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(4)ブッダになった王子 ̶インドの文明̶
4世紀 紀元前2世紀 コグリョ [高句麗] 4世紀 ペクチェ 紀元前2世紀∼4世紀 [百済] 7世紀 ひと つぶ 日に米一粒,ゴマ一粒ですごすことや, 紀元前2世紀∼4世紀 ねむ 仏教の成立 でいることもありました。 フィリピン インド ぼ だい じゅ 6年間の修行をやめ,菩 提 樹 の下で 5 わ こく [倭国] 中国 チベット 何日間も食べものをとらず,眠 らない 6世紀 8世紀 目をとじて静かに考えているとき,人 ベトナム タイ さと 間や世の中についての真理を悟 りまし め ざ た。王子は,人びとからブッダ( 目覚め 紀元前3世紀 セイロン島 たもの)とよばれるようになりました。 ブッダは,生活を正しくするなどの 7世紀 ジャワ島 しょ ぎょう む じょう 10 修行をして,諸行無常の真理を悟れば, と 苦しみをとりはらうことができると,説きました。 み いだ 4 仏教の広がり □ で し ブッダの教えに,救いを見出した人びとは,ブッダの弟子となり, (紀元前6 世紀~紀元8 世紀) ぶっきょう 修行する道に入りました。この人びとは,ブッダの教えを仏教として, しゅぎょう 1 修 行 するシャカ族の王子 □ (4)ブッダになった王子 インド各地に広めていきました。 2 ブッダになった王子 □ (本名:ガウタマ = シッダールタ き げんぜん 人間の悩み・苦しみに, シャカ族の王子はどう答えたか。 という意味。 ▶アショーカ王と仏教 ̶インドの文明̶ 15 ▶妻も子も残して ちょう 川まで広がる大国ができました(マウリヤ朝 ) 。 き げん ぜん この国の王となったアショーカ王は,となりの国との戦争によって, 小さな国がありました。ガウタマ = シッダールタは,ヒマラヤ山脈の 多くの人の命を失わせ,人びとを悲惨な目にあわせたことを,深く反 ふもとにあった,シャカ(シャーキヤ)族の国の王子でした。29 歳の 省しました。そして,熱心な仏教の信者として,武力や強制による政 ひ さん ぶ りょく さい じ しゅぎょう とき,妻も子も家に残して,修行の旅に出ました。 20 りゅういき インドでは紀元前 1500年ごろ,インダス川流域に,西からアーリヤ アーリヤ人の移動 ヒマ ラヤ 山脈 仏教の成立ガ インダ ス川 ンジ モヘンジョ =ダロ ス川 パータリプトラ (マウリヤ朝の首都) 紀元前 320年ごろ,インドでは西のインダス川から,東のガンジス 紀元前 500 年ごろ,インドのガンジス川のあたりには,いくつもの い どう せん じゅう みん き ゆうぼくみん アなどの遊牧民だった。馬に引かせる戦車を 使って戦った。 ちょうせん ス川方面へも勢力をのばしました。 紀元6世紀には日本にも伝えられました。インドではそののち,ブラー アーリヤ人たちは,神々の怒りをしずめ,ゆたかな実りをえること フマナの教えにもとづくヒンドゥー教がさかんになり,現在では,国 き げん せいりょく いか わり ぎ しき を願って,儀式をおこなっていました。そこでは,儀式をおこなうブ そう 25 したが ラーフマナとよばれる僧が大きな力をもち,王や軍人もこれに従いま 民の8割がヒンドゥー教の信者になっています。 10 もの お か 【消えた死者の丘】 インダス川の周辺には,紀元前 2500年ごろからインダス文明が栄えた。モヘンジョ い せき じゅう たく ▶人間はなぜ苦しむのか しかし,紀元前 500年ごろから,都市ができるなど新しい動きのな 浴場もあった。また,農業がさかんだったようで,小麦や豆を貯蔵する,高さ 46mも みぞ ほ 下水道が整えられていた。レンガをしきつめた道路の両側には下水道の溝が掘られ,大 ちょぞう きょだい カ族の王子は,修行の旅で問いつづけました。山や森林にこもり,一 う しかし,この都市は,紀元前 1800年ごろからおとろえ,やがて埋もれてしまった。 なや なぜ人間は,老い,病み,別れ,死ぬことを悩み,苦しむのか,シャ こくもつそう こ ある巨大な穀物倉庫がつくられていた。 しゅうきょう かで,それまでのものにとらわれない思想や宗教が生まれてきました。 や 5 ブッダが悟りを開いた地に建てられた塔/ □ 高さ52m, 紀元6世紀のもの。 = ダロ( 死者の丘 )とよばれる都市の遺跡には,レンガづくりの住 宅がならび,水道や お 018 とう 仏教は,インドから東南アジア・中央アジアや中国・朝鮮に伝わり, さらに,その下の身分とされる人びともいました。 3 アーリヤ人の移動/アーリヤ人は, □ 中央アジ せい 人が移動してきて,先住民と同化して農耕民となり,さらに,ガンジ した。農業や商売をする人びとは,僧や王に貢ぎ物を差し出しました。 1000km きょう せい 治をあらためました。また,8万基以上の塔を建ててブッダをしのび, 仏教を広めました。 5 のう こう みん みつ 0 つね するものであり,とどまることはない 紀元前563ごろ〜紀元前483ごろ) つま なや 諸行無常 世の中のことはすべて,常 に変化 かいめい 15 その理由は,まだ十分に解明されていない。 ふくげん ず 6 モヘンジョ = ダロの穀物倉庫 □ (復元図) ▶ 019