繊維の生産には、健康被害のある化学物質が見境なく
使用されているという印象を与えてしまいました。こ
れが Oeko-Tex スタンダード 100 の開発に関わる基本
理念です。
:この目的は、有害物質の評価に関連する
国際的な違いを解決することです。Oeko-Tex 国際協
会は、ヨーロッパと日本の 15 ヶ所の有名な研究所グ
ループから成り、世界の 50 か国以上の代表的な機関
および関連事務所も参加しています。
EU や USA および各国における規制
序論
食品の着色料
食品の着色料は食品添加物のひとつで、主に次の理由
で使用されています。
• 感光、空気、湿気あるいは温度変化による変色を補
正すること
• 天然色を強調すること
• 別物のように着色したり、無色にすること
食品の着色料は、それぞれの名前とコード番号によっ
て識別されます。その番号付けは国際食品規格委員
会(コーデックス委員会)によって採用され、国際的
に同意されたシステムに基づきます(CAC, updated
2007)
。
食品の着色料
欧州連合(EU)において使用される各着色料は、事
前に厳格で科学的な安全評価に基づいて認可されま
す。1988 年後半、ヨーロッパ共同体は、着色料を含
む食品添加物を評価する基準の総括指令を採用しま
した。総括指令には、使用することができる添加物の
リストを確立する、より特殊な技術指示の採択や食品
に添加できる添加物やその上限量について規定しまし
。
た(1988 年 12 月 21 日の理事会指令、89/107/EEC)
2008 年には、新たな枠組みが理事会規定 1333/2008
で合意され、2010 年 1 月 20 日に発効されました。
委員会規定 1331/2008 の下で、全ての食品添加物は
EU の危機管理責任者の認可に先立って欧州食品安全
機関(EFSA)によって安全評価が実践されます。委
員会規定 1331/2008 により、2009 年 1 月以前に EU
で使用するために認可された食品添加物はすべて、
EFSA による新しいリスク評価に従うことになりまし
た。委員会規定 257/2010 では、既認可の食品添加物、
昔から食品着色料とされていたものについて、再評価
するとしています。これは、旧食品科学委員会で評価
された初期の食品添加物であるためです。
繊維染料
繊維工業は、原料から完成品までの生産過程が世界 ヨーロッパ諸国の中では、ヨーロッパで認可された着
中に位置しており、各生産段階における協同体制が特 色料でさえ、自主的に禁止している国もあります。例
徴です。この非常に断片的な体制は、繊維の生産過程 えば英国では Southampton Six と呼ばれている着色料
に関わるすべての会社に複雑な供給関係として反映 (Tartrazin、Quinoline Yellow、Sunset Yellow FCF、
されています。更に、繊維生産においては、個々の国 Carmoisine、Ponceau 4R、Allura Red AC、Brilliant Blue
FCF)がそれにあたります。英国食品基準庁の勧告は、
ごとに異なる環境規制が適用されます。
子どもの生活に対するこれらの色の影響を調査したサ
1990 年代の初めに、オーストリアの繊維研究所(ÖTI) ザンプトン大学の研究に基づきます。それらの色を
とドイツのホーヘンシュタイン研究所によって開発さ Table 1 に示します。これらの着色料を含む食品には
れた Oeko-Tex® スタンダード 100 は、大衆の要望を 「子どもの生活に悪影響があるかもしれません」と警
受けて、健康被害をもたらさない繊維として開発され 告を喚起しなければなりません。スイスでは、17 色
ました。
「繊維中の毒物」や否定的な情報が広がり、 が食品添加物として法律によって許可されました。
sigma-aldrich.com/fooddyes
5
オーストラリア・ニュージーランド食品基準規範
(FSANZ)の規格は 2003 年に連邦政令された立法文書
です。標準法の 1.3.1 章 - 食品添加物、改正 121-2011
番は、食物の生産および加工過程における、色素のよ
うな食品添加物の使用を規制します。そこでは、加工
食品中に 290 mg/kg、飲料中に 70 mg/kg まで使用で
きる 12 種類の合成色素が示されています。
加えて、食品中に不正に使用されている染料を禁止す
ることが示されています。
(例;スダン染料や赤色色
素は、靴や床に光沢をつけたり、油、ろう、ガソリン
に通常使用される着色溶剤)
米国において、連邦食品医薬品化粧品法(FD&C Act)
は、1938 年に国会で可決された一連の法律です。こ
の法律は米国食品医薬品局(FDA)に食品、医薬品お
よび化粧品の安全性を監視する権限を与えました。こ
れにより、食品へのいくつかの着色料添加物の証明が
義務付けられました。FDA は 9 種類の FD&C 着色料を
指定し、そのうちの 2 種類は限定的用法に制限されま
す。医薬部外品や化粧品中のみで許可された多数の
D&C(医薬品 & 化粧品)着色料があります。野菜、
鉱物あるいは動物のような天然由来の着色料や天然
由来の人工添加物は、
証明から免除されています。ヨー
ロッパの場合、人工添加物および天然色素添加物の両
方に対して食品で使用される前に厳格な安全性評価
が実施されます。
日本では、食品衛生法により、食品添加物として食品
安全委員会が審査しそれらの毒性がないことを確認
の上、厚生労働省が成分規格、使用基準を定め承認
されており、指定添加物に合成着色料 12 品目(赤色
2 号、赤色 3 号、赤色 40 号、赤色 102 号、赤色 104 号・
赤色 105 号、赤色 106 号、黄色 4 号、黄色 5 号、緑
色 3 号、青色 1 号、青色 2 号)が指定されています。
繊維と革の染料
アゾ染料は繊維や革の着色過程で、しばしば使用され
ています。これらの染料のうちのいくつかは、特定の
芳香族アミンを放出する可能性があります。これらは
癌やその他のリスクを引き起こす要因となりえます。
このような理由から、EU では Table 3 に示す 22 の芳
香族アミンの暴露を防ぐ基盤となる法律を定めまし
た。Table 4 には、合成繊維による皮膚接触を防止す
るために繊維材料中で禁止されているアレルゲン性
の分散性染料と、発癌性の染料を示します。使用禁止
の こ れ ら 染 料 は、EU 規 則(EC)1907/2006(REACH
regulation)付録 XVII に示されています。
シグマ アルドリッチは、食品の着色料および繊維/
革の染料に加えて、Table 5 に示す様々なアプリケー
ション用の高純度色素標準品を提供します。
私たちは、絶えず興味深い色素標準品の製品拡大に
努めています。最新の製品リストは弊社ウェブサイト
でご確認ください。sigma-aldrich.com/fooddyes
(6ページに続く)
sigma-aldrich.com/fooddyes
トピックス
Table 1 は世界の多くの国々で許可されている食品合
成着色料を示し、Table 2 では食品中に不正に使用さ
れている禁止染料を示しています。
6
E No CAT. NO.
製品名
Purity
容量
EU
UK
US
Canada
Australia/
Japan
New Zealand
102
Tartrazin
≧ 99.0%
25 mg
approved
banned
FD&C Yellow No 5
FD&C Yellow # 5
permitted
approved
banned
03322-25MG
104
105
Quinoline Yellow WS
93883-25MG
≧ 97.0%
Fast Yellow AB
25 mg
banned
107
00298-25MG
Yellow 2G
≧ 98.0%
25 mg
approved
110
68775-25MG
Sunset Yellow FCF
≧ 95.0%
25 mg
approved
111
73668
Orange GGN
≧ 97.0%
-*
approved
120
11298-25MG
Cochineal (Natural
Red 4)
≧ 96.0%
25 mg
approved
121
89774-25MG
Citrus Red 2
≧ 98.5%
25 mg
banned
122
52245-25MG
Carmoisine
≧ 98.0%
25 mg
approved
トピックス
123
87612-25MG
Amaranth
≧ 98.0%
25 mg
approved
124
18137-25MG
Ponceau 4R
≧ 99.0%
25 mg
approved
125
92395
Ponceau SX
≧ 98.0%
-*
approved
126
96365
Ponceau 6R
≧ 99.0%
-*
approved
127
87613-25MG
Erythrosine
≧ 99.0%
25 mg
approved
128
40462-25MG
Red 2G
≧ 98.0%
25 mg
banned
129
38213-25MG
Allura Red AC
≧ 98.0%
25 mg
approved
130
Indanthrene blue RS
131
74748-25MG
Patent Blue V
≧ 97.0%
25 mg
73436-25MG
Indigo carmine
≧ 99.0%
25 mg
approved
133
30659
Brilliant Blue FCF
≧ 96.0%
-*
approved
142
06737-25MG
Green S
≧ 98.0%
25 mg
approved
143
68724
Fast Green FCF
≧ 97.0%
-*
approved
151
11220
Brilliant Black BN
≧ 96.0%
-*
approved
152
56637-25MG
Food Black 2 (Black
7984)
≧ 98.0%
25 mg
approved
Brown FK
155
Brown HT
180
90689
banned
FD&C Yellow No 6
FD&C Yellow # 6
permitted
Food Yellow No 5
only to color the
skin of oranges
banned
permitted
FD&C Red No 2
FD&C Red # 2
banned
Food Red No 2
permitted
Food Red No 102
FD&C Red # 4
FD&C Red No 3
FD&C Red # 3
Food Red No 3
banned
FD&C Red No 40
FD&C Red # 40
FD&C Blue No 2
FD&C Blue # 2
permitted
Food Blue No 2
banned
FD&C Blue No 1
FD&C Blue # 1
permitted
Food Blue No 1
FD&C Green No 3
FD&C Green # 3
permitted
Food Red No 40
approved
132
154
Food Yellow No 4
permitted
approved
permitted
permitted
Food Green No 3
permitted
approved
approved
≧ 97.0%
Lithol Rubine BK
Table 1 食品合成着色料の分析用標準試薬
-*
permitted
approved
* 容量はお問合せ下さい
CAT. NO.
