Comments
Description
Transcript
3カ国市民社会によるプロサバンナ事業に関する共同抗議声明・公開質問
3カ国市民社会によるプロサバンナ事業に関する共同抗議声明・公開質問 〜政府文書の公開を受けて〜 2016 年 8 月 27 日 【背景・目的】 私たち、3カ国(モザンビーク・ブラジル・日本)の市民社会は、2012 年 10 月に、モザンビーク 最大の小規模農民運動 UNAC(全国農民連合)が、同国北部ナカラ回廊地域での大規模農業開発「プ ロサバンナ事業」1に対する懸念と問題を指摘する声明を発表して以来、農民の主権が尊重される支援 への転換を求めて活動してきました2。 2013 年 5 月には、UNAC など 23 現地市民組織により「公開書簡」が 3 カ国政府首脳に提出され、 事業の緊急停止と情報公開の徹底による小農らの主体的な参加を可能とする抜本的見直しが要求され ました3。以上の結果、小農・市民社会組織との「丁寧な対話」の約束がなされるに至っています4。 しかし、情報は秘匿され続け、2013 年からは、事業に異議や反対を唱える農民組織リーダーや市民 に帯する脅迫を含む人権侵害が頻発しています。2015 年 4〜6 月には、名ばかりの「公聴会」が対象 19 郡で実施され、UNAC を含む世界の 80 を超える市民社会組織から「無効化」要求が出されました5。 これを受けて、私たち3カ国市民社会は、(1)人権尊重、(2)透明性・アカウンタビリティの改善、 (3)FPIC(自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意)に基づく「意味ある対話」の実現を繰 り返し要求してきましたが、約束の一方で事態は改善されるどころか悪化の一途を辿ってきました。 2015 年 10 月には、 「UNAC 等の公聴会への批判の声に応えるため6」と称して、 「市民社会関与プロ ジェクト」が JICA により開始されました7。しかし、同プロジェクトは3カ国市民社会に伏せたまま 進められ、結果として現地社会に様々な負の影響をもたらすに至り、本年 2 月には、UNAC など現地 9 市民社会組織から非難声明「対話プロセスの不正を糾弾する」が発表されています8。 このたび、本年 5 月にプロサバンナ事業のとりわけ「市民社会関与プロジェクト」に関する一連の 公文書 46 件のリークがありました9。これらに加え、日本の情報公開法に基づき入手した 100 件を超え る公文書に基づき、3カ国政府に対し、緊急の抗議と要請・公開質問を行います。 【公文書等から明らかになったこと】 上記文書並びに現地調査の結果10、この間の意見交換会等11での政府側説明の詳細なる検討を重ねた 結果、以下の 5 点が明らかになりました。 (1)UNAC の非難声明直後の 2012 年 12 月に、3 カ国政府の間で「社会コミュニケーション戦略」 の制定が合意され12、プロサバンナ事業に異論を唱える市民社会組織や運動に対する様々な対抗戦 略が、JICA の資金を使い「介入提案と行動計画」として形成され13、実行に移されていたこと14 (2)対象 19 郡のコミュニティにおける農民・市民社会組織の影響力を削ぐことを目的に15、地方行 政・伝統的権威・協力的な個人による「郡コラボレーター網」の構築が計画・実行されたこと16 (3)市民社会間の分断を図るため、国際(特にブラジル・日本の)市民社会に対する「信用低下」 のための様々な方策が、現地政府関係者やメディアを使って計画され、実施されたこと17 (4)2015 年 10 月、JICA の「市民社会関与プロジェクト」が立ち上げられ、現地コンサルタントと の契約により18、 「市民社会が(政府計画に)乗るようにする(achieving buy-in from civil society)」 ことが目指されたこと19。具体的手段として、現地市民社会間・団体内部の対立あるいはその可能 性を特定して介入を行い20、プロサバンナ事業のための「同盟形成を促進」し21、 「教化(cultivation)」 1 を行うことで22、“対話”に前向きな団体のみと「唯一の対話プラットフォーム/プロサバンナ助 言(活動)委員会23」を作ることが目的とされたこと24。その際、UNAC や州農民連合をはじめと する「プロサバンナにノー キャンペーン」団体を準備プロセスから排除(「交渉を無視25」)す る一方、プラットフォーム作りを先行し、孤立を怖れ参加せざるを得ない状況を作りだすことが 期待され26、実行に移されたこと これらの公文書に関する分析が日本の NGO 本月 22 日に発表されており27、詳細は同『分析』に譲 りますが、以上から、プロサバンナ事業が、現地農民組織の切実なる声とそれを支える3カ国の市民 社会の要請に応えるどころか、それらを弱める、反目させる、分断・孤立させることを目的とした戦 略計画と活動が、プロサバンナ事業の枠組みの中で JICA 事業により形成され、実行に移されてきた ことが明らかとになりました。 【抗議・要請・公開質問】 市民社会に対する政府によるこのような介入は決して許されるものではなく、国際協力事業の一環 で、政治工作とも呼びうる活動が行われたことに、3 カ国の市民として憤りを禁じえません。 現在、ナカラ回廊地域では、プロサバンナ事業の上位プログラム「ナカラ経済回廊開発」に誘発さ れた土地収奪が後を絶ちません28。国際協力は、このような現実に対抗できる農民・市民社会のエンパ メントや連帯を促進するものであるべきにもかかわらず、プロサバンナ事業は、逆に農民の弱体化や 分断を意図的に創りだしてきました。このままでは、さらに多くの農民が土地を失う可能性が高いこ とは明らかです。 以上の一連の出来事は、日本政府・JICA やブラジル政府の掲げる「国際協力」や「国際連帯」の理 念と原則に反するばかりでなく、憲法が保障する国民の諸権利を侵害するものです。また、各種国内 法やガイドラインを破って情報を隠蔽し、上記に示された計画・活動を組織的に続けてきた3カ国政 府に強く抗議します。