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IL-28A、 IL-28B、 IL-29

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IL-28A、 IL-28B、 IL-29
JP 2007-531741 A 2007.11.8
(57)【 要 約 】
IL-28A、 IL-28B、 IL-29、 お よ び そ れ ら の 特 定 の 変 異 体 が 、 一 連 の ウ イ ル ス 種 に 対 す る 抗
ウ イ ル ス 活 性 を 有 す る こ と が 示 さ れ た 。 特 に 関 心 が 高 い の は 、 B型 肝 炎 ウ イ ル ス お よ び C型
肝炎ウイルスなど、肝臓に感染するウイルスにおいて実証される抗ウイルス活性である。
さ ら に 、 IL-28A、 IL-28B、 IL-29、 お よ び そ れ ら の 変 異 体 は 、 イ ン タ ー フ ェ ロ ン 治 療 で 認
め ら れ る 造 血 細 胞 に 対 す る 抗 増 殖 活 性 の 一 部 を 示 さ な い 。 IL-28A、 IL-28B、 お よ び IL-29
は、インターフェロン治療に伴う免疫抑制効果がないため、免疫低下患者のウイルス感染
を治療するのに有用であると考えられる。
(2)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
哺乳動物におけるウイルス感染を治療する方法であって、以下の段階を含む方法:
配列番号:
か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 95%の 配 列 同 一 性 を 有 す る ア ミ ノ 酸
10
配列を含む単離されたポリペプチドの治療有効量を哺乳動物に投与し、ポリペプチドの投
与後にウイルス量が減少する段階。
【請求項2】
ポ リ ペ プ チ ド が 組 換 え ポ リ ペ プ チ ド で あ る 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項3】
ウ イ ル ス 感 染 が 、 A型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 B型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 C型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 D型 肝 炎 ウ イ
ルス、ヒト免疫不全ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタイン
・バーウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイル
ス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、ワクシニアウイルス、西ナイルウイルス、
重 症 急 性 呼 吸 器 症 候 群 、 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 、 ベ ネ ズ エ ラ ウ マ 脳 炎 ウ イ ル ス 、 ピ キ ン デ (pic
20
hinde)ウ イ ル ス 、 お よ び ポ リ オ ウ イ ル ス か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ウ イ ル ス で あ る 、 請 求
項 1記 載 の 方 法 。
【請求項4】
ポ リ ペ プ チ ド が ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 に 結 合 さ れ て い る 、 請 求 項 1記 載 の 方 法 。
【請求項5】
ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 が ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル で あ る 、 請 求 項 4記 載 の 方 法 。
【請求項6】
ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル が モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド で あ る 、 請 求 項 5記
載の方法。
【請求項7】
30
モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド が 約 20 Kdま た は 30 Kdの 分 子 量 を 有 す る 、 請 求
項 6記 載 の 方 法 。
【請求項8】
モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド が 直 鎖 型 ま た は 分 岐 型 で あ る 、 請 求 項 6記 載 の
方法。
【請求項9】
モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド が ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 に 結 合 さ れ る 、 請 求 項 6
記載の方法。
【請求項10】
哺乳動物における肝炎を治療する方法であって、以下の段階を含む方法:
40
配列番号:
か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 95%の 配 列 同 一 性 を 有 す る ア ミ ノ 酸
配列を含む単離されたポリペプチドの治療有効量を哺乳動物に投与し、投与後に肝炎が軽
減される段階。
【請求項11】
50
(3)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
ポ リ ペ プ チ ド が 組 換 え ポ リ ペ プ チ ド で あ る 、 請 求 項 10記 載 の 方 法 。
【請求項12】
肝 炎 が ウ イ ル ス 感 染 を 伴 う 、 請 求 項 10記 載 の 方 法 。
【請求項13】
ウ イ ル ス 感 染 が 、 A型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 B型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 C型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 D型 肝 炎 ウ イ
ルス、ヒト免疫不全ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタイン
・バーウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイル
ス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、ワクシニアウイルス、西ナイルウイルス、
重症急性呼吸器症候群、デング熱ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ピキンデウイ
ル ス 、 お よ び ポ リ オ ウ イ ル ス か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ウ イ ル ス で あ る 、 請 求 項 12記 載 の
10
方法。
【請求項14】
ポ リ ペ プ チ ド が ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 に 結 合 さ れ て い る 、 請 求 項 10記 載 の 方 法 。
【請求項15】
ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 が ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル で あ る 、 請 求 項 14記 載 の 方 法 。
【請求項16】
ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル が モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド で あ る 、 請 求 項 15記
載の方法。
【請求項17】
モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド が 約 20 Kdま た は 30 Kdの 分 子 量 を 有 す る 、 請 求
20
項 16記 載 の 方 法 。
【請求項18】
モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド が 直 鎖 型 ま た は 分 岐 型 で あ る 、 請 求 項 16記 載 の
方法。
【請求項19】
モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド が ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 に 結 合 さ れ る 、 請 求 項 1
6記 載 の 方 法 。
【請求項20】
哺乳動物におけるウイルス感染を治療する方法であって、
配列番号:
30
か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 95%の 配 列 同 一 性 を 有 す る ア ミ ノ 酸
配列を含む単離されたポリペプチドの治療有効量;および
薬学的に許容される媒体
を含む組成物を哺乳動物に投与する段階を含み;かつ
組成物の投与後にウイルス量が減少する方法。
40
【請求項21】
ウ イ ル ス 感 染 が 、 A型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 B型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 C型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 D型 肝 炎 ウ イ
ルス、ヒト免疫不全ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタイン
・バーウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイル
ス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、ワクシニアウイルス、西ナイルウイルス、
重症急性呼吸器症候群、デング熱ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ピキンデウイ
ル ス 、 お よ び ポ リ オ ウ イ ル ス か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ウ イ ル ス で あ る 、 請 求 項 20記 載 の
方法。
【請求項22】
ポ リ ペ プ チ ド が ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 に 結 合 さ れ て い る 、 請 求 項 20記 載 の 方 法 。
50
(4)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
【請求項23】
ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 が ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル で あ る 、 請 求 項 22記 載 の 方 法 。
【請求項24】
ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル が モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド で あ る 、 請 求 項 23記
載の方法。
【請求項25】
モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド が 約 20 Kdま た は 30 Kdの 分 子 量 を 有 す る 、 請 求
項 24記 載 の 方 法 。
【請求項26】
モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド が 直 鎖 型 ま た は 分 岐 型 で あ る 、 請 求 項 24記 載 の
10
方法。
【請求項27】
モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド が ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 に 結 合 さ れ る 、 請 求 項 2
4記 載 の 方 法 。
【請求項28】
哺乳動物における肝炎を治療する方法であって、
配列番号:
20
か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 95%の 配 列 同 一 性 を 有 す る ア ミ ノ 酸
配列を含む単離されたポリペプチド;および
薬学的に許容される媒体
を含む組成物の治療有効量を哺乳動物に投与する段階を含み;かつ
組成物の投与後に肝炎が軽減される方法。
【請求項29】
配列番号:
30
か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 95%の 配 列 同 一 性 を 有 す る ア ミ ノ 酸
配列を含む単離されたポリペプチドの治療有効量を、ウイルスに感染した免疫低下哺乳動
物に投与する段階を含み、ポリペプチドの投与後にウイルス感染が軽減される、ウイルス
感染を治療する方法。
【請求項30】
免 疫 低 下 哺 乳 動 物 が 、 A型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 B型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 C型 肝 炎 ウ イ ル ス 、 D型 肝 炎
ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタ
イン・バーウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウ
イルス、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、ワクシニアウイルス、西ナイルウイル
ス、重症急性呼吸器症候群、デング熱ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ピキンデ
ウイルス、およびポリオウイルスからなる群より選択されるウイルスに感染している、請
求 項 29記 載 の 方 法 。
【請求項31】
免疫低下哺乳動物におけるウイルス感染を治療する方法であって、
配列番号:
40
(5)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 95%の 配 列 同 一 性 を 有 す る ア ミ ノ 酸
配列を含む単離されたポリペプチドの治療有効量;および
薬学的に許容される媒体
を含む組成物を免疫低下哺乳動物に投与する段階を含み;かつ
組成物の投与後にウイルス感染が軽減される方法。
10
【請求項32】
以下を含むキット:
配列番号:
か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 95%の 配 列 同 一 性 を 有 す る ア ミ ノ 酸
配列を含む単離されたポリペプチドの治療有効量;および
20
薬学的に許容される媒体
を含む組成物。
【請求項33】
抗 ウ イ ル ス 剤 を さ ら に 含 む 、 請 求 項 32記 載 の キ ッ ト 。
【請求項34】
抗ウイルス剤が、インターフェロンα、セリンプロテアーゼ阻害剤、ポリメラーゼ阻害
剤 、 ア ン チ セ ン ス 阻 害 剤 、 お よ び こ れ ら の 組 み 合 わ せ の 群 よ り 選 択 さ れ る 、 請 求 項 33記 載
のキット。
【請求項35】
抗 ウ イ ル ス 剤 が リ バ ビ リ ン で あ る 、 請 求 項 34記 載 の キ ッ ト 。
30
【請求項36】
抗 ウ イ ル ス 剤 が ペ グ イ ン ト ロ ン で あ る 、 請 求 項 34記 載 の キ ッ ト 。
【請求項37】
抗 ウ イ ル ス 剤 が ペ ガ シ ス で あ る 、 請 求 項 34記 載 の キ ッ ト 。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
感染症を治療するための戦略は、多くの場合、免疫を増強する方法に焦点を当てている
。例えば、ウイルス感染を治療する最も一般的な方法は、免疫に基づく記憶応答を誘導す
40
る予防ワクチンを含む。ウイルス感染を治療する別の方法は、免疫グロブリン療法による
受 動 免 疫 を 含 む (Meissner, J. Pediatr. 124:S17-21, 1994(非 特 許 文 献 1 ))。 イ ン タ ー フ
ェ ロ ン α (IFN-α )の 投 与 は 、 陰 部 疣 贅 (Reichman et al., Ann. Intern. Med. 108:675-9,
1988(非 特 許 文 献 2 ))な ら び に C型 肝 炎 ウ イ ル ス (HCV)(Davis et al., New Engl. J. Med.
339:1493-9, 1998(非 特 許 文 献 3 ))お よ び B型 肝 炎 ウ イ ル ス (HBV)の よ う な 慢 性 ウ イ ル ス 感
染 な ど の ウ イ ル ス 感 染 を 治 療 す る た め の 別 の 方 法 で あ る 。 例 え ば 、 IFN-α お よ び IFN-β は
、 ウ イ ル ス 複 製 の 阻 害 に 重 要 で あ る (Vilcek et al., (Eds.), Interferons and other cy
tokines. In Fields Fundamental Virology., 3
r d
ed., Lippincott-Raven Publishers P
hiladelphia, PA, 1996, pages 341-365(非 特 許 文 献 4 )に 概 説 さ れ て い る )。 ウ イ ル ス 感
染 に 応 答 し て 、 CD4+ T細 胞 は 活 性 化 し 、 細 胞 性 免 疫 に 必 要 な Tヘ ル パ ー タ イ プ I(TH1)応 答
50
(6)
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お よ び そ の 後 の カ ス ケ ー ド を 惹 起 す る 。 す な わ ち 、 Tヘ ル パ ー 細 胞 は 、 サ イ ト カ イ ン IL-2
の よ う な 特 定 の 増 殖 因 子 に よ っ て 増 殖 さ れ た 後 、 抗 原 特 異 的 CD8+ T細 胞 、 マ ク ロ フ ァ ー ジ
、 お よ び NK細 胞 を 刺 激 し て 、 ウ イ ル ス に 感 染 し た 宿 主 細 胞 を 死 滅 さ せ る 。 こ れ ら の 方 法 は
有効な場合も多いものの、臨床用途において制限がある。例えば、多くのウイルス感染は
ワ ク チ ン 開 発 を 行 え ず 、 ま た 抗 体 の み で 治 療 し 得 な い 。 さ ら に 、 IFNは 極 め て 効 果 的 で あ
るというわけではなく、顕著な毒性を引き起こし得る;したがって、治療法の改善が必要
である。
【0002】
感染が急性であるのか慢性であるのか、および患者の元の健康状態などの要因が、推奨
される治療様式に影響するため、すべてのウイルスおよびウイルス疾患が同様に治療され
10
るとは限らない。一般に、免疫正常患者における急性感染の治療は、疾患の重症度を低下
させ、合併症を減少させ、かつ伝染速度を減少させるべきである。安全性、費用、および
簡便性が、急性抗ウイルス剤の推奨における本質的な検討事項である。慢性感染の治療は
、肝臓、肺、心臓、中枢神経系、および胃腸系などの器官に対するウイルス性損傷を防ぐ
べきであり、有効性を主な検討事項とする。
【0003】
慢 性 肝 炎 は 、 ヘ パ ド ナ ウ イ ル ス (Hepadnaviridae)科 の ウ イ ル ス に 属 す る 、 世 界 中 で 最 も
多く見られかつ重篤なヒトのウイルス感染の一つである。感染した個体は、肝硬変、最終
的 に は 肝 癌 を 発 症 す る 危 険 性 が 高 い 。 慢 性 肝 炎 は 、 改 善 せ ず に 少 な く と も 6ヶ 月 間 持 続 す
る 炎 症 性 肝 疾 患 と し て 特 徴 づ け ら れ る 。 慢 性 肝 炎 に 罹 患 し て い る 患 者 の 大 多 数 は 、 慢 性 HB
20
V、 HCVの い ず れ か に 感 染 し て い る か 、 ま た は 自 己 免 疫 疾 患 を 患 っ て い る 。 米 国 、 日 本 、 中
国 、 お よ び 東 南 ア ジ ア で は 、 一 般 人 口 に お け る HCV感 染 の 罹 患 率 は 1%を 上 回 る 。
【0004】
慢 性 HCVは 、 肝 硬 変 お よ び 肝 臓 の 広 範 囲 に わ た る 壊 死 へ と 進 行 し 得 る 。 慢 性 HCVは 、 肝 線
維 症 を も た ら す I型 コ ラ ー ゲ ン の 沈 着 を 伴 う 場 合 が 多 い が 、 線 維 形 成 の 機 構 は 依 然 と し て
不明である。肝線維症は、慢性肝障害に対する創傷治癒応答の一部として生じる。線維症
は、血色素症、ウィルソン病、アルコール依存症、住血吸虫症、ウイルス性肝炎、胆管閉
塞症、毒素曝露、および代謝性疾患の合併症として起こる。この瘢痕組織の形成は、損傷
組織を封入しようとする身体の試みを表していると考えられている。肝線維症は、正常な
肝臓における細胞外基質とは質的に識別され得る細胞外基質の蓄積を特徴とする。検査を
30
受 け ず に い る と 、 肝 線 維 症 は 、 肝 硬 変 (被 包 化 小 結 節 の 存 在 に よ り 定 義 さ れ る )、 肝 不 全 、
および死へと進行する。
【0005】
肝炎の効果的な治療法はほとんどない。例えば、自己免疫性慢性肝炎の治療は一般に、
コ ル チ コ ス テ ロ イ ド に よ る 免 疫 抑 制 療 法 に 限 定 さ れ る 。 HBVお よ び HCVの 治 療 に 関 し て 、 FD
Aは 組 換 え IFN-α の 投 与 を 承 認 し た 。 し か し な が ら 、 IFN-α は 、 血 小 板 減 少 、 白 血 球 減 少
、細菌感染、およびインフルエンザ様症状を含む、多くの用量依存性副作用を伴う。慢性
HBVま た は HCVの 治 療 に 用 い ら れ る 他 の 薬 剤 に は 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 リ バ ビ リ ン (商 標 )お
よびウルソデオキシコール酸が含まれる;しかし、いずれも非常に効果的であるとは示さ
れ て い な い 。 リ バ ビ リ ン (商 標 )+ IFN併 用 療 法 は 、 47%と い う 持 続 的 ウ イ ル ス 排 除 率 を も た
40
ら す (Lanford, R.E. and Bigger, C. Virology 293:1-9 (2002)(非 特 許 文 献 5 ))。 (Medic
ine, (D. C. Dale and D. D. Federman, eds.) (Scientific American, Inc., New York)
, 4:VIII:1-8 (1995)(非 特 許 文 献 6 )を 参 照 さ れ た い )。
【0006】
呼 吸 器 合 胞 体 ウ イ ル ス は 、 乳 児 期 の 肺 炎 お よ び 細 気 管 支 炎 の 主 な 原 因 で あ る 。 RSVは 曝
露 1年 目 に 半 数 を 超 え る 乳 児 に 感 染 し 、 2年 後 に は ほ と ん ど す べ て が 感 染 し て い る 。 季 節 的
に流行している間は、たいていの幼児、小児、および成人に、感染または再感染の危険性
が あ る 。 重 篤 な RSV感 染 の 危 険 性 が あ る 他 の 群 に は 、 早 産 児 、 免 疫 力 が 低 下 し た 小 児 お よ
び 成 人 、 な ら び に 高 齢 者 が 含 ま れ る 。 RSV感 染 の 症 状 は 、 軽 度 の 風 邪 か ら 重 篤 な 細 気 管 支
炎 お よ び 肺 炎 に ま で 及 ぶ 。 呼 吸 器 合 胞 体 ウ イ ル ス は ま た 急 性 中 耳 炎 と も 関 連 し て お り 、 RS
50
(7)
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Vは 中 耳 液 か ら 回 収 さ れ 得 る 。 単 純 ヘ ル ペ ス ウ イ ル ス -1(HSV-1)お よ び 単 純 ヘ ル ペ ス -2(HSV
-2)は 溶 解 性 ま た は 潜 在 性 の い ず れ か で あ り 得 り 、 口 唇 ヘ ル ペ ス (HSV-1)お よ び 性 器 ヘ ル ペ
ス の 病 原 因 子 で あ り 、 典 型 的 に 、 眼 、 口 、 お よ び 生 殖 器 (HSV-2)の 領 域 に 損 傷 を 伴 う 。 こ
れらのウイルスは、ひとたび感染が起きた場合に利用できる適切な治療法がほとんどない
、ヒトに感染する多くのウイルスのうちの数例である。
【0007】
IL-28お よ び IL-29サ イ ト カ イ ン フ ァ ミ リ ー の 活 性 の 実 証 に よ り 、 特 定 の ウ イ ル ス 感 染 、
例 え ば 肝 臓 特 異 的 ウ イ ル ス 感 染 を 治 療 す る 方 法 が 提 供 さ れ る 。 ま た 、 IL-28お よ び IL-29の
活性から、これらのサイトカインによって免疫低下患者を治療する方法が提供されること
が実証される。これらおよびその他の用途に関する本方法は、本明細書の教示から当業者
10
に明らかとなるはずである。
【0008】
【 非 特 許 文 献 1 】 Meissner, J. Pediatr. 124:S17-21, 1994
【 非 特 許 文 献 2 】 Reichman et al., Ann. Intern. Med. 108:675-9, 1988
【 非 特 許 文 献 3 】 Davis et al., New Engl. J. Med. 339:1493-9, 1998
【 非 特 許 文 献 4 】 Vilcek et al., (Eds.), Interferons and other cytokines. In Field
s Fundamental Virology., 3rd ed., Lippincott-Raven Publishers Philadelphia, PA,
1996, pages 341-365
【 非 特 許 文 献 5 】 Lanford, R.E. and Bigger, C. Virology 293:1-9 (2002)
【 非 特 許 文 献 6 】 Medicine, (D. C. Dale and D. D. Federman, eds.) (Scientific Amer
20
ican, Inc., New York), 4:VIII:1-8 (1995)
【発明の開示】
【0009】
発明の詳細な説明
定義
以下の記載においては、多くの用語が頻繁に用いられる。本発明の理解を容易にするた
めに、以下の定義を提供する。
【0010】
特 記 し な い 限 り 、 「 1つ の 」 、 「 そ の 」 、 お よ び 「 少 な く と も 1つ の 」 は 互 換 的 に 用 い ら
れ 、 1つ ま た は 複 数 を 意 味 す る 。
30
【0011】
「 親 和 性 タ グ 」 と い う 用 語 は 、 第 2ポ リ ペ プ チ ド の 精 製 も し く は 検 出 を 提 供 す る た め 、
ま た は 第 2ポ リ ペ プ チ ド の 基 質 に 対 す る 結 合 部 位 を 提 供 す る た め に 、 第 2ポ リ ペ プ チ ド に 結
合され得るポリペプチドセグメントを示すために本明細書において使用される。主として
、抗体または他の特異的結合剤が利用できる任意のペプチドまたはタンパク質を、親和性
タ グ と し て 使 用 す る こ と が で き る 。 親 和 性 タ グ に は 、 ポ リ ヒ ス チ ジ ン 域 、 プ ロ テ イ ン A(Ni
lsson et al., EMBO J. 4:1075, 1985; Nilsson et al., Methods Enzymol. 198:3, 1991
)、 グ ル タ チ オ ン Sト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ (Smith and Johnson, Gene 67:31, 1988)、 Glu-Glu
親 和 性 タ グ (Grussenmeyer et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:7952-4, 1985)、 サ
ブ ス タ ン ス P、 Flag(商 標 )ペ プ チ ド (Hopp et al., Biotechnology 6:1204-10, 1988)、 ス
40
トレプトアビジン結合ペプチド、または他の抗原性エピトープもしくは結合ドメインが含
ま れ る 。 一 般 的 に は 、 Ford et al., Protein Expression and Purification 2: 95-107,
1991を 参 照 さ れ た い 。 親 和 性 タ グ を コ ー ド す る DNAは 、 業 者 (例 え ば 、 Pharmacia Biotech
、 ニ ュ ー ジ ャ ー ジ ー 州 、 ピ ス カ タ ウ ェ イ )か ら 入 手 す る こ と が で き る 。
【0012】
「対立遺伝子変種」という用語は、本明細書において、同じ染色体座を占める遺伝子の
2つ ま た は そ れ 以 上 の 別 の 形 態 の い ず れ か を 示 す た め に 用 い ら れ る 。 対 立 遺 伝 子 の 変 化 は
変異によって自然に生じ、集団内で表現型多型を生じ得る。遺伝子変異はサイレントであ
る (コ ー ド さ れ た ポ リ ペ プ チ ド に 変 化 が な い )場 合 も あ れ ば 、 変 化 し た ア ミ ノ 酸 配 列 を 有 す
るポリペプチドをコードする場合もある。対立遺伝子変種という用語はまた、本明細書に
50
(8)
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おいて、遺伝子の対立遺伝子変種によってコードされるタンパク質を示すためにも用いら
れる。
【0013】
「アミノ末端」および「カルボキシル末端」という用語は、ポリペプチド内の位置を示
すために本明細書において使用される。その状況が可能である場合、これらの用語は、近
接性または相対位置を示すためにポリペプチドの特定の配列または部分に関して用いられ
る。例えば、ポリペプチド内の参照配列に対してカルボキシル末端側に位置する特定の配
列は、参照配列のカルボキシル末端の近位に位置するが、必ずしも完全なポリペプチドの
カルボキシル末端に位置するとは限らない。
【0014】
10
「 相 補 体 /抗 相 補 体 対 」 と い う 用 語 は 、 適 切 な 条 件 下 で 非 共 有 結 合 さ れ た 安 定 な 対 を 形
成 す る 非 同 一 な 成 分 を 示 す 。 例 え ば 、 ビ オ チ ン お よ び ア ビ ジ ン (ま た は ス ト レ プ ト ア ビ ジ
ン )は 、 相 補 体 /抗 相 補 体 対 の 典 型 的 な メ ン バ ー で あ る 。 他 の 例 示 的 な 相 補 体 /抗 相 補 体 対
に は 、 受 容 体 /リ ガ ン ド 対 、 抗 体 /抗 原 (ま た は ハ プ テ ン も し く は エ ピ ト ー プ )対 、 セ ン ス /
ア ン チ セ ン ス ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 対 な ど が 含 ま れ る 。 相 補 体 /抗 相 補 体 対 が 後 に 解 離 さ れ る
こ と を 所 望 す る 場 合 に は 、 相 補 体 /抗 相 補 体 対 は 、 <10
9
M
- 1
の結合親和性を有することが
好ましい。
【0015】
「 縮 重 ヌ ク レ オ チ ド 配 列 」 と い う 用 語 は 、 (ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 参 照 ポ リ ヌ ク レ
オ チ ド 分 子 と 比 較 し て )1つ ま た は 複 数 の 縮 重 コ ド ン を 含 む ヌ ク レ オ チ ド の 配 列 を 意 味 す る
20
。縮重コドンはヌクレオチドの異なるトリプレットを含むが、同じアミノ酸残基をコード
す る (す な わ ち 、 GAUお よ び GACト リ プ レ ッ ト は そ れ ぞ れ Aspを コ ー ド す る )。
【0016】
「発現ベクター」という用語は、転写を提供するさらなるセグメントに機能的に連結さ
れ た 関 心 対 象 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る セ グ メ ン ト を 含 む 、 線 状 ま た は 環 状 の DNA分 子
を表すために用いられる。そのようなさらなるセグメントにはプロモーターおよびターミ
ネ ー タ ー 配 列 が 含 ま れ 、 同 様 に 、 1つ ま た は 複 数 の 複 製 起 点 、 1つ ま た は 複 数 の 選 択 マ ー カ
ー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナルなども含まれ得る。発現ベクターは一般に、
プ ラ ス ミ ド も し く は ウ イ ル ス DNAに 由 来 す る か 、 ま た は そ の 両 方 の エ レ メ ン ト を 含 み 得 る
。
30
【0017】
「単離された」という用語は、ポリヌクレオチドに適用される場合、ポリヌクレオチド
がその天然の遺伝的環境から取り出されており、したがって他の無関係のまたは不必要な
コード配列を含まず、かつ遺伝子操作されたタンパク質産生系での使用に適した形態をと
っていることを意味する。そのような単離された分子とはその天然の環境から分離された
分 子 で あ り 、 こ れ に は cDNAお よ び ゲ ノ ム ク ロ ー ン が 含 ま れ る 。 本 発 明 の 単 離 さ れ た DNA分
子は、それらが通常会合している他の遺伝子を含まないが、プロモーターおよびターミネ
ー タ ー な ど の 、 天 然 に 存 在 す る 5'お よ び 3'非 翻 訳 領 域 を 含 み 得 る 。 関 連 す る 領 域 の 同 定 は
、 当 業 者 に は 明 ら か で あ る と 思 わ れ る (例 え ば 、 Dynan and Tijan, Nature 316:774-78, 1
985を 参 照 さ れ た い )。
40
【0018】
「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質とは、血液および動物組織から離れている
など、その天然環境以外の状況において見出されるポリペプチドまたはタンパク質である
。好ましい形態において、単離されたポリペプチドは、他のポリペプチド、特に動物起源
の 他 の ポ リ ペ プ チ ド を 実 質 的 に 含 ま な い 。 高 度 に 精 製 さ れ た 形 態 の 、 す な わ ち 、 95%を 超
え て 純 粋 、 よ り 好 ま し く は 99%を 超 え て 純 粋 な ポ リ ペ プ チ ド を 提 供 す る こ と が 好 ま し い 。
このような状況において用いられる場合、「単離された」という用語は、二量体または異
なってグリコシル化されたもしくは誘導化された形態などの、別の物理的形態をした同じ
ポリペプチドの存在を排除しない。
【0019】
50
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NK細 胞 、 T細 胞 、 特 に 細 胞 傷 害 性 T細 胞 、 B細 胞 な ど の よ う な 免 疫 細 胞 に 言 及 す る 場 合 の
「レベル」という用語、レベルの増加は、細胞数の増加または細胞機能活性の増強のいず
れかである。
【0020】
ウイルス感染に言及する場合の「レベル」という用語は、ウイルス感染のレベルの変化
を 指 し 、 こ れ に は 、 CTLも し く は NK細 胞 の レ ベ ル の 変 化 (上 記 の よ う な )、 ウ イ ル ス 量 の 減
少、抗ウイルス抗体力価の増加、アラニンアミノトランスフェラーゼの血清学的レベルの
減少、または標的組織もしくは器官の組織学的検査により測定される改善が含まれるが、
これらに限定されない。これらのレベルの変化が有意な差または変化であるかどうかの決
定は、十分に当業者の技術の範囲内である。
10
【0021】
「 機 能 的 に 連 結 さ れ た 」 と い う 用 語 は 、 DNAセ グ メ ン ト に 言 及 す る 場 合 、 セ グ メ ン ト が
そ れ ら の 意 図 さ れ た 目 的 の た め に 協 調 し て 機 能 す る よ う に (例 え ば 、 プ ロ モ ー タ ー で 転 写
が 開 始 し 、 コ ー ド セ グ メ ン ト を 通 っ て タ ー ミ ネ ー タ ー ま で 進 行 す る )配 置 さ れ る こ と を 示
す。
【0022】
「オルソログ」という用語は、異なる種に由来するポリペプチドまたはタンパク質の機
能 的 対 応 物 で あ る 、 1つ の 種 か ら 得 ら れ る ポ リ ペ プ チ ド ま た は タ ン パ ク 質 を 示 す 。 オ ー ソ
ログ間の配列の差は、種分化の結果である。
【0023】
20
「パラログ」とは、生物によって作製される、異なるが構造的に関連したタンパク質で
あ る 。 パ ラ ロ グ は 、 遺 伝 子 重 複 に よ っ て 生 じ る と 考 え ら れ て い る 。 例 え ば 、 α -グ ロ ビ ン
、 β -グ ロ ビ ン 、 お よ び ミ オ グ ロ ビ ン は 相 互 に パ ラ ロ グ で あ る 。
【0024】
「 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 」 と は 、 5'末 端 か ら 3'末 端 ま で 読 み 取 ら れ る デ オ キ シ リ ボ ヌ ク レ オ
チドもしくはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖ポリマーである。ポリヌクレオ
チ ド に は RNAお よ び DNAが 含 ま れ 、 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド は 、 天 然 源 か ら 単 離 さ れ 得 る か 、 イ ン
ビトロで合成され得るか、または天然分子および合成分子の組み合わせから調製され得る
。 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド の 大 き さ は 、 塩 基 対 (「 bp」 と 略 す )、 ヌ ク レ オ チ ド (「 nt」 )、 ま た は
キ ロ ベ ー ス (「 kb」 )と し て 表 さ れ る 。 そ の 状 況 が 可 能 で あ る 場 合 、 後 者 の 2つ の 用 語 は 、
30
一本鎖または二本鎖であるポリヌクレオチドを記載し得る。この用語が二本鎖分子に適用
される場合、それは全長を意味するように用いられ、用語「塩基対」と同等であると理解
さ れ る も の と 思 わ れ る 。 二 本 鎖 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド の 2つ の 鎖 は 長 さ が わ ず か に 異 な る 場 合
があること、およびそれらの末端は酵素切断の結果としてずれる場合があること;その結
果、二本鎖ポリヌクレオチド分子内のすべてのヌクレオチドが対になっているとは限らな
いことは、当業者により認識されているものと思われる。
【0025】
「ポリペプチド」とは、天然で産生されようと合成で産生されようと、ペプチド結合で
連 結 さ れ た ア ミ ノ 酸 残 基 の ポ リ マ ー で あ る 。 約 10ア ミ ノ 酸 残 基 未 満 の ポ リ ペ プ チ ド は 一 般
に、「ペプチド」と称される。
40
【0026】
「プロモーター」という用語は、本明細書において、その技術分野に認識されている意
味 と し て 、 RNAポ リ メ ラ ー ゼ の 結 合 お よ び 転 写 の 開 始 を 提 供 す る DNA配 列 を 含 む 遺 伝 子 の 一
部を意味するよう用いられる。プロモーター配列は一般に、しかし必ずというわけではな
い が 、 遺 伝 子 の 5'非 コ ー ド 領 域 内 に 見 出 さ れ る 。
【0027】
「 タ ン パ ク 質 」 と は 、 1本 ま た は 複 数 本 の ポ リ ペ プ チ ド 鎖 を 含 む 高 分 子 で あ る 。 タ ン パ
ク質はまた、糖質基などの非ペプチド成分を含み得る。糖質および他の非ペプチド置換基
は、タンパク質を産生する細胞によってタンパク質に付加され得り、細胞の種類によって
変化することになる。タンパク質は、本明細書ではそのアミノ酸骨格構造の観点から定義
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され;糖質基などの置換基は一般に規定しないが、それでもなお存在している場合がある
。
【0028】
「 受 容 体 」 と い う 用 語 は 、 生 物 活 性 分 子 (す な わ ち 、 リ ガ ン ド )と 結 合 し 、 細 胞 に 対 す る
リガンドの効果を媒介する細胞結合型タンパク質を意味する。膜結合型受容体は、細胞外
リガンド結合ドメイン、および典型的にはシグナル伝達に関与する細胞内エフェクタード
メインを含む、多ペプチド構造を特徴とする。リガンドが受容体に結合すると、細胞内に
おけるエフェクタードメインと他の分子の間の相互作用を引き起こす、受容体の高次構造
的 変 化 が 起 こ る 。 こ の 相 互 作 用 は 、 次 に 細 胞 の 代 謝 の 変 化 を も た ら す 。 受 容 体 -リ ガ ン ド
相 互 作 用 に 結 び つ け ら れ る 代 謝 事 象 に は 、 遺 伝 子 転 写 、 リ ン 酸 化 、 脱 リ ン 酸 化 、 環 状 AMP
10
産生の増加、細胞内カルシウムの動員、膜脂質の移行、細胞接着、イノシトール脂質の加
水分解、およびリン脂質の加水分解が含まれる。一般に、受容体は、膜結合型受容体、細
胞 質 受 容 体 、 ま た は 核 内 受 容 体 で あ っ て よ く ; 単 量 体 (例 え ば 、 甲 状 腺 刺 激 ホ ル モ ン 受 容
体 、 β ア ド レ ナ リ ン 受 容 体 )ま た は 多 量 体 (例 え ば 、 PDGF受 容 体 、 成 長 ホ ル モ ン 受 容 体 、 IL
-3受 容 体 、 GM-CSF受 容 体 、 G-CSF受 容 体 、 エ リ ス ロ ポ エ チ ン 受 容 体 、 お よ び IL-6受 容 体 )で
あってよい。
【0029】
「分泌シグナル配列」という用語は、より大きなポリペプチドの成分として、それが合
成 さ れ る 細 胞 の 分 泌 経 路 を 介 し て よ り 大 き な ポ リ ペ プ チ ド を 方 向 づ け る ポ リ ペ プ チ ド (「
分 泌 ペ プ チ ド 」 )を コ ー ド す る DNA配 列 を 示 す 。 よ り 大 き な ポ リ ペ プ チ ド は 通 常 、 分 泌 経 路
20
の移行中に切断されて分泌ペプチドが除去される。
【0030】
「 ス プ ラ イ ス 変 種 」 と い う 用 語 は 、 遺 伝 子 か ら 転 写 さ れ た 別 の 形 態 の RNAを 示 す た め に
、 本 明 細 書 に お い て 用 い ら れ る 。 ス プ ラ イ ス 変 種 は 、 転 写 さ れ た RNA分 子 内 の 、 ま た は あ
ま り 一 般 的 で は な い が 別 個 に 転 写 さ れ た RNA分 子 間 の 、 選 択 的 ス プ ラ イ シ ン グ 部 位 の 使 用
に よ っ て 自 然 に 生 じ 、 同 じ 遺 伝 子 か ら 転 写 さ れ た い く つ か の mRNAを 生 じ 得 る 。 ス プ ラ イ ス
変種は、変化したアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードし得る。スプライス変種と
い う 用 語 は ま た 、 本 明 細 書 に お い て 、 遺 伝 子 か ら 転 写 さ れ た mRNAの ス プ ラ イ ス 変 種 に よ っ
てコードされるタンパク質を示すために用いられる。
【0031】
30
不 正 確 な 分 析 方 法 (例 え ば 、 ゲ ル 電 気 泳 動 法 )に よ り 決 定 さ れ た ポ リ マ ー の 分 子 量 お よ び
長 さ は 、 近 似 値 で あ る こ と が 理 解 さ れ る も の と 考 え ら れ る 。 そ の よ う な 値 が 「 約 」 Xま た
は 「 お よ そ 」 Xと し て 表 記 さ れ る 場 合 、 Xの 記 載 値 は ± 10%で 正 確 で あ る と 理 解 さ れ る で あ
ろう。
【0032】
「 zcyto20」 、 「 zcyto21」 、 「 zcyto22」 と は 、 そ れ ぞ れ ヒ ト IL-28A、 IL-29、 お よ び IL
-28Bの 以 前 の 名 称 で あ り 、 本 明 細 書 で は 互 換 的 に 用 い ら れ る 。 本 発 明 の IL-28Aポ リ ペ プ チ
ド は 配 列 番 号 :2、 18、 24、 26、 28、 30、 お よ び 36に 示 さ れ て お り 、 こ れ ら は そ れ ぞ れ 配 列
番 号 :1、 17、 23、 25、 27、 29、 お よ び 35に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 に よ っ て コ ー ド
さ れ る 。 本 発 明 の IL-28Bポ リ ペ プ チ ド は 配 列 番 号 :6、 22、 40、 86、 88、 90、 92、 94、 96、
98、 お よ び 100に 示 さ れ て お り 、 こ れ ら は そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :5、 21、 39、 85、 87、 89、 91
、 93、 95、 97、 お よ び 99に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 に よ っ て コ ー ド さ れ る 。 本 発 明
の IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 配 列 番 号 :
に示されており、これらはそれぞれ配列番号:
40
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に示されるポリヌクレオチド配列によってコードされる。
【0033】
「 zcyto24」 お よ び 「 zcyto25」 と は 、 マ ウ ス IL-28Aお よ び IL-28Bの 以 前 の 名 称 で あ り 、
そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :7、 8、 9、 10に 示 さ れ て い る 。 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド お よ び ポ リ ペ プ チ ド は
、 参 照 に よ り 本 明 細 書 に 組 み 入 れ ら れ る 、 ZymoGenetics, Inc.の 同 一 出 願 人 に よ る PCT出
願 WO 02/086087に 完 全 に 記 載 さ れ て い る 。
10
【0034】
「 zcytor19」 と は 、 IL-28受 容 体 α -サ ブ ユ ニ ッ ト の 以 前 の 名 称 で あ り 、 配 列 番 号 :11、 1
2、 13、 14、 15、 16に 示 さ れ て い る 。 ポ リ ヌ ク レ オ チ ド お よ び ポ リ ペ プ チ ド は 、 Schering,
Inc.に 利 す る PCT出 願 WO 02/20569お よ び ZymoGenetics, Inc.に 譲 渡 さ れ た WO 02/44209に
記 載 さ れ て お り 、 こ れ ら は 参 照 に よ り 本 明 細 書 に 組 み 入 れ ら れ る 。 「 IL-28受 容 体 」 と は
、 ヘ テ ロ 二 量 体 受 容 体 を 形 成 す る IL-28α -サ ブ ユ ニ ッ ト お よ び CRF2-4サ ブ ユ ニ ッ ト を 意 味
する。
【0035】
1つ の 局 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 配 列 番 号 :134の ア ミ ノ 酸 残 基 と 少 な く と も 95%の 同 一 性
を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドの治療有効量を、ウイルスに感染した哺乳動物
20
に投与する段階を含み、ポリペプチドの投与後にウイルス感染レベルが低下する、ウイル
ス感染を治療する方法を提供する。他の態様において、本方法は、配列番号:
の群より選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを投与する段階を含む。ポリペプチ
ドは任意に、配列番号:
30
の 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 の 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 45個 、
ま た は 少 な く と も 60個 の 連 続 し た ア ミ ノ 酸 を 含 み 得 る 。 別 の 局 面 に お い て 、 ウ イ ル ス 感 染
は任意に肝炎を起こし得り、治療有効量のポリペプチドの投与によって肝炎が軽減される
。 他 の 態 様 に お い て 、 ポ リ ペ プ チ ド は 、 ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル (PEG)な ど の ポ リ ア ル キ
40
ル オ キ シ ド 部 分 、 ま た は Fc 、 ま た は ヒ ト ア ル ブ ミ ン に 結 合 さ れ て い る 。 PEGは ポ リ ペ プ チ
ド の N末 端 に 結 合 さ れ 得 り 、 例 え ば 20 kDま た は 30 kDモ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ
ヒドを含み得る。別の態様において、ウイルス感染レベルの低下は、ウイルス量の減少、
抗ウイルス抗体の増加、アラニンアミノトランスフェラーゼの血清学的レベルの減少、ま
たは組織学的改善として測定される。別の態様において、哺乳動物はヒトである。別の態
様 に お い て 、 本 発 明 は 、 ウ イ ル ス 感 染 が B型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 お よ び /ま た は C型 肝 炎 ウ イ
ルス感染であることを提供する。別の態様において、ポリペプチドは、インターフェロン
α、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンω、プロテアーゼ阻害
剤 、 RNAま た は DNAポ リ メ ラ ー ゼ 阻 害 剤 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 、 ア ン チ セ ン ス 阻 害 剤 、 お よ
び こ れ ら の 組 み 合 わ せ の 群 よ り 選 択 さ れ る 少 な く と も 1つ の さ ら な る 抗 ウ イ ル ス 剤 の 前 に
50
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、抗ウイルス剤と同時に、または抗ウイルス剤の後に投与され得る。ポリペプチドは、静
脈内、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、皮下、経口、鼻腔内投与、または吸入によって投
与され得る。
【0036】
1つ の 局 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 配 列 番 号 :134の ア ミ ノ 酸 残 基 と 少 な く と も 95%の 同 一 性
を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドおよび薬学的に許容される媒体を含む組成物の
治療有効量を、ウイルスに感染した哺乳動物に投与する段階を含み、組成物の投与後にウ
イルス感染レベルが低下する、ウイルス感染を治療する方法を提供する。他の態様におい
て、本方法は、配列番号:
10
に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む組成物を投与する段階を含む。ポリペ
プチドは任意に、配列番号:
20
に 示 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 の 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 45個 、 ま た は 少
な く と も 60個 の 連 続 し た ア ミ ノ 酸 を 含 み 得 る 。 他 の 態 様 に お い て 、 ポ リ ペ プ チ ド は 、 PEG
な ど の ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 、 ま た は Fc 、 ま た は ヒ ト ア ル ブ ミ ン に 結 合 さ れ て い る 。
PEGは ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 に 結 合 さ れ 得 り 、 例 え ば 20 kDま た は 30 kDモ ノ メ ト キ シ -PEGプ
ロピオンアルデヒドを含み得る。別の態様において、ウイルス感染レベルの低下は、ウイ
ルス量の減少、抗ウイルス抗体の増加、アラニンアミノトランスフェラーゼの血清学的レ
ベルの減少、または組織学的改善として測定される。別の態様において、哺乳動物はヒト
で あ る 。 別 の 態 様 に お い て 、 本 発 明 は 、 ウ イ ル ス 感 染 が B型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 ま た は C型 肝
炎ウイルス感染であることを提供する。別の態様において、組成物は、インターフェロン
30
α、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンω、プロテアーゼ阻害
剤 、 RNAま た は DNAポ リ メ ラ ー ゼ 阻 害 剤 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 、 ア ン チ セ ン ス 阻 害 剤 、 お よ
び こ れ ら の 組 み 合 わ せ の 群 よ り 選 択 さ れ る 少 な く と も 1つ の さ ら な る 抗 ウ イ ル ス 剤 を さ ら
に含み得るか、または抗ウイルス剤の前に、抗ウイルス剤と同時に、もしくは抗ウイルス
剤の後に投与され得る。組成物は、静脈内、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、皮下、経口
、鼻腔内投与、または吸入によって投与され得る。
【0037】
1つ の 局 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 配 列 番 号 :134の ア ミ ノ 酸 残 基 と 少 な く と も 95%の 同 一 性
を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドおよび薬学的に許容される媒体を含む組成物の
治療有効量を、肝炎を引き起こすウイルス感染を有する哺乳動物に投与する段階を含み、
組成物の投与後にウイルス感染レベルまたは肝炎が軽減される、ウイルス感染を治療する
方法を提供する。他の態様において、本方法は、配列番号:
に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む組成物を投与する段階を含む。ポリペ
プチドは任意に、配列番号:
40
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に 示 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 の 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 45個 、 ま た は 少
な く と も 60個 の 連 続 し た ア ミ ノ 酸 を 含 み 得 る 。 他 の 態 様 に お い て 、 ポ リ ペ プ チ ド は 、 PEG
な ど の ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 、 ま た は Fc 、 ま た は ヒ ト ア ル ブ ミ ン に 結 合 さ れ て い る 。
PEGは ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 に 結 合 さ れ 得 り 、 例 え ば 20 kDま た は 30 kDモ ノ メ ト キ シ -PEGプ
10
ロピオンアルデヒドを含み得る。別の態様において、ウイルス感染レベルの低下は、ウイ
ルス量の減少、抗ウイルス抗体の増加、アラニンアミノトランスフェラーゼの血清学的レ
ベルの減少、または組織学的改善として測定される。別の態様において、哺乳動物はヒト
で あ る 。 別 の 態 様 に お い て 、 本 発 明 は 、 ウ イ ル ス 感 染 が B型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 ま た は C型 肝
炎ウイルス感染であることを提供する。別の態様において、組成物は、インターフェロン
α、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンω、プロテアーゼ阻害