製品名
Purity
容量
CAT. NO.
製品名
容量
11298-25MG
Carminic Acid
≧ 96.0%
25 mg
46282-250MG
4-Chloro-2-methylaniline
250 mg
89774-25MG
Citrus Red 2
≧ 98.5%
25 mg
31629-250MG
o-Aminoazotoluene
250 mg
93883-25MG
Fast Yellow AB
≧ 97.0%
25 mg
45984-250MG
2-Methyl-5-nitroaniline
250 mg
68775-25MG
Sunset Yellow
≧ 95.0%
25 mg
35823-1G
4-Chloroaniline
1g
59659-25MG
Toluidine Red
≧ 98.0%
25 mg
32831-100MG
2,4-Diaminoanisole
100 mg
40462-25MG
Red 2G
≧ 98.0%
25 mg
31640-250MG
4,4’-Diaminodiphenylmethane
250 mg
51383-25MG
Sudan I
≧ 96.0%
25 mg
48525
3,3’-Dichlorobenzidine
Ampule of 100 mg
07937-25MG
Sudan II
≧ 96.0%
25 mg
Sudan III
≧ 96.0%
25 mg
33430-10G
33430-50G
3,3’-Dimethoxybenzidine
68562-25MG
10 g
50 g
67386-25MG
Sudan IV
≧ 96.0%
25 mg
31659-100MG
o-Tolidine
100 mg
46106-100MG
4,4’-Methylene-bis-(2methylaniline)
100 mg
43207-25MG
Sudan Orange G
≧ 96.0%
25 mg
53373-25MG
Sudan Red 7B
≧ 96.0%
25 mg
91282-25MG
Sudan Red G
≧ 96.0%
25 mg
73225-25MG
Butter Yellow
≧ 98.0%
25 mg
44426-100MG
Metanil Yellow
≧ 98.0%
100 mg
40446-100MG
Para Red
≧ 97.0%
100 mg
49904-25MG
Ponceau 3R
≧ 98.0%
25 mg
34184-10MG
d5-Sudan I
enrichment > 98 atom % D
10 mg
34161-10MG
d6-Sudan IV
enrichment > 98 atom % D
10 mg
Table 2 食品使用に禁止された染料とその重水素体
sigma-aldrich.com/fooddyes
46111-250MG
2-Methoxy-5-methylaniline
250 mg
31673-100MG
4,4’-Methylene-bis-(2chloroaniline)
100 mg
46117-250MG-R
4,4’-Oxydianiline
250 mg
46126-250MG-R
4,4’-Diaminodiphenyl sulfide
250 mg
45979-250MG
o-Toluidine
250 mg
45922-250MG
2,4-Diaminotoluene
250 mg
Table 3 染料由来の禁止された芳香族アミン
7
製品名
カラーインデックス番号
Basic Red 9
42500
22308-25MG
Acid Red 26/Ponceau 2R/Ponceau Xylidine
16150
46364-250MG
Basic Violet 14 (Crystal Violet)
42510
C1144-5G
C1144-25G
Direct Black 38 (Chlorazol Black)
30235
S476269
Direct Blue 6
22610
75768-25MG
Direct Red 28
22120
≧ 97.0%
215643-5G
Disperse Blue 1
64500
Dye content 30%
5g
215651-50G
Disperse Blue 3
61505
Dye content 20%
50 g
Disperse Blue 7
62500
Disperse Blue 26
64305
CAT. NO.
17992-5G
Purity
容量
≧ 96.0%
25 mg
250 mg
Dye content > 45%
5g
25 g
問合せ
Disperse Blue 35
25 mg
5g
28241-5G
28241-25G
Disperse Blue 106
5g
25 g
21620-5G
Disperse Blue 124
5g
S468061
Disperse Brown 1
29173-25MG
Disperse Orange 1
11080
≧ 96.0%
25 mg
53882-25MG
Disperse Orange 3
11005
≧ 96.0%
25 mg
42994-25MG
Disperse Orange 11
60700
≧ 96.0%
25 mg
50323-25MG
Disperse Orange 37
≧ 96.0%
25 mg
≧ 96.0%
25 mg
問合せ
Disperse Orange 76
11074-25MG
Disperse Red 1
11110
S944556
Disperse Red 11
62015
Disperse Red 17
11210
S462934
Disperse Yellow 1
10345
11344-25MG
Disperse Yellow 3
11855
≧ 96.0%
25 mg
38464-25MG
Disperse Yellow 9
10375
≧ 96.0%
25 mg
問合せ
問合せ
Disperse Yellow 39
Disperse Yellow 49
Table 4 法律で禁止されているアゾ染料
CAT. NO.
製品名
Purity
容量
Application
49823-25MG
Acid Red 73
≧ 97.0%
25 mg
Hair coloring
51362-25MG
Auramine
≧ 97.0%
25 mg
Fluorescent stain, paints and rubber products
75768-25MG
Congo Red
≧ 97.0%
25 mg
Microscopy/banned for use in paper industry
69669-25MG
Leucomalachite green
≧ 98.0%
25 mg
Used as a detector for latent blood in forensic science
38800-25MG
Malachite green chloride
≧ 96.0%
25 mg
Dye for paper, silk, leather; banned for the use in aquaculture
49547-25MG
Naphtol Yellow S
≧ 99.0%
25 mg
Stain for collagen
69143-25MG
Orange II sodium salt
≧ 98.0%
25 mg
Wool and cotton dye; microscopy
79285-25MG
Oil Orange SS
≧ 98.0%
25 mg
Microscopy
79754-25MG
Rhodamine B
≧ 97.0%
25 mg
Tracer dye within water
49639-50MG
Solvent Yellow 124
≧ 98.0%
50 mg
Used in the European Union as a fuel dye marker
Table 5 その他のアプリケーション用色素標準品
sigma-aldrich.com/fooddyes
トピックス
Disperse Blue 102
8
各種溶剤の水分測定
HYDRANAL® 試薬を用いたカールフィッシャー滴定
Andrea Felgner, Market Segment Manager HYDRANAL [email protected]
Thomas Wendt, HYDRANAL Technical Service [email protected]
通常、溶媒とカールフィッシャー(KF)試薬が副反応
を起こさない場合、溶媒中の水分測定は問題なく行な
えます。しかし化学特性や生産過程の不純物によって
副反応が起こることがあり、KF 反応を妨げる事があ
ります。例えば、ヨウ素やメタノールと反応し起こる
副反応です。これらの副反応は、殆どの場合、滴定曲
線で終点の不明瞭さや終点消失などから明らかになり
ます。長時間かけて終点を検出したとしても、多くの
場合は水分値が高くなります。
ヨウ素との副反応は、ほんの少しの工夫で避けること
が可能です。滴定フラスコ中の脱水溶剤の pH 値を低
くすると、この副反応を抑えることができます。この
場合、5-7 g のサリチル酸を滴定フラスコへ加え、各
脱水溶剤(HYDRANAL- ソルベント、
メタノールドライ)
に溶解させます。
滴 定
メタノールとの副反応は、アルデヒド類・ケトン類の
水分測定用の特殊な溶剤を用いることで、回避可能
な場合が多くあります。これらの化合物はアセター
ルやケタール反応(水を生成する反応)
、またはジス
ルフィド付加(試料中に含まれる水と反応し結果が
低くなる)などの顕著な副反応が起こるためメタノー
ル を 含 ま な い 特 殊 な 溶 剤 で な け れ ば な りま せ ん。
HYDRANAL- コンポジット 5K、HYDRANAL- ミディア
ム K、HYDRANAL- ケトソルバーはこれらの化合物に
適した試薬です。
溶剤として DMSO を用いると微細な副反応が起こり
ます。滴定過程は問題なく進みますが、測定結果は非
常に低くなります。DMSO が KF 反応の化学量論に影
響を与えるためです。DMSO に関しては詳細なアプリ
ケーションレポート(L141)を提供しています。
特殊な注意を要するもうひとつのグループは、1,2- ジ
クロロエタンのようなハロゲン化された溶剤です。仮
にこれらが遊離塩素を含んでいた場合、水分は以下の
理由から容易に測定することはできません。まず、滴
定フラスコ中の KF 脱水溶剤は滴定すると無水化され
ます。ここにはヨウ化物が含まれています。そして、
ここに強酸化性を持つハロゲン化された溶剤を投入
すると、ヨウ化物イオンがヨウ素に酸化され、KF 反
応が起きてしまいます。塩素の量によって、水分量は
低くなり、ヨウ素が過剰になり脱水溶剤の色は茶褐色
を呈します。その結果、滴定することができません。
この問題への対処法は、アプリケーションレポート
sigma-aldrich.com/hydranal
L001 と L003 に記載されています。強塩基性アミンを
測定する場合は、脱水溶剤に安息香酸またはサリチル
酸を添加し中和することが必要です。詳細はアプリ
ケーションレポート L288 に記載しています。
HYDRANAL- コンポジット 2 や HYDRANAL- タイトラ
ント 2 に代表される水分当量 2(力価 2)の滴定試薬
は、一般に、低い水分量を測定する際によく用いら
れます。更に低い水分量には水分当量 1(力価 1)の