そして、この一連の市民社会への対抗戦略が、モザンビークにおいて和平・民 主主義・ガバナンス・人権状況が悪化の一途を辿る中で実施されていることについても、強調したい と思います29。 以 上 を 踏 ま え 、 私 た ち 3 カ 国 の 市 民 は 、 以 下 の 緊 急 要 請 を 行 い ま す 。 1. プ ロ サ バ ン ナ 事 業 と そ の 関 係 プ ロ ジ ェ ク ト の 中 止 2. プ ロ サ バ ン ナ に 関 す る 残 り の 政 府 文 書 の 即 時 全 面 公 開 そ し て 、 次 の 質 問 に 対 す る 3 カ 国 政 府 の 回 答 を 要 求 し ま す 。 ( 1) 上 記 「 戦 略 」 に 関 す る 文 書 分 析 に 関 す る 以 上 の 結 論 の 妥 当 性 に 対 す る 見 解 ( 2) 「 市 民 社 会 関 与 プ ロ ジ ェ ク ト 」 に 関 す る 以 上 の 結 論 の 妥 当 性 に 関 す る 見 解 なお、リークされた公文書により、今後の「対話」事業のために、日本からの食糧(増産)援助(KR/KRII) の「見返り資金」が使われることがわかりました30。これを受けて、以下を表明します。 *「 見 返 り 資 金 」は 、受 益 国 政 府 が 資 金 を 国 庫 外 に プ ー ル で き 、運 用 の 不 透 明 性 が 国 会 で も 指 摘 さ れ て き ま し た 。こ れ に よ り 、プ ロ サ バ ン ナ 事 業 の 不 透 明 性 は さ ら に 促 進 されるものと思われ、3 カ国市民として、これを強く懸念します。 【最後に】 今回明らかになった事実の大半を他の市民社会組織が知らないことを踏まえ、これらの組織に対して は、一連の一次文書と『分析』を確認し、今後について再検討を行うよう呼びかけたいと思います。 私たち3カ国の市民は、これからもモザンビークの小農とともに土地と主権・尊厳を守るための活動 を継続していく意志をここに表明いたします。 2 署名団体: 【モザンビーク市民社会】 1. モザンビーク全国農民連合(UNAC) 2. 環境正義(JA!) 3. 農村コミュニティ支援のためのアカデミック・アクション(ADECRU) 4. 世界女性マーチ(The World Women March) 5. 女性フォーラム(Women’s Forum) 6. 環境団体・LIVANINGO 7. 人権リーグ(Human Rights League-Mozambique) 8. FOE モザンビーク 9. カトリック・ナンプーラ大司教区正義と平和委員会(CaJuPaNa) 10. カトリック・ナカラ教区正義と平和委員会(CDJPN) 11. RISC – Mocambique 12. コミュニティ開発と環境のためのモザンビーク協会(AMODECA) 【ブラジル市民社会】 13. ヴァーレ社による被害者国際運動(AV — International Articulation of those Affected by Vale) 14. カトリック先住民族評議会(Cimi – Conselho Indigenista Missionário) 15. 全国農村労働者・家族農業者連盟(CONTAG - Confederação Nacional dos Trabalhadores Rurais Agricultores e Agricultoras Familiares) 16. カトリック・土地司牧委員会(CPT - Comissão Pastoral da Terra) 17. FASE - Solidariedade e Educaçã 18. 全国家族農業者連盟(FETRAF - Federação Nacional dos Trabalhadores e Trabalhadoras na Agricultura Familiar) 19. 社会経済研究所(INESC - Instituto de Estudos Socioeconômicos) 20. ダム被害者運動(MAB - Movimento dos Atingidos por Barragens) 21. 農村女性運動(MMC - Movimento de Mulheres Camponesas) 22. 土地なし農民運動(MST - Movimento dos Trabalhadores Rurais Sem Terra) 23. 小農運動(MPA - Movimento dos Pequenos Agricultores) 24. グローバルサウス(南)のためのオルタナティブ政策研究所(PACS - Instituto Políticas Alternativas para o Cone Sul) 25. 食料主権・安全保障のための黒人女性ネットワーク(Rede de Mulheres Negras para Soberania e Segurança Alimentar e Nutricional ) 26. Amigos da Terra Brazil 27. Fórum Brasileiro de Soberania e Segurança Alimentar e Nutricional 28. REBRIP - Rede Brasileira pela Integração dos Povos 29. ADEREMG - Articulação dos Empregados Rurais do Estado de Minas Gerais 30. SERRSMG - Sindicato dos Empregados Rurais da Região Sul de Minas Gerais 31. Sindercam - Sindicato dos Empregados Rurais de Carmo de Minas MG 32. Feraemg - Federação dos Empregados Rurais Assalariados do Estado de Minas Gerais 【日本市民社会】 33. 