Comments
Description
Transcript
水循環再生指標調査マニュアル
水循環再生指標調査マニュアル なまえ 尾張地域 西三河地域 東三河地域 みずじゅんかんさい せ い ち い ききょう ぎ か い 水循環再生地域協議会 ●事務局● 愛知県環境部水地盤環境課 TEL 052-954-6220 FAX 052-961-4025 http://kankyojoho.pref.aichi.jp/mizujunkan/index.html じゅん か ん さ い せ い し ひょう 水循環再生指標について 調査の内容について は あく 水循環再生の取り組みには、現状の把握が不可欠となります。 「水循環再生指標」は、水質・水量・生態系・水辺といった水循環に関わる項目について、県民の 皆さんと行政が協働して調査を行い、 『森から海まで流域全体を視野に入れた』水循環の現状と その変化を経年的に把握し、今後の取り組みに役立てることを目的としています。 また、調査結果をわかり易く示すことで、多くの人が水循環再生への理解を深め、取り組みへの 参加の輪が広がることも期待されます。 「水循環再生指標」とは 水の汚れ、色、においなどの「水質」 水循環再生指標の調査(現地調査)は、添付の調査様式を使って行います。調査の種類及び調査 の持つ意味合いは以下の表のとおりです。 調査の名前 ご かん 水 の き れ い さ 五感による調査 調査の内容 調査のポイント 目や鼻を使って は あく 水質を把握する調査 ●安全できれいな水か ●不快感はないか R R パックテスト 市販のCODパックテストを 使う水質調査 ●いろいろな用途に 利用可能か の ほか 、水 深 、流 速 、水 の 流 れ の 変 化といった 流 れ の 様 子 や 湧 水 水質 五感による調査 の状況などの「 水量 」、生 物 の 種 目で見て水辺の状態を 把握する調査 類や数の「生態系」、水の透明感、 ごみ、水辺に近づきやすい環境か、 水 の 量 水辺が自然な状態かといった「水 辺の親しみやすさ」などの項目で 構成し、川や海などの健康状態を 水 循 環 の 視 点で総 合 的に判断す まきじゃく 水深測定 巻尺などを使って水深測定 流速測定 自作の浮きなどを使って 流れの速さを測る調査 水量 るための指標です。 生態系 水辺の 親しみ やすさ 五感による調査 生 態 系 五感による調査 水循環再生指標は次のことをめざして作成しています。 ●県民のみなさんにとってわかりやすいものであること。 ●県民のみなさんにできるだけ手軽に「水循環再生指標」の調査ができること。 ●継続的な調査が可能であること。 ●水循環再生の取組の効果が実感できる"ものさし"となること。 ●生活で活用している「水」と「環境の豊かさ」との関わりが実感できること。 ●水に関する興味や関心を高め、水の大切さや、水が関わる「環境の豊かさ」の"気付き"のきっか けとなること。 2 水生生物調査 水 辺 の よ う す 透視度測定 ヒアリング調査 目や耳を使って水辺の状態を 把握する調査 川底にすむ虫や貝などを 採取して、水質を判断 ●十分な水の流れが あるか ●生きものが生息 できるか ●たくさんの生きものが 見られるか ●生きものにとってすみ やすいか 目や耳、鼻を使って 水辺の状態を把握する調査 自作の透視度計を使って 水の透明度を測定 ●水辺が自然な感じか ●心地よいと感じるか ●水辺の利用ができるか 川の利用状況について 遊びに来ている人に聴取 3 準備するもの 現地調査の区間について 調査に行くときには次のものを用意しておこう。 ①調査を行う対象を決めましょう。 採水 身に付けるもの 調査対象:川、水路、湖や沼、ため池、海など ロープ付きバケツ 帽子 ひしゃく 水路 次の点に気をつけて調査を行いましょう。 タオル パックテスト ●河川の源流域、河口部などや、湖や沼、ため池、海では水 R よごれてもいい服 軍手 川 ※次に示す調査項目は、主に川を想定したものになっています。 パックテスト など 量に関する項目は使用しません。 ため池 ●生態系のうち、水質階級(水生生物調査)は河川・水路で 紙コップなどの容器 すべりにくいくつ のみ調査を行います。 