HYDRANAL- コンポジット 1 が用いられ、滴定の過程
やパラメーターは理想的で安定したものとなります。
副反応のない溶剤に対する電量滴定法の適用
しかし、前述で述べたテクニックは高感度である電量
滴定法には適用できません。例えば、ビニル基の二重
結合は電量滴定法において悪い影響を伴う一方で、容
量滴定法では容易に測定することが可能です。電量滴
定法は副反応を起こさない溶剤に対して非常に適した
方法です。
容量滴定法標準操作手順
30 mL の HYDRANAL- メタノールラピッド、HYDRANALメタノールドライまたは HYDRANAL- コンポソルバー
を滴定フラスコに投入し、HYDRANAL- コンポジット 2
または HYDRANAL- コンポジット 1 で予備滴定
(無水化)
します。
予想される試料中の水分量を考慮して、2-10 g の試
料を正確に秤量し、HYDRANAL- コンポジット 2 また
は HYDRANAL- コンポジット 1 で滴定します。
二液型試薬である HYDRANAL- タイトラント(E)と
HYDRANAL- ソルベント(E)も同様の操作手順で使用
します。
電量滴定法の標準操作手順
5 mL の HYDRANAL- クーロマット CG を隔膜の付い
た 陰 極 セ ル に 投 入 し ま す。 同 様 に 約 100 mL の
HYDRANAL- クーロマット AG を投入します。
水分計のスイッチを入れると、自動的に予備滴定(無
水化)が始まります。ドリフト値が低くなり(10 µg/
、安定したら試料を投入することが可能で
H2O/min)
す。HYDRANAL-AG の代わりに HYDRANAL-AD(無隔
膜用)や HYDRANAL- クーロマット E(隔膜付、無隔
膜用)も用いることができます。
9
アプリケーション - 酢酸ビニル中の水分測定(L271)
酢酸ビニルは滴定中に副反応(ヨウ素化と推測)を引
き起こす二重結合を有しています。しかし、この副反
応は非常に遅いため、ある条件下では滴定が可能で
す。その条件とは、容量滴定法で試料量を限定し、終
点待時間を 10 秒にすることです。
電量滴定法では終点が得られないため、適していません。
試薬
容量滴定用一液型
滴定液
HYDRANAL®- コンポジット 5
脱水溶剤
HYDRANAL- メタノールドライまたは
HYDRANAL- メタノールラピッド
容量滴定用二液型
滴定液
HYDRANAL- タイトラント 5
脱水溶剤
HYDRANAL- ソルベント+ HYDRANALメタノールドライ (2:1)(pH 値下げる
ために混合)
電量滴定法では、試料量 20 g で抽出時間 2 ~ 3 分、
試料量 5 g で抽出時間 1 分をお勧めしています。
試薬
容量滴定用一液型
滴定液
HYDRANAL- コンポジット 2
脱水溶剤
HYDRANAL- メタノールドライまたは
HYDRANAL- メタノールラピッド
電量滴定用
陽極液
陰極液
HYDRANAL- クーロマット AG または
HYDRANAL- クーロマット AD
HYDRANAL- クーロマット CG
アプリケーション - ビニルエチルアセトアミド中の
水分測定(L367)
この化合物は強い副反応を有しており、ビニル基の二
重結合だけではなく、滴定フラスコ中のメタノールに
よっても引き起こされます。メタノールの代わりに
HYDRANAL- ワーキングミディアム K やミデイアム K
を用いると副反応は充分に抑えることが可能です。滴
定液は HYDRANAL- コンポジット 5 を用います。
※日本では HYDRANAL- ワーキングミディアム K は販売してお
りません。
試薬
容量滴定用一液型
滴定液
HYDRANAL- コンポジット 5
脱水溶剤
HYDRANAL- ワーキングミディアム K
CAT. NO.
製品名
容量滴定用一液型
34805
HYDRANAL- コンポジット 5
34806
HYDRANAL- コンポジット 2
34827
HYDRANAL- コンポジット 1
34816
HYDRANAL- コンポジット 5K
34741
HYDRANAL- メタノールドライ
37817
HYDRANAL- メタノールラピッド
34734
HYDRANAL- コンポソルバー E
34698
HYDRANAL- ミディアム K
34738
HYDRANAL- ケトソルバー
容量滴定用二液型
34732
HYDRANAL- タイトラント 5E
34723
HYDRANAL- タイトラント 2E
34801
HYDRANAL- タイトラント 5
34811
HYDRANAL- タイトラント 2
34730
HYDRANAL- ソルベント E
34800
HYDRANAL- ソルベント
電量滴定用
34836
HYDRANAL- クーロマット AG
34810
HYDRANAL- クーロマット AD
34726
HYDRANAL- クーロマット E
34840
HYDRANAL- クーロマット CG
水・標準品(KF 滴定用)
34849
HYDRANAL- 水・標準品 10.0(力価 10)
34828
HYDRANAL- 水・標準品 1.0(力価 1)
34847
HYDRANAL- 水・標準品 0.1(力価 0.1)
34694
HYDRANAL- 水・標準品 - オイル
Table Fluka® ブランドの HYDRANAL- カールフィッシャー試薬
シグマ アルドリッチでは 650 を超えるアプリケー
ションレポートを用意しております。化合物一覧は弊
低水分量の測定には、より力価の低い HYDRANAL- コ 社のウェブサイトでご確認頂けます。PDF ファイルで
ンポジット 2 を用います。しかし、HYDRANAL- コンポ アプリケーションレポートをご希望の方は、弊社まで
ジット 2 では副反応を抑えるには充分ではありません。 メール([email protected])にてお知らせ下さい。
電量滴定法は感度による影響で適していません。推奨
される試料量は約 5 g です。
試薬
容量滴定用一液型
滴定液
HYDRANAL- コンポジット 5
脱水溶剤
HYDRANAL- ミディアム K または
HYDRANAL- ワーキングミディアム K
sigma-aldrich.com/hydranal
滴 定
アプリケーション - 塩化ビニル中の水分測定(L344)
塩化ビニルは容量滴定用の HYDRANAL 試薬を用いて
問題なく滴定することができます。低水分試料の場合、
滴定液の力価 1 または 2(HYDRANAL- コンポジット
1 または 2)
を推奨します。電量滴定法で測定する場合、
電導度に影響されるため、陽極液 100 mL 当たり約
20 g まで測定が可能です。
アプリケーション -n- ビニル -2- ピロリドン中の水分
測定(L371)
メタノールベースの溶剤を用いた反応は副反応の影
響により緩慢になります。メタノールを含まない
HYDRANAL- ワーキングミディアム K に置き換えると、
干渉されることなく迅速な測定を行なえます。
推奨される試料量は約 5 g です。
10
ポリマーおよびプラスチック中の水分測定
HYDRANAL® 試薬を用いたカールフィッシャー滴定
Andrea Felgner, Market Segment Manager HYDRANAL [email protected]
Thomas Wendt, HYDRANAL Technical Service [email protected]
ポリマーやプラスチックは製造、輸送、保管の間に大
気中の水分を吸収することがあります。これは取扱や
構造、
性質に重大な影響をもたらす可能性があります。
ある生産プロセスでは水分含有量が制限されており、
遵守しなければなりません。さもなければ、表面のし
わ、結合不足、水泡など、さまざまな影響が最終工程
で発生します。水分を管理することは、製品の品質を
保ち生産するのに極めて重要なファクターです。
温度で試料が安定していることです。試料の分解は避
けなければなりません。少なくとも分解物が KF 反応
に影響を及ぼさないようにします。
(例えば、水を生
成させないようにする、など)
滴 定
多くの場合、調査対象物質の水分は僅かですので、気
化装置を電量滴定用水分計や容量滴定用水分計に繋
いで用います。試料量は試料中の水分量や水分計の
種類によって決まります。500 µg ~ 3000 µg の水分
カールフィッシャー(KF)滴定はポリマーやプラスチッ 量の範囲では電量滴定法をお勧めします。1 mg ~
ク中の水分測定に適した方法です。しかし KF 滴定の 10 mg の水分量であれば容量滴定法をお勧めします。
標準操作法は場合によって変更が必要です。例えば、 試料量が少なくなるほど標準偏差は大きくなります。
試料の溶解性は溶解剤としてさまざまな溶媒の追加 また、試料量が多い場合には、配管に水分が凝縮する
や加温して滴定することで促進させることが可能で ことがあります。
す。不溶性の試料には、水分気化法(KF オーブン)
を用います。万一、試料が全く溶解せず加熱処理が行 ポリマーやプラスチック試料中の水分測定
なえない場合は、適した溶剤を用いて試料から水分を 多くのポリマーは溶解性に乏しいので、主に KF オー
外部へ抽出する方法を選択します。
ブンを用いて測定されていますが、対象試料毎に温度
を最適化しなければなりません。あるプラスチック粉
末は容易に水を放出し、完溶しない状態(浮遊)で滴
不溶性試料のための水分気化法(KF オーブン)
(なるべく加温を推奨)また、ある試料
ある種の試料は KF 滴定溶剤に不溶で、直接滴定に適 定されます。
さず、高温で水のみを放出します。また別の試料では はラボ用ミルを用いて粉砕します。または、ホモジナ
KF 試薬の成分であるヨウ素やメタノールと副反応を イザーを滴定フラスコ内に取り付けて用いることも可
起こし、誤った測定結果となる場合があります。代表 能です。特定のプラスチックはクロロホルム、ホルム
的な例はプラスチック、添加剤入りオイル及び多くの アミド、N- メチルピロリドンやケトン類に可溶です。
無機塩類が挙げられます。これらの正確な水分測定に これらの対象試料が KF 滴定でよく用いられるアル
は間接滴定法を推奨します。試料中の水は 50˚C ~ コールを用いる事で問題が無ければ、容量滴定で測定
300˚C で放出され、乾燥した不活性ガスで滴定セルへ 可能です。
送り込まれます。この手法の重要な条件は、設定した
sigma-aldrich.com/hydranal
11
測定試料
推奨法
KF-Oven を用いた測定
ABS 共重合体(アクリロニトリル - ブタジエン - スチレン重合体)
(L313)
プラスチックフィルム(ポリアミド + エチレンビニルアルコール)
(L526)
ポリアミド 66(L167)
ポリエチレン粒状(L193)
ポリエチレンテレフタラート
ポリプロピレン(L194)
ポリウレタン粒状(L303)
可塑化 PVC(L204)
KF 標準手順による測定
メタクリル酸メチル
ポロキサマー(L521)
ポリエーテルポリオール(L377)
溶解剤添加による測定
容量滴定法 メタノールドライ + ホルミアミドドライ、40˚C に加温(L389)
容量滴定法 ワーキングミディアム K(L472)または水分気化法
エポキシ樹脂(ビスフェノール
A+ エピクロロヒドリン)+液状
シアン酸メチルアクリレート)
容量滴定法 リポソルバー CM または ソルベント CM(L466)
シアン酸メチルアクリレート(液
体)