日本国際ボランティアセンター(JVC) 34. アフリカ日本協議会(AJF) 35. モザンビーク開発を考える市民の会 36. No! to landgrab, Japan 3 37. ATTAC Japan 38. アジア農民交流センター 39. 全日本農民組合連合会 40. 北海道農民連盟 41. FOE Japan 42. ムラ・マチネット 43. 特定非営利活動法人 WE21 ジャパン 44. 「環境・持続社会」研究センター(JACSES) 45. 認定 NPO 法人 WE21 ジャパン・ほどがや 46. 認定 NPO 法人 WE21 ジャパンいずみ 47. 認定特定非営利活動法人 WE21 ジャパン藤沢 48. 株式会社きのした 49. ODA 改革ネットワーク 賛同団体: 1. NRAN (No REDD in Africa Network) 2. KEPA / Finland 3. Alternative Information and Development Centre (AIDC) / South Africa 4. CESTA / El Salvador 5. Centro de Documentación en Derechos Humanos “Segundo Montes Mozo S.J.” (CSMM) / Ecuador 6. Plataforma Interamericana de Derechos Humanos, Democracia y Desarrollo (PIDHDD Regional) / Ecuador 7. FoE Togo 8. Centre for Environment and Development / Cameroon 9. World Rainforest Movement 10. FOE Africa 11. Groundwork South Africa 12. GRAIN 13. FIAN International 14. Red Regional agua, desarrollo y democracia (REDAD) / Peru 15. ATTAC ARGENTINA / Argentina 16. Woman Health Philippines / Philippine 17. CADTM International 18. ATTAC / CADTM Maroc / Morocco 19. CADTM AYNA 20. CADTM France / France 21. CADTM Belgique / Belgium 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28. 29. The Transnational Institute (TNI) Haburas Foundation / FoE Timor Leste COECOCEIBA – FoE COSTA RICA ATTAC France / France Earth Harmony Innovators / South Africa Ukuvuna Urban Farming / Zimbabwe 特定非営利活動法人 メコン・ウォッチ 特定非営利活動法人 APLA 4 30. 特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク 31. 特定非営利活動法人 AM ネット 32. NGO 法人さっぽろ自由学校「遊」 33. NGO ネットワーク協議会 34. TPP を考える市民の会 35. 特定非営利活動法人 A SEED JAPAN 1 「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるアフリカ熱帯サバンナ農業開発プログラム」(2009 年 9 月合意)の 略称。 2 「発足声明:プロサバンナにノー! 全国キャンペーン」(2014 年 6 月 2 日) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20140602release.html これらの一連の活動は、UNAC の 2012 年 10 月 11 日 の「プロサバンナ声明」(http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20121011unac.html)や JA!による 2013 年 1 月「ポ ジションペーパー」https://issuu.com/justicaambiental/docs/ja_position_paper_on_the_prosavana_ 以来、多くの声明 に表されている。他団体を含む全声明(日本語版)は次のサイト。http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps_base0001.html 3 「プロサバンナ事業の緊急停止を求める公開書簡」(2013 年 5 月 28 日) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20130528letter.html 4 参議院決算委員会(2014 年 5 月 12 日) JICA 田中明彦理事長並びに岸田文雄大臣から「丁寧な作業」と「丁寧な 対話」が約束されている。 5 三カ国市民社会緊急共同声明「 『プロサバンナ事業マスタープラン公聴会』の無効化呼びかけ」(2015 年 6 月 4 日) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20150608statement.html 6 第 15 回意見交換会(2016 年 2 月 19 日)、第 16 回意見交換会(2016 年 3 月 9 日)の際に JICA により事後的に説 明された。 