剤 、 RNAま た は DNAポ リ メ ラ ー ゼ 阻 害 剤 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 、 ア ン チ セ ン ス 阻 害 剤 、 お よ
び こ れ ら の 組 み 合 わ せ の 群 よ り 選 択 さ れ る 少 な く と も 1つ の さ ら な る 抗 ウ イ ル ス 剤 を さ ら
に含み得るか、または抗ウイルス剤の前に、抗ウイルス剤と同時に、もしくは抗ウイルス
剤の後に投与され得る。組成物は、静脈内、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、皮下、経口
20
、鼻腔内投与、または吸入によって投与され得る。
【0038】
別 の 局 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 配 列 番 号 :134の ア ミ ノ 酸 残 基 と 少 な く と も 95%の 同 一 性
を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドの治療有効量を、それを必要とする哺乳動物に
投与する段階を含み、ポリペプチドの投与後に肝炎が軽減される、肝炎を治療する方法を
提 供 す る 。 1つ の 態 様 に お い て 、 本 発 明 は 、 ポ リ ペ プ チ ド が 配 列 番 号 :
30
に示されるアミノ酸配列を含むことを提供する。ポリペプチドは任意に、配列番号:
に 示 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 の 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 45個 、 ま た は 少
な く と も 60個 の 連 続 し た ア ミ ノ 酸 を 含 み 得 る 。 別 の 態 様 に お い て 、 ポ リ ペ プ チ ド は 、 PEG
な ど の ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 、 ま た は ヒ ト ア ル ブ ミ ン 、 ま た は Fc に 結 合 さ れ て い る 。
40
PEGは ポ リ ペ プ チ ド の に N末 端 に 結 合 さ れ 得 り 、 例 え ば 20 kDま た は 30 kDモ ノ メ ト キ シ -PEG
プロピオンアルデヒドを含み得る。別の態様において、本発明は、肝炎の軽減が、アラニ
ンアミノトランスフェラーゼの血清学的レベルの減少または組織学的改善として測定され
ることを提供する。別の態様において、哺乳動物はヒトである。別の態様において、肝炎
は 、 C型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 ま た は B型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 を 伴 う 。 別 の 態 様 に お い て 、 ポ リ ペ
プチドは、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフ
ェ ロ ン ω 、 プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 、 RNAま た は DNAポ リ メ ラ ー ゼ 阻 害 剤 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体
、 ア ン チ セ ン ス 阻 害 剤 、 お よ び こ れ ら の 組 み 合 わ せ の 群 よ り 選 択 さ れ る 少 な く と も 1つ の
さらなる抗ウイルス剤の前に、抗ウイルス剤と同時に、または抗ウイルス剤の後に投与さ
れ得る。ポリペプチドは、静脈内、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、皮下、経口、鼻腔内
50
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投与、または吸入によって投与され得る。
【0039】
別 の 局 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 配 列 番 号 :134の ア ミ ノ 酸 残 基 と 少 な く と も 95%の 同 一 性
を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む組成物の治療有効量を、それを必要とす
る哺乳動物に投与する段階を含み、ポリペプチドの投与後に肝炎が軽減される、肝炎を治
療 す る 方 法 を 提 供 す る 。 1つ の 態 様 に お い て 、 本 発 明 は 、 ポ リ ペ プ チ ド が 配 列 番 号 :
10
に示されるアミノ酸配列を含むことを提供する。ポリペプチドは任意に、配列番号:
に 示 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 の 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 45個 、 ま た は 少
20
な く と も 60個 の 連 続 し た ア ミ ノ 酸 を 含 み 得 る 。 別 の 局 面 に お い て 、 ポ リ ペ プ チ ド は 、 PEG
な ど の ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 、 ま た は ヒ ト ア ル ブ ミ ン 、 ま た は Fc に 結 合 さ れ て い る 。
PEGは ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 に 結 合 さ れ 得 り 、 例 え ば 20 kDま た は 30 kDモ ノ メ ト キ シ -PEGプ
ロピオンアルデヒドを含み得る。別の態様において、本発明は、肝炎の軽減が、アラニン
アミノトランスフェラーゼの血清学的レベルの減少または組織学的改善として測定される
ことを提供する。別の態様において、哺乳動物はヒトである。別の態様において、肝炎は
、 C型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 ま た は B型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 を 伴 う 。 別 の 態 様 に お い て 、 組 成 物 は
、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンω
、 プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 、 RNAま た は DNAポ リ メ ラ ー ゼ 阻 害 剤 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 、 ア ン チ
セ ン ス 阻 害 剤 、 お よ び こ れ ら の 組 み 合 わ せ の 群 よ り 選 択 さ れ る 少 な く と も 1つ の さ ら な る
30
抗ウイルス剤をさらに含み得るか、または抗ウイルス剤の前に、抗ウイルス剤と同時に、
もしくは抗ウイルス剤の後に投与され得る。組成物は、静脈内、腹腔内、くも膜下腔内、
筋肉内、皮下、経口、鼻腔内投与、または吸入によって投与され得る。
【0040】
別 の 局 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 配 列 番 号 :134の ア ミ ノ 酸 残 基 と 少 な く と も 95%の 同 一 性
を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドの治療有効量を、ウイルスに感染した免疫低下
哺乳動物に投与する段階を含み、ポリペプチドの投与後にウイルス感染が軽減される、ウ
イルス感染を治療する方法を提供する。別の態様において、ポリペプチドは、配列番号:
40
に示されるアミノ酸配列を含む。ポリペプチドは任意に、配列番号:
に 示 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 の 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 45個 、 ま た は 少
50
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な く と も 60個 の 連 続 し た ア ミ ノ 酸 を 含 み 得 る 。 別 の 局 面 に お い て 、 ポ リ ペ プ チ ド は 、 PEG
な ど の ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 、 ま た は ヒ ト ア ル ブ ミ ン 、 ま た は Fc に 結 合 さ れ て い る 。
PEGは ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 に 結 合 さ れ 得 り 、 例 え ば 20 kDま た は 30 kDモ ノ メ ト キ シ -PEGプ
ロピオンアルデヒドを含み得る。別の態様において、ウイルス感染レベルの低下は、ウイ
ルス量の減少、抗ウイルス抗体の増加、アラニンアミノトランスフェラーゼの血清学的レ
ベルの減少、または組織学的改善として測定される。別の態様において、哺乳動物はヒト
で あ る 。 別 の 態 様 に お い て 、 本 発 明 は 、 ウ イ ル ス 感 染 が B型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 ま た は C型 肝
炎ウイルス感染であることを提供する。別の態様において、ポリペプチドは、インターフ
ェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンω、プロテアー
ゼ 阻 害 剤 、 RNAま た は DNAポ リ メ ラ ー ゼ 阻 害 剤 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 、 ア ン チ セ ン ス 阻 害 剤
10
、 お よ び こ れ ら の 組 み 合 わ せ の 群 よ り 選 択 さ れ る 少 な く と も 1つ の さ ら な る 抗 ウ イ ル ス 剤
の前に、抗ウイルス剤と同時に、または抗ウイルス剤の後に投与され得る。ポリペプチド
は、静脈内、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、皮下、経口、鼻腔内投与、または吸入によ
って投与され得る。
【0041】
別 の 局 面 に お い て 、 本 発 明 は 、 配 列 番 号 :134の ア ミ ノ 酸 残 基 と 少 な く と も 95%の 同 一 性
を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドの治療有効量を、肝炎を有する免疫低下哺乳動
物に投与する段階を含み、ポリペプチドの投与後に肝炎が軽減される、肝炎を治療する方
法を提供する。別の態様において、ポリペプチドは、配列番号:
20
に示されるアミノ酸配列を含む。ポリペプチドは任意に、配列番号:
30
に 示 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 の 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 45個 、 ま た は 少
な く と も 60個 の 連 続 し た ア ミ ノ 酸 を 含 み 得 る 。 別 の 局 面 に お い て 、 ポ リ ペ プ チ ド は 、 PEG
な ど の ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 、 ま た は ヒ ト ア ル ブ ミ ン 、 ま た は Fc に 結 合 さ れ て い る 。
PEGは ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 に 結 合 さ れ 得 り 、 例 え ば 20 kDま た は 30 kDモ ノ メ ト キ シ -PEGプ
ロピオンアルデヒドを含み得る。別の態様において、肝炎レベルの低下は、アラニンアミ
ノトランスフェラーゼの血清学的レベルの減少または組織学的改善として測定される。別
の態様において、哺乳動物はヒトである。別の態様において、本発明は、ウイルス感染が
B型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 ま た は C型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 で あ る こ と を 提 供 す る 。 別 の 態 様 に お い
て 、 哺 乳 動 物 は ヒ ト で あ る 。 別 の 態 様 に お い て 、 本 発 明 は 、 ウ イ ル ス 感 染 が B型 肝 炎 ウ イ
ル ス 感 染 ま た は C型 肝 炎 ウ イ ル ス 感 染 で あ る こ と を 提 供 す る 。 別 の 態 様 に お い て 、 ポ リ ペ
40
プチドは、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフ
ェ ロ ン ω 、 プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 、 RNAま た は DNAポ リ メ ラ ー ゼ 阻 害 剤 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体
、 ア ン チ セ ン ス 阻 害 剤 、 お よ び こ れ ら の 組 み 合 わ せ の 群 よ り 選 択 さ れ る 少 な く と も 1つ の
さらなる抗ウイルス剤の前に、抗ウイルス剤と同時に、または抗ウイルス剤の後に投与さ
れ得る。ポリペプチドは、静脈内、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、皮下、経口、鼻腔内
投与、または吸入によって投与され得る。
【0042】
イ ン タ ー フ ェ ロ ン 様 分 子 の 新 し い フ ァ ミ リ ー の 発 見 に つ い て は 、 PCT出 願 、 PCT/US01/21
087お よ び PCT/US02/12887、 な ら び に Sheppard et al., Nature Immunol. 4:63-68, 2003
; 米 国 特 許 出 願 第 60/493,194号 お よ び 第 60/551,841号 (す べ て 参 照 に よ り 本 明 細 書 に 組 み
50
(16)
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入 れ ら れ る )に 以 前 に 記 載 さ れ た 。 こ の 新 し い フ ァ ミ リ ー に は 、 zcyto20、 zcyto21、 zcyto
22、 zcyto24、 zcyto25と 命 名 さ れ た 分 子 が 含 ま れ 、 zcyto20、 21、 お よ び 22は ヒ ト 配 列 で
あ り 、 zcyto24お よ び 25は マ ウ ス 配 列 で あ る 。 イ ン タ ー フ ェ ロ ン 様 タ ン パ ク 質 に HUGO名 称
が 割 り 当 て ら れ た 。 zcyto20は IL-28Aと 命 名 さ れ 、 zycto22は IL-28Bと 命 名 さ れ 、 zycto21
は IL-29と 命 名 さ れ た 。 Kotenko et al., Nature Immunol. 4:69-77, 2003は 、 IL-28Aを IF
Nλ 2と し て 、 IL-28Bを IFNλ 3と し て 、 お よ び IL-29を IFNλ 1と し て 同 定 し た 。 こ れ ら の タ
ン パ ク 質 の 受 容 体 は 、 当 初 は zcytor19(配 列 番 号 :11お よ び 12)と 命 名 さ れ た が 、 HUGOに よ
り IL-28RAと 命 名 さ れ た 。 「 IL-28」 に 言 及 す る 場 合 、 こ の 用 語 は IL-28Aお よ び IL-28Bの 両
方を意味するものとする。
【0043】
10
本 発 明 は 、 広 範 囲 の ウ イ ル ス 感 染 に お い て 、 IL-28お よ び IL-29を 抗 ウ イ ル ス 剤 と し て 使
用する方法を提供する。特定の態様において、本方法は、肝炎などの、肝臓に特異的であ
る ウ イ ル ス 感 染 に お い て IL-28お よ び IL-29を 用 い る こ と を 含 む 。 さ ら に 、 デ ー タ か ら 、 IL
-28お よ び IL-29が 、 ウ イ ル ス 感 染 に 対 す る IFN療 法 の 使 用 に 付 随 す る 毒 性 の い く ら か を 伴
う こ と な く 、 こ れ ら の 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 示 す こ と が 示 さ れ る 。 I型 イ ン タ ー フ ェ ロ ン 療 法
に 関 連 す る 毒 性 の 一 つ は 、 骨 髄 抑 制 で あ る 。 こ れ は 、 骨 髄 前 駆 細 胞 の I型 イ ン タ ー フ ェ ロ
ン 抑 制 に 起 因 す る 。 IL-29は 、 IFN-α で 認 め ら れ る よ う に 、 骨 髄 細 胞 増 殖 ま た は B細 胞 増 殖
を 有 意 に 抑 制 し な い た め 、 IL-29は 、 治 療 に 伴 う 毒 性 が よ り 低 い と 考 え ら れ る 。 IL-28Aお
よ び IL-28Bに つ い て も 、 同 様 の 結 果 が 予 想 さ れ る 。
【0044】
20
IFN-α は 、 一 部 の 患 者 に お い て 、 特 に 効 力 に 十 分 な 用 量 が い く ら か の 毒 性 ま た は 骨 髄 抑
制 効 果 を 有 す る 場 合 、 禁 忌 で あ り 得 る 。 IFNが 禁 忌 で あ る 患 者 の 例 に は 、 (1) 以 前 に 免 疫
抑 制 薬 物 を 投 与 さ れ た 患 者 、 (2) HIVま た は 血 友 病 を 有 す る 患 者 、 (3) 妊 娠 し て い る 患 者
、 (4) 白 血 球 不 足 、 好 中 球 減 少 、 血 小 板 減 少 な ど 、 血 球 減 少 し て い る 患 者 、 お よ び (5) 血
清 肝 臓 酵 素 レ ベ ル の 増 加 を 示 し て い る 患 者 が 含 ま れ 得 る 。 さ ら に 、 IFN療 法 は 、 嘔 気 、 嘔
吐 、 下 痢 、 お よ び 食 欲 不 振 を 特 徴 と す る 症 状 を 伴 う 。 そ の 結 果 、 一 部 の 患 者 集 団 は IFN療
法 を 許 容 で き ず 、 よ っ て 、 IL-28A、 IL-28B、 お よ び IL-29に よ り 、 そ の よ う な 患 者 の 一 部
に代替療法が提供され得る。
【0045】
本 発 明 の 方 法 は 、 IL-28A、 IL-28B、 ま た は IL-29に 付 随 す る い く つ か の 生 物 活 性 を 保 持
30
し て い る 本 発 明 の IL-28A、 IL-28B、 お よ び /ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド の 治 療 的 有 効 量 を 、
単独でまたは他の生物製剤もしくは調合薬と組み合わせて投与する段階を含む。本発明は
、肝炎をもたらす慢性または急性ウイルス感染を有する哺乳動物を治療し、それによりウ
イルス感染または肝炎を軽減させる方法を提供する。別の局面において、本発明は、肝臓
特異的疾患、特にウイルス感染が一部病因である肝疾患を治療する方法を提供する。これ
ら の 方 法 は 、 IL-28お よ び IL-29が 肝 細 胞 に 対 し て 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 有 す る と い う 発 見 に 基
づいている。
【0046】
上 記 の よ う に 、 本 発 明 の 方 法 は 、 IL-28A、 IL-28B、 ま た は IL-29に 付 随 す る い く つ か の
生 物 活 性 を 保 持 し て い る 本 発 明 の IL-28A、 IL-28B、 お よ び /ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド の 治
40
療的有効量を、単独でまたは他の生物製剤もしくは調合薬と組み合わせて投与するを提供
す る 。 本 発 明 は 、 A型 肝 炎 、 B型 肝 炎 、 C型 肝 炎 、 お よ び D型 肝 炎 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る
ウイルス感染を有する哺乳動物を治療する方法を提供する。本発明の他の局面では、呼吸
器合胞体ウイルス、ヘルペスウイルス、エプスタイン・バーウイルス、ノロウイルス、イ
ンフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、ライノウイルス
、コクサッキーウイルス、ワクシニアウイルス、西ナイルウイルス、重症急性呼吸器症候
群 、 デ ン グ 熱 ウ イ ル ス 、 ベ ネ ズ エ ラ ウ マ 脳 炎 ウ イ ル ス 、 ピ キ ン デ (pichinde)ウ イ ル ス 、 お
よ び ポ リ オ ウ イ ル ス か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ウ イ ル ス 感 染 に お い て 、 IL-28ま た は IL-29
を抗ウイルス剤として使用する方法を提供する。特定の態様において、哺乳動物は、慢性
または急性ウイルス感染のいずれかを有していてよい。
50
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【0047】
別 の 局 面 に お い て 、 本 発 明 の 方 法 は ま た 、 上 記 の よ う に 、 IL-28A、 IL-28B、 ま た は IL-2
9に 付 随 す る い く つ か の 生 物 活 性 を 保 持 し て い る 本 発 明 の IL-28A、 IL-28B、 お よ び /ま た は
IL-29ポ リ ペ プ チ ド の 治 療 的 有 効 量 を 、 単 独 で ま た は 他 の 生 物 製 剤 も し く は 調 合 薬 と 組 み
合わせて、ウイルスに感染した免疫低下哺乳動物に投与し、それによってウイルス感染を
軽減する段階を含む、ウイルス感染を治療する方法を含む。本発明の上記の方法はすべて
、 同 様 に 、 zcyto24ま た は zcyto25の 投 与 も ま た 含 み 得 る 。
【0048】
IL-28お よ び IL-29は 、 奇 数 個 の シ ス テ イ ン を 有 す る こ と が 知 ら れ て い る (PCT出 願 WO 02/
086087、 お よ び Sheppard et al.、 前 記 )。 組 換 え IL-28お よ び IL-29を 発 現 さ せ る と 、 複 数
10
の高次構造をとる分子内ジスルフィド結合から構成されるタンパク質の不均一な混合物が
得られ得る。これらの形態を分離することは、困難であるかつ面倒であると考えられる。
し た が っ て 、 発 現 時 に 単 一 の 分 子 内 ジ ス ル フ ィ ド 結 合 パ タ ー ン を 有 す る IL-28お よ び IL-29
分子、ならびに均一性を維持するためにこれらの調製物をリフォールディングするおよび
精 製 す る 方 法 を 提 供 す る こ と が 望 ま し い 。 よ っ て 、 本 発 明 は 、 IL-28お よ び IL-29の 均 一 な
調製物を生成するための組成物および方法を提供する。
【0049】
本 発 明 は 、 均 一 な 調 製 物 で あ る 組 換 え IL-28ま た は IL-29調 製 物 の 発 現 を も た ら す 、 IL-2
8お よ び IL-29の シ ス テ イ ン 変 異 体 を コ ー ド す る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RMA分 子
を 含 む )を 提 供 す る 。 本 発 明 の 目 的 の た め 、 IL-28お よ び IL-29の 均 一 な 調 製 物 と は 、 精 製
20
さ れ た ポ リ ペ プ チ ド 中 に 、 単 一 の 分 子 内 ジ ス ル フ ィ ド 結 合 パ タ ー ン を 少 な く と も 98%含 む
調製物である。他の態様において、精製ポリペプチドの調製物中の単一のジスルフィド高
次 構 造 は 99%均 一 で あ る 。 一 般 に 、 こ れ ら の シ ス テ イ ン 変 異 体 は 、 本 明 細 書 に 記 載 す る 野
生 型 IL-28ま た は IL-29の い く つ か の 生 物 活 性 を 維 持 す る 。 例 え ば 、 本 発 明 の 分 子 は 、 い く
ら か の 特 異 性 で IL-28に 結 合 し 得 る 。 一 般 に 、 同 族 受 容 体 に 対 す る リ ガ ン ド 結 合 は 、 KD が 1
00 nM∼ 100 pMの 範 囲 内 に 入 る 場 合 に 特 異 的 で あ る 。 100 mM∼ 10 nM KD の 範 囲 に あ る 特 異
的 結 合 は 、 低 親 和 性 結 合 で あ る 。 2.5 pM∼ 100 pM KD の 範 囲 に あ る 特 異 的 結 合 は 、 高 親 和
性 結 合 で あ る 。 別 の 例 で は 、 IL-28ま た は IL-29シ ス テ イ ン 変 異 体 は 、 そ の 分 子 が 野 生 型 IL
-28ま た は IL-29に 付 随 す る 抗 ウ イ ル ス 活 性 の あ る 程 度 の レ ベ ル を 有 し 得 る 場 合 に 、 生 物 活
性が存在する。抗ウイルス活性レベルの決定については、本明細書中に詳述する。
30
【0050】
IL-28A遺 伝 子 は 、 配 列 番 号 :2に 示 さ れ る 200ア ミ ノ 酸 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 。 IL28Aの シ グ ナ ル 配 列 は 、 配 列 番 号 :2の ア ミ ノ 酸 残 基 1位 (Met)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 21位 (Ala)ま
で を 含 む 。 IL-28Aの 成 熟 ペ プ チ ド は 、 ア ミ ノ 酸 残 基 22位 (Val)か ら 始 ま る 。 変 種 IL-28A遺
伝 子 は 、 配 列 番 号 :18に 示 さ れ る 200ア ミ ノ 酸 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 。 IL-28Aの シ グ
ナ ル 配 列 は 、 配 列 番 号 :18の ア ミ ノ 酸 残 基 -25位 (Met)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 -1位 (Ala)ま で を 含
む と 予 測 さ れ 得 る 。 IL-28Aの 成 熟 ペ プ チ ド は 、 ア ミ ノ 酸 残 基 1位 (Val)か ら 始 ま る 。 IL-28A
ヘ リ ッ ク ス は 、 以 下 の よ う に 予 測 さ れ る : ヘ リ ッ ク ス Aは 、 配 列 番 号 :18に 示 さ れ る ア ミ ノ
酸 残 基 31位 (Ala)∼ 45位 (Leu)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Bは ア ミ ノ 酸 残 基 58位 (Thr)∼ 65位 (Gln)
に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Cは ア ミ ノ 酸 残 基 69位 (Arg)∼ 86位 (Ala)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Dは ア ミ ノ
40
酸 残 基 95位 (Val)∼ 114位 (Ala)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Eは ア ミ ノ 酸 残 基 126位 (Thr)∼ 142位 (Ly
s)に よ り ; お よ び ヘ リ ッ ク ス Fは ア ミ ノ 酸 残 基 148位 (Cys)∼ 169位 (Ala)に よ り 規 定 さ れ る
。 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 が 大 腸 菌 (E. coli)な ど の 原 核 生
物 系 に お い て 発 現 さ れ る 場 合 、 分 泌 シ グ ナ ル 配 列 は 必 要 と さ れ 得 ず 、 ま た N末 端 Metが 存 在
し 得 り 、 結 果 と し て 、 例 え ば 配 列 番 号 :36に 示 さ れ る よ う な ポ リ ペ プ チ ド が 発 現 さ れ る 。
【0051】
本 発 明 の IL-28Aポ リ ペ プ チ ド は ま た 、 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド の 第 2シ ス テ イ ン 、 C2に お い て
変 異 を 含 む 。 例 え ば 、 配 列 番 号 :18の ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 側 か ら の C2は 、 ア ミ ノ 酸 48位 (
大 腸 菌 で 発 現 さ せ る 場 合 、 さ ら な る N末 端 Metが 存 在 す る た め 49位 、 例 え ば 配 列 番 号 :36を
参 照 さ れ た い )の シ ス テ イ ン で あ る 。 IL-28Aの こ の 第 2シ ス テ イ ン (IL-28Bと 同 様 に 7つ あ る
50
(18)
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う ち の )ま た は C2は 、 例 え ば 、 セ リ ン 、 ア ラ ニ ン 、 ス レ オ ニ ン 、 バ リ ン 、 ま た は ア ス パ ラ
ギ ン に 変 異 さ れ 得 る 。 本 発 明 の IL-28A C2変 異 体 分 子 は 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :24お
よ び 26に 示 さ れ る IL-28A C2変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 、 配 列 番 号 :23お よ び 25に 示
さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分 子 を 含 む )を 含 む 。
【0052】
IL-28A C2変 異 体 に 加 え て 、 本 発 明 は ま た 、 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド の 第 3シ ス テ イ ン の 位 置 、
C3に お い て 変 異 を 含 む IL-28Aポ リ ペ プ チ ド を 含 む 。 例 え ば 、 配 列 番 号 :18の ポ リ ペ プ チ ド
の N末 端 側 か ら の C3は 、 50位 (大 腸 菌 で 発 現 さ せ る 場 合 、 さ ら な る N末 端 Metが 存 在 す る た め
51位 、 例 え ば 配 列 番 号 :36を 参 照 さ れ た い )の シ ス テ イ ン で あ る 。 本 発 明 の IL-28A C3変 異
体 分 子 は 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :28お よ び 30に 示 さ れ る IL-28A C3変 異 体 ポ リ ペ プ チ
10
ド を コ ー ド す る 、 配 列 番 号 :27お よ び 29に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分
子 を 含 む )を 含 む (PCT公 報 WO 03/066002(Kotenko et al))。
【0053】
本 発 明 の IL-28Aポ リ ペ プ チ ド は 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :1、 17、 23、 25、 27、 29、
お よ び 35に 示 さ れ る IL-28Aポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 に よ っ て コ ー ド さ れ る 、 配 列 番 号 :2、 18
、 24、 26、 28、 30、 お よ び 36、 な ら び に 生 物 活 性 の あ る そ れ ら の 変 異 体 、 融 合 体 、 変 種 、
および断片を含む。
【0054】
IL-29遺 伝 子 は 、 配 列 番 号 :4に 示 さ れ る 200ア ミ ノ 酸 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 。 IL-2
9の シ グ ナ ル 配 列 は 、 配 列 番 号 :4の ア ミ ノ 酸 残 基 1位 (Met)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 19位 (Ala)ま で
20
を 含 む 。 IL-29の 成 熟 ペ プ チ ド は 、 ア ミ ノ 酸 残 基 20位 (Gly)か ら 始 ま る 。 IL-29は 、 公 開 さ
れ た PCT出 願 WO 02/02627に 記 載 さ れ て い る 。 変 種 IL-29遺 伝 子 は 、 例 え ば 配 列 番 号 :20に 示
さ れ る 200ア ミ ノ 酸 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド し 、 ア ミ ノ 酸 残 基 188位 (ま た は ア ミ ノ 酸 残 基 2
0位 (Gly)か ら 始 ま る 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド の ア ミ ノ 酸 残 基 169位 )が Aspの 代 わ り に Asnで あ る 。
本 発 明 は ま た 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :53、 55、 57、 59、 61、 63、 65、 お よ び 67に 示
さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 に よ っ て コ ー ド さ れ る 配 列 番 号 :54、 56、 58、 60、 62、 64、 6
6、 お よ び 68の よ う に 、 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド が Proに よ っ て 置 換 さ れ る ア ミ ノ 酸 残 基 10位 の Th
rを 有 す る 変 種 IL-29遺 伝 子 を 提 供 す る 。 本 発 明 は ま た 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :69、 7
1、 73、 75、 77、 79、 81、 お よ び 83に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 に よ っ て コ ー ド さ れ
る 配 列 番 号 :70、 72、 74、 76、 78、 80、 82、 お よ び 84の よ う に 、 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド が Aspに
30
よ っ て 置 換 さ れ る ア ミ ノ 酸 残 基 18位 の Glyを 有 す る 変 種 IL-29遺 伝 子 を 提 供 す る 。 IL-29の
シ グ ナ ル 配 列 は 、 配 列 番 号 :20の ア ミ ノ 酸 残 基 -19位 (Met)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 -1位 (Ala)ま で
を 含 む も の と 予 測 さ れ 得 る 。 IL-29の 成 熟 ペ プ チ ド は 、 配 列 番 号 :20の ア ミ ノ 酸 残 基 1位 (Gl
y)か ら 始 ま る 。 IL-29は 、 WO 02/02627に 記 載 さ れ て い る 。 IL-29ヘ リ ッ ク ス は 、 以 下 の よ
う に 予 測 さ れ る : ヘ リ ッ ク ス Aは 、 配 列 番 号 :20に 示 さ れ る ア ミ ノ 酸 残 基 30位 (Ser)∼ 44位 (
Leu)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Bは ア ミ ノ 酸 残 基 57位 (Asn)∼ 65位 (Val)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Cは ア
ミ ノ 酸 残 基 70位 (Val)∼ 85位 (Ala)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Dは ア ミ ノ 酸 残 基 92位 (Glu)∼ 114位 (
Gln)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Eは ア ミ ノ 酸 残 基 118位 (Thr)∼ 139位 (Lys)に よ り ; お よ び ヘ リ ッ
ク ス Fは ア ミ ノ 酸 残 基 144位 (Gly)∼ 170位 (Leu)に よ り 規 定 さ れ る 。 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド を コ
ードするポリヌクレオチド配列が大腸菌などの原核生物系において発現される場合、分泌
40
シ グ ナ ル 配 列 は 必 要 と さ れ 得 ず 、 ま た N末 端 Metが 存 在 し 得 り 、 結 果 と し て 、 例 え ば 配 列 番
号 :38に 示 さ れ る よ う な IL-29ポ リ ペ プ チ ド が 発 現 さ れ る 。
【0055】
本 発 明 の IL-29ポ リ ペ プ チ ド は ま た 、 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド の 第 5シ ス テ イ ン 、 C5に お い て 変
異 を 含 む 。 例 え ば 、 配 列 番 号 :20の ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 側 か ら の C5は 、 171位 、 ま た は 大
腸 菌 で 発 現 さ せ る 場 合 に は 172位 (さ ら な る N末 端 Met; 例 え ば 配 列 番 号 :38を 参 照 さ れ た い )
の シ ス テ イ ン で あ る 。 IL-29の こ の 第 5シ ス テ イ ン ま た は C5は 、 例 え ば 、 セ リ ン 、 ア ラ ニ ン
、 ス レ オ ニ ン 、 バ リ ン 、 ま た は ア ス パ ラ ギ ン に 変 異 さ れ 得 る 。 こ れ ら の IL-29 C5変 異 体 ポ
リ ペ プ チ ド は 、 C1(配 列 番 号 :20の Cys15)/C3(配 列 番 号 :20の Cys112)お よ び C2(配 列 番 号 :20
の Cys49)/C4(配 列 番 号 :20の Cys145)の ジ ス ル フ ィ ド 結 合 パ タ ー ン を 有 す る 。 本 発 明 の IL-2
50
(19)
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9 C5変 異 体 分 子 は 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :32、 34、 50、 52、 110、 112、 114、 116、 1
18、 120、 122、 124、 126、 128、 130、 132、 134、 お よ び 136に 示 さ れ る IL-29 C5変 異 体 ポ
リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 、 配 列 番 号 :31、 33、 49、 51、 109、 111、 113、 115、 117、 119、 1
21、 123、 125、 127、 129、 131、 133、 お よ び 135に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお
よ び RNA分 子 を 含 む )を 含 む 。 本 発 明 の さ ら な る IL-29 C5変 異 体 分 子 は 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号
:54、 55、 62、 お よ び 64に 示 さ れ る IL-29 C5変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 、 配 列 番 号 :
53、 55、 61、 お よ び 63に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分 子 を 含 む )を 含 む
(PCT公 報 WO 03/066002(Kotenko et al.))。 本 発 明 の さ ら な る IL-29 C5変 異 体 分 子 は 、 そ
れ ぞ れ 配 列 番 号 :70、 72、 78、 お よ び 80に 示 さ れ る IL-29 C5変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド
す る 、 配 列 番 号 :69、 71、 77、 お よ び 79に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分
10
子 を 含 む )を 含 む (PCT公 報 WO 02/092762(Baum et al.))。
【0056】
IL-29 C5変 異 体 に 加 え て 、 本 発 明 は ま た 、 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド の 第 1シ ス テ イ ン 、 C1に お
い て 変 異 を 含 む IL-29ポ リ ペ プ チ ド を 含 む 。 例 え ば 、 配 列 番 号 :20の ポ リ ペ プ チ ド の N末 端
側 か ら の C1は 、 15位 、 ま た は 大 腸 菌 で 発 現 さ せ る 場 合 に は 16位 (さ ら な る N末 端 Met; 例 え
ば 配 列 番 号 :38を 参 照 さ れ た い )の シ ス テ イ ン で あ る 。 IL-29の こ の 第 1シ ス テ イ ン ま た は C1
は、例えば、セリン、アラニン、スレオニン、バリン、またはアスパラギンに変異され得
る 。 こ れ ら の IL-29 C1変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド は 、 し た が っ て 、 C2(配 列 番 号 :20の Cys49)/C4(
配 列 番 号 :20の Cys145)お よ び C3(配 列 番 号 :20の Cys112)/C5(配 列 番 号 :20の Cys171)の 予 測
さ れ る ジ ス ル フ ィ ド 結 合 パ タ ー ン を 有 す る 。 本 発 明 の さ ら な る IL-29 C1変 異 体 分 子 は 、 そ
20
れ ぞ れ 配 列 番 号 :42、 44、 46、 お よ び 48に 示 さ れ る IL-29 C1変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド
す る 、 配 列 番 号 :41、 43、 45、 お よ び 47に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分
子 を 含 む )を 含 む 。 本 発 明 の さ ら な る IL-29 C1変 異 体 分 子 は 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :58、 60、
66、 お よ び 68に 示 さ れ る IL-29 C1変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 、 配 列 番 号 :57、 59、 6
5、 お よ び 67に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分 子 を 含 む )を 含 む (PCT公 報 W
O 03/066002(Kotenko et al.))。 本 発 明 の さ ら な る IL-29 C1変 異 体 分 子 は 、 そ れ ぞ れ 配 列
番 号 :74、 76、 82、 お よ び 84に 示 さ れ る IL-29 C1変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 、 配 列
番 号 :73、 75、 81、 お よ び 83に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分 子 を 含 む )
を 含 む (PCT公 報 WO 02/092762(Baum et al.))。
【0057】
30
本 発 明 の IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :
に 示 さ れ る IL-29ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 に よ っ て コ ー ド さ れ る 、 配 列 番 号 :
40
、ならびに生物活性のあるそれらの変異体、融合体、変種、および断片を含み、配列番号
:102、 104、 106、 ま た は 108に 示 さ れ る シ グ ナ ル 配 列 を さ ら に 含 み 得 る 。 配 列 番 号 :102、 1
04、 106、 お よ び 108の シ グ ナ ル 配 列 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 は 、
そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :101、 103、 105、 お よ び 107に 示 さ れ る 。
【0058】
IL-28B遺 伝 子 は 、 配 列 番 号 :6に 示 さ れ る 205個 ア ミ ノ 酸 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 。 I
L-28Bの シ グ ナ ル 配 列 は 、 配 列 番 号 :6の ア ミ ノ 酸 残 基 1位 (Met)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 21位 (Ala)
ま で を 含 む 。 IL-28Bの 成 熟 ペ プ チ ド は 、 ア ミ ノ 酸 残 基 22位 (Val)か ら 始 ま る 。 変 種 IL-28B
遺 伝 子 は 、 配 列 番 号 :22に 示 さ れ る 200ア ミ ノ 酸 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 。 IL-28Bの シ
グ ナ ル 配 列 は 、 配 列 番 号 :22の ア ミ ノ 酸 残 基 -25位 (Met)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 -1位 (Ala)ま で を
50
(20)
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含 む と 予 測 さ れ 得 る 。 IL-28Bの 成 熟 ペ プ チ ド は 、 配 列 番 号 :22の ア ミ ノ 酸 残 基 1位 (Val)か
ら 始 ま る 。 IL-28Bヘ リ ッ ク ス は 、 以 下 の よ う に 予 測 さ れ る : 配 列 番 号 :22に 示 さ れ る よ う
に 、 ヘ リ ッ ク ス Aは ア ミ ノ 酸 残 基 31位 (Ala)∼ 45位 (Leu)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Bは ア ミ ノ 酸 残
基 58位 (Thr)∼ 65位 (Gln)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Cは ア ミ ノ 酸 残 基 69位 (Arg)∼ 86位 (Ala)に よ
り ; ヘ リ ッ ク ス Dは ア ミ ノ 酸 残 基 95位 (Gly)∼ 114位 (Ala)に よ り ; ヘ リ ッ ク ス Eは ア ミ ノ 酸
残 基 126位 (Thr)∼ 142位 (Lys)に よ り ; お よ び ヘ リ ッ ク ス Fは ア ミ ノ 酸 残 基 148位 (Cys)∼ 169
位 (Ala)に よ り 規 定 さ れ る 。 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 配 列 が 大 腸
菌のような原核生物系において発現される場合、分泌シグナル配列は必要とされ得ず、ま
た N末 端 Metが 存 在 し 得 り 、 結 果 と し て 、 配 列 番 号 :40に 示 さ れ る よ う な ポ リ ペ プ チ ド が 発
現される。
10
【0059】
本 発 明 の IL-28Bポ リ ペ プ チ ド は ま た 、 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド の 第 2シ ス テ イ ン 、 C2に お い て
変 異 を 含 む 。 例 え ば 、 配 列 番 号 :22の ポ リ ペ プ チ ド の N末 端 側 か ら の C2は 、 ア ミ ノ 酸 48位 、
ま た は 大 腸 菌 で 発 現 さ せ る 場 合 に は 49位 (さ ら な る N末 端 Met; 例 え ば 配 列 番 号 :40を 参 照 さ
れ た い )の シ ス テ イ ン で あ る 。 IL-28Bの こ の 第 2シ ス テ イ ン (IL-28Aと 同 様 に 7つ あ る う ち の
)ま た は C2は 、 例 え ば 、 セ リ ン 、 ア ラ ニ ン 、 ス レ オ ニ ン 、 バ リ ン 、 ま た は ア ス パ ラ ギ ン に
変 異 さ れ 得 る 。 本 発 明 の IL-28B C2変 異 体 分 子 は 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :86お よ び 88
に 示 さ れ る IL-28B C2変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 、 配 列 番 号 :85お よ び 87に 示 さ れ る
ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分 子 を 含 む )を 含 む 。 本 発 明 の さ ら な る IL-28B C2変
異 体 は 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :94お よ び 96に 示 さ れ る IL-28 C2変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド
20
す る 、 配 列 番 号 :93お よ び 95に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分 子 を 含 む )
を 含 む (PCT公 報 WO 03/066002(Kotenko et al.))。
【0060】
IL-28B C2変 異 体 に 加 え て 、 本 発 明 は ま た 、 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド の 第 3シ ス テ イ ン 、 C3に お
い て 変 異 を 含 む IL-28Bポ リ ペ プ チ ド を 含 む 。 例 え ば 、 配 列 番 号 :22の ポ リ ペ プ チ ド の N末 端
側 か ら の C3は 、 ア ミ ノ 酸 50位 、 ま た は 大 腸 菌 で 発 現 さ せ る 場 合 に は 51位 (さ ら な る N末 端 Me
t; 例 え ば 配 列 番 号 :40を 参 照 さ れ た い )の シ ス テ イ ン で あ る 。 本 発 明 の IL-28B C3変 異 体 分
子 は 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :90お よ び 92に 示 さ れ る IL-28B C3変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を
コ ー ド す る 、 配 列 番 号 :89お よ び 91に 示 さ れ る ポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分 子 を
含 む )を 含 む 。 本 発 明 の さ ら な る IL-28B C3変 異 体 は 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :98お よ び 100に 示
30
さ れ る IL-28B C3変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 、 配 列 番 号 :97お よ び 99に 示 さ れ る ポ リ
ヌ ク レ オ チ ド 分 子 (DNAお よ び RNA分 子 を 含 む )を 含 む (PCT公 報 WO 03/066002(Kotenko et al
.))。
【0061】
本 発 明 の IL-28Bポ リ ペ プ チ ド は 、 例 え ば 、 そ れ ぞ れ 配 列 番 号 :5、 21、 39、 85、 87、 89、
91、 93、 95、 97、 お よ び 99に 示 さ れ る IL-28Bポ リ ヌ ク レ オ チ ド 分 子 に よ っ て コ ー ド さ れ る
、 配 列 番 号 :6、 22、 40、 86、 88、 90、 92、 94、 96、 98、 100、 な ら び に 生 物 活 性 の あ る そ
れらの変異体、融合体、変種、および断片を含む。
【0062】
zcyto24遺 伝 子 は 、 配 列 番 号 :8に 示 さ れ る 202ア ミ ノ 酸 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 。 zc
40
yto24分 泌 シ グ ナ ル 配 列 は 、 配 列 番 号 :8の ア ミ ノ 酸 残 基 1位 (Met)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 28位 (Al
a)ま で を 含 む 。 分 泌 シ グ ナ ル 配 列 の 別 の 切 断 部 位 は 、 ア ミ ノ 酸 残 基 24位 (Thr)に 見 出 さ れ
得 る 。 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド は 、 ア ミ ノ 酸 残 基 29位 (Asp)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 202位 (Val)ま で を
含む。
【0063】
zcyto25遺 伝 子 は 、 配 列 番 号 :10に 示 さ れ る 202ア ミ ノ 酸 の ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 。 z
cyto25分 泌 シ グ ナ ル 配 列 は 、 配 列 番 号 :10の ア ミ ノ 酸 残 基 1位 (Met)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 28位 (
Ala)ま で を 含 む 。 分 泌 シ グ ナ ル 配 列 の 別 の 切 断 部 位 は 、 ア ミ ノ 酸 残 基 24位 (Thr)に 見 出 さ
れ 得 る 。 成 熟 ポ リ ペ プ チ ド は 、 ア ミ ノ 酸 残 基 29位 (Asp)か ら ア ミ ノ 酸 残 基 202位 (Val)ま で
を含む。
50
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【0064】
本 発 明 の IL-28お よ び IL-29シ ス テ イ ン 変 異 体 ポ リ ペ プ チ ド は 、 単 一 ジ ス ル フ ィ ド 形 態 の
IL-28ま た は IL-29分 子 の 発 現 を 提 供 し た 。 IL-28お よ び IL-29を 大 腸 菌 で 発 現 さ せ る 場 合 に
は 、 N末 端 メ チ オ ニ ン が 存 在 す る 。 例 え ば 、 配 列 番 号 :26お よ び 34は 、 そ れ ぞ れ N末 端 Metが
存 在 す る 場 合 の IL-28Aお よ び IL-29変 異 体 の ア ミ ノ 酸 残 基 番 号 付 け を 示 す 。 表 1は 、 野 生 型
IL-28A、 IL-28B、 お よ び IL-29に 関 す る 、 分 子 内 ジ ス ル フ ィ ド 結 合 さ れ る シ ス テ イ ン 対 の
可能な組み合わせを示す。
【0065】
【表1】
10
20
30
【0066】
当 技 術 分 野 に お い て 周 知 で あ る 方 法 を 使 用 し て 、 本 発 明 の IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ
ドを、単量体または多量体;グリコシル化または非グリコシル化タンパク質;ペグ化また
は非ペグ化タンパク質;融合タンパク質として調製することができ;また最初のメチオニ
ン ア ミ ノ 酸 残 基 を 含 む 場 合 も あ れ ば 含 ま な い 場 合 も あ る 。 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド
40
は、治療で使用するために、許容される水溶性ポリマー成分に結合され得る。例えば、イ
ンターフェロンを水溶性ポリマーとと結合させることにより、インターフェロンの循環半
減 期 が 増 大 し 、 か つ ポ リ ペ プ チ ド の 免 疫 原 性 が 低 下 す る こ と が 示 さ れ て い る (例 え ば 、 Nie
forth et al., Clin. Pharmacol. Ther. 59:636 (1996)、 お よ び Monkarsh et al., Anal.