容量滴定法 ワーキングミディアム K + サリチル酸(L420)
フェノール - 尿素 - ホルムアルデ
ヒド凝縮油
容量滴定法 メタノールドライ または ソルベント + ホルムアミドドライ、50˚C に加温(L130)
ポリアクリルアミド共重合体
容量滴定法 メタノールドライ + ホルミアミドドライ、50˚C に加温(L389)
ポリカーボネート
容量滴定法 ワーキングミディアム K + トリクロロエチレン(L129)または水分気化法(L127)
ポリカーボネートジオール
容量滴定法 リポソルバー CM または ソルベント CM、電量滴定法:クーロマットオイル(L533)
ポリイソブチレン 900
容量滴定法 ワーキングミディアム K(L002)、電量滴定法 滴定前にキシレン添加
Table 1 各ポリマーやプラスチック試料における推奨法(試薬は Table 3 参照)
。
詳細情報は Table に示された各アプリケーションレ
ポート(番号 L***)をご参照ください。
シグマアルドリッチでは 650 を超えるアプリケーショ
ンレポートを用意しております。製品やアプリケー
ションの一覧は以下の弊社ウェブサイトからご確認
いただけます。アプリケーションレポートの PDF を
ご希望の場合には、弊社([email protected])まで
お 知 ら せ 下 さ い。http://www.sigmaaldrich.com/
japan/analytical-chromatography/analyticalreagents/hydranal.html
HYDRANAL® 製品やカールフィッシャーに関する
アプリケーションのお問合せ先
技術的なサポート
アナリティカル & ケミストリー事業部
TEL : 03-5796-7350
FAX : 03-5796-7355
E-mail : [email protected]
在庫照会/ご注文方法
カスタマーサービス
TEL : 03-5796-7320
FAX : 03-5796-7325
シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社
〒 140-0002
東京都品川区東品川 2-2-24
天王洲セントラルタワー 4F
(12ページに続く)
sigma-aldrich.com/hydranal
滴 定
アクリルアミド共重合体
クロスポビドン(吸着剤)
12
Compound name
Report No.
Caprolactam
L238
Caprolactone
L410
Chewing gum
L308
Cold seal cover
L423
Cyanoacrylate adhesives
L118
Epoxy Styrol – Varnish
L323
Organic plastic
L401
Olefin copolymer in mineral oil
L185
滴 定
Plastics with the Karl Fischer oven
L328
PLGA, mixture of Poly-lactate, gluconic acid and
starch
L475
Polyacrylate (liquid) with sodium silicate
L253
Polyacrylic acid
L266
Polyacrylic acid
L314
Polyamide
L126
Polyamide dissolved in NMP, Xylene and
Cyclohexanol
L226
Polybutene
L188
Polycarbonate
L127
Polyelectrolyte, high molecular I (PLEX 5372 E)
L257
Polyelectrolyte, high molecular II (PLEX 5477 E)
L256
Polyester film
L125
電量滴定用
Polyester Resin LP 24/23 for the Lime Industry
L239
34739
Polyethylene cross-linked
L128
クーロマット AG-Oven(水分気化装置を使用する
際、陽極液の蒸散を低減します)
Polyethylene cross-linked
L640
34868
Polyethylene glycol-based Grease with additives
L477
クーロマットオイル(油類サンプルの溶解性が最
も優れた陽極液。原油にも使用可能。)
Polyethylene imine
L522
34840
クーロマット CG(陰極液)
CAT. NO. 製品名
容量滴定用
34805
コンポジット 5(力価 5)
(一液型)
34741
メタノールドライ(一液型)
37817
メタノールラピッド(一液型)
37855
リポソルバー CM
(一液型、油類サンプルの脱水溶剤)
34801
タイトラント 5(力価 5)
(二液型)
34800
ソルベント(二液型)
34812
ソルベント CM(二液型 油類サンプルの溶解性を
高めるためクロロホルムを含んでいます。)
Polymer comprising maleic and acrylic acid
L199
水・標準品(KF 滴定用)
Polymers, various (epoxy powder, polyamide 6,
polyamide 66, polybutadiene terephthalate)
L174
34849
水・標準品 10.0(力価 10)
〔10 mg/g = 1% H2O〕
34828
水・標準品 1.00(力価 1.0)
〔1 mg/1 g = 0.1% H2O〕
Polypropylene filled
L181
Polyurethane – chlorinated
L124
Polyurethane component A for adhesives
L119
Polyvinyl alcohol
L490
Polyvinylacetate-based dispersion
L278
Rubber, vulcanized
L176
Thiokol
L245
Table 2 ポリマーやプラスチックに関するアプリケーションレ
ポート
sigma-aldrich.com/hydranal
34847
水・標準品 0.10(力価 0.1)
〔0.1 mg/1 g = 0.01% H2O〕
Table 3 HYDRANAL® 製品のご紹介(Fluka®)
13
単元素標準溶液(10 g/L)
Matthias Nold, Product Manager, Analytical Standards [email protected]
Jürg Wüthrich, Senior Scientist, R&D Europe [email protected]
TraceCERT®(Fluka®)は、ISO/IEC 17025 および ISO Guide 34 [1,2]
に基づき開発・生産されている最高品質を誇る認証標準物質
(CRMs)です。その生産では、高純度の出発原料を使用していま
す。TraceCERT 認証標準物質は、
少なくとも二つの国際標準
(NIST、
BAM、SI unit kg など)にトレーサブルであり、不確かさ、有効
期限、保存および取り扱い方法を記載した認証書を添えて提供し
ています。
Element (10 g/L) Composition
CAT. NO.
容量
Antimony
91482-100ML
100 mL
Cesium
79261-100ML
100 mL
Chromium
93104-100ML
100 mL
Cobalt
01488-100ML
100 mL
Germanium
73439-100ML
100 mL
Lead
39082-100ML
100 mL
Palladium
50719-100ML
100 mL
AAS 用の製品と同様、1 g/L 濃度の ICP 用単元素認証標準物質の
Tin
42991-100ML
製品も 50 種類以上揃えており、また継続的に開発されています。
Titanium
44973-100ML
本誌バックナンバー [3] では、一般に広く用いられる濃度 10 g/L
Tungsten
50938-100ML
ICP 用単成分スタンダードをご紹介いたしました。今回は、さら
Yttrium
02312-100ML
に新しく加わった 12 種類の製品をご紹介いたします(Table 参
Zirconium
51971-100ML
照)
。この製品は濃度 1 g/L の ICP 用溶液の製品と同様、100 mL
の HDPE ボトルを使用し、アルミニウム製の袋で密封されていま
Table ICP 用単元素認証標準物質 新製品一覧
す。この製品には、70 種類以上の微量不純物をリストアップし
た認証書が添付されています。
References:
100 mL
100 mL
100 mL
100 mL
100 mL
[1] TraceCERT Traceable Reference Materials : Analytix Issue 5, 2006 および
Analytix Issue 4, 2007(英語版)
TraceCERT の製品リストや無機 TraceCERT 製品に関する情報は、
[2] ダブル認定の新しい認証標準物質 : Analytix Issue 1, 2・2008 合併号
弊社のウェブサイトからご覧下さい。
[3] 新ICP用 10 g/L TraceCERT単元素スタンダード : Analytix Issue 1, 2・2010 合併号
無機分析
無機カスタムスタンダード
Inorganic Custom Standards
TraceCERT は、AAS、ICP、および IC 用の最高品
TraceCERT カスタムスタンダードは、
• ISO/IEC 17025 と ISO Guide 34 のダブル認定に
質で多成分スタンダードを製造するカスタム
基づく認証書
サービスも提供しています。
• 高度なレベルの精度と信頼性
• 最小限に抑えた不確かさとロットスペック値
®
•
つの独立したリファレンスにトレー
For all TraceCERT最低限
Custom2Standards
we guarantee:
TraceCERT standards for AAS, ICP and IC are
サブル(NIST、SI unit kg)
Certified Reference Materials fulfilling the highestquality standards.* Now we can also offer you a
• Certification under
following
• ISOdouble
Guideaccreditation
31 に従って作成した認証書
custom service where you can define your own multiISO/IEC 17025•and
ISO4 Guide
34
最大
年間保存可能
component standards at the same high quality, using
• Highest level of accuracy and reliability
our NEW Inorganic Custom Standards Online Platform:
• Minimised uncertainties and lot specific values
お問い合わせは アナリティカル & ケミストリー事業部まで!