7 この間の経緯は次の資料にまとめて掲載されている。「日本市民社会声明:プロサバンナ事業「市民社会関与プロジ ェクト」に対する抗議声明~抜本的な見直しに向けた要請」(2016 年 3 月 18 日) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20160318statement.html http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/17kai_shiryo/ref3.pdf 8 「対話プロセスの不正を糾弾する」(2016 年 2 月 17 日) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/activities/ps20160219appeal.html 「モザンビーク市民社会会議要約「プロサバンナにノー!キャンペーンによる合意形成と抵抗に関する会議」 (2016 年 5 月 7)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/iraq/data/20160725-prosavana.pdf 9 全リーク文書は右記のサイトに掲載されている。http://farmlandgrab.org/26158 10 2013 年 7 月より、モザンビーク農民組織、市民社会組織とともに、日本の NGO は 8 回に及ぶ現地調査を実施して きた。その成果は、『ProSAVANA 市民社会報告 2013—現地調査に基づく提言』(2014 年 4 月) http://www.dlmarket.jp/products/detail/263029 『プロサバンナ事業考察:概要と変遷、そして NGO からの提言』 (2014 年 10 月 28 日)http://www.ngo-jvc.net/jp/projects/advocacy-statement/data/proposal%20final.pdf、次の報告会・意見交 換会での発表資料を参照されたい。http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/14kai_shiryo/ref3.pdf 11 2013 年 1 月より、日本 NGO と外務省・JICA の間で 17 回の「ProSAVANA 事業に関する意見交換会」を立ち上げ、 その会議要旨と資料は次のサイトで公開している。http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/prosavana/index.html 12 このことが記された3カ国調整会議記録は以下のサイトに公開されている。 https://www.grain.org/article/entries/4703-leaked-prosavana-master-plan-confirms-worst-fears 13 JICA はコミュニケーション戦略策定のために現地(ポルトガル系)コンサルティング企業(CV&A)と契約を行い、 業務指示書でこれを目的として掲げた(ToR、4 頁)。http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/102.pdf 原文 は、”intervention proposal and action plans”。なお、「コミュニケーション戦略」に関する一連の一次資料は次のサイト を参照されたい。http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/index_docs.html 14 JICA が開示した CV&A 社による「月報(Relatorio de actividade ProSAVANA)」により、同社策定の『戦略』が実 行に移されていたことが分かった。月報は 2014 年 7 月、8 月、10 月分しか開示されていない。 15 By having direct contact with these communities, it will devalue these associations representing the communities or farmers. In order to minimize the strength of these organizations are as follows:…. By taking importance away from the Mozambican civil society organisations, it will take strength away from the foreign NGOs to operate in Mozambique"(『プ ロサバンナ:コミュニケーション戦略』(Estrategica de Comunicacao: ProSAVANA))(2013 年 9 月)、34-35 頁). http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/104.pdf (原文[ポルトガル語]をこちらで英語訳) 同『戦略』は、プロ サバンナ事業の公文書として3カ国・JICA に承認を受けたものであり、著者・発行元は ProSAVANA となっている。 16 『プロサバンナ:コミュニケーション戦略』(2013 年 9 月)の 10-12、23-26、46 頁。原文は、”district network of collaborators”。http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/104.pdf 17 原文は、”devaluing”。『プロサバンナ:コミュニケーション戦略』34-35 頁、30-34 頁。 「国際メディアはこの種のオ ファーを受けとらない傾向にあるが、プロサバンナは常に費用の支援を持ちかけなければならない」 (34 頁)。