Biochem. 247:434 (1997)を 参 照 さ れ た い )。
【0067】
適 切 な 水 溶 性 ポ リ マ ー に は 、 ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル (PEG)、 モ ノ メ ト キ シ -PEG、 モ ノ (C1-C10)ア ル コ キ シ -PEG、 ア リ ー ル オ キ シ -PEG、 ポ リ -(N-ビ ニ ル ピ ロ リ ド ン )PEG、 ト レ シ
ル モ ノ メ ト キ シ PEG、 モ ノ メ ト キ シ -PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド 、 PEGプ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド
、 ビ ス -ス ク シ ン イ ミ ジ ル カ ー ボ ネ ー ト PEG、 プ ロ ピ レ ン グ リ コ ー ル ホ モ ポ リ マ ー 、 ポ リ プ
50
(22)
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ロ ピ レ ン オ キ シ ド /エ チ レ ン オ キ シ ド 共 重 合 体 、 ポ リ オ キ シ エ チ ル 化 ポ リ オ ー ル (例 え ば 、
グ リ セ ロ ー ル )、 モ ノ メ ト キ シ -PEGブ チ ル ア ル デ ヒ ド 、 PEGブ チ ル ア ル デ ヒ ド 、 モ ノ メ ト キ
シ -PEGア セ ト ア ル デ ヒ ド 、 PEGア セ ト ア ル デ ヒ ド 、 メ ト キ シ PEG-ス ク シ ン イ ミ ジ ル プ ロ ピ
オ ン 酸 、 メ ト キ シ PEG-ス ク シ ン イ ミ ジ ル 酪 酸 、 ポ リ ビ ニ ル ア ル コ ー ル 、 デ キ ス ト ラ ン 、 セ
ル ロ ー ス 、 ま た は 他 の 炭 水 化 物 に 基 づ く ポ リ マ ー が 含 ま れ る 。 適 切 な PEGは 、 例 え ば 5,000
、 12,000、 20,000、 30,000、 40,000、 お よ び 50,000を 含 む 約 600∼ 約 60,000の 分 子 量 を 有
し 得 り 、 直 鎖 型 ま た は 分 岐 型 で あ っ て よ い 。 IL-28ま た は IL-29複 合 体 は ま た 、 そ の よ う な
水溶性ポリマーの混合物を含み得る
【0068】
IL-28ま た は IL-29複 合 体 の 一 例 は 、 IL-28ま た は IL-29部 分 、 お よ び IL-28ま た は IL-29部
10
分 の N末 端 に 結 合 さ れ た ポ リ ア ル キ ル オ キ シ ド 部 分 を 含 む 。 PEGは 、 1つ の 適 切 な ポ リ ア ル
キ ル オ キ シ ド で あ る 。 例 と し て 、 IL-28ま た は IL-29は PEGで 修 飾 さ れ 得 り 、 そ の 過 程 は 「
ペ グ 化 」 と し て 周 知 で あ る 。 IL-28ま た は IL-29の ペ グ 化 は 、 当 技 術 分 野 に お い て 周 知 で あ
る ペ グ 化 反 応 の い ず れ か に よ っ て 行 わ れ 得 る (例 え ば 、 EP 0 154 316、 Delgado et al., C
ritical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems 9:249 (1992)、 Duncan and Spr
eafico, Clin. Pharmacokinet. 27:290 (1994)、 お よ び Francis et al., Int J Hematol
68:1 (1998)を 参 照 さ れ た い )。 例 え ば 、 ペ グ 化 は 、 反 応 性 ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル 分 子
を用いたアシル化反応またはアルキル化反応によって行われ得る。別のアプローチでは、
IL-28ま た は IL-29複 合 体 は 、 PEGの 末 端 水 酸 基 ま た は ア ミ ノ 基 が 活 性 化 リ ン カ ー に よ っ て
置 換 さ れ て い る 活 性 化 PEGを 濃 縮 す る こ と に よ っ て 形 成 さ れ る (例 え ば 、 Karasiewicz et a
20
l.、 米 国 特 許 第 5,382,657号 を 参 照 さ れ た い )。
【0069】
ア シ ル 化 に よ る ペ グ 化 は 典 型 的 に 、 PEGの 活 性 エ ス テ ル 誘 導 体 と IL-28ま た は IL-29ポ リ
ペ プ チ ド と を 反 応 さ せ る こ と を 必 要 と す る 。 活 性 化 PEGエ ス テ ル の 例 は 、 N-ヒ ド ロ キ シ ス
ク シ ン イ ミ ド に エ ス テ ル 化 さ れ た PEGで あ る 。 本 明 細 書 で 使 用 す る 「 ア シ ル 化 」 と い う 用
語 に は 、 IL-28ま た は IL-29と 水 溶 性 ポ リ マ ー と の 以 下 の 種 類 の 結 合 が 含 ま れ る : ア ミ ド 、
カ ル バ メ ー ト 、 ウ レ タ ン な ど 。 ア シ ル 化 に よ っ て ペ グ 化 IL-28ま た は IL-29を 調 製 す る 方 法
は 、 典 型 的 に 、 (a) 1つ ま た は 複 数 の PEG基 が IL-28ま た は IL-29に 結 合 す る 条 件 下 で 、 IL-2
8ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド を PEG(PEGの ア ル デ ヒ ド 誘 導 体 の 反 応 性 エ ス テ ル な ど )と 反 応 さ
せ る 段 階 、 お よ び (b) 反 応 産 物 を 得 る 段 階 を 含 む 。 一 般 に 、 ア シ ル 化 反 応 の 最 適 な 反 応 条
30
件 は 、 既 知 の パ ラ メ ー タ お よ び 所 望 の 結 果 に 基 づ い て 決 定 さ れ る 。 例 え ば 、 PEG: IL-28ま
た は IL-29の 比 が 大 き い ほ ど 、 ポ リ ペ グ 化 IL-28ま た は IL-29産 物 の 割 合 は 大 き く な る 。
【0070】
ア ル キ ル 化 に よ る ペ グ 化 は 一 般 に 、 還 元 剤 の 存 在 下 で 、 PEGの 末 端 ア ル デ ヒ ド (例 え ば 、
プ ロ ピ オ ン ア ル デ ヒ ド 、 ブ チ ル ア ル デ ヒ ド 、 ア セ ト ア ル デ ヒ ド な ど )誘 導 体 を IL-28ま た は
IL-29と 反 応 さ せ る こ と を 含 む 。 PEG基 は 好 ま し く は 、 -CH2 -NH2 基 を 介 し て ポ リ ペ プ チ ド に
結合される。
【0071】
モノペグ化産物を生成するための還元的アルキル化による誘導体化は、誘導体化に利用
される異なる種類の一級アミノ基の異なる反応性を利用している。典型的に、反応はリジ
40
ン 残 基 の ε -ア ミ ノ 基 と タ ン パ ク 質 の N末 端 残 基 の α -ア ミ ノ 基 と の pKaの 差 を 利 用 で き る pH
で行われる。そのような選択的誘導体化によって、アルデヒドなどの反応基を含む水溶性
ポリマーのタンパク質への結合が制御される。ポリマーとの結合は、リジン側鎖アミノ基
な ど の 他 の 反 応 基 を 有 意 に 修 飾 す る こ と な く 、 主 に タ ン パ ク 質 の N末 端 で 起 こ る 。
【0072】
モ ノ ポ リ マ ー IL-28ま た は IL-29複 合 体 分 子 の 実 質 的 に 均 一 な 集 団 を 生 成 す る た め の 還 元
的 ア ル キ ル 化 は 、 (a) IL-28ま た は IL-29の ア ミ ノ 末 端 で の α -ア ミ ノ 基 の 選 択 的 修 飾 を 可
能 に す る の に 適 し た pHに お け る 還 元 的 ア ル キ ル 化 条 件 下 で 、 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ
ド を 反 応 性 PEGと 反 応 さ せ る 段 階 、 お よ び (b) 反 応 産 物 を 得 る 段 階 を 含 み 得 る 。 還 元 的 ア
ルキル化に使用する還元剤は、水溶液中で安定であるべきであり、かつ好ましくは、還元
50
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的アルキル化の初期過程で形成されるシッフ塩基のみを還元し得る。好ましい還元剤には
、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ト
リメチルアミンボラン、およびピリジンボランが含まれる。
【0073】
モ ノ ポ リ マ ー IL-28ま た は IL-29複 合 体 の 実 質 的 に 均 一 な 集 団 に 関 し て 、 還 元 的 ア ル キ ル
化 反 応 条 件 は 、 IL-28ま た は IL-29の N末 端 に 対 す る 水 溶 性 ポ リ マ ー 部 分 の 選 択 的 結 合 を 可
能 と す る 条 件 で あ る 。 そ の よ う な 反 応 条 件 は 一 般 に 、 リ ジ ン ア ミ ノ 基 と N末 端 の α ア ミ ノ
基 と の pKaの 差 を 提 供 す る 。 pHは ま た 、 使 用 す る ポ リ マ ー と タ ン パ ク 質 の 比 に 影 響 を 及 ぼ
す 。 一 般 に 、 N末 端 α 基 の 反 応 性 が 低 い ほ ど 最 適 な 条 件 を 得 る た め に よ り 多 く の ポ リ マ ー
を 必 要 と す る こ と か ら 、 pHが 低 い ほ ど 、 タ ン パ ク 質 に 対 し て よ り 過 剰 な ポ リ マ ー が 必 要 と
10
な る 。 pHが 高 け れ ば 、 よ り 多 く の 反 応 基 を 利 用 で き る こ と か ら 、 ポ リ マ ー : IL-28ま た は I
L-29は そ れ ほ ど 大 き い 必 要 は な い 。 典 型 的 に 、 pHは 3∼ 9ま た は 3∼ 6の 範 囲 内 で あ る 。 検 討
すべき別の要因は、水溶性ポリマーの分子量である。一般に、ポリマーの分子量が大きい
ほど、タンパク質に結合され得るポリマー分子の数は減少する。ペグ化反応に関して、典
型 的 な 分 子 量 は 、 約 2 kDa∼ 約 100 kDa、 約 5 kDa∼ 約 50 kDa、 ま た は 約 12 kDa∼ 約 40 kDa
で あ る 。 水 溶 性 ポ リ マ ー と IL-28ま た は IL-29の モ ル 比 は 、 一 般 に 1:1∼ 100:1の 範 囲 で あ る
。 典 型 的 に 、 水 溶 性 ポ リ マ ー と IL-28ま た は IL-29の モ ル 比 は 、 ポ リ ペ グ 化 に 関 し て 1:1∼ 2
0:1で あ り 、 か つ モ ノ ペ グ 化 に 関 し て 1:1∼ 5:1で あ る 。
【0074】
インターフェロンおよび水溶性ポリマー部分を含む複合体を作製する一般的な方法は、
20
当 技 術 分 野 に お い て 周 知 で あ る 。 例 え ば 、 Karasiewicz et al.、 米 国 特 許 第 5,382,657号
、 Greenwald et al.、 米 国 特 許 第 5,738,846号 、 Nieforth et al., Clin. Pharmacol. The
r. 59: 636 (1996)、 Monkarsh et al., Anal. Biochem. 247: 434 (1997)を 参 照 さ れ た い
。ペグ化種は、透析、限外ろ過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマ
トグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィーなどの標準的な精製法を用いて、複合体化
さ れ て い な い IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド か ら 分 離 さ れ 得 る 。
【0075】
本 発 明 の IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 IL-28受 容 体 と 特 異 的 に 結 合 し 得 る お よ び /
ま た は 抗 ウ イ ル ス 剤 と し て 作 用 し 得 る 。 IL-28受 容 体 に 対 す る IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ
チ ド の 結 合 は 、 確 立 さ れ た ア プ ロ ー チ を 用 い て ア ッ セ イ す る こ と が で き る 。 IL-28ま た は I
30
L-29ポ リ ペ プ チ ド は ヨ ー ド ビ ー ズ (Pierce、 イ リ ノ イ 州 、 ロ ッ ク フ ォ ー ド )を 使 用 し 製 造 業
者の指示に従ってヨウ素化し得り、次いで
1 2 5
I-IL-28ま た は
1 2 5
I-IL-29を 以 下 に 記 載 す る
ように使用することができる。
【0076】
最 初 の ア プ ロ ー チ で は 、 非 標 識 シ ス テ イ ン 変 異 体 IL-28、 シ ス テ イ ン 変 異 体 IL-29、 IL-2
8、 ま た は IL-29を 含 む 可 能 な 結 合 競 合 剤 の 存 在 下 ま た は 非 存 在 下 に お い て 、 50ナ ノ グ ラ ム
の
1 2 5
I-IL-28ま た は
1 2 5
I-IL-29を 1000 ngの IL-28受 容 体 ヒ ト IgG融 合 タ ン パ ク 質 と 混 合 し
得 る 。 特 異 性 の 対 照 と し て 、 他 の サ イ ト カ イ ン 受 容 体 ヒ ト IgG融 合 体 を 代 わ り に 使 用 し 、
同 様 の 結 合 反 応 を 実 施 す る 。 4℃ で イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 プ ロ テ イ ン -G(Zymed、 カ リ フ
ォ ル ニ ア 州 、 サ ン フ ラ ン シ ス コ )に 結 合 す る 受 容 体 -IgG融 合 体 お よ び 任 意 の タ ン パ ク 質 を
40
捕 獲 す る た め に プ ロ テ イ ン -Gを 反 応 物 に 添 加 し 、 反 応 物 を 4℃ で さ ら な る 時 間 イ ン キ ュ ベ
ー ト す る 。 次 い で プ ロ テ イ ン -Gセ フ ァ ロ ー ス を 回 収 し 、 PBSで 3回 洗 浄 し 、 結 合 し た
L-28ま た は
1 2 5
1 2 5
I-I
I-IL-29を γ カ ウ ン タ ー (Packard Instruments、 イ リ ノ イ 州 、 ダ ウ ナ ー ズ グ
ロ ー ブ )で 測 定 す る 。
【0077】
第 2の ア プ ロ ー チ で は 、 プ レ ー ト に 結 合 し た 受 容 体 に 対 す る
1 2 5
I-IL-28ま た は
1 2 5
I-IL-2
9の 結 合 を 阻 害 す る 分 子 の 能 力 を ア ッ セ イ し 得 る 。 プ レ ー ト 中 で 受 容 体 の 1 g/mL溶 液 100μ
lを 一 晩 イ ン キ ュ ベ ー ト す る こ と に よ り 、 細 胞 外 リ ガ ン ド 結 合 ド メ イ ン を 表 す IL-28受 容 体
の 断 片 を 96ウ ェ ル プ レ ー ト の ウ ェ ル に 吸 収 さ せ 得 る 。 第 2の 形 態 で は 、 受 容 体 -ヒ ト IgG融
合 タ ン パ ク 質 の ヒ ト IgG部 分 に 対 す る 抗 体 で コ ー テ ィ ン グ し て お い た 96ウ ェ ル プ レ ー ト の
50
(24)
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ウ ェ ル に 、 受 容 体 -ヒ ト IgG融 合 体 を 結 合 さ せ 得 る 。 受 容 体 で プ レ ー ト を コ ー テ ィ ン グ し た
後 、 プ レ ー ト を 洗 浄 し て 、 SUPERBLOCK(Pierce、 イ リ ノ イ 州 、 ロ ッ ク フ ォ ー ド )で ブ ロ ッ キ
ン グ し 、 再 度 洗 浄 す る 。 シ ス テ イ ン 変 異 体 IL-28、 シ ス テ イ ン 変 異 体 IL-29、 IL-28、 ま た
は IL-29を 含 む 可 能 な 結 合 競 合 剤 を 濃 度 を 増 加 さ せ つ つ 添 加 し て 、 ま た は 添 加 せ ず に 、 一
定濃度の
1 2 5
I-IL-28ま た は
1 2 5
I-IL-29を 含 む 溶 液 を 調 製 し 、 こ の 溶 液 100μ lを プ レ ー ト の
適 切 な ウ ェ ル に 添 加 す る 。 4℃ で 1時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 プ レ ー ト を 洗 浄 し 、 カ ウ ン
ト す る こ と に よ り (Topcount、 Packard Instruments、 イ リ ノ イ 州 、 ダ ウ ナ ー ズ グ ロ ー ブ )
結合した
1 2 5
I-IL-28ま た は
1 2 5
I-IL-29の 量 を 決 定 す る 。
1 2 5
I-IL-28ま た は
1 2 5
I-IL-29の 結
合特異性は、これらの結合アッセイで使用した受容体分子および阻害剤として使用した分
子によって規定し得る。
10
【0078】
半 減 期 を 延 長 さ せ る た め に は 、 ペ グ 化 に 加 え て 、 本 発 明 の IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ
ドにヒトアルブミンを結合することができる。ヒトアルブミンは、ヒト循環系において最
も 多 い 天 然 血 液 タ ン パ ク 質 で あ り 、 20日 を 超 え る 期 間 に わ た っ て 体 内 の 血 液 循 環 中 に 持 続
する。研究から、ヒトアルブミンに遺伝子的に融合された治療タンパク質は、より長い半
減 期 を 有 す る こ と が 示 さ れ て い る 。 IL28ま た は IL29ア ル ブ ミ ン 融 合 タ ン パ ク 質 は 、 ペ グ 化
と同様に、現在利用できる治療と同様の、またはそれよりも改善された有効性および安全
性を有して、より簡便な投与計画を提供する長期間作用のある治療選択肢を患者に提供し
得 る (米 国 特 許 第 6,165,470号 ; Syed et al., Blood, 89(9):3243-3253 (1997); Yeh et a
l., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 89:1904-1908 (1992); お よ び Zeisei et al., Horm.
20
Res., 37:5-13 (1992))。
【0079】
上 記 の ペ グ 化 お よ び ヒ ト ア ル ブ ミ ン と 同 様 に 、 ヒ ト IgG分 子 の Fc部 分 も 本 発 明 の ポ リ ペ
プ チ ド に 融 合 さ せ る こ と が で き る 。 そ の 結 果 得 ら れ る 融 合 タ ン パ ク 質 は 、 Fc部 分 の た め に
、 よ り 長 い 循 環 半 減 期 を 有 し 得 る (米 国 特 許 第 5,750,375号 、 米 国 特 許 第 5,843,725号 、 米
国 特 許 第 6,291,646号 、 Barouch et al., Journal of Immunology, 61:1875-1882 (1998)
; Barouch et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 97(8):4192-4197(2000年 4月 11日 ); お
よ び Kim et al., Transplant Proc., 30(8):4031-4036(1998年 12月 ))。
【0080】
IL-28A、 IL-29、 IL-28B、 zcyto24、 お よ び zcyto25は そ れ ぞ れ 、 zcytor19(IL-28RA)と 命
30
名 さ れ た オ ー フ ァ ン 受 容 体 と 複 合 体 を 形 成 す る こ と が 示 さ れ て い る 。 IL-28RAは 、 同 一 出
願 人 に よ る 特 許 出 願 PCT/US01/44808に 記 載 さ れ て い る 。 IL-28B、 IL-29、 zcyto24、 お よ び
zcyto25も 同 様 に 、 IL-28RAと 結 合 す る ま た は IL-28RAを 介 し て シ グ ナ ル 伝 達 す る こ と が 示
さ れ て お り 、 IL-28A、 IL-29、 IL-28B、 zcyto24、 お よ び zcyto25が サ イ ト カ イ ン の 同 じ フ
ァ ミ リ ー の メ ン バ ー で あ る こ と が さ ら に 示 唆 さ れ る 。 IL-28RA受 容 体 は 、 ク ラ ス IIサ イ ト
カ イ ン 受 容 体 で あ る 。 ク ラ ス IIサ イ ト カ イ ン 受 容 体 は 通 常 、 4本 ヘ リ ッ ク ス 束 の サ イ ト カ
イ ン と 結 合 す る 。 例 え ば 、 イ ン タ ー ロ イ キ ン -10お よ び イ ン タ ー フ ェ ロ ン は 、 こ の ク ラ ス
の 受 容 体 (例 え ば 、 イ ン タ ー フ ェ ロ ン -γ 受 容 体 、 α 鎖 お よ び β 鎖 、 な ら び に イ ン タ ー フ ェ
ロ ン -α /β 受 容 体 、 α 鎖 お よ び β 鎖 )と 結 合 す る 。
【0081】
40
ク ラ ス IIサ イ ト カ イ ン 受 容 体 は 、 細 胞 外 ド メ イ ン 中 に 1つ ま た は 複 数 の サ イ ト カ イ ン 受
容 体 モ ジ ュ ー ル (CRM)が 存 在 す る こ と を 特 徴 と す る 。 他 の ク ラ ス IIサ イ ト カ イ ン 受 容 体 に
は 、 zcytor11(同 一 所 有 者 に よ る 米 国 特 許 第 5,965,704号 )、 CRF2-4(GenBankア ク セ ッ シ ョ
ン 番 号 Z17227)、 IL-10R(GenBankア ク セ ッ シ ョ ン 番 号 U00672お よ び NM_001558)、 DIRS1、 zc
ytor7(同 一 所 有 者 に よ る 米 国 特 許 第 5,945,511)、 お よ び 組 織 因 子 が 含 ま れ る 。 IL-28RAは
、 イ ン タ ー フ ェ ロ ン -α /β 受 容 体 α 鎖 を 除 く す べ て の 既 知 の ク ラ ス II受 容 体 と 同 様 に 、 細
胞 外 ド メ イ ン 中 に 単 一 の ク ラ ス II CRMの み を 有 す る 。
【0082】
IL-28RAを コ ー ド す る ヒ ト cDNAク ロ ー ン (配 列 番 号 :11)の 解 析 に よ り 、 分 泌 シ グ ナ ル 配 列
(配 列 番 号 :12の 残 基 1位 (Met)∼ 20位 (Gly))な ら び に 成 熟 IL-28RAサ イ ト カ イ ン 受 容 体 ポ リ
50
(25)
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ペ プ チ ド (配 列 番 号 :12の 残 基 21位 (Arg)∼ 520位 (Arg))、 お よ そ 206ア ミ ノ 酸 残 基 の 細 胞 外
リ ガ ン ド 結 合 ド メ イ ン (配 列 番 号 :12の 残 基 21位 (Arg)∼ 226位 (Asn))、 お よ そ 23ア ミ ノ 酸 残
基 の 膜 貫 通 ド メ イ ン (配 列 番 号 :12の 残 基 227位 (Trp)∼ 249位 (Trp))、 お よ び お よ そ 271ア ミ
ノ 酸 残 基 の 細 胞 内 ド メ イ ン (配 列 番 号 :12の 残 基 250位 (Lys)∼ 520位 (Arg))を 含 む 520ア ミ ノ
酸 (配 列 番 号 :12)を コ ー ド す る オ ー プ ン リ ー デ ィ ン グ フ レ ー ム が 明 ら か に さ れ た 。 細 胞 外
リ ガ ン ド 結 合 ド メ イ ン 内 に は 、 2つ の フ ィ ブ ロ ネ ク チ ン III型 ド メ イ ン お よ び リ ン カ ー 領 域
が 存 在 す る 。 第 1フ ィ ブ ロ ネ ク チ ン III型 ド メ イ ン は 配 列 番 号 :12の 残 基 21位 (Arg)∼ 119位 (
Tyr)を 含 み 、 リ ン カ ー は 配 列 番 号 :12の 残 基 120位 (Leu)∼ 124位 (Glu)を 含 み 、 第 2フ ィ ブ ロ
ネ ク チ ン III型 ド メ イ ン は 配 列 番 号 :12の 残 基 125位 (Pro)∼ 223位 (Pro)を 含 む 。
【0083】
10
さ ら に 、 29ア ミ ノ 酸 欠 失 を 有 す る IL-28RA変 種 を コ ー ド す る ヒ ト cDNAク ロ ー ン が 同 定 さ
れ た 。 こ の IL-28RA変 種 (配 列 番 号 :13に 示 さ れ る )は 、 分 泌 シ グ ナ ル 配 列 (配 列 番 号 :14の 残
基 1位 (Met)∼ 20位 (Gly))な ら び に 成 熟 IL-28RAサ イ ト カ イ ン 受 容 体 ポ リ ペ プ チ ド (配 列 番 号
:14の 残 基 21位 (Arg)∼ 491位 (Arg))、 お よ そ 206ア ミ ノ 酸 残 基 の 細 胞 外 リ ガ ン ド 結 合 ド メ イ
ン (配 列 番 号 :14の 残 基 21位 (Arg)∼ 226位 (Asn))、 お よ そ 23ア ミ ノ 酸 残 基 の 膜 貫 通 ド メ イ ン
(配 列 番 号 :14の 残 基 227位 (Trp)∼ 249位 (Trp))、 お よ び お よ そ 242ア ミ ノ 酸 残 基 の 細 胞 内 ド
メ イ ン (配 列 番 号 :14の 残 基 250位 (Lys)∼ 491位 (Arg))を 含 む 491ア ミ ノ 酸 (配 列 番 号 :14)を
コードするオープンリーディングフレームを含む。
【0084】
切 断 さ れ た 可 溶 型 の IL-28RA受 容 体 mRNAが 、 自 然 に 発 現 さ れ る よ う で あ る 。 切 断 型 可 溶
20
性 IL-28RAを コ ー ド す る ヒ ト cDNAク ロ ー ン (配 列 番 号 :15)の 解 析 に よ り 、 分 泌 シ グ ナ ル 配 列
(配 列 番 号 :16の 残 基 1位 (Met)∼ 20位 (Gly))お よ び 成 熟 切 断 型 可 溶 性 IL-28RA受 容 体 ポ リ ペ
プ チ ド (配 列 番 号 :16の 残 基 21位 (Arg)∼ 211位 (Ser))(お よ そ 143ア ミ ノ 酸 残 基 の 切 断 型 細 胞
外 リ ガ ン ド 結 合 ド メ イ ン (配 列 番 号 :16の 残 基 21位 (Arg)∼ 163位 (Trp))を 含 み 、 膜 貫 通 ド メ
イ ン を 含 ま ず 、 し か し お よ そ 48ア ミ ノ 酸 残 基 の さ ら な る ド メ イ ン (配 列 番 号 :16の 残 基 164
位 (Lys)∼ 211位 (Ser))を 含 む )を 含 む 211ア ミ ノ 酸 (配 列 番 号 :16)を コ ー ド す る オ ー プ ン リ
ーディングフレームが明らかにされた。
【0085】
IL-28RAは ク ラ ス IIサ イ ト カ イ ン 受 容 体 と 同 じ 受 容 体 サ ブ フ ァ ミ リ ー の メ ン バ ー で あ り
、このサブファミリーの受容体は会合して、シグナルを伝達するホモ二量体を形成し得る
30
。 こ の サ ブ フ ァ ミ リ ー の い く つ か の メ ン バ ー (例 え ば 、 イ ン タ ー フ ェ ロ ン 、 IL-10、 IL-19
、 お よ び IL-TIFと 結 合 す る 受 容 体 )は 、 第 2の サ ブ ユ ニ ッ ト (β -サ ブ ユ ニ ッ ト と 称 さ れ る )
と 結 合 し て 、 リ ガ ン ド と 結 合 し シ グ ナ ル を 伝 達 す る 。 し か し 、 多 く の 場 合 、 特 定 の β -サ
ブ ユ ニ ッ ト は 、 複 数 の 特 定 の サ イ ト カ イ ン 受 容 体 サ ブ ユ ニ ッ ト と 会 合 す る 。 例 え ば 、 zcyt
or11(米 国 特 許 第 5,965,704号 )お よ び CRF2-4受 容 体 な ど の ク ラ ス IIサ イ ト カ イ ン 受 容 体 は
、 ヘ テ ロ 二 量 体 化 し て 、 サ イ ト カ イ ン IL-TIFと 結 合 す る (WO 00/24758; Dumontier et al.
, J. Immunol. 164:1814-1819, 2000; Spencer, SD et al., J. Exp. Med. 187:571-578,
1998; Gibbs, VC and Pennica Gene 186:97-101, 1997(CRF2-4 cDNA); Xie, MH et al.,
J. Biol. Chem. 275:31335-31339, 2000を 参 照 さ れ た い )。 IL-10β 受 容 体 は 、 CRF2-4と
同 義 で あ る と 考 え ら れ て い る (Dumoutier, L. et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. 97:1014
40
4-10149, 2000; Liu Y et al., J. Immunol. 152:1821-1829, 1994(IL-10R cDNA))。 し た
が っ て 、 IL-28、 IL-29、 zcyto24、 お よ び zcyto25は 、 単 量 体 、 ホ モ 二 量 体 、 ヘ テ ロ 二 量 体
、 お よ び 多 量 体 zcytor19受 容 体 の い ず れ か と 結 合 す る こ と が 予 想 さ れ 得 る 。 実 験 的 証 拠 か
ら 、 CRF2-4が IL-28RAの 推 定 上 の 結 合 パ ー ト ナ ー で あ る と 同 定 さ れ た 。
【0086】
本 発 明 の 方 法 に 有 用 で あ る IL-28ま た は IL-29分 子 を 同 定 す る た め に 用 い ら れ る 分 子 の 生
物 活 性 の 例 に は 、 い く ら か の 特 異 性 を 有 し て IL-28受 容 体 に 結 合 し 得 る 分 子 が 含 ま れ る 。
一 般 に 、 同 族 受 容 体 に 対 す る リ ガ ン ド 結 合 は 、 KD が 100 nM∼ 100 pMの 範 囲 内 に 入 る 場 合 に
特 異 的 で あ る 。 100 mM∼ 10 nM KD の 範 囲 に あ る 特 異 的 結 合 は 、 低 親 和 性 結 合 で あ る 。 2.5
pM∼ 100 pM KD の 範 囲 に あ る 特 異 的 結 合 は 、 高 親 和 性 結 合 で あ る 。 別 の 例 で は 、 生 物 活 性
50
(26)
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の あ る IL-28ま た は IL-29分 子 は 、 野 生 型 IL-28ま た は IL-29に 付 随 す る 抗 ウ イ ル ス 活 性 の あ
る程度のレベルを有し得る。
【0087】
所 与 の ア ミ ノ 酸 を コ ー ド す る 種 々 の コ ド ン を 表 2に 記 載 す る 。
【0088】
【表2】
10
20
30
40
【0089】
当業者は、各アミノ酸をコードするあらゆる可能なコドンを代表する縮重コドンの決定
において、多少のあいまいさが導入されることを理解すると考えられる。例えば、セリン
の 縮 重 コ ド ン (WSN)は 、 状 況 に よ っ て は ア ル ギ ニ ン (AGR)を コ ー ド し 得 り 、 ま た ア ル ギ ニ ン
の 縮 重 コ ド ン (MGN)は 、 状 況 に よ っ て は セ リ ン (AGY)を コ ー ド し 得 る 。 フ ェ ニ ル ア ラ ニ ン お
よびロイシンをコードするコドン間にも同様の関係が存在する。したがって、縮重配列に
より包含されるいくつかのポリヌクレオチドは変種アミノ酸配列をコードし得るが、当業
者は、本明細書に開示する配列を参照することで、そのような変種配列を容易に同定する
50
(27)
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ことができる。変種配列は、その機能性について、本明細書に記載する通りに容易に試験
することができる。
【0090】
当業者は、異なる種が「優先的コドン使用」を示し得ることもまた理解すると考えられ
る 。 一 般 的 に は 、 Grantham et al., Nuc. Acids Res. 8:1893-912, 1980; Haas et al.,
Curr. Biol. 6:315-24, 1996; Wain-Hobson et al., Gene 13:355-64, 1981; Grosjean a
nd Fiers, Gene 18:199-209, 1982; Holm, Nuc. Acids Res. 14:3075-87, 1986; Ikemura
, J. Mol. Biol. 158:573-97, 1982を 参 照 さ れ た い 。 本 明 細 書 で 用 い る 「 優 先 的 コ ド ン 使
用」または「優先的コドン」という用語は、ある種の細胞で最も高い頻度で使用されるこ
と に よ っ て 、 各 ア ミ ノ 酸 を コ ー ド す る 可 能 な コ ド ン (表 2を 参 照 )の 中 で も 1個 ま た は 数 個 の
10
代表が優先されるタンパク質翻訳コドンを示す、当技術分野における用語である。例えば
、 ア ミ ノ 酸 ス レ オ ニ ン (Thr)は ACA、 ACC、 ACG、 ま た は ACTに よ っ て コ ー ド さ れ 得 る が 、 哺
乳 動 物 細 胞 で は ACCが 最 も 一 般 的 に 使 用 さ れ る コ ド ン で あ り ; 他 の 種 (例 え ば 、 昆 虫 細 胞 、
酵 母 、 ウ イ ル ス 、 ま た は 細 菌 )で は 、 異 な る Thrコ ド ン が 優 先 的 で あ り 得 る 。 当 技 術 分 野 で
周知の様々な方法により、特定の種の優先的コドンを、本発明のポリヌクレオチドに導入
す る こ と が で き る 。 例 え ば 、 優 先 的 コ ド ン 配 列 を 組 換 え DNAに 導 入 す る こ と に よ っ て 、 特
定の細胞種または種において、タンパク質の翻訳をより効率的にすることでタンパク質の
産生を高めることができる。優先的コドンを含む配列を、様々な種における発現について
試験し、最適化することが可能であり、また本明細書に開示するようにその機能性につい
て試験することができる。
20
【0091】
上 記 し た よ う に 、 本 発 明 の 単 離 さ れ た ポ リ ヌ ク レ オ チ ド に は 、 DNAお よ び RNAが 含 ま れ る
。 DNAお よ び RNAを 調 製 す る 方 法 は 、 当 技 術 分 野 に お い て 周 知 で あ る 。 一 般 に 、 大 量 の IL-2
8ま た は IL-29 RNAを 産 生 す る 組 織 ま た は 細 胞 か ら RNAを 単 離 す る 。 そ の よ う な 組 織 お よ び
細 胞 は 、 ノ ー ザ ン ブ ロ ッ テ ィ ン グ (Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77:5201, 1980)
により、または様々な細胞種に由来する馴化培地を標的細胞もしくは組織に対する活性に
関 し て ス ク リ ー ニ ン グ す る こ と に よ り 同 定 さ れ る 。 活 性 ま た は RNA産 生 細 胞 も し く は 組 織
が 同 定 さ れ た な ら ば 、 グ ア ニ ジ ン イ ソ チ オ シ ア ネ ー ト 抽 出 お よ び そ の 後 の CsCl勾 配 で の 遠
心 分 離 に よ る 単 離 を 用 い て 、 全 RNAを 調 製 し 得 る (Chirgwin et al., Biochemistry 18:5294, 1979)。 Aviv and Leder(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69:1408-12, 1972)の 方 法 を 用
い て 、 全 RNAか ら ポ リ (A)
+
RNAを 調 製 す る 。 周 知 の 方 法 に よ り 、 ポ リ (A)
+
30
RNAか ら 相 補 DNA
(cDNA)を 調 製 す る 。 別 の 方 法 で は 、 ゲ ノ ム DNAを 単 離 し 得 る 。 次 い で 、 例 え ば ハ イ ブ リ ダ
イ ゼ ー シ ョ ン ま た は PCRに よ り 、 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る ポ リ ヌ ク レ
オチドを同定および単離する。
【0092】
IL-28ま た は IL-29を コ ー ド す る よ り 全 長 ク ロ ー ン は 、 従 来 の ク ロ ー ニ ン グ 手 順 に よ っ て
得 ら れ 得 る 。 相 補 DNA(cDNA)ク ロ ー ン が 好 ま し い が 、 い く つ か の 用 途 (例 え ば 、 ト ラ ン ス ジ
ェ ニ ッ ク 動 物 で の 発 現 )に 関 し て は 、 ゲ ノ ム ク ロ ー ン を 使 用 す る こ と 、 ま た は 少 な く と も 1
つ の ゲ ノ ム イ ン ト ロ ン を 含 む よ う cDNAク ロ ー ン を 改 変 す る こ と が 好 ま し い 。 cDNAお よ び ゲ
ノムクローンを調製する方法は周知であり、当業者のレベルの範囲内であり、ライブラリ
40
ーをプロービングするまたはプライミングするための、本明細書に開示する配列またはそ
の 一 部 の 使 用 を 含 む 。 発 現 ラ イ ブ ラ リ ー は 、 IL-28受 容 体 断 片 に 対 す る 抗 体 ま た は 他 の 特
異的結合パートナーでプロービングすることができる。
【0093】
当 業 者 は 、 例 え ば 配 列 番 号 :17、 19、 お よ び 21に 開 示 す る 配 列 が そ れ ぞ れ ヒ ト IL-28A、 I
L-29、 お よ び IL-28Bの 1つ の 対 立 遺 伝 子 を 表 す こ と 、 な ら び に 対 立 遺 伝 子 の 変 化 お よ び 選
択 的 ス プ ラ イ シ ン グ が 起 こ る と 予 想 さ れ る こ と を 理 解 す る と 考 え ら れ る 。 例 え ば 、 WO 02/
086087に 記 載 さ れ る よ う に 、 配 列 番 号 :4に お け る ア ミ ノ 酸 残 基 169位 が Arg残 基 で あ る の に
対 し て 、 配 列 番 号 :19に 示 さ れ る 対 応 す る ア ミ ノ 酸 残 基 が Asn残 基 で あ る IL-29変 種 が 同 定
さ れ て い る 。 本 発 明 の IL-28お よ び IL-29分 子 の 対 立 遺 伝 子 変 種 は 、 標 準 的 な 手 順 に 従 っ て
50
(28)
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、 異 な る 個 体 に 由 来 す る cDNAラ イ ブ ラ リ ー ま た は ゲ ノ ム ラ イ ブ ラ リ ー を プ ロ ー ビ ン グ す る
ことでクローニングすることができる。サイレント変異を含む変種、およびシステイン変
異 に 加 え て 、 変 異 が ア ミ ノ 酸 配 列 変 化 を 生 じ る 変 種 を 含 む 、 配 列 番 号 :17、 19、 お よ び 21
に 示 す DNA配 列 の 対 立 遺 伝 子 変 種 は 本 発 明 の 範 囲 に 含 ま れ 、 ま た 配 列 番 号 :18、 20、 お よ び
22の 対 立 遺 伝 子 変 種 で あ る タ ン パ ク 質 に つ い て も 同 様 で あ る 。 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ
チ ド の 特 徴 を 保 持 す る 、 選 択 的 ス プ ラ イ シ ン グ を 受 け た mRNAか ら 生 じ た cDNA分 子 も 本 発 明
の 範 囲 に 含 ま れ 、 ま た こ の よ う な cDNAお よ び mRNAに よ っ て コ ー ド さ れ る ポ リ ペ プ チ ド に つ
いても同様である。これらの配列の対立遺伝子変種およびスプライス変種は、当技術分野
で 周 知 の 標 準 的 な 手 順 に 従 っ て 、 様 々 な 個 体 ま た は 組 織 に 由 来 す る cDNAラ イ ブ ラ リ ー ま た
はゲノムライブラリーをプロービングすることでクローニングすることができ、また本明
10
細書に記載するように、システインまたはシステイン残基をコードするポリヌクレオチド
への変異を導入することができる。
【0094】
本 発 明 の 態 様 に お い て 、 単 離 さ れ た IL-28お よ び IL-29コ ー ド 核 酸 分 子 は 、 配 列 番 号 :
の群より選択されるヌクレオチド配列を有する核酸分子と、またはその相補体と、ストリ
20
ンジェントな条件下でハイブリダイズし得る。一般に、ストリンジェントな条件は、規定
の イ オ ン 強 度 お よ び pHに お い て 、 特 定 の 配 列 の 熱 融 点 (Tm )よ り 約 5℃ 低 く 選 択 さ れ る 。 Tm
と は 、 標 的 配 列 の 50%が 、 完 全 に 一 致 す る プ ロ ー ブ と ハ イ ブ リ ダ イ ズ す る (規 定 の イ オ ン 強
度 お よ び pHに お け る )温 度 で あ る 。
【0095】
DNA-DNA、 RNA-RNA、 お よ び DNA-RNAな ど の 核 酸 分 子 の 対 は 、 ヌ ク レ オ チ ド 配 列 が あ る 程
度の相補性を有する場合にハイブリダイズし得る。ハイブリッドは二重らせん内のミスマ
ッチ塩基対を許容し得るが、ハイブリッドの安定性はミスマッチの程度に影響を受ける。
ミ ス マ ッ チ を 含 む ハ イ ブ リ ッ ド の Tm は 、 1∼ 1.5%の 塩 基 対 ミ ス マ ッ チ に つ き 1℃ 低 下 す る 。
ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを変えることで、ハイブリッド中に存
30
在するミスマッチの程度を調節することができる。ストリンジェンシーの程度は、ハイブ
リダイゼーション温度を上げると、またハイブリダイゼーション緩衝液のイオン強度を下
げると上昇する。
【0096】
これらの条件を特定のポリペプチドハイブリッドと使用するために適合させることは、
当 業 者 の 能 力 の 範 囲 内 で あ る 。 特 定 の 標 的 配 列 の Tm と は 、 標 的 配 列 の 50%が 、 完 全 に 一 致
し た プ ロ ー ブ 配 列 と ハ イ ブ リ ダ イ ズ す る (既 定 の 条 件 下 で の )温 度 で あ る 。 Tm に 影 響 す る 条
件には、ポリヌクレオチドプローブの大きさおよび塩基対含量、ハイブリダイゼーション
溶液のイオン強度、ならびにハイブリダイゼーション溶液中の不安定化薬剤の存在が含ま
れ る 。 Tm を 計 算 す る た め の 数 多 く の 式 が 当 技 術 分 野 で 周 知 で あ り 、 様 々 な 長 さ の DNA、 RNA
40
、 お よ び DNA-RNAハ イ ブ リ ッ ド 、 な ら び に ポ リ ヌ ク レ オ チ ド プ ロ ー ブ の 配 列 に 特 異 的 で あ
る (例 え ば 、 Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Editi
on (Cold Spring Harbor Press 1989); Ausubel et al., (eds.), Current Protocols in
Molecular Biology (John Wiley and Sons, Inc. 1987); Berger and Kimmel (eds.), G
uide to Molecular Cloning Techniques, (Academic Press, Inc. 1987); お よ び Wetmur,
Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol. 26:227 (1990)を 参 照 さ れ た い )。 OLIGO 6.0(LSR; ミ
ネ ソ タ 州 、 ロ ン グ レ イ ク )お よ び Primer Premier 4.0(Premier Biosoft International;
カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 パ ロ ア ル ト )な ど の 配 列 解 析 ソ フ ト ウ ェ ア な ら び に イ ン タ ー ネ ッ ト 上
の サ イ ト は 、 ユ ー ザ ー 定 義 の 基 準 に 基 づ い た 所 与 の 配 列 の 解 析 お よ び Tm の 計 算 に 利 用 で き
るツールである。このようなプログラムは、規定の条件下において所与の配列を解析し、
50
(29)
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適 切 な プ ロ ー ブ 配 列 を 同 定 す る こ と も で き る 。 典 型 的 に は 、 >50塩 基 対 と い う 長 い ポ リ ヌ
ク レ オ チ ド 配 列 の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン は 、 Tm 計 算 値 よ り 約 20∼ 25℃ 低 い 温 度 で 実 施 す
る 。 <50塩 基 対 の 短 い プ ロ ー ブ の 場 合 に は 、 ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン は 典 型 的 に 、 Tm で ま
た は Tm 計 算 値 よ り 5∼ 10℃ 低 い 温 度 で 実 施 す る 。 こ う す る こ と で DNA-DNAハ イ ブ リ ッ ド お よ
び DNA-RNAハ イ ブ リ ッ ド の ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン 速 度 が 最 大 と な る 。
【0097】
ハイブリダイゼーション後に核酸分子を洗浄し、ハイブリダイズしていない核酸分子を
ストリンジェントな条件下、または高度にストリンジェントな条件下で除去することがで
き る 。 典 型 的 な ス ト リ ン ジ ェ ン ト な 洗 浄 条 件 に は 、 0.1%ド デ シ ル 硫 酸 ナ ト リ ウ ム (SDS)を
含 む 0.5x∼ 2x SSCの 溶 液 中 で の 55∼ 65℃ に お け る 洗 浄 が 含 ま れ る 。 す な わ ち 、 IL-28ま た
10
は IL-29ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 核 酸 分 子 は 、 配 列 番 号 :
の群より選択されるヌクレオチド配列を有する核酸分子またはその相補体と、ストリンジ
ェ ン ト な 洗 浄 条 件 下 で ハ イ ブ リ ダ イ ズ し 、 そ の 洗 浄 ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー は 、 55∼ 65℃ で の
0.1% SDSを 含 む 0.5x∼ 2x SSC(55℃ で の 0.1% SDSを 含 む 0.5x SSC、 ま た は 65℃ で の 0.1% SD
Sを 含 む 2x SSCを 含 む )に 相 当 す る 。 当 業 者 は 、 例 え ば 洗 浄 液 中 の SSCを SSPEに 代 え る な ど
して、同等の条件を容易に考案することができる。
20
【0098】
典 型 的 な 高 度 に ス ト リ ン ジ ェ ン ト な 洗 浄 条 件 に は 、 0.1%ド デ シ ル 硫 酸 ナ ト リ ウ ム (SDS)
を 含 む 0.1x∼ 0.2x SSCの 溶 液 中 で の 50∼ 65℃ に お け る 洗 浄 が 含 ま れ る 。 す な わ ち 、 IL-28
ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド の 変 種 を コ ー ド す る 核 酸 分 子 は 、 配 列 番 号 :
30
の群より選択されるヌクレオチド配列を有する核酸分子またはその相補体と、高度にスト
リ ン ジ ェ ン ト な 洗 浄 条 件 下 で ハ イ ブ リ ダ イ ズ し 、 そ の 洗 浄 ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー は 、 50∼ 65
℃ で の 0.1% SDSを 含 む 0.1x∼ 0.2x SSC(50℃ で の 0.1% SDSを 含 む 0.1x SSC、 ま た は 65℃ で
の 0.1% SDSを 含 む 0.2x SSCを 含 む )に 相 当 す る 。
【0099】
本発明はまた、例えば配列番号:
の群より選択される本発明のポリペプチドと実質的に類似した配列同一性を有する、単離
さ れ た IL-28ま た は L-29ポ リ ペ プ チ ド を 提 供 す る 。 「 実 質 的 に 類 似 し た 配 列 同 一 性 」 と い
う用語は、本明細書において、配列番号:
40
(30)
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の 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 80%、 少 な く と も 90%、 少 な く と も 95%、 少
な く と も 96%、 少 な く と も 97%、 少 な く と も 97.5%、 少 な く と も 98%、 少 な く と も 98.5%、 少
な く と も 99%、 少 な く と も 99.5%、 ま た は 99.5%を 超 え る 配 列 同 一 性 を 含 む ポ リ ペ プ チ ド を
示すために用いられる。本発明はまた、本発明のポリペプチドまたはその断片と少なくと
10
も 80%、 少 な く と も 90%、 少 な く と も 95%、 少 な く と も 96%、 少 な く と も 97%、 少 な く と も 97.