ストップウォッチ または時計 温度計 湖沼 海 水深 調査時 鉛筆 時計 巻き尺 ロープ、おもり (橋などの上から水深を測る場合) 流速 ②調査を行う区間を設定しましょう。 安全に水辺に近づけ、見渡しのよい場所を選びましょう。 ご がん 水辺に近づける場所がない場合は、橋の上や護岸の上などの調査場所を設定しましょう。 記録用画板 調査票 ※調査項目の内、植生やごみ、水辺景観などの項目は、○○橋付近あるいは◎◎橋∼□□橋というように 水生生物 ピンセット ●この調査マニュアルか モニタリングハンドブック ●採取用道具 ペットボトルまたは浮き ストップウォッチ または時計 後で場所の特定をするのに便利です。)、歩いて移動することも考えて、無理のない範囲としましょう。 透視度測定 タモ網 調査を行う区間に、大きな支川の合流や護岸の状況の変化など、環境の条件が大きく変わるところを含 白いトレイ ルーペ 「ある程度広がりのある区間」で調査することを想定しています。 (目印となる橋や構造物などがあると、 透視度計(自作) (またはイチゴのパックなどの 底に、白い紙をはったもの) む場合は、調査区間を分割して調査票を作成しましょう。 川へ行ったら注意すること ひとりだけでの行動は やめよう。 次のようなときは、 川に入るのはやめよう。 3人から5人くらいで行動しよう。 川の水かさが、ひざより上のとき 川底が見えないとき 川の流れが速いとき 1人はだめ 川の流れが 速いとき 川の水が ひざより上の とき 川に入るときは、 次のことに気をつけよう。 ぬれても良いくつをはき、はだし はやめよう(空きかんやガラスビ ンが落ちている場合があります)。 急に深くなったり、川底はすべり やすいので注意して歩こう。 川の底が 見えないとき 6 7 調査票を提出する際には、調査地点のわかる地図を添付してください。 調査日時 グループ名 調べたことを記録しよう 午前 午後 年 月 日( ) 時 分 調査場所 川や川のまわりを観察しながら、調査票(p9・10)に記入しましょう。評価できない項目について 名 前 参加人数 は省略してもかまいません。 川の幅 人 ・ 天気 m ・ ①グループの名前、 自分の名前、 川の名前、 調査した場所の目印(橋など)などについて記入します。 ちょう さ こう もく ひょうてん ②それぞれの調査項目について、評点が5∼1段階に分けられています。ちょうど合うところに 水のきれいさ ○をつけましょう。 調査項目ごとの評点 調査項目 ③○をつけた上の数字を右の点のところに書きましょう。 5 4 3 2 1 安全できれいな水 ※調査票及びこの調査マニュアルは市町村環境保全担当課及び水循環再生地域協議会窓口、 または水循環再生地域協議会ホームページより 入手できます。 評点 平均 点 利用しにくい水 こ 1.水の色 無 色 中 間 少し色がある 中 間 濃い色がついている 少しにごっている 中 間 とてもにごっている (例) 「水の色」が「少し色がある」場合… 点 とう めい 水のきれいさ 調査項目ごとの評点 調査項目 5 4 3 2 1 安全できれいな水 評点 平均 点 無 色 中 間 少し色がある 中 間 濃い色がついている 点 とう めい 2.水のにごり 透 明 3.水のにおい においを感じない 中 間 中 間 少しにごっている ちょうど合うところ に○をつける いやなにおいを 少し感じる 中 間 とてもにごっている ○をつけた上の 数字を書く いやなにおいを 中 間 強く感じる 平均 点 においを感じない 中 間 4.水に浮いた あぶら あわ 油や泡 油のまくはない 泡はない 6.CODパック テスト® 調査 5 4 3 2 1 安全できれいな水 中 間 2mg/ 以下 3mg/ 以下 5 4 少し色がある 評点 中 間 1.流れのはやさ 濃い色がついている 点 少しにごっている 中 間 とてもにごっている 3.水のにおい においを感じない 4.水に浮いた あぶら あわ 油や泡 泡はない 油のまくはない 5.