これらの 点は CV&A の一方的な提案ではなく、JICA による契約書の一連の付随文書(業務指示書、 「ProSAVANA の枠組みにお ける社会コミュニケーション戦略」)に同様のことが明記されている。後者の資料は次のサイト。 5 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/103.pdf 18 JICA から MAJOL 社への業務指示書。http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/122.pdf 19 JICA 開示資料 MAJOL 社による『インセプション・レポート』(5 頁)に明記。 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/123.pdf 原文は、”achieving buy-in from civil society”。 20 原文は、”identification of …potential conflicts or conflicts of interest between the project and particular groups or between the groups themselves”。 21 JICA 開示資料『インセプション・レポート』 (18 頁)に明記。原文は、“promote the development of alliances”。 22 リークされた MAJOL 社による中間報告(セミファイナル版) 『ステークホルダー・マッピング(Stakeholder Mapping)』 (20 頁)http://www.farmlandgrab.org/uploads/attachment/Map.3.pdf 同文書は JICA に開示を拒まれたもの。 23 JICA の『業務指示書』(2015 年 10 月)では「一つの対話プラットフォーム」と書かれていたものが、 『インセプショ ン・レポート』 (2015 年 11 月)の時点では「プロサバンナ助言委員会(”ProSAVANA Advisory Committee)」とされ、 2016 年 1 月の時点では「助言(Advisory)」が「活動(Working)」に変更されていた(ナンプーラ・ワークショップへ の MAJOL からの招待状)。 24 これについては JICA からの『業務指示書』(2-3 頁)に明確な形で書かれている。 http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/docs/122.pdf 25 原文は、”disregard in terms of negotiations”。 26 『ステークホルダー・マッピング』(33 頁)。原文は、”…is small enough to be essentially disregarded in terms of negotiation...”。 27 No! to farmlandgrab, Japan “ProSAVANA’s Communication Strategy and its Impact: an Analysis of JICA’s Disclosed and Leaked Documents(「プロサバンナ事業『コミュニケーション戦略』とその影響〜JICA 開示・リーク文書の分析」)” (2016 年 8 月 22 日)http://farmlandgrab.org/26449 28 世 界 的 に 著 名 な モ ザ ン ビ ー ク 研 究 者 で あ る ジ ョ セ フ ・ ハ ン ロ ン 氏 は 、 2016 年 6 月 26 日 の 記 事 ”Comment on ProSAVANA: What does a successful campaign do after it is wins?”で「プロサバンナにノー!キャンペーン」を「モザ ンビークで最も成功したキャンペーン」と賞賛した。他方、モザンビーク北部の土地収奪はすでに脅威ではなくなって いるものの同キャンペーンがいまだ解散せず、同地域の土地収奪に対する反対キャンペーンを展開していると揶揄した。 ハンロン氏は、その根拠として、「(モザンビークでは、)過去5年、大規模なアグリビジネスによる土地収奪は新た に起きていないと思われ、既存のビジネスもうまく行っていない」と述べたが、これは私たちの認識とは異なり、また 同地域の土地収奪の危険は現実には減っているわけではない。例えば、ハンロン氏は、24万ヘクタールを対象とし、50 万世帯の強制移住の可能性が指摘されている「ルリオ渓谷開発プロジェクト」について、「モザンビーク政府に認可さ れ、土地を取得し、また必要とされる莫大な資金を集められる可能性はごくわずか」であるため、取るに足らない問題 とした。しかし、同事業は依然としてモザンビーク政府の検討課題になっており、「パナマ文書」が明らかにしたよう に、同プロジェクトが政府に対し土地使用権(DUAT)を申請している。(http://farmlandgrab.org/26386)。さらには、 ハンロン氏の主張に基づけば、すでに「収奪された土地」はそのまま奪われたままで、計画段階の土地案件について農 民組織や市民社会組織は何もしなくて良いということになる。また、現在ナカラ回廊沿い地域では、アグリビジネス以 外に、「ナカラ経済回廊開発」に記された植林プランテーションやインフラ整備(鉄道事業)などによる土地収奪も発 生している。 29 「現在のモザンビーク軍事政治社会情勢:ナカラ回廊地域・プロサバンナを中心に」(2016 年 3 月 3 日) http://www.ajf.gr.jp/lang_ja/ProSAVANA/oda/2015301.pdf · 30 http://www.farmlandgrab.org/uploads/attachment/doc_2.pdf 6