• Traceability to at least two independent references
(i.e. NIST, BAM or SI unit kg)
www.sigma-aldrich.com/csp
• Printed certificate according to ISO Guide 31
• Light- and gas-tight aluminium foil bag packaging
allowing up to four years' shelf life
An Interactive
Online Platform
質の認証スタンダードです。私たちは同様の品
sigma-aldrich.com/csp
With a few simple mouse clicks you can define
sigma-aldrich.com/tracecert
the standard you need choosing between element
standard and ion standard, defining matrix, analytes
14
幅広いイオンクロマトグラフィー用製品
シグマ アルドリッチが提供する IC 分析用 高純度水、濃縮溶離液、バリデーションキット、
認証標準物質
Jürg Wüthrich, Senior Scientist R&D Europe [email protected]
イオンクロマトグラフィー(IC)は、水溶液中に非常
に低いレベルで存在する一般的な陰イオン(フッ化物、
塩化物、亜硝酸、硝酸、硫酸)や陽イオン(アンモニ
ア、アルカリ)
、アルカリ土類金属イオンなどの分離
や定量を行うための分析技術です。イオン交換樹脂と
のイオン交換能(選択係数)の差で分離します。低い
濃度(ppm)の定量や微量分析を実現する高感度な
IC には、高純度の溶離液や精度の高い標準物質が必
要となります。
分析化学業界で高品質な製品を提供するシグマ アル
ドリッチでは、高感度なイオン分析に適した標準試薬、
溶離液、水などの生産における経験があります。分析
者の時間を短縮し、より高感度で再現性の高い IC 分
析のために設計された IC 用の TraceCERT® 認証標準物
質や調整し認証された濃縮溶離液は、快適な時間とコ
スト削減を実現します。
無機分析
独創的な IC スタンダード
TraceCERT 認証標準物質は、ISO/IEC 17025(試験所及
び 校 正 機 関 の 能 力に関 す る 一 般 要 求 事 項 )と ISO
Guide 34(標準物質生産者の能力に関する一般要求事
項)のダブルの認定を受けた施設で製造しています。
認証値は SI unit kg に直接トレーサブルであり、米国
標準技術研究所(NIST)の認証標準物質を用いて含有
量の測定を行っています。認証書には、ロット毎に認
証値、不確かさ、有効期限そして保管方法などの情報
が記載されており、弊社のウェブサイトで製品番号と
ロット番号を入力することにより取得することが可能
です。TraceCERT の製品リストは弊社のホームページ
でご確認下さい。
Parameter
Specification
アニオン
-
-
-
-
-
-
3-
2-
Br , Cl , F , I , NO3 , NO2 , PO4 , SO4
≦ 1 µg/kg each
金属およびカチオン
Al, Ba, Bi, Cd, Co, Cr, Cu, Fe, Li, Mg,
Mn, Mo, Ni, Pb, Sr, Zn
≦ 5 µg/kg each
Ca, K, Na
≦ 10 µg/kg each
+
NH4
≦ 50 µg/kg each
有機イオン
Acetate, formate, glycolate, oxalate
≦ 10 µg/kg each
Conductivity
≦ 2 µS/cm
Table 1 IC グレード用 水の規格(Fluka® CAT. NO. 00612、容量
サイズ 2.5 L、5 L)
sigma-aldrich.com/ic
Figure 1 認証書の例(Fluka CAT. NO. 36486-1L)
認証されたトレーサブルな濃縮溶離液
弊社の調製溶液(濃縮溶離液)は NIST の SRM にトレー
サブルで、ISO Guide 31 に基づき電量滴定法で認証さ
れています。例えば、Figure 1 に示す認証書には、正
確な濃度、不確かさ、トレーサビリティ、有効期限が
記載されています。この認証書は弊社のウェブサイト
から入手することが可能です。
イオンクロマトグラフィー用の高純度水
イオンクロマトグラフィーの移動相に使用される水は
アニオン(陽イオン)やカチオン(陰イオン)が
ppm ~ ppb、時には ppt レベル以下の濃度であること
が重要です。この要求事項に対応するため、弊社では
高感度な IC 用に特別な品質グレードの水を開発しま
した。最新鋭の精製技術と高感度な分析技術の下で
製造された IC グレード用の水はアニオン、カチオン、
有機化合物の微量分析に適しています。弊社の IC グ
レードの規格の一部を Table 1 に示します。長期間品
質を保つために、長期間の保存試験(Figure 2 参照)
で証明された特殊な容器で供給されています。
15
CAT. NO.
Brand
製品名
容量 *
50439-1L
Fluka®
Perchloric Acid concentrate for IC, 0.01 M in water
1L
36486-1L
Fluka
Sodium Bicarbonate concentrate for IC, 0.1 M in water
1L
56169-1L
Fluka
Sodium Carbonate concentrate for IC, 0.1 M in water
1L
43617-1L
Fluka
Sodium Hydroxide concentrate for IC, 0.1 M in water
1L
50972-1L
Fluka
2,6-Pyridinedicarboxylic Acid concentrate for IC, 0.02 M in water
1L
68487-1L
Fluka
Oxalic Acid concentrate for IC, 0.1 M in water
1L
16355-1L
Fluka
Nitric Acid concentrate for IC, 0.1 M in water
1L
68279-1L
Fluka
Sulfuric Acid concentrate for IC, 0.1 M in water
1L
50433-1L
Fluka
DL-Tartaric Acid concentrate for IC, 0.1 M in water
1L
61699-1L
Fluka
Potassium Hydroxide concentrate for IC, 0.1 M in water
1L
55517-1L
Fluka
Methanesulphonic Acid concentrate for IC, 0.1 M in water
1L
Product Table シグマ アルドリッチの認証濃縮溶離液
* 容器:1 L 高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル(45 mm ねじ口)
評価のためのトレーサブルな認証標準物質
弊社はイオンクロマトグラフィーシステムを評価する
の に 有 用 な テ ス ト キ ッ ト(CAT. NO. 12674 ; 5 ~
1000 mg/kg の 6 種類の臭化物標準溶液)を開発しま
した。このキットは直線性、注入精度、インジェクター
キャリーオーバーを試験するのに有用です。また、メ
トローム社の "IC 用 IQ/OQ キット"(プロフェッショ
ナル IC システムのバリデーション用)の一部にも使
用されています。キットの利点は臭化物スタンダード
が電気化学的な検出法である伝導計や可視・紫外分
光法にも使用可能であることです。
純度は高精度な測定で確認されており、更に認証値の
精度や化合物の正しい化学量論を明記しています。弊
社はこれらの一次標準物質を用いて、PRIMUS スタン
ダード溶液を重量測定により製造、クリーンルーム下
で 50 mL HDPE ボトルに充填しています。
PRIMS スタンダード溶液は SI にトレーサブル、他に類
を見ない拡張不確かさ(<0.2%)が特徴の 1 次標準
物質です。この多元素標準試薬はそれぞれ 10 mg/kg
の臭素イオン、塩化物イオン、フッ素イオン、硝酸イ
オン、リン酸イオン、硫酸イオン、
(アニオン溶液、
CAT. NO. 89886)または、カルシウムイオン、リチウ
ムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、ナ
トリウムイオン(カチオン 溶液、CAT. NO. 89316)で
す。
マルチイオン一次標準試薬(PRIMUS)
2 つの計量機関 - スイス連邦工業研究所(EMPA、ス
イス)とドイツ連邦工業研究所(BAM、ドイツ)は共
同で 1 物質につき、85 以上に及ぶ規格項目を認証し
た 1 次標準物質のセットを供給しています。
4
2
70
r2201527
r2221327
The peaks are: (3) acetate, (1) fluoride,
(5) chloride, (7) nitrite, (8) bromide,
(9) nitrate, (10) phosphate, (11) sulphate,
(13) iodide (1 µg/kg each); (4) formate,
(2) glycolate, (12) oxalate (10 µg/kg each);
(6) system peak from carbonate eluent
65
60
55
50
1
45
40
12
35
6
3
30
7
25
5
20
15
9
8
11
10
10
13
5
4
6
8
10
12
14
16
18
20
22
24
26
28
30
32
34
36 min
Figure 2 IC グレード水(Fluka CAT. NO. 00612)の長期間(4 ヶ月)における品質データ。2.5L HDPE ボトルの溶出試験のアニオン
のクロマトグラム。黒線はアニオンと有機物の規格限界濃度を示しています。
sigma-aldrich.com/ic
無機分析
mV
75
更に詳しい技術情報や製品規格は sigma-aldrich.com/
ic をご覧下さい。
16
GC ヘッドスペース アプリケーション用高純度溶媒
GC ヘッドスペース用 N,N- ジメチルアセトアミド 2 製品の比較
Shyam Verma [email protected]
寄稿
pA
本稿は、シグマ アルドリッチの製品を使用し、外部の協力
を得て作成されました。
技術的な内容は、次の方々によって作成・提供されました。
Melissa Grella, PhD and Mark Shapiro
PharmaCore, Inc. High Point, NC
はじめに
一般的に医薬品中の残留溶媒には、GC ヘッドスペース分析がよ
く用いられます。ICH ガイドラインによるクラス 3 溶媒には許容
限度の設定がないため、レスポンスは大きめに検出されベースラ
イン程度の干渉は許容されます。しかし、分析対象種がジメチル
ホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタンなどといったクラ
ス 2 溶媒やクラス 1 溶媒であるときには、ベースライン程度のい
かなるピークも分析的に問題となります。これらの理由から、ク
ロマトグラフィーに携わる多くの人が、GC ヘッドスペース残留
溶媒メソッドで開発、確認するために最も純度の高い希釈溶剤を
使用する傾向があります。GC ヘッドスペース残留溶媒分析用途
で最も汎用される希釈溶剤の一つに、N,N- ジメチルアセトアミド
(DMA)があります。私たちは、Fluka® CAT. NO. 44901(GCHS グ
レード)と他社製品の高純度 DMA の比較を試みました。
Column
DB-624, 30 m, 0.25 mm I.D., 1.4 µm film thickness
Oven
Initial
Temp (˚C)
Inlet
Rate
(˚C/min)
Hold
Time
Total
Time (min)
35
---
35
6.00
---
35
5.00
150
0.00
29.00
35
---
35
3.00
---
クロマト
グラフィー
Mode:
Split
Split Flow:
10.0 mL/min
Split Ratio:
6.5:1
Total Flow:
14.2 mL/min
Inlet/Column Pressure:
16 psi
Temperature:
250 ˚C
Run Time:
29.00 min.