水の底の かん 感しょく 心地よい 6.CODパック テスト® 調査 2mg/ 以下 中 間 中 間 中 間 3mg/ 以下 少し感じる 泡が少しある 油のまくが少しある ちょっと ヌルヌルしている 5mg/ 以下 5mg/ 以下 中 間 中 間 中 間 いやなにおいを 強く感じる 平均 点 泡が多い 油のまくが多い 点 点 ヌルヌルして 気持ちがわるい 8mg/ 以下 8mg/ をこえる 2 1 点 点 いやなにおいを 中 間 強く感じる 油のまくが多い 気持ちがわるい 8mg/ 以下 8mg/ をこえる mg/ ような流れがある 中 間 流れているとわかる 評点 平均 点 流れがほとんどない 中 間 流れがほとんどない 中 間 流れに変化がない 点 ふち 中 間 流れに変化がある 点 平均 平均 3.わき水のようす 以前と変わらない水量 ゆうすい のわき水(湧水)がある 中 間 少ないけど わき水(湧水)がある 中 間 わき水(湧水)が なくなった 点 点 点 4.川の深さ 60cm以上 5.川の流れ 点 点 40cm∼60cm 20cm∼40cm 10cm∼20cm 40cm/秒 20cm/秒 10cm/秒 ∼60cm/秒 ∼40cm/秒 ∼20cm/秒 10cm未満 cm 点 ヌルヌルして 中 間 流れがある 水面は波がないがはっきり 多様な流れがある 点 泡が多い 中 間 3 点 ※1 いやなにおいを ちょっと ヌルヌルしている 水面に波がある 瀬・淵・ワンドなど 2.流れの変化 中 間 泡が少しある 油のまくが少しある 十分な流れがある せ とう めい 透 明 少し感じる 調査項目ごとの評点 利用しにくい水 中 間 いやなにおいを mg/ 平均 点 こ 無 色 中 間 心地よい 調査項目 調査項目ごとの評点 2.水のにごり 3.水のにおい 点 水の量 水のきれいさ 1.水の色 中 間 5.水の底の かん 感しょく 点 (例) 「水のきれいさ」に関する評点を集計する場合… 調査項目 透 明 利用しにくい水 こ 1.水の色 2.水のにごり の速さ 60cm/秒以上 cm/秒 10cm/秒未満 点 点 備考 ※気づいたことがあれば、記入してください。 (3+5+4+5+3+3)÷6=3.83 ≒4 評点の合計 調査項目数 注)水の量の評点は、河川の源流域、河口部などや、湖沼、 ため池、海では使用しない。 評点の判断基準にある「中間」は、 その前後で判断に迷う場合に採用し、 その評点を記入する。 ※1:湧水が過去に確認されている場合のみ使用。 8 9 せい たい けい 生態系 調査項目ごとの評点 調査項目 5 4 生物が豊かな水環境 1.魚のようす たくさんいる 魚がいない 中 間 植物がはえている 中 間 植物はない 中 間 緑がある 中 間 緑はない 中 間 たまに生き物を見る 中 間 生き物はない いない 少ない やや多い 多い Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 何もいない 5 4 2 1 いろいろな種類の 生き物がいる 5.外来種 6. 水 質 生き物による水の ) (きれいさの階級 評点 平均 点 生物がほとんどいない水環境 中 間 木が多くはえている 4.周辺の生き物 生物がいる水環境 1 たまに見かける 多くはえている 3.周辺の植物 2 中 間 いろいろな植物が 2.水ぎわの植物 3 川や池などの水がどのくらいきれいなのか、 水の透明さとにおいを調べてみましょう。 5つの個別指標で調べます。 点 点 平均 点 点 点 外来種しか いない 点 点 みず べ 水辺のようす 調査項目ごとの評点 調査項目 快適な水辺(積極的に活用したい水) 3 水辺を活用できる程度 評点 平均 点 目・鼻(五感)で感じる調査 不快な水辺 にご 1.ごみ ごみがない 中 間 水のまわりや中で 2.水辺の利用 遊びたい ※2 3.水辺への 近づきやすさ ※3 4.水辺の自然度 どこからでも 中 間 中 間 水辺に近づける 緑が多く 中 間 自然が豊か ごみが ところどころある ながめたり さんぽをしたい 水辺に近づける ところがある 中 間 ごみが多い 中 間 近づきたくない 中 間 近づけない 中 間 緑はある 人工的な水辺 あわ あぶら かん 「水質」の調査項目として、 「水の色」 「濁り」 「におい」 「泡、油」 「水の底の感しょく」について調 点 査を行います。