5%、 少 な く と も 98%、 少 な く と も 98.5%、 少 な く と も 99%、 少 な く と も 99.5%、 ま た は 99.5%
を超える配列同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドを含む。本発明はさらに、
そ の よ う な ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 核 酸 分 子 を 含 む 。 本 発 明 の IL-28お よ び IL-29ポ リ ペ
プ チ ド は 、 好 ま し く は 組 換 え ポ リ ペ プ チ ド で あ る 。 別 の 局 面 に お い て 、 本 発 明 の IL-28お
よ び IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 45個 、 ま た は
少 な く と も 60個 の 連 続 し た ア ミ ノ 酸 を 有 す る 。 例 え ば 、 本 発 明 の IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、
配列番号:
20
の 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 の 少 な く と も 15個 、 少 な く と も 30個 、 少 な く と も 45個 、
ま た は 少 な く と も 60個 の 連 続 し た ア ミ ノ 酸 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド に 関 す る 。 パ ー セ ン ト 同
一性を決定する方法は、本明細書中に記載する。
【0100】
本 発 明 は ま た 、 以 下 の 2つ の 基 準 を 用 い て 同 定 さ れ 得 る 変 種 核 酸 分 子 も 意 図 す る : コ ー
ドされるポリペプチドと配列番号:
30
の 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と の 類 似 性 の 決 定 、 お よ び /ま た は 上 記 の ハ イ ブ リ ダ イ
ゼ ー シ ョ ン ア ッ セ イ 法 。 そ の よ う な 変 種 に は 、 (1) 配 列 番 号 :
40
の群より選択されるヌクレオチド配列を有する核酸分子またはその相補体と、ストリンジ
ェ ン ト な 洗 浄 条 件 下 で ハ イ ブ リ ダ イ ズ し 、 そ の 洗 浄 ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー は 、 55∼ 65℃ で の
0.1% SDSを 含 む 0.5x∼ 2x SSCに 相 当 す る か ; ま た は (2) 配 列 番 号 :
の 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 80%、 少 な く と も 90%、 少 な く と も 95%、 少
な く と も 96%、 少 な く と も 97%、 少 な く と も 97.5%、 少 な く と も 98%、 少 な く と も 98.5%、 少
50
(31)
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な く と も 99%、 少 な く と も 99.5%、 ま た は 99.5%を 超 え る 配 列 同 一 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド
を コ ー ド す る 核 酸 分 子 が 含 ま れ る 。 ま た は 、 変 種 は 、 (1) 配 列 番 号 :
の群より選択されるヌクレオチド配列を有する核酸分子またはその相補体と、高度にスト
リ ン ジ ェ ン ト な 洗 浄 条 件 下 で ハ イ ブ リ ダ イ ズ し 、 そ の 洗 浄 ス ト リ ン ジ ェ ン シ ー は 、 50∼ 65
℃ で の 0.1% SDSを 含 む 0.1x∼ 0.2x SSCに 相 当 し ; か つ (2) 配 列 番 号 :
10
の 群 よ り 選 択 さ れ る ア ミ ノ 酸 配 列 と 少 な く と も 80%、 少 な く と も 90%、 少 な く と も 95%、 少
な く と も 96%、 少 な く と も 97%、 少 な く と も 98%、 少 な く と も 99%、 少 な く と も 99.5%、 ま た
は 99.5%を 超 え る 配 列 同 一 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 核 酸 分 子 と し て 特 徴 づ け
られ得る。
【0101】
20
パ ー セ ン ト 配 列 同 一 性 は 従 来 の 方 法 で 決 定 さ れ る 。 例 え ば 、 Altschul et al., Bull. M
ath. Bio. 48:603 (1986)、 お よ び Henikoff and Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA
89:10915 (1992)を 参 照 さ れ た い 。 簡 潔 に 説 明 す る と 、 2つ の ア ミ ノ 酸 配 列 を 、 ギ ャ ッ プ
開 始 ペ ナ ル テ ィ 10、 ギ ャ ッ プ 伸 長 ペ ナ ル テ ィ 1、 お よ び 表 2(ア ミ ノ 酸 を 標 準 的 な 1文 字 コ
ー ド で 表 示 )に 示 す Henikoff and Henikoff(前 記 )の 「 BLOSUM62」 ス コ ア リ ン グ 行 列 を 用 い
て、アライメントスコアが最適になるように整列させる。
【0102】
30
(32)
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【表3】
10
20
30
【0103】
当 業 者 で あ れ ば 、 2つ の ア ミ ノ 酸 配 列 を 整 列 す る た め に 利 用 で き る 多 く の 確 立 さ れ た ア
ル ゴ リ ズ ム が 存 在 す る こ と を 理 解 す る 。 Pearsonお よ び Lipmanに よ る 「 FASTA」 類 似 性 探 索
ア ル ゴ リ ズ ム は 、 本 明 細 書 に 開 示 す る ア ミ ノ 酸 配 列 と 推 定 上 の 変 種 IL-28ま た は IL-29の ア
ミノ酸配列によって共有される同一性レベルを調べるのに適したタンパク質アライメント
法 で あ る 。 FASTAア ル ゴ リ ズ ム に つ い て は 、 Pearson and Lipman, Proc. Nat'l Acad. Sci
. USA 85:2444 (1988)、 お よ び Pearson, Meth. Enzymol. 183:63 (1990)に よ っ て 記 載 さ
れている。
40
【0104】
簡 潔 に 説 明 す る と 、 FASTAで は 最 初 に 、 質 問 配 列 (例 え ば 、 配 列 番 号 :2)と 試 験 配 列 に よ
っ て 共 有 さ れ る 、 最 も 高 い 同 一 性 密 度 (ktup変 数 が 1の 場 合 )ま た は 同 一 性 対 (ktup= 2の 場
合 )を 有 す る 領 域 を 、 保 存 的 ア ミ ノ 酸 の 置 換 、 挿 入 、 ま た は 欠 失 を 考 慮 す る こ と な く 同 定
す る こ と で 、 配 列 類 似 性 を 特 徴 づ け る 。 次 い で 、 同 一 性 密 度 の 最 も 高 い 10の 領 域 を 、 対 に
なったアミノ酸すべての類似性をアミノ酸置換行列で比較することにより再びスコア化し
、領域の末端を「切り詰める」ことで、最高のスコアに寄与する残基のみを含めるように
す る 。 「 カ ッ ト オ フ 」 値 (配 列 の 長 さ お よ び ktup値 に 基 づ き 、 所 定 の 式 で 算 出 さ れ る )よ り
も大きいスコアを有する領域がいくつか存在する場合には、切り詰めた当初の領域を調べ
て、その領域を結合してギャップを含む近似のアラインメントを形成できるかどうかを決
50
(33)
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定 す る 。 最 後 に 、 2つ の ア ミ ノ 酸 配 列 の 最 も ス コ ア の 高 い 領 域 を 、 ア ミ ノ 酸 の 挿 入 お よ び
欠 失 を 可 能 と す る 改 良 Needleman-Wunsch-Sellersア ル ゴ リ ズ ム (Needleman and Wunsch, J
. Mol. Biol. 48:444 (1970); Sellers, SIAM J. Appl. Math. 26:787 (1974))を 用 い て
整 列 さ せ る 。 FASTA解 析 の 好 ま し い パ ラ メ ー タ は 、 ktup= 1、 ギ ャ ッ プ 開 始 ペ ナ ル テ ィ = 10
、 ギ ャ ッ プ 伸 長 ペ ナ ル テ ィ = 1、 お よ び 置 換 行 列 = BLOSUM62で あ る 。 こ れ ら の パ ラ メ ー タ
は 、 Pearson, Meth. Enzymol. 183:63 (1990)の Appendix 2に 説 明 さ れ て い る よ う に ス コ
ア リ ン グ 行 列 フ ァ イ ル (「 SMATRIX」 )を 改 良 す る こ と で 、 FASTAプ ロ グ ラ ム に 導 入 す る こ と
ができる。
【0105】
FASTAを 使 用 し て 、 上 記 の 比 を 用 い て 核 酸 分 子 の 配 列 同 一 性 を 決 定 す る こ と も で き る 。
10
ヌ ク レ オ チ ド 配 列 を 比 較 す る 場 合 に は 、 他 の パ ラ メ ー タ を 初 期 設 定 と し て 設 定 し 、 ktup値
を 1∼ 6、 好 ま し く は 3∼ 6、 最 も 好 ま し く は 3に し 得 る 。
【0106】
実 質 的 に 類 似 し た 配 列 同 一 性 を 有 す る IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 1つ ま た は 複
数のアミノ酸置換、欠失、または付加を有するものとして特徴づけられる。これらの変化
は 好 ま し く は 、 保 存 的 ア ミ ノ 酸 置 換 (表 4を 参 照 )お よ び ポ リ ペ プ チ ド の 折 り た た み ま た は
活 性 に 有 意 に 影 響 を 及 ぼ さ な い 他 の 置 換 ; 典 型 的 に は 1∼ 約 30ア ミ ノ 酸 の 小 さ な 欠 失 ; な
ら び に ア ミ ノ 末 端 ま た は カ ル ボ キ シ ル 末 端 の 伸 長 (ア ミ ノ 末 端 メ チ オ ニ ン 残 基 、 最 大 約 20
∼ 25残 基 の 小 さ な リ ン カ ー ペ プ チ ド 、 ま た は 親 和 性 タ グ な ど )で あ る 軽 度 の も の で あ る 。
したがって、本発明は、配列番号:
20
の 対 応 す る 領 域 と 少 な く と も 80%、 少 な く と も 90%、 少 な く と も 95%、 少 な く と も 96%、 少 な
く と も 97%、 少 な く と も 97.5%、 少 な く と も 98%、 少 な く と も 98.5%、 少 な く と も 99%、 少 な
く と も 99.5%、 ま た は 99.5%を 超 え て 同 一 で あ る 配 列 を 含 む ポ リ ペ プ チ ド を 含 む 。 親 和 性 タ
グ を 含 む ポ リ ペ プ チ ド は 、 IL-28お よ び IL-29ポ リ ペ プ チ ド と 親 和 性 タ グ と の 間 に タ ン パ ク
質切断部位をさらに含み得る。好ましいそのような部位には、トロンビン切断部位および
フ ァ ク タ ー Xa切 断 部 位 が 含 ま れ る 。
【0107】
(表4)
保存的アミノ酸置換
30
(34)
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10
20
【0108】
構造の完全性を維持するのに重要な領域またはドメインを含むアミノ酸残基の決定を行
うことができる。これらの領域内で、多かれ少なかれ変化を許容し、分子の全体的な三次
構造を維持するであろう特定の残基を決定することができる。配列構造を解析する方法に
30
は、これらに限定されるわけではないが、高いアミノ酸またはヌクレオチド同一性を有す
る複数配列のアライメント、二次構造的性質、二元パターン、相補的パッキング、および
埋 没 し た 極 性 相 互 作 用 が 含 ま れ る (Barton, Current Opin. Struct. Biol. 5:372-376, 19
95、 お よ び Cordes et al., Current Opin. Struct. Biol. 6: 3-10, 1996)。 一 般 に 、 分
子に対して修飾を設計するかまたは特定断片を同定する場合、構造の決定は、修飾された
分子の活性評価を伴うことになる。
【0109】
IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド に お い て 、 ア ミ ノ 酸 配 列 の 変 化 は 、 生 物 活 性 に 必 須 で あ
る 高 次 構 造 の 破 壊 を 最 小 限 に 抑 え る よ う に な さ れ る 。 例 え ば 、 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ
チ ド が 1つ ま た は 複 数 の ヘ リ ッ ク ス を 含 む 場 合 、 ア ミ ノ 酸 残 基 の 変 化 は 、 高 次 構 造 の 変 化
40
が 何 ら か の 重 要 な 機 能 (例 え ば 、 そ の 結 合 パ ー ト ナ ー に 対 す る 分 子 の 結 合 )を 弱 め る よ う な
ヘリックスの配置および分子の他の成分を破壊しないように、なされることになる。アミ
ノ酸配列変化の影響は、例えば上記に開示するようなコンピュータモデリングにより予測
す る こ と が で き 、 ま た は 結 晶 構 造 の 解 析 に よ り 決 定 す る こ と が で き る (例 え ば 、 Lapthorn
et al., Nat. Struct. Biol. 2:266-268, 1995を 参 照 さ れ た い )。 当 技 術 分 野 に お い て 周
知 で あ る 他 の 技 法 で は 、 変 種 タ ン パ ク 質 の 折 り た た み を 基 準 分 子 (例 え ば 、 天 然 タ ン パ ク
質 )と 比 較 す る 。 例 え ば 、 変 種 と 基 準 分 子 に お け る シ ス テ イ ン パ タ ー ン の 比 較 を 行 う こ と
ができる。質量分析ならびに還元およびアルキル化を用いた化学修飾により、ジスルフィ
ド結合に使われているまたはそのような結合に使われていないシステイン残基を決定する
た め の 方 法 が 提 供 さ れ る (Bean et al., Anal. Biochem. 201:216-226, 1992; Gray, Prot
50
(35)
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ein Sci. 2:1732-1748, 1993; お よ び Patterson et al., Anal. Chem. 66:3727-3732, 19
94)。 修 飾 を 受 け た 分 子 が 基 準 分 子 と 同 じ シ ス テ イ ン パ タ ー ン を 有 さ な い 場 合 、 折 り た た
みに影響を受けると一般に考えられている。折りたたみを測定するための周知でありかつ
認 め ら れ て い る 別 の 方 法 は 、 円 二 色 性 (CD)で あ る 。 修 飾 分 子 お よ び 基 準 分 子 に よ っ て 生 じ
る CDス ペ ク ト ル を 測 定 お よ び 比 較 す る こ と は 、 日 常 的 業 務 で あ る (Johnson, Proteins 7:2
05-214, 1990)。 結 晶 学 は 、 折 り た た み お よ び 構 造 を 解 析 す る た め の 別 の 周 知 の 方 法 で あ
る 。 核 磁 気 共 鳴 (NMR)、 消 化 ペ プ チ ド マ ッ ピ ン グ 、 お よ び エ ピ ト ー プ マ ッ ピ ン グ も ま た 、
折りたたみ、およびタンパク質とポリペプチドとの構造的類似性を解析するための周知の
方 法 で あ る (Schaanan et al., Science 257:961-964, 1992)。
【0110】
10
配列番号:
の 群 よ り 選 択 さ れ る IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド の Hopp/Woods親 水 性 プ ロ フ ァ イ ル を 作
成 す る こ と が で き る (Hopp et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 78:3824-3828, 1981; Hopp,
J. Immun. Meth. 88:1-18, 1986、 お よ び Triquier et al., Protein Engineering 11:15
20
3-169, 1998)。 こ の プ ロ フ ァ イ ル は 、 ス ラ イ ド す る 6残 基 領 域 に 基 づ く 。 埋 没 し た G残 基 、
S残 基 、 お よ び T残 基 、 な ら び に 露 出 し て い る H残 基 、 Y残 基 、 お よ び W残 基 は 無 視 さ れ る 。
当 業 者 は 、 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド の ア ミ ノ 酸 配 列 に お い て 修 飾 を 計 画 す る 際 に 、
全体的な構造および生物学的プロファイルを破壊しないよう、親水性または疎水性が考慮
さ れ る で あ ろ う こ と を 認 識 す る と 考 え ら れ る 。 置 換 に 関 し て 特 に 関 心 が あ る の は 、 Val、 L
eu、 お よ び Ileか ら な る 群 、 ま た は Met、 Gly、 Ser、 Ala、 Tyr、 お よ び Trpか ら な る 群 よ り
選択される疎水性残基である。
【0111】
必 須 ア ミ ノ 酸 の 同 一 性 は ま た 、 IFN-α と IL-28A、 IL-28B、 お よ び IL-29の メ ン バ ー (表 1
お よ び 2に 示 す よ う な )と の 配 列 類 似 性 の 解 析 か ら 推 測 さ れ 得 る 。 先 に 記 載 し た 「 FASTA」
30
解析などの方法を用いて、高い類似性の領域がタンパク質ファミリー内に同定され、これ
を用いて保存領域のアミノ酸配列を解析する。構造に基づいて変種ポリヌクレオチドを同
定 す る 別 の ア プ ロ ー チ は 、 潜 在 的 変 種 IL-28ま た は IL-29遺 伝 子 を コ ー ド す る 核 酸 分 子 が 、
上記の核酸分子とハイブリダイズし得るかどうかを決定することである。
【0112】
本発明のポリペプチド中の必須アミノ酸を同定する他の方法は、部位特異的突然変異誘
発 ま た は ア ラ ニ ン ス キ ャ ン 突 然 変 異 誘 発 な ど の 、 当 技 術 分 野 に お い て 周 知 の 手 順 で あ る (C
unningham and Wells, Science 244:1081 (1989)、 Bass et al., Proc. Natl Acad. Sci.
USA 88:4498 (1991)、 Coombs and Corey, 「 Site-Directed Mutagenesis and Protein E
ngineering,」 in Proteins: Analysis and Design, Angeletti (ed.), pages 259-311 (
40
Academic Press, Inc. 1998))。 後 者 の 技 法 に お い て は 、 分 子 内 の あ ら ゆ る 残 基 に 単 一 の
ア ラ ニ ン 変 異 を 導 入 し 、 得 ら れ る IL-28お よ び IL-29分 子 を 、 以 下 に 開 示 す る 生 物 活 性 ま た
は生化学的活性について試験して、分子の活性に重要であるアミノ酸残基を同定する。同
様 に 、 Hilton et al., J. Biol. Chem. 271:4699 (1996)も 参 照 さ れ た い 。
【0113】
本 発 明 は ま た 、 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド の 機 能 断 片 お よ び そ の よ う な 機 能 断 片 を
コ ー ド す る 核 酸 分 子 を 含 む 。 本 明 細 書 に お い て 定 義 さ れ る 「 機 能 的 な 」 IL-28も し く は IL29ま た は そ れ ら の 断 片 は 、 増 殖 も し く は 分 化 活 性 に よ っ て 、 特 定 の 細 胞 機 能 を 誘 導 も し く
は 阻 害 す る 能 力 に よ っ て 、 ま た は 抗 IL-28抗 体 も し く は 抗 IL-29抗 体 ま た は IL-28受 容 体 (可
溶 性 ま た は 固 定 化 )に 特 異 的 に 結 合 す る 能 力 に よ っ て 特 徴 づ け ら れ る 。 IL-28ま た は IL-29
50
(36)
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ポリペプチドの特定の活性およびそれらを試験する方法については、本明細書中に開示す
る 。 本 明 細 書 に お い て 上 記 し た よ う に 、 IL-28お よ び IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 6本 ヘ リ ッ ク ス
束 を 特 徴 と す る 。 し た が っ て 、 本 発 明 は さ ら に 、 (a) 上 記 の ヘ リ ッ ク ス の 1つ ま た は 複 数
を 含 む ポ リ ペ プ チ ド 分 子 ; お よ び (b) こ れ ら ヘ リ ッ ク ス の 1つ ま た は 複 数 を 含 む 機 能 断 片
を 包 含 す る 融 合 タ ン パ ク 質 を 提 供 す る 。 融 合 タ ン パ ク 質 の 他 の ポ リ ペ プ チ ド 部 分 は 、 IFNαなどの別のヘリックス束サイトカインもしくはインターフェロンによって、または融合
タ ン パ ク 質 の 分 泌 を 促 進 す る 非 天 然 お よ び /も し く は 非 関 連 分 泌 シ グ ナ ル ペ プ チ ド に よ っ
て寄与され得る。
【0114】
全 長 ポ リ ペ プ チ ド 、 生 物 活 性 の あ る 断 片 、 お よ び 融 合 ポ リ ペ プ チ ド を 含 む 本 発 明 の IL-2
10
8ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る 発 現 ベ ク タ ー を 導 入 し た 細 胞 を
用いて、従来の技法に従って生成し得る。本明細書で使用する「発現ベクターを導入した
細 胞 」 に は 、 外 来 DNA分 子 の 導 入 に よ っ て 直 接 操 作 さ れ た 細 胞 お よ び 導 入 DNAを 含 む そ の 子
孫 の 両 方 が 含 ま れ る 。 適 切 な 宿 主 細 胞 は 、 外 来 DNAを 形 質 転 換 ま た は ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ
ンし、培養で増殖させることができる細胞種であり、これには細菌、真菌細胞、培養高等
真 核 細 胞 が 含 ま れ る 。 ク ロ ー ニ ン グ さ れ た DNA分 子 を 操 作 す る 技 法 、 お よ び 外 来 DNAを 種 々
の 宿 主 細 胞 に 導 入 す る 技 法 は 、 Sambrool et al., Molecular Cloning: A Laboratory Man
ual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989
、 お よ び Ausubel et al., eds., Current Protocol in Molecular Biology, John Wiley
and Sons, Inc., NY, 1987に よ っ て 開 示 さ れ て い る 。
20
【0115】
一 般 に 、 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド す る DNA配 列 は 、 発 現 ベ ク タ ー 内 で 、
その発現に必要な、一般に転写プロモーターおよびターミネーターを含む他の遺伝子エレ
メ ン ト に 機 能 的 に 連 結 さ れ る 。 ベ ク タ ー は ま た 通 常 、 1つ ま た は 複 数 の 選 択 マ ー カ ー お よ
び 1つ ま た は 複 数 の 複 製 起 点 を 含 む が 、 当 業 者 で あ れ ば 、 特 定 の 系 で は 、 選 択 マ ー カ ー が
別 の ベ ク タ ー 上 に 提 供 さ れ 得 る こ と 、 お よ び 外 来 DNAの 複 製 が 宿 主 細 胞 ゲ ノ ム へ の 組 み 込
みによって提供され得ることを認識すると考えられる。プロモーター、ターミネーター、
選択マーカー、ベクター、および他のエレメントの選択は、当業者のレベルの範囲内にあ
る日常的な設計事項である。多くのそのようなエレメントは文献に記載されており、商業
的供給業者を通して入手することができる。
30
【0116】
IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド を 宿 主 細 胞 の 分 泌 経 路 に 方 向 づ け る に は 、 分 泌 シ グ ナ ル
配 列 (リ ー ダ ー 配 列 、 プ レ プ ロ 配 列 、 ま た は プ レ 配 列 と し て も 知 ら れ る )を 発 現 ベ ク タ ー 内
に 提 供 す る 。 分 泌 シ グ ナ ル 配 列 は 、 IL-28ま た は IL-29(例 え ば 、 配 列 番 号 :119ま た は 配 列
番 号 :121)の も の で あ っ て も よ い し 、 ま た は 別 の 分 泌 タ ン パ ク 質 (例 え ば t-PA; 米 国 特 許 第
5,641,655号 を 参 照 さ れ た い )に 由 来 し て も よ く 、 も し く は 新 た に 合 成 さ れ て も よ い 。 分 泌
シ グ ナ ル 配 列 は IL-28ま た は IL-29 DNA配 列 に 機 能 的 に 連 結 さ れ る 、 す な わ ち 2つ の 配 列 は
正しい読み枠で結合され、新たに合成されるポリヌクレオチドを宿主細胞の分泌経路に方
向づけるように配置される。分泌シグナル配列は通常、関心対象のポリペプチドをコード
す る DNA配 列 の 5'側 に 位 置 す る が 、 特 定 の シ グ ナ ル 配 列 は 関 心 対 象 の DNA配 列 の 他 所 に 位 置
し 得 る (例 え ば 、 Welch et al.、 米 国 特 許 第 5,037,743号 ; Holland et al.、 米 国 特 許 第 5,
143,830号 を 参 照 さ れ た い )。
【0117】
多岐にわたる適切な組換え宿主細胞には、グラム陰性原核生物宿主生物が含まれるが、
こ れ に 限 定 さ れ る こ と は な い 。 大 腸 菌 の 適 切 な 株 に は 、 W3110お よ び そ の 変 異 株 (例 え ば 、
OmpTプ ロ テ ア ー ゼ 欠 損 W3110株 、 な ら び に OmpTプ ロ テ ア ー ゼ お よ び fhuA欠 損 W3110株 )、 K12
由 来 株 MM294、 TG-1、 JM-107、 BL21、 お よ び UT5600が 含 ま れ る 。 他 の 適 切 な 株 に は 、
40
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が 含 ま れ る (例 え ば 、 Brown (ed.), Molecular Biology Labfax (Academic Press 1991)を
参 照 さ れ た い )。 そ の 他 の グ ラ ム 陰 性 原 核 生 物 宿 主 に は 、 セ ラ チ ア 属 (Serratia)、 シ ュ ー
ド モ ナ ス 属 (Pseudomonas)、 カ ウ ロ バ ク タ ー 属 (Caulobacter)が 含 ま れ 得 る 。 原 核 生 物 宿 主
10
に は 、 バ チ ル ス 属 (Bacillus)(例 え ば 、 枯 草 菌 (B. subtilis)、 B. チ ュ ー リ ン ゲ ン シ ス (B.
thuringienesis)、 お よ び B. チ ュ ー リ ン ゲ ン シ ス 変 種 イ ス ラ エ レ ン シ ス (B. thuringiene
sis var. israelensis))お よ び ス ト レ プ ト マ イ セ ス 属 (Streptomyces)(例 え ば 、 S. リ ビ ダ
ン ス (S. lividans)、 S. ア ン ボ フ ァ シ エ ン ス (S. ambofaciens)、 S. フ ラ ジ ア エ (S. fradi
ae)、 お よ び S. グ リ セ オ フ ァ ス カ ス (S. griseofuscus))な ど の グ ラ ム 陽 性 生 物 も 含 ま れ 得
る 。 枯 草 菌 の 適 切 な 株 に は 、 BR151、 YB886、 MI119、 MI120、 お よ び B170が 含 ま れ る (例 え
ば 、 Hardy, 「 Bacillus Cloning Methods,」 in DNA Cloning: A Practical Approach, G
lover (ed.) (IRL Press 1985)を 参 照 さ れ た い )。 原 核 生 物 宿 主 に お い て ベ ク タ ー を 増 殖
さ せ る 標 準 的 な 技 法 は 、 当 業 者 に 周 知 で あ る (例 え ば 、 Ausubel et al., (eds.), Short P
rotocols in Molecular Biology, 3
r d
Edition (John Wiley & Sons 1995); Wu et al.,
20
Methods in Gene Biotechnology (CRC Press, Inc. 1997)を 参 照 さ れ た い )。 1つ の 態 様 に
お い て 、 本 発 明 の 方 法 は 、 ア メ リ カ ン タ イ プ カ ル チ ャ ー コ レ ク シ ョ ン (ATCC)に ATCC # 273
25と し て 寄 託 さ れ た W3110株 で 発 現 さ せ た シ ス テ イ ン 変 異 体 IL-28ま た は IL-29を 使 用 す る
。
【0118】
本 発 明 の 発 現 系 を 用 い た IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド の 大 量 生 産 が 必 要 な 場 合 に は 、
バ ッ チ 発 酵 を 使 用 し 得 る 。 一 般 に 、 バ ッ チ 発 酵 は 、 振 盪 フ ラ ス コ 培 養 に お い て IL-28ま た
は IL-29ポ リ ペ プ チ ド を 発 現 す る 大 腸 菌 株 を 適 切 な 培 地 中 で 培 養 し 、 600 nmで の 吸 光 度 (OD
)が 5∼ 20に な る ま で 増 殖 さ せ る こ と に よ っ て 、 初 期 種 培 養 フ ラ ス コ を 調 製 す る こ と を 含 む
。適切な培地は、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、酵母抽出
30
物、加水分解動物タンパク質、加水分解植物タンパク質、または加水分解カゼインなどの
供給源に由来する窒素を含む。リン酸は、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、リン酸
、またはリン酸ナトリウムから供給される。その他の成分は、塩化マグネシウムまたは硫
酸マグネシウム、硫酸第一鉄または塩化第一鉄、および他の微量元素である。増殖培地に
は、増殖を改善するために、フルクトース、グルコース、ガラクトース、ラクトース、お
よ び グ リ セ ロ ー ル な ど の 糖 が 補 充 さ れ 得 る 。 ま た は 、 流 加 培 養 を 用 い て 、 IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド を 高 収 率 で 産 生 さ せ る 。 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド 産 生 大 腸 菌 株 は 、
バッチ発酵に植菌するのに使用する初期容器について記載した条件と同様の条件下で培養
する。
【0119】
40
発 酵 後 、 遠 心 分 離 に よ り 細 胞 を 回 収 し 、 ホ モ ジ ナ イ ズ 緩 衝 液 に 再 懸 濁 し 、 例 え ば 、 APVGaulinホ モ ジ ナ イ ザ ー (Invensys APV、 ニ ュ ー ヨ ー ク 州 、 ト ナ ウ ォ ン ダ )、 ま た は ビ ー ズ ミ
ルもしくは超音波処理機などの他の細胞破壊装置でホモジナイズする。または、細胞を発
酵 槽 か ら 直 接 採 取 し 、 APV-Gaulinホ モ ジ ナ イ ザ ー で ホ モ ジ ナ イ ズ す る 。 β メ ル カ プ ト エ タ
ノ ー ル (10∼ 100 mM)ま た は ジ チ オ ス レ イ ト ー ル (5∼ 50 mM)な ど の 還 元 剤 を 含 む 塩 酸 グ ア ニ
ジ ン (5∼ 8 M)ま た は 尿 素 (7∼ 8 M)を 用 い て 、 洗 浄 し た 封 入 体 調 製 物 を 可 溶 化 し 得 る 。 こ の
溶 液 は 、 Tris、 リ ン 酸 、 HEPES、 ま た は 他 の 適 切 な 緩 衝 液 と し て 調 製 し 得 る 。 封 入 体 は ま
た 、 ラ ウ リ ル 硫 酸 ナ ト リ ウ ム (0.1∼ 2%)を 含 む 尿 素 (2∼ 4 M)で 可 溶 化 し 得 る 。 IL-28ま た は
IL-29が 複 屈 折 性 封 入 体 と し て 蓄 積 し て い る 形 質 転 換 大 腸 菌 宿 主 株 か ら 精 製 IL-28ま た は IL
-29を 回 収 す る 工 程 で は 、 細 胞 を 破 壊 し 、 遠 心 分 離 に よ り 封 入 体 を 回 収 す る 。 次 い で 、 還
50
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元 剤 を 含 む 6 M塩 酸 グ ア ニ ジ ン 中 で 、 封 入 体 を 可 溶 化 お よ び 変 性 さ せ る 。 次 に 、 還 元 さ れ
た IL-28ま た は IL-29を 、 制 御 さ れ た 再 生 段 階 で 酸 化 す る 。 清 澄 化 す る た め 、 お よ び 不 溶 性
タ ン パ ク 質 を 除 去 す る た め 、 再 折 り た た み さ れ た IL-28ま た は IL-29を フ ィ ル タ ー に 通 過 さ
せ得る。次に、清澄化するため、および不溶性タンパク質を除去するため、溶液をフィル
タ ー に 通 過 さ せ る 。 IL-28ま た は IL-29タ ン パ ク 質 を 再 折 り た た み し て 濃 縮 し た 後 、 再 折 り
た た み さ れ た IL-28ま た は IL-29タ ン パ ク 質 を 希 釈 緩 衝 液 中 で 陽 イ オ ン 交 換 カ ラ ム 上 に 捕 捉
し、疎水性相互作用クロマトグラフィーを用いて精製する。
【0120】
培 養 哺 乳 動 物 細 胞 は 、 本 発 明 に お い て 適 切 な 宿 主 で あ る 。 外 来 DNAを 哺 乳 動 物 宿 主 細 胞
に 導 入 す る 方 法 に は 、 リ ン 酸 カ ル シ ウ ム に よ る ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 法 (Wigler et al.,
10
Cell 14:725,1978; Corsaro and Pearson, Somatic Cell Genetics 7:603, 1981; Graham
and Van der Eb, Virology 52:456, 1973)、 エ レ ク ト ロ ポ レ ー シ ョ ン 法 (Neumann et al.