Carrier Gas:
Helium
Headspace
Oven Temperature:
Autosampler Equilibration Time:
Detector
Final
Temp (˚C)
90 ˚C
A = Aldrich®/Fluka #44901
B = Other High-Quality DMA
80
60
DMA
40
A
A
20 A
B
B
B
0
0 5 10 1520 25
min.
Figure 1 DMA 2 製品のクロマトグラム
実験
この実験は、左表のクロマトグラフィー条件で行われました。各
DMA で 3 回の測定を行いました。
結果
Figure 1 のクロマトグラムは、Fluka CAT. NO. 44901 DMA の優れ
た品質を顕著に表しています。他方の高品質 DMA は、対象とな
る 残 留 溶 媒 の ピ ー ク に 干 渉 す る い く つ か の ピ ー ク(RT ca.
3.5 min.、4.4 min.、5.4 min.、8.0 min.、9.8 min.)が現れています。
考察
私たちの研究所は、GC ヘッドスペース残留溶媒メソッドの開発・
確認時や日常行われる研究に、DMA がサンプル希釈剤として適
している場合、Fluka CAT. NO. 44901 DMA を使用することにしま
した。
Featured Products
製品名
容量
CAT. NO.
N,N-Dimethylacetamide
1L
44901-1L
Related Products
25 min. – low shake speed
製品名
容量
CAT. NO.
Loop Temperature:
130 ˚C
Cyclohexanone
1L
68809-1L
Transfer Line
Temperature:
155 ˚C
1,3-Dimethyl-2-imidizolidinone
100 mL
67484-100ML
Dimethyl sulfoxide
1L
51779-1L
GC Cycle Time:
35 min.
1-Methyl-2-pyrrolidinone
11 L
69337-1L
Injection Time:
1.0 min.
N,N-Dimethylformamide
1L
51781-1L
Injection Volume:
1.0 mL
Pressurization Time:
0.2 min.
Water
1L
53463-1L
Vial Pressure:
14 psi
Loop Fill Time:
0.2 min.
Loop Equilibration Time:
0.05 min.
Type:
FID
Temperature:
300 ˚C
sigma-aldrich.com/gc-hs
17
LC/MS 用誘導体化試薬:ESI-MS でのエストラジオールの検出改善
Rudolf Köhling, Senior Scientist, LC/MS Applications [email protected]
ステロイドホルモンはコレステロールの派生物であ に検出限界を著しく高めることはできません。ダンシ
り、遺伝子発現を直接制御することができるため、多 ルクロリド(Dansyl chloride)は最も一般的な誘導体
くの生体で重要な役割を果たします。17β- エストラ 化試薬であり、E2、テストステロン、その他の派生物
ジオール(E2)は、女性の第 2 次性徴の促進および機 に対して選択的かつ定量的に反応します [3–4]。しか
能を制御します。血中濃度が高いと、排卵や妊娠を引 しながら、APCI や APPI イオン源での検出は制限され、
き起こす制限因子の生成を抑制します。E2 やその派 ドーパントの使用や APCI イオン源の感度の低さなど
生物(例えば、エチニルエストラジオール)は、一般 の欠点に起因します
(Figure 1)
。MS/MS スペクトルは、
に用いられている多くの避妊薬に配合されています 多数のフラグメントと定量イオンに対する低い感度を
が、廃水中でエストラジオールおよびその代謝物質の 生じます。
濃度が増加した場合、どの程度の環境影響があるかは
把握されていません [1–2]。E2 やその他のステロイド ESI イオン源において、より高感度で用途の広い誘導
ホルモンは通常マトリックス中に存在しており、分離 体化試薬は 4-(ジメチルアミノ)ベンゾイルクロリド
DMABC)
です。DMABC は、
が困難であるため、医学臨床検査研究所や環境衛生 (Fluka® CAT. NO. 67954-1G、
研究所は、最も高感度な分析法の開発に極めて高い アセトンに溶解して乾固させた抽出試料の残渣上に添
加することが可能です。pH 調整は不要ですが、無水
関心を持っています。
反応溶媒が必要です。純度の高い DMABC は、55 ~
E2 は非極性化合物であり、ESI ではほとんど検出でき 60˚C の穏やかな温度条件で、高い溶解性と選択的で
ません。幸い、E2 はジクロロメタンやアセトンのよう 定量的な反応(5 min.)を示します。過剰の DMABC
な溶媒で非常に効率的に抽出することができます。さ と副生成物は、一般的な逆相 HPLC カラムを使用して
らに、この抽出作業により、アルカリ塩に代表される 目的の誘導体化物と分離して低濃度まで検出すること
イオン化抑制などのマトリックスによる悪影響を低減 が可能です(Figure 3)
。
します。一方、誘導体化によるイオン化基の導入なし
Intens.
x10 4
2.5
+MS2(506.230), 1.7-1.9min #(259-276)
171.102
200
150
2.0
100
203.095
50
234.067
0
1.5
200
300
354.753
398.151
423.152
400
473.154
500
600
700
m/z
1.0
0.5
1
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
1.0
Time [min]
Figure 1 55 pg の E2 ダンシル誘導体化物の分離と検出(EIC, 黒線のピーク No.1)
。短いプレカラム(Supelco® CAT. NO. 53822-U、
Ascentis® Express C18, 2.7 µm, 2.1 x 50 mm)のみで、過剰の誘導体化試薬と副生成物(赤線)を分析対象物から分離しています。
挿入図は、[M+H]+=506.230 Da(APCI+)の MS/MS スペクトルを示します。
(18ページに続く)
sigma-aldrich.com/derivatization
クロマト
グラフィー
100
301.072
277.106
18
OH
OH
O
Cl
O
+
N
O
HO
N
4-(Dimethylamino)-benzoylchloride
(DMABC)
Chemical Formula: C27H33NO3
Exact Mass: 419.2460
m/z: 419.2460 (100.0%), 420.2494 (29.2%), 421.2528 (4.1%)
β-Estradiol
(E₂)
Figure 2 E2 と DMABC の誘導体化反応。高濃度である E2 5 ppm では、DMABC の 0.2%(相対面積比)がフェノール性水酸基と反応
します(2:1 付加化合物)
。E2 5 ppb 濃度では、2:1 付加化合物は検出限界未満です。
過剰の誘導体化試薬、副生成物
Intens.
x10 5
1.50
DMAB Estradiol Deriv 006.d: BPC 48.9956-2285.9523 +All MS
1.25
1.00
0.75
0.50
0.25
0.00
Intens.
x10 4
DMAB Estradiol Deriv 006.d: EIC 420.2551±0.005 +All MS
1
Intens. 1.
5000
+MS2(420.0000), 3.0-3.3min #(235-252)
376.6544
2.0
4000
1.5
3000
1.0
2000
367.6494
388.1617
397.1677
1000
0.5
406.1734
0
0.0
1
2
260
3
280
300
320
340
360
4
380
400
5
420
m/z
6 Time [min]
Figure 3 5 pg の DMAB-E2 誘導体化物質を UHPLC システムに注入して Ascentis® Express C18 2.7 µm, 2.1 x 50 mm カラム(Supelco®
CAT. NO. 53822-U)を用いて分離させたクロマトグラム。移動相条件は、水 / ギ酸 / アセトニトリル(30/0.01/70)
、流速 0.4 mL/
min。MS/MS スペクトル(挿入図)は 4 本の主ピークのみを示し、トリプル四重極型質量分析計を使用する定量と同定に理想的です。
クロマト
グラフィー
References
[1] Birkett J.W. and Lester J.N. (eds.), 2003: Endocrine disrupters in
wastewater and sludge treatment processes, CRC Press.