水の近くから、または水をバケツや紙コップにくみ、色や濁り、においなどについ て写真などを参考にチェックします。 点 点 調査の ポイント 点 ・この水はきれいなのか。 ・水辺にいて不快感はないか。 ・どのような利用ができるのか。 平均 けいかん 全体が調和していて 5.水辺の景観 ここちがよい 中 間 調和していない 中 間 ところもある まわりの風景と うまく調和していない 点 点 さん ぽ 6.散歩・レジャー ヒ ア リ かんきょうがくしゅう ン 7.環境学習 グ 調 かんきょうほぜんかつどう 査 8.環境保全活動 多くの人に毎日のように 利用されている 多くの人に 中 間 中 間 利用されている 多くの人が 中 間 活動している ときどき 利用されている 中 間 利用されていない 中 間 利用されていない 点 1 水の色 5 4 3 2 1 こ ときどき 利用されている ときどき 中 間 活動している人がいる 点 無色 中 間 少し色がある 中 間 濃い色が ついている 活動している人が いない 点 とう し ど 9.透視度 80cm以上 60cm∼80cm 40cm∼60cm 20cm∼40cm cm 選択項目数 ※特に重要と考える 調査項目を選択 選択項目点数 20cm以下 点 備考 ※気づいたことがあれば、記入してください。 点 注)評点の判断基準にある「中間」は、 その前後で判断に迷う場合に採用し、 その評点を記入する。 ※2、※3:相反する評価となる可能性がある。 調査票に関するお問い合わせはお住まいの市町村環境保全担当課窓口、または協議会事務局まで ◎事務局:愛知県環境部水地盤環境課 q052-954-6220(ダイヤルイン) 10 11 5 水の底の感しょく 2 水のにごり 4 3 2 1 5 4 3 2 1 中 間 少しにごっている 中 間 とてもにごっている 心地よい 中 間 ちょっと ヌルヌルしている 中 間 ヌルヌルして 気持ちがわるい 5 とう めい 透明 も うっすらと藻がついている 石の表面がヌルヌルしている(藻が多い) 3 水のにおい 5 においを 感じない 4 3 中 間 いやなにおいを 少し感じる 2 1 中 間 いやなにおいを 強く感じる CODパックテスト® 調査 水はきれいですか? CODのパックテストの使い方 川の水を取り においをかぎ ます。 ライン ①チューブ先端のラインを 引き抜きます。 4 水に浮いた油や泡 5 4 3 2 1 泡はない 油のまくはない 中 間 泡が少しある 油のまくが少しある 中 間 泡が多い 油のまくが多い ②中の空気を追い出し ます。 ③穴を検水の中に入れ、 半分くらい水を吸い込 みます。 ※出典: (株)共立理化学研究所ホームページより ・指定時間後にポリチューブの中の水の色を標準色と比べ、一番近いものが 測定値となります。水温によって時間を調整してください。 (右表) ® 6 CODパックテスト 調査 12 ④数回振り混ぜ、指定 時間後に図のように 標準色の上にのせて 比色します。 水 温 指定時間 10℃ 6分 20℃ 5分 30℃ 4分 5 4 3 2 1 2mg/ 以下 3mg/ 以下 5mg/ 以下 8mg/ 以下 8mg/ をこえる 13 2 流れの変化 5 4 3 2 1 瀬・淵・ワンドなど 多様な流れがある 中 間 流れに変化がある 中 間 流れに変化がない せ 川の水がどのくらいの量なのか、 水の速さや流れの変化などを調べてみましょう。 3つの個別指標で調べます。 ふち 目(五感)で感じる調査 ゆう すい 「水の流れの変化」 「流速」 「わき水(湧水)」について水面を見て、水の流れがどれくらい変化し ているか、流れの速さはどうかについて次の写真を参考にチェックします。 3 わき水のようす 調査の ポイント わき水(湧水)が過去に確認されている場合にのみ調べよう。 ・十分な量の水の流れがあるか。 ・生きものが生きてられる水量、水深はあるか。 ・水の流れに変化はあるか。 