, EMBO J. 1: 841-5, 1982)、 DEAE-デ キ ス ト ラ ン に よ る ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 法 (Ausubel
et al.、 前 期 )、 お よ び リ ポ ソ ー ム に よ る ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 法 (Hawley-Nelson et al
., Focus 15:73, 1993; Ciccarone et al., Focus 15:80, 1993)、 な ら び に ウ イ ル ス ベ ク
タ ー (Miller and Rosman, BioTechniques 7:980-90, 1989; Wang and Finer, Nature Med
. 2:714-6, 1996)が 含 ま れ る 。 培 養 哺 乳 動 物 細 胞 に お け る 組 換 え ポ リ ペ プ チ ド の 産 生 は 、
例 え ば 、 Levinson et al.、 米 国 特 許 第 4,713,339号 ; Hagen et al.、 米 国 特 許 第 4,784,95
0号 ; Palmiter et al.、 米 国 特 許 第 4,579,821号 ; お よ び Ringold、 米 国 特 許 第 4,656,134
号 よ っ て 開 示 さ れ て い る 。 適 切 な 培 養 哺 乳 動 物 細 胞 に は 、 COS-1(ATCC番 号 CRL 1650)、 COS
20
-7(ATCC番 号 CRL1651)、 BHK(ATCC番 号 CRL 1632)、 BHK 570(ATCC番 号 CRL 10314)、 293(ATCC
番 号 CRL 1573; Graham et al., J. Gen. Virol. 36:59-72, 1977)、 お よ び チ ャ イ ニ ー ズ
ハ ム ス タ ー 卵 巣 (例 え ば 、 CHO-K1; ATCC番 号 CCL 61)細 胞 株 が 含 ま れ る 。 さ ら な る 適 切 な 細
胞株が当技術分野において周知であり、アメリカンタイプカルチャーコレクション、バー
ジ ニ ア 州 、 マ ナ ッ サ ス な ど の 公 共 受 託 所 か ら 入 手 す る こ と が で き る 。 一 般 に 、 SV-40ま た
はサイトメガロウイルス由来のプロモーターなどの、強力な転写プロモーターが好ましい
。 例 え ば 、 米 国 特 許 第 4,956,288号 を 参 照 さ れ た い 。 そ の 他 の 適 切 な プ ロ モ ー タ ー に は 、
メ タ ロ チ オ ネ イ ン 遺 伝 子 に 由 来 す る プ ロ モ ー タ ー (米 国 特 許 第 4,579,821号 お よ び 第 4,601,
978号 )お よ び ア デ ノ ウ イ ル ス 主 要 後 期 プ ロ モ ー タ ー が 含 ま れ る 。
【0121】
30
外 来 DNAが 挿 入 さ れ た 培 養 哺 乳 動 物 細 胞 を 選 択 す る に は 、 薬 剤 選 択 が 一 般 に 用 い ら れ る
。このような細胞は通常、「トランスフェクタント」と称される。選択剤の存在下で培養
され、関心対象の遺伝子をそれらの子孫に受け渡し得る細胞は、「安定なトランスフェク
タント」と称される。好ましい選択マーカーは、抗生物質ネオマイシンに対する耐性をコ
ー ド す る 遺 伝 子 で あ る 。 選 択 は 、 G-418な ど の ネ オ マ イ シ ン 型 薬 剤 の 存 在 下 で 行 わ れ る 。
選択システムを用いて関心対象の遺伝子の発現レベルを上昇させることも可能であり、こ
の過程は「増幅」と称される。増幅は、低レベルの選択剤の存在下でトランスフェクタン
トを培養し、次いで、導入遺伝子の産物を高レベルで産生する細胞を選択するために、選
択剤の量を増加していくことによって行われる。好ましい増幅可能な選択マーカーは、メ
トトレキセートに対する耐性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼである。その他の薬物
40
耐 性 遺 伝 子 (例 え ば 、 ハ イ グ ロ マ イ シ ン 耐 性 、 多 剤 耐 性 、 ピ ュ ー ロ マ イ シ ン ア セ チ ル ト ラ
ン ス フ ェ ラ ー ゼ )を 使 用 す る こ と も で き る 。 表 現 型 変 化 を 導 入 す る 緑 色 蛍 光 タ ン パ ク 質 な
ど の 他 の マ ー カ ー 、 ま た は CD4、 CD8、 ク ラ ス I MHC、 胎 盤 ア ル カ リ ホ ス フ ァ タ ー ゼ な ど の
細 胞 表 面 タ ン パ ク 質 を 使 用 し て 、 FACSソ ー テ ィ ン グ ま た は 磁 気 ビ ー ズ 分 離 技 術 な ど の 手 段
により、トランスフェクションされていない細胞からトランスフェクションされた細胞を
分別することも可能である。
【0122】
植物細胞、昆虫細胞、およびトリ細胞を含む、その他の高等真核細胞を宿主として使用
することもできる。植物細胞で遺伝子を発現させるためのベクターとしてのアグロバクテ
リ ウ ム ・ リ ゾ ゲ ネ ス (Agrobacterium rhizogenes)の 使 用 は 、 Sinkar et al., J. Biosci.
50
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(Bangalore) 11:47-58, 1987に よ っ て 概 説 さ れ て い る 。 昆 虫 細 胞 の 形 質 転 換 お よ び そ の 細
胞 に お け る 外 来 ポ リ ペ プ チ ド の 産 生 は 、 Guarino et al.、 米 国 特 許 第 5,162,222号 、 お よ
び WIPO公 報 WO 94/06463に よ っ て 開 示 さ れ て い る 。 通 常 オ ー ト グ ラ フ ァ ・ カ リ フ ォ ル ニ カ (
Autographa californica)核 多 角 体 病 ウ イ ル ス (AcNPV)に 由 来 す る 組 換 え バ キ ュ ロ ウ イ ル ス
を 、 昆 虫 細 胞 に 感 染 さ せ る こ と が で き る 。 King, L.A. and Possee, R.D., The Baculovir
us Expression System: A Laboratory Guide, London, Chapman & Hall; O'Reilly, et a
l., Baculovirus Expression Vectors: A Laboratory Manual, New York, Oxford Univer
sity Press., 1994; お よ び Richardson, C. D., Ed., Baculovirus Expression Protocol
s. Methods in Molecular Biology, Totowa, NJ, Humana Press, 1995を 参 照 さ れ た い 。
組 換 え バ キ ュ ロ ウ イ ル ス を 作 製 す る 第 2の 方 法 は 、 Luckow(Luckow, V.A, et al., J. Viro
10
l 67: 4566-79, 1993)に よ り 記 載 さ れ る ト ラ ン ス ポ ゾ ン に 基 づ く 系 を 利 用 す る 。 こ の 系 は
、 Bac-to-Bacキ ッ ト (Life Technologies、 メ リ ー ラ ン ド 州 、 ロ ッ ク ビ ル )と し て 市 販 さ れ
ている。この系は、「バクミド」と称される大型プラスミドとして大腸菌内で維持される
バ キ ュ ロ ウ イ ル ス ゲ ノ ム 中 に 、 シ ス テ イ ン 変 異 体 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド を コ ー ド
す る DNAを 移 動 さ せ る た め に 、 Tn7ト ラ ン ス ポ ゾ ン を 含 む ト ラ ン ス フ ァ ー ベ ク タ ー 、 pFastB
ac1(商 標 )(Life Technologies)を 利 用 す る 。 pFastBac1(商 標 )ト ラ ン ス フ ァ ー ベ ク タ ー は
、 関 心 対 象 の 遺 伝 子 (こ の 場 合 は IL-28ま た は IL-29)の 発 現 を 誘 導 す る た め に 、 AcNPVポ リ
ヘ ド リ ン プ ロ モ ー タ ー を 使 用 す る 。 し か し 、 pFastBac1(商 標 )は か な り の 程 度 ま で 改 変 す
ることができる。ポリヘドリンプロモーターを除去し、バキュロウイルス感染の初期に発
現され、分泌タンパク質の発現に有利なことが示されているバキュロウイルス塩基性タン
20
パ ク 質 プ ロ モ ー タ ー (Pcor、 p6.9、 ま た は MPプ ロ モ ー タ ー と し て も 知 ら れ て い る )と 置 換 す
る こ と が で き る 。 Hill-Perkins, M.S. and Possee, R.D., J. Gen. Virol. 71:971-6, 19
90; Bonning, B.C. et al., J. Gen. Virol. 75:1551-6, 1994; お よ び Chazenbalk, G.D.
and Rapoport, B., J. Biol. Chem. 270:1543-9, 1995を 参 照 さ れ た い 。 こ の よ う な ト ラ
ンスファーベクター構築物では、短いまたは長い種類の塩基性タンパク質プロモーターを
使 用 す る こ と が で き る 。 さ ら に 、 天 然 の IL-28ま た は IL-29分 泌 シ グ ナ ル 配 列 を 昆 虫 タ ン パ
ク質に由来する分泌シグナル配列で置換したトランスファーベクターを構築することがで
き る 。 例 え ば 、 エ ク ジ ス テ ロ イ ド グ ル コ シ ル ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ (EGT)、 ミ ツ バ チ メ リ チ
ン (Invitrogen、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 カ ー ル ズ バ ッ ド )、 ま た は バ キ ュ ロ ウ イ ル ス gp67(Pha
rMingen、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 サ ン デ ィ エ ゴ )に 由 来 す る 分 泌 シ グ ナ ル 配 列 を 構 築 物 に お い
30
て 使 用 し 、 天 然 の IL-28ま た は IL-29分 泌 シ グ ナ ル 配 列 を 置 換 す る こ と が で き る 。 さ ら に 、
ト ラ ン ス フ ァ ー ベ ク タ ー は 、 発 現 さ れ る シ ス テ イ ン 変 異 体 IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド
の C末 端 ま た は N末 端 に お け る 、 エ ピ ト ー プ タ グ を コ ー ド す る DNAと の イ ン フ レ ー ム 融 合 体
を 含 み 得 り 、 タ グ は 例 え ば Glu-Gluエ ピ ト ー プ タ グ で あ る (Grussenmeyer, T. et al., Pro
c. Natl. Acad. Sci. 82:7952-4, 1985)。 当 技 術 分 野 で 周 知 の 技 法 を 用 い て 、 IL-28ま た
は IL-29を 含 む ト ラ ン ス フ ァ ー ベ ク タ ー で 大 腸 菌 を 形 質 転 換 し 、 組 換 え バ キ ュ ロ ウ イ ル ス
の 指 標 と な る 中 断 さ れ た lacZ遺 伝 子 を 含 む バ ク ミ ド の ス ク リ ー ニ ン グ を 行 う 。 組 換 え バ キ
ュ ロ ウ イ ル ス ゲ ノ ム を 含 む バ ク ミ ド DNAを 通 常 の 技 法 で 単 離 し 、 こ れ を 用 い て ヨ ト ウ ガ (Sp
odoptera frugiperda)細 胞 、 例 え ば Sf9細 胞 に ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン す る 。 そ の 後 、 IL-28
ま た は IL-29を 発 現 す る 組 換 え ウ イ ル ス が 産 生 さ れ る 。 当 技 術 分 野 で 通 常 用 い ら れ る 方 法
40
により、組換えウイルス保存液を作製する。
【0123】
組換えウイルスを用いて、宿主細胞、典型的にはヨトウガに由来する細胞株を感染させ
る 。 一 般 的 に は 、 Glick and Pasternak, Molecular Biotechnology: Principles and App
lication of Recombinant DNA, ASM Prss, Washington, D.C., 1994を 参 照 さ れ た い 。 別
の 適 切 な 細 胞 株 は 、 イ ラ ク サ ギ ン ウ ワ バ (Trichoplusia ni)に 由 来 す る High FiveO(商 標 )
細 胞 株 (Invitrogen)で あ る (米 国 特 許 第 5,300,435号 )。
【0124】
酵母細胞を含む真菌細胞もまた、本発明において使用することができる。この点におい
て 特 に 関 心 が あ る 酵 母 に は 、 サ ッ カ ロ ミ セ ス ・ セ レ ビ シ エ (Saccharomyces cerevisiae)、
50
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ピ キ ア ・ パ ス ト リ ス (Pichia pastoris)、 お よ び ピ キ ア ・ メ タ ノ リ カ (Pichia methanolica
)が 含 ま れ る 。 外 来 DNAで S. セ レ ビ シ エ 細 胞 を 形 質 転 換 し 、 そ の 細 胞 か ら 組 換 え ポ リ ペ プ
チ ド を 産 生 さ せ る 方 法 は 、 例 え ば 、 Kawasaki、 米 国 特 許 第 4,599,311号 ; Kawasaki et al.
、 米 国 特 許 第 4,931,373号 ; Brake、 米 国 特 許 第 4,870,008号 ; Welch et al.、 米 国 特 許 第 5
,037,743号 ; お よ び Murray et al.、 米 国 特 許 第 4,845,075号 に よ っ て 開 示 さ れ て い る 。 形
質転換細胞は、選択マーカーによって決定される表現型、通常、薬剤耐性かまたは特定の
栄 養 素 (例 え ば 、 ロ イ シ ン )の 不 在 下 で 増 殖 す る 能 力 に よ り 選 択 さ れ る 。 サ ッ カ ロ ミ セ ス ・
セレビシエで使用するための好ましいベクター系は、グルコース含有培地中での増殖によ
っ て 形 質 転 換 細 胞 を 選 択 で き る 、 Kawasaki et al.(米 国 特 許 第 4,931,373号 )に よ っ て 開 示
さ れ て い る POT1ベ ク タ ー 系 で あ る 。 酵 母 で の 使 用 に 適 し た プ ロ モ ー タ ー お よ び タ ー ミ ネ ー
10
タ ー に は 、 解 糖 系 酵 素 遺 伝 子 (例 え ば 、 Kawasaki、 米 国 特 許 第 4,599,311号 ; Kingsman et
al、 米 国 特 許 第 4,615,974号 ; お よ び Bitter、 米 国 特 許 第 4,977,092号 を 参 照 さ れ た い )お
よびアルコール脱水素酵素遺伝子のプロモーターおよびターミネーターが含まれる。米国
特 許 第 号 4,990,446号 ; 第 5,063,154号 ; 第 5,139,936号 ; お よ び 第 4,661,454号 も ま た 参 照
さ れ た い 。 ハ ン ゼ ヌ ラ ・ ポ リ モ ル フ ァ (Hansenula polymorpha)、 シ ゾ サ ッ カ ロ ミ セ ス ・ ポ
ン ベ (Schizosaccharomyces pombe)、 ク ル イ ベ ロ ミ セ ス ・ ラ ク テ ィ ス (Kluyveromyces lact
is)、 ク ル イ ベ ロ マ イ セ ス ・ フ ラ ジ リ ス (Kluyveromyces fragilis)、 黒 穂 菌 (Ustilago may
dis)、 ピ キ ア ・ パ ス ト リ ス 、 ピ キ ア ・ メ タ ノ リ カ 、 ピ キ ア ・ ギ リ エ ル モ ン ジ イ (Pichia gu
illermondii)、 お よ び カ ン ジ ダ ・ マ ル ト ー サ (Candida maltosa)を 含 む 他 の 酵 母 の 形 質 転
換 系 も 、 当 技 術 分 野 に お い て 周 知 で あ る 。 例 え ば 、 Gleeson et al., J. Gen. Microbiol.
20
132:3459-65, 1986、 お よ び Cregg、 米 国 特 許 第 4,882,279号 を 参 照 さ れ た い 。 ア ス ペ ル ギ
ル ス 属 (Aspergillus)細 胞 は 、 McKnight et al.、 米 国 特 許 第 4,935,349号 の 方 法 に 従 っ て
利 用 す る こ と が で き る 。 ア ク レ モ ニ ウ ム ・ ク リ ソ ゲ ナ ム (Acremonium chrysogenum)を 形 質
転 換 す る 方 法 は 、 Sumino et al.、 米 国 特 許 第 5,162,228号 に よ っ て 開 示 さ れ て い る 。 ニ ュ
ー ロ ス ポ ラ 属 (Neurospora)を 形 質 転 換 す る 方 法 は 、 Lambowitz、 米 国 特 許 第 4,486,533号 に
よって開示されている。組換えタンパク質を産生させる宿主としてのピキア・メタノリカ
の 使 用 は 、 米 国 特 許 第 5,955,349号 、 第 5,888,768号 、 お よ び 第 6,001,597号 、 米 国 特 許 第
第 5,965,389号 、 米 国 特 許 第 5,736,383号 、 な ら び に 米 国 特 許 第 5,854,039号 に 開 示 さ れ て
いる。
【0125】
30
本発明のポリペプチドおよびタンパク質は、混入する高分子、特に他のタンパク質およ
び 核 酸 に 関 し て 、 ≧ 80%の 純 度 ま で 、 よ り 好 ま し く は ≧ 90%の 純 度 ま で 、 さ ら に よ り 好 ま し
く は ≧ 95%の 純 度 ま で 精 製 す る こ と が 好 ま し く 、 特 に 好 ま し く は 、 99.9%を 超 え る 純 度 で あ
る薬学的に純粋な状態であり、また感染物質および発熱物質を含まない。好ましくは、精
製されたポリペプチドまたはタンパク質は、他のポリペプチドまたはタンパク質、特に動
物起源のものを実質的に含まない。
【0126】
発 現 さ れ た 組 換 え IL-28ま た は IL-29タ ン パ ク 質 (キ メ ラ ポ リ ペ プ チ ド お よ び 多 量 体 タ ン
パ ク 質 を 含 む )は 、 従 来 の タ ン パ ク 質 精 製 方 法 に よ り 、 典 型 的 に は ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー 技
法 の 組 み 合 わ せ に よ り 精 製 さ れ る 。 一 般 的 に は 、 Affinity Chromatography: Principles
40
& Methods, Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden, 1988; お よ び Scopes, Pro
tein Purification: Principles and Practice, Springer-Verlag, New York, 1994を 参
照 さ れ た い 。 ポ リ ヒ ス チ ジ ン 親 和 性 タ グ (典 型 的 に は 約 6ヒ ス チ ジ ン 残 基 )を 含 む タ ン パ ク
質は、ニッケルキレート樹脂にてアフィニティークロマトグラフィーにより精製される。
例 え ば 、 Houchuli et al., Bio/Technol. 6: 1321-1325, 1988を 参 照 さ れ た い 。 glu-glu
タグを含むタンパク質は、従来の手順に従ってイムノアフィニティークロマトグラフィー
に よ っ て 精 製 さ れ 得 る 。 例 え ば 、 Grussenmeyer et al.、 前 記 を 参 照 さ れ た い 。 マ ル ト ー
ス結合タンパク融合体は、当技術分野において周知である方法に従って、アミロースカラ
ムで精製される。
【0127】
50
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IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド は ま た 、 専 用 の 固 相 合 成 、 部 分 固 相 法 、 断 片 濃 縮 、 ま た
は古典的な溶液合成を含む当技術分野で周知の方法に従って、化学合成により調製され得
る 。 例 え ば 、 Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85:2149, 1963; Stewart et al., Solid P
hase Peptide Synthesis (2nd edition), Pierce Chemical Co., Rockford, IL, 1984;
Bayer and Rapp, Chem. Pept. Prot. 3:3, 1986; お よ び Atherton et al., Solid Phase
Peptide Synthesis: A Practical Approach, IRL Press, Oxford, 1989を 参 照 さ れ た い 。
インビトロ合成は、より小さなポリペプチドの調製に特に有利である。
【0128】
一 般 に 、 投 与 す る 本 発 明 の IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド の 用 量 は 、 患 者 の 年 齢 、 体 重
、身長、性別、全般的な医学的状態、および既往歴などの要因に応じて変動する。典型的
10
に は 、 約 1 pg/kg∼ 10 mg/kg(薬 剤 量 /患 者 体 重 )と い う 範 囲 の 用 量 の IL-28ま た は IL29ポ リ
ペプチドをレシピエントに提供することが望ましいが、状況に応じてこれよりも低用量ま
たは高用量が投与される場合もある。当業者は、当技術分野において周知の方法により、
そのような用量およびその用量への調整を容易に決定することができる。
【0129】
対 象 に 対 す る IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド の 投 与 は 、 局 所 、 吸 入 、 静 脈 内 、 動 脈 内 、
腹腔内、筋肉内、皮下、胸膜内、髄腔内投与であるか、局所カテーテルを介した潅流によ
るか、または直接的な病巣内注射によるものであってよい。注射により治療タンパク質を
投与する場合は、投与は持続注入によるか、または単回もしくは複数回の大量瞬時投与に
よるものであってよい。
20
【0130】
さらなる投与経路には、経口、経粘膜、経肺、および経皮が含まれる。経口送達は、ポ
リエステル微粒子、ゼイン微粒子、プロテイノイド微粒子、ポリシアノアクリレート微粒
子 、 お よ び 脂 質 に 基 づ く 系 に 適 し て い る (例 え ば 、 DiBase and Morrel, 「 Oral Delivery
of Microencapsulated Proteins,」 in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders
and Hendren (eds.), pages 255-288 (Plenum Press 1997)を 参 照 さ れ た い )。 鼻 腔 内 送 達
の 実 行 可 能 性 は 、 イ ン ス リ ン 投 与 の よ う な 様 式 で 例 証 さ れ る (例 え ば 、 Hinchcliffe and I
llum, Adv. Drug Deliv. Rev. 35:199 (1999)を 参 照 さ れ た い )。 IL-28ま た は IL29ポ リ ペ
プチドを含む乾燥粒子または液状粒子は、乾燥粉末分散装置、液体エアロゾル発生装置、
ま た は 噴 霧 器 を 用 い て 調 製 し て 吸 入 さ せ る こ と が で き る (例 え ば 、 Pettit and Gombotz, T
30
IBTECH 16:343 (1998); Patton et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 35:235 (1999))。 こ の
アプローチは、エアロゾル化されたインスリンを肺に送達する携帯式の電動吸入装置であ
る 、 AERX糖 尿 病 管 理 シ ス テ ム に よ っ て 示 さ れ る 。 研 究 の 結 果 、 48,000 kDaも の 大 き さ の タ
ンパク質が、低周波数超音波を利用することで皮膚を介して治療濃度で送達されることが
示 さ れ て お り 、 こ れ は 経 皮 投 与 の 実 行 可 能 性 を 示 す も の で あ る (Mitragotri et al., Scie
nce 269:850 (1995))。 エ レ ク ト ロ ポ レ ー シ ョ ン を 用 い る 経 皮 送 達 は 、 IL-28ま た は IL29ポ
リ ペ プ チ ド 活 性 を 有 す る 分 子 を 投 与 す る 別 の 手 段 を 提 供 す る (Potts et al., Pharm. Biot
echnol. 10:213 (1997))。
【0131】
IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド 活 性 を 有 す る タ ン パ ク 質 、 ポ リ ペ プ チ ド 、 ま た は ペ プ チ
40
ドを含む薬学的組成物は、薬学的に有用な組成物を調製するための周知の方法に従って製
剤化することができ、治療タンパク質は薬学的に許容される媒体との混合物中に混合され
る。組成物は、その投与がレシピエント患者によって許容され得る場合に、「薬学的に許
容される媒体」と表現される。無菌のリン酸緩衝食塩水は、薬学的に許容される媒体の一
例 で あ る 。 他 の 適 切 な 媒 体 は 当 業 者 に は 周 知 で あ る 。 例 え ば 、 Gennaro (ed.), Remington
's Pharmaceutical Sciences, 19th Edition (Mack Publishing Company 1995)を 参 照 さ
れたい。
【0132】
治 療 目 的 の た め に 、 IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド 活 性 を 有 す る 分 子 お よ び 薬 学 的 に 許
容 さ れ る 媒 体 が 、 治 療 有 効 量 で 患 者 に 投 与 さ れ る 。 IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド 活 性 を
50
(42)
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有するタンパク質、ポリペプチド、またはペプチドと薬学的に許容される媒体の組み合わ
せは、投与量が生理学的に有意な場合に、「治療有効量」または「有効量」で投与される
と表現される。薬剤は、その存在がレシピエント患者の生理機能に検出可能な変化をもた
らすのであれば、生理学的に有意である。例えば、炎症の治療に使用される薬剤は、その
存在が炎症反応の少なくとも一部を緩和する場合、生理学的に有意である。
【0133】
本 発 明 の IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド を 含 む 薬 学 的 組 成 物 は 、 液 体 形 態 、 エ ア ロ ゾ ル
、または固体形態で提供され得る。液体形態は、注射溶液、エアロゾル、液滴、トポロジ
ー 溶 液 (topological solution)、 お よ び 経 口 懸 濁 剤 に よ っ て 例 証 さ れ る 。 例 示 的 な 固 体 形
態には、カプセル、錠剤、および放出制御形態が含まれる。後者の形態は、小型浸透圧ポ
10
ン プ お よ び 植 込 錠 に よ っ て 例 証 さ れ る (Bremer et al., Pharm. Biotechnol. 10:239 (199
7); Ranade, 「 Implants in Drug Delivery,」 in Drug Delivery Systems, Ranade and
Hollinger (eds.), pages 95-123 (CRC Press 1995); Bremer et al., 「 Protein Delive
ry with Infusion Pumps,」 in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and He
ndren (eds.), pages 239-254 (Plenum Press 1997); Yewey et al., 「 Delivery of Pro
teins from a Controlled Release Injectable Implant,」 in Protein Delivery: Physi
c a l S y s t e m s , S a n d e r s a n d H e n d r e n ( e d s . ) , p a g e s 9 3 - 1 1 7 ( P l e n u m P r e s s 1 9 9 7 ) )。 他 の
固 体 形 態 に は 、 ク リ ー ム 、 ペ ー ス ト 、 他 の ト ポ ロ ジ ー 適 用 (topological application)な
どが含まれる。
【0134】
20
リポソームは、治療ポリペプチドを対象の静脈内、腹腔内、髄腔内、筋肉内、皮下に送
達 す る 、 ま た は 経 口 投 与 、 吸 入 、 も し く は 鼻 腔 内 投 与 に よ り 対 象 に 送 達 す る 1つ の 手 段 を
提 供 す る 。 リ ポ ソ ー ム と は 、 水 性 区 画 を 囲 む 1つ ま た は 複 数 の 脂 質 二 重 層 か ら な る 微 視 的
小 胞 で あ る (一 般 的 に は 、 Bakker-Woudenberg et al., Eur. J. Clin. Microbiol. Infect
. Dis. 12 (Suppl. 1):S61 (1993)、 Kim, Drugs 46:618 (1993)、 お よ び Ranade, 「 SiteSpecific Drug Delivery Using Liposomes as Carriers,」 in Drug Delivery Systems,
Ranade and Hollinger (eds.), pages 3-24 (CRC Press 1995)を 参 照 さ れ た い )。 リ ポ ソ
ームは組成が細胞膜と似ているため、安全に投与することができ、また生分解性である。
調 製 法 に 応 じ て 、 リ ポ ソ ー ム は 単 層 ま た は 多 層 の 場 合 が あ り 、 ま た リ ポ ソ ー ム は 0.02μ m
∼ 10μ m超 の 直 径 を 有 し て 大 き さ は 様 々 で あ り 得 る 。 種 々 の 薬 剤 を リ ポ ソ ー ム 中 に 封 入 す
30
ることができる:疎水性薬剤は二重層内に分配され、親水性薬剤は内部の水性空間に分配
さ れ る (例 え ば 、 Machy et al., Liposomes In Cell Biology And Pharmacology (John Li
bbey 1987) 、 お よ び Ostro et al., American J. Hosp. Pharm. 46:1576 (1989)を 参 照 さ
れ た い )。 さ ら に 、 リ ポ ソ ー ム の 大 き さ 、 二 重 層 の 数 、 脂 質 組 成 、 な ら び に リ ポ ソ ー ム の
電荷および表面特性を変化させることで、封入された薬剤の治療利用能を調節することが
可能である。
【0135】
リポソームは実質的にあらゆる種類の細胞に吸着し、次いで封入された薬剤を緩やかに
放出し得る。または、吸収されたリポソームは、食作用性の細胞によって飲食作用で取り
込まれ得る。エンドサイトーシスに続いて、リポソーム脂質がリソソーム内で分解され、
40
封 入 さ れ た 薬 剤 が 放 出 さ れ る (Scherphof et al., Ann. N.Y. Acad. Sci. 446:368 (1985)
)。 静 脈 内 投 与 後 、 小 さ な リ ポ ソ ー ム (0.1∼ 1.0μ m)は 典 型 的 に 、 主 に 肝 臓 お よ び 脾 臓 に 位
置 す る 網 内 系 の 細 胞 に よ っ て 取 り 込 ま れ 、 3.0μ mよ り 大 き な リ ポ ソ ー ム は 肺 に 蓄 積 す る 。
網内系の細胞による小さなリポソームのこのような選択的取り込みは、化学療法薬をマク
ロファージおよび肝臓の腫瘍に送達するために用いられている。
【0136】
網内系は、大用量のリポソーム粒子による飽和、または薬理学的手段による選択的なマ
ク ロ フ ァ ー ジ 不 活 性 化 を 含 む い く つ か の 方 法 に よ っ て 回 避 さ れ 得 る (Claassen et al., Bi
ochim. Biophys. Acta 802:428 (1984))。 さ ら に 、 糖 脂 質 ま た は ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル
誘導体化リン脂質をリポソーム膜に取り込むと、網内系による取り込みが有意に減少する
50
(43)
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こ と が 示 さ れ て い る (Allen et al., Biochim. Biophys. Acta 1068:133 (1991); Allen e
t al., Biochim. Biophys. Acta 1150:9 (1993))。
【0137】
リポソームはまた、リン脂質組成を変化させることにより、またはリポソームに受容体
もしくはリガンドを挿入することにより調製して、特定の細胞または器官を標的すること
もできる。例えば、非イオン性界面活性剤を多量に含めて調製されたリポソームが、肝臓
を 標 的 す る た め に 使 用 さ れ た (Hayakawa et al.、 特 開 平 04-244018; Kato et al., Biol.
Pharm. Bull. 16:960 (1993))。 こ れ ら の 製 剤 は 、 メ タ ノ ー ル 中 で ダ イ ズ ホ ス フ ァ チ ジ ル
コ リ ン 、 α -ト コ フ ェ ロ ー ル 、 お よ び エ ト キ シ ル 化 水 素 化 ヒ マ シ 油 (HCO-60)を 混 合 し 、 こ
の混合物を真空下で濃縮し、次いで水によりこの混合物を再構成することで調製された。
10
ジ パ ル ミ ト イ ル ホ ス フ ァ チ ジ ル コ リ ン (DPPC)と ダ イ ズ 由 来 ス テ リ ル グ ル コ シ ド 混 合 物 (SG)
お よ び コ レ ス テ ロ ー ル (Ch)の リ ポ ソ ー ム 製 剤 も ま た 、 肝 臓 を 標 的 す る こ と が 示 さ れ て い る
(Shimizu et al., Biol. Pharm. Bull. 20:881 (1997))。
【0138】
または、抗体、抗体断片、炭水化物、ビタミン、および輸送タンパク質などの種々の標
的リガンドをリポソームの表面に結合させることができる。例えば、リポソームを分枝型
ガラクトシル脂質誘導体で修飾して、もっぱら肝細胞表面で発現されるアシアロ糖タンパ
ク 質 (ガ ラ ク ト ー ス )受 容 体 を 標 的 す る こ と が で き る (Kato and Sugiyama, Crit. Rev. The
r. Drug Carrier Syst. 14:287 (1997); Murahashi et al., Biol. Pharm. Bull. 20:259
(1997))。 同 様 に 、 Wu et al., Hepatology 27:772 (1998)は 、 リ ポ ソ ー ム を ア シ ア ロ フ
20
ェチュインで標識すると、リポソームの血漿半減期が短くなり、肝細胞によるアシアロフ
ェチュイン標識リポソームの取り込みが大きく促進されることを示した。一方、分枝型ガ
ラクトシル脂質誘導体を含むリポソームの肝細胞への蓄積は、アシアロフェチュインを事
前 に 注 入 す る こ と で 阻 害 さ れ 得 る (Murahashi et al., Biol. Pharm. Bull. 20:259 (1997
))。 ポ リ ア コ ニ チ ル 化 (polyaconitylated)ヒ ト 血 清 ア ル ブ ミ ン リ ポ ソ ー ム は 、 リ ポ ソ ー ム
を 肝 細 胞 に 標 的 化 す る 別 の ア プ ロ ー チ を 提 供 す る (Kamps et al., Proc. Nat'l Acad. Sci
. USA 94:11681 (1997))。 さ ら に 、 Geho et al.、 米 国 特 許 第 4,603,044号 で は 、 肝 臓 の 特
定の代謝細胞に付随する肝胆道受容体に対する特異性を有する、肝細胞指向性リポソーム
小胞送達系について記載している。
【0139】
30
組織を標的するさらなる一般的アプローチでは、標的細胞を、標的細胞で発現されるリ
ガ ン ド に 特 異 的 な ビ オ チ ン 化 抗 体 で 前 標 識 す る (Harasym et al., Adv. Drug Deliv. Rev.
32:99 (1998))。 遊 離 の 抗 体 を 血 漿 か ら 除 去 し た 後 に 、 ス ト レ プ ト ア ビ ジ ン を 結 合 さ せ た
リ ポ ソ ー ム を 投 与 す る 。 別 の ア プ ロ ー チ で は 、 標 的 抗 体 を リ ポ ソ ー ム に 直 接 結 合 す る (Har
asym et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 32:99 (1998))。
【0140】
IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド 活 性 を 有 す る ポ リ ペ プ チ ド を 、 タ ン パ ク 質 の 微 小 カ プ セ
ル 化 の 標 準 的 な 技 法 に よ り 、 リ ポ ソ ー ム 内 に 封 入 す る こ と が で き る (例 え ば 、 Anderson et
al., Infect. Immun. 31:1099 (1981)、 Anderson et al., Cancer Res. 50:1853 (1990)
、 お よ び Cohen et al., Biochim. Biophys. Acta 1063:95 (1991)、 Alving et al. 「 Pre
40
paration and Use of Liposomes in Immunological Studies,」 in Liposome Technology
, 2nd Edition, Vol. III, Gregoriadis (ed.), page 317 (CRC Press 1993)、 Wassef et
al., Meth. Enzymol. 149:124 (1987)を 参 照 さ れ た い )。 上 述 し た よ う に 、 治 療 上 有 用 な
リ ポ ソ ー ム は 様 々 な 成 分 を 含 み 得 る 。 例 え ば 、 リ ポ ソ ー ム は ポ リ (エ チ レ ン グ リ コ ー ル )の
脂 質 誘 導 体 を 含 み 得 る (Allen et al., Biochim. Biophys. Acta 1150:9 (1993))。
【0141】
治療タンパク質の全身性レベルを高度に維持するために、分解性ポリマー微粒子が設計
さ れ て い る 。 微 粒 子 は 、 ポ リ ラ ク チ ド ・ グ リ コ リ ド 共 重 合 体 (PLG)、 ポ リ 無 水 物 、 ポ リ (オ
ル ト エ ス テ ル )、 非 生 物 分 解 性 エ チ ル ビ ニ ル 酢 酸 ポ リ マ ー な ど の 分 解 性 ポ リ マ ー か ら 調 製
さ れ 、 タ ン パ ク 質 は こ れ ら の ポ リ マ ー 内 に 封 入 さ れ る (Gombotz and Pettit, Bioconjugat
50
(44)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
e Chem. 6:332 (1995); Ranade, 「 Role of Polymers in Drug Delivery,」 in Drug Del
ivery Systems, Ranade and Hollinger (eds.), pages 51-93 (CRC Press 1995); Rosko
s and Maskiewicz, 「 Degradable Controlled Release Systems Useful for Protein Del
ivery,」 in Protein Delivery: Physical Systems, Sanders and Hendren (eds.), page
s 45-92 (Plenum Press 1997); Bartus et al., Science 281:1161 (1998); Putney and
Burke, Nature Biotechnology 16:153 (1998); Putney, Curr. Opin. Chem. Biol. 2:548
(1998))。 ポ リ エ チ レ ン グ リ コ ー ル (PEG)で 被 覆 さ れ た ナ ノ 粒 子 も ま た 、 治 療 タ ン パ ク 質
を 静 脈 内 投 与 す る た め の 媒 体 を 提 供 す る (例 え ば 、 Gref et al., Pharm. Biotechnol. 10:
167 (1997)を 参 照 さ れ た い )。
【0142】
10
当 業 者 は 、 例 え ば Ansel and Popovich, Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Deliv
ery Systems, 5
t h
Edition (Lea & Febiger 1990)、 Gennaro (ed.), Remington's Pharm
aceutical Sciences, 19
t h
Edition (Mack Publishing Company 1995)、 お よ び Ranade an
d Hollinger, Drug Delivery Systems (CRC Press 1996)に 示 さ れ て い る よ う に 、 他 の 投
与剤形を考案することができる。
【0143】
例 と し て 、 薬 学 的 組 成 物 は 、 本 発 明 の IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド を 含 む 容 器 を 含 む
キットとして提供され得る。治療ポリペプチドは、単回用量もしくは複数回用量の注射溶
液の形態で、または注射前に再構成される無菌粉末として提供され得る。または、このよ
うなキットは、治療ポリペプチドを投与するための乾燥粉末分散装置、液体エアロゾル発
20
生装置、または噴霧器を含み得る。このようなキットは、薬学的組成物の効能および用法
に 関 す る 書 記 情 報 を さ ら に 含 み 得 る 。 さ ら に 、 こ の よ う な 情 報 は 、 IL-28ま た は IL29ポ リ
ペ プ チ ド 組 成 物 が 、 IL-28ま た は IL29ポ リ ペ プ チ ド に 対 し て 過 敏 で あ る こ と が わ か っ て い
る患者には禁忌であるという記述も含み得る。キットは、インターフェロンα、インター
フ ェ ロ ン β 、 イ ン タ ー フ ェ ロ ン γ 、 イ ン タ ー フ ェ ロ ン ω 、 プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 、 RNAま た
は DNAポ リ メ ラ ー ゼ 阻 害 剤 、 ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 、 ア ン チ セ ン ス 阻 害 剤 、 お よ び こ れ ら の
組 み 合 わ せ の 群 よ り 選 択 さ れ る 少 な く と も 1つ の さ ら な る 抗 ウ イ ル ス 剤 を さ ら に 含 み 得 る
。 キ ッ ト 中 に 含 ま れ る さ ら な る 抗 ウ イ ル ス 剤 は 、 例 え ば 、 リ バ ビ リ ン (商 標 )、 ペ グ イ ン ト
ロ ン (登 録 商 標 )、 ペ ガ シ ス (登 録 商 標 )、 ま た は こ れ ら の 組 み 合 わ せ で あ っ て よ い 。 C型 肝
炎などのウイルス感染を有する患者にとっては、薬物を連続して取り込むこと、および個
30
別化した療法に適した用量を得ることも有利であると考えられる。したがって、キットは
任意に、自給式特性および大きな読み取りやすい投薬ノブを備えた小さな針もまた含み得
る。これは、患者が正確な用量を得ているという自信をもつのに役立ち、また従来の針と
注射器システムに不安を抱く可能性のある人に使用しやすい代替物を提供する。例えば、
キ ッ ト は 、 3つ の 簡 単 な 段 階 ; 混 合 、 ダ イ ヤ ル 、 お よ び 送 達 で 患 者 が 本 発 明 の IL-28ま た は
IL-29分 子 を 投 与 で き る 、 使 い 捨 て で 1回 限 り の 使 用 の 正 確 な 投 薬 シ ス テ ム を 含 み 得 る 。 (1
) 単 純 に ペ ン を 押 し 下 げ て 、 ペ ン 内 部 に 貯 蔵 さ れ て い る IL-28ま た は IL-29分 子 粉 末 と 滅 菌
水 を 混 合 す る こ と に よ り 、 混 合 が 起 こ る ; (2) ダ イ ヤ ル を 回 す こ と で 、 患 者 が 所 定 の 個 別
化 用 量 を 正 確 に 選 択 で き る ; お よ び (3) 送 達 に よ っ て 、 患 者 は 薬 物 の 個 別 化 用 量 を 注 入 す
る こ と が で き る (例 え ば 、 Schering Ploughの ペ グ イ ン ト ロ ン REDIPENを 参 照 さ れ た い )。
40
【0144】
本 発 明 の IL-28お よ び IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 肝 臓 特 異 的 疾 患 、 特 に ウ イ ル ス 感 染 が 一 部
病因である肝疾患を処置する、取り除く、治療する、予防する、抑制する、軽減する、ま
た は そ の 発 症 を 遅 延 さ せ る の に 使 用 で き る 。 特 に 、 IL-28お よ び IL-29は 、 A型 肝 炎 、 B型 肝
炎 、 C型 肝 炎 、 お よ び D型 肝 炎 か ら な る 群 よ り 選 択 さ れ る ウ イ ル ス 感 染 を 有 す る 哺 乳 動 物 を
治 療 す る た め に 用 い ら れ る 。 肝 疾 患 が 炎 症 性 で あ り 、 か つ 少 な く と も 6ヶ 月 間 持 続 し て い
る 場 合 、 そ れ は 一 般 に 慢 性 肝 炎 と 見 な さ れ る 。 感 染 進 行 中 の C型 肝 炎 ウ イ ル ス (HCV)患 者 は
、 血 液 中 の HCV-RNAが 陽 性 に な り 、 そ れ は 逆 転 写 酵 素 /ポ リ メ ラ ー ゼ 連 鎖 反 応 (RT-PCR)ア ッ
セイにより検出することができる。本発明の方法は肝疾患の進行を遅らせる。臨床的に、
HCVの 診 断 検 査 に は 、 抗 体 の 血 清 学 的 ア ッ セ イ お よ び ウ イ ル ス 粒 子 の 分 子 検 査 が 含 ま れ る
50
(45)
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。 酵 素 免 疫 測 定 法 が 利 用 で き る が (Vrielink et al., Transfusion 37:845-849, 1997)、
こ れ は 免 疫 ブ ロ ッ ト ア ッ セ イ な ど の さ ら な る 試 験 に よ る 確 認 を 必 要 と し 得 る (Pawlotsky e
t al., Hepatology 27:1700-1702, 1998)。 定 性 お よ び 定 量 ア ッ セ イ は 一 般 に ポ リ メ ラ ー
ゼ 連 鎖 反 応 法 を 使 用 し 、 ウ イ ル ス 血 症 お よ び 治 療 応 答 を 評 価 す る の に 好 ま し い (Poynard e
t al., Lancet 352:1426-1432, 1998; McHutchinson et al., N. Engl. J. Med. 339:148
5-1492, 1998)。 定 量 RT-PCR(Amplicor HCV Monitor(商 標 )、 Roche Molecular Systems、
ニ ュ ー ジ ャ ー ジ ー 州 、 ブ ラ ン チ バ ー グ )お よ び 分 岐 型 DNA(デ オ キ シ リ ボ 核 酸 )シ グ ナ ル 増 幅
ア ッ セ イ (Quantiplex(商 標 ) HCV RNA Assay [bDNA]、 Chiron Corp.、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、
エ メ リ ー ビ ル )な ど の 、 い く つ か の 市 販 の 検 査 が 利 用 で き る 。 肝 炎 ま た は 壊 死 の 非 特 異 的
臨 床 検 査 で は 、 ア ラ ニ ン ア ミ ノ ト ラ ン ス フ ェ ラ ー ゼ レ ベ ル (ALT)を 測 定 す る が 、 こ の 検 査
10
は 安 価 で あ り 、 容 易 に 利 用 で き る (National Institutes of Health Consensus Developme
nt Conference Panel, Hepatology 26 (Suppl. 1):2S-10S, 1997)。 肝 生 検 の 組 織 学 的 評
価 は 一 般 に 、 肝 炎 の 進 行 を 判 定 す る た め の 最 も 正 確 な 手 段 と 考 え ら れ て い る (Yano et al.