[2]Metzler M. (ed.), 2001: The handbook of environmental
chemistry: Endocrine Disrupters, Vol. 3, Part 1, Springer Verlag,
Heidelberg.
[3]Nelson R.E., Grebe S.K., O’Kane D.J. and Singh, R.J., 2004:
Clinical Chemistry 50, pp 373–384.
[4] Zhang F. et al,, 2009: Rapid Communications in ;ass Spectrometry
23, pp 3637–364.
製品名
4(ジメチルアミノ)ベンゾイルクロリド
(DMABC)
Ascentis Express C18 HPLC column
2.7 µm particle size, 2.1 x 50 mm
sigma-aldrich.com/derivatization
CAT. NO.
67954-1G
53822-U
19
RTC がシグマ アルドリッチに仲間入り
• 検定試験 & 品質管理用 標準品
• マトリックス認証標準品
• Microbiology 用標準品
• キャリブレーション用標準品
• EP・USP・NIST 標準品
RTC は下記のライセンスや認定を
取得しています。
• A2LA accredited Proficiency Test Provider(cert# 2122.01)
• ACLASS accredited ISO/IEC 17025:2005 Testing Laboratory(cert# AT-1467)
• ACLASS accredited ISO Guide 34:2009 Reference Material Producer(cert# AR-1470)
• ACLASS accredited ISO/IEC 17043:2010 Proficiency Testing Provider(cert# AP-1469)
• ISO 9001:2000 Registered Company
• EPA I.D. Number WYD988870218
RTC 製品に関するお問合せは ・・・
シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社
アナリティカル & ケミストリー事業部
TEL:03-5796-7350 FAX:03-5796-7355 まで
E-mail:[email protected]
sigma-aldrich.com/drugstandards
20
New 植物性医薬品の分析用一次標準物質
Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected]
2010 年に、シグマ アルドリッチは植物性医薬品にお
ける品質管理用の一次標準物質についてご紹介いた
し ま し た。 こ れ ら の ス タ ン ダ ー ド は、 ド イ ツ の
Ruelzheim にある HWI ANALYTIK で製造・保証してお
り、シグマ アルドリッチが独占供給しています [1]。
これらの標準物質の絶対的な含有量測定(純度)には
定量 NMR 技術(qNMR)が用いられています [2]。こ
れに加え、クロマトグラフィーによる純度測定も行わ
れます。今回は、以前にご紹介した 23 種類のスタン
ダードに新たに加わった 8 つの製品をご紹介いたしま
す。
GMP の環境で医薬品分析に使用される標準物質は、
植物薬製品の工程管理、ロット毎の試験、安定性試験
および最終製品の定性および定量分析のための標準
物質です。植物性医薬品と中間製品の品質管理や安
定性試験に関わる、全ての分析対象物(治療活性、有
効成分、分析マーカーなど)のための標準物質を確立
する必要があります。
スタンダード
天然化合物の含有量は一般に、100% からクロマトグ
ラフィーによる残留溶媒、水、無機不純物の純度を差
し引く方法が主に用いられます。しかし、クロマトグ
ラフィー測定に適するのは、一定の純度を満たす
(>99.5%)標準物質のみです。天然化合物の合成は
非常に難しく、植物薬の標準物質に使用される物質は
通常、天然物から分離されています。しかし、99.5%
を超える純度は、天然物の単離では容易に達成されま
せん。また、製造時における分離や精製は分取クロマ
トグラフィーで行われます。従って、成分の証明と認
証という枠組みにおける純度の決定に、同じ技術が適
用される可能性が高くなります。このような手法の重
複では、精製過程で分離することができなかった不純
物が含まれているかもしれないというリスクを生じま
す。その結果、天然物から分離された標準物質は適切
なガイドラインに従い、これが満たされた時にかぎり
sigma-aldrich.com/phytopharma
認証されます。
この問題は、SI units に直接トレーサブルであり、よ
り高い計量技術が保証される " 相対 " メソッドを使用
することで回避することができます。このメソッドは、
医薬品リファレンススタンダードとして使用される植
物由来製品の成分表示に採用されています。最も効果
的なメソッドは、定量 NMR(本誌 P23 参照)であり、
HWI Analytik で生産される 1 次標準物質にも適用され
ています。
以下のリストには、新しく追加された製品が記載され
ています。植物性医薬品用一次標準物質の全製品リス
トは、弊社のウェブサイトをご覧下さい。植物由来の
医薬品成分の分析用標準試薬は、アルファベット順だ
けでなく、物質名や薬用植物の属名からも検索が可能
です。
CAT. NO.
Brand
製品名
容量
00130590-100MG
Fluka®
trans-Anethol
100 mg
00720585-10MG
Fluka
Apigenin-7-glucoside
10 mg
00020590-100MG
Fluka
1,8-Cineol
(Eucalyptol)
100 mg
00380590-100MG
Fluka
(+)-Fenchon
100 mg
00580590-100MG
Fluka
(-)-Menthol
100 mg
00040590-100MG
Fluka
α-Pinene
100 mg
00670590-100MG
Fluka
Thymol
100 mg
00820580-10MG
Fluka
Verbascoside
10 mg
Table 1 HWI Analytik の一次標準物質
References:
[1] Förster G, Michel F. and Nold, M, Analytix Issue 1, 2・2010 合併号
P.7
[2]Veith, M., 2010: Analytix Issue 1, 2・2010 合併号 P.10
21
New 植物性医薬品分析用標準試薬
シグマ アルドリッチでは植物由来の医薬品中の有効
成分および指標成分の分析用標準試薬や一次標準物
質の製品ラインアップを大幅に拡大しました。新しく
追加された製品を以下のリストに示します。
また、弊社のウェブサイトからも新製品の情報をご覧
いただくことができます。アルファベット順だけでな
く、植物の属名や成分からも検索が可能です。
製品名
CAT. NO.
容量
製品名
CAT. NO.
容量
α-Acetylboswellic acid
56208-5MG
5 mg
β-Elemonic acid
00708-5MG
5 mg
β-Acetylboswellic acid
49873-5MG
5 mg
Eleutheroside B
90974-10MG
10 mg
3-O-Acetylboswellic acid (α+β)
96729-5MG
5 mg
Eleutheroside E
08198-10MG
10 mg
3-O-Acetyl-11-keto-β boswellic
acid
74607-5MG
5 mg
Emodin
30269-10MG
10 mg
(-) Epicatechin
68097-10MG
10 mg
Allantoin
93791-50MG
50 mg
(-) Epicatechin 3-gallate
78059-10MG
10 mg
(+) L-Alliin
72805-10MG
10 mg
(-) Epigallocatechin 3-gallate
93894-10MG
10 mg
Aloe Emodin
93938-10MG
10 mg
(-) Gallocatechin
01388-10MG
10 mg
Amentoflavone
18571-10MG
10 mg
Genistein
92136-10MG
10 mg
Andrograpanin
19443-5MG
10 mg
Genistin
73822-10MG
10 mg
Andrographolide
90281-5MG
10 mg
Ginkgolic acid C13:1
49962-10MG
10 mg
Arbutin
66468-50MG
50 mg
Ginkgolid B
94970-10MG
10 mg
Bacopasaponin C
76092-10MG
10 mg
Hesperidin
50162-10MG
10 mg
Bacopaside-II
44698-5MG
5 mg
trans-Isoferulic acid
05407-10MG
10 mg
Bacoside-A (Mixture)
76091-5MG
5 mg
42488-5MG
5 mg
Bacoside-A4
53889-5MG
5 mg
Jujubogenin isomer of
bacopasaponin C
Bacosine
69528-5MG
5 mg
11-Keto-β-boswellic acid
78535-5MG
5 mg
Benzyl benzoate
68183-1ML
1 mL
Lupeol
18692-10MG
10 mg
Bilobalide (-)
79593-10MG
10 mg
Luteolin
72511-10MG
10 mg
β-Boswellic acid
80342-5MG
5 mg
61384-50MG
50 mg
Boswellic acid (α+β)
63850-5MG
5 mg
trans-oMethoxy-zimtaldehyd
(trans-o)
Caftaric acid
88656-10MG
10 mg
2-Methyl-3-buten-2-ol
05392-1ML
1 mL
50 mg
Methyleugenol
04607-50MG
50 mg
50 mg
7-O-Methylwogonin
41442-5MG
10 mg
10 mg
Myricitrin
67268-10MG
10 mg
10 mg
Neoandrographolide
49879-5MG
10 mg
42515-10MG
10 mg
Carvacrol
Carveol
Casticin
Chicoric acid
42632-50MG
61370-50MG
16382-10MG
06957-10MG
01542-25MG
25 mg
Cinnamyl acetate
42759-1ML
1 mL
Oleuropein
92167-10MG
10 mg
50 mg
Oxybenzone
59647-50MG
50 mg
1 mL
Physcion
93893-10MG
10 mg
10 mg
Pyrogallol
06931-50MG
50 mg
10 mg
Salvianolic acid A
97599-10MG
10 mg
10 mg
Salvianolic acid B
49724-10MG
10 mg
10 mg
Schaftosid
42925-5MG
5 mg
10 mg
Scutellarin
73577-10MG
10 mg
10 mg
Sennosid C
73235-10MG
10 mg
5 mg
Sennosid D
16383-10MG
10 mg
Serratol
78689-5MG
10 mg
trans-Cinnamyl alcohol
R(+) Citronellal
Corilagin
Cryptotanshinone
Curcumin
Curcumol
Daidzein
Daidzin
14-Deoxy-11,12 -didehydro
Andrographolide
93066-50MG
72638-1ML
75251-10MG
80709-10MG
08511-10MG
36236-10MG
16587-10MG
42926-10MG
55549-5MG
sigma-aldrich.com/medicinalplants
スタンダード
Chrysophanol
Oleanolic acid
22
New 農薬代謝物標準物質
Matthias Nold, Product Manager Analytical Standards [email protected]
環境や食品中に残留している農薬を分析する際には、農薬そのものの有効成分だけでなく、それらの代謝物ま
で考慮する必要があります。
この度、ジメタクロル、スピロテトラマト、メトラクロルとその代謝物を新たに販売いたしました。シグマ ア
ルドリッチでは、これら代謝物のスタンダードを含む PESTANAL® シリーズ製品ラインの充実に努めています。
Dimethachlor and its Metabolites
O
O
Cl
OCH3
N
H3C
O
N
CH3
S ONa
O
O
CH3
45447
Dimethachlor
HO
OH O
CH3
O
OH
S
N
H3C
ONa
OH
O
CH3
H3C
32632
3.4 Metabolite CGA 373464
32497
3.3 Metabolite SYN 528702
32635
3.6 Metabolite SYN 530561
O
O
HO
O
CH3
CH3
CH3
OCH3
32713
Spirotetramat
NH
CH3
OH
CH3
HO CH3
NH
OH
O
O
OH
CH3
CH3
32484
Metabolite
BYI08330-cis-enol
O
HO
NH
O
N
H
CH3
OCH3
O
NH
H3C
O
OCH3
OCH3
OH
O
Spirotetramat and its Metabolites
CH3
OCH3
N
32485
Metabolite
BYI08330-cis-keto-hydroxy
OH
32486
Metabolite
BYI08330-mono-hydroxy
O
O
OCH3
OH
32487
Metabolite
BYI08330 enol-glucoside
Metolachlor and its Metabolites
CH3
CH3
O
Cl
HO
N
H3CO
CH3
O
CH3
CH3
36163
Metolachlor
N
O
HO
CH3
CH3
O
32637
Metabolite
CGA 357705
H
N
O
O
H3C
S ONa
O
CH3
H
N
O
CH3
CH3
H3C
CH3
O
OH
NaO3S
32645
Metabolite
CGA 37736
H3C
H
N
32646
Metabolite
NOA 413174
CH3
32648
Metabolite
CGA 50268
32650
Metabolite
CGA 50721
CAT. NO.