5 4 3 2 1 以前と変わらない水量の わき水(湧水)がある 中 間 少ないけど わき水(湧水)がある 中 間 わき水(湧水)が なくなった 1 流れのはやさ 14 5 4 3 2 1 水面に波がある ような流れがある 中 間 水面は波がないが はっきり流れているとわかる 中 間 流れが ほとんどない 15 ■川の速さの測り方 はか 川の深さ、速さはできるだけ同じ地点で測ります。 測る場所は、できるだけ川底がでこぼこしておらず、 すぐ近くの上流・下流の形が大きく変わらないところを選びます。 方法 川の速さは、測定用のペットボトル 1 に5mのひもをつけたものを用意 流れの向き します。 ひもの端を持って、足元の水面近くから浮 きを落とし、ひもがピンと張るまでの時間 をはかり、1秒当たりの流れの速さを求め ます。 う 用意する ・ペットボトル1個または浮き もの ・ひも 水に入って測定する場合は5m以上、橋の上から測定する場合は 例えば、5mのひもがピンと張るまでに20 ひもがピンと張る 秒かかった場合は、 橋の高さ・幅によって長くします。だいたい10m以上。 500cm÷20秒=約25cm/秒となります。 作り方 ペットボトルに ひもを結ぶ ペットボトルを空にし、ひもの 長さが5m(または10m以上) 5mまた は10m 以 になるように結び付けます。 上 測定時には、風で流されないよう 中に水を入れてください 方法 葉っぱや枝など、ごみにならないも 方法 橋の上流側にひもを付けた浮きを 2 のを橋の上から落とし、距離がわか 3 投げ入れ、上流側のらんかんの下を っているところまで到達する時間を計ります。 橋のかんかくが短いところでは、上流の橋の の時間をはかる方法もあります。この場合は 上から落とし、下流の橋の下までの時間を求 橋の幅をはかる必要がありますが、車などの 川の深さは巻尺や棒(タモの柄など めます。大きな川では、手を振ったりして、タ 通行にじゅうぶんに注意してください。 でもよい)を使って直接測ります。 イミングを合わせましょう。 ■川の深さの測り方 まきじゃく 方法 1 通ってから下流側のらんかんを通過するまで ぼう え 少し上流に浮き(ひも 付き)を投げ入れる 橋 橋 橋の上から葉っぱ等 を落とす 方法 川の深さは、目もりをつけ 2 たひもの先に鉄アレイ・石 などをつけて、橋の上から水面にお ろし、その時の目もりをらんかんの らんかんの位置 の値を読む 例:5.5m 橋 距 離 測 定 橋 ひもがたる まないよう に重石を川 底におろす 位置で読みます。次に川底に届くよ うに(ひもがたるまないように)お ろし、その時の目もりをらんかんの 重石 位置で読み、水面までの場合との 水面 距 離 の わ かる地 点 を 通過する時間をはかる 水面 重石 川底 差を求めます。 川底 この場合の川の深さは、 6.3m−5.5m=0.8m となる。 4 川の深さ 16 距離測定 例:6.3m 5 川の流れの速さ 5 4 3 2 1 5 4 3 2 1 60cm以上 40cm∼60cm 20cm∼40cm 10cm∼20cm 10cm未満 60cm/秒以上 40cm/秒 ∼60cm/秒 20cm/秒 ∼40cm/秒 10cm/秒 ∼20cm/秒 10cm/秒未満 17 2 水ぎわの植物 みず べ 川の中や水辺にどんな生き物がすんでいるか調べて、 生態系が維持されているかを考えてみましょう。 5つの個別指標で調べます。 い じ 5 4 3 2 1 いろいろな植物が 多くはえている 中 間 植物がはえている 中 間 植物はない 5 4 3 2 1 木が多くはえている 中 間 緑がある 中 間 緑はない 目(五感)で感じる調査 「魚のようす」 「水辺の植物」 「周辺の植物」 「周辺の生き物」 「外来種」について次の写真を参 考にチェックします。 3 周辺の植物 調査の ポイント ・たくさんの生き物が見られるか。 ・生き物にとってすみやすいか。 (上流部) 1 魚のようす 5 4 3 2 1 たくさんいる 中 間 たまに見かける 中 間 魚がいない (中下流部) 18 19 4 周辺の生き物 早春に見られる花 植 物 5 4 3 2 1 いろいろな種類の 生き物がいる 中 間 たまに生き物を見る 中 間 生き物はいない オオイヌノフグリ ヒメオドリコソウ セイヨウカラシナ 5 外来種 5 4 3 2 1 いない 少ない やや多い 多い 外来種しか いない オランダミミナグサ 春∼秋に見られる花 ◎主な外来種 魚 類 オオクチバス ブルーギル は虫類 セイヨウタンポポ ムシトリナデシコ アレチハナガサ シナダレスズメガヤ セイタカアワダチソウ オオオナモミ クワモドキ コクチバス カダヤシ 水 草 オオカナダモ ホテイアオイ ミシシッピアカミミガメ 20 21 くら ■水生生物を見比べ調査しましょう つかまえた生き物を次ページの「指標となる主な水生生物たち」と見比べ、調べた結果を調査票 そこ に記入します。調べてもわからない生き物はスケッチしたり、写真をとったりします。その時、ペン つか 底にすむ生き物を捕まえて 目安となる水のきれいさの階級を調べます。 や10円玉などの大きさのわかるものを一緒に写しましょう。後で大きさがわかって便利です。 調査票には見つけた指標生物の数と○を記入し、数が多かった生物のうち一番多いものと次に 多いもの(同じ数の時は3種類)には●を記入します。 必要なもの ・この調査マニュアルかモニタリングハンドブック 調査が終わったら、つかまえた生き物を水の中にもどします。 あみ ・タモ網 ・白いトレイ ・ピンセット ・ルーペ 注意点 すべりにくいくつをはいて川に入り、ひざ下くらいまでの深さで流れのある地点を探します。 このとき、高さのないながぐつ(子供用など)をはくと水が入ったときに危険なので、普通の ■水のきれいさ階級を判定しよう 見つかった生き物の種類から水質階級を判定します。 くつですべりにくいものや高さに余裕のある長ぐつをはくようにします。 6 生き物による水のきれいさの階級 ■水生生物をつかまえるにはタモ網による方法と石をめくる方法があります。 a. タモ網による方法 5 4 3 2 1 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 何もいない 地点が決まったら下流側にタモ網を置き、上流側で川底をかき回して、流れてくる生き物をすくっ てください。 見つかった指標生物に○印、数が多かった上位から2種類 指標生物((最大3種類) に●印をつけてください 垂直に立てる 上流方向へ 斜めに移動 川の流れ 水 質 階 級 Ⅰ 川底をキック b. 石をめくる方法 す 石のうらにひっついているものや、巣を作っているものもいますので、石を拾ってうらについてい る生き物をピンセットで取ってください。その他にも水草の根元にかくれているものもいますの 水 質 階 級 Ⅱ で、いろいろな場所で探してみてください。 ■つかまえた水生生物の観察 生き物はピンセットを使ってとり、少し水を 入れたトレイへ入れてください。つかまえ た生き物をトレイの中で観察します。 22 水 質 階 級 Ⅲ 水 質 階 級 Ⅳ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 アミカ ウズムシ カワゲラ サワガニ ナガレトビケラ ヒラタカゲロウ ブユ ヘビトンボ ヤマトビケラ イシマキガイ オオシマトビケラ カワニナ ゲンジボタル コオニヤンマ コガタシマトビケラ スジエビ ヒラタドロムシ ヤマトシジミ イソコツブムシ タイコウチ タニシ ニホンドロソコエビ ヒル ミズカマキリ ミズムシ アメリカザリガニ エラミミズ サカマキガイ セスジユスリカ チョウバエ ) 水質階級の判定 水 質 階 級 ① ○ 印 と ● 印 の 個 数 ② ● 印 の 個 数 ③ 合 計 ︵ ① + ② ︶ Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ この地点の 水質階級は Ⅱ です 23 ■指標となる主な水生生物たち 水 質 階 級 Ⅰ 5つの個別指標で調べます。 カワゲラ ヒラタカゲロウ ブユ 水 質 階 級 Ⅱ コガタシマトビケラ ナガレトビケラ アミカ オオシマトビケラ ヤマトビケラ サワガニ ヒラタドロムシ ヘビトンボ ウズムシ コオニヤンマ スジエビ 目(五感)で感じる調査 川の「ごみ」 「水辺を利用したいか(親しみ)」 「水辺への近づきやすさ」 「水辺の自然度」 けい かん 「水辺景観(心地よさ)」について写真を参考にしながら調べてみましょう。 