, Hepatology 23:1334-1340, 1996)。 HCVの 臨 床 検 査 の 総 説 に 関 し て は 、 Lauer et al., N
. Engl. J. Med. 345:41-52, 2001を 参 照 さ れ た い 。
【0145】
当 業 者 に 周 知 で あ る 、 HBVお よ び HCVを 検 査 す る た め の い く つ か の イ ン ビ ボ モ デ ル が 存 在
す る 。 例 え ば 、 HBVに 感 染 し た 哺 乳 動 物 に 対 す る IL-28ま た は IL-29の 効 果 は 、 ウ ッ ド チ ャ
ッ ク モ デ ル を 用 い て 評 価 さ れ 得 る 。 簡 潔 に 説 明 す る と 、 ウ ッ ド チ ャ ッ ク 肝 炎 ウ イ ル ス (WHV
)に 慢 性 的 に 感 染 し た ウ ッ ド チ ャ ッ ク は 、 HBVに 慢 性 的 に 感 染 し た ヒ ト に お け る 疾 患 と 類 似
20
した肝炎および肝細胞癌を発症する。このモデルは、抗ウイルス活性の前臨床評価に用い
ら れ て い る 。 慢 性 的 に 感 染 し た WHV系 統 が 確 立 さ れ て お り 、 新 生 仔 に 血 清 を 接 種 し て 、 こ
の モ デ ル を 用 い て 特 定 の 化 合 物 の 効 果 を 研 究 す る た め の 動 物 が 提 供 さ れ る 。 (総 説 に 関 し
て は 、 Tannant et al., ILAR J. 42 (2):89-102, 2001を 参 照 さ れ た い )。 HBV感 染 哺 乳 動
物 に 対 す る IL-28お よ び IL-29の 効 果 を 評 価 す る に は 、 チ ン パ ン ジ ー も ま た 用 い ら れ 得 る 。
チ ン パ ン ジ ー を 用 い て HBVの 特 徴 づ け が な さ れ た が 、 こ れ ら の 研 究 か ら 、 チ ン パ ン ジ ー の
疾 患 が ヒ ト に お け る 疾 患 と 著 し く 類 似 し て い る こ と が 実 証 さ れ た (Barker et al., J. Inf
ect. Dis. 132:451-458, 1975、 お よ び Tabor et al., J. Infect. Dis. 147:531-534, 19
83)。 チ ン パ ン ジ ー モ デ ル は 、 ワ ク チ ン の 評 価 に 用 い ら れ た (Prince et al., In: Vaccine
s 97, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1997)。 HIVの 治 療 法 は 、 通 常 、 サ ル 免 疫
30
不 全 ウ イ ル ス に 感 染 し て い る 非 ヒ ト 霊 長 動 物 を 用 い て 試 験 さ れ る (総 説 に 関 し て は 、 Hirsc
h et al., Adv. Pharmcol. 49:437-477, 2000、 お よ び Nathanson et al., AIDS 13 (supp
l. A):S113-S120, 1999を 参 照 さ れ た い )。 HIV、 肝 炎 、 マ ラ リ ア 、 呼 吸 器 合 胞 体 ウ イ ル ス
、 お よ び 他 の 疾 患 に お け る 非 ヒ ト 霊 長 動 物 の 使 用 の 総 説 に 関 し て は 、 Sibal et al., ILAR
J. 42 (2):74-84, 2001を 参 照 さ れ た い 。
【0146】
本 発 明 の IL-28ま た は IL-29分 子 が 、 ウ イ ル ス 症 状 の 処 置 、 除 去 、 治 療 、 予 防 、 抑 制 、 軽
減、またはその発症の遅延に使用され得るウイルス感染の種類の他の例には、これらに限
定 さ れ る わ け で は な い が 、 以 下 の も の が 含 ま れ る : DNAウ イ ル ス (例 え ば 、 単 純 ヘ ル ペ ス ウ
イルス、エプスタイン・バーウイルス、サイトメガロウイルスなどのヘルペスウイルス;
40
天 然 痘 ウ イ ル ス な ど の ポ ッ ク ス ウ イ ル ス ; ヘ パ ド ナ ウ イ ル ス (例 え ば 、 B型 肝 炎 ウ イ ル ス )
; パ ピ ロ ー マ ウ イ ル ス ; ア デ ノ ウ イ ル ス ); RNAウ イ ル ス (例 え ば 、 HIV I、 II; HTLV I、 II
; ポ リ オ ウ イ ル ス ; A型 肝 炎 ; オ ル ソ ミ ク ソ ウ イ ル ス (例 え ば 、 イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス )
; パ ラ ミ ク ソ ウ イ ル ス (例 え ば 、 麻 疹 ウ イ ル ス ); 狂 犬 病 ウ イ ル ス ; C型 肝 炎 ); コ ロ ナ ウ イ
ル ス (重 症 急 性 呼 吸 器 症 候 群 (SARS)を 引 き 起 こ す ); ラ イ ノ ウ イ ル ス 、 呼 吸 器 合 胞 体 ウ イ ル
ス、ノロウイルス、西ナイルウイルス、黄熱病、リフトバレーウイルス、ラッサ熱ウイル
ス、エボラウイルス、肝臓を含む組織において複製するリンパ球性脈絡髄膜炎ウイルスな
ど に よ り 引 き 起 こ さ れ る 感 染 。 さ ら に 、 IL-28お よ び IL-29が 用 い ら れ 得 る 疾 患 の 種 類 の 例
には、これらに限定されるわけではないが、以下のものが含まれる:後天性免疫不全症;
肝炎;胃腸炎;出血性疾患;腸炎;心臓炎;脳炎;麻痺;細気管支炎;上部および下部呼
50
(46)
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吸 器 疾 患 ; 呼 吸 器 乳 頭 腫 症 ; 関 節 炎 ; 播 種 性 疾 患 、 慢 性 C型 肝 炎 感 染 に 起 因 す る 肝 細 胞 癌
。 さ ら に 、 例 え ば ウ イ ル ス 性 髄 膜 炎 お よ び HIV関 連 疾 患 な ど の 他 の 組 織 に お け る ウ イ ル ス
性 疾 患 も 、 IL-28A、 IL-28B、 お よ び IL-29で 治 療 さ れ 得 る 。 例 え ば 、 治 療 試 料 の 活 性 を 試
験 す る た め の ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク モ デ ル が 、 以 下 の 実 施 例 に 記 載 さ れ 、 ま た Morrey, et a
l., Antiviral Ther., 3 (Suppl 3):59-68, 1998に 記 載 さ れ て い る 。
【0147】
特定のウイルスの効力を試験するために用いられる動物モデルは周知である。例えば、
デ ン グ 熱 ウ イ ル ス は 、 Huang et al., J. Gen. Virol. Sep;81(Pt 9):2177-82, 2000に 記
載 さ れ て い る よ う な モ デ ル を 用 い て 試 験 さ れ 得 る 。 西 ナ イ ル ウ イ ル ス は 、 Xiao et al., E
merg. Infect. Dis. Jul-Aug;7(4):714-21, 2001、 ま た は Mashimo et al., Proc. Natl.
10
Acad. Sci. U S A. Aug 20;99(17):11311-6, 2002に 記 載 さ れ て い る よ う な モ デ ル を 用 い
て 試 験 さ れ 得 る 。 ベ ネ ズ エ ラ ウ マ 脳 炎 ウ イ ル ス モ デ ル は 、 Jackson et al., Veterinary P
athology, 28 (5): 410-418, 1991; Vogel et al., Arch. Pathol. Lab. Med. Feb;120(2
):164-72, 1996; Lukaszewski and Brooks, J. of Virology, 74(11):5006-5015, 2000に
記 載 さ れ て い る 。 ラ イ ノ ウ イ ル ス モ デ ル は 、 Yin and Lomax, J. Gen. Virol. 67 ( Pt 11
):2335-40, 1986に 記 載 さ れ て い る 。 呼 吸 器 合 胞 体 ウ イ ル ス の モ デ ル は 、 Byrd and Prince
, Clin. Infect. Dis. 25(6):1363-8, 1997に 記 載 さ れ て い る 。 他 の モ デ ル も 当 技 術 分 野
において周知であり、そのようなモデルの使用法を理解することは、十分に当業者の技術
の範囲内である。
【0148】
20
ノ ロ ウ イ ル ス (ノ ロ ウ イ ル ス 属 、 カ リ シ ウ イ ル ス 科 )は 、 ヒ ト に 急 性 胃 腸 炎 を 引 き 起 こ す
、 近 縁 の 一 本 鎖 RNAで エ ン ベ ロ ー プ を も た な い ウ イ ル ス の 1つ の 群 で あ る 。 ノ ロ ウ イ ル ス は
、 最 近 に な っ て 、 「 ノ ー ウ ォ ー ク 様 ウ イ ル ス 」 (NLV)と 仮 称 さ れ た ウ イ ル ス 群 の 正 式 名 称
と し て 承 認 さ れ た 。 ノ ロ ウ イ ル ス は 、 米 国 に お い て 1年 当 た り 2千 3百 万 症 例 の 急 性 胃 腸 炎
を引き起こすと推定されており、米国における胃腸炎の主要原因である。
【0149】
ノロウイルス疾患の症状には、通常、嘔気、嘔吐、下痢、およびある程度の胃けいれん
が含まれる。場合により、人は、微熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、および一般的な疲労感をさ
らに有する。本疾患は、多くの場合突然発症し、感染者はひどい吐き気を催す場合がある
。 本 疾 患 は 通 常 一 次 的 で あ り 、 症 状 は 約 1日 ま た は 2日 し か 続 か な い 。 一 般 に 、 小 児 は 成 人
30
よりも嘔吐がひどい。ノロウイルス疾患に罹患した人は大抵、これらの症状をいずれも有
する。現在、ノロウイルスに対して作用する抗ウイルス薬は存在せず、感染を予防するワ
クチンも存在しない。
【0150】
ノロウイルスに対する治療薬は、一部に、良好な細胞培養系および動物疾患モデルが欠
如しているという理由から、同定が困難であった。マウスノロウイルスが最近同定された
た め 、 現 在 で は 、 本 発 明 の IL-28お よ び IL-29ポ リ ペ プ チ ド の よ う な 治 療 薬 を 細 胞 培 養 系 (W
obus, Karst et al., 「 Replication of Norovirus in Cell Culture Reveals a Tropism
for Dendric Cells and Macrophages,」 PLoS Biol, 2(12):e432, (2004))お よ び マ ウ ス
疾 患 モ デ ル (Karst, Wobus et al., 「 STAT1-dependent innate immunity to a Norwalk-l
40
ike virus,」 Science, 299(5612):1575-8 (2003))で 試 験 す る こ と が で き る 。
【0151】
Karst, S. M., C. E. Wobus, et al. (2003). 「 STAT1-dependent innate immunity to
a Norwalk-like virus.」 Science, 299(5612): 1575-8.
ノ ー ウ ォ ー ク 様 カ リ シ ウ イ ル ス (ノ ロ ウ イ ル ス )は 、 世 界 的 に 見 て 非 細 菌 性 流 行 性 胃 腸 炎
の 90%を 上 回 る 原 因 で あ る が 、 ノ ロ ウ イ ル ス が 培 養 細 胞 に お い て 増 殖 せ ず 、 ま た 小 動 物 モ
デルが得られないために、ノロウイルス感染の病因は十分に理解されていない。ここに、
筆者らはこれまで未知であったマウスノロウイルスについて報告する。マウスノロウイル
ス 1感 染 の 解 析 か ら 、 ノ ロ ウ イ ル ス 耐 性 に は 、 T細 胞 お よ び B細 胞 依 存 性 適 応 免 疫 で は な く
、 転 写 の シ グ ナ ル ト ラ ン ス デ ュ ー サ ー お よ び ア ク チ ベ ー タ ー 1依 存 性 自 然 免 疫 が 必 須 で あ
50
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ることが明らかになった。マウスノロウイルス耐性に必須である宿主分子を同定すること
で、重要なヒト疾患を予防または調節するための標的が提供され得る。
【0152】
Wobus, C. E., S. M. Karst, et al., (2004). 「 Replication of Norovirus in Cell
Culture Reveals a Tropism for Dendric Cells and Macrophages.」 PLoS Biol, 2(12):
e432.
ノロウイルスは、この重要な腸内病原菌が今日まで培養されていないために研究過程に
あ る 。 筆 者 ら は 、 ノ ロ ウ イ ル ス マ ウ ス ノ ロ ウ イ ル ス 1(MNV-1)が 、 イ ン ビ ボ で マ ク ロ フ ァ ー
ジ様細胞に感染し、初代培養樹状細胞およびマクロファージで複製することを見出した。
MNV-1の 増 殖 は 、 イ ン タ ー フ ェ ロ ン -α β 受 容 体 お よ び STAT-1に よ り 阻 害 さ れ 、 細 胞 内 膜 の
10
大 規 模 な 再 構 成 を 伴 っ た 。 連 続 し て 継 代 し た MNV-1の キ ャ プ シ ド タ ン パ ク 質 に お い て ア ミ
ノ酸を置換すると、インビボにおける病原性が弱毒化された。これは、細胞培養における
ノ ロ ウ イ ル ス の 複 製 に 関 す る 初 め て の 報 告 で あ る 。 MNV-1が STAT-1制 御 様 式 で 複 製 す る 能
力、および造血系細胞に対するノロウイルスの予期しない向性により、ノロウイルス生物
学の重要な洞察が提供される。
【0153】
本 発 明 の IL-28お よ び IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 上 記 の も の を 含 む 抗 ウ イ ル ス 剤 と 併 用 し て
使 用 さ れ 得 る 。 ウ イ ル ス 感 染 の よ り 一 般 的 な 治 療 法 の い く つ か は 、 ア シ ク ロ ビ ル (商 標 )な
ど の ウ イ ル ス 複 製 を 阻 害 す る 薬 剤 を 含 む 。 さ ら に 、 こ れ ら の 薬 剤 の い く つ か の 併 用 は 、 AI
DSの 治 療 に 用 い ら れ る 高 活 性 抗 レ ト ロ ウ イ ル ス 療 法 (HAART)の 基 礎 と な る 。 免 疫 療 法 (す な
20
わ ち 、 サ イ ト カ イ ン )と 抗 ウ イ ル ス 薬 の 併 用 が 効 力 の 向 上 を 示 す 例 に は 、 慢 性 C型 肝 炎 感 染
の 治 療 の た め の イ ン タ ー フ ェ ロ ン と リ バ ビ リ ン (商 標 )の 使 用 (Maddrey, Semin. Liver. Di
s. 19 Suppl 1:67-75, 1999)、 お よ び IL-2と HAARTの 併 用 (Ross, et al.、 前 記 )が 含 ま れ
る 。 こ の よ う に 、 IL-28お よ び IL-29は 疾 患 に 対 す る 免 疫 系 を 促 進 し 得 る た め 、 同 様 に HAAR
T適 用 に 使 用 さ れ 得 る 。
【0154】
特 に 、 本 発 明 の IL-28お よ び IL-29は 、 IFN療 法 に 良 好 に 反 応 し な い 患 者 に お け る 単 独 療
法 、 ま た は IFN-α (例 え ば 、 ペ ガ シ ス (登 録 商 標 )ま た は ペ グ イ ン ト ロ ン (登 録 商 標 ))と の (
リ バ ビ リ ン (商 標 )、 ラ ミ ブ ジ ン 、 エ ン テ カ ビ ル 、 エ ム ト リ シ タ ビ ン 、 テ ル ビ ブ ジ ン 、 お よ
び テ ノ フ ォ ビ ル な ど の ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 を 含 む ま た は 含 ま な い )、 も し く は ヌ ク レ オ シ
30
ド 類 似 体 (リ バ ビ リ ン (商 標 )、 ラ ミ ブ ジ ン 、 エ ン テ カ ビ ル 、 エ ム ト リ シ タ ビ ン 、 テ ル ビ ブ
ジ ン 、 お よ び テ ノ フ ォ ビ ル な ど )と の 併 用 療 法 に 有 用 で あ り 得 る 。
【0155】
こ れ ら の 患 者 は 、 細 胞 表 面 上 に I型 イ ン タ ー フ ェ ロ ン 受 容 体 が 少 な い た め に 、 IFN療 法 に
反 応 し な い 可 能 性 が あ る (Yatsuhashi H, et al., J Hepatol. Jun.30(6):995-1003, 1999
; Mathai et al., J Interferon Cytokine Res. Sep.19(9):1011-8, 1999; Fukuda et al
., J Med. Virol. 63(3):220-7, 2001)。 IL-28A、 IL-28B、 お よ び IL-29は ま た 、 I型 イ ン
タ ー フ ェ ロ ン 治 療 後 の I型 イ ン タ ー フ ェ ロ ン 受 容 体 の 下 方 制 御 に 起 因 し て 細 胞 表 面 上 に I型
イ ン タ ー フ ェ ロ ン 受 容 体 が 少 な い 患 者 に お け る 単 独 療 法 、 ま た は IFN-α と の (リ バ ビ リ ン (
商 標 )、 ラ ミ ブ ジ ン 、 エ ン テ カ ビ ル 、 エ ム ト リ シ タ ビ ン 、 お よ び テ ル ビ ブ ジ ン 、 お よ び テ
40
ノ フ ォ ビ ル な ど の ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 を 含 む ま た は 含 ま な い )、 も し く は リ バ ビ リ ン (商 標
)な ど の ヌ ク レ オ シ ド 類 似 体 と の 併 用 療 法 に 有 用 で あ り 得 る (Dupont et al., J. Interfer
on Cytokine Res. 22(4):491-501, 2002)。
【0156】
IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 サ イ ト カ イ ン 、 免 疫 グ ロ ブ リ ン 移 入 、 お よ び 様 々 な
共 刺 激 分 子 を 含 む 他 の 免 疫 療 法 と 併 用 し て 用 い ら れ 得 る 。 本 発 明 の IL-28お よ び IL-29ポ リ
ペプチドは、抗ウイルス薬に加えて、免疫系を刺激するよう意図される任意の他の免疫療
法 と 併 用 し て 用 い ら れ 得 る 。 し た が っ て 、 IL-28お よ び IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 イ ン タ ー フ
ェ ロ ン 、 IL-21、 ま た は IL-2な ど の 他 の サ イ ト カ イ ン と 共 に 用 い ら れ 得 る 。 IL-28お よ び IL
-29は ま た 、 免 疫 グ ロ ブ リ ン 移 入 を 含 む 受 動 免 疫 の 方 法 に 加 え ら れ 得 り 、 受 動 免 疫 の 一 例
50
(48)
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は 、 高 リ ス ク 患 者 に お い て RSV感 染 を 治 療 す る 抗 体 の 使 用 を も た ら す も の で あ る (Meissner
HC、 前 記 )。 さ ら に 、 IL-28お よ び IL-29ポ リ ペ プ チ ド は 、 CD137の よ う な 種 々 の 細 胞 表 面
分 子 を 認 識 す る 4-1BBリ ガ ン ド な ど の さ ら な る 共 刺 激 分 子 と 共 に 用 い ら れ 得 る (Tan, JT et
al., J Immunol. 163:4859-68, 1999)。
【0157】
C. 免 疫 低 下 患 者 に お け る IL-28A、 IL-28B、 お よ び IL-29の 使 用
IL-28お よ び IL-29は 、 急 性 お よ び 慢 性 ウ イ ル ス 感 染 の 、 な ら び に 免 疫 低 下 患 者 の 単 独 療
法として用いられ得る。免疫を増強させる方法は、未解決の感染を有する患者における回
復時間を速め得る。免疫療法は、ごく幼い小児または高齢者などの免疫低下患者、および
感染によって起こる、または化学療法もしくは骨髄除去などの医学的介入後に引き起こさ
10
れる免疫不全を被っている患者の一部によりいっそう大きな影響を与え得る。免疫調節に
よ り 治 療 さ れ る 適 応 症 の 種 類 の 例 に は 、 以 下 の も の が 含 ま れ る ; 慢 性 肝 炎 に 対 す る IFN-α
の 使 用 (Perry CM, and Jarvis B, Drugs 61:2263-88, 2001)、 HIV感 染 後 の IL-2の 使 用 (Mi
tsuyasu R., J. Infect. Dis. 185 Suppl 2:S 115-22, 2002; お よ び Ross RW et al., Ex
pert Opin. Biol. Ther. 1:413-24, 2001)、 お よ び 移 植 後 の エ プ ス タ イ ン ・ バ ー ウ イ ル ス
感 染 を 治 療 す る た め の IFN-α の 使 用 (Faro A, Springer Semin. Immunopathol. 20:425-36
, 1998)。 動 物 モ デ ル で 行 わ れ た 実 験 に よ り 、 IL-2お よ び GM-CSFも ま た 、 EBV関 連 疾 患 の 治
療 に 有 効 で あ り 得 る こ と が 示 さ れ る (Baiocchi RA et al., J Clin. Invest. 108:887-94,
2001)。
【0158】
20
本 発 明 の IL-28お よ び IL-29分 子 は 、 急 性 お よ び 慢 性 ウ イ ル ス 感 染 の 、 な ら び に 免 疫 低 下
患者の単独療法として用いられ得る。免疫を増強させる方法は、未解決の感染を有する患
者 に お け る 回 復 時 間 を 速 め 得 る 。 さ ら に 、 本 発 明 の IL-28お よ び IL-29分 子 は 、 A型 肝 炎 、 B
型 肝 炎 、 C型 肝 炎 、 D型 肝 炎 、 呼 吸 器 合 胞 体 ウ イ ル ス 、 ヘ ル ペ ス ウ イ ル ス 、 エ プ ス タ イ ン ・
バーウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス
、重症急性呼吸器症候群、ライノウイルス、コクサッキーウイルス、ワクシニアウイルス
、西ナイルウイルス、デング熱ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ピキンデウイル
ス、およびポリオウイルスの群より選択されるウイルス感染を処置する、取り除く、治療
する、予防する、抑制する、軽減する、またはその発症を遅延させるために、アシクロビ
ル (商 標 )、 リ バ ビ リ ン (商 標 )、 イ ン タ ー フ ェ ロ ン (例 え ば 、 ペ グ イ ン ト ロ ン (登 録 商 標 )お
30
よ び ペ ガ シ ス (登 録 商 標 ))、 セ リ ン プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 、 ポ リ メ ラ ー ゼ 阻 害 剤 、 ヌ ク レ オ
シド類似体、アンチセンス阻害剤、およびこれらの組み合わせなどの他の抗ウイルス剤と
併 用 し て 、 哺 乳 動 物 に 投 与 さ れ 得 る 。 本 発 明 の IL-28ま た は IL-29ポ リ ペ プ チ ド は ま た 、 サ
イトカイン、免疫グロブリン移入、および様々な共刺激分子を含む他の免疫療法と併用し
て 用 い ら れ 得 る 。 さ ら に 、 本 発 明 の IL-28お よ び IL-29分 子 は 、 肝 炎 を も た ら す 慢 性 ま た は
急 性 ウ イ ル ス 感 染 を 有 す る 哺 乳 動 物 を 治 療 し 、 そ れ に よ り ウ イ ル ス 感 染 お よ び /ま た は 肝
炎 を 軽 減 さ せ る た め に 使 用 さ れ 得 る 。 特 に 、 IL-28お よ び IL-29は 、 A型 肝 炎 、 B型 肝 炎 、 C
型 肝 炎 、 お よ び /ま た は D型 肝 炎 の 群 よ り 選 択 さ れ る ウ イ ル ス 感 染 を 有 す る 哺 乳 動 物 を 治 療
す る た め に 用 い ら れ る 。 本 発 明 の IL-28お よ び IL-29分 子 は ま た 、 呼 吸 器 合 胞 体 ウ イ ル ス 、
ヘルペスウイルス、エプスタイン・バーウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイ
40
ルス、パラインフルエンザウイルス、重症急性呼吸器症候群、ライノウイルス、コクサッ
キーウイルス、ワクシニアウイルス、西ナイルウイルス、デング熱ウイルス、ベネズエラ
ウマ脳炎ウイルス、ピキンデウイルス、およびポリオウイルスからなる群より選択される
ウイルス感染における抗ウイルス剤として使用され得る。
【0159】
本発明を、以下の非限定的な例によってさらに説明する。
【0160】
実施例
実施例1
ポ リ I:Cお よ び ウ イ ル ス 感 染 に よ る IL-28A、 IL-29、 お よ び IL-28Bの 誘 導
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新 た に 単 離 し た ヒ ト 末 梢 血 単 核 細 胞 を 、 ポ リ イ ノ シ ン 酸 -ポ リ シ チ ジ ル 酸 (ポ リ I:C; 100
μ g/ml)(SIGMA; ミ ズ ー リ 州 、 セ ン ト ル イ ス )、 MOI 0.1の 脳 心 筋 炎 ウ イ ル ス (EMCV)の 存 在
下 に お い て 、 ま た は 培 地 の み に お い て 培 養 し た 。 15時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 全 RNAを
細 胞 か ら 単 離 し 、 RNaseフ リ ー DNaseで 処 理 し た 。 全 RNA 100 ngを 、 製 造 業 者 (Invitrogen)
に よ っ て 推 奨 さ れ る 通 り に 、 Platinum Taqキ ッ ト お よ び 遺 伝 子 特 異 的 プ ラ イ マ ー と 共 に Su
perscript One-Step RT-PCRを 用 い る 1段 階 RT-PCRの 鋳 型 と し て 使 用 し た 。
【0161】
未 処 理 細 胞 で は 、 ヒ ト IL-28A、 IL-28B、 お よ び IL-29、 IFN-α お よ び IFN-β RNAは 低 量
か ら 検 出 不 可 能 な 量 で 認 め ら れ た 。 対 照 的 に 、 IL-28A、 IL-29、 IL-28B RNAの 量 は 、 ポ リ I
:C処 理 お よ び ウ イ ル ス 感 染 の 両 方 に よ っ て 増 加 し 、 I型 イ ン タ ー フ ェ ロ ン に つ い て も 同 様
10
の こ と が 観 察 さ れ た 。 こ れ ら の 実 験 か ら 、 IL-28A、 IL-29、 IL-28Bは I型 イ ン タ ー フ ェ ロ ン
と 同 様 に 、 二 本 鎖 RNAま た は ウ イ ル ス 感 染 に よ り 誘 導 さ れ 得 る こ と が 示 さ れ る 。
【0162】
実施例2
HepG2細 胞 に お け る IFNα と 比 較 し た IL-28お よ び IL-29シ グ ナ ル 伝 達 活 性
A. 細 胞 の ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン
HepG2細 胞 を 以 下 の よ う に ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン し た : ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン の お よ そ 1
8時 間 前 に 、 700,000個 の HepG2細 胞 /ウ ェ ル (6ウ ェ ル プ レ ー ト )を 2ミ リ リ ッ ト ル DMEM+ 10%
ウ シ 胎 児 血 清 で プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 ウ ェ ル に つ き 、 1マ イ ク ロ グ ラ ム pISRE-ル シ フ ェ ラ
ー ゼ DNA(Stratagene)お よ び 1マ イ ク ロ グ ラ ム pIRES2-EGFP DNA(Clontech)を 、 全 量 100マ イ
20
ク ロ リ ッ ト ル DMEM中 の 6マ イ ク ロ リ ッ ト ル Fugene 6試 薬 (Roche Biochemicals)に 添 加 し た
。 30分 後 、 こ の ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 混 合 物 を 、 あ ら か じ め プ レ ー テ ィ ン グ し て お い た He
pG2細 胞 に 添 加 し た 。 24時 間 後 、 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン し た 細 胞 を ト リ プ シ ン -EDTAを 用 い
て プ レ ー ト か ら 回 収 し 、 96ウ ェ ル マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト に お よ そ 25,000細 胞 /ウ ェ ル
で 再 度 プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 リ ガ ン ド 刺 激 の お よ そ 18時 間 前 に 、 培 地 を DMEM+ 0.5% FBSに
交換した。
【0163】
B. シ グ ナ ル 伝 達 レ ポ ー タ ー ア ッ セ イ
シグナル伝達レポーターアッセイを以下のように行った:トランスフェクションした細
胞 を DMEM+ 0.5% FBS中 で 37℃ に て 18時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 100 ng/ml IL-28A、 IL-2
30
9、 IL-28B、 zcyto24、 zcyto25、 お よ び huIFN-α 2aリ ガ ン ド で 刺 激 し た 。 37℃ で 4時 間 イ ン
キュベートした後、細胞を溶解し、ルシフェラーゼ基質を添加した後にルミノメーターで
相 対 発 光 単 位 (RLU)を 測 定 し た 。 得 ら れ た 結 果 は 、 培 地 の み の 対 照 に 対 す る 実 験 試 料 の RLU
の 誘 導 倍 率 と し て 示 す (実 験 試 料 の RLU/培 地 の み の RLU= 誘 導 倍 率 )。 表 5か ら 、 IL-28A、 IL
-29、 IL-28B、 zcyto24、 お よ び zcyto25が 、 ISRE-ル シ フ ェ ラ ー ゼ を ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン
し た ヒ ト HepG2肝 細 胞 に お い て ISREシ グ ナ ル 伝 達 を 誘 導 す る こ と が 示 さ れ る 。
【0164】
( 表 5 ) HepG2細 胞 に お け る サ イ ト カ イ ン 依 存 性 ISREシ グ ナ ル 伝 達 の 誘 導 倍 率
40
【0165】
50
(50)
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実施例3
HepG2細 胞 に お け る IFNα と 比 較 し た IL-29抗 ウ イ ル ス 活 性
抗 ウ イ ル ス ア ッ セ イ 法 を 、 ヒ ト 細 胞 と 共 に 使 用 す る EMCV(ア メ リ カ ン タ イ プ カ ル チ ャ ー
コ レ ク シ ョ ン # VR-129B、 バ ー ジ ニ ア 州 、 マ ナ ッ サ ス )に 適 応 さ せ た (Familletti, P., et
al., Methods Enzym. 78: 387-394, 1981)。 細 胞 を サ イ ト カ イ ン と 共 に プ レ ー テ ィ ン グ し
、 24時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 に 、 感 染 効 率 0.1∼ 1の EMCVに 曝 露 し た 。 感 染 の 24時 間 後 に
、 細 胞 を 色 素 取 り 込 み バ イ オ ア ッ セ イ で 生 存 度 に つ い て 解 析 し た (Berg, K., et al., Apm
is 98: 156-162, 1990)。 標 的 細 胞 に MTTを 添 加 し 、 37℃ で 2時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 可
溶 化 剤 溶 液 を 添 加 し 、 37℃ で 一 晩 イ ン キ ュ ベ ー ト し 、 570 nmに お け る 吸 光 度 を 測 定 し た 。
OD570は 抗 ウ イ ル ス 活 性 に 正 比 例 す る 。
10
【0166】
結 果 は 、 IL-29お よ び IFNを HepG2細 胞 で 試 験 し た 場 合 の 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 示 す : IL-29、
IFN-β 、 お よ び IFNα -2aを 、 EMCV感 染 お よ び 色 素 取 り 込 み ア ッ セ イ の 前 に 、 様 々 な 濃 度 で
HepG2細 胞 に 添 加 し た 。 三 つ 組 ウ ェ ル に よ る OD570の 平 均 お よ び 標 準 偏 差 を プ ロ ッ ト す る 。
OD570は 抗 ウ イ ル ス 活 性 に 正 比 例 す る 。 IL-29の EC50は 0.60 ng/mlで あ っ た ; IFN-α 2aの EC
50は 、 0.57 ng/mlで あ っ た ; お よ び IFN-β の EC50は 0.46 ng/mlで あ っ た 。
【0167】
実施例4
肝 臓 お よ び リ ン パ 球 サ ブ セ ッ ト に お け る IL-28RA mRNA発 現
IL-28RAの mRNA分 布 を さ ら に 調 べ る た め に 、 SDS 7900HTシ ス テ ム (Applied Biosystems、
カ リ フ ォ ル ニ ア 州 )を 用 い て 半 定 量 的 RT-PCRを 行 っ た 。 各 試 料 に つ い て 全 RNA 100 ngお よ
び 遺 伝 子 特 異 的 プ ラ イ マ ー を 用 い て 、 1段 階 RT-PCRを 行 っ た 。 Bjab RNAを 用 い て 各 プ ラ イ
マ ー セ ッ ト に つ い て 標 準 曲 線 を 作 成 し 、 す べ て の 試 料 値 を HPRTに 対 し て 標 準 化 し た 。 標 準
化 し た 結 果 を 表 6∼ 8に 要 約 す る 。 IFNAR2お よ び CRF2-4の 標 準 化 し た 値 も 同 様 に 示 す 。
【0168】
表 6: B細 胞 お よ び T細 胞 は 、 有 意 な レ ベ ル の IL-28RA mRNAを 発 現 す る 。 樹 状 細 胞 お よ び
大部分の単球では、低レベルが認められる。
【0169】
20
(51)
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【表6】
10
20
【0170】
表 7に 示 す よ う に 、 正 常 肝 臓 組 織 お よ び 肝 臓 由 来 細 胞 株 は 、 実 質 的 な レ ベ ル の IL-28RAお
よ び CRF2-4 mRNAを 示 す 。
【0171】
30
(52)
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【表7】
10
【0172】
20
表 8に 示 す よ う に 、 初 代 気 道 上 皮 細 胞 は 、 豊 富 な レ ベ ル の IL-28RAお よ び CRF2-4を 含 む 。
【0173】
【表8】
【0174】
表 8に 示 す よ う に 、 IL-28RAは 正 常 お よ び 罹 患 肝 臓 試 料 に 存 在 し 、 C型 肝 炎 お よ び B型 肝 炎
感染試料に由来する組織で発現が増加している。
【0175】
30
(53)
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【表8】
10
20
30
【0176】
表 9∼ 13に 示 す よ う に 、 IL-28RAは 、 正 常 B細 胞 、 Bリ ン パ 腫 細 胞 株 、 T細 胞 、 Tリ ン パ 腫 細
胞 株 (Jurkat)、 正 常 お よ び 形 質 転 換 リ ン パ 球 (B細 胞 お よ び T細 胞 )、 な ら び に 正 常 ヒ ト 単 球
において検出され得る。
【0177】
40
(54)
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【表9】
10
20
【0178】
【表10】
30
【0179】
40
(55)
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【表11】
10
【0180】
【表12】
20
【0181】
30
(56)
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【表13】
10
【0182】
実施例5
Daudi細 胞 増 殖 に 影 響 を 及 ぼ さ な い マ ウ ス IL-28
20
ヒ ト Daudi細 胞 を 50,000細 胞 /ミ リ リ ッ ト ル で RPMI+ 10% FBSに 懸 濁 し 、 96ウ ェ ル プ レ ー
ト の ウ ェ ル に つ き 5000個 の 細 胞 を プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 IL-29-CEE(gluタ グ を 結 合 し た IL29)、 IFN-γ 、 ま た は IFN-α 2aを 2段 階 希 釈 し て 各 ウ ェ ル に 添 加 し た 。 IL-29-CEEは 、 1000
ng/ml∼ 0.5 ng/mlの 濃 度 範 囲 で 使 用 し た 。 IFN-γ は 、 125 ng/ml∼ 0.06 ng/mlの 濃 度 範 囲
で 使 用 し た 。 IFN-α 2aは 、 62 ng/ml∼ 0.03 ng/mlの 濃 度 範 囲 で 使 用 し た 。 細 胞 を 37℃ で 72
時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 72時 間 後 、 ア ラ マ ー ブ ル ー (Accumed、 イ リ ノ イ 州 、 シ カ ゴ )を 2
0マ イ ク ロ リ ッ ト ル /ウ ェ ル で 添 加 し た 。 プ レ ー ト を 37℃ 、 5% COで さ ら に 24時 間 イ ン キ ュ
ベ ー ト し た 。 プ レ ー ト を 、 波 長 544(励 起 )お よ び 590(発 光 )に お い て 、 SoftMax(商 標 )Proプ
ロ グ ラ ム を 使 用 し て Fmax(商 標 )プ レ ー ト リ ー ダ ー (Molecular Devices、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州
、 サ ニ ー ベ ー ル )で 読 み 取 っ た 。 ア ラ マ ー ブ ル ー は 、 細 胞 の 代 謝 活 性 に 基 づ い た 蛍 光 読 み
30
取り値を提供し、したがって、これは陰性対照と比較した細胞増殖の直接的測定である。
結 果 か ら 、 IL-29-CEEが 、 IFN-α 2aと は 対 照 的 に 、 Daudi細 胞 の 増 殖 に 有 意 に 影 響 し な い こ
とが示される。
【0183】
実施例6
マ ウ ス B細 胞 に 抗 増 殖 効 果 を 及 ぼ さ な い マ ウ ス IL-28
MACS磁 気 ビ ー ズ を 用 い て CD43+細 胞 を 枯 渇 さ せ る こ と に よ り 、 2つ の Balb/C脾 臓 (7ヶ 月 齢
)か ら マ ウ ス B細 胞 を 単 離 し た 。 精 製 し た B細 胞 を LPS、 抗 IgM、 ま た は 抗 CD40モ ノ ク ロ ー ナ
ル 抗 体 と 共 に イ ン ビ ト ロ で 培 養 し た 。 マ ウ ス IL-28ま た は マ ウ ス IFNα を 培 養 物 に 添 加 し 、
3
3
48時 間 後 に H-チ ミ ジ ン を 添 加 し た 。 72時 間 培 養 し た 後 、 H-チ ミ ジ ン の 取 り 込 み を 測 定 し
40
た。
【0184】
3
10 ng/mlの IFNα は 、 LPSま た は 抗 IgMの い ず れ か で 刺 激 し た マ ウ ス B細 胞 に よ る H-チ ミ
ジ ン の 取 り 込 み を 阻 害 し た 。 し か し 、 マ ウ ス IL-28は 、 1000 ng/mlを は じ め と す る 試 験 し