Brand
製品名
容量
45447
Fluka®
Dimethachlor
250 mg
100 mg
32632
Fluka
Dimethachlor 3.4 Metabolite CGA 373464
32635
Fluka
Dimethachlor 3.6 Metabolite SYN 530561
100 mg
32497
Fluka
Dimethachlor 3.3 Metabolite SYN 528702 Sodium
50 mg
32713
Fluka
Spirotetramat
100 mg
32484
Fluka
Spirotetramat Metabolite BYI08330-cis-enol
10 mg
32485
Fluka
Spirotetramat Metabolite BYI08330-cis-keto-hydroxy
10 mg
32486
Fluka
Spirotetramat Metabolite BYI08330-mono-hydroxy
10 mg
スタンダード
32487
Fluka
Spirotetramat Metabolite BYI08330 enol-glucoside
10 mg
36163
Fluka
Metolachlor
100 mg
32637
Fluka
S-Metolachlor 12.4 Metabolite CGA 357705
100 mg
32641
Fluka
S-Metolachlor 12.3 Metabolite CGA 368209
100 mg
32645
Fluka
S-Metolachlor 12.7 Metabolite CGA 37736
100 mg
32646
Fluka
S-Metolachlor 12.7 Metabolite NOA 413174
100 mg
32648
Fluka
S-Metolachlor 12.6 Metabolite CGA 50268
100 mg
32650
Fluka
S-Metolachlor 12.5 Metabolite CGA 50721
100 mg
Table ジメタクロル、スピロテトラマト、メトラクロルとその代謝物の分析用標準品(PESTANAL シリーズ)
sigma-aldrich.com/standards
O
O
CH3
CH3
CH3
O
32641
Metabolite
CGA 368209
OH
NH
N
NaO
O
OH
23
有機認証標準物質による信頼性の向上
Matthias Nold, Product Manager, Analytical Standards [email protected]
Alexander Rück, Senior Scientist, R&D Europe [email protected]
Christine Hellriegel, Senior Scientist, R&D Europe [email protected]
分析における測定の質を決定する要因はいくつかあり
ます。信頼性の高い分析メソッド、洗練された分析機
器や近代的な設備は、化学に関する専門的な知識や経
験に等しく重要です。しかし、これらすべてが充分に
満たされたとしても、分析における測定結果の信頼性
は、キャリブレーションに使用される標準物質の信頼
性に依存します。すなわち、分析結果の信頼性は、標
準物質の信頼性である、と言うこともできます。
使用する標準物質が、国際標準物質(NIST など)に
トレーサブルであるということは、高い信頼性や互換
性のある結果であることを示す非常に効果的な手段
です。しかし、有機分子の場合、トレーサブルな標準
物質を見つけることは容易なことではありません。殆
どの分析技術は同じ化合物の国際標準物質が利用可
能な場合に限りトレーサビリティが付与されるため、
流通している標準物質のほとんどは NIST トレーサブ
ルではありません。
結果が化学構造に依存しない、相対的な一次メソッド
を使用することにより、2 つの異なる化合物がトレー
サブルであると確証されます。この効果的かつ相対的
である一次メソッドが定量 1H-NMR(qNMR)です。
2010 年に、新しく有機認証標準物質として発売した
TraceCERT® シリーズ(CRMs)をご紹介いたしました
[1]。これらの認証標準物質(CRMs)は、高性能定量
NMR(qNMR)で含有量の定量を行い、NIST と SI に
直接トレーサブルです。また ISO/IEC 17025 および
ISO Guide 34 のダブル認定を受けた施設で認証してい
ます。
有機認証物質 TraceCERT には、以下のような特徴が
あります。
• 定量 NMR(qNMR)による認証値の表示
• 当社独自の計量精度とロット特有の値
• NIST トレーサブル
• ISO Guide 31 に従った認証書付き
一次メソッドである 1H 定量 NMR の利点は、プロトン
シグナルの積分が完全に化学構造から独立している
ということです。
そのため、NIST トレーサブルな少量の内部標準物質
のセットがあれば、基本的に検体溶液と内部標準物質
を測定することで、ほとんどの有機化合物について認
証することが可能となります。正確な既知の質量比
(MS/MS 比)により高精度な目的物質の定量が可能に
なります。一般的な不確かさは 0.5% から 0.1% 以下
です。
TraceCERT 新製品
シグマ アルドリッチは TraceCERT シリーズ有機認証
標準物質の製品の拡大を継続的に行っています。以前
の記事でご紹介した通り [1]、このシリーズは現在、
PAHs、脂肪酸 /FAME、残留農薬や医薬品など 60 種類
以上の製品を取り揃えております。
以下の Table に、最新の製品を記載いたします。弊社
のウェブサイトでは認証書のサンプルや技術的な文献
をはじめ、最新の製品リストをご覧頂くことが可能で
す。
CAT. NO.
Brand
製品名
容量
製品カテゴリー
90606-100MG
Fluka®
Methyl Heptadecanoate
100 mg
FA/FAME
94386-100MG
Fluka
Oleic acid
100 mg
FA/FAME
91827-50MG
Fluka
Biotin
50 mg
Natural Products
11474-100MG
Fluka
Fluoranthene
100 mg
PAH
05995-50MG
Fluka
Deltamethrin
50 mg
Pesticide
75451-50MG
Fluka
Benz[a]anthracene
50 mg
PAH
30958-50MG
Fluka
Benzo[b]fluoranthene
50 mg
PAH
Fluka
Benzo[k]fluoranthene
10 mg
PAH
Fluka
Benzo[a]pyrene
50 mg
PAH
68486-50MG
Fluka
Diazinon
50 mg
Pesticide
90935-50MG
Fluka
Atrazine
50 mg
Pesticide
Table TraceCERT® 有機認証標準物質(未希釈)
References:
[1] TraceCERT® 有機認証標準物質 Analytix Issue 5 2010, Issue 1 2011 合併号、 Analytix Issue 2, 3 ・ 2011 合併号
sigma-aldrich.com/organiccrm
スタンダード
03323-10MG
51968-50MG
Do you want reliable
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TraceCERT® 有機認証標準物質をお試し下さい!
• HPLC、GC、qNMR 用の製品です
• High-performance(高性能)quantitative NMR(HP-qNMR®)
による認証値を記載した認証書付
• 高度なレベルで測定された不確かさ、ロット毎の試験
• NIST にトレーサブル
• ISO/IEC 17025 および ISO Guide 34 に基づく製造、および
認証書
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US and other countries. FLUKA is a trademark of Sigma-Aldrich GmbH, registered in the US and other countries. SAFC brand products are sold through Sigma-Aldrich, Inc.
Purchaser must determine the suitability of the product(s) for their particular use. Additional terms and conditions may apply. Please see product information on the SigmaAldrich website at sigma-aldrich.com. Ascentis, HYDRANAL, PESTANAL and TraceCERT are registered trademarks of Sigma-Aldrich and Sigma-Aldrich Biotechnology, LP.
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