ゲンジボタル ヤマトシジミ イシマキガイ カワニナ 調査の ポイント 水 質 階 級 Ⅲ ・水辺を心地よいと感じるか。 いこ ・水辺が憩いや遊びの場として利用ができるか。 1 ごみ タイコウチ ミズムシ イソコツブムシ 水 質 階 級 Ⅳ ・水辺が自然な状態か。 サカマキガイ エラミミズ ミズカマキリ タニシ アメリカザリガニ ニホンドロソコエビ 5 4 3 2 1 ごみは見あたらない 中 間 ごみがちょっとある 中 間 ごみが多い ヒル セスジユスリカ チョウバエ 出典: 「川の生きものを調べよう」環境省・国土交通省編 24 25 みず べ けい かん 5 水辺の景観(ここちよさ) 2 水辺の利用 5 4 3 2 1 5 4 3 2 1 川のまわりや中で 遊びたい 中 間 ながめたり さんぽをしたい 中 間 近づきたくない 全体が調和していて ここちがよい 中 間 調和していない ところもある 中 間 まわりの風景と うまく調和していない 4 3 2 1 中 間 水辺に近づける ところがある 中 間 近づけない 3 水辺への近づきやすさ 5 どこからでも 水辺に近づける ヒアリング調査(可能な場合) さん ぽ かんきょうがくしゅう かんきょう ほ ぜん かつどう 「水辺」の調査項目として、 「散歩・レジャー」 「環境学習」 「環境保全活動」 に水辺がどの程度利用されているかについて調査を行います。 調査は現地で利用状況を確認し、環境学習や環境保全活動を行っている人がいたら、 どれくらいの割合で活動しているのか、聞いてみます。 6 散歩・レジャー 4 水辺の自然度 5 4 3 2 1 多くの人に毎日のように 利用されている 中 間 ときどき 利用されている 中 間 利用されていない 5 4 3 2 1 多くの人に 利用されている 中 間 ときどき 利用されている 中 間 利用されていない 5 4 3 2 1 多くの人が 活動している 中 間 ときどき 活動している人がいる 中 間 活動している人が いない 7 環境学習 5 4 3 2 1 緑が多く 自然が豊か 中 間 緑はある 中 間 人工的な水辺 8 環境保全活動 26 27 と う し ど 透視度測定 透視度とは、水がどれだけ透明かをあらわすものです。 透視度計を利用してどれだけ水がきれいなのかを調べましょう。 ■透視度の測定 ①手作りの透視度計にペットボトルの底から川の水を入れます。 ②標識板をとりつけたペットボトルのふたをゆるめて、標識板の二重線が ■透視度計の作り方 見えるところまで少しづつ水を出します(ペットボトルにあらかじめ小さ 用意する ・ペットボトル数個(同じ形のもの、大きさは500mlでも1.5Lでも可) もの ・ペットボトルカット用はさみ ・水に強い牛乳パックのような紙 な穴を開けておき、指でふさぐという方法もあります)。 ③二重線が確認できたところの目盛りを読みます(目盛りは、ま横から正確 に読むようにしましょう)。 ・定規 ・ビニールテープ 注意 ・細いマジック ・日光が直接ペットボトルに当たらない日かげで測定してください。 ・水を採取したらすぐに測定してください。 作り方 ①底を切ったペットボトル( ふた はとっておく)数個をテープで つなぎあわせます。 二重線の交差している ところの正方形の線が 見えた時の目もりを読 みましょう この時点で読む! ②ふたを下にしたペットボトルに、目もりを つけます。直接ペットボトルに目もりを 記入するか、右図のように牛乳パックを 利用して台を作ります。 目もりは50cm程度あればよいと思い ます(きれいな川は1m程度必要です)。 はっきり見えすぎです 二重線が確認できません ひょうしきばん ③牛乳パックのような紙に二重の十字線を書いて標識板を作り、ペットボトルの ふたの中に入れ、いちばん下のペットボトルにはめます。 9 透視度 ふたの内径に あわせてカット 黒線の幅 0.5mm 28 5 4 3 2 1 80cm以上 60cm∼80cm 40cm∼60cm 20cm∼40cm 20cm以下 幅1.0mm 29