3
た い ず れ の 濃 度 に お い て も 、 H-チ ミ ジ ン の 取 り 込 み を 阻 害 し な か っ た 。 対 照 的 に 、 mIFN
3
α お よ び マ ウ ス IL-28は い ず れ も 、 抗 CD40 MAbで 刺 激 し た マ ウ ス B細 胞 に よ る H-チ ミ ジ ン
の取り込みを増加させた。
【0185】
こ れ ら の デ ー タ か ら 、 マ ウ ス IL-28は IFNaと は 異 な り 、 高 濃 度 で さ え も 抗 増 殖 活 性 を 示
さ な い こ と が 実 証 さ れ る 。 さ ら に 、 zcyto24は 、 抗 CD40 MAbの 存 在 下 に お い て 増 殖 を 増 強
50
(57)
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す る 。 こ の 結 果 か ら 、 マ ウ ス IL-28は 、 マ ウ ス IL-28が 高 濃 度 で さ え も マ ウ ス B細 胞 に 対 し
て 抗 増 殖 抑 活 性 を 示 さ な い 点 で 、 IFNα と 異 な る こ と が 示 さ れ る 。 さ ら に 、 マ ウ ス IL-28は
、 抗 CD40モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 の 存 在 下 に お い て 増 殖 を 増 強 す る 。
【0186】
実施例7
骨髄増殖アッセイ
新 鮮 な ヒ ト 骨 髄 単 核 細 胞 (Poietic Technologies、 メ リ ー ラ ン ド 州 、 ゲ イ サ ー ズ バ ー グ )
を 、 37℃ に て 、 α MEM、 10% FBS、 50マ イ ク ロ モ ル β -メ ル カ プ ト エ タ ノ ー ル 、 2 ng/ml FLT
3L中 で 2時 間 か け て プ ラ ス チ ッ ク に 付 着 さ せ た 。 次 い で 、 非 付 着 細 胞 を 、 1000 ng/ml IL-2
9-CEE、 100 ng/ml IL-29-CEE、 10 ng/ml IL-29-CEE、 100 ng/ml IFN-α 2a、 10 ng/ml IFN
10
-α 2a、 ま た は 1 ng/ml IFN-α 2aの 存 在 下 ま た は 非 存 在 下 に お い て 、 α MEM、 10% FBS、 50
マ イ ク ロ モ ル β -メ ル カ プ ト エ タ ノ ー ル 、 2 ng/ml FLT3Lに て 25,000∼ 45,000細 胞 /ウ ェ ル (
96ウ ェ ル 組 織 培 養 プ レ ー ト )で プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 骨 髄 に 由 来 す る 造 血 細 胞 の 増 殖 ま た
は分化について試験するために、これらの細胞を種々のサイトカインと共にインキュベー
ト し た (20 ng/ml IL-2、 2 ng/ml IL-3、 20 ng/ml IL-4、 20 ng/ml IL-5、 20 ng/ml IL-7
、 20 ng/ml IL-10、 20 ng/ml IL-12、 20 ng/ml IL-15、 10 ng/ml IL-21、 ま た は サ イ ト カ
イ ン 添 加 な し )。 8∼ 12日 後 、 ア ラ マ ー ブ ル ー (Accumed、 イ リ ノ イ 州 、 シ カ ゴ )を 20マ イ ク
ロ リ ッ ト ル /ウ ェ ル で 添 加 し た 。 プ レ ー ト を 37℃ 、 5% COで さ ら に 24時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し
た 。 プ レ ー ト を 、 波 長 544(励 起 )お よ び 590(発 光 )に お い て 、 SoftMax(商 標 )Proプ ロ グ ラ ム
を 使 用 し て Fmax(商 標 )プ レ ー ト リ ー ダ ー (Molecular Devices、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 サ ニ ー
20
ベ ー ル )で 読 み 取 っ た 。 ア ラ マ ー ブ ル ー は 、 細 胞 の 代 謝 活 性 に 基 づ い た 蛍 光 読 み 取 り 値 を
提供し、したがって、これは陰性対照と比較した細胞増殖の直接的測定である。
【0187】
IFN-α 2aは 、 試 験 し た す べ て の 条 件 下 に お い て 、 骨 髄 増 殖 の 有 意 な 阻 害 を も た ら し た 。
対 照 的 に 、 IL-29は 、 IL-3、 IL-4、 IL-5、 IL-7、 IL-10、 IL-12、 IL-21の 存 在 下 ま た は サ イ
ト カ イ ン 添 加 な し に お い て 、 骨 髄 細 胞 の 増 殖 に 有 意 な 影 響 を 及 ぼ さ な か っ た 。 IL-2ま た は
IL-15の 存 在 下 で は 、 骨 髄 細 胞 増 殖 の わ ず か な 阻 害 が 認 め ら れ た 。
【0188】
実施例8
可 溶 性 受 容 体 (zcytoR19/CRF2-4)に よ る IL-28お よ び IL-29の シ グ ナ ル 伝 達 の 阻 害
30
A. シ グ ナ ル 伝 達 レ ポ ー タ ー ア ッ セ イ
zcytor19-Fc4ホ モ 二 量 体 お よ び zcytor19-Fc/CRF2-4-Fcヘ テ ロ 二 量 体 可 溶 性 受 容 体 の 、 z
cyto20、 zcyto21、 お よ び zcyto24シ グ ナ ル 伝 達 に 対 す る 阻 害 剤 特 性 を 示 す に は 、 シ グ ナ ル
伝 達 レ ポ ー タ ー ア ッ セ イ を 使 用 し 得 る 。 zcytor19受 容 体 を 過 剰 発 現 す る ヒ ト 胚 性 腎 臓 (HEK
)細 胞 に 、 ル シ フ ェ ラ ー ゼ レ ポ ー タ ー 遺 伝 子 の 転 写 を 駆 動 す る イ ン タ ー フ ェ ロ ン 刺 激 応 答
エ レ メ ン ト (ISRE)を 含 む レ ポ ー タ ー プ ラ ス ミ ド を ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン す る 。 ト ラ ン ス フ
ェ ク シ ョ ン し た 細 胞 を リ ガ ン ド (zcyto20(配 列 番 号 :18)、 zcyto21(配 列 番 号 :20)、 zcyto24
(配 列 番 号 :8)を 含 む ) で 刺 激 し た 後 の ル シ フ ェ ラ ー ゼ 活 性 は 、 リ ガ ン ド と 可 溶 性 受 容 体 と
の相互作用を反映する。
【0189】
40
B. 細 胞 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン
zcytor19を 過 剰 発 現 す る 293 HEK細 胞 を 以 下 の よ う に ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン し た : ト ラ
ン ス フ ェ ク シ ョ ン の お よ そ 18時 間 前 に 、 700,000個 の 293細 胞 /ウ ェ ル (6ウ ェ ル プ レ ー ト )を
2ミ リ リ ッ ト ル DMEM+ 10%ウ シ 胎 児 血 清 で プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 ウ ェ ル に つ き 、 1マ イ ク ロ
グ ラ ム pISRE-ル シ フ ェ ラ ー ゼ DNA(Stratagene)お よ び 1マ イ ク ロ グ ラ ム pIRES2-EGFP DNA(Cl
ontech)を 、 全 量 100マ イ ク ロ リ ッ ト ル DMEM中 の 6マ イ ク ロ リ ッ ト ル Fugene 6試 薬 (Roche Bi
ochemicals)に 添 加 し た 。 30分 後 、 こ の ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン 混 合 物 を 、 あ ら か じ め プ レ
ー テ ィ ン グ し て お い た 293細 胞 に 添 加 し た 。 24時 間 後 、 ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン し た 細 胞 を
ト リ プ シ ン -EDTAを 用 い て プ レ ー ト か ら 回 収 し 、 96ウ ェ ル マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト に お
よ そ 25,000細 胞 /ウ ェ ル で 再 度 プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 リ ガ ン ド 刺 激 の お よ そ 18時 間 前 に 、
50
(58)
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培 地 を DMEM+ 0.5% FBSに 交 換 し た 。
【0190】
C. シ グ ナ ル 伝 達 レ ポ ー タ ー ア ッ セ イ
シグナル伝達レポーターアッセイを以下のように行った:トランスフェクションした細
胞 を DMEM+ 0.5% FBS中 で 37℃ に て 18時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 10 ng/ml zcyto20、 zcyt
o21、 ま た は zcyto24、 お よ び 10マ イ ク ロ グ ラ ム /mlの 以 下 の 可 溶 性 受 容 体 で 刺 激 し た ; ヒ
ト zcytor19-Fcホ モ 二 量 体 、 ヒ ト zcytor19-Fc/ヒ ト CRF2-4-Fcヘ テ ロ 二 量 体 、 ヒ ト CRF2-4-F
cホ モ 二 量 体 、 マ ウ ス zcytor19-Igホ モ 二 量 体 。 37℃ で 4時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 、 細 胞
を 溶 解 し 、 ル シ フ ェ ラ ー ゼ 基 質 を 添 加 し た 後 に ル ミ ノ メ ー タ ー で 相 対 発 光 単 位 (RLU)を 測
定 し た 。 得 ら れ た 結 果 は 、 PBSの み の 存 在 下 に お け る シ グ ナ ル 伝 達 に 対 す る 、 可 溶 性 受 容
10
体 の 存 在 下 に お け る リ ガ ン ド 誘 導 性 シ グ ナ ル 伝 達 の パ ー セ ン ト 阻 害 と し て 示 す 。 表 13か ら
、 ヒ ト zcytor19-Fc/ヒ ト CRF2-4ヘ テ ロ 二 量 体 可 溶 性 受 容 体 が 、 zcyto20、 zcyto21、 お よ び
zcyto24誘 導 性 シ グ ナ ル 伝 達 を 対 照 の 16∼ 45%に 阻 害 し 得 る こ と が 示 さ れ る 。 ヒ ト zcytor19
-Fcホ モ 二 量 体 可 溶 性 受 容 体 も ま た 、 zcyto21誘 導 性 シ グ ナ ル 伝 達 を 45%ま で 阻 害 し 得 る 。 h
uCRF2-4-Fcま た は muzcytor19-Igホ モ 二 量 体 可 溶 性 受 容 体 で は 、 有 意 な 効 果 は 認 め ら れ な
かった。
【0191】
( 表 1 4 ) 可 溶 性 受 容 体 に よ る リ ガ ン ド 誘 導 性 イ ン タ ー フ ェ ロ ン 刺 激 応 答 エ レ メ ン ト (I
SRE)シ グ ナ ル 伝 達 の パ ー セ ン ト 阻 害
20
【0192】
実施例9
新 鮮 な ヒ ト PBMCに お い て HIV複 製 を 阻 害 す る IL-28お よ び IL-29
30
ヒ ト 免 疫 不 全 ウ イ ル ス (HIV)は 、 免 疫 系 の 細 胞 に 感 染 す る 病 原 性 レ ト ロ ウ イ ル ス で あ る
。 CD4 T細 胞 お よ び 単 球 は 、 主 要 な 感 染 細 胞 種 で あ る 。 IL-28お よ び IL-29の イ ン ビ ト ロ で H
IV複 製 を 阻 害 す る 能 力 を 試 験 す る た め 、 正 常 ド ナ ー 由 来 の PBMCを 、 IL-28、 IL-29、 お よ び
MetIL-29C172S-PEGの 存 在 下 に お い て HIVウ イ ル ス に 感 染 さ せ た 。
【0193】
HIVお よ び HBVに 関 し て 血 清 陰 性 で あ っ た ス ク リ ー ニ ン グ さ れ た ド ナ ー か ら 得 ら れ た 全 血
よ り 、 新 鮮 な ヒ ト 末 梢 血 単 核 細 胞 (PBMC)を 単 離 し た 。 末 梢 血 細 胞 を 低 速 遠 心 分 離 に よ り 2
∼ 3回 ペ レ ッ ト 化 /洗 浄 し 、 PBSに 再 懸 濁 し て 、 混 入 し て い る 血 小 板 を 除 去 し た 。 洗 浄 し た
血 液 細 胞 を ダ ル ベ ッ コ リ ン 酸 緩 衝 食 塩 水 (D-PBS)で 1:1に 希 釈 し 、 50 mL 遠 心 管 中 の 14 mL
の リ ン パ 球 分 離 培 地 ((LSM; cellgro(商 標 )、 Mediatech, Inc.、 バ ー ジ ニ ア 州 、 ハ ー ン ド
40
ン に よ る ); 密 度 1.078+/-0.002 g/ml)上 に 重 層 し 、 600 x Gで 30分 間 遠 心 分 離 し た 。 生 じ
た 界 面 か ら バ ン ド 化 し た PBMCを 穏 や か に 吸 引 し 、 次 い で 低 速 遠 心 分 離 に よ り PBSで 2回 洗 浄
し た 。 最 後 の 洗 浄 後 、 細 胞 を ト リ パ ン ブ ル ー 排 除 に よ り 計 数 し 、 15%ウ シ 胎 児 血 清 (FBS)、
7
2 mM L-グ ル タ ミ ン 、 4μ g/mL PHA-Pを 添 加 し た RPMI 1640に 1 x 10 細 胞 /mLで 再 懸 濁 し た
。 細 胞 を 37℃ で 48∼ 72時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し た 。 イ ン キ ュ ベ ー シ ョ ン 後 、 PBMCを 遠 心 分 離
し 、 15% FBS、 2 mM L-グ ル タ ミ ン 、 100 U/mLペ ニ シ リ ン 、 100μ g/mLス ト レ プ ト マ イ シ ン
、 10 μ g/mLゲ ン タ マ イ シ ン 、 お よ び 20 U/mL組 換 え ヒ ト IL-2を 含 む RPMI 1640に 再 懸 濁 し
た 。 ア ッ セ イ プ ロ ト コ ー ル に 用 い る ま で 、 培 地 交 換 を 週 に 2回 行 い な が ら 、 PBMCを 培 地 中
6
で 1∼ 2 x 10 細 胞 /mLの 濃 度 で 維 持 し た 。 単 球 は 、 組 織 培 養 フ ラ ス コ へ の 付 着 の 結 果 と し
て培養物から除去された。
50
(59)
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【0194】
標 準 的 な PBMCア ッ セ イ で は 、 少 な く と も 2人 の 正 常 ド ナ ー に 由 来 す る PHA-P刺 激 細 胞 を プ
6
ー ル し 、 1 x 10 細 胞 /mLの 最 終 濃 度 に な る よ う 新 鮮 培 地 で 希 釈 し 、 50μ L/ウ ェ ル (5 x 10
4
細 胞 /ウ ェ ル )で 96ウ ェ ル 丸 底 マ イ ク ロ プ レ ー ト の 内 部 ウ ェ ル に プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 マ イ
ク ロ タ イ タ ー チ ュ ー ブ に て 試 験 希 釈 物 を 2X濃 度 で 調 製 し 、 各 濃 度 100μ Lを 標 準 形 式 で 適 切
な ウ ェ ル に 配 置 し た 。 IL-28、 IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-PEGを 0∼ 10μ g/mlの 濃 度 で 、
通 常 は 1/2対 数 希 釈 で 添 加 し た 。 ウ イ ル ス 保 存 液 の 所 定 の 希 釈 物 50μ Lを 、 各 試 験 ウ ェ ル に
配 置 し た (最 終 MOI 0.1)。 細 胞 お よ び ウ イ ル ス の み を 含 む ウ ェ ル を ウ イ ル ス 対 照 と し て 使
用 し た 。 MTSア ッ セ イ 系 を 用 い て 薬 物 細 胞 毒 性 を 試 験 す る た め に 、 別 の プ レ ー ト を ウ イ ル
ス な し で 同 様 に 調 製 し た 。 PBMC培 養 物 を 感 染 後 7日 間 維 持 し 、 そ の 時 点 で 細 胞 を 含 ま な い
10
上 清 試 料 を 回 収 し 、 逆 転 写 酵 素 活 性 お よ び p24抗 原 レ ベ ル に つ い て ア ッ セ イ し た 。
【0195】
IL-28、 IL-29お よ び 、 MetIL-29C172S-PEGに よ る 逆 転 写 酵 素 活 性 ま た は p24抗 原 レ ベ ル の
減 少 は 、 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 示 す も の と 考 え ら れ る 。 結 果 か ら 、 IL-28お よ び IL-29が HIVお
よ び AIDSの 治 療 に お い て 治 療 的 価 値 を 有 し 得 る こ と が 実 証 さ れ る 。
【0196】
実 施 例 10
マ ー モ セ ッ ト 肝 細 胞 に お け る GBV-B複 製 を 阻 害 す る IL-28お よ び IL-29
HCVは 、 フ ラ ビ ウ イ ル ス (Flaviviridae)科 の RNAウ イ ル ス の メ ン バ ー で あ る 。 HCVは エ キ
ソビボまたはインビトロ培養において十分に複製せず、そのため、インビトロで分子の抗
20
HCV活 性 を 試 験 す る た め の 十 分 な 系 が 存 在 し な い 。 GBウ イ ル ス B(GBV-B)は 、 HCVと 比 較 的 高
レ ベ ル の 配 列 同 一 性 を 有 し 、 ま た 肝 臓 指 向 性 ウ イ ル ス で あ る た め 、 抗 HCV抗 ウ イ ル ス 剤 の
開発での使用に適した魅力的な代理モデルである。今日まで、このウイルスは、特定の非
ヒト霊長動物の初代肝細胞でしか増殖し得ない。これは、インビトロで肝細胞を単離し、
そ れ ら を GBV-Bに 感 染 さ せ る こ と に よ る か 、 ま た は GBV-Bに 感 染 し た マ ー モ セ ッ ト か ら 肝 細
胞を単離し、それらを抗ウイルス化合物と共に直接使用することにより、達成される。
【0197】
IL-28、 IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-PEGの 効 果 を 、 三 つ 組 で の 6つ の 半 対 数 希 釈 IL-28
、 IL-29、 ま た は MetIL-29C172S-PEGポ リ ペ プ チ ド に お い て 、 TaqMan RT-PCRに よ り GBV-B細
胞 外 RNA産 生 に 関 し て 、 お よ び CellTiter96(登 録 商 標 )試 薬 (Promega、 ウ ィ ス コ ン シ ン 州 、
30
マ デ ィ ソ ン )を 用 い て 細 胞 毒 性 に 関 し て ア ッ セ イ す る 。 未 処 理 の 培 養 物 は 細 胞 お よ び ウ イ
ル ス 対 照 と な る 。 リ バ ビ リ ン (登 録 商 標 )(最 高 試 験 濃 度 に お い て 200μ g/ml)お よ び IFN-α (
最 高 試 験 に お い て 5000 IU/ml)を 、 陽 性 対 照 化 合 物 と し て 含 め る 。 初 代 肝 細 胞 培 養 物 を 単
離し、コラーゲンコーティングプレートにプレーティングする。翌日、培養物を試験試料
(IL-28、 IL-29、 MetIL-29C172S-PEG、 IFNα 、 ま た は リ バ ビ リ ン (登 録 商 標 ))で 24時 間 処 理
し 、 そ の 後 GBV-Bビ リ オ ン に 曝 露 す る か 、 ま た は イ ン ビ ボ 感 染 肝 細 胞 を 使 用 す る 場 合 に は
試 験 試 料 で 直 接 処 理 す る 。 翌 日 、 試 験 試 料 お よ び 培 地 を 添 加 し て 、 3日 後 に 交 換 す る 。 3∼
4日 後 (試 験 試 料 添 加 後 6∼ 7日 目 )、 上 清 を 回 収 し 、 CellTiter96(登 録 商 標 )で 細 胞 数 を 定 量
化 す る 。 上 清 か ら ウ イ ル ス RNAを 抽 出 し 、 こ れ を 、 標 準 物 質 と し て の RT-PCR標 的 を 含 め た
イ ン ビ ト ロ で 転 写 さ れ た RNAを 使 用 し て 、 定 量 TaqMan RT-PCRア ッ セ イ で 三 つ 組 複 製 物 を 用
40
いて定量化する。複製試料の平均を計算する。ウイルス産生の阻害は、未処理のウイルス
お よ び 細 胞 対 照 に 対 し て 、 三 つ 組 試 料 の 平 均 RNA値 お よ び 細 胞 数 値 を プ ロ ッ ト す る こ と に
よ り 評 価 す る 。 GBV-B RNA産 生 の 50%阻 害 を も た ら す 薬 剤 の 阻 害 濃 度 (IC50)、 お よ び 対 照 値
に 対 し て 細 胞 数 の 50%破 壊 を も た ら す 毒 性 濃 度 (TC50)を 、 デ ー タ を 用 い て 作 成 し た グ ラ フ
から補完法により算出する。
【0198】
IL-28お よ び IL-29に よ る GBV-B RNA産 生 の 阻 害 は 、 肝 細 胞 、 C型 肝 炎 感 染 の 原 発 器 官 に お
け る こ の C型 肝 炎 様 ウ イ ル ス に 対 す る IL-28お よ び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 特 性 の 徴 候 で あ り 、
陽 性 結 果 か ら 、 IL-28ま た は IL-29が ヒ ト に お い て HCV感 染 を 治 療 す る の に 有 用 で あ り 得 る
ことが示唆される。
50
(60)
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【0199】
実 施 例 11
WT10細 胞 に お け る HBV複 製 を 阻 害 す る IL-28、 IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-PEG
慢 性 B型 肝 炎 (HBV)は 、 ヘ パ ド ナ ウ イ ル ス 科 の ウ イ ル ス に 属 す る 、 ヒ ト の 最 も 多 く 見 ら れ
か つ 重 篤 な ウ イ ル ス 感 染 の 一 つ で あ る 。 HBVに 対 す る IL-28お よ び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 活 性
を 試 験 す る た め 、 ヒ ト 肝 臓 系 統 HepG2の 変 種 を 用 い る イ ン ビ ト ロ 感 染 系 に お い て 、 IL-28、
IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-PEGを HBVに 対 し て 試 験 し た 。 IL-28、 IL-29、 お よ び MetIL-2
9C172S-PEGは こ の 系 に お い て ウ イ ル ス の 複 製 を 阻 害 し 、 こ れ に よ り ヒ ト で の HBV治 療 に お
ける治療的価値が示唆される。
【0200】
10
WT10細 胞 は 、 ヒ ト 肝 細 胞 株 HepG2 2.2.15の 派 生 物 で あ る 。 WT10細 胞 は HBVゲ ノ ム を 安 定
に ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン さ れ て お り 、 そ の 細 胞 株 に お け る HBV転 写 産 物 の 安 定 発 現 を 可 能
に す る (Fu and Cheng, Antimicrobial Agents Chemother. 44(12):3402-3407, 2000)。 WT
10ア ッ セ イ で は 、 問 題 の 薬 剤 お よ び 3TC対 照 を 、 半 対 数 系 列 で 希 釈 し た そ れ ぞ れ 5つ の 濃 度
で ア ッ セ イ す る 。 評 価 項 目 は 、 細 胞 外 HBV DNAの TaqMan PCR(IC50)、 お よ び CellTiter96試
薬 を 用 い る 細 胞 数 (TC50)で あ る 。 ア ッ セ イ は 、 Korba et al. Antiviral Res. 15(3):217228, 1991、 お よ び Korba et al., Antiviral Res. 19(1):55-70, 1992に よ り 記 載 さ れ て
い る も の と 類 似 し て い る 。 簡 潔 に 説 明 す る と 、 WT10細 胞 を 96ウ ェ ル マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ
ー ト に プ レ ー テ ィ ン グ す る 。 16∼ 24時 間 後 、 HepG2-2.2.15細 胞 の コ ン フ ル エ ン ト な 単 層 を
洗浄し、培地を、三つ組で様々な濃度の試験試料を含む完全培地と交換する。陽性対照と
20
し て 3TCを 使 用 し 、 陰 性 対 照 (ウ イ ル ス 対 照 、 VC)と し て 培 地 の み を 細 胞 に 添 加 す る 。 3日 後
、培地を、適切に希釈した試験試料を含む新鮮な培地と交換する。試験化合物の最初の添
加 か ら 6日 後 、 細 胞 培 養 上 清 を 回 収 し 、 プ ロ ナ ー ゼ お よ び DNAseで 処 理 し 、 リ ア ル タ イ ム 定
量 TaqMan PCRア ッ セ イ に 使 用 す る 。 増 幅 さ れ た HBV DNAに ハ イ ブ リ ダ イ ズ す る 消 光 さ れ た
蛍光プローブ分子のエキソヌクレアーゼ分解により生じる蛍光シグナルの増加をモニター
す る こ と に よ り 、 PCR増 幅 さ れ た HBV DNAを リ ア ル タ イ ム で 検 出 す る 。 各 PCR増 幅 に つ い て
、 精 製 HBV DNAの 希 釈 物 を 用 い て 標 準 曲 線 を 同 時 に 作 成 す る 。 HBV DNAレ ベ ル の 低 下 か ら 、
抗 ウ イ ル ス 活 性 を 算 出 す る (IC5 0 )。 次 い で 、 色 素 取 り 込 み ア ッ セ イ を 利 用 し て 、 毒 性 を 算
出 す る た め に 使 用 す る 細 胞 生 存 度 を 測 定 す る (TC5 0 )。 治 療 指 数 (TI)を TC5 0 /IC5 0 と し て 算
出する。
30
【0201】
IL-28、 IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-PEGは 、 IC50<0.032 ug/mlで 、 WT10細 胞 に お け る H
epBウ イ ル ス の 複 製 を 阻 害 し た 。 こ れ に よ り 、 肝 細 胞 株 で 増 殖 し た HBVに 対 す る IL-28お よ
び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 活 性 が 実 証 さ れ 、 ヒ ト 患 者 に お け る HBV治 療 に と っ て の 治 療 的 価 値 の
証拠が提供される。
【0202】
実 施 例 12
ウ シ 腎 細 胞 に お け る BVDV複 製 を 阻 害 す る IL-28、 IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-PEG
HCVは 、 フ ラ ビ ウ イ ル ス 科 の RNAウ イ ル ス の メ ン バ ー で あ る 。 こ の 科 に 属 す る 他 の ウ イ ル
ス は 、 ウ シ ウ イ ル ス 性 下 痢 症 ウ イ ル ス (BVDV)お よ び 黄 熱 病 ウ イ ル ス (YFV)で あ る 。 HCVは エ
40
キ ソ ビ ボ ま た は イ ン ビ ト ロ 培 養 に お い て 十 分 に 複 製 せ ず 、 そ の た め 、 イ ン ビ ト ロ で 抗 HCV
活 性 を 試 験 す る た め の 系 が 存 在 し な い 。 BVDVお よ び YFVア ッ セ イ は 、 フ ラ ビ ウ イ ル ス 科 の
ウ イ ル ス に 対 す る 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 試 験 す る た め の 、 HCVの 代 理 ウ イ ル ス と し て 用 い ら れ
る。
【0203】
IL-28、 IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-PEGの 抗 ウ イ ル ス 効 果 は 、 細 胞 変 性 効 果 (CPE)の 抑
制 ア ッ セ イ で 評 価 し た 。 こ の ア ッ セ イ で は 、 細 胞 変 性 BVDVウ イ ル ス に よ る 感 染 後 の MadinDarbyウ シ 腎 細 胞 (MDBK)を 用 い る 細 胞 死 、 な ら び に IL-28、 IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-P
EGの 添 加 に よ る 細 胞 死 の 抑 制 を 測 定 し た 。 MDBK細 胞 を 、 10%ウ マ 血 清 、 1%グ ル タ ミ ン 、 お
よ び 1%ペ ニ シ リ ン -ス ト レ プ ト マ イ シ ン を 添 加 し た フ ェ ノ ー ル レ ッ ド を 含 む ダ ル ベ ッ コ 改
50
(61)
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変 基 本 培 地 (DMEM)で 増 殖 さ せ た 。 CPE抑 制 ア ッ セ イ は 、 2% FBS、 1%グ ル タ ミ ン 、 お よ び 1%
ペ ニ シ リ ン -ス ト レ プ ト マ イ シ ン を 添 加 し た フ ェ ノ ー ル レ ッ ド な し の DMEMで 行 っ た 。 ア ッ
セ イ の 前 日 に 、 細 胞 を ト リ プ シ ン 処 理 し (1%ト リ プ シ ン -EDTA)、 洗 浄 し 、 計 数 し 、 100μ l/
ウ ェ ル の 量 で 96ウ ェ ル 平 底 BioCoat(登 録 商 標 )プ レ ー ト (Fisher Scientific、 ペ ン シ ル バ
4
ニ ア 州 、 ピ ッ ツ バ ー グ )に 10 細 胞 /ウ ェ ル で プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 翌 日 、 培 地 を 除 去 し 、
あらかじめ力価測定しておいた一定分割量のウイルスを細胞に添加した。ウイルスの量は
、 最 大 CPE発 生 の 時 点 (BVDVで は 7日 目 )で 完 全 な 殺 細 胞 (>80%)を 生 じ る で あ ろ う 最 大 希 釈 で
あ っ た 。 細 胞 生 存 度 は 、 Vmaxプ レ ー ト リ ー ダ ー (Molecular Devices、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、
サ ニ ー ベ ー ル )を 使 用 し て 、 製 造 業 者 の 手 順 に 従 っ て CellTiter96(登 録 商 標 )試 薬 (Promega
)を 用 い て 測 定 し た 。 試 験 試 料 は 、 ア ッ セ イ 培 地 に よ り 半 対 数 系 列 で 希 釈 し た そ れ ぞ れ 6つ
10
の 濃 度 で 試 験 し た 。 IFNα お よ び リ バ ビ リ ン (登 録 商 標 )を 陽 性 対 照 と し て 使 用 し た 。 試 験
試 料 は ウ イ ル ス 感 染 の 時 点 で 添 加 し た 。 各 濃 度 に お け る パ ー セ ン ト CPE低 下 お よ び パ ー セ
ント細胞生存度についての平均バックグラウンドおよび試料色補正データを対照に対して
決 定 し 、 TC5 0 に 対 し て IC5 0 を 算 出 し た 。
【0204】
IL-28、 IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-PEGは 、 MDBKウ シ 腎 細 胞 に お い て BVDVに よ り 誘 導
さ れ る 細 胞 死 を 抑 制 し た 。 IL-28は 0.02μ g/mlと い う IC5 0 で 細 胞 死 を 抑 制 し 、 IL-29は 0.19
μ g/mlと い う IC5 0 で 細 胞 死 を 抑 制 し 、 MetIL-29C172S-PEGは 0.45μ g/mlと い う IC5 0 で 細 胞
死 を 抑 制 し た 。 こ れ に よ り 、 IL-28お よ び IL-29が フ ラ ビ ウ イ ル ス 科 の ウ イ ル ス に 対 す る 抗
ウイルス活性を有することが実証された。
20
【0205】
実 施 例 13
IL-28お よ び IL-29に よ る イ ン タ ー フ ェ ロ ン 刺 激 遺 伝 子 の 誘 導
A. ヒ ト 末 梢 血 単 核 細 胞
新 た に 単 離 し た ヒ ト 末 梢 血 単 核 細 胞 を 、 IL-29(20 ng/mL)、 IFNα 2a(2 ng/ml)(PBL Biom
edical Labs、 ニ ュ ー ジ ャ ー ジ ー 州 、 ピ ス カ タ ウ ェ イ )の 存 在 下 に お い て 、 ま た は 培 地 の み
に お い て 培 養 し た 。 細 胞 を 6、 24、 48、 ま た は 72時 間 イ ン キ ュ ベ ー ト し 、 次 い で 全 RNAを 単
離 し 、 RNaseフ リ ー DNaseで 処 理 し た 。 全 RNA 100 ngを 、 製 造 業 者 (Applied Biosystems、
ニ ュ ー ジ ャ ー ジ ー 州 、 ブ ラ ン チ バ ー グ )に よ っ て 推 奨 さ れ る 通 り に 、 Taqman One-Step RTPCR Master Mix(登 録 商 標 )試 薬 お よ び 遺 伝 子 特 異 的 プ ラ イ マ ー を 用 い る One-Step Semi-Qu
30
antitative RT-PCR(登 録 商 標 )の 鋳 型 と し て 使 用 し た 。 結 果 は HPRTに 対 し て 標 準 化 し 、 各
時 点 に つ い て 培 地 の み の 対 照 に 対 す る 誘 導 倍 率 と し て 示 す 。 表 15か ら 、 IL-29が 、 試 験 し
たすべての時点で、ヒト末梢血単核細胞においてインターフェロン刺激遺伝子の発現を誘
導することが示される。
【0206】
【表15】
40
50
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【0207】
B. 活 性 化 ヒ ト T細 胞
製 造 業 者 (Miltenyi、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 オ ー バ ー ン )の 使 用 説 明 書 に 従 っ て Pan T-cell
Isolation(登 録 商 標 )キ ッ ト を 使 用 し 、 新 た に 収 集 し た 末 梢 血 単 核 細 胞 か ら ネ ガ テ ィ ブ 選
択 に よ り ヒ ト T細 胞 を 単 離 し た 。 次 い で 、 T細 胞 を 、 プ レ ー ト に 結 合 し た 抗 CD3、 可 溶 性 抗 C
D28(0.5 ug/ml)(Pharmingen、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 サ ン デ ィ エ ゴ )、 お よ び イ ン タ ー ロ イ キ
ン 2(IL-2; 100 U/ml)(R&D Systems、 ミ ネ ソ タ 州 、 ミ ネ ア ポ リ ス )で 5日 間 活 性 化 し か つ 増
殖 さ せ 、 洗 浄 し 、 そ の 後 IL-2で さ ら に 5日 間 増 殖 さ せ た 。 活 性 化 お よ び 増 殖 後 、 細 胞 を 、 I
L-28A(20 ng/ml)、 IL-29(20 ng/ml)、 ま た は 培 地 の み で 3、 6、 ま た は 18時 間 刺 激 し た 。 全
RNAを 単 離 し 、 RNaseフ リ ー DNaseで 処 理 し た 。 上 記 実 施 例 に 記 載 し た 通 り に 、 One-Step Se
10
mi-Quantitative RT-PCR(登 録 商 標 )を 行 っ た 。 結 果 は HPRTに 対 し て 標 準 化 し 、 各 時 点 に つ
い て 培 地 の み の 対 照 に 対 す る 誘 導 倍 率 と し て 示 す 。 表 16か ら 、 IL-28お よ び IL-29が 、 試 験
し た す べ て の 時 点 で 、 活 性 化 ヒ ト T細 胞 に お い て イ ン タ ー フ ェ ロ ン 刺 激 遺 伝 子 の 発 現 を 誘
導することが示される。
【0208】
【表16】
20
30
【0209】
C. 初 代 ヒ ト 肝 細 胞
2人 の 別 々 の ド ナ ー か ら 新 た に 単 離 さ れ た ヒ ト 肝 細 胞 (Cambrex、 メ リ ー ラ ン ド 州 、 ボ ル
テ ィ モ ア 、 お よ び CellzDirect、 ア リ ゾ ナ 州 、 ツ ー ソ ン )を 、 IL-28A(50 ng/ml)、 IL-29(50
ng/ml)、 IFNα 2a(50 ng/ml)、 ま た は 培 地 の み で 24時 間 刺 激 し た 。 刺 激 後 、 全 RNAを 単 離
し 、 RNaseフ リ ー DNaseで 処 理 し た 。 上 記 実 施 例 に 記 載 し た 通 り に 、 One-Step Semi-Quanti
tative RT-PCRを 行 っ た 。 結 果 は HPRTに 対 し て 標 準 化 し 、 各 時 点 に つ い て 培 地 の み の 対 照
に 対 す る 誘 導 倍 率 と し て 示 す 。 表 17か ら 、 IL-28お よ び IL-29が 、 24時 間 の 刺 激 後 に 、 初 代
ヒト肝細胞においてインターフェロン刺激遺伝子の発現を誘導することが示される。
【0210】
40
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【表17】
10
【0211】
D. HepG2お よ び HuH7: ヒ ト 肝 細 胞 癌 細 胞 株
HepG2お よ び HuH7細 胞 (ATCC NO. 8065、 バ ー ジ ニ ア 州 、 マ ナ ッ サ ス )を 、 IL-28A(10 ng/m
l)、 IL-29(10 ng/ml)、 IFNα 2a(10 ng/ml)、 IFNB(1 ng/ml)(PBL Biomedical、 ニ ュ ー ジ ャ
ー ジ ー 州 、 ピ ス カ タ ウ ェ イ )、 ま た は 培 地 の み で 24時 間 ま た は 48時 間 刺 激 し た 。 別 の 培 養
に お い て 、 HepG2細 胞 を 20 ng/mlの MetIL-29C172S-PEGま た は MetIL-29-PEGで 上 記 の よ う に
刺 激 し た 。 全 RNAを 単 離 し 、 RNaseフ リ ー DNaseで 処 理 し た 。 全 RNA 100 ngを 、 上 記 し た 通
り に one-step semi-quntitative RT-PCRの 鋳 型 と し て 使 用 し た 。 結 果 は HPRTに 対 し て 標 準
化 し 、 各 時 点 に つ い て 培 地 の み の 対 照 に 対 す る 誘 導 倍 率 と し て 示 す 。 表 18か ら 、 IL-28お
よ び IL-29が 、 24時 間 お よ び 48時 間 後 に 、 HepG2お よ び HuH7肝 細 胞 癌 細 胞 株 に お い て ISG発
20
現を誘導することが示される。
【0212】
【表18】
30
40
【0213】
【表19】
示 し た デ ー タ は 、 培 養 24時 間 後 の 、 20 ng/mlの 、 IL-29の metIL-29-PEGお よ び metIL-29C17
50
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2S-PEG型 に 関 す る も の で あ る 。
【0214】
示 し た デ ー タ は HPRTに 対 し て 標 準 化 し て あ り 、 非 刺 激 細 胞 に 対 す る 誘 導 倍 率 と し て 示 し
てある。
【0215】
実 施 例 14
HCVレ プ リ コ ン 系 に お け る IL-28お よ び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 活 性
HCV複 製 を 阻 害 す る 抗 ウ イ ル ス 薬 の 能 力 は 、 HCVレ プ リ コ ン 系 を 用 い て イ ン ビ ト ロ で 試 験
す る こ と が で き る 。 レ プ リ コ ン 系 は 、 HCVゲ ノ ム RNAの 構 成 的 な 複 製 を 指 示 す る サ ブ ゲ ノ ム
RNAレ プ リ コ ン を ト ラ ン ス フ ェ ク シ ョ ン し た Huh7ヒ ト 肝 細 胞 癌 細 胞 株 か ら な る (Blight, K.
10
J. et al. Science 290:1972-1974, 2000)。 10 IU/mlの IFNα で レ プ リ コ ン ク ロ ー ン を 処
理 す る と 、 HCV RNAの 量 は 未 処 理 の 対 照 細 胞 株 と 比 較 し て 85%減 少 す る 。 レ プ リ コ ン ク ロ ー
ン に よ っ て 産 生 さ れ る HCV RNAの 量 を IL-28Aお よ び IL-29が 72時 間 の う ち に 減 少 さ せ 得 る こ
と か ら 、 IL-28A/IL-29処 理 に よ り Huh7細 胞 に 付 与 さ れ る 抗 ウ イ ル ス 状 態 が 、 HCVレ プ リ コ
ン 複 製 を 阻 害 す る の に 有 効 で あ り 、 し た が っ て HCV複 製 を 阻 害 す る の に 有 効 で あ る 可 能 性
が非常に高いことが示される。
【0216】
Bayer分 岐 鎖 DNAキ ッ ト に よ り 測 定 さ れ る 、 HCV複 製 を 阻 害 す る IL-28Aお よ び IL-29の 能 力
は、以下の条件下で行う:
1. 最 大 1.0μ g/mlま で 濃 度 を 増 し て い っ た (6)
*
IL28単 独
2. 最 大 1.0μ g/mlま で 濃 度 を 増 し て い っ た (6)
*
IL29単 独
3. 最 大 1.0μ g/mlま で 濃 度 を 増 し て い っ た (6)
*
PEGIL29単 独
20
4. 0.3、 1.0、 お よ び 3.0 IU/mlに お け る IFNα 2A単 独
5. リ バ ビ リ ン 単 独 。
【0217】
陽 性 対 照 は IFNα で あ り 、 陰 性 対 照 は リ バ ビ リ ン で あ る 。
【0218】
細 胞 は 、 生 存 度 を 評 価 す る た め に 72時 間 後 に ア ラ マ ー ブ ル ー で 染 色 す る 。
【0219】
*
条 件 1∼ 3の 濃 度 は 以 下 の 通 り で あ る :
30
1.0μ g/ml、 0.32μ g/ml、 0.10μ g/ml、 0.032μ g/ml、 0.010μ g/ml、 0.0032μ g/ml。
【0220】
レ プ リ コ ン ク ロ ー ン (BB7)は 、 上 記 の 用 量 で 3日 間 連 続 し て 1日 当 た り 1回 処 理 す る 。 72時
間 後 に 、 全 HCV RNAを 測 定 す る 。
【0221】
実 施 例 15
病 原 性 ウ イ ル ス に 対 す る 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 有 す る IL-28お よ び IL-29
特にアデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、ライノウ
イルス、コクサッキーウイルス、インフルエンザウイルス、ワクシニアウイルス、西ナイ
ルウイルス、デング熱ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ピキンデウイルス、およ
40
び ポ リ オ ウ イ ル ス を 含 む 一 連 の 病 原 性 ウ イ ル ス に 対 す る IL-28お よ び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 活
性 を イ ン ビ ト ロ で ア ッ セ イ す る に は 、 2つ の 方 法 が 用 い ら れ る 。 こ れ ら 2つ の 方 法 は 、 細 胞
の 視 覚 的 (顕 微 鏡 に よ る )検 査 に よ り 測 定 さ れ る ウ イ ル ス 誘 導 性 細 胞 変 性 効 果 (CPE)の 抑 制
、 お よ び 細 胞 へ の ニ ュ ー ト ラ ル レ ッ ド (NR)色 素 取 り 込 み の 増 加 で あ る 。 CPE抑 制 方 法 で は
、 7つ の 濃 度 の 試 験 薬 剤 (1000、 100、 10、 1、 0.1、 0.01、 0.001 ng/mlな ど の log10希 釈 物 )
を 、 宿 主 細 胞 を 含 む 96ウ ェ ル 平 底 マ イ ク ロ プ レ ー ト に お い て 各 ウ イ ル ス に 対 し て 評 価 す る
。 化 合 物 を 添 加 し て か ら 24時 間 後 に ウ イ ル ス を 添 加 す る が 、 ウ イ ル ス は 、 ウ イ ル ス に 応 じ
て 細 胞 当 た り 0.01∼ 0.0001感 染 粒 子 の 感 染 効 率 (MOI)に 等 し い ウ ェ ル 当 た り お よ そ 5∼ 100
細胞培養感染用量の濃度で使用する。試験は、適切なウイルス細胞変性効果が発生し得る
の に 十 分 な 特 定 の 時 間 に わ た っ て 37℃ で イ ン キ ュ ベ ー ト し た 後 に 読 み 取 る 。 NR取 り 込 み ア
50
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ッ セ イ で は 、 視 覚 的 ス コ ア を 得 る た め に 使 用 し た の と 同 じ プ レ ー ト セ ッ ト に 色 素 (培 地 中
て 0.34%濃 度 )を 添 加 す る 。 2時 間 後 、 細 胞 に 吸 収 さ れ そ の 後 細 胞 か ら 溶 出 さ れ た 色 素 の 色
強度を、マイクロプレートオートリーダーを用いて測定する。抗ウイルス活性は、半対数
グ ラ フ 用 紙 に 化 合 物 濃 度 と パ ー セ ン ト 阻 害 を プ ロ ッ ト す る こ と に よ り 決 定 さ れ る 50%有 効 (
ウ イ ル ス 阻 害 )濃 度 (EC50)と し て 表 す 。 一 部 の 場 合 の EC50/IC50デ ー タ は 、 適 切 な 回 帰 分 析
ソ フ ト ウ ェ ア に よ り 決 定 し 得 る 。 一 般 に 、 NRア ッ セ イ に よ り 測 定 さ れ た EC50は 、 CPE方 法
に よ り 得 ら れ た EC50の 2∼ 4倍 高 い 。
【0222】
(表20)視覚的アッセイ
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10
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10
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【0223】
(表21)ニュートラルレッドアッセイ
30
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【0224】
実 施 例 16
マ ウ ス 肝 臓 細 胞 株 AML-12に お い て ISG誘 導 を 促 進 す る IL-28、 IL-29、 metIL-29-PEG、 お よ
び MetIL-29C172S-PEG
イ ン タ ー フ ェ ロ ン 刺 激 遺 伝 子 (ISG)は 、 I型 イ ン タ ー フ ェ ロ ン (IFN)に よ っ て 、 ま た 同 様
に IL-28お よ び IL-29フ ァ ミ リ ー 分 子 に よ っ て 誘 導 さ れ る 遺 伝 子 で あ り 、 IFNな ら び に IL-28
お よ び IL-29が 抗 ウ イ ル ス 活 性 を も た ら す 類 似 し た 経 路 を 誘 導 す る こ と が 示 唆 さ れ る 。 ヒ
ト I型 IFN(IFNα 1∼ 4お よ び IFNβ )は マ ウ ス 細 胞 に 対 す る 活 性 を ほ と ん ど ま た は 全 く 有 さ ず
50
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、 こ れ は 種 間 交 差 反 応 性 の 欠 如 に 起 因 す る も の と 考 え ら れ る 。 ヒ ト IL-28お よ び IL-29が マ
ウ ス 細 胞 に 対 し て 効 果 を 及 ぼ す か ど う か を 試 験 す る た め 、 マ ウ ス 肝 臓 由 来 細 胞 株 AML-12に
お け る リ ア ル タ イ ム PCRに よ り 、 ヒ ト IL-28お よ び IL-29に よ る ISG誘 導 を 評 価 し た 。
【0225】
6
AML-12細 胞 を 、 2 x 10 細 胞 /ウ ェ ル の 濃 度 で 完 全 DMEM培 地 で 6ウ ェ ル プ レ ー ト に プ レ ー
テ ィ ン グ し た 。 細 胞 を プ レ ー テ ィ ン グ し て か ら 24時 間 後 に 、 20 ng/ml濃 度 の ヒ ト IL-28お
よ び IL-29を 培 養 物 に 添 加 し た 。 対 照 と し て 、 細 胞 を マ ウ ス IFNα で 刺 激 す る か (陽 性 対 照 )
ま た は 刺 激 し な か っ た (陰 性 )。 CHO由 来 ヒ ト IL-28A(配 列 番 号 :18)ま た は IL-29(配 列 番 号 :2
0)を 添 加 し て か ら 8、 24、 48、 お よ び 72時 間 後 に 、 細 胞 を 回 収 し た 。 RNAEasy-kit(登 録 商
標 )(Qiagen、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 バ レ ン シ ア )を 用 い て 、 細 胞 ペ レ ッ ト か ら RNAを 単 離 し た
10
。 RNAか ら 混 入 DNAを 取 り 除 く た め 、 RNAを DNase(Millipore、 マ サ チ ュ ー セ ッ ツ 州 、 ビ ル リ
カ )で 処 理 し た 。 Perkin-Elmer RT mixを 用 い て cDNAを 作 製 し た 。 マ ウ ス OAS、 Pkr、 お よ び
Mx1に 特 異 的 な プ ラ イ マ ー お よ び プ ロ ー ブ を 使 用 す る リ ア ル タ イ ム PCRに よ り 、 ISG遺 伝 子
誘 導 を 評 価 し た 。 定 量 的 デ ー タ を 得 る た め 、 HPRTリ ア ル タ イ ム PCRを ISG PCRと 組 み 合 わ せ
た 。 IFN刺 激 し た マ ウ ス PBLに 由 来 す る 既 知 量 の RNAを 用 い て 、 検 量 線 を 得 た 。 デ ー タ は す
べ て 、 内 部 HPRT発 現 に 対 す る 発 現 と し て 示 す 。
【0226】
ヒ ト IL-28Aお よ び IL-29は マ ウ ス 肝 細 胞 細 胞 株 AML-12に お い て ISG誘 導 を 促 進 し 、 I型 IFN
と は 異 な り 、 IL-28/29フ ァ ミ リ ー タ ン パ ク 質 が 異 種 間 反 応 性 を 示 す こ と が 実 証 さ れ た 。
【0227】
20
【表22】
30
【0228】
示 し た デ ー タ は す べ て 、 HPRT遺 伝 子 発 現 に 対 す る 倍 率 と し て 表 し た 。
ngの OAS mRNA/ngの HPRT mRNA= 内 部 ハ ウ ス キ ー ピ ン グ 遺 伝 子 、 HPRTに 対 す る OAS mRNA量 の
標準化した値
例 と し て 、 48時 間 時 点 の デ ー タ を 示 す 。
【0229】
【表23】
40
細 胞 を 、 20 ng/mlの metIL-29-PEGま た は metIL-29C172S-PEGで 24時 間 刺 激 し た 。
【0230】
示 し た デ ー タ は HPRTに 対 し て 標 準 化 し て あ り 、 非 刺 激 細 胞 に 対 す る 誘 導 倍 率 と し て 示 し
てある。
【0231】
実 施 例 17
ヒ ト IL-29を 発 現 す る ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク マ ウ ス の 脾 臓 に お い て 効 率 的 に 誘 導 さ れ る ISG
50
(72)
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Eu-lckプ ロ モ ー タ ー の 制 御 下 で ヒ ト IL-29を 発 現 す る ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク (Tg)マ ウ ス を
作 製 し た 。 ヒ ト IL-29が マ ウ ス に お い て イ ン ビ ボ で 生 物 活 性 を 有 す る か ど う か を 研 究 す る
た め 、 ISGの 発 現 を 、 Eu-lck IL-29ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク マ ウ ス の 脾 臓 に お け る リ ア ル タ イ
ム PCRに よ り 解 析 し た 。
【0232】
ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク マ ウ ス (C3H/C57BL/6)は 、 Eu-lckプ ロ モ ー タ ー の 制 御 下 で ヒ ト IL-29
遺 伝 子 を 発 現 す る 構 築 物 を 用 い て 作 製 し た 。 こ の プ ロ モ ー タ ー は 、 T細 胞 お よ び B細 胞 に お
い て 活 性 が あ る 。 ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク マ ウ ス お よ び そ の 非 ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク 同 腹 子 (n=2
/群 )を 約 10週 齢 で 屠 殺 し た 。 マ ウ ス の 脾 臓 を 単 離 し た 。 RNAEasy-kit(登 録 商 標 )(Qiagen)
を 用 い て 、 細 胞 ペ レ ッ ト か ら RNAを 単 離 し た 。 RNAか ら 混 入 DNAを 取 り 除 く た め 、 RNAを DNas
10
eで 処 理 し た 。 Perkin-Elmer RT(登 録 商 標 )mixを 用 い て cDNAを 作 製 し た 。 マ ウ ス OAS、 Pkr
、 お よ び Mx1に 特 異 的 な プ ラ イ マ ー お よ び プ ロ ー ブ (5'FAM、 3'NFQ)を 使 用 す る リ ア ル タ イ
ム PCRに よ り 、 ISG遺 伝 子 誘 導 を 評 価 し た 。 定 量 的 デ ー タ を 得 る た め 、 HPRTリ ア ル タ イ ム PC
Rを ISG PCRと 組 み 合 わ せ た 。 さ ら に 、 IFN刺 激 し た マ ウ ス PBLの 既 知 量 を 使 用 し て 検 量 線 を
得 た 。 デ ー タ は す べ て 、 内 部 HPRT発 現 に 対 す る 発 現 と し て 示 す 。
さらに、
【0233】
IL-29 Tgマ ウ ス か ら 単 離 し た 脾 臓 は 、 そ の 非 Tg同 腹 子 対 照 と 比 較 し て ISG OAS、 Pkr、 お
よ び Mx1の 高 い 誘 導 を 示 し 、 こ れ に よ り ヒ ト IL-29が マ ウ ス に お い て イ ン ビ ボ で 生 物 活 性 を
有することが示唆された。
20
【0234】
【表24】
【0235】
示 し た デ ー タ は す べ て 、 HPRT遺 伝 子 発 現 に 対 す る 発 現 倍 率 で あ る 。 2匹 の マ ウ ス で の 平
30
均発現を示す。
【0236】
実 施 例 18
マ ウ ス の 肝 臓 、 脾 臓 、 お よ び 血 液 に お い て ISG遺 伝 子 発 現 を 誘 導 す る ヒ ト IL-28お よ び IL-2
9タ ン パ ク 質
ヒ ト IL-28お よ び IL-29が イ ン ビ ボ で イ ン タ ー フ ェ ロ ン 刺 激 遺 伝 子 を 誘 導 す る か ど う か を
決 定 す る た め 、 CHO由 来 ヒ ト IL-28Aお よ び IL-29タ ン パ ク 質 を マ ウ ス に 注 射 し た 。 さ ら に 、
大 腸 菌 由 来 IL-29も ま た 、 MetIL-29C172S-PEGお よ び MetIL-29-PEGを 用 い て 上 記 の よ う に イ
ン ビ ボ ア ッ セ イ で 試 験 し た 。 様 々 な 時 点 お よ び 種 々 の 用 量 に お い て 、 ISG遺 伝 子 誘 導 を マ
ウスの血液、脾臓、および肝臓で測定した。
40
【0237】
一 連 の 用 量 (10μ g∼ 250μ g)の CHO由 来 ヒ ト IL-28Aお よ び IL-29ま た は MetIL-29C172S-PEG
お よ び MetIL-29C16-C113-PEGを 、 C57BL/6マ ウ ス に 腹 腔 内 ま た は 静 脈 内 注 射 し た 。 マ ウ ス
を 様 々 な 時 点 (1時 間 ∼ 48時 間 )で 屠 殺 し た 。 マ ウ ス か ら 脾 臓 お よ び 肝 臓 を 単 離 し 、 RNAを 単
離 し た 。 血 液 細 胞 か ら も RNAを 単 離 し た 。 細 胞 を ペ レ ッ ト 化 し 、 RNAEasy(登 録 商 標 )キ ッ ト
(Qiagen)を 用 い て ペ レ ッ ト か ら RNAを 単 離 し た 。 RNAか ら 混 入 DNAを 取 り 除 く た め 、 RNAを DN
ase(Amicon)で 処 理 し た 。 Perkin-Elmer RT mix(Perkin-Elmer)を 用 い て cDNAを 作 製 し た 。
マ ウ ス OAS、 Pkr、 お よ び Mx1に 特 異 的 な プ ラ イ マ ー お よ び プ ロ ー ブ を 使 用 す る リ ア ル タ イ
ム PCRに よ り 、 ISG遺 伝 子 誘 導 を 測 定 し た 。 定 量 的 デ ー タ を 得 る た め 、 HPRTリ ア ル タ イ ム PC
Rを ISG PCRと 組 み 合 わ せ た 。 IFN刺 激 し た マ ウ ス PBLの 既 知 量 を 使 用 し て 検 量 線 を 算 出 し た
50
(73)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
。 デ ー タ は す べ て 、 内 部 HPRT発 現 に 対 す る 発 現 と し て 示 す 。
【0238】
ヒ ト IL-29は 、 用 量 依 存 的 様 式 で 、 マ ウ ス の 肝 臓 、 脾 臓 、 お よ び 血 液 に お い て ISG遺 伝 子
発 現 (OAS、 Pkr、 Mx1)を 誘 導 し た 。 ISGの 発 現 は 注 射 後 1∼ 6時 間 で 頂 点 に 達 し 、 最 長 48時 間
ま で 対 照 マ ウ ス を 上 回 る 発 現 維 持 を 示 し た 。 こ の 実 験 に お い て 、 ヒ ト IL-28Aは ISG遺 伝 子
発現を誘導しなかった。
【0239】
【表25】
10
【0240】
示 し た 結 果 は 、 HPRT遺 伝 子 発 現 に 対 す る 発 現 倍 率 で あ る 。 IL-29が 250μ gの 静 脈 内 単 回
投 与 で 肝 臓 に お い て OASを 誘 導 し た こ と に 関 す る 試 料 デ ー タ セ ッ ト を 示 す 。 示 し た デ ー タ
は 、 5匹 の 異 な る 動 物 /群 の 平 均 発 現 で あ る 。
20
【0241】
【表26】
【0242】
【表27】
30
【0243】
マ ウ ス に 100μ gの タ ン パ ク 質 を 静 脈 内 注 射 し た 。 示 し た デ ー タ は 、 マ ウ ス の 肝 臓 に よ る
HPRT発 現 に 対 す る 発 現 倍 率 で あ る 。 同 様 の デ ー タ が マ ウ ス の 血 液 お よ び 脾 臓 か ら も 得 ら れ
40
た。
【0244】
実 施 例 19
マ ウ ス に お い て ISGタ ン パ ク 質 を 誘 導 す る IL-28お よ び IL-29
ISGタ ン パ ク 質 (OAS)の 誘 導 に 及 ぼ す ヒ ト IL-28お よ び IL-29の 効 果 を 解 析 す る た め 、 IL-2
8お よ び IL-29で 処 理 し た マ ウ ス の 血 清 お よ び 血 漿 を OAS活 性 に つ い て 試 験 し た 。
【0245】
PBSま た は 一 連 の 濃 度 (10μ g∼ 250μ g)の ヒ ト IL-28も し く は IL-29を 、 C57BL/6マ ウ ス に
静 脈 内 注 射 し た 。 様 々 な 時 点 で マ ウ ス か ら 血 清 お よ び 血 漿 を 単 離 し 、 栄 研 化 学 (日 本 、 東
京 )の OAS放 射 性 免 疫 測 定 (RIA)キ ッ ト を 用 い て OAS活 性 を 測 定 し た 。
50
(74)
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【0246】
IL-28お よ び IL-29は マ ウ ス の 血 清 お よ び 血 漿 に お い て OAS活 性 を 誘 導 し 、 こ れ ら の タ ン
パク質がインビボで生物学的に活性のあることが示される。
【0247】
【表28】
10
OAS活 性 は 、 単 一 濃 度 (250μ g)の ヒ ト IL-29に つ い て 、 pmol/血 漿 dLで 示 し て あ る 。
【0248】
実 施 例 29
マ ウ ス に お い て ア デ ノ ウ イ ル ス 病 変 を 抑 制 す る IL-28お よ び IL-29
肝 臓 に 感 染 す る ウ イ ル ス に 対 す る IL-28お よ び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 試 験 す る た め 、
試 験 試 料 を 、 内 部 緑 色 蛍 光 タ ン パ ク 質 (GFP)遺 伝 子 を 発 現 す る 感 染 性 ア デ ノ ウ イ ル ス ベ ク
ターに対してマウスで試験した。静脈内注射する場合、このウイルスは遺伝子発現に関し
て 主 に 肝 臓 を 標 的 と す る 。 ア デ ノ ウ イ ル ス は 複 製 欠 損 で あ る が 、 ASTお よ び ALTの よ う な 肝
臓酵素の血清レベルの測定により、または肝臓病変の直接的検査によりモニターし得る、
20
炎症性細胞浸潤による肝臓障害を引き起こす。
【0249】
50μ gの マ ウ ス IL-28(zcyto24)ま た は metIL-29C172S-PEGを 、 C57Bl/6マ ウ ス に 1日 1回 、 3
日 間 腹 腔 内 注 射 し た 。 対 照 動 物 に は PBSを 注 射 し た 。 3回 目 の 投 与 の 1時 間 後 に 、 マ ウ ス に
9
ア デ ノ ウ イ ル ス ベ ク タ ー 、 AdGFP(1 X 10 プ ラ ー ク 形 成 単 位 (pfu))の 単 回 ボ ー ラ ス 静 脈 内
尾 静 脈 注 射 を 施 し た 。 そ の 後 一 日 お き に 、 マ ウ ス に PBS、 マ ウ ス IL-28、 ま た は metIL-29C1
72S-PEGの 追 加 用 量 を さ ら に 4用 量 (合 計 7用 量 )投 与 し た 。 PBS、 マ ウ ス IL-28、 ま た は metIL
-29C172S-PEGの 最 終 投 与 か ら 1時 間 後 、 最 終 的 に マ ウ ス の 採 血 を し こ れ を 屠 殺 し た 。 血 清
お よ び 肝 臓 組 織 を 解 析 し た 。 血 清 は 、 ASTお よ び ALT肝 臓 酵 素 に つ い て 解 析 し た 。 肝 臓 は 単
離 し て 、 GFP発 現 お よ び 組 織 像 に つ い て 解 析 し た 。 組 織 像 に 関 し て は 、 肝 臓 試 料 を ホ ル マ
30
リ ン で 固 定 し 、 次 い で パ ラ フ ィ ン 中 に 包 埋 し 、 続 い て H&E染 色 を し た 。 処 理 に つ い て 盲 検
化した肝臓の切片を光学顕微鏡で検査した。変化を記述し、肝臓病変および炎症を測定す
るように設計された尺度でスコア化した。
【0250】
マ ウ ス IL-28お よ び IL-29は 、 肝 臓 蛍 光 に よ り 測 定 さ れ る ア デ ノ ウ イ ル ス 感 染 お よ び 遺 伝
子 発 現 を 阻 害 し た 。 PBS処 理 マ ウ ス (n=8)は 、 平 均 相 対 肝 臓 蛍 光 が 52.4(任 意 単 位 )で あ っ た
。 一 方 、 IL-28処 理 マ ウ ス (n=8)は 相 対 肝 臓 蛍 光 が 34.5で あ り 、 IL-29処 理 マ ウ ス (n=8)は 相
対 肝 臓 蛍 光 が 38.9で あ っ た 。 ア デ ノ ウ イ ル ス 感 染 お よ び 遺 伝 子 発 現 の 減 少 は 、 血 清 ALTお
よ び ASTレ ベ ル な ら び に 組 織 像 に よ り 測 定 さ れ る 肝 臓 病 変 の 減 少 を も た ら し た 。 PBS処 理 マ
ウ ス (n=8)で は 、 平 均 血 清 ASTが 234 U/L(ユ ニ ッ ト /リ ッ ト ル )で あ り 、 血 清 ALTが 250 U/Lで
40
あ っ た 。 一 方 、 IL-28処 理 マ ウ ス (n=8)で は 平 均 血 清 ASTが 193 U/Lお よ び 血 清 ALTが 216 U/L
で あ り 、 IL-29処 理 マ ウ ス (n=8)で は 平 均 血 清 ASTが 162 U/Lお よ び 血 清 ALTが 184 U/Lで あ っ
た 。 さ ら に 、 肝 臓 組 織 像 か ら 、 マ ウ ス IL-28ま た は IL-29を 投 与 し た マ ウ ス が 、 PBS処 理 群
よ り も 低 い 肝 臓 お よ び 炎 症 ス コ ア を 有 す る こ と が 示 さ れ た 。 IL-29群 の 肝 臓 は ま た 、 PBS処
理 群 よ り も 少 な い 類 洞 細 胞 の 増 殖 、 少 な い 有 糸 分 裂 像 、 お よ び 少 な い 肝 細 胞 変 化 (例 え ば
、 空 胞 化 、 多 核 の 存 在 、 肝 細 胞 肥 大 )を 有 し た 。 こ れ ら の デ ー タ か ら 、 マ ウ ス IL-28お よ び
IL-29が 肝 臓 指 向 性 ウ イ ル ス に 対 す る 抗 ウ イ ル ス 特 性 を 有 す る こ と が 実 証 さ れ る 。
【0251】
実 施 例 21
LCMVモ デ ル
50
(75)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
マ ウ ス の リ ン パ 球 性 脈 絡 髄 膜 炎 ウ イ ル ス (LCMV)感 染 は 、 急 性 お よ び 慢 性 感 染 の 優 れ た モ
デルである。このモデルを使用して、サイトカインが抗ウイルス免疫応答に及ぼす効果、
な ら び に IL-28お よ び IL-29が ウ イ ル ス 量 お よ び 抗 ウ イ ル ス 免 疫 応 答 に 及 ぼ す 効 果 を 評 価 す
る 。 使 用 す る 2つ の モ デ ル は 以 下 の も の で あ る : LCMVア ー ム ス ト ロ ン グ (Armstrong)(急 性 )
感 染 お よ び LCMVク ロ ー ン 13(慢 性 )感 染 。 (例 え ば 、 Wherry et al., J. Virol. 77:4911-49
27, 2003; Blattman et al., Nature Med. 9(5):540-547, 2003; Hoffman et al., J. Im
munol. 170:1339-1353, 2003を 参 照 さ れ た い 。 )ウ イ ル ス に 応 答 し た CD8 T細 胞 発 生 の 3つ
の 段 階 が 存 在 す る : 1) 増 殖 、 2) 収 縮 、 お よ び 3) 記 憶 (急 性 モ デ ル )。 急 性 お よ び 慢 性 モ
デ ル に 関 し て 、 IL-28ま た は IL-29を 各 段 階 中 に 注 射 す る 。 慢 性 モ デ ル に お い て 、 持 続 す る
ウ イ ル ス 量 に 及 ぼ す IL-28ま た は IL-29の 効 果 を 評 価 す る た め に 、 IL-28ま た は IL-29を 感 染
10
か ら 60日 後 に 注 射 す る 。 急 性 お よ び 慢 性 モ デ ル に 関 し て 、 IL-28ま た は IL-29を 注 射 し 、 血
液、脾臓、および肝臓におけるウイルス量を調べる。試験し得る他のパラメータには以下
の も の が 含 ま れ る : LCMV特 異 的 CD8+ T細 胞 の 数 を 計 数 す る た め の フ ロ ー に よ る 四 量 体 染 色
; 四 量 体 +細 胞 が そ の 同 族 LCMV抗 原 で 刺 激 さ れ た 場 合 に サ イ ト カ イ ン を 産 生 す る 能 力 ; お
よ び LCMV特 異 的 CD8+ T細 胞 が そ の 同 族 LCMV抗 原 に 応 答 し て 増 殖 す る 能 力 。 LCMV特 異 的 T細
胞は、細胞の活性化および分化状態を評価するためにフローサイトメトリーにより表現型
を 決 定 す る 。 ま た 、 LCMV特 異 的 CTLが そ の 同 族 LCMV抗 原 を 有 す る 標 的 細 胞 を 溶 解 す る 能 力
に つ い て も 調 べ る 。 LCMV特 異 的 CD4+ T細 胞 の 数 お よ び 機 能 に つ い て も 評 価 す る 。
【0252】
IL-28ま た は IL-29に よ る 治 療 後 の ウ イ ル ス 量 の 減 少 を 決 定 す る 。 任 意 の 器 官 、 特 に 肝 臓
20
に お け る ウ イ ル ス 量 の 50%減 少 は 有 意 で あ る と 思 わ れ る 。 IL-28ま た は IL-29処 理 マ ウ ス に
関 し て 、 増 殖 す る 、 サ イ ト カ イ ン を 産 生 す る 、 ま た は 成 熟 表 現 型 を 示 す 四 量 体 陽 性 T細 胞
の 割 合 の 未 処 理 マ ウ ス に 対 す る 20%増 加 も ま た 有 意 と み な さ れ る も の と 思 わ れ る 。
【0253】
ウ イ ル ス 量 の 減 少 を も た ら す IL-28ま た は IL-29注 射 は 、 特 に 未 処 理 の 場 合 に ウ イ ル ス 力
価が長期間上昇したままである慢性モデルにおいて、ウイルス感染のより効果的な制御の
結 果 で あ る 。 未 処 理 マ ウ ス に 対 す る ウ イ ル ス 力 価 の 2倍 減 少 は 有 意 と み な さ れ る 。
【0254】
実 施 例 22
急性ウイルス感染のインフルエンザモデル
30
A. 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 試 験 す る た め の 予 備 実 験
イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス に よ る 急 性 感 染 に 対 す る IL-28ま た は IL-29の 抗 ウ イ ル ス 活 性 を
測 定 す る に は 、 イ ン フ ル エ ン ザ に 感 染 し た c57Bl/6マ ウ ス を 使 用 す る イ ン ビ ボ 研 究 を 以 下
の手順により行う:
動 物 : 6週 齢 の 雌 BALB/cマ ウ ス (Charles River)を 148匹 、 群 あ た り 30匹 。
群:
(1) 抗 体 力 価 お よ び 病 理 組 織 像 に 関 し て 並 行 し て 行 う た め の 絶 対 対 照 (非 感 染 )(群 あ た り 2
匹)
(2) 媒 体 (腹 腔 内 )生 理 食 塩 水
(3) ア マ ン タ ジ ン (陽 性 対 照 )10 mg/日 、 感 染 の 2時 間 前 か ら 開 始 し て 5日 間 (経 口 )
40
(4) IL-28ま た は IL-29処 理 (5μ g、 腹 腔 内 、 感 染 の 2時 間 後 に 開 始 )
(5) IL-28ま た は IL-29(25μ g、 腹 腔 内 、 感 染 の 2時 間 後 に 開 始 )
(6) IL-28ま た は IL-29(125μ g、 腹 腔 内 、 感 染 の 2時 間 後 に 開 始 )
【0255】
0日 目 ‐ 絶 対 対 照 を 除 き 、 す べ て の 動 物 に イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス を 感 染 さ せ る
ウ イ ル ス 量 用 (LD50で 10)
免 疫 学 検 査 用 (LD30)
0∼ 9日 目 ‐ IL-28ま た は IL-29を 毎 日 注 射 す る (腹 腔 内 )
体 重 お よ び 全 体 的 様 子 を 記 録 す る (3回 /週 )
3日 目 ‐ 群 あ た り 8匹 の 動 物 を 屠 殺 す る
50
(76)
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右 肺 に お け る ウ イ ル ス 量 (TCID50)
左肺における組織病理
抗体力価測定のための血液試料
10日 目 ‐ 生 存 し て い る 動 物 を す べ て 屠 殺 し 、 血 液 試 料 を 採 取 し て 抗 体 力 価 を 測 定 し 、 肺 リ
ン パ 球 (3の 4プ ー ル )を 単 離 し て 直 接 的 CTLア ッ セ イ を 行 い (5群 す べ て に お い て )ま た 以 下 の
マ ー カ ー : CD3/CD4、 CD3/CD8、 CD3/CD8/CD11b、 CD8/CD44/CD62L、 CD3/DX5、 GR-1/F480、
お よ び CD19に 関 し て 定 量 的 に 免 疫 表 現 型 を 同 定 す る 。
【0256】
試 験 No.2
8週 齢 の 雌 C57Bl/6マ ウ ス (Charles River)を 使 用 し て 、 マ ウ ス 適 応 化 ウ イ ル ス に 感 染 し
10
た C57Bl/6マ ウ ス に お け る IL-28ま た は IL-29の 有 効 性 試 験 を 行 う 。
群 1: 媒 体 (腹 腔 内 )
群 2: 陽 性 対 照 : 抗 イ ン フ ル エ ン ザ 中 和 抗 体 (ヤ ギ 抗 イ ン フ ル エ ン ザ A/USSR (H1N1)(Chem
icon International、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 テ メ キ ュ ラ ); 40μ g/マ ウ ス 、 感 染 の 2時 間 後 お
よ び 4時 間 後 (10μ l鼻 腔 内 )
群 3: IL-28ま た は IL-29(5μ g、 腹 腔 内 )
群 4: IL-28ま た は IL-29(25μ g、 腹 腔 内 )
群 5: IL-28ま た は IL-29(125μ g、 腹 腔 内 )
【0257】
生命後観察および免疫学的検査を調製する:
20
0日 目 ‐ 全 動 物 に イ ン フ ル エ ン ザ ウ イ ル ス を 感 染 さ せ る (実 験 2で 決 定 し た 用 量 )
0∼ 9日 目 ‐ IL-28ま た は IL-29を 毎 日 注 射 す る (腹 腔 内 )
一日おきに体重および全体的様子を記録する
10日 目 ‐ 生 存 し て い る 動 物 を 屠 殺 し 、 ウ イ ル ス ア ッ セ イ を 実 施 し 肺 に お け る ウ イ ル ス 量
を測定する。
肺 リ ン パ 球 を 単 離 す る (標 的 と し て の EL-4お よ び 異 な る E:T比 (実 験 1お よ び 2に よ る 最 良
の 結 果 に 基 づ く )を 用 い た 、 肺 に お け る 直 接 的 CTLア ッ セ イ の た め )。
四 量 体 染 色 : イ ン フ ル エ ン ザ A核 タ ン パ ク 質 (NP)エ ピ ト ー プ を 含 む MHCク ラ ス I四 量 体 を
結 合 す る CD8+ T細 胞 の 数 を 、 MHCク ラ ス Iと ウ イ ル ス ペ プ チ ド : FLU-NP3 6 6 - 3 7 4 /D
b
(ASNENM
b
ETM)、 (LMCVペ プ チ ド /D )の 複 合 体 を 用 い て 評 価 す る 。
30
以 下 の 定 量 的 な 免 疫 表 現 型 同 定 を 行 う : CD8、 四 量 体 、 細 胞 内 IFNγ 、 NK1.1、 CD8、 四 量
体 、 CD62L、 CD44、 CD3(+ま た は -)、 NK1.1(+)、 細 胞 内 IFNγ 、 CD4、 CD8、 NK1.1、 DX5、 CD3
(+ま た は -)、 NK1.1、 DX5、 四 量 体 、 サ イ ト メ ー タ ー 調 整 の た め シ ン グ ル カ ラ ー 試 料 。
【0258】
生 存 /再 曝 露 試 験
30日 目 : 生 存 試 験 で は 、 マ ウ ス を 異 な る 用 量 の IL-28も し く は IL-29で 、 ま た は 陽 性 抗 イ
ン フ ル エ ン ザ 抗 体 対 照 で 9日 間 処 理 す る 。 体 重 お よ び 個 々 の 血 清 試 料 中 の 抗 体 産 生 (総 量 、
IgG1、 IgG2a、 IgG2b)を 測 定 す る 。
【0259】
再曝露試験:
40
0日 目 : 両 群 に A/PRウ イ ル ス を 感 染 さ せ る (1LD30)。
群 6は 処 理 し な い 。
群 7は 125μ gの IL-28ま た は IL-29で 9日 間 処 理 す る 。
30日 目 : 生 存 試 験
体 重 お よ び 個 々 の 血 清 試 料 中 の 抗 体 産 生 (総 量 、 IgG1、 IgG2a、 IgG2b)を 測 定 す る 。
60日 目 : 再 曝 露 試 験
各 群 の 生 存 動 物 を 2つ の 亜 群 に 分 割 す る
群 6Aお よ び 7Aを A/PRウ イ ル ス に 再 曝 露 す る (1 LD30)
群 6Bお よ び 7Bを A/PRウ イ ル ス に 再 曝 露 す る (1 LD30)。
両 群 を 経 過 観 察 し 、 屠 殺 の 日 を 決 定 す る 。 体 重 お よ び 個 々 の 血 清 試 料 中 の 抗 体 産 生 (総
50
(77)
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量 、 IgG1、 IgG2a、 IgG2b)を 測 定 す る 。
【0260】
実 施 例 21
イ ン ビ ボ で B型 肝 炎 ウ イ ル ス (HBV)に 対 す る 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 有 す る IL-28お よ び IL-29
ト ラ ン ス ジ ェ ニ ッ ク マ ウ ス モ デ ル (Guidotti et al., J. Virology 69:6158-6169, 1995
)は 感 染 性 HBVの 高 レ ベ ル の 複 製 を 支 持 し 、 HBV感 染 の 化 学 療 法 モ デ ル と し て 用 い ら れ て い
る。トランスジェニックマウスを抗ウイルス薬で処理し、処理後のトランスジェニックマ
ウ ス 肝 臓 お よ び 血 清 に お い て HBV DNAお よ び RNAの レ ベ ル が 測 定 さ れ る 。 HBVタ ン パ ク 質 レ
ベルもまた、処理後のトランスジェニックマウス血清において測定され得る。このモデル
は 、 HBVウ イ ル ス 力 価 の 低 下 に お け る ラ ミ ブ ジ ン お よ び IFN-α の 効 果 を 評 価 す る た め に 用
10
いられた。
【0261】
HBV TGマ ウ ス (雄 )に 、 2.5、 25、 ま た は 250マ イ ク ロ グ ラ ム の IL-28ま た は IL-29を 一 日 お
き に 14日 間 腹 腔 内 注 射 す る (合 計 8用 量 )。 処 理 日 (0日 目 )お よ び 7日 目 に 、 血 清 収 集 の た め
マ ウ ス か ら 採 血 す る 。 IL-29の 最 終 投 与 か ら 1時 間 後 、 最 終 的 に マ ウ ス の 採 血 を し こ れ を 屠
殺 す る 。 血 清 お よ び 肝 臓 を 、 肝 臓 HBV DNA、 肝 臓 HBV RNA、 血 清 HBV DNA、 肝 臓 HBc、 血 清 Hb
e、 お よ び 血 清 HBsに つ い て 解 析 す る 。
【0262】
IL-28ま た は IL-29に 応 答 し た 肝 臓 HBV DNA、 肝 臓 HBV RNA、 血 清 HBV DNA、 肝 臓 HBc、 血 清
Hbe、 ま た は 血 清 HBsの 低 下 は 、 HBVに 対 す る こ れ ら の 化 合 物 の 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 反 映 す る
20
。
【0263】
実 施 例 22
BCBL-1細 胞 に お け る ヒ ト ヘ ル ペ ス ウ イ ル ス -8(HHV-8)複 製 を 阻 害 す る IL-28お よ び IL-29
IL-28お よ び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 、 Bリ ン パ 系 細 胞 株 、 BCBL-1を 用 い る イ ン ビ ト ロ
感 染 系 に お い て HHV-8に 対 し て 試 験 し た 。
【0264】
HHV-8ア ッ セ イ で は 、 試 験 化 合 物 お よ び ガ ン シ ク ロ ビ ル 対 照 を 、 半 対 数 系 列 で 希 釈 し た
そ れ ぞ れ 5つ の 濃 度 で ア ッ セ イ し た 。 評 価 項 目 は 、 細 胞 外 HHV-8 DNAの TaqMan PCR(IC50)、
お よ び CellTiter96(登 録 商 標 )試 薬 (Promega、 ウ ィ ス コ ン シ ン 州 、 マ デ ィ ソ ン )を 用 い る 細
30
胞 数 (TC50)で あ る 。 簡 潔 に 説 明 す る と 、 BCBL-1細 胞 を 96ウ ェ ル マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト
に プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 16∼ 24時 間 後 、 細 胞 を 洗 浄 し 、 培 地 を 、 三 つ 組 で 様 々 な 濃 度 の 試
験化合物を含む完全培地と交換した。ガンシクロビルが陽性対照であり、培地のみが陰性
対 照 (ウ イ ル ス 対 照 、 VC)で あ る 。 3日 後 、 培 地 を 、 適 切 に 希 釈 し た 試 験 化 合 物 を 含 む 新 鮮
な 培 地 と 交 換 し た 。 試 験 化 合 物 の 最 初 の 投 与 か ら 6日 後 、 細 胞 培 養 上 清 を 回 収 し 、 プ ロ ナ
ー ゼ お よ び DNAseで 処 理 し 、 次 い で リ ア ル タ イ ム 定 量 TaqMan PCRア ッ セ イ に 使 用 し た 。 増
幅 さ れ た HHV-8 DNAに ハ イ ブ リ ダ イ ズ す る 消 光 さ れ た 蛍 光 プ ロ ー ブ 分 子 の エ キ ソ ヌ ク レ ア
ー ゼ 分 解 に よ り 生 じ る 蛍 光 シ グ ナ ル の 増 加 を モ ニ タ ー す る こ と に よ り 、 PCR増 幅 さ れ た HHV
-8 DNAを リ ア ル タ イ ム で 検 出 し た 。 各 PCR増 幅 に つ い て 、 精 製 HHV-8 DNAの 希 釈 物 を 用 い て
標 準 曲 線 を 同 時 に 作 成 し た 。 HHV-8 DNAレ ベ ル の 低 下 か ら 、 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 算 出 し た (IC
5 0
40
)。 次 い で 、 新 規 の 色 素 取 り 込 み ア ッ セ イ を 利 用 し て 、 毒 性 を 算 出 す る た め に 使 用 す る
細 胞 生 存 度 を 測 定 し た (TC5 0 )。 治 療 指 数 (TI)を TC5 0 /IC5 0 と し て 算 出 す る 。
【0265】
IL-28お よ び IL-29は 、 BCBL-1細 胞 に お け る HHV-8ウ イ ル ス 複 製 を 阻 害 す る 。 IL-28Aは 、 I
C5 0 が 1μ g/mlで あ り 、 TC5 0 が >10μ g/mlで あ っ た (TI>10)。 IL-29は 、 IC5 0 が 6.5μ g/mlで あ
り 、 TC5 0 が >10μ g/mlで あ っ た (TI>1.85)。 MetIL-29C172S-PEGは 、 IC5 0 が 0.14μ g/mlで あ
り 、 TC5 0 が >10μ g/mlで あ っ た (TI>100)。
【0266】
実 施 例 23
エ プ ス タ イ ン ・ バ ー ウ イ ル ス (EBV)に 対 す る IL-28お よ び IL-29抗 ウ イ ル ス 活 性
50
(78)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
IL-28お よ び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 、 Bリ ン パ 系 細 胞 株 、 P3HR-1で の イ ン ビ ト ロ 感 染
系 に お い て EBVに 対 し て 試 験 す る 。 EBVア ッ セ イ で は 、 試 験 化 合 物 お よ び 対 照 を 、 半 対 数 系
列 で 希 釈 し た そ れ ぞ れ 5つ の 濃 度 で ア ッ セ イ す る 。 評 価 項 目 は 、 細 胞 外 EBV DNAの TaqMan P
CR(IC50)、 お よ び CellTiter96(登 録 商 標 )試 薬 (Promega)を 用 い る 細 胞 数 (TC50)で あ る 。 簡
潔 に 説 明 す る と 、 P3HR-1細 胞 を 96ウ ェ ル マ イ ク ロ タ イ タ ー プ レ ー ト に プ レ ー テ ィ ン グ す る
。 16∼ 24時 間 後 、 細 胞 を 洗 浄 し 、 培 地 を 、 三 つ 組 で 様 々 な 濃 度 の 試 験 化 合 物 を 含 む 完 全 培
地 と 交 換 す る 。 陽 性 対 照 に 加 え て 、 培 地 の み も 陰 性 対 照 (ウ イ ル ス 対 照 、 VC)と し て 細 胞 に
添 加 す る 。 3日 後 、 培 地 を 、 適 切 に 希 釈 し た 試 験 化 合 物 を 含 む 新 鮮 な 培 地 と 交 換 す る 。 試
験 化 合 物 の 最 初 の 投 与 か ら 6日 後 、 細 胞 培 養 上 清 を 回 収 し 、 プ ロ ナ ー ゼ お よ び DNAseで 処 理
し 、 次 い で リ ア ル タ イ ム 定 量 TaqMan PCRア ッ セ イ に 使 用 す る 。 増 幅 さ れ た EBV DNAに ハ イ
10
ブリダイズする消光された蛍光プローブ分子のエキソヌクレアーゼ分解により生じる蛍光
シ グ ナ ル の 増 加 を モ ニ タ ー す る こ と に よ り 、 PCR増 幅 さ れ た EBV DNAを リ ア ル タ イ ム で 検 出
す る 。 各 PCR増 幅 に つ い て 、 精 製 EBV DNAの 希 釈 物 を 用 い て 標 準 曲 線 を 同 時 に 作 成 し た 。 EB
V DNAレ ベ ル の 低 下 か ら 、 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 算 出 す る (IC5 0 )。 次 い で 、 新 規 の 色 素 取 り 込
み ア ッ セ イ を 利 用 し て 、 毒 性 を 算 出 す る た め に 使 用 す る 細 胞 生 存 度 を 測 定 し た (TC5 0 )。 治
療 指 数 (TI)を TC5 0 /IC5 0 と し て 算 出 す る 。
【0267】
実 施 例 24
単 純 ヘ ル ペ ス ウ イ ル ス -2(HSV-2)に 対 す る IL-28お よ び IL-29抗 ウ イ ル ス 活 性
IL-28お よ び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 活 性 を 、 Vero細 胞 で の イ ン ビ ト ロ 感 染 系 に お い て HSV-2
20
に 対 し て 試 験 し た 。 IL-28お よ び IL-29の 抗 ウ イ ル ス 効 果 は 、 細 胞 変 性 効 果 (CPE)の 抑 制 ア
ッ セ イ で 評 価 し た 。 こ の ア ッ セ イ は 、 細 胞 変 性 HSV-2ウ イ ル ス に よ る Vero細 胞 の 死 滅 、 な
ら び に IL-28お よ び IL-29に よ る 殺 細 胞 の 抑 制 を 含 む 。 Vero細 胞 は 、 10%ウ マ 血 清 、 1%グ ル
タ ミ ン 、 お よ び 1%ペ ニ シ リ ン -ス ト レ プ ト マ イ シ ン を 添 加 し た フ ェ ノ ー ル レ ッ ド を 含 む ダ
ル ベ ッ コ 改 変 基 本 培 地 (DMEM)で 増 殖 さ せ 、 CPE抑 制 ア ッ セ イ は 、 2% FBS、 1%グ ル タ ミ ン 、
お よ び 1%ペ ニ シ リ ン -ス ト レ プ ト マ イ シ ン を 添 加 し た フ ェ ノ ー ル レ ッ ド な し の DMEMで 行 う
。 ア ッ セ イ の 前 日 に 、 細 胞 を ト リ プ シ ン 処 理 し (1%ト リ プ シ ン -EDTA)、 洗 浄 し 、 計 数 し 、 1
00μ l/ウ ェ ル の 量 で 96ウ ェ ル 平 底 BioCoat(登 録 商 標 )プ レ ー ト (Fisher Scientific、 ペ ン
4
シ ル バ ニ ア 州 、 ピ ッ ツ バ ー グ )に 10 細 胞 /ウ ェ ル で プ レ ー テ ィ ン グ し た 。 翌 朝 、 培 地 を 除
去し、あらかじめ力価測定しておいた一定分割量のウイルスを細胞に添加した。使用する
30
ウ イ ル ス の 量 は 、 最 大 CPE発 生 の 時 点 で 完 全 な 殺 細 胞 (>80%)を 生 じ る で あ ろ う 最 大 希 釈 で
あ る 。 細 胞 生 存 度 は 、 Vmaxプ レ ー ト リ ー ダ ー (Molecular Devices、 カ リ フ ォ ル ニ ア 州 、 サ
ニ ー ベ ー ル )を 使 用 し て 、 製 造 業 者 の 手 順 に 従 っ て CellTiter96(登 録 商 標 )試 薬 (Promega)
を 用 い て 測 定 す る 。 化 合 物 は 、 ア ッ セ イ 培 地 に よ り 半 対 数 系 列 で 希 釈 し た そ れ ぞ れ 6つ の
濃度で試験する。アシクロビルを陽性対照として使用した。化合物はウイルス感染の時点
で 添 加 す る 。 各 濃 度 に お け る パ ー セ ン ト CPE低 下 お よ び パ ー セ ン ト 細 胞 生 存 度 に つ い て の
平 均 バ ッ ク グ ラ ウ ン ド お よ び 薬 剤 色 補 正 デ ー タ を 対 照 に 対 し て 決 定 し 、 TC5 0 に 対 し て IC5 0
を算出する。
【0268】
IL-28A、 IL-29、 お よ び MetIL-29C172S-PEGは 、 本 ア ッ セ イ に お い て 細 胞 死 を 抑 制 し な か
っ た (IC5 0 は >10 ug/ml)。 本 ア ッ セ イ で は 、 IFNα の 抗 ウ イ ル ス 活 性 も 認 め ら れ な か っ た 。
【0269】
本明細書において引用したすべての特許、特許出願、および刊行物、ならびに電子的に
利 用 可 能 な 情 報 (例 え ば 、 GenBankア ミ ノ 酸 配 列 お よ び ヌ ク レ オ チ ド 配 列 の 寄 託 )の 完 全 な
開示は、参照により組み入れられる。前述の詳細な説明および実施例は、理解を明確にす
る目的でのみ提供した。そこから不必要な制限はないと理解されるべきである。当業者に
明らかな変形例は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれるため、本
発明は、提示および記載された正確な詳細に制限されない。
【配列表】
2007531741000001.app
40
(79)
【国際調査報告】
JP 2007-531741 A 2007.11.8
(80)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
(81)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
(82)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
(83)
JP 2007-531741 A 2007.11.8
フロントページの続き
(51)Int.Cl.
FI
A61P 31/16
A61P 31/22
A61P 1/16
A61K 45/00
C12N 15/09
C07K 14/54
テーマコード(参考)
(2006.01)
(2006.01)
A61P 31/16
A61P 31/22
(2006.01)
(2006.01)
A61P
1/16
A61K 45/00
(2006.01)
C12N 15/00
A
(2006.01)
C07K 14/54
(81)指定国 AP(BW,GH,GM,KE,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),
EP(AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,MC,NL,PL,PT,RO,SE,SI,SK,TR),OA(BF,BJ,
CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CN,CO,CR,
CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L
T,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NA,NI,NO,NZ,OM,PG,PH,PL,PT,RO,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,SY,TJ,TM,TN,TR
,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,YU,ZA,ZM,ZW
(72)発明者 キンズボゲル ウェイン アール.
アメリカ合衆国 ワシントン州 シアトル 24番 アベニュー エヌイー 6014
(72)発明者 シバクマール パラブール ブイ.
アメリカ合衆国 ワシントン州 シアトル 32番 アベニュー エヌダブリュー 7107
(72)発明者 ヘンダーソン キャサリン イー.
アメリカ合衆国 ワシントン州 シアトル 22番 アベニュー エヌイー 5046 1/2
Fターム(参考) 4B024 AA01 BA26 CA02 CA04 DA06 EA04
4C084 AA02 BA01 BA02 BA07 BA22 BA23 BA37 CA53 MA02 NA14
ZB332 ZC552
4H045 AA30 BA10 BA57 CA40 DA02